JP2022120456A - クレーン - Google Patents

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崇夫 江藤
Takao Eto
英司 宮
Eiji Miya
浩司 西嶋
Koji Nishijima
慎吾 栗原
Shingo Kurihara
忠宏 清水
Tadahiro Shimizu
孝昌 平手
Takayoshi Hirate
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Abstract

【課題】クレーンにおいてブームに起伏可能に支持されたバックストップとクレーン本体とがブームの起伏時に干渉することを防止する。【解決手段】クレーン10は、上部旋回体12と、ブーム16と、ブーム起伏駆動部31と、格納姿勢と支持姿勢との間で姿勢変更可能なバックストップ45と、バックストップ45の姿勢を検出するリミットスイッチ622と、起伏許可部820とを有する。起伏許可部820は、バックストップ45が格納姿勢とされた状態で、上部旋回体12に対するブーム16の相対角度であるブーム起伏角θが、バックストップ当接部451Sと上部旋回体12のうちバックストップ受け部121とは異なる部分(ガントリ支持部210)とが互いに干渉することを防止するために予め設定された干渉防止角度範囲に含まれる場合に、ブーム起伏駆動部31によるブーム16の起伏動作を強制的に阻止する。【選択図】図10

Description

本発明は、クレーンに関する。
従来、クレーン本体とブームとを備えたクレーンが知られている。ブームは、水平な回動軸回りに起伏可能なようにクレーン本体に支持されている。また、このようなクレーンとして、ブームが後方に倒れることを防止するために、ブームとクレーン本体との間に介在する左右一対のバックストップを更に備えるものが知られている。各バックストップは伸縮自在とされ、その基端部がブームに回動可能に支持されている。クレーンの組立時には、各バックストップは、ブームの背面と交差しブームを支持可能な支持姿勢とされる。各バックストップが前記支持姿勢とされた状態でブームがクレーン本体に対して起立されると、やがて各バックストップの先端部がクレーン本体に備えられたバックストップ受け部に当接する。この結果、一対のバックストップがブームを支持し、ブームの更なる回動、すなわち、ブームの後方への倒れを防止する。
一方、クレーンの輸送時または保管時には、上記のような各バックストップは、その基端部を支点として回動され、ブームの背面に重なるような格納姿勢とされる。この結果、輸送車両上や保管場所において、ブームのために必要なスペースを小さくすることができる。
特許文献1には、クレーン本体に回動可能に支持された基端支承軸と、ブームに回動可能に支持された先端支承軸とに分割可能なバックストップが開示されている。先端支承軸はブームに対して起伏可能であり、先端支承軸がブームに対して起立すると当該先端支承軸と前記基端支承軸とが互いに連結され、ブームの起立に伴ってバックストップがブームを支持することができる。
特開2007-290782号公報
特許文献1に記載された技術では、バックストップの先端支承軸がブームに対して倒伏したまま誤ってブームが起立されると、先端支承軸がクレーン本体のうち基端支承軸とは異なる部分と干渉し、バックストップまたはクレーン本体の一部が損傷するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、クレーンにおいてブームに起伏可能に支持されたバックストップとクレーン本体とがブームの起伏時に干渉することを防止することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るクレーンは、上方を向くバックストップ受け部を有するクレーン本体と、ブームと、ブーム起伏駆動部と、バックストップと、姿勢検出部と、ブーム起伏阻止部とを備える。前記ブームは、前記バックストップ受け部よりも前方において前記クレーン本体に水平なブーム回転中心軸回りに起伏方向に回動可能に支持されたブーム基端部と、前記ブーム基端部とは反対側のブーム先端部とを含む。前記ブーム起伏駆動部は、起伏指令信号を受け付け、当該起伏指令信号に応じて前記ブームを前記クレーン本体に対して起伏させることが可能である。前記バックストップは、前記ブームのうち前記ブーム基端部よりも前記ブーム先端部に近い部分に前記ブーム回転中心軸と平行な基準回転中心軸回りに回動可能に支持されたバックストップ基端部と前記バックストップ基端部とは反対側に配置されるバックストップ先端部とを含む。前記バックストップは、前記基準回転中心軸回りに回動することで支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更することが可能である。前記支持姿勢は、前記ブームが前記クレーン本体に対して倒伏した状態である前記ブームの倒伏状態から前記ブームが前記クレーン本体に対して起立することに伴って前記バックストップ先端部が前記クレーン本体の前記バックストップ受け部に当接することによって前記バックストップが前記ブームの後方への倒伏を規制することが可能なように前記バックストップが前記倒伏状態の前記ブームから斜め上方に向かって延びる姿勢である。前記格納姿勢は、前記バックストップの前記バックストップ先端部が前記支持姿勢よりも前記ブームに近い位置に配置される姿勢である。姿勢検出部は、前記バックストップが前記支持姿勢および前記格納姿勢のうちの少なくとも一方の姿勢とされていることを検出することが可能である。ブーム起伏阻止部は、前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で、前記クレーン本体に対する前記ブームの相対角度であるブーム起伏角が、前記バックストップ先端部と前記クレーン本体のうち前記バックストップ受け部とは異なる部分とが互いに干渉することを防止するために予め設定された干渉防止角度範囲に含まれる場合に、前記起伏指令信号の入力に関わらず前記ブーム起伏駆動部による前記ブームの起伏動作を阻止する。
本構成によれば、バックストップが格納姿勢とされたままブームが起伏した場合であっても、ブーム起伏角が干渉防止角度範囲に含まれると、ブーム起伏阻止部がブームの起伏動作を強制的に阻止することができるため、バックストップ先端部とクレーン本体との干渉を未然に防止することができる。
上記の構成において、前記ブームは前記ブーム起伏角が最倒伏角度になるまで前記クレーン本体に対して前方に倒伏することが可能であり、前記最倒伏角度は前記ブームの中心線が前記ブーム回転中心軸から前方かつ下方に向かって延びるように前記ブームが最も倒伏した状態における前記クレーン本体に対する前記ブームの相対角度であり、前記干渉防止角度範囲は、前記バックストップ先端部が前記クレーン本体の前側部分に干渉することを防止するために設定された、前記最倒伏角度よりも大きな下限角度を有し、前記ブーム起伏阻止部は、前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で前記ブーム起伏駆動部によって前記ブームが前記最倒伏角度から起立され前記ブーム起伏角が前記下限角度に至ると、前記ブームの起立動作を強制的に停止するための強制停止信号を前記ブーム起伏駆動部に入力することが望ましい。
本構成によれば、バックストップが格納姿勢とされたままでブームが最倒伏角度から起立されることがあっても、ブーム起伏角が干渉防止角度範囲の下限角度に至ると、ブーム起伏阻止部がブームの起伏動作を強制的に停止させるため、バックストップ先端部とクレーン本体の前側部分との干渉を未然に防止することができる。したがって、クレーンの組立作業時に、作業者が予めバックストップを支持姿勢に姿勢変更することを失念したままブームを起立させることがあっても、上記の干渉を確実に防止することができる。
上記の構成において、前記ブームは、当該ブームが前記クレーン本体に対して起立した状態であって前記ブーム起伏角が予め設定された作業用角度範囲に含まれた状態で、前記ブーム先端部に接続された吊り荷を支持することが可能であり、前記干渉防止角度範囲は、前記下限角度よりも大きな上限角度を有し、当該上限角度は前記作業用角度範囲よりも小さな角度に設定され、前記ブーム起伏阻止部は、前記ブーム起伏角が前記作業用角度範囲に含まれる場合には、前記ブーム起伏角の大きさに関わらず前記ブーム起伏駆動部による前記ブームの起伏動作を許容することが望ましい。
本構成によれば、ブーム起伏角が作業角度範囲に含まれている場合には、ブーム起伏阻止部がブームの起伏動作を阻止することがないため、姿勢検出部によるバックストップの姿勢の誤検出が発生しても、作業者の意図に反してブームが停止することを防止することができる。
上記の構成において、前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で前記ブーム起伏角が前記干渉防止角度範囲に含まれると、作業者に警戒情報を報知する報知装置を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、バックストップ先端部とクレーン本体とが干渉する恐れがあることを作業者に報知することで、ブームの起伏が停止した理由を作業者に認識させることができるとともに、以後の作業時に作業者がバックストップを格納姿勢としたままブームを起伏することを低減することができる。
上記の構成において、前記バックストップを前記基準回転中心軸回りに回動させることで当該バックストップを前記支持姿勢と前記格納姿勢との間で姿勢変更させることが可能なバックストップ姿勢変更部を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、ブーム起伏阻止部がブームの起伏動作を強制的に停止した場合に、バックストップの姿勢を格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更することが可能であるため、ブームの起伏動作を速やかに再開することができる。
上記の構成において、前記ブーム基端部の後方かつ前記バックストップ受け部の前方において前記クレーン本体に支持されるガントリ基端部を有し、前記ブームが起伏可能なように当該ブームを支持するガントリを更に備え、前記クレーン本体は、前後方向から見て前記バックストップに重なるように配置され前記ガントリ基端部を支持するガントリ支持部を更に有し、前記干渉防止角度範囲は、前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で前記ブームが起立された場合に前記バックストップ先端部と前記ガントリ支持部とが互いに干渉することを防止するように設定されているものでもよい。
本構成によれば、ブームの後方にガントリが配置され、当該ガントリを支持するためのガントリ支持部がバックストップ受け部の前方においてバックストップ先端部と干渉しやすい位置に配置されている場合であっても、バックストップ先端部とガントリ支持部との干渉を未然に防止することができる。
また、上記の構成において、前記バックストップが前記支持姿勢とされ、前記倒伏状態から前記ブームが起立すると、前記バックストップ先端部が前記クレーン本体のうち前記バックストップ受け部よりも前方部分の上方を後方に移動したのち前記バックストップ受け部に当接するように、前記支持姿勢における前記バックストップの前記ブーム基端部に対する相対的な高さが設定されていることが望ましい。
本構成によれば、バックストップが支持姿勢とされている場合には、バックストップ先端部がクレーン本体の前側部分の上方を通過できるため、バックストップ先端部とクレーン本体との干渉を確実に防止することができる。
本発明によれば、クレーンにおいてブームに起伏可能に支持されたバックストップとクレーン本体とがブームの起伏時に干渉することを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの平面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいて、バックストップ姿勢変更装置によってバックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいて、バックストップ姿勢変更装置によってバックストップが支持姿勢とされ、ブームが起立した状態の側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおけるバックストップ姿勢変更装置の油圧回路を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのブロック図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのバックストップの格納姿勢における拡大側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのバックストップの支持姿勢における拡大側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいてブームが起立される様子を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいてブームが起立される様子を示す平面図である。 バックストップ先端部がクレーン本体に干渉する様子を示す拡大側面図であって、図11の矢印XII-XIIに沿って見た拡大側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおけるブームの起立動作制御のフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るクレーン10(作業機械)の側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係るクレーンの移動方向や使用態様などを限定するものではない。
クレーン10は、上部旋回体12と、下部走行体14と、ブーム16と、下部スプレッダ18と、上部スプレッダ19と、ガイライン20と、ガントリ21と、ブーム起伏用ロープ22と、ブーム起伏用ウインチ30と、主巻用ウインチ34と、補巻用ウインチ35と、カウンタウエイト40と、バックストップ45とを備えている。
上部旋回体12は、クレーン10のクレーン本体を構成し、上下方向に延びる旋回中心軸回りに旋回可能なように下部走行体14に支持されている。下部走行体14は地面Gなどの走行面を走行可能である。
ブーム16は、上部旋回体12に水平なブーム回転中心軸回りに起伏方向に回動可能に支持されるブーム基端部16Pと、長手方向においてブーム基端部16Pとは反対側に配置されるブーム先端部16Qと、を有する。本実施形態では、ブーム基端部16Pに備えられたブームフット16Sが、上部旋回体12の不図示の軸支部に回動可能に支持される。なお、図1に示されるブーム16は、いわゆるラチス型であり、ブームフット16Sを含む下部ブーム16Aと、一または複数(図例では1個)の中間ブームと、上部ブームとから構成される。下部ブーム16Aには左右一対のバックストップ45が支持されている。これらのバックストップ45は、ブーム16が図1に示される状態から更に起立された起立姿勢(作業姿勢)において、上部旋回体12にそれぞれ当接する。この当接によって、ブーム16が強風等で後方に煽られることが規制される。なお、バックストップ45の構造については、後記で詳述する。
下部スプレッダ18は、ガントリ21の先端部に接続されており、不図示の下部シーブブロックを有する。下部シーブブロックには、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
上部スプレッダ19は、下部スプレッダ18の前方に所定の間隔をおいて配置される。上部スプレッダ19は、ガイライン20を介してブーム先端部16Qに接続される。上部スプレッダ19は、不図示の上部シーブブロックを有する。上部シーブブロックには、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。ガイライン20は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイライン20の後端部は上部スプレッダ19に接続され、ガイライン20の前端部はブーム先端部16Qに着脱可能に接続される。ガイライン20は、ガイリンク(金属製の板材)、ガイロープ、ガイワイヤ(金属製の線材)などを含む。
ガントリ21は、ブーム16の後方において上部旋回体12に支持されている。図1に示すように、ガントリ21は、上部旋回体12との間で略三角形を形成する2本の構造体から構成される。ガントリ21の後側部分は、テンションメンバとも称され、上部旋回体12の後端部から略鉛直上方に延びている。ガントリ21の前側部分は、コンプレッションメンバとも称され、前記テンションメンバの上端部と上部旋回体12の前側部分とを斜め方向に沿って接続する。なお、ガントリ21の前記テンションメンバおよび前記コンプレッションメンバは折り畳み可能とされており、上部旋回体12上に格納することができる。ガントリ21は、ブーム16が起伏可能なように当該ブーム16を後方から支持する。
ブーム起伏用ロープ22は、ブーム起伏用ウインチ30から引き出され、前記テンションメンバの先端部に配置された不図示のシーブに掛けられた後、下部スプレッダ18の前記下部シーブブロックと上部スプレッダ19の前記上部シーブブロックとの間で複数回掛け回される。なお、前記下部シーブブロックおよび前記上部シーブブロックに掛け回された後のブーム起伏用ロープ22の先端部は、ガントリ21の先端部(上端部)に固定される。
ブーム起伏用ウインチ30は、上部旋回体12に配置される。ブーム起伏用ウインチ30は、ブーム起伏用ロープ22の巻き取りおよび繰り出しを行うことで下部スプレッダ18の下部シーブブロックと上部スプレッダ19の上部シーブブロックとの間の距離を変化させ、ブーム16をガントリ21に対して相対的に回動させながらブーム16を起伏させる。
主巻用ウインチ34は、主巻ロープ51(図1)による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この主巻について、ブーム16のブーム先端部16Qには不図示の主巻用ガイドシーブが回転可能に設けられ、さらに主巻用ガイドシーブに隣接する位置に複数の主巻用ポイントシーブが幅方向に配列された主巻用シーブブロックが設けられている。主巻用シーブブロックから垂下された主巻ロープ51には、吊り荷用の主フック53が連結されている。そして、主巻用ウインチ34から引き出された主巻ロープ51が主巻用ガイドシーブに順に掛けられ、かつ、主巻用シーブブロックのシーブと、主フック53に設けられたシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ34が主巻ロープ51の巻き取りや繰り出しを行うと、主フック53の巻上げ及び巻下げが行われる。
同様にして、補巻用ウインチ35は、補巻ロープ52による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この補巻については、上記の主巻と同様の不図示の構造が備えられている。そして、補巻用ウインチ35が補巻ロープ52の巻き取りや繰り出しを行うと、補巻ロープ52の末端に連結された吊荷用の補フック54が巻上げられ、または巻下げられる。
また、上部旋回体12の後部には、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト40が積載されている。
図2および図3は、本実施形態に係るクレーン10のブーム16が倒伏姿勢とされた状態における下部ブーム16Aおよびバックストップ45の側面図および平面図である。図4は、本実施形態に係るクレーン10において、バックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)によってバックストップ45が支持姿勢とされた状態の側面図である。図5は、本実施形態に係るクレーン10において、バックストップ昇降装置60によってバックストップ45が支持姿勢とされ、ブーム16が起立した状態の側面図である。
図2乃至図5を参照して、ブーム16(下部ブーム16A)が上部旋回体12に対して倒伏した状態で見た場合、下部ブーム16Aは、左右一対の下部フレーム160と、左右一対の第1メインパイプ161と、左右一対の第2メインパイプ162と、左右一対の第1接続パイプ163と、上下一対の第2接続パイプ164(図3)と、複数のラチスパイプ165と、を有する。
左右一対の第1メインパイプ161および左右一対の第2メインパイプ162は、下部ブーム16Aの外形形状を画定するパイプであり、図2などに示すように、ブームフット16Sの近傍から下部ブーム16Aの先端側に向かって互いの間隔が拡がるように延びている。下部フレーム160は、下部ブーム16Aの左右両側で第1メインパイプ161および第2メインパイプ162の各基端部を互いに連結する板状部材である。左右一対の第1接続パイプ163は、それぞれ第1メインパイプ161および第2メインパイプ162の各先端部を互いに接続する。また、上下一対の第2接続パイプ164は、左右一対の第1メインパイプ161の先端部同士、左右一対の第2メインパイプ162の先端部同士を互いに接続する。複数のラチスパイプ165は、第1メインパイプ161および第2メインパイプ162、左右一対の第1メインパイプ161同士、左右一対の第2メインパイプ162同士をそれぞれ複数の箇所で互いに接続する。
更に、下部ブーム16Aは、左右一対のブラケット161Sを有する。左右一対のブラケット161Sは、ブームフット16Sと第1メインパイプ161の先端部との間、より詳しくは、第1メインパイプ161の先端部に近い位置で、第1メインパイプ161上に配置されている。ブラケット161Sは、後記のバックストップ45のバックストップ支点部452Sを回動可能に支持する。
なお、前述のように、クレーン10は左右一対のバックストップ45を備える。クレーン10は、更に、バックストップ45とブーム16との間に介在するように装着可能とされる左右一対のバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)を備える。各バックストップ45は、左右一対の第1メインパイプ161上に配置されている。左右一対のバックストップ45および左右一対のバックストップ昇降装置60の構造、機能は互いに同じであるため、以後、右側(図2の紙面手前側)のバックストップ45およびバックストップ昇降装置60について説明する。
バックストップ45は、バックストップ下部451と、バックストップ上部452と、バックストップスプリング453と、を有する。バックストップ下部451およびバックストップ上部452はシリンダ構造からなり、バックストップ上部452の筒状内部にバックストップ下部451が伸縮可能に挿入されている。バックストップスプリング453は、バックストップ下部451およびバックストップ上部452にそれぞれ備えられたフランジF(図2)間に圧縮可能に装着されている。
また、バックストップ下部451は、バックストップ当接部451Sを有し、バックストップ上部452は、バックストップ支点部452Sを有する。バックストップ支点部452Sはバックストップ45の基端部(バックストップ基端部)に相当し、バックストップ当接部451Sは、バックストップ支点部452Sとは反対側のバックストップ45の先端部(バックストップ先端部)に相当する。前述のようにバックストップ支点部452Sは、ブームフット16Sよりも下部ブーム16Aの先端部側の部分(ブーム先端部16Qに近い部分)に配置されたブラケット161Sに水平な回転中心軸(上部旋回体12の左右方向に延びる回転中心軸、基準回転中心軸)回りに回動可能に支持されている。
図5を参照して、上部旋回体12は、旋回フレーム120を備え、当該旋回フレーム120は、ブームフット16Sを回動可能に支持する左右一対のブーム装着部12Sと、上方を向くように配置された左右一対のバックストップ受け部121と、を有する。なお、図5では、右側(紙面手前側)のバックストップ受け部121のみが現れている。また、ブーム装着部12Sに支持されるブーム基端部16Pは、バックストップ受け部121の前方に配置されている。
バックストップ昇降装置60(図2、図4)は、ブーム16が上部旋回体12に対して倒伏した状態であるブーム16の倒伏状態において、バックストップ支点部452S(基準回転中心軸)を支点としてバックストップ45を回動させることで当該バックストップ45を支持姿勢(図4)と格納姿勢(図2)との間で姿勢変更させることが可能である。前記支持姿勢は、ブーム16が前記倒伏状態から起立することに伴って前記バックストップ45の前記バックストップ当接部451Sが上部旋回体12のバックストップ受け部121に当接することによって前記バックストップ45がブーム16の後方への倒伏を規制することが可能なように、前記バックストップ45が前記倒伏状態のブーム16(下部ブーム16A)から斜め上方に向かって延びている姿勢である(図4参照)。一方、前記格納姿勢は、前記バックストップ45の前記バックストップ当接部451Sが前記支持姿勢よりも下部ブーム16A(ブーム16)に近い位置に配置される姿勢である。このため、図2、図4に示すように、バックストップ昇降装置60は、バックストップ45と下部ブーム16Aの第1メインパイプ161との間の空間に配置される。
図4を参照して、バックストップ昇降装置60は、第1アーム61と、第2アーム62と、左右一対のストッパー63と、昇降シリンダ66と、を有する。
第1アーム61および第2アーム62は、屈伸可能に接続されており、第1アーム61の一端部は、バックストップ45のバックストップ接続部451Tに回動可能に接続されている。一方、第1アーム61の他端部と第2アーム62の一端部とは互いに回動可能に接続されている。第2アーム62の他端部は、下部ブーム16Aの第1メインパイプ161に回動可能に接続されている。
昇降シリンダ66は、図4に示すように、第2アーム62の上部に配置されている。昇降シリンダ66は、伸縮可能な油圧シリンダから構成されている。昇降シリンダ66が伸長することで、当該昇降シリンダ66の先端部が第1アーム61を押し上げ第2アーム62に対して起立させる。この結果、図4に示すように、バックストップ45が支持姿勢に姿勢変更される。一方、昇降シリンダ66が収縮すると、バックストップ45の自重を受けて第1アーム61および第2アーム62が屈曲し、図2に示すように、バックストップ45が格納姿勢に姿勢変更される。
左右一対のストッパー63は、バックストップ45が前記支持姿勢とされた状態で、第1アーム61および第2アーム62を互いに接続し、バックストップ45を前記支持姿勢に保持する。左右一対のストッパー63は、第1アーム61および第2アーム62に対して着脱可能とされている。
図6は、本実施形態に係るクレーン10におけるバックストップ昇降装置60の油圧回路を示す模式図である。図6に示すように、昇降シリンダ66のシリンダロッド662は、シリンダ本体661の前記内部空間をヘッド室66Aとロッド室66Bとに画定しかつ前記内部空間内を移動可能なピストン部66Pを有する。また、バックストップ昇降装置60は、油圧ポンプ71と、リリーフ弁71Rと、方向切換弁72と、を有する。
油圧ポンプ71は、シリンダロッド662の前記ヘッド室66Aおよび前記ロッド室66Bに供給される作動油を吐出することが可能とされている。
方向切換弁72は、前記油圧ポンプ71と前記シリンダ本体661との間に配置される。方向切換弁72は、一対のソレノイドが制御部80から指令信号を受けることで、伸長用位置と、収縮用位置と、中立位置との間で切換可能とされている。具体的に、図6に示すように、作業者が制御部80に接続されたスイッチ801をONすることで方向切換弁72が伸長用位置に切り換わる一方、作業者がスイッチ802をONすることで方向切換弁72が収縮用位置に切り換わる。前記伸長用位置(図6の右側の位置)では、方向切換弁72は、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油を前記ヘッド室66Aに供給するとともに前記ロッド室66Bから排出された作動油をタンクTに導くことで、前記シリンダロッド662を前記シリンダ本体661に対して伸長させる。また、方向切換弁72は、前記収縮用位置(図6の右側の位置)では、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油を前記ロッド室66Bに供給するとともに前記ヘッド室66Aから排出された作動油をタンクTに導くことで、前記シリンダロッド662を前記シリンダ本体661に対して収縮させる。方向切換弁72は、スイッチ801および802がOFFされた前記中立位置(図6の中央の位置)では、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油が前記ヘッド室66Aおよび前記ロッド室66Bに供給されることを阻止し、かつ前記ヘッド室66Aおよび前記ロッド室66Bから作動油が排出されることをそれぞれ阻止する。なお、方向切換弁72が前記中立位置に設定された場合、ヘッド室66Aおよび前記ロッド室66Bの作動油の一部は、油圧回路の配管の一部などから漏れ出すことがあるが、少なくとも所定の時間、シリンダロッド662がシリンダ本体661に対して最も伸長した状態、換言すれば、第1アーム61および第2アーム62が前記第1の角度をなしストッパー63を着脱可能な状態を維持することができる。なお、方向切換弁72が前記中立位置(図6の中央の位置)に切り換わると、油圧ポンプ71から吐出された作動油は直接タンクに排出される。
図7は、本実施形態に係るクレーン10のブロック図である。なお、図7に示されるブロック図は、クレーン10の動作を制御する構成の一部を示している。
図7を参照して、クレーン10は、ブーム起伏駆動部31と、制御部80と、ブーム操作部91と、昇降操作部92と、ブーム起伏角検出部93と、表示部94と、報知部95とを更に備える。
ブーム起伏駆動部31は、起伏指令信号を受け付け、当該起伏指令信号に応じてブーム16を上部旋回体12に対して起伏させることが可能とされている。ブーム起伏駆動部31は、前述のブーム起伏用ウインチ30、ブーム起伏用ロープ22に加え、ブーム起伏用ウインチ30を回転駆動するための不図示の油圧ポンプやコントロールバルブなどの油圧回路を含む。ブーム起伏駆動部31に対する前記起伏指令信号は、制御部80の後記の駆動制御部810から入力される。
制御部80は、クレーン10の各種動作を制御するものであり、図7では、特に、ブーム16の起伏動作、バックストップ45の昇降動作、ブーム16の起伏動作においてバックストップ45と上部旋回体12との干渉を防止する制御に関するものを示している。
ブーム操作部91は、クレーン10の運転室内に配置され、作業者によって操作される操作レバーなどを含む。ブーム操作部91は、ブーム16を起伏させるための操作を受け付ける。
昇降操作部92は、クレーン10の運転室内に配置され、作業者によって操作される。本実施形態では、昇降操作部92は、図6のスイッチ801、802から構成される。昇降操作部92は、バックストップ45を昇降させる、すなわち、バックストップ45を前述の支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更させるための操作を受け付ける。
ブーム起伏角検出部93は、ブーム16の上部旋回体12に対する相対角度であるブーム起伏角(図10の角度θ)を検出する。ブーム起伏角検出部93は、ブームフット16Sに設けられた角度計またはブーム起伏用ウインチ30に設けられた回転角度計などから構成される。一例として、本実施形態では、ブーム起伏角θは、ブーム16の中心線16Lのブームフット16Sを通る水平線CLに対する角度である(図10参照)。ブーム起伏角検出部93が検出したブーム起伏角の情報は制御部80に入力される。
表示部94は、クレーン10の運転室内に配置され、クレーン10の各種の動作情報を表示する。同様に、報知部95は、クレーン10の運転室内または運転室外に配置され、クレーン10における各種状態を作業者に報知するための報知音を発生する。
また、図8は、本実施形態に係るクレーン10のバックストップ45の格納姿勢における拡大側面図である。図9は、クレーン10のバックストップ45の支持姿勢における拡大側面図である。クレーン10のブーム16は、左右一対のバックストップ45に対してそれぞれ設けられた左右一対のアーム支持部621と、左右一対のリミットスイッチ622(姿勢検出部)と、左右一対のストライカ623とを更に有する。なお、これらの左右一対の構造は互いに同じであるため、以下では右側の構造について説明する。
アーム支持部621は、ブーム16の第1メインパイプ161上に設けられており、前述の第2アーム62の基端部を回動可能に支持する。リミットスイッチ622は、アーム支持部621に固定されており、バックストップ45が前記支持姿勢とされていることを検出することが可能である。リミットスイッチ622は、不図示のスイッチ本体と、当該スイッチ本体に対して出没可能な被押圧部とを有する。また、ストライカ623は、第2アーム62の基端部に固定されている。図8に示すように、バックストップ45がバックストップ昇降装置60によって格納姿勢とされている場合、ストライカ623がリミットスイッチ622の被押圧部に対して離間して配置されているため、リミットスイッチ622は、制御部80に対してLOW信号を入力する。一方、図9に示すように、バックストップ45がバックストップ昇降装置60によって支持姿勢とされると、ストライカ623がリミットスイッチ622の被押圧部を上方から押圧することで、リミットスイッチ622が、制御部80に対してHIGH信号を入力する。この結果、バックストップ45が前記支持姿勢に保持されていることを制御部80が認識することができる。なお、制御部80は、リミットスイッチ622からのHIGH信号が入力されていない場合には、バックストップ45が格納姿勢とされていると判断してもよい。
なお、リミットスイッチ622に代表される本発明の姿勢検出部が、バックストップ45の姿勢を検出する態様は、上記の態様(図8、図9)に限定されるものではない。例えば、図8、図9に示されるリミットスイッチ構造がバックストップ45側に配置されてもよい。また、バックストップ45が下部ブーム16Aに取り付けられている部分に不図示の角度計が設置され、当該角度計の検出結果に応じて、バックストップ45の姿勢が判断されてもよい。また、バックストップ45を格納姿勢および支持姿勢にそれぞれ固定する固定部材(ピン)の有無が近接センサなどで検出されることで、バックストップ45の姿勢が検出されてもよい。更に、姿勢検出部が検出するバックストップ45の姿勢は、支持姿勢および格納姿勢のうちの少なくとも一方の姿勢であってもよい。姿勢検出部がバックストップ45の支持姿勢のみを検出する態様では、当該姿勢検出部がバックストップ45の支持姿勢を検出していない場合には、バックストップ45が格納姿勢にあると判断されてもよい。また、姿勢検出部がバックストップ45の格納姿勢のみを検出する態様では、当該姿勢検出部がバックストップ45の格納姿勢を検出していないことで、バックストップ45が支持姿勢にあると判断されてもよい。なお、姿勢検出部は、バックストップ45の支持姿勢および格納姿勢をそれぞれ検出可能なものが望ましい。この場合、姿勢検出部は、バックストップ45が作業者の意図に反して支持姿勢と格納姿勢との間の中間姿勢に保持されていることを検出することが可能となり、バックストップ45が周辺の部材と干渉することを防止し、安全性を高めることができる。
前述の制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部80には、前述のブーム起伏駆動部31、昇降シリンダ66、ブーム操作部91、昇降操作部92、ブーム起伏角検出部93、リミットスイッチ622、表示部94、報知部95が接続されている。制御部80は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部810、起伏許可部820(起伏阻止部)、判定部830および記憶部840を備えるように機能する。
駆動制御部810は、ブーム起伏駆動部31、昇降シリンダ66に各種の指令信号を入力することで、ブーム16の起伏動作、バックストップ45の昇降動作を実行する。駆動制御部810は、ブーム操作部91に入力される操作の方向(起立方向、倒伏方向)に、その操作量に応じた駆動速度でブーム16を起伏させるように、前記起伏指令信号をブーム起伏駆動部31に入力する。また、駆動制御部810は、昇降操作部92に入力される指示情報、すなわち、前記格納姿勢から前記支持姿勢へのバックストップ45の上昇指示、前記支持姿勢から前記格納姿勢へのバックストップ45の下降指示に応じて図6の方向切換弁72の一対のソレノイドに指令信号を入力することで昇降シリンダ66を伸縮させ、バックストップ45を昇降させる。
起伏許可部820は、リミットスイッチ622が検出するバックストップ45の姿勢に関する情報およびブーム起伏角検出部93が検出するブーム角度に応じて、ブーム起伏駆動部31によるブーム16の起伏動作を許可または阻止する機能を有している。
判定部830は、起伏許可部820が実行するブーム16の起伏許可動作における各種の判定処理を実行する。
記憶部840は、駆動制御部810、起伏許可部820および判定部830が参照する各種の閾値、パラメータなどを予め記憶している。
図10は、本実施形態に係るクレーン10においてブーム16が起立される様子を示す側面図である。図11は、クレーン10においてブーム16が起立される様子を示す平面図である。図12は、バックストップ45の先端部が上部旋回体12に干渉する様子を示す拡大側面図であって、図11の矢印XII-XIIに沿って見た拡大側面図である。なお、図10および図11では、ブーム16のうち下部ブーム16Aのみを図示し、その他の部分の図示を省略している。
上部旋回体12の旋回フレーム120は、左右一対のガントリ支持部210を有する(図10~図12)。ガントリ支持部210は、ブーム16のブーム基端部16Pの後方かつ前記バックストップ受け部121の前方に配置されている(図5)。ガントリ支持部210は、ガントリ21の左右一対のテンションメンバの基端部(ガントリ基端部)を回動可能に支持する。図12の拡大側面図では、前記テンションメンバの回動軸21Sが図示されている。なお、図11に示すように、一対のガントリ支持部210は、前後方向から見て一対のバックストップ45にそれぞれ重なる(オーバーラップする)ように配置されている。
図10を参照して、クレーン10の組立分解時に、ブーム16はブーム起伏角θが最倒伏角度になるまで上部旋回体12に対して倒伏することが可能である。前記最倒伏角度はブーム16の中心線16Lがブームフット16S(ブーム回転中心軸)から前方かつ下方に向かって延びるようにブーム16が最も倒伏した状態における上部旋回体12に対するブーム16の相対角度である。図10において、不図示のブーム16の先端部が地面Gに当接した状態が、上記の最倒伏角度に相当する。また、クレーン10の輸送時には、ブーム16のうち下部ブーム16Aよりも先端側の部材が、図10に示すように下部ブーム16Aから脱離された状態でクレーン10が輸送される。この場合、図10の下部ブーム16Aの先端部が地面G(または輸送車両の荷台T)に当接した状態が、上記の最倒伏角度に相当する。
上記のようにブーム16または下部ブーム16Aが上部旋回体12に対して倒伏した状態(ブームの倒伏状態)から、ブーム16を起立させる場合、バックストップ45が予め支持姿勢とされる。一方、バックストップ45が格納姿勢とされたまま、ブーム16(下部ブーム16A)が起立すると、図12に示すように、左右一対のバックストップ45のバックストップ当接部451Sが左右一対のガントリ支持部210に干渉し、バックストップ当接部451Sおよびガントリ支持部210のうちの少なくとも一方に破損、損傷が生じうる。特にバックストップ当接部451Sに損傷が生じると、バックストップ当接部451Sが本来当接するべきバックストップ受け部121に正常に当接することができなくなるため、バックストップ45がブーム16を後方から支持することが困難になる。また、前述のように、バックストップ45は、無負荷状態ではバックストップスプリング453の付勢力によって自由長に伸長しているため、上記のような干渉を防止するために格納姿勢におけるバックストップ45の長さを短縮するためには複雑な構造を要することになってしまう。
上記のような問題を解決するために、本実施形態では、制御部80がブーム16の起伏動作を制限する機能を有する。次に、本実施形態においてブーム16の起伏動作が起伏許可部820によって許可または阻止されるまでの制御フローについて説明する。図13は、本実施形態に係るクレーン10におけるブーム16の起立動作制御のフローチャートである。ここでは、図10に示す状態において下部ブーム16Aの先端部が地面Gに接した状態から、下部ブーム16Aが上方に起立される場合を例に説明する。この際、図10のブームフット16Sを通る水平線CLとブーム16の中心線16Lとが重なる場合のブーム起伏角θをゼロ度と定義すると、下部ブーム16Aの先端部が地面Gに接した状態におけるブーム起伏角θは一例として-10度である。
当該制御が開始されると、制御部80の判定部830が、ブーム操作部91を通じてブーム16の起伏操作(ここでは起立操作)が入力されているか否かを判定する(図13のステップS1)。ここで、ブーム16の起立操作が入力されていない場合には、起立操作が入力されるまでステップS1の判定が繰り返される。一方、ステップS1においてブーム16の起立操作が入力されている場合、ブーム起伏角検出部93がブーム16(下部ブーム16A)のブーム起伏角θを測定する(ステップS2)。なお、ブーム起伏角検出部93は、常にブーム起伏角θを取得しており、ステップS2において制御部80がその検出結果を取得する態様でもよい。
次に、判定部830がステップS2において取得されたブーム起伏角θが、予め設定された作業用角度範囲に含まれているか否かを判定する(ステップS3)。作業用角度範囲は、クレーン10において通常作業を行うためのブーム起伏角θの範囲に相当する。すなわち、ブーム16が上部旋回体12に対して斜め上方に向かって起立した状態であって、ブーム起伏角θが予め設定された当該作業用角度範囲に含まれた状態で、ブーム16がブーム先端部16Qに接続された吊り荷を支持することが可能である。なお、ブーム16の先端部に不図示のジブが接続され、当該ジブの先端部から吊り荷が吊り下げられる場合も、結果としてブーム16が前記吊り荷を支持するため、同様に作業用角度範囲が設定される。一例として、本実施形態における作業用角度範囲は、図10の水平線CLとブーム16の中心線16Lとが重なる場合のブーム起伏角θをゼロ度とすると、+30度以上+80度以下の範囲に設定されている。
ステップS3において、現在のブーム起伏角θが作業用角度範囲に含まれている場合(ステップS3でNO)、図1、図5に示すように、バックストップ45はガントリ支持部210から離間して配置されており、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210とが干渉する恐れがないため、起伏許可部820はブーム操作部91に入力される操作に応じたブーム16の起立動作を許可する(継続する)(ステップS7)。
一方、ステップS3において、現在のブーム起伏角θが作業用角度範囲に含まれていない場合(ステップS3でYES)、判定部830は、リミットスイッチ622の出力信号を受け入れることで、バックストップ45が支持姿勢か否かを判定する(ステップS4)。ここで、バックストップ45が支持姿勢ではない場合(ステップS4でNO)、判定部830が、現在のブーム起伏角θが干渉防止角度範囲内か否かを判定する(ステップS5)。なお、バックストップ45が支持姿勢の場合(ステップS4でYES)にも、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210とが干渉する恐れがないため、起伏許可部820はブーム操作部91に入力される操作に応じたブーム16の起立動作を許可する(継続する)(ステップS7)。
上記の干渉防止角度範囲とは、図12に示すように、バックストップ45が格納姿勢とされた状態でバックストップ当接部451Sとガントリ支持部210(上部旋回体12のうちバックストップ受け部121とは異なる部分)とが互いに干渉することを警戒(防止)するために予め設定された、ブーム起伏角θに関する角度範囲である。換言すれば、ブーム起伏角θが当該干渉防止角度範囲に含まれていなければ、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210とが干渉する恐れはない。本実施形態では、干渉防止角度範囲は、ブーム起伏角θが-5度以上+5度以下の範囲に設定されている。すなわち、干渉防止角度範囲の下限値(下限角度、-5度)は、前述の最倒伏角度(-10度)よりも大きな角度に設定されている。また、干渉防止角度範囲の上限値(上限角度、+5度)は、前記下限値よりも大きく、前述の作業用角度範囲よりも小さな角度に設定されている。
このため、ステップS5において、現在のブーム起伏角θが前記干渉防止角度範囲にふくまれていない場合(ステップS5でNO)には、起伏許可部820は、ブーム操作部91に入力される操作に応じたブーム16の起立動作を許可する(継続する)(ステップS7)。
一方、ステップS5において、現在のブーム起伏角θが干渉防止角度範囲に含まれている場合(ステップS5でYES)、起伏許可部820は、ブーム操作部91に入力される操作に関わらず、ブーム16の起立を強制的に停止するための強制停止指令信号をブーム起伏駆動部31に入力し、ブーム16の起立を自動停止する(ステップS6)。このため、図10に示す状態では、ブーム起伏角θが-10度から起立動作が開始され、ブーム起伏角θが-5度に至ると、下部ブーム16Aの起立動作が自動停止する。
また、本実施形態では、ステップS6において下部ブーム16Aの起立動作が自動停止すると、起伏許可部820が、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210とが干渉する恐れがあることを報知する情報(警戒情報)を表示部94に入力し表示させる。同様に、起伏許可部820は、前記情報を報知部95に入力し、ブザー音などで干渉の恐れを作業者に報知する。
作業者は、下部ブーム16Aが自動停止したこと、および表示部94や報知部95によって報知される情報に基づいて、バックストップ45が格納姿勢とされたままで下部ブーム16Aを起立させたことを認識する。このため、作業者は、ブーム操作部91を通じた下部ブーム16Aの起立操作を中断し、昇降操作部92を操作してバックストップ45を格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更させる。
上記のようにバックストップ45が支持姿勢とされると、バックストップ当接部451Sはガントリ支持部210の上方に離間して配置されるため、両者が干渉する恐れはない。このため、作業者がブーム操作部91を再び操作して下部ブーム16Aの起立動作を再開した場合、判定部830が図13のステップS4でYESと判定することによって、その起立動作を継続することができる(ステップS7)。
以上のように、本実施形態では、クレーン10が、起伏許可部820を含む制御部80を有している。起伏許可部820は、リミットスイッチ622の検出結果に基づいてバックストップ45が格納姿勢とされた状態で、上部旋回体12に対するブーム16の相対角度であるブーム起伏角θが、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210とが互いに干渉することを防止するために予め設定された干渉防止角度範囲に含まれる場合に、ブーム起伏駆動部31に対する起伏指令信号の入力に関わらずブーム起伏駆動部31によるブーム16の起伏動作を阻止する。一方、起伏許可部820は、リミットスイッチ622の検出結果に基づいてバックストップ45が支持姿勢とされた状態におけるブーム起伏駆動部31によるブーム16の起伏動作をブーム起伏角θの大きさに関わらず許容する。
このような構成によれば、バックストップ45が格納姿勢とされたままブーム16が起伏した場合であっても、ブーム起伏角θが干渉防止角度範囲に含まれると、起伏許可部820がブーム16の起伏動作を強制的に阻止することができるため、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210のような上部旋回体12のうちバックストップ受け部121とは異なる部分との干渉を未然に防止することができる。
なお、上記のような制御は、図10に示すように、上部旋回体12に下部ブーム16Aが装着された状態で、クレーン10が輸送車両によって運搬される場合に効果的である。このような場合、輸送車両が作業現場に到着すると、その先端部が荷台Tに当接している下部ブーム16Aを僅かに起立させ、下部走行体14を走行させることでクレーン10を荷台Tから地面Gに移動させる。この際、作業者がバックストップ45を格納姿勢としたままで下部ブーム16Aを起立させると、前述のように干渉が発生する可能性があるため、起伏許可部820による起立動作の阻止によって、当該干渉を未然に防止することができる。
なお、上記のような輸送時に、下部ブーム16Aが上部旋回体12から分離され、作業現場においてブーム16が上部旋回体12に装着される場合でも、格納姿勢とされたバックストップ45のバックストップ当接部451Sとガントリ支持部210などのクレーン本体との干渉を好適に防止することができる。
更に、上記の説明では、下部ブーム16Aが地面Gまたは荷台Tから起立される場合を例に説明したが、ブーム16が前記干渉防止角度範囲よりも大きな所定の角度まで起立した状態において、バックストップ45が格納姿勢とされ、ブーム16が倒伏される場合においても、バックストップ当接部451Sが上方からガントリ支持部210に接近し、両者が干渉する恐れがある。このような場合には、ブーム起伏角θが干渉防止角度範囲の上限値に至ると、起伏許可部820がブーム16の倒伏動作を強制的に自動停止することで、上記の干渉を防止することができる。そして、作業者は、バックストップ45を支持姿勢に姿勢変更した上で、ブーム16(下部ブーム16A)を最倒伏角度まで安全に倒伏させることができる。
また、本実施形態では、起伏許可部820は、バックストップ45が格納姿勢とされた状態でブーム起伏駆動部31によってブーム16が前記最倒伏角度から起立されブーム起伏角θが干渉防止角度範囲の下限角度に至ると、ブーム16の起立動作を強制的に停止するための強制停止信号をブーム起伏駆動部31に入力する。
このような構成によれば、バックストップ45が格納姿勢とされたままでブーム16が最倒伏角度から起立されることがあっても、ブーム起伏角が干渉防止角度範囲の下限角度に至ると、起伏許可部820がブーム16の起伏動作を強制的に停止させるため、バックストップ当接部451Sと上部旋回体12の前側部分(ガントリ支持部210)との干渉を未然に防止することができる。特に、クレーン10の組立作業時に、作業者が予めバックストップ45を支持姿勢に姿勢変更することを失念したままブーム16を起立させることがあっても、上記の干渉を確実に防止することができる。
更に、本実施形態では、起伏許可部820は、ブーム起伏角θが前記作業用角度範囲に含まれる場合には、ブーム起伏角θの大きさに関わらずブーム起伏駆動部31によるブーム16の起伏動作を許容する。
このような構成によれば、ブーム起伏角θが作業角度範囲に含まれている場合には、起伏許可部820がブーム16の起伏動作を阻止することがないため、リミットスイッチ622によるバックストップ45の姿勢の誤検出が発生しても、クレーン10の通常作業中に作業者の意図に反してブーム16が停止することを防止することができる。
また、本実施形態では、クレーン10が、表示部94および報知部95(いずれも報知装置)を備える。当該報知装置は、リミットスイッチ622の検出結果に基づいてバックストップ45が格納姿勢とされた状態でブーム起伏角θが前記干渉防止角度範囲に含まれると、作業者に警戒情報を報知する。
このような構成によれば、バックストップ当接部451Sと上部旋回体12とが干渉する恐れがあることを作業者に報知することで、ブーム16の起伏が停止した理由を作業者に認識させることができるとともに、以後の作業時に作業者がバックストップ45を格納姿勢としたままブーム16を起伏することを低減することができる。なお、起伏許可部820による自動停止の直前で、上記の報知が行われても良い。
また、本実施形態では、クレーン10が、バックストップ45を前記基準回転中心軸回りに回動させることで当該バックストップ45を前記支持姿勢と前記格納姿勢との間で姿勢変更させることが可能なバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更部)を備えている。
このような構成によれば、起伏許可部820がブーム16の起伏動作を強制的に停止した場合に、バックストップ昇降装置60によってバックストップ45の姿勢を格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更することが可能であるため、ブーム16の起伏動作を速やかに再開することができる。
また、本実施形態では、クレーン10が、ガントリ21を備え、上部旋回体12の旋回フレーム120は、ガントリ支持部210を有している。そして、前記干渉防止角度範囲は、バックストップ45が前記格納姿勢とされた状態でブーム16が起立された場合にバックストップ当接部451Sとガントリ支持部210とが互いに干渉することを防止するように設定されている。
このような構成によれば、ブーム16の後方にガントリ21が配置され、当該ガントリ21を支持するためのガントリ支持部210がバックストップ受け部121の前方においてバックストップ当接部451Sと干渉しやすい位置に配置されている場合であっても、バックストップ当接部451Sとガントリ支持部210との干渉を未然に防止することができる。
更に、本実施形態では、バックストップ45が前記支持姿勢とされブーム16(下部ブーム16A)が倒伏した状態から起立すると、バックストップ当接部451Sが上部旋回体12のうちバックストップ受け部121よりも前方部分の上方を後方に移動したのちバックストップ受け部121に当接するように、前記支持姿勢におけるバックストップ45のブーム基端部16Pに対する相対的な高さが設定されている。
このような構成によれば、バックストップ45が支持姿勢とされている場合には、バックストップ当接部451Sが上部旋回体12の前側部分の上方を通過できるため、バックストップ当接部451Sと上部旋回体12との干渉を確実に防止することができる。
以上、本発明の一実施形態に係るクレーン10について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、バックストップ当接部451Sが干渉する恐れのある部分としてガントリ支持部210を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。バックストップ当接部451Sが干渉する恐れがある部分は、上部旋回体12の前端部など、バックストップ受け部121とは異なる他の部分であってもよい。
(2)また、上記の実施形態では、クレーン10がバックストップ昇降装置60を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。クレーン10はバックストップ昇降装置60を有さず、作業者によってバックストップ45の姿勢が支持姿勢と格納姿勢との間で切り換えられるものでもよい。また、バックストップ昇降装置60の構造は、上記の実施形態のような第1アーム61および第2アーム62を含む屈伸構造に限定されるものではなく、バックストップ45を当該バックストップ45の長手方向と直交する方向に沿って支持するシリンダ構造や棒状の支持部材などでもよい。
(3)また、上記の実施形態では、図1に示すクレーン10を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構造を備えたクレーンにも適用可能である。すなわち、本発明が適用されるクレーンは、ガントリ21の代わりにラチスマストや箱マストなどが備えるものでもよい。また、ブームの先端部にジブやストラットが装着されたものでもよい。また、上記の実施形態では、ブームのバックストップを用いて説明したが、本発明は、マスト(ラチスマスト)、ストラット(リアストラット、フロントストラット)、ジブにそれぞれ備えられるバックストップにも適用可能である。
10 クレーン
12 上部旋回体(クレーン本体)
120 旋回フレーム
121 バックストップ受け部
16 ブーム
160 下部フレーム
161 第1メインパイプ
16A 下部ブーム
16P ブーム基端部
16Q ブーム先端部
16S ブームフット
21 ガントリ
210 ガントリ支持部
21S ガントリ支点部
31 ブーム起伏駆動部
45 バックストップ
451 バックストップ下部
451S バックストップ当接部(バックストップ先端部)
452 バックストップ上部
452S バックストップ支点部(バックストップ基端部)
453 バックストップスプリング
60 バックストップ昇降装置
61 第1アーム
62 第2アーム
621 アーム支持部
622 リミットスイッチ(姿勢検出部)
623 ストライカ
63 ストッパー
66 昇降シリンダ
80 制御部
810 駆動制御部
820 起伏許可部(起伏阻止部)
830 判定部
840 記憶部
91 ブーム操作部
92 昇降操作部
93 ブーム起伏角検出部
94 表示部
95 報知部
G 地面
T 荷台

Claims (7)

  1. 上方を向くバックストップ受け部を有するクレーン本体と、
    前記バックストップ受け部よりも前方において前記クレーン本体に水平なブーム回転中心軸回りに起伏方向に回動可能に支持されたブーム基端部と前記ブーム基端部とは反対側のブーム先端部とを含むブームと、
    起伏指令信号を受け付け、当該起伏指令信号に応じて前記ブームを前記クレーン本体に対して起伏させることが可能なブーム起伏駆動部と、
    前記ブームのうち前記ブーム基端部よりも前記ブーム先端部に近い部分に前記ブーム回転中心軸と平行な基準回転中心軸回りに回動可能に支持されたバックストップ基端部と前記バックストップ基端部とは反対側に配置されるバックストップ先端部とを含むバックストップであって、前記基準回転中心軸回りに回動することで支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更することが可能であり、前記支持姿勢は前記ブームが前記クレーン本体に対して倒伏した状態である前記ブームの倒伏状態から前記ブームが前記クレーン本体に対して起立することに伴って前記バックストップ先端部が前記クレーン本体の前記バックストップ受け部に当接することによって前記バックストップが前記ブームの後方への倒伏を規制することが可能なように前記バックストップが前記倒伏状態の前記ブームから斜め上方に向かって延びる姿勢であり、前記格納姿勢は前記バックストップの前記バックストップ先端部が前記支持姿勢よりも前記ブームに近い位置に配置される姿勢である、バックストップと、
    前記バックストップが前記支持姿勢および前記格納姿勢のうちの少なくとも一方の姿勢とされていることを検出することが可能な姿勢検出部と、
    前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で、前記クレーン本体に対する前記ブームの相対角度であるブーム起伏角が、前記バックストップ先端部と前記クレーン本体のうち前記バックストップ受け部とは異なる部分とが互いに干渉することを防止するために予め設定された干渉防止角度範囲に含まれる場合に、前記起伏指令信号の入力に関わらず前記ブーム起伏駆動部による前記ブームの起伏動作を阻止するブーム起伏阻止部と、
    を備える、クレーン。
  2. 前記ブームは前記ブーム起伏角が最倒伏角度になるまで前記クレーン本体に対して前方に倒伏することが可能であり、前記最倒伏角度は前記ブームの中心線が前記ブーム回転中心軸から前方かつ下方に向かって延びるように前記ブームが最も倒伏した状態における前記クレーン本体に対する前記ブームの相対角度であり、
    前記干渉防止角度範囲は、前記バックストップ先端部が前記クレーン本体の前側部分に干渉することを防止するために設定された、前記最倒伏角度よりも大きな下限角度を有し、
    前記ブーム起伏阻止部は、前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で前記ブーム起伏駆動部によって前記ブームが前記最倒伏角度から起立され前記ブーム起伏角が前記下限角度に至ると、前記ブームの起立動作を強制的に停止するための強制停止信号を前記ブーム起伏駆動部に入力する、請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記ブームは、当該ブームが前記クレーン本体に対して起立した状態であって前記ブーム起伏角が予め設定された作業用角度範囲に含まれた状態で、前記ブーム先端部に接続された吊り荷を支持することが可能であり、
    前記干渉防止角度範囲は、前記下限角度よりも大きな上限角度を有し、当該上限角度は前記作業用角度範囲よりも小さな角度に設定され、
    前記ブーム起伏阻止部は、前記ブーム起伏角が前記作業用角度範囲に含まれる場合には、前記ブーム起伏角の大きさに関わらず前記ブーム起伏駆動部による前記ブームの起伏動作を許容する、請求項2に記載のクレーン。
  4. 前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で前記ブーム起伏角が前記干渉防止角度範囲に含まれると、作業者に警戒情報を報知する報知装置を更に備える、請求項1乃至3の何れか1項に記載のクレーン。
  5. 前記バックストップを前記基準回転中心軸回りに回動させることで当該バックストップを前記支持姿勢と前記格納姿勢との間で姿勢変更させることが可能なバックストップ姿勢変更部を更に備える、請求項1乃至4の何れか1項に記載のクレーン。
  6. 前記ブーム基端部の後方かつ前記バックストップ受け部の前方において前記クレーン本体に支持されるガントリ基端部を有し、前記ブームが起伏可能なように当該ブームを支持するガントリを更に備え、
    前記クレーン本体は、前後方向から見て前記バックストップに重なるように配置され前記ガントリ基端部を支持するガントリ支持部を更に有し、
    前記干渉防止角度範囲は、前記バックストップが前記格納姿勢とされた状態で前記ブームが起立された場合に前記バックストップ先端部と前記ガントリ支持部とが互いに干渉することを防止するように設定されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載のクレーン。
  7. 前記バックストップが前記支持姿勢とされ、前記倒伏状態から前記ブームが起立すると、前記バックストップ先端部が前記クレーン本体のうち前記バックストップ受け部よりも前方部分の上方を後方に移動したのち前記バックストップ受け部に当接するように、前記支持姿勢における前記バックストップの前記ブーム基端部に対する相対的な高さが設定されている、請求項1乃至6の何れか1項に記載のクレーン。
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