JP2022118906A - 植生基盤による緑化水路 - Google Patents

植生基盤による緑化水路 Download PDF

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裕司 稲邉
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Abstract

【課題】植生基盤による緑化水路において、施工後に植生が形成されるまでの期間を極力短くすること、及び水路壁面に在来種が均一に植生されるようにする。【解決手段】保水機能を有する植生基盤により構成した緑化水路1において、少なくとも2枚の積層不織布10、11の間に散点状に種子12、12…を配置した種子シート4を前記緑化水路1の壁面に沿って張設するとともに、前記植生基盤2、2の水路側壁面を含む少なくとも上部側領域に、植生基盤2の粒子間空隙に用土系材料5を充填することによって発芽・生育促進帯域3を形成する。前記種子シート4において、水路の平均水位面からの植生基盤における吸水高さh1の位置を境界線として、その下側を水路から水分補給を受けられる領域Aとするとともに、その上側を水路から水分補給を受けられない領域Bとして区画し、前記水路から水分補給を受けられない領域Bに在来種の乾燥耐性植物類の種子を配置する。【選択図】図2

Description

本発明は、水路における自然的景観の保全や生物多様性の向上を目的として、水路壁面における植物の生育を促進させた植生基盤による緑化水路に関する。
従来より、水路における自然的景観の保全や生物多様性の向上を目的として、水路壁面に植物の生育を可能にするために、保水機能を持たせた発泡セラミックスや多孔質のポーラスコンクリートを材料とした植生基盤によって水路両側を構成することが知られている。
例えば、下記特許文献1では、耐火粘土及び/又は耐火シャモットを主体とし、気孔径の主体が0.2~2000μmの連通気孔を有する多孔質セラミックパネルからなり、気孔率が50%以上、透水性が1×10cm/秒以上であって、その上に植物を植栽する無土壌植生用セラミックパネルが提案されている。
また、下記特許文献2では、少なくとも一面が凹凸形状を有する空隙率が15~25%であるポーラスコンクリート成形体であって、該凹凸形状を有する面を用いて植物を育成させる植物栽培用ポーラスコンクリートが提案されている。
これら発泡セラミックスパネルやポーラスコンクリートパネルからなる植生基盤の下部を、水路の水位以下に設置することで、毛管現象による吸水等により、水路の水位より高い位置に水分を供給でき、安定した植物の生育環境が確保できるようにしている。また、水路の壁面を緑化することによって、自然環境や生態系の保全、景観向上、緑化面積の増大に伴う都市部におけるヒートアイランド現象の緩和等が実現できる他、誤って水路に転落した小動物等が這い上がれる移動経路にもなることが期待されている。
特開2000-92978号公報 特開平9-316851号公報
前述した植生基盤では、自然飛来する種子や胞子が付着し発芽することで植生が形成されることになるが、施工後に植生が形成され生態系が形成されるまでに多くの時間を要するという問題点があった。
また、水路壁面に均一に植生がなされるまでの期間内において、在来種が植生する前に、環境順応性の高い外来種が優占する可能性があり、植物の生態系を変えてしまうおそれがあるなどの問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、植生基盤による緑化水路において、施工後に植生が形成されるまでの期間を極力短くすること、及び水路壁面に在来種が均一に植生されるようにすることにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、水路の両壁を保水機能を有する植生基盤により構成した緑化水路において、
少なくとも2枚の積層不織布の間に散点状に種子を配置した種子シートを前記緑化水路の壁面に沿って張設するとともに、前記植生基盤の水路側壁面を含む少なくとも上部側領域に、植生基盤の粒子間空隙に用土系材料を充填することによって発芽・生育促進帯域を形成したことを特徴とする植生基盤による緑化水路が提供される。
上記請求項1記載の発明では、緑化水路において、少なくとも2枚の積層不織布の間に散点状に種子を配置した種子シートを水路壁面に沿って張設するようにしている。すなわち、自然に飛来した種子や胞子等が根付いて生育、繁茂するのを待つのではなく、水路構築時に事前に前記種子シートを水路壁面に沿って張設することにより、これらの種子が早期に発芽して生育するため、施工後に植生が形成されるまでの期間を極力短くすることが可能になる。
また、前記種子シートに担持された種子に対して、生育養分を供給するために、植生基盤の水路側壁面を含む少なくとも上部側領域、すなわち水路から水分補給を受けられない領域に、植生基盤の粒子間空隙に用土系材料を充填し発芽・生育促進帯域を形成するようにしている。従って、用土系材料の保水絹による水分供給と堆肥養分供給により、植物の生育を促進することができ、より一層、植生が形成されるまでの期間を極力短くすることが可能になる。
また、前記植生基盤の粒子間空隙に充填された用土系材料については、水路壁面に沿って前記種子シートが張設されることにより、用土系材料がこぼれ落ちるのを防止するようになっている。
請求項2に係る本発明として、前記種子シートにおいて、水路の平均水位面からの植生基盤における吸水高さh1の位置を境界線として、その下側を水路から水分補給を受けられる領域とするとともに、その上側を水路から水分補給を受けられない領域として区画し、前記水路から水分補給を受けられない領域に在来種の乾燥耐性植物類の種子を配置した請求項1記載の植生基盤による緑化水路が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記種子シートに担持された種子は、植生基盤の水分の吸上げ高さ(h1)との関係で、水路から水分補給を受けられる領域に配置された種子と、水路から水分補給を受けられない領域に配置された種子とが存在する。この場合、水路から水分補給を受けられる領域に配置された種子については、相対的に早い時期に発芽し生育することが可能であるが、水路から水分補給を受けられない領域に配置された種子は相対的に発芽、生育が遅れる傾向にある。過去の実証試験によれば、水路から水分補給を受けられない領域に配置された種子が発芽して壁面を緑化するのに概ね5年ほどの歳月を要することが確認されている。そのため、水路から水分補給を受けられない領域は、環境順応性の強い外来種が優占する可能性があった。
そこで、本発明では水路壁面を覆う種子シートの内、前記水路から水分補給を受けられない領域に在来種の乾燥耐性植物類の種子を配置するようにしたものである。その結果、前記水路から水分補給を受けられない領域においては、在来種の乾燥耐性植物類の種子が早期に発芽して生育することにより水路壁面が早期に緑化され、水路壁面全体が早期に緑化されるため、たとえ環境順応性の強い外来種であっても、すでに在来種が優勢種となっている環境ではそこで発芽して生育することは困難であるため、水路壁面に在来種が均一に植生されるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記種子シートにおける前記水路から水分補給を受けられる領域に、在来種の湿潤耐性植物類の種子を配置した請求項2記載の植生基盤による緑化水路が提供される。
上記請求項3記載の発明は、前記種子シートにおける前記水路から水分補給を受けられる領域に担持される種子に関しては、前記在来種の乾燥耐性植物類の種子以外の種子とすることでよいが、この領域は常時水分補給が行われている領域であるため、好ましくは在来種の湿潤耐性植物類の種子を配置することで、より環境に適した植物とすることで良好に繁茂させることが可能になる。
請求項4に係る本発明として、前記保水機能を有する植生基盤として、発泡セラミックスパネル又は多孔質のポーラスコンクリートパネルを用いている請求項1~3いずれかに記載の植生基盤による緑化水路が提供される。
上記請求項4記載の発明は、前記保水機能を有する植生基盤を具体的に限定したものである。保水機能を有する植生基盤としては、発泡セラミックスパネル又は多孔質のポーラスコンクリートパネルを用いることが望ましい。
請求項5に係る本発明として、前記用土系材料として、赤玉土、黒土、鹿沼土、真砂土、ピートモス、パーライト、バーミキュライトの内のいずれか又は組合せと、天然樹脂又は合成樹脂を主体とするバインダーとを練り合わせたものを用いる請求項1~4いずれかに記載の植生基盤による緑化水路が提供される。
上記請求項5記載の発明は、前記用土系材料を具体的に規定したものである。前記用土系材料として、赤玉土、黒土、鹿沼土、真砂土、ピートモス、パーライト、バーミキュライトの内のいずれか又は組合せと、天然樹脂又は合成樹脂を主体とするバインダーとを練り合わせたものを用いるのが望ましい。
以上詳説のとおり本発明によれば、植生基盤による緑化水路において、施工後に植生が形成されるまでの期間を極力短くすることが可能になる。また、水路壁面に在来種が均一に植生されるようになる。
本発明に係る植生基盤2による緑化水路の平面図である。 その横断面図である。 植生基盤2の要部拡大断面図である。 種子シート4を示す、(A)は平面図、(B)は断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る植生基盤2による緑化水路1(以下、単に「水路」ともいう。)は、水路1の両壁を保水機能を有する植生基盤2、2により構成したものであって、少なくとも2枚の積層不織布10、11の間に散点状に種子12、12…を配置した種子シート4を前記水路1の壁面に沿って張設するとともに、前記植生基盤2の水路側壁面を含む少なくとも上部側領域に、植生基盤2の粒子間空隙に用土系材料5を充填することによって発芽・生育促進帯域3を形成したものである。
以下、更に図面に基づいて具体的に詳述する。
前記緑化水路1は、両側に保水機能を有する植生基盤2、2を配置することにより、前記植生基盤2、2に植物6を根付かせ、植生基盤2による水分の吸上げ機能による植物への水分補給によって、給水施設等の設備無しで水路壁面の緑化を図ったものである。これによって、自然景観の保全や生物多様性の向上を図り、更に緑化面積の増大に伴う都市部におけるヒートアイランド現象を緩和を図ったりすることが可能になる。
前記植生基盤2は、水路1のコンクリート壁面7の内側壁面に沿って設置されることにより、水路1の両壁面を構成するようになっている。前記植生基盤2としては、発泡セラミックスパネル又は多孔質のポーラスコンクリートパネルを好適に用いることができる。これらの中で、特に吸水性の高い発泡セラミックスパネルを用いることがより好ましい。
発泡セラミックスは、二酸化珪素(SiO2)及び酸化カルシウム(CaO)を主成分とする鋳鉄スラグと粘土とを配合して練混ぜた材料を、所定の形状に成形し、約1000℃で燃焼した材料である。高温で燃焼することで、連続空隙を有する無機質の植生基盤2が製造できる。植生基盤2として、発泡セラミックスを用いることにより、植生基盤材として軽量(密度0.3~0.9g/cm3)、かつ高い含水率(乾燥重量比で約50%)を有した無機質材料となり、安定した植物の育成環境が形成できるようになる。なお、前記発泡セラミックスパネルは、鶴見コンクリート株式会社より、商品名「ケイセラパネル」(商標登録)として既に市販されている。1枚当たりの形状寸法は、300mm×300mm×30mmであり、その重量は約2.5kg/枚とされる。その物性値を下表1に示す。
Figure 2022118906000002
前記発泡セラミックスパネルは、水の吸上げ効果が高く、パネル下部を水路水位以下に設置することで、植物の生育に最も重要な要素である水分を常時、吸水、保持することができるようになる。この結果、従来、困難とされたきた、垂直面においても、吸水装置等の設備無しで、安定した植物の生育環境を創造することができる。
前記発泡セラミックスパネルの水位面からの吸水高さh1は、設置現場での計測の結果、概ね300mm程度とされる。従って、図2に示されるように、水位面(平均水位)から吸水高さh1に相当する300mmの範囲については、水路の水分が常時供給されるものと考えて差し支えがない。
一方、前記多孔質のポーラスコンクリートパネルは、コンクリートの単位細骨材量を極端に減らし、連続した空隙(間隙)を有するようにしたコンクリートで、前記空隙により植物の生育や微生物の棲息が可能で、緑化コンクリートや河川護岸に使用されるものである。
既往の植生調査では、ポーラスコンクリートの空隙率を21%以上にすることが植生に必要である。しかし、空隙率と強度との関係は反比例する関係にあるため、空隙率を大きくすると、強度が足りなくなる可能性があるため、植生を重視する場合は、空隙率は21~30%、設計基準強度:10N/mm2以上とするのが望ましく、強度を重視する場合は、空隙率は18~21%、設計基準強度:18N/mm2以上とするの望ましい。前記ポーラスコンクリートの水の吸上げ高さ(h1)は、既往の実験結果から概ね6~13cm程度である。
過去の緑化水路の場合は、自然に飛来した種子や胞子等が前記植生基盤2に根付き、発芽し生育、繁茂することを期待するものであったが、本緑化水路1では積極的に水路壁面に対して種子を配置して植物が早期に発芽し、生育することを促している。
種子を水路壁面に配置するために、詳細には図4に示されるように、少なくとも2枚の積層不織布10、11の間に散点状に種子12、12…を配置した前記種子シート4を用いるようにしている。種子12の配置パターンは、全体に亘って縦方向及び横方向に間隔を空けて散点状に配置されていればよいが、好ましくは図示例のような正格子パターンで配置するか、千鳥格子パターン(図示せず)で配置するのが望ましい。
前記不織布10、11を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた任意の不織布を用いることができる。
図2に示されるように、前記種子シート4を水路壁面に張設した状態で、植生基盤2の水分の吸上げ高さ(h1)との関係で、水路から水分補給を受けられる領域Aに配置された種子と、水路から水分補給を受けられない領域Bに配置された種子とが存在する。水分補給を受けられる領域Aに配置された種子に関しては、直ぐに発芽し生育することが可能であるが、水路から水分補給を受けられない領域Bに配置された種子は相対的に発芽、生育が遅れる傾向にある。のため、水路から水分補給を受けられない領域Bは、環境順応性の強い外来種が優占する可能性があった。
そこで、図4に示されるように、前記不織布10、11に担持される種子12に関して、前記種子シート4においては、水路の平均水位面からの植生基盤における吸水高さh1の位置を境界線Lとして、その下側を水路から水分補給を受けられる領域Aとする一方、境界線Lの上側は水路から水分補給を受けられない領域Bとして区画し、この水路から水分補給を受けられない領域Bに在来種の乾燥耐性植物類の種子を配置するのが望ましい。
すなわち、本願発明では、環境順応性の強い外来種が優占するよりも早くに、特に水路から水分補給を受けられない領域Bに配置された種子12については、在来種の乾燥耐性植物類の種子を配置することにより、早い発芽と生育を促し水路壁面全体を早期に緑化するようにしたため、たとえ環境順応性の強い外来種であっても、すでに在来種が優勢種となっている環境ではそこで発芽して生育することは困難であり、水路壁面に在来種が均一に植生されるようになる。
なお、吸水高さh1の基点を水路の平均水位面からとしたのは、最大水位面或いは最小水位面は一時的に生じるものであり、植物の育成環境の視点からは、年間を通じて平均水位面を基準とするのが望ましいと思われるからである。
前記在来種の乾燥耐性植物類としては、例えば「在来種植裁選定の手引き」(平成28年千代田区)を参考に、耐乾性の高い地被植物・ツル性植物として掲載されているアケビ、キヅタ、サネカズラ、テイカカズラ、ベニシダ、ヤブラン、ジャノヒゲ、クサボケ、ススキなどとすることができる。
前記種子シート4における前記水路から水分補給を受けられる領域Aには、在来種の乾燥耐性植物類の種子以外の種子とすることでよいが、この領域は常時水分補給が行われている領域であるため、好ましくは在来種の湿潤耐性植物類の種子12を配置することとし、環境に適した植物とすることが望ましい。
前記湿潤耐性植物類としては、例えば「新・花と緑の詳しい図鑑」の「湿気に強い花」(https://garden-vision.net/flower/amenituyoi_flower01.html)を参考に、これらの内の在来種として、アスプレニウム、イヌツゲ、イヌマキ、カキツバタ、カクレミノ、ギボウシ、キョウガノコなどを挙げることができる。
前記種子シート4に担持された種子の内、特に水路から水分補給を受けられない領域Bに配置された種子の発芽を促すために、本発明では特に、前記植生基盤2の水路壁面を含む少なくとも上部側領域(前記水路から水分補給を受けられない領域Bに対応)に、植生基盤の粒子間空隙に用土系材料5を充填することによって発芽・生育促進帯域3を形成するようにしている。なお、図2に示されるように、本形態例では、前記植生基盤2の水路壁面を含んで水路全高に亘って、前記発芽・生育促進帯域3を形成している。
前記用土系材料5としては、赤玉土、黒土、鹿沼土、真砂土、ピートモス、パーライト、バーミキュライトの内のいずれか又は組合せと、天然樹脂又は合成樹脂を主体とするバインダーとを練り合わせたものを用いるのが望ましい。これらの用土は、無機質物質で作られた植生基盤2の内部に充填されることによって、植物の育成に適した土壌機能を付与し、発芽を促進することが可能になる。
前記赤玉土、黒土、鹿沼土、真砂土は基本用土として一般的に用いられるものであり、前記ピートモス、パーライト、バーミキュライトは補助用土として一般的に用いられるものであり、通気性や保水性、保肥性を高め、土をより良い状態に改良する役割を有する。
これらの用土類を植生基盤2の内部に固定するために、天然樹脂又は合成樹脂を主体とするバインダーとを練り合わせて、流動体とした状態する。そして、前記植生基盤2の水路壁面となる面を上面側となるように載置し、周囲を囲んだ状態とし、上からから流し込むようにする。用土系材料5は、植生基盤2の骨材粒子間の空隙を流れて所定の深さ範囲まで達し、骨材にバインダー成分が接着することによって固定される。
前記天然樹脂を主体とするバインダーとしては、にかわ、カゼイン、澱粉、天然ゴム、漆などの天然素材を原料とした接着剤を用いることができる。また、前記合成樹脂を主体とするバインダーとしては、公知の合成系の接着剤を任意に使用することができ、その中でも二液性のエポキシ系接着剤やシリコン系接着剤を好適に用いることができる。
前記発芽・生育促進帯域3の厚みは、植生基盤2の厚みに対して20~100%、好ましくは40~80%とするのが望ましい。
通常、植生基盤2による緑化では、植生基盤2自体は無機質材料であるため、植物が得られる養分は水分だけである。このような生育環境は、植物にとって十分なものとは言えず、順調な発芽、生育は望めない。そこで、本発明では少しでも通常の土壌環境に近づけるために、前記用土系材料5を植生基盤内に充填することにより生育環境を良好化し発芽・生育を促進するようにしている。本発明によれば、施工後に植生が形成されるまでに要する時間を短縮することができ、かつ生態系に配慮した在来性植物が生育することが可能になるとともに、劣化した生態系の回復にも大きく貢献できるものとなる。
〔他の形態例〕
(1)前記種子シート4に関して、上記形態例では不織布を用いるようにしたが、親水性の高いPVAフィルムを用いることも可能である。
1…緑化水路、2…植生基盤、3…発芽・育成促進帯域、4…種子シート、5…用土系材料、6…植物、7…コンクリート壁面、10・11…不織布、12…種子

Claims (5)

  1. 水路の両壁を保水機能を有する植生基盤により構成した緑化水路において、
    少なくとも2枚の積層不織布の間に散点状に種子を配置した種子シートを前記緑化水路の壁面に沿って張設するとともに、前記植生基盤の水路側壁面を含む少なくとも上部側領域に、植生基盤の粒子間空隙に用土系材料を充填することによって発芽・生育促進帯域を形成したことを特徴とする植生基盤による緑化水路。
  2. 前記種子シートにおいて、水路の平均水位面からの植生基盤における吸水高さh1の位置を境界線として、その下側を水路から水分補給を受けられる領域とするとともに、その上側を水路から水分補給を受けられない領域として区画し、前記水路から水分補給を受けられない領域に在来種の乾燥耐性植物類の種子を配置した請求項1記載の植生基盤による緑化水路。
  3. 前記種子シートにおける前記水路から水分補給を受けられる領域に、在来種の湿潤耐性植物類の種子を配置した請求項2記載の植生基盤による緑化水路。
  4. 前記保水機能を有する植生基盤として、発泡セラミックスパネル又は多孔質のポーラスコンクリートパネルを用いている請求項1~3いずれかに記載の植生基盤による緑化水路。
  5. 前記用土系材料として、赤玉土、黒土、鹿沼土、真砂土、ピートモス、パーライト、バーミキュライトの内のいずれか又は組合せと、天然樹脂又は合成樹脂を主体とするバインダーとを練り合わせたものを用いる請求項1~4いずれかに記載の植生基盤による緑化水路。
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