JP2022117783A - 木造建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋内上部の内観性を向上させることが可能な木造建築物を提供する。【解決手段】木造建築物は、第1水平方向に延び、第1水平方向と直交する第2水平方向に並ぶ複数の梁21の、対向する一対の側面に取り付けられ、それぞれが第2水平方向に突出するピンを有する一対の取り付け具6と、複数の梁の間で第2水平方向に延び、一対の取り付け具のピンに端部が取り付けられるダミー梁22と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、木造建築物に関する。
特許文献1には、間仕切り壁により複数の室内空間が形成された木造建築物が開示されている。
特開2014-159681号公報
本発明の主な目的は、屋内上部の内観性を向上させることが可能な木造建築物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一の態様の木造建築物は、第1水平方向に延び、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に並ぶ複数の梁の、対向する一対の側面に取り付けられ、それぞれが前記第2水平方向に突出するピンを有する一対の取り付け具と、前記複数の梁の間で前記第2水平方向に延び、前記一対の取り付け具の前記ピンに端部が取り付けられるダミー梁と、を備える。
上記態様において、上端に係合片が設けられた間仕切り壁をさらに備え、前記梁及び前記ダミー梁の少なくとも一方の下面に、前記係合片が差し込まれるスリットが形成されてもよい。
上記態様において、前記取り付け具には、前記梁の側面に埋め込まれた複数の雌ネジに対応する、雄ネジを通すための複数のネジ穴が形成されてもよい。
上記態様において、前記梁及び前記ダミー梁の少なくとも一方の下面から上方向に延びる穴に挿入され、前記下面から下方向に一部が突出した支持ピンと、前記突出した支持ピンに上端部が取り付けられるダミー柱と、をさらに備えてもよい。
上記態様において、前記梁の下面から上方向に延びる穴に挿入され、前記下面から下方向に一部が突出した支持ピンと、前記梁の側面を貫通して、前記穴に挿入された前記支持ピンを固定する留めピンと、前記突出した支持ピンに上端部が取り付けられるダミー柱と、をさらに備え、前記取り付け具は、前記梁の側面の前記留めピンを覆うように取り付けられてもよい。
本発明によれば、屋内上部の内観性を向上させることが可能となる。
実施形態に係る木造建築物の構成例を示す図である。 天井部の構成例を示す図である。 取り付け具の構成例を示す図である。 取り付け具の構成例を示す図である。 梁とダミー梁の連結例を示す図である。 梁とダミー柱の連結例を示す図である。 間仕切り壁の支持例を示す図である。 ダミー梁の変形例を示す図である。 留めピンの変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る木造建築物1の内部構造の例を示す斜視図である。本実施形態の木造建築物1では、天井部2と床板3との間にダミー柱4及び間仕切り壁5が着脱可能に設けられる。天井部2は、格子状に配列する複数の梁21,22を備えている。
ダミー柱4は、天井部2の荷重を支えない着脱可能な柱である。ダミー柱4の上端部は天井部2に固定され、ダミー柱4の下端部は床板3に固定される。間仕切り壁5は、ダミー柱4に隣接して立てられる着脱可能な壁である。間仕切り壁5の上端部は梁21,22に保持される。
ダミー柱4は、格子状に配列する梁21,22の交差部分の下に配置される。間仕切り壁5は、隣り合う2つの交差部分の間の線状部分の下に配置される。ダミー柱4及び間仕切り壁5を選択的に配置することで、屋内の間取りを自由に変更することが可能である。
なお、梁21,22は交差しているように見えるが、以下に説明するように実際には交差していない。
図2は、天井部2の構成例を示す底面図である。図3及び図4は、取り付け具6の構成例を示す図である。図5は、梁21,22の連結例を示す平面図である。図6は、梁21とダミー柱4の連結例を示す側面図である。
本実施形態では、梁21,22のうちの一方の梁22がダミー梁である(以下、ダミー梁22という)。ダミー梁22は、天井部2又はその上部の荷重を支えない着脱可能な梁である。
図2に示すように、梁21は、第1水平方向(図中上下方向)に延び、第1水平方向と直交する第2水平方向(図中左右方向)に並んでいる。ダミー梁22は、隣り合う2つの梁21の間で第2水平方向に延びている。
隣り合う2つの梁21の互いに向かい合う一対の側面213には、ダミー梁22を支持するための一対の取り付け具6が取り付けられている。
梁21に対してダミー梁22を着脱可能とし、ダミー梁22を選択的に配置することで、屋内上部の内観性を向上させることができる。また、梁21とダミー梁22が交差しているように見せることができる。さらに、ダミー柱4及び間仕切り壁5とともに、屋内の間取りを自由に変更することができる。
梁21の交差部分C、すなわち梁21の片側又は両側にダミー梁22が配置される部分には、下面から上方向に延びるピン穴21aが形成されている。ピン穴21aには、ダミー柱4(図1参照)の上端部を取り付けるための支持ピン8が挿入され、固定される。
また、梁21の線状部分L、すなわち2つの交差部分Cの間の部分にもピン穴21aが形成されてもよいし、ダミー梁22にもピン穴22aが形成されてもよい。
図3及び図4に示すように、取り付け具6は、板状のフランジ61と、フランジ61の一方の主面から板厚方向に突出するピン62とを備えている。取り付け具6は、金属製である。
フランジ61は、例えばダミー梁22の端面と同程度の大きさの矩形状である。ピン62は、例えば円筒状であり、フランジ61の中央に設けられている。ピン62の先端部には、留めピン71が挿入されるピン穴6bが形成されている(図5参照)。
フランジ61のピン62の周囲には、取り付け具6を梁21の側面213に固定する不図示の雄ネジを通すための複数のネジ穴6aが形成されている。これらのネジ穴6aは、矩形状のフランジ61の対角線上に位置している。
ネジ穴6aは、梁21の側面213に埋め込まれた雌ネジ24(図6参照)に対応している。不図示の雄ネジをネジ穴6aに通し、雌ネジ24と締結することで、取り付け具6が梁21の側面213に固定される。これに限らず、ビスをネジ穴6aに通して梁21に直接締結してもよい。
図5に示すように、取り付け具6は、フランジ61のピン62と反対の主面が梁21の側面213と接するように配置され、梁21の側面213に固定される。ピン62は、梁21の側面213から第2水平方向(図中左右方向)に突出する。ダミー梁22の端部は、梁21の側面213に固定された取り付け具6のピン62に取り付けられる。
具体的には、ダミー梁22の端部には上面と端面に開放されたピン溝22bが形成されており、ピン溝22b内にピン62が収容され、留めピン71によってダミー梁22とピン62が連結される。留めピン71は、ダミー梁22の端部の側面を第1水平方向(図中上下方向)に貫通し、ピン溝22b内に収容されたピン62の先端部のピン穴6bに通される。
図5及び図6に示すように、梁21の交差部分Cに形成された、下面から上方向に延びるピン穴21aには、ダミー柱4の上端部を取り付けるための支持ピン8が挿入され、固定される。支持ピン8の一部は梁21の下面から下方向に突出し、突出した支持ピン8にダミー柱4が取り付けられる。
ダミー柱4の取り付けも、ダミー梁22の取り付けと同様である。具体的には、ダミー柱4の上端部には側面の1つと端面に開放されたピン溝4bが形成されており、ピン溝4b内に支持ピン8が収容され、留めピン73によってダミー柱4と支持ピン8が連結される。留めピン73は、ダミー柱4の上端部の側面を貫通し、ピン溝4b内に収容された支持ピン8の先端部のピン穴8aに通される。
支持ピン8の固定にも、留めピン72が用いられる。留めピン72は、梁21の側面213を貫通し、ピン穴21a内に収容された支持ピン8の上端部の不図示のピン穴に通される。なお、図6に示すように、取り付け具6は、梁21の側面213の留めピン72を覆うように取り付けられる。これにより、留めピン72を隠すことができる。
また、図6に示すように、梁21の側面213には、取り付け具6の上下方向の中央となる高さにスリット28が形成されている。このスリット28は、取り付け具6又はダミー梁22の位置決めなどに用いられる。なお、スリット28は形成されなくてもよい。
図7は、間仕切り壁5の支持例を示す図である。同図は、図2のVII-VII線で梁21と間仕切り壁5を切断したときの断面を示している。間仕切り壁5の上端にはL字状の係合片51が取り付けられており、係合片51が梁21の下面に形成されたスリット27に差し込まれることで、間仕切り壁5が位置決めされる。間仕切り壁5は、ダミー梁22にも同様に支持される。
図8は、ダミー梁22の変形例を示す図である。同図に示すように、ダミー梁22の側面223にも取り付け具6が取り付けられ、当該ダミー梁22と直交する方向に延びる別のダミー梁(不図示)がさらに設けられてもよい。
これにより、屋内上部の内観性のさらなる向上を図ることができる。また、2つのダミー梁22が交差しているように見せることもできる。さらに、屋内の間取りをさらに自由に変更することができる。
この例では、ダミー梁22の側面223にも、梁21の側面213と同様に(図6参照)、取り付け具6を取り付けるための複数の雌ネジ24が埋め込まれ、取り付け具6の上下方向の中央となる高さにスリット28が形成される。
上記図5及び図6に示した留めピン71~73は、例えばドラフトピンであってもよい。さらには、図9に示すように、留めピン71~73(ドラフトピン)には、外周面75にねじ溝が切られ、一方の端面に凹部76が形成されてもよい。凹部76は、例えば六角レンチを嵌めてピンを回転させるための六角穴である。
このような留めピン71~73は、回転させながら梁又は柱等に挿入又は抜出される。これにより、留めピン71~73の挿抜を容易にするとともに、留めピン71~73を挿入する穴を繰り返し利用することが可能となる。このような外周面にねじ溝が切られたドラフトピンは、一般のドラフトピン工法に用いることも可能である。
また、留めピン71~73は梁又は柱の幅よりも長く、一方又は両方の端部が梁又は柱の側面から突出するように取り付けられてもよい。さらに、留めピン71~73の梁又は柱の側面から突出した端部には、留めピン71~73を回転させるためのアイナットが取り付けられてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が当業者にとって可能であることはもちろんである。
上記実施形態では、格子状に配列した梁21,22にダミー柱4及び間仕切り壁5を取り付けることで間取りの自由な変更を可能にする例について説明したが、梁が表に現れない建築物では、梁21,22と同様に、スリットが形成された木板を天井に格子状に取り付け、それらの木板にダミー柱4及び間仕切り壁5を取り付けてもよい。
1 木造建築物、2 天井部、21 梁、22 ダミー梁、21a,22a ピン穴、22b ピン溝、24 雌ネジ、27,28 スリット、3 床板、4 ダミー柱、5 間仕切り壁、51 係合片、6 取り付け具、61 フランジ、62 ピン、6a ネジ穴、6b ピン穴、71~73 留めピン、8 支持ピン

Claims (5)

  1. 第1水平方向に延び、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に並ぶ複数の梁の、対向する一対の側面に取り付けられ、それぞれが前記第2水平方向に突出するピンを有する一対の取り付け具と、
    前記複数の梁の間で前記第2水平方向に延び、前記一対の取り付け具の前記ピンに端部が取り付けられるダミー梁と、
    を備える、木造建築物。
  2. 上端に係合片が設けられた間仕切り壁をさらに備え、
    前記梁及び前記ダミー梁の少なくとも一方の下面に、前記係合片が差し込まれるスリットが形成される、
    請求項1に記載の木造建築物。
  3. 前記取り付け具には、前記梁の側面に埋め込まれた複数の雌ネジに対応する、雄ネジを通すための複数のネジ穴が形成される、
    請求項1または2に記載の木造建築物。
  4. 前記梁及び前記ダミー梁の少なくとも一方の下面から上方向に延びる穴に挿入され、前記下面から下方向に一部が突出した支持ピンと、
    前記突出した支持ピンに上端部が取り付けられるダミー柱と、
    をさらに備える、
    請求項1ないし3の何れかに記載の木造建築物。
  5. 前記梁の下面から上方向に延びる穴に挿入され、前記下面から下方向に一部が突出した支持ピンと、
    前記梁の側面を貫通して、前記穴に挿入された前記支持ピンを固定する留めピンと、
    前記突出した支持ピンに上端部が取り付けられるダミー柱と、
    をさらに備え、
    前記取り付け具は、前記梁の側面の前記留めピンを覆うように取り付けられる、
    請求項1ないし4の何れかに記載の木造建築物。

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