JP2022119685A - 健康増進用組成物および飲食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】生活習慣病の予防や治療と健康増進に有用な医薬組成物や飲食物の提供【解決手段】 新姫抽出物、または、新姫由来のポリメトキシフラボノイド化合物を有効成分とする、健康増進剤、生活習慣病の予防及び/又は治療剤、脂肪分解促進剤、脱顆粒抑制剤、抗炎症剤、尿酸産生抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、抗糖尿病剤、抗高尿酸血症剤、抗アレルギー剤、脂質代謝改善剤【選択図】なし

Description

本発明は、三重県熊野市の特産である香酸柑橘類の一種である新姫の抽出物、または、新姫由来のポリメトキシフラボノイド化合物を有効成分として含有する健康増進用、および、生活習慣病の予防改善用の組成物、健康食品、飲食物、および、化粧品に関する。
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群であり、肥満、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などが含まれ、動脈硬化、痛風、腎障害といった病態にも深く関わっており、その対策が求められている。また、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患も生活習慣に強く影響されることから、生活習慣病に含める。これらの生活習慣病は全身および局部の炎症が関わっていることがよく知られている。これらの疾患の制御に重要な組織や臓器としては、脂肪組織、肝臓、筋肉、免疫系などがあげられる。また、それらの疾患の発症や治療に重要な細胞としては、脂肪細胞、肝細胞、マクロファージ、肥満細胞などがあげられる。
脂肪組織は身体の主要なエネルギー貯蔵組織で、脂肪細胞はトリグリセリドの形態でエネルギーを貯蔵する。このトリグリセリドの過剰な貯蔵が肥満の大きな要因であり、皮下および内臓脂肪として蓄積される。したがって、トリグリセリドを遊離脂肪酸とグリセロールに加水分解する脂肪分解を促進し、脂質代謝を亢進させることは肥満の予防や改善に有用であり、体重増加抑制剤や体脂肪増加抑制剤として用いることができる。脂肪分解促進剤としては、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート(HMB)を含有する組成物などが知られている(特許文献1)。
核酸やプリン体は肝臓などで代謝されて尿酸となり排泄されるが、プリン体の過剰摂取や排泄低下によって、血中の尿酸濃度が高まる高尿酸血症を発症する。この高尿酸血症が続くと、関節内又は関節周囲に尿酸塩の結晶が沈着し、急性関節炎発作、痛風結節、関節機能障害、関節の変形等のいわゆる痛風の症状を発症し、さらに、腎障害、血管障害等、多くの合併症を引き起こす原因となる。キサンチンオキシダーゼは核酸代謝においてヒポキサンチンからキサンチン、さらに尿酸への変換を触媒する酵素であり、キサンチンオキシダーゼの阻害剤であるアロプリノールは痛風の治療薬として用いられている。天然由来のキサンチンオキシダーゼ阻害剤としては、ザクロ抽出物を有効成分とする血中尿酸値低下剤などが知られている(特許文献2)。
マクロファージは炎症エフェクター細胞の1つとして知られる免疫細胞の1種であり、細菌由来の炎症誘導物質であるリポ多糖(LPS)などの刺激によって、腫瘍壊死因子(TNF-α)、インターフェロンγおよびインターロイキン1(IL-1)などの各種サイトカインや活性酸素種のひとつである一酸化窒素(NO)などの炎症メディエーターを産生することが、種々の関節炎や炎症性の消化器疾患等の病態形成に深く関わっている。したがって、炎症メディエーターである一酸化窒素の産生を抑制する組成物が抗炎症剤として有用であることが広く知られている。
生体には本来、外部からの異質なものを排除し恒常性を保つための免疫機能が備わっているが、過度の免疫応答による障害反応の一種を特にアレルギーと呼ぶ。血液中に存在する好塩基球や、血管周辺や結合組織に存在する肥満細胞は、ヒスタミン等を含む顆粒を持ち、これらの細胞が脱顆粒することによってヒスタミンと共にβ-ヘキソサミニダーゼ等の酵素を遊離し、喘息、アトピー性湿疹、花粉症などの即時的アレルギー反応を誘起することが知られていることから、好塩基球や肥満細胞の脱顆粒を抑制する組成物は抗アレルギー剤として有用である。
新姫は、三重県熊野市の特産である香酸柑橘類の一種であり、タチバナとマンダリンの自然交雑種であると言われている。果皮にはノビレチンやタンゲレチンなどのポリメトキシフラボノイド化合物を多く含むことが知られているが、その健康機能性についてはほとんど知られていない。
特表2018-516934号公報 特開2006-016340号公報
本発明の課題は、健康増進のための組成物であって、生活習慣病の予防及び/又は治療剤、及び、健康食品や飲食物や化粧品の提供であり、脂肪分解促進剤、脱顆粒抑制剤、抗炎症剤、尿酸産生抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、耐糖能改善剤、体重増加抑制剤、体脂肪増加抑制剤、抗肥満剤、抗糖尿病剤、抗高尿酸血症剤、抗アレルギー剤、脂質代謝改善剤の提供である。
本発明者らは、脂肪細胞、肝細胞、マクロファージ、肥満細胞などを用いて、前記課題を解決する食経験のある天然物素材を探索した結果、新姫の溶媒抽出物および新姫から抽出された6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンが、脂肪細胞においては脂肪分解を促進することを、肝細胞においては尿酸産生を抑制することを、マクロファージにおいては炎症メディエーターの産生を抑制することを、そして、肥満細胞においては脱顆粒を抑制することを見出した。加えて、高ショ糖高脂肪食誘導性肥満糖尿病モデルマウスにおいて、新姫エキスの摂取が体重増加を抑制することを、体脂肪増加を抑制すること、血糖値上昇を抑制すること、インスリン抵抗性を改善して耐糖能を改善すること、そして、血中コレステロール濃度を低下させることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、
本発明は以下のとおりである。
[1] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、健康増進用組成物。
[2] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、生活習慣病の予防及び/又は治療剤。
[3] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、脱顆粒抑制剤。
[4] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、抗炎症剤。
[5] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、尿酸産生抑[6] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、脂肪分解促進剤。
[7] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、抗肥満剤。
[8] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、インスリン抵抗性改善剤。
[9] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、血中コレステロール低下剤。
[10] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、糖尿病の予防及び/又は治療剤。
[11] 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、脂質代謝改善剤。
[12] 生活習慣病を予防及び/又は治療するための方法であって、
上記疾患を患っているヒトおよび動物に、新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上含有する[1]~[11]に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
本発明の健康増進用組成物は、脂肪細胞における脂肪分解作用と肝細胞における尿酸産生抑制作用とマクロファージにおける一酸化窒素産生抑制作用と肥満細胞における脱顆粒抑制作用を有し、体重増加抑制、体脂肪増加抑制、血糖値上昇抑制、インスリン抵抗性改善、耐糖能改善および血中コレステロール濃度低下作用を発揮する。このため、生活習慣病の予防及び/又は治療や改善のために用いることができ、抗肥満剤、高尿酸血症剤、抗炎症剤、および抗アレルギー剤として用いることができる。
脂肪分解の指標となる脂肪細胞における遊離グリセロール量に対する(A)新姫抽出物、または、(B)6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンの作用を示すグラフである。 肝細胞の尿酸産生量に対する新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンの作用を示すグラフである。 炎症応答の指標となるマクロファージにおける一酸化窒素産生に対する新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンの作用を示すグラフである。 抗アレルギー作用の指標となる肥満細胞における脱顆粒反応に対する新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンの作用を示すグラフである。 新姫抽出物の(A)体重増加抑制作用、および、(B)体脂肪増加抑制作用、および、(C)血糖値増加抑制作用、および、(D)インスリン抵抗性または耐糖能改善作用、および、(E)血中コレステロール低下作用を示すグラフである。
本発明の健康増進剤は、新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分として含有する。
<実施形態1:医薬組成物>
本発明によれば、
新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンを含有する、生活習慣病を予防及び/又は治療のための医薬組成物が提供される。
新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンは単独で使用してもよく、任意の割合で配合してもよい。
医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤等を含んでいてもよい。また、着色料、香料、防腐剤などを含んでいてもよい。賦形剤としては例えば乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、滑沢剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などが、結合剤としては例えばジメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、崩壊剤としては例えばデンプン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン末、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリンなどが、それぞれあげられる。使用する際の形態は特に限定されず、カプセル状、粉末、粒状、タブレット状、液状などの形態とでき、また、外用剤としてクリーム、ペースト状、ジェルなどののほか、貼付剤として徐放する形態などでも用いることもできる。
<実施形態2:飲食用組成物>
本発明の新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンは、生活習慣病の予防や改善用のサプリメントとして用いることができ、あるいは、飲食物に混合して、又は飲食用組成物として用いることもできる。
サプリメントとして用いる場合、錠剤や顆粒の形態で用いることができ、他の有用成分と混合してもよい。
飲食用組成物として用いる場合、健康飲食品、特定保健用飲食品、機能性表示食品、栄養機能飲食品、健康補助飲食品等として供することが可能である。これらの飲食品は、生活習慣病の予防や改善に有用な機能性食品として供することができ、特定保健用飲食品、機能性表示食品やその他のサプリメント、健康飲食品等には、体脂肪を減らす、脂質代謝を改善する、糖代謝を改善する、血糖値の上昇を抑える、尿酸値を下げる、健康な肝臓の機能を維持する、等の機能を表示することができ、花粉、ホコリ、ハウスダストなどによるアレルギー症状による不快感を軽減する等の表示や関節炎などに対する抗炎症効果の表示をすることができる。
飲食用組成物は、固形物、液状、粉末、顆粒状、ペースト状等の種々の形態であり、具体的には、例えば、清涼飲料、乳酸飲料、嗜好飲料、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの飲料品;キャンディー、チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類などの菓子類;果実飲料、野菜飲料、ジャム類、ペースト類などの野菜・果実加工品;日本酒、焼酎、ワイン、中国酒、ウイスキー、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム、酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュールなどのアルコ-ル飲料;ヨーグルト、アイスクリーム、バター、チーズ、練乳、粉乳のなどの乳製品;ドレッシング、マヨネーズ、てんぷら油、サラダ油などの油脂加工品;しょうゆ、ソース、酢、みりん、ドレッシングタイプ調味料などの調味料;粉末ジュース、粉末スープ、インスタントコーヒー、即席麺類、即席カレー、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなどの乾燥飲食品、小麦粉加工品、でんぷん類加工品などの穀物加工品等が挙げられる。例えば飴、クッキー、チューインガム、ビスケットのような固形物として用いても、あるいは清涼飲料水、牛乳、ヨーグルト、シロップのような液状でもよい。飲食物とする場合、クエン酸、乳酸、カゼインなど、通常飲食物に使用される添加剤を配合することができる。
医薬組成物や化粧料は、経口で投与してもよく、また静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与等の非経口で投与してもよく、クリーム、ローション、軟膏、化粧水、乳液などの形態を取ることもできる。
新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンを含有する医薬組成物薬剤、サプリメント又は、あるいは飲食物等の飲食用組成物における新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチン含有量は、その剤型に応じて異なるが、全組成物中の0.001~50重量%、好ましくは0.01~20重量%程度含まれていればよい。新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンの摂取量は、摂取者の年齢、性別、体重、症状の種類、症状の程度などを考慮して適宜増減できるが、一日当たりの摂取量が0.01~300 mg/kgになるように、各投与形態に合わせて設定するのが好ましい。医薬組成物、飲食用組成物、生体適合性材料のいずれの形態においても、1日1回又は、数回に分けて投与、又は摂取すればよい。
本発明の新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンを含有する医薬組成物、サプリメント又は、飲食物等の飲食用組成物は、ヒトを含む哺乳動物を対象とする。ヒト以外の哺乳動物としては、サルなどの霊長類、ラット、マウスなどのげっ歯類、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ等が挙げられる。
<実施形態3:生活習慣病を予防又は治療するための方法>
本願発明によれば、
生活習慣病を予防又は治療するための方法であって、上記方法は、
上記生活習慣病を患っているヒトまたは動物に、新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンを含有する医薬組成物又は飲食物を投与するステップを含む、方法が提供される。
上記医薬組成物又は飲食物を患者に投与する場合には、投与量は、患者の症状の重篤さ、年齢、体重、PSA値、尿流量及び健康状態等の諸条件によって異なる。一般的には、上述した用量及び用法で、1日1回若しくはそれ以上の回数にわたって投与すればよく、以上のような諸条件に応じて、投与の回数及び量を適宜増減すればよい。
上記医薬組成物又は生活習慣病予防又は治療用医薬製剤又は飲食物の1日当たりの投与量、投与期間及び投与回数は、上述した治療薬と同様であってもよい。上記医薬組成物又は生活習慣病予防又は治療用医薬製剤の投与は、医師による判断により終了してもよいし、患者の自己判断で終了してもよい。
<有効成分>
本発明の有効成分は、新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンである。これらの製造方法は特に限定されないが、新姫抽出物の製造に用いる新姫は、実、花、樹皮、根などのいずれの部位も用いることができるが、実を用いることが好ましい。新姫の実は採取した状態のままでも良いが、果皮や果汁を用いてもよく、搾汁後の残渣を用いることもできる。また、新姫の抽出材料は乾燥などの加工をしてもよく、低温貯蔵したものでも良い。新姫原料を抽出する溶媒としては、水、または、熱水、または有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールなどのアルコール類のほか、酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル、アセトニトリル、アセトン、ヘキサンなどが挙げられるが、これらに限定されない。抽出液はそのまま新姫抽出物として用いることができるが、さらにろ過、遠心、濃縮、分配、分画等の公知の分離法を用いて、有効成分を濃縮することができる。6-デメトキシタンゲレチンは5,7,8,4’-テトラメトキシフラボンであり、8-デメトキシタンゲレチンは5,6,7,4’-テトラメトキシフラボンである。 6-デメトキシタンゲレチンと8-デメトキシタンゲレチンの製造方法は特に限定されないが、例えば、前記の新姫抽出物から公知の分離法を用いて、得ることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1] 脂肪細胞の脂肪分解に対する作用
脂肪細胞の脂肪分解をトリグリセリドの分解よって放出されるグリセロールの量を指標に評価した。3T3-L1マウス前駆脂肪細胞株(JCRB細胞バンクより入手)細胞を24ウェルプレートに25,000 細胞/ウェルで播種し、10%血清添加DMEM培地で3日間培養後、インスリン(10μg/mL)とデキサメサゾン(0.25μM)と3-イソブチル-1-メチルキサンチン(0.5mM)存在下で3日間培養後、培地交換をしてさらに2~3日間培養して脂肪細胞を作成した。被験サンプルを所定の濃度で含む培地に交換して、さらに6時間培養後に培養上清の一部を96ウェルプレートに採取して、遊離グリセロール濃度を市販の遊離グリセロール測定キット(Sigma)を用いて測定した。脂肪分解を促進することが知られるポジティブコントロールとしてイソプロテレノールを用いた。結果は被験サンプルを含まないコントロール群の値を100とした際の相対値(%)で表記した(図1)。
0.1μMのイソプロテレノールを添加したポジティブコントロール群で(PC)は、遊離グリセロール量がコントロール群(CN)と比較して、200%以上に増加した(図1A)。新姫抽出物を添加したところ濃度依存的に、遊離グリセロール濃度が上昇した(図1A)。また、6-デメトキシタンゲレチン(6DMT)、または、8-デメトキシタンゲレチン(8DMT)を添加した群においても、遊離グリセロール濃度の上昇が認められた(図1B)。これらの結果は、新姫抽出物、6-デメトキシタンゲレチン、および、8-デメトキシタンゲレチンが脂肪細胞において遊離グリセロール量を増加させたことを示しており、脂肪分解が促進されたことを示しており、抗肥満作用を有することを示した結果である。
[実施例2] 肝細胞の尿酸産生に対する作用
尿酸産生に対する作用をマウス由来AML12肝細胞(ATCCより入手)を用いて検討した。AML12肝細胞は10%ウマ胎児血清、ITS液体培地サプリメント(シグマアルドリッチ)、デキサメタゾンを含むDMEM/F-12培地に懸濁し、96ウェルプレートに25,000細胞/ウェルで播種して3日間培養し、1%ウマ胎児血清、ITS液体培地サプリメント(シグマアルドリッチ)、デキサメタゾン(40nM)を含むDMEM/F-12培地に交換してさらに一晩培養した。その後、被験サンプルを所定の濃度となるように添加後、尿酸前駆体であるグアノシンおよびイノシンをそれぞれ100μMで含むクレブスバッファーにて、4時間培養後、培養上清中の尿酸濃度について、ウリカーゼ比色法で定量する尿酸C-テストワコー(富士フイルム和光純薬株式会社)を用いて測定して、尿酸産生量を解析した。尿酸産生を抑制することが知られるポジティブコントロールとしてアロプリノールを用いた。結果は尿酸前駆体を含み、被験サンプルを含まないコントロール群の値を100とした際の相対値(%)で表記した(図2)。
尿酸前駆体を含まないネガティブコントロール群(BL)と比較して尿酸前駆体であるグアノシンおよびイノシンを添加したコントロール群(CN)では、培養上清中の尿酸濃度が大きく上昇することが確認できる。0.1μMのアロプリノールを添加したポジティブコントロール群(PC)では、コントロール(CN)と比較して尿酸濃度が50%以下に減少した(図2)。新姫抽出物を添加したところ濃度依存的に、培養上清中の尿酸濃度が低下した(図2)。また、6-デメトキシタンゲレチン(6DMT)、または、8-デメトキシタンゲレチン(8DMT)を添加した群においても、濃度依存的に、培養上清中の尿酸濃度の低下が認められた(図2)。これらの結果は、新姫抽出物、6-デメトキシタンゲレチン、および、8-デメトキシタンゲレチンが肝細胞において尿酸産生を抑制したことを示しており、高尿酸血症と痛風の予防や改善、治療に有用であることを示している。
[実施例3] マクロファージの一酸化窒素産生に対する作用
マクロファージとしてRAW264.7細胞を用いて、炎症メディエーターの1つである一酸化窒素(NO)の産生をマクロファージの活性化の指標にして、抗炎症作用を評価した。10%血清添加DMEM培地に懸濁したRAW264.7細胞(理研バイオリソース研究センターより入手)を96ウェルプレートに20,000細胞/ウェルで播種して一晩培養後、被験サンプルを所定の濃度となるように添加して、炎症誘導物質であるリポ多糖(LPS)を100~1000μg/mLとなるように添加してさらに16~24時間培養した。培養上清中の一酸化窒素濃度について、亜硝酸ナトリウムを標準としてグリエス試薬を用いた定法により測定した。結果はLPSを含み、被験サンプルを含まないコントロール群の値を100とした際の相対値(%)で表記した(図3)。
LPSを含まないネガティブコントロール群(BL)と比較してLPSを添加したコントロール群(CN)では、培養上清中の一酸化窒素濃度が大きく上昇しており、一酸化窒素産生が誘導されていることが確認できる(図3)。新姫抽出物を添加したところ濃度依存的に、培養上清中の一酸化窒素濃度が低下した(図3)。また、8-デメトキシタンゲレチン(8DMT)を添加した群においても、濃度依存的に、培養上清中の一酸化窒素濃度の低下が認められた(図3)。これらの結果は、新姫抽出物、および、8-デメトキシタンゲレチンがマクロファージにおいて一酸化窒素産生を抑制したことを示しており、炎症メディエーターの産生を抑制して抗炎症作用を発揮することを示している。
[実施例4] 肥満細胞の脱顆粒に対する作用
肥満細胞/好塩基球のモデルとしてラット由来の好塩基球株RBL-2H3細胞を用いて脱顆粒の指標としてβ-ヘキソサミニダーゼ酵素活性を測定して抗アレルギー作用を評価した。10%血清添加RPMI-1640培地に懸濁したRBL-2H3細胞(JCRB細胞バンクより入手)を96ウェルプレートに50,000細胞/ウェルで播種して一晩培養した。その後、抗ジニトロフェニル特異的モノクローナル免疫グロブリンEを終濃度0.5μg/mlになるように加えて2~4時間培養した。培養後、培地を除去し、被験サンプルを所定の濃度となるように添加し、抗原として、ジニトロフェニル結合ヒト血清アルブミンを100~1000ng/mLとなるように添加したクレブスバッファー中にてさらに2~8時間培養した。培養上清80μlを、新しい96ウェルプレートに移し、40μlの酵素基質液(3.3mM 4-ニトロフェニル-N-アセチル-β-D-グルコサミニド、0.1M クエン酸-NaOH、pH4.5)を加え、37℃で30分間酵素反応を行った。反応停止液として0.2M グリシンバッファー(pH10.4)を40μlずつ加えて、酵素反応により生成したp-ニトロフェノールの発色(405nm)を比色法により測定し、 細胞を溶解して全てのβ-ヘキソサミニダーゼが放出されたときの酵素活性を脱顆粒率100%とした際の相対値(%)で表記した(図4)。
抗原抗体で刺激していないネガティブコントロール群(BL)と比較して抗原抗体で刺激したコントロール群(CN)では、培養上清中のβ-ヘキソサミニダーゼ酵素活性が大きく上昇して脱顆粒が誘導されている(図4)。新姫抽出物を添加したところ濃度依存的に、脱顆粒率が低下した(図4)。また、6-デメトキシタンゲレチン(6DMT)、または、8-デメトキシタンゲレチン(8DMT)を添加した群においても、濃度依存的に、脱顆粒率の低下が認められた(図4)。これらの結果は、新姫抽出物、6-デメトキシタンゲレチン、および、8-デメトキシタンゲレチンが肥満細胞/好塩基球において脱顆粒を抑制することを示しており、抗アレルギー作用を持つことを示している。
[実施例5] マウスモデルにおける健康増進作用
マウスモデルにおける健康増進作用を検討するために、高脂肪高ショ糖食を摂取させたマウスの各パラメータに対する作用を検討した。高脂肪高ショ糖食はオリエンタル酵母より購入した。4週齡のC57BL/6Jマウスを1週間予備飼育後に、標準飼料摂取群(BL)、高脂肪高ショ糖食摂取(コントロール)群(CN)、0.5%新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群(NHO0.5)、および、1%新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群(NHO1.0)の各群にそれぞれ8~10匹ずつ群分けし、90日間、自由摂食で飼育した。
新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群では、コントロール群と比べて体重増加が抑制された(図5A)。新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群では、コントロール群と比べて空腹時血糖値の上昇も抑制された(図5B)。糖負荷試験において、新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群では、コントロール群と比べて血糖値が速やかに減少しており、インスリン抵抗性が改善されて耐糖能が改善したことが示された(図5C)。新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群では、コントロール群と比べてインスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRの値が低下しており、インスリン抵抗性が改善したことが示された(図5D)。さらに、新姫抽出物配合高脂肪高ショ糖食摂取群では、コントロール群と比べて血中コレステロールが低下していた(図5E)。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲に含まれることは当業者に理解されるところである。
本発明の新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分として含有する健康増進用組成物は、生活習慣病の予防や改善や治療のための医薬製剤、機能性食品、サプリメント、化粧品などとして有用であり、脂肪分解促進剤、尿酸産生抑制剤、一酸化窒素産生抑制剤、脱顆粒抑制剤、体重増加抑制剤、体脂肪増加抑制剤、血糖値上昇抑制剤、インスリン抵抗性改善剤、耐糖能改善剤および血中コレステロール濃度低下剤として用いることができ、抗肥満剤、高尿酸血症剤、抗炎症剤、および抗アレルギー剤として利用可能である。

Claims (11)

  1. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、健康増進用組成物。
  2. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、生活習慣病の予防及び/又は治療剤。
  3. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、脱顆粒抑制剤。
  4. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、抗炎症剤。
  5. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、尿酸産生抑制剤。
  6. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、脂肪分解促進剤。
  7. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、抗肥満剤。
  8. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、インスリン抵抗性改善剤。
  9. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、血中コレステロール低下剤。
  10. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、糖尿病の予防及び/又は治療剤。
  11. 新姫抽出物、または、6-デメトキシタンゲレチン、または、8-デメトキシタンゲレチンのうち少なくとも1種以上を有効成分とする、脂質代謝改善剤。
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