JP2022114696A - 固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法 - Google Patents

固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】摩耗状態の監視精度を向上させることのできる固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法を提供することを目的とする。【解決手段】固体燃料粉砕装置は、固体燃料が載置される粉砕テーブルと、粉砕テーブル上に載置された固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラ13と、粉砕ローラ13を支持し、粉砕ローラ13と一体的に揺動・変位するジャーナルヘッド45と、ジャーナルヘッド45に固定して設けられており、粉砕ローラ13の外表面の摩耗状態を監視する監視部101とを備える。【選択図】図5

Description

本開示は、固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法に関するものである。
従来、石炭やバイオマス燃料等の固体燃料(炭素含有固体燃料)は、粉砕機(ミル)で所定粒径範囲内の微粉状に粉砕して、燃焼装置へ供給される。ミルは、粉砕テーブルへ投入された石炭やバイオマス燃料等の固体燃料を、粉砕テーブルと粉砕ローラの間に挟み込んで粉砕し、粉砕テーブルの外周から供給される搬送用ガス(一次空気)によって、粉砕されて微粉状となった固体燃料のうち、所定粒径範囲内の微粉燃料を分級機で選別し、ボイラへ搬送して燃焼装置で燃焼させている。火力発電プラントでは、ボイラで微粉燃料を燃焼して生成された燃焼ガスとの熱交換により蒸気を発生させ、該蒸気により蒸気タービンを回転駆動して、蒸気タービンに接続した発電機を回転駆動することで発電が行なわれる。
粉砕を行うローラは、長時間の使用に伴い固体燃料と接触するローラの外周面が摩耗する。その為、ローラ外周は耐摩耗性の高い素材で製造されているが、その摩耗をゼロとすることはできない。ローラの摩耗が進行すると、粉砕テーブルとローラのかみ合わせが悪くなり、粉砕性能が低下する。また、ローラの摩耗進行に伴い、ローラの肉厚が減少し、ローラの強度も低下する。このため、摩耗が進行したローラは、補修や交換を行う必要がある。ローラの摩耗の進行状態を検出する方法として、ミルの内部点検時に手作業で摩耗量を計測する方法や、ローラに摩耗を検出する検出装置を設ける方法等が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、粉砕用ローラを支持する中空支持軸の内部にセンサとして超音波探触子を設けたミルが開示されている。特許文献1のミルでは、超音波探触子から超音波パルスを送信し、底面からのエコー(粉砕用ローラの表面からの反射信号)が返ってくる時間を測定することで、ローラの厚さ(摩耗量)を測定している。
実開昭60-148037号公報
しかしながら、センサをローラの内部に設ける場合、センサはローラと共に回転し、センサとローラの表面の位置は相対的に運動しないため、ローラ表面における広範囲の摩耗状態を監視することは困難である。このため、局所的に発生した陥没は、発生位置によって検出できない可能性がある。これに対応して、内部に設けるセンサ数を増加させた場合には、ローラの強度低下や設置コストの増加、センサ故障時のメンテナンスコストの増加といった課題が考えられる。ローラが小型である場合には、内部にセンサを設けることが困難な場合もある。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、摩耗状態の監視精度を向上させることのできる固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法を提供することを目的とする。
本開示の第1態様は、固体燃料が載置される粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上に載置された前記固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラと、前記粉砕ローラを支持し、前記粉砕ローラと一体的に揺動するジャーナルヘッドと、前記ジャーナルヘッドに固定して設けられており、前記粉砕ローラの外表面の摩耗状態を監視する監視部と、を備える固体燃料粉砕装置である。
本開示の第2態様は、固体燃料が載置される粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上に載置された前記固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラと、前記粉砕ローラを支持し、前記粉砕ローラと一体的に揺動するジャーナルヘッドとを備える固体燃料粉砕装置のローラ摩耗量監視方法であって、前記ジャーナルヘッドに固定して設けられた監視部を用いて、前記粉砕ローラの外表面の摩耗状態を監視するローラ摩耗量監視方法である。
本開示によれば、摩耗状態の監視精度を向上させることができるという効果を奏する。
本開示の第1実施形態に係る発電プラントの概略構成を示す図である。 本開示の第1実施形態に係るミルの具体的構成例を示す図である。 本開示の第1実施形態に係るローラの摩耗の一例を示す図である。 本開示の第1実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示した図である。 本開示の第1実施形態に係るローラ周り監視機構を含めた具体的構成例を示す図である。 図5における監視部周りの具体的構成例の平面図である。 図5における監視部周りの具体的構成例の詳細図である。 超音波式のセンサの計測原理を説明するための図である。 渦電流式のセンサの計測原理を説明するための図である。 本開示の第1実施形態に係る監視部の構成例を示す図である。 本開示の第1実施形態に係る千鳥状にセンサを配置した例を示す図である。 本開示の第1実施形態に係る清掃部を示す図である。 本開示の第1実施形態に係る監視部の設置範囲を示す図である。 本開示の第1実施形態に係る摩耗監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。 本開示の第2実施形態に係るシールエアの投入例を示す図である。 本開示の第3実施形態に係る監視部における位置調整機構の一例を示す図である。 本開示の第3実施形態に係る各センサにおける位置調整機構の一例を示す図である。 本開示の第4実施形態に係る補助センサの設置例を示す図である。 本開示の第5実施形態に係る制御装置が備える機能を示した機能ブロック図である。 本開示の第5実施形態に係る累積運転時間と粉砕ローラの肉厚との関係を示すグラフである。 本開示の第5実施形態に係る粉砕する固体燃料の種類を変えた場合における累積運転時間とローラの肉厚との関係を示すグラフである。 本開示の第5実施形態に係るメンテナンス計画に係るシステムを示す図である。
〔第1実施形態〕
以下に、本開示に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る発電プラント1は、図1に示すように、固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを備えている。
以降の説明では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。また同様に“下”とは鉛直下側の部分を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、一例として石炭やバイオマス燃料等の固体燃料(炭素含有固体燃料)を粉砕し、微粉燃料を生成してボイラ200のバーナ(燃焼装置)220へ供給する装置である。図1に示す固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを含む発電プラント1は、1台の固体燃料粉砕装置100を備えるものであるが、1台のボイラ200の複数のバーナ220のそれぞれに対応する複数台の固体燃料粉砕装置100を備えるシステムとしてもよい。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、図1及び図2に示すように、ミル(粉砕部)10と、給炭機(燃料供給機)20と、送風部(搬送用ガス供給部)30と、状態検出部40と、制御装置50とを備えている。
ボイラ200に供給する石炭やバイオマス燃料等の固体燃料を微粉状の固体燃料である微粉燃料へと粉砕するミル10は、石炭のみを粉砕する形式であっても良いし、バイオマス燃料のみを粉砕する形式であっても良いし、石炭とともにバイオマス燃料を粉砕する形式であってもよい。
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
ミル10は、外殻を為すハウジング(筐体)11と、ハウジング内に供給された固体燃料が載置される粉砕テーブル(回転テーブル)12と、粉砕テーブル12上に載置された固体燃料を押圧して粉砕するローラ(粉砕ローラ)13と、粉砕テーブル12を回転駆動させる駆動部14と、駆動部14に接続され粉砕テーブル12を回転駆動させるミルモータ15と、回転式分級機16と、燃料供給部17と、回転式分級機16を回転駆動させる分級機モータ18と、を備えている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、粉砕テーブル12と、ローラ13と、回転式分級機16と、燃料供給部17とを収容する筐体である。ハウジング11の内周面11aは、略円筒状であり、ハウジング11の上下方向に延びる中心軸線C1(図2参照)は、後述する粉砕テーブル12及び回転式分級機16の中心軸線と略一致している。
ハウジング11の天井部42の中央部には、燃料供給部17が取り付けられている。この燃料供給部17は、バンカ21から導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
ハウジング11の底部41付近には駆動部14が設置され、この駆動部14に接続されたミルモータ15から伝達される駆動力により回転する粉砕テーブル12が回転自在に配置されている。
粉砕テーブル12は、平面視円形の部材であり、燃料供給部17の下端部が対向するように配置されている。粉砕テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。燃料供給部17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の粉砕テーブル12に向けて供給し、粉砕テーブル12は供給された固体燃料をローラ13との間で粉砕する。
また、粉砕テーブル12にはテーブルライナ12aが設けられている。テーブルライナ12aは、粉砕テーブル12の上面にローラ13が接し、押圧される部分に設置され、固体燃料の粉砕に伴う摩耗から粉砕テーブル12を保護している。テーブルライナ12aはキー等により粉砕テーブル12へ固定されており、駆動部14から伝達される駆動力により粉砕テーブル12と共に回転し、ローラ13と協働して固体燃料を粉砕する。
固体燃料が燃料供給部17から粉砕テーブル12の略中央領域へ向けて投入されると、粉砕テーブル12の回転による遠心力によって固体燃料は粉砕テーブル12の外周側へと導かれ、ローラ13との間に挟み込まれて粉砕される。粉砕された固体燃料は、搬送用ガス流路(以降は、一次空気流路と記載する)100aから導かれた搬送用ガス(以降は、一次空気と記載する)によって上方へと吹き上げられ、回転式分級機16へと導かれる。一次空気流路100aは、粉砕テーブル12の下方で、ハウジング11と接続する一次空気ダクト(搬送用ガス供給部)27(図2参照)を介して、一次空気をハウジング11内に供給している。粉砕テーブル12の外周には、一次空気流路100aから流入する一次空気をハウジング11内の粉砕テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口25が設けられている。吹出口25にはベーン(旋回羽根)26が設置されており、吹出口25から吹き出した一次空気に旋回力を与える。ベーン26により旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって、粉砕テーブル12上で粉砕された固体燃料をハウジング11内の上方の回転式分級機16へと導く。なお、一次空気に混合した固体燃料の粉砕物のうち、所定粒径より大きいものは回転式分級機16により分級されて、または、回転式分級機16まで到達することなく、落下して粉砕テーブル12に戻されて、再び粉砕される。
ローラ13は、燃料供給部17から粉砕テーブル12に供給された固体燃料を粉砕する回転体である。ローラ13は、粉砕テーブル12の上面に押圧されて粉砕テーブル12と協働して固体燃料を粉砕する。また、ローラ13には、後述する監視部101が設けられている。なお、ローラ13及び監視部101の詳細は後述する。
図1では、ローラ13が代表して1つのみ示されているが、粉砕テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数のローラ13が対向して配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つのローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つのローラ13が粉砕テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、粉砕テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。
ローラ13は、ジャーナルヘッド45によって、上下に揺動(変位)可能となっており、粉砕テーブル12の上面に対して接近離間自在に支持されている。ローラ13は、外周面が粉砕テーブル12の上面の固体燃料に接触した状態で、粉砕テーブル12が回転すると、粉砕テーブル12から回転力を受けて連れ回りするようになっている。燃料供給部17から固体燃料が供給されると、ローラ13と粉砕テーブル12との間で固体燃料が押圧されて粉砕されて、微粉燃料となる。
ジャーナルヘッド45の支持アーム47は、中間部が水平方向に沿った支持軸48によって、ハウジング11の側面部11bに支持軸48を中心としてローラ13を上下方向に揺動可能に支持されている。また、支持アーム47の鉛直上側にある上端部には、押圧装置49が設けられている。押圧装置49は、ハウジング11に固定され、ローラ13を粉砕テーブル12に押し付けるように、支持アーム47等を介してローラ13に荷重を付与する。
駆動部14は、粉砕テーブル12に駆動力を伝達し、粉砕テーブル12を中心軸回りに回転させる装置である。駆動部14は、ミルモータ15に接続されており、ミルモータ15の駆動力を粉砕テーブル12に伝達する。
回転式分級機16は、ハウジング11の上部に設けられ中空状の略逆円錐形状の外形を有している。回転式分級機16は、その外周位置に上下方向に延在する複数のブレード16aを備えている。各ブレード16aは、回転式分級機16の中心軸線周りに所定の間隔(均等間隔)で設けられている。また、回転式分級機16は、ローラ13により粉砕された固体燃料(粉砕燃料)を、所定粒径(例えば、石炭では70~100μm)より大きいもの(以下、所定粒径を超える粉砕された固体燃料を「粗粉燃料」という。)と所定粒径以下のもの(以下、所定粒径以下の粉砕された固体燃料を「微粉燃料」という。)に分級する装置である。回転により分級する回転式分級機16は、ロータリセパレータとも呼ばれ、制御部51によって制御される分級機モータ18により回転駆動力を与えられ、ハウジング11の上下方向に延在する中心軸線C1と略一致する中心軸線(図示省略)を中心に燃料供給部17の周りを回転する。なお、分級機としては、固定された中空状の逆円錐形状のケーシングと、そのケーシングの外周位置にブレード16aに替わって複数の固定旋回羽根とを備えた固定式分級機を用いてもよい。
回転式分級機16に到達した粉砕された固体燃料は、ブレード16aの回転により生じる遠心力と、一次空気の気流による向心力との相対的なバランスにより、大きな径の粗粉燃料は、ブレード16aによって叩き落とされ、粉砕テーブル12へと戻されて再び粉砕され、微粉燃料はハウジング11の天井部42にある出口ポート(排出部)19に導かれる。
回転式分級機16によって分級された微粉燃料は、一次空気とともに出口ポート19から微粉燃料供給流路100bへ排出され、一次空気とともに後工程へと搬送される。微粉燃料供給流路100bへ流出した微粉燃料は、ボイラ200のバーナ220へ供給される。微粉燃料供給流路100bは、固体燃料が石炭の場合には、微粉炭管とも呼ばれる。
燃料供給部17は、ハウジング11の天井部42を貫通するように上下方向に沿って下端部がハウジング11内部まで延設されて取り付けられ、燃料供給部17の上部から投入される固体燃料を粉砕テーブル12の略中央領域に供給する。燃料供給部17は、給炭機20から固体燃料が供給される。
給炭機20は、搬送部22と、給炭機モータ23とを備える。搬送部22は、例えばベルトコンベアであり、給炭機モータ23から与えられる駆動力によってバンカ21の直下にあるダウンスパウト部24の下端部から排出される固体燃料を、ミル10の燃料供給部17の上部まで搬送し、ミル10の燃料供給部17の内部へ投入する。ミル10へ供給する固体燃料の供給量は、例えば、給炭機モータ23の回転速度を変化させて搬送部22のベルトコンベアの移動速度を変化させることによって調整される。
通常、ミル10の内部には、粉砕した固体燃料である微粉燃料をバーナ220へ搬送するための一次空気が供給されており、給炭機20やバンカ21よりも圧力が高くなっている。バンカ21の直下にある上下方向に延在する管であるダウンスパウト部24には内部に燃料が積層状態で保持されていて、ダウンスパウト部24内に積層された固体燃料層により、ミル10側の一次空気と微粉燃料がバンカ21側へ逆流入しないようなシール性を確保している。
粉砕前のバイオマス燃料のチップやペレットは、石炭燃料(すなわち粉砕前の石炭の粒径は、例えば、粒径が2~50mm程度)に比べて、粒径が一定であり(ペレットのサイズは、例えば、直径6~8mm程度、長さは40mm以下程度)、かつ、軽量である。このため、バイオマス燃料がダウンスパウト部24内に貯留されている場合は、石炭燃料の場合に比べて、各バイオマス燃料間に形成される隙間が大きくなる。
従って、石炭燃料の場合と比べて、ダウンスパウト部24内のバイオマス燃料のチップやペレットの間には比較的大きな隙間が形成されることから、ミル10内部から吹き上げる一次空気と粉砕燃料が、固体燃料層に形成される隙間を通過して、ミル10内部から給炭機20を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流が発生して、ミル10内部の圧力が低下する場合があり、その可能性は石炭燃料の場合と比べて高い。
また、一次空気と粉砕燃料がバンカ21側へ逆流し、ミル10内部の圧力が低下すると、ミル10内部での粉砕燃料の搬送性の悪化、給炭機20内部及びバンカ21上部での粉塵の発生、給炭機20内部、バンカ21及びダウンスパウト部24内の固体燃料への着火、及びバーナ220への微粉燃料の搬送量が低下するなど、固体燃料粉砕装置100及びボイラ200の安定した運転に種々の問題が生じる可能性がある。このため、給炭機20からミル10内部へ向かう燃料供給部17の途中にロータリバルブ(図示省略)を設けて、ミル10内部から給炭機20を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流の発生を抑制するようにしてもよい。
送風部30は、ローラ13により粉砕された固体燃料を乾燥させるとともに回転式分級機16へ搬送するための一次空気を、一次空気ダクト27を介してハウジング11の内部へ送風する装置である。
送風部30は、ハウジング11の内部へ送風される一次空気の流量と温度を適切に調整するために、本実施形態では、一次空気通風機(PAF:Primary Air Fan)31と、熱ガス流路30aと、冷ガス流路30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
本実施形態では、熱ガス流路30aは、一次空気通風機31から送出された空気(外気)の一部を、例えば空気予熱器などの熱交換器(加熱器)34を通過して加熱せられた熱ガスとして供給する。熱ガス流路30aの下流側には熱ガスダンパ(第1送風部)30cが設けられている。熱ガスダンパ30cの開度は制御部51によって制御される。熱ガスダンパ30cの開度によって熱ガス流路30aから供給する熱ガスの流量が決定する。
冷ガス流路30bは、一次空気通風機31から送出された空気の一部を常温の冷ガスとして供給する。冷ガス流路30bの下流側には冷ガスダンパ(第2送風部)30dが設けられている。冷ガスダンパ30dの開度は制御部51によって制御される。冷ガスダンパ30dの開度によって冷ガス流路30bから供給する冷ガスの流量が決定する。
一次空気の流量は、本実施形態では、熱ガス流路30aから供給する熱ガスの流量と冷ガス流路30bから供給する冷ガスの流量の合計の流量となり、一次空気の温度は、熱ガス流路30aから供給する熱ガスと冷ガス流路30bから供給する冷ガスのそれぞれの温度と混合比率で決まり、制御部51によって制御される。
また、熱ガス流路30aから供給する熱ガスに、図示しないガス再循環通風機を介してボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合気とすることで、一次空気流路100aからハウジング11の内部へ送風する一次空気の酸素濃度を調整してもよい。
本実施形態では、ミル10の状態検出部40により、計測または検出したデータを制御装置50に送信する。本実施形態の状態検出部40は、例えば、差圧計測手段であり、一次空気流路100aからハウジング11の内部へ一次空気が流入する部分における圧力と、ハウジング11の内部から微粉燃料供給流路100bへ一次空気と微粉燃料が排出される出口ポート19における圧力との差圧を、ミル10の差圧として計測する。このミル10の差圧の増減は、回転式分級機16の分級効果によってハウジング11内部の回転式分級機16付近と粉砕テーブル12付近の間を循環している粉砕燃料の循環量の増減に対応する。すなわち、このミル10の差圧に応じて回転式分級機16の回転数を調整することで、ミル10に供給する固体燃料の供給量に対して、出口ポート19から排出される微粉燃料の量を調整することができるので、微粉燃料の粒度がバーナ220の燃焼性に影響しない範囲で、ミル10への固体燃料の供給量に対応した量の微粉燃料を、ボイラ200に設けられたバーナ220に安定して供給することができる。
また、本実施形態の状態検出部40は、例えば、温度計測手段であり、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の温度(ミル入口における一次空気温度)や、ハウジング11の内部の粉砕テーブル12上部の空間から出口ポート19までの一次空気の温度を検出して、上限温度を超えないように送風部30を制御する。上限温度は、固体燃料への着火の可能性等を考慮して決定される。なお、一次空気は、ハウジング11の内部において、粉砕燃料を乾燥しながら搬送することによって冷却され、出口ポート19での一次空気の温度は、例えば約60~90度程度となる。
制御装置50は、固体燃料粉砕装置100に対する制御等の各種処理を行う。このため、制御装置50は、制御部51と、演算部52とを備えている。
制御部51は、固体燃料粉砕装置100の各部を制御する装置である。制御装置50は、例えば、ミルモータ15に駆動指示を伝達して粉砕テーブル12の回転速度を制御してもよい。制御装置50は、例えば、分級機モータ18へ駆動指示を伝達して回転式分級機16の回転速度を制御して分級性能を調整し、ミル10の差圧、すなわちミル10内部の粉砕燃料の循環量を所定の範囲に適正化することにより、微粉燃料をバーナ220へ安定して供給することができる。また、制御装置50は、例えば給炭機20の給炭機モータ23へ駆動指示を伝達することにより、搬送部22が固体燃料を搬送して燃料供給部17へ供給する固体燃料の供給量(給炭量)を調整することができる。また、制御装置50は、開度指示を送風部30に伝達することにより、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御して一次空気の流量と温度を調整することができる。具体的には、制御装置50は、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の流量と、出口ポート19における一次空気の温度が、固体燃料の種別毎に、給炭量に対応して設定された所定値となるように、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御する。
演算部52は、後述する測距センサの計測結果に基づいて、ローラ13の摩耗量を演算する。詳細は後述する。なお、演算部52の機能については、本実施形態のように、後述する監視部101とは別の装置(制御装置)に設けることとしてもよいし、監視部101(測距センサ)に設けることとしてもよい。
図4は、本実施形態に係る制御装置50のハードウェア構成の一例を示した図である。
図4に示すように、制御装置50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU1100と、CPU1100が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)1200と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)1300と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)1400と、ネットワーク等に接続するための通信部1500とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス1800を介して接続されている。
また、制御装置50は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。
なお、CPU1100が実行するプログラム等を記憶するための記憶媒体は、ROM1200に限られない。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の他の補助記憶装置であってもよい。
後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式でハードディスクドライブ1400等に記録されており、このプログラムをCPU1100がRAM1300等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROM1200やその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
次に、固体燃料粉砕装置100から供給される微粉燃料を用いて燃焼を行って蒸気を発生させるボイラ200について説明する。
ボイラ200は、火炉210とバーナ220とを備えている。
バーナ220は、微粉燃料供給流路100bから供給される微粉燃料を含む一次空気と、押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)32から送出される空気(外気)を熱交換器34で加熱して供給される二次空気とを用いて微粉燃料を燃焼させて火炎を形成する装置である。微粉燃料の燃焼は火炉210内で行われ、高温の燃焼ガスは、蒸発器,過熱器,節炭器などの熱交換器(図示省略)を通過した後にボイラ200の外部に排出される。
ボイラ200から排出された燃焼ガスは、環境装置(脱硝装置、電気集塵機などで図示省略)で所定の処理を行うとともに、例えば空気予熱器などの熱交換器34で一次空気通風機31から送出される空気と押込通風機32から送出される空気との熱交換が行われ、誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)33を介して煙突(図示省略)へと導かれて外気へと放出される。熱交換器34において燃焼ガスにより加熱された一次空気通風機31から送出される空気は、前述した熱ガス流路30aに供給される。
ボイラ200の各熱交換器への給水は、節炭器(図示省略)において加熱された後に、蒸発器(図示省略)および過熱器(図示省略)によって更に加熱されて高温高圧の蒸気が生成され、発電部である蒸気タービン(図示省略)へと送られて蒸気タービンを回転駆動し、蒸気タービンに接続した発電機(図示省略)を回転駆動して発電が行われ、発電プラント1を構成する。
次に、ローラ13について、図1から図3を用いて詳細に説明する。
ローラ13は、ジャーナルシャフト46、ジャーナルヘッド45及び支持軸48を介して、中心軸線C2を中心として回転可能にハウジング11に支持されている。
ローラ13は、図3に示すように、ジャーナルシャフト46(または単にシャフト)の先端部に回転自在に支持されるジャーナルハウジング63と、ジャーナルハウジング63に外嵌される略円環形状のローラ部64と、を備えている。ジャーナルハウジング63は、ジャーナルシャフト46の先端を覆うように設けられ、外周面が円筒状に形成されている。
ローラ部64は、略円環形状に形成される。また、ローラ部64は、内周面がジャーナルハウジング63の外周面と接触するように、該ジャーナルハウジング63と嵌合している。ローラ13は、ローラ部64の外周面が粉砕テーブル12の上面に載置された固体燃料に接触した状態で粉砕テーブル12が回転すると、粉砕テーブル12から回転力を受けて連れ回り可能となっている。また、粉砕テーブル12の上面とローラ部64の外周面との間に固体燃料が挟み込まれることで、固体燃料が粉砕される。ローラ部64は、押圧装置49によって粉砕テーブル12に押圧されており、供給される固体燃料の量や性状(粉砕のしやすさ)に応じて、押圧する力(例えば油圧荷重)を調整することにより、安定した固体燃料の粉砕が可能となる。
図3の破線L1は、摩耗の初期段階におけるローラ部64の摩耗の進行態様を示している。すなわち、図3では、初期段階では、ローラ部64の外周面は、ローラ部64の基端側(すなわち、先端側とは反対側)の一部分P1が、他の部分よりも大きく摩耗する状況にある場合を一例として示している。ここで、基端側とは粉砕テーブル12の半径方向において外周側を示し、先端側とは粉砕テーブル12の中心軸線C1側を示す。また、図3の二点鎖線L2は、摩耗の末期段階におけるローラ部64の摩耗の進行態様を示している。末期段階では、ローラ部64の外周面は、P1を中心として摩耗が広がり、粉砕テーブル12と対向する領域が全体的に略均一に摩耗している一例である。また、同様に、図3の破線L3は、摩耗の初期段階におけるテーブルライナ12aの摩耗の進行態様を示し、二点鎖線L4は、摩耗の末期段階におけるテーブルライナ12aの摩耗の進行態様を示している。なお、P1は、一例としてローラ部64の基端側に他の部分よりも大きく摩耗している場合を説明したが、ローラ部64の基端側に限定されるものではない。P1は、ミル10の仕様や運用条件などによって、ローラ部64の外周面上で変化する。
次に、ローラ13(ローラ部64)の摩耗状態の監視について説明する。
図5は、ローラ13周りの監視機構を含めた具体的構成例を示す図である。さらに、図5における監視部101周りの具体的構成例(一部)の平面図を図6に示し、図5における監視部101周りの具体的構成例(一部)の詳細図を図7に示す。上述のように、固体燃料粉砕装置100には、粉砕テーブル12と、ジャーナルヘッド45と、監視部101と、制御装置50とが設けられている。ローラ13は、粉砕テーブル12上に載置された固体燃料を押圧して粉砕する。ローラ13は、ジャーナルヘッド45により支持されており、ローラ13とジャーナルヘッド45とは一体的に揺動・変位する。一体的に揺動とは、ローラ13とジャーナルヘッド45とは、中心軸線C2を中心として一体的に動くことである。
監視部101は、ジャーナルヘッド45に固定して設けられており、ローラ13のローラ部64の外表面の摩耗状態を監視する。具体的には、図5に示すように、監視部101は、サポート103を介してジャーナルヘッド45と接続されている。固定治具としてのサポート103によって、監視部101とジャーナルヘッド45を固定することで、運転時にローラ13が揺動・変位しても、後述する測距センサとローラ13軸心との距離を一定に保つことができる。すなわち、ローラ13の揺動・変位の影響を抑制して、ローラ13の摩耗量を計測可能とできる。監視部101の設置構造は剛性を高くし、多少の振動によっても、測距センサとローラ13軸心との距離が変化しないように設置する事が好ましい。
監視部101において監視(計測)された情報は、ケーブル104を介して制御装置50へ出力される。ケーブル104は、ハウジング11の外へ取り出される。監視部101の各測距センサ(後述)へ供給される電源のケーブルについても同様に敷設される。監視部101はローラ13と共に揺動するため、固定されたハウジング11に対して変位する。このため、ケーブル104には、この変位を吸収するための可撓部を設けることとしてもよい。また、ケーブル104を保護する保護管105を設け、監視部101から保護管105の内部を通って引出しがされることとしてもよい。保護管105に可撓部を設けること(例えばベローズ管)としてもよい。信号伝達や電源供給は、有線方式に限定されず、無線方式としてもよい。
監視部101は、ローラ部64の外表面に対する距離を計測する複数の測距センサを用いて構成されている。具体的には、監視部101を構成する筐体に測距センサが取り付けられている。測距センサ(以下、「センサS」という)とは、対象物との間の距離を計測するセンサSである。図5、図6、及び図7に例示する構成では、センサSを10個(5個のセンサ群が2列)設ける場合を例として記載しているが、センサSの設置数については限定されない。
センサSは、渦電流式または超音波式である。渦電流式または超音波式であることで、粉砕燃料が浮遊する高濃度の粉塵雰囲気の環境であっても、粉塵の影響を抑制して精度の高い測距が可能であり、摩耗状態を監視することができるが、センサSの方式については上記に限定されない。例えば測距センサとしては、電波式や光学式のほか、高圧エアを吹付けた際の背圧変化からギャップを測定するエアギャップ式等の方式を用いることも可能である。
図8は、超音波式のセンサSの計測原理を説明するための図である。超音波式では、内部の圧電素子またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems;微小な電子回路と機械要素を一つの基板に集積したデバイス)から発生させた音波(送信波)を対象物へ送信する。そして、対象物から反射(反射波)して再びセンサSに戻ってくるまでの時間(ToF)を測定する。そして、音速とToFから距離Lを算出する。音波を用いるため、経路中の粉塵やセンサSの汚れの影響を受けにくいことや、非金属構造物の検知も可能であるといった特徴がある。
図9は、渦電流式のセンサSの計測原理を説明するための図である。渦電流式のセンサSは、内部のコイルに特定の高周波を印加することで発振させ、センサSの周囲に高周波磁界を生じさせる。コイルの正面に金属が存在する場合,高周波磁界によって金属表面に渦電流が励起される。なお、金属に限定されず電導体としてもよい。センサS内部のコイルを流れる電流振幅(発振振幅)は、金属に励起された渦電流の大きさによって変化する(渦電流損失)。渦電流の大きさは、センサSと金属間の距離に依存し、近いほど大きく(センサS側の発振振幅は小さく)、遠いほど小さく(センサS側の発振振幅は大きく)なるため、この信号を整流して出力することで、センサSと金属間の距離を算出することができる。渦電流式は、高い耐熱性や優れた分解能を有することが特徴である。
このように、ローラ13の外部に固定したセンサSで、センサSとローラ13(ローラ部64)の外表面との距離を測定する。それぞれのセンサSは、ローラ部64の外表面において予め設定された領域をそれぞれ計測対象とする。そして、演算部52では、計測した距離を摩耗量へ変換する。測定は、連続的に測定されることがより好ましい。例えば、ミル10の設置時や監視部101の設置時等において、ローラ部64の摩耗が生じていない状態でのセンサSとローラ部64の外表面との距離を計測し、基準距離とする。そして、ローラ13の使用により摩耗が進行した状態でセンサSとローラ部64の外表面との距離を測定し、測定距離とする。そして、基準距離と測定距離との差に基づいて、ローラ13(ローラ部64)の摩耗量を演算する。
さらに、ローラ13は運転中に回転しているため、センサSが固定されていても、ローラ13(ローラ部64)の周方向における摩耗状態を監視することが可能である。すなわち、測距データをローラ13の回転に同期することによって、固定されたセンサSに対して、ローラ部64の周方向のどの位置の外表面が計測対象となっているか(すなわち、ローラ部64の周方向のどの部分がセンサSに最も近づいているか)を特定することができるため、ローラ部64の周方向における外表面の摩耗状態を監視することができる。例えば、ローラ13の回転数(単位時間当たりの回転回数)に基づくことで、ローラ13の回転に同期することができる。なお、本実施形態では、監視部101を固定する場合について説明しているが、監視部101をローラ部64の周方向へ移動可能な構成としてもよい。
監視部101には、図5に示すように、落下する固体燃料に対するプロテクタ102が設けられている。ミル10の内部においては、燃料供給部17から供給される固体燃料や、分級機で分級されて粉砕テーブル12に戻る粗粉燃料等が、鉛直方向下方向へ落下する。このため、監視部101の上方には、プロテクタ102を設けることが好ましい。すなわち、上方から見た時に、監視部101はプロテクタ102に覆われている。これにより、落下する固体燃料等から監視部101を保護することが可能となる。プロテクタ102は、固体燃料等の衝突に対応するために、多点支持とすることが好ましい。例えば、プロテクタ102は、図5に示すように、監視部101の上部からの支持部材に加え、監視部101側面からの支持部材及びサポート103からの支持部材により支持されることが好ましい。
なお、プロテクタ102が不要とできる場合等には、監視部101は、鉛直方向上面が、水平方向に対して傾斜している構造としてもよい。例えば、図10に示すように、監視部101の上面が傾斜していること(傾斜面106)で、監視部101へ固体燃料等が堆積することを防ぐことができる。サポート103やプロテクタ102の上面を傾斜させることとしても良い。
次に、センサSの配置について説明する。
センサSは、例えば図5に示すように、ローラ13の軸方向に複数設けられる。これによって、ローラ部64の軸方向に対する外表面の複数領域を計測することができる。
さらに、監視部101では、センサSのセット(以下、「センサ群」という。)がローラ部64の周方向においても設けられている。具体的には、ローラ13の回転軸方向(軸方向)に配置された複数のセンサSを1組のセンサ群とする。そして、このセンサ群がローラ部64の周方向において複数配置される。本実施形態では、図6に示すように、5つのセンサSがセンサ群に含まれることとし、このセンサ群が2列設けられる場合を例として説明する。なお、センサ群に含まれるセンサ数の数は限定されず、また、列数についても限定されない。列数については1列としてもよい。
そして、ローラ部64の周方向に対して隣接するセンサSは、ローラ13の回転軸方向における位置が等しい。すなわち、複数列のセンサ群が設けられることで、碁盤目状にセンサSが配置される。ローラ13は周方向に回転しているため、センサ群が複数列配置されることで、冗長性を向上できる。例えば一部のセンサSが故障した場合でも、他の列のセンサ群のセンサSによって、軸方向における等しい位置の摩耗状態を監視することができる。冗長化することで、複数のセンサSの計測を多重化して、あるセンサSに外乱等の異常信号が入った際も他のセンサSで補完することも可能である。多重化した際に、等しい軸方向位置の計測結果の差が閾値以上となった場合には、異常の発生を判定することとしても良い。
図6では、碁盤目状にセンサSを配置する場合を例示したが、図11のように、千鳥状にセンサSを配置することとしてもよい。具体的には、センサ群がローラ部64の周方向において複数配置されており、周方向に対して隣接するセンサSは、回転軸方向における位置が異なる。図11では3列の場合を例示している。このように、軸方向において隣接するセンサ群のセンサSの位置が異なることで、軸方向の計測点が増え、より詳細に外表面の監視を行うことができる。
なお、碁盤目状と千鳥状のセンサ配置を組み合わせることとしてもよい。
次に、ローラ13の清掃について説明する。
ローラ13は、固体燃料を粉砕しているため、ローラ13(ローラ部64)に付着物がついている可能性がある。このため、図12に示すように、監視部101に対して、ローラ13の回転方向の上流側に、ローラ部64の付着物を清掃する清掃部107が設けられている。清掃部107が監視部101に対して、ローラ13の回転方向の上流側に設けられることで、粉砕の後であってセンサSによる計測が行われる前に、ローラ部64の表面の付着物を掃除することができる。これにより、付着物の影響を抑制してセンサSによってより正確に計測を行うことが可能となる。
清掃部107については、例えばブラシを用いて構成される。この場合には、ブラシによって機械的に清掃が行われる。ブラシは、監視部101等に固定してローラ13の回転によって清掃を行うこととしても良いし、ブラシを積極的に運動させて、清掃を行うこととしてもよい。ブラシ等は摩耗するので、自動又は手動で摩耗分が繰り出されるように設計してもよい。清掃の方法については、ブラシに限定されず、ヘラ状のスクレーパとしてもよく、シールエアやパージエア等のガスを吹き付けて清掃を行うこととしてもよい。
次に、監視部101の設置位置について説明する。
ローラ13は、固体燃料の粉砕を行なっているため、粉砕テーブル12上の固体燃料の挙動を考慮して、監視部101を設置することが好ましい。監視部101は、ローラ13の回転方向に対して、ローラ部64と粉砕テーブル12とが最も近くなる点を0°として、90°以上315°以下の範囲内に配置される。図13は、監視部101の設置範囲について説明するための図である。図13に示すように、ローラ部64と粉砕テーブル12とが最も近くなる点において、固体燃料を粉砕するため、この点を粉砕点とする。そして、ローラ13の回転方向に対して、粉砕点を0°とする。
そうすると、粉砕点を含む-45°(すなわち315°)から90°の範囲は、粉砕点に近いため、固体燃料等が粉砕テーブル12上から跳ね飛んでいる場合がある。そこで、監視部101(すなわち、監視部101を構成する構造物)は、90°以上315°以下の範囲内に設置されることが好ましい。これにより、ローラ13による固体燃料の粉砕時に跳ね飛んだ固体燃料により監視部101が損傷することを抑制することができる。
次に、摩耗監視処理の一例について図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る摩耗監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。図14に示すフローは、例えば、固体燃料粉砕装置100が稼働している場合において所定の制御周期で繰り返し実行される。図14のフローは、作業員等によって手動で開始指示があった場合に開始することとしても良い。
まず、監視部101に設けた各センサSによって、センサSからローラ13(ローラ部64)の外表面までの距離を計測する(S101)。ローラ13の回転軸方向に設けた複数のセンサSによって、ローラ部64の外表面において軸方向に異なる位置に対する計測が行われる。
次に、各センサSの計測結果に基づいて、ローラ13(ローラ部64)の摩耗量を導出する(S102)。これによって、ローラ部64の外表面における軸方向に対して異なる複数の位置の摩耗量が取得される。
このようにして摩耗量が導出されるが、上記フロー(少なくともS101)を、時刻を変えて実行することで、ローラ部64の周方向の外表面に対しても摩耗量の監視を行うことができる。
計測された摩耗量は、例えば摩耗量の時間推移等の分析が行われ、ローラ13(ローラ部64)の摩耗の進行状況や、交換時期の推定等に用いられる。
以上説明したように、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法によれば、ローラ13を支持して該ローラ13と一体的に揺動するジャーナルヘッド45に、ローラ13(ローラ部64)の摩耗状態を監視する監視部101が固定して設けられている。これにより、ローラ13(ローラ部64)の外表面と監視部101との間の距離が変わってしまうことを抑制することが可能となる。このため、ローラ13(ローラ部64)と監視部101との距離を適切に保ち、距離の測定原点が変動することを抑制して摩耗状態の監視精度を向上させることが可能となる。監視部101が故障したとしても、ローラ13を外すことなく交換が可能である。また、小型ミル10に用いられる小型のローラ13に対しても適用することができる。
また、ローラ13の回転数に基づくことによって、ローラ13の回転状態を把握してローラ13(ローラ部64)の周方向における外表面の摩耗状態を監視することが可能となる。また、計測したデータにはセンサや配線への電磁ノイズ、ローラ13表面の付着物等によるノイズが含まれることが有る。ローラ13の回転数に基づいて同一箇所を複数回計測し、平均値を取る等の処理を行うことで、ノイズの影響を小さくすることもできる。
また、監視部101に、落下する固体燃料に対するプロテクタ102が設けられることで、監視部101の損傷を抑制することが可能となる。監視部101の鉛直方向上面が、水平方向に対して傾斜していることによって、監視部101に固体燃料等が堆積することを抑制することができる。
ローラ13の回転軸方向に複数配置されたセンサSを1組のセンサ群として、このセンサ群がローラ13(ローラ部64)の周方向に複数配置されている。そして、周方向に対して隣接するセンサSは、回転軸方向における位置が等しい。このため、各センサSは碁盤目状に配置されることとなる。ローラ13は周方向に回転しているため、センサ群が複数列配置されることで、冗長性を向上できる。
ローラ13の回転軸方向に複数配置されたセンサSを1組のセンサ群として、このセンサ群がローラ13(ローラ部64)の周方向に複数配置されている。そして、周方向に対して隣接するセンサSは、回転軸方向における位置が異なる。このため、各センサSは例えば千鳥状に配置されることとなる。回転軸方向における位置が異なることで、計測点が増え、より詳細に外表面の監視を行うことができる。
ローラ13の回転方向の上流側に、ローラ13(ローラ部64)の付着物を清掃する清掃部107が設けられることによって、監視精度をより向上させることが可能となる。
監視部101が、ローラ13の回転方向に対して、ローラ13(ローラ部64)と粉砕テーブル12とが最も近くなる点を0°として、90°以上315°以下の範囲内に配置されるため、ローラ13による固体燃料の粉砕時に跳ね飛んだ固体燃料により監視部101が損傷されることを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について説明する。
本実施形態では、シールエアを投入する場合について説明する。以下、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
ミル10の内部は、粉砕燃料による粉塵雰囲気である。このため、センサSとローラ13(ローラ部64)との間にも粉塵が舞っている可能性がある。このため、監視部101は、監視部101とローラ部64の外表面との間にガス(シールエア)を投入する投入部108を備える。図15は、シールエアの投入例を示す図である。なお、投入するガスについて、本実施形態ではシールエア(空気)とするが、粉塵濃度がミル10の内部の粉塵濃度よりも低い気体を用いることができる。シールエアをセンサSとローラ13(ローラ部64)との間(すなわち、センサSの計測範囲)に投入することで、舞っている粉塵の濃度を薄めることができ、計測精度を向上することができる。シールエアは通常雰囲気よりも低温であることから、センサSの冷却にも寄与し、センサ寿命の向上が期待できる。
シールエアを投入する場合には、図15に示すように囲い部材109を設けることとしても良い。囲い部材109は、シールエアの投入範囲及びセンサSの計測範囲を含むローラ部64とセンサSの間の空間を囲うように構成される。そして、囲い部材109はローラ部64とは所定のギャップが空いており、このギャップから投入されたシールエアが外部へ逃げる。このため、囲い部材109で囲われた範囲はシールエアによって粉塵濃度が低く保たれる。また、囲い部材109を設けることで、チャンバー効果によりシールエアの消費量を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法によれば、監視部101とローラ13(ローラ部64)の外表面との間にガスを投入する。これにより、固体燃料粉砕装置100の内部が粉塵雰囲気であっても監視部101とローラ部64の外表面との間にガスが供給され、計測精度を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について説明する。
本実施形態では、監視部101における位置調整機構110が設けられている場合について説明する。以下、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について主に説明する。
センサSの計測できる射程距離(計測可能範囲)は、センサSの計測方式や仕様により決まっている。しかしながら、ローラ13(ローラ部64)の摩耗に伴い、ローラ部64の表面は次第にセンサSから遠ざかることとなるため、摩耗の進行度合いによっては、センサSの計測可能範囲を超えてしまい、計測が不能となる可能性がある。そこで、本実施形態では、監視部101に係る位置調整機構110を設ける。
具体的には、監視部101は、ローラ部64の半径方向に対して位置調整を可能とする位置調整機構110が設けられている。図16は、監視部101における位置調整機構110の一例を示す図である。すなわち、サポート103と監視部101との接続部分において、監視部101の位置調整機構110が設けられている。例えば、サポート103に対して監視部101が、ローラ部64の半径方向に位置調整可能なように、ボルト穴等が設けられている。摩耗が進行した場合には、位置調整機構110によって監視部101をローラ部64へ近づけることによって、監視を継続することができる。ボルト穴とする場合には、長孔として、自由に位置調整が可能な構成としても良い。
位置調整機構110の構成については、上記に限定されない。すなわち、ローラ部64の半径方向に位置調整が可能な構成であれば、ボルト等に限定されない。また、手動で位置調整することとしても良いし、1つまたは複数のセンサSで検知される摩耗量が、測定範囲や所定の値を超えたことを検知して、自動で位置調整することとしてもよい。このとき、位置調整量は該当の監視部101に設けられたセンサSの内、最も摩耗量が小さいセンサSの摩耗量以下となるように調整され、ローラ13と監視部101の接触を防止する。従って、駆動装置はアナログ的に任意の位置での位置決め及び保持が可能な、油圧シリンダ、電動モータ等により駆動されることが好ましい。
位置調整機構110による位置調整可能量(移動量)は、センサSの計測可能範囲及びローラ13(ローラ部64)の最大摩耗量に基づいて設定される。具体的には、センサSの初期位置から、ローラ部64が最大摩耗した場合の外表面までの距離からセンサSの最大計測可能範囲を引いた距離以上の距離を、該初期位置からの位置調整可能量とすることが好ましい。初期位置とは、例えば位置調整機構110において監視部101が最もローラ部64から離れる位置である。
図16のように位置調整機構110を設けることによって、監視部101全体としての位置調整を行うことが可能となる。
一方で、各センサSにおいて個別に位置調整機構111が設けられることとしても良い。具体的には、監視部101は、ローラ部64の半径方向に対して各センサSの位置調整を可能とする位置調整機構111が設けられている。図17は、各センサSにおける位置調整機構111の一例を示す図である。すなわち、例えば、各センサSが、ローラ部64の半径方向に位置調整可能なように、ナット112等が設けられている。すなわち、センサSは、円筒形状として、円筒面に沿って螺旋状の溝が形成されており、監視部101の筐体の側壁を挟んで2つのナット112で固定されている。ナット112を緩めることで各センサSを上下方向に位置調整することができる。摩耗が進行した場合には、位置調整機構111によって各センサSをローラ部64へ近づけることによって、監視を継続することができる。
各センサSの位置調整機構111の構成については、上記に限定されない。すなわち、ローラ部64の半径方向に位置調整が可能な構成であれば、ナット112等を用いた方法に限定されない。また、手動で位置調整することとしても良いし、該当のセンサSで検知される摩耗量が、測定範囲や所定の値を超えたことを検知して、自動で位置調整することとしてもよい。このとき、センサSの位置調整は他のセンサSへ影響しない為、任意の位置での位置決めは不要である。一方、複数のセンサSにそれぞれ位置調整機構111を設ける必要がある為、小型に製作できる空圧マイクロシリンダ、ソレノイド、圧電モータ等により駆動されることが好ましい。
位置調整機構111による位置調整可能量(移動量)は、監視部101の位置調整機構110と同様に設定される。なお、位置調整実施の際の優先順位は、まず位置調整機構110にて監視部101全体としての位置調整を行い、その後、位置調整機構111にて各センサSの位置調整を行う。
これらの位置調整機構110、111は、振動や熱伸びによって容易に位置が変わらないように、固定できるストッパを備えることがより好ましい。また、位置調整を手動で行う場合は固体燃料粉砕装置100の停止タイミングで実施する為、停止のインターバルで予想されるローラ部64の摩耗量よりも長い計測範囲を持つセンサSと組み合わせられることが好ましい。
位置調整を行なった場合には、位置調整後のセンサSからローラ部64の外表面までの距離と、初期位置からの位置調整量を加算することで、初期位置におけるセンサSからローラ部64の外表面までの距離を導出することができる。これにより、位置調整を行なった場合でもローラ13(ローラ部64)の摩耗量を算出することができる。このため、初期位置からの位置調整量を確認可能なように、位置調整機構110、111には目盛等を設けることとしても良い。
なお、位置調整を行なった場合には、位置調整後のセンサSからは位置調整後に発生した摩耗量を計測するように校正を行うこととしてもよい。この場合には、位置調整直前までの摩耗量(累積摩耗量)に対して、追加摩耗量(計測結果)を加算することにより合計の摩耗量が算出可能である。
ローラ13を新品に交換した場合は、センサ位置は再度計測可能な箇所(例えば初期位置)に調整される。
以上説明したように、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法によれば、ローラ13(ローラ部64)の半径方向に対して位置調整を可能とする位置調整機構110が設けられることによって、ローラ部64に対する監視部101の位置を調整することが可能となる。これにより、ローラ部64の摩耗が進行したとしてもより確実に監視部101によって摩耗状態の監視を行うことが可能となる。
ローラ13(ローラ部64)の半径方向に対して各センサSの位置調整を可能とする位置調整機構111が設けられることによって、ローラ部64に対する各センサSの位置を調整することが可能となる。これにより、ローラ部64の摩耗が進行したとしてもより確実に監視部101によって摩耗状態の監視を行うことが可能となる。特に、ローラ部64の表面において局所的に摩耗が進んだとしても、それぞれのセンサSの位置調整が可能であるため、より柔軟に位置調整が可能となる。
〔第4実施形態〕
次に、本開示の第4実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について説明する。
本実施形態では、センサSによる計測結果を補正する場合について説明する。以下、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態と異なる点について主に説明する。
監視部101は、ローラ13と一体的に揺動するジャーナルヘッド45に固定されているため、ローラ13(ローラ部64)と監視部101との距離は理想的には一定に保たれる。しかしながら、実際には部材は剛体ではなく弾性体である為、例えば固体燃料の粉砕時に燃料に混入していた異物を噛み込み、過大な変位加速度が発生した時など、ごく一時的に、ローラ部64に対して監視部101の位置が変動する可能性がある。このような場合には、センサSで計測する距離に影響するため、本実施形態では補正を行う。
具体的には、監視部101は、補助測距センサ(補助センサSa)と、補正部56とを備えている。補助センサSaは、ローラ部64と共に回転する固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位に対する距離を計測する。ローラ部64と共に回転する固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位とは、例えば、ローラ部64のホイール部分113である。本実施形態では、該部位をホイール部分113として説明するが、ローラ部64と共に回転する固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位であればホイール部分113に限定されない。但し、本部位は計測対象であるローラ部64と一体、又は高剛性に結合され、過大な加速度が発生した場合であってもローラ部64との弾性変形による変位の少ない箇所である必要がある。図18は、補助センサSaの設置例を示す図である。補助センサSaは監視部101に設けられており、摩耗が発生しないホイール部分113との間の距離を計測する。
補正部56は、補助センサSaの計測結果に基づいて、各センサSの計測結果を補正する。具体的には、ミル10の新規設置時や補助センサSaの設置時において、補助センサSaとホイール部分113との間の距離(補助基準距離)を計測しておく。そして、運転時において補助センサSaの計測結果を参照して、計測結果が補助基準距離と等しい場合(補助基準距離±所定距離の範囲内に計測結果がある場合)には、センサSの計測結果に対して補正を行わない。一方で、運転時において補助センサSaの計測結果を参照して、計測結果が補助基準距離と等しくない場合(補助基準距離±所定距離の範囲内に計測結果がない場合)には、センサSの計測結果に対して補正を行う。具体的には、補助センサSaの計測結果から補助基準距離を引いた値を、各センサSの計測結果に加算する。これによって、短期的な監視部101とローラ部64の距離変動を考慮して、摩耗量を導出することが可能となる。なお、補助基準距離を考慮した補正方法であれば、上記に限定されない。
以上説明したように、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法によれば、この短期的な位置変動を把握することができる。このため、補助センサSaの計測結果に基づいて、各センサSの計測結果を補正することで、短期的なジャーナルヘッド45に対するローラ13の位置変動を加味して、センサSによる計測を行うことが可能となる。
〔第5実施形態〕
次に、本開示の第5実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について説明する。
以下、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、及び第4実施形態と異なる点について主に説明する。
制御装置50は、ローラ13(ローラ部64)における余寿命の推定を行う。すなわち、制御装置50は、粉砕テーブル12との間で固体燃料を粉砕するローラ部64の余寿命推定システムとしての機能を有している。なお、余寿命推定システムとしての機能は、制御装置50とは別の装置に設けることとしてもよい。
図19は、制御装置50が備える余寿命推定に関する機能を示した機能ブロック図である。図19に示されるように、制御装置50は、推定部53と、予測部54と、計画部55と、を備えている。
推定部53は、摩耗情報(監視部101により監視したローラ部64の摩耗量に関する情報)に基づいて、ローラ13(ローラ部64)の余寿命を推定する。なお、余寿命の推定は、制御装置50が行ってもよく、運転員や監視者が別途に、摩耗進展状況のグラフなどを作成して、寿命迄の時間を推定してもよい。また、制御装置50は、推定した余寿命をディスプレイ等の表示部に表示してもよい。
予測部54は、固体燃料粉砕装置100の運転状態と、運転状態に対応した余寿命推移特性とが予め蓄積されたデータベース、及び現在の運用で蓄積されたデータベースに基づいて、推定部53において推定した余寿命の推移より将来の余寿命の推移を予測する。余寿命推定特性とは、運転状態によって推移する余寿命の特性を示した情報であり、具体的には図20のa、b、cに示すような曲線特性(直線でもよい)である。すなわち、データベースには、固体燃料粉砕装置100の過去及び現在までの運転情報が格納されている。データベースには、寿命推定対象の固体燃料粉砕装置100の過去運転データを格納することとしてもよいし、構成が類似する他の固体燃料粉砕装置100の過去運転データを格納することとしてもよい。また、実運転データだけでなく、仮想的にシミュレーションしたデータをデータベースに格納することとしてもよい。データベースは制御装置50に設けられてもよい(記憶部)し、別装置に設けられることとしてもよい。運転状態は、固体燃料の種類(炭種情報や燃料種類情報など)、固体燃料の供給量(給炭量)、ローラ13への油圧荷重(ローラ13の粉砕テーブル12に対する押圧力)、固体燃料粉砕装置100の累積運転時間、固体燃料粉砕装置100の運転負荷の少なくともいずれか1つを含む。なお、運転状態としては、ローラ13の寿命に影響を与えるパラメータであれば上記に限定されず含むことができる。
具体的には、予測部54は、データベースを参照して、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100の運転状態に類似した運転状態のデータを選定し、類似した運転状態のデータに対応する余寿命推移特性を選定及び取得する。類似した運転状態のデータとは、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100の運転状態に対して、余寿命影響度が類似すると推定される運転状態のデータである。例えば、運転状態として固体燃料の種類を用いて選定する場合には、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100の固体燃料に対して、余寿命影響度の観点から運転時間に対する摩耗情報(各計測位置に対する摩耗量など)の変化への影響が似ていると想定される固体燃料を含む運転状態が、類似する運転状態となる。なお、運転状態の各パラメータにおいて、類似判断の優先順位を設定し、優先順位の高いパラメータ(例えば、固体燃料の種類)について類似判断を行うこととしてもよい。
図20は、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)に対して、類似した運転状態の余寿命推移特性を選定した例である。図20では、余寿命推移特性として、特性a、特性b、及び特性cが選定された例を示している。そして、図20では、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100に対して実施したローラ肉厚の計測情報からの余寿命の推定結果をE1(1回目の推定結果)、E2(2回目の推定結果)、En(n回目の推定結果)を示している。
予測部54は、選定した余寿命推移特性(a、b、c)の中から、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)に対して実施した余寿命の推定結果の推移特性Eに類似するローラ肉厚の推移特性をもつ余寿命推移特性(a、b、c)を特定する。図20の例では、ローラ肉厚の計測情報からのE1からEnまでの推移特性が、特性cに類似しているため、特性cが特定される。例えば、類否の判断は、例えば、累積時間に対するローラ肉厚(または摩耗量)の推移特性が所定の範囲内で一致しているか否かで判断してもよい。所定の範囲内で一致しているか否かは、例えば、明らかに突飛と判断される計測情報(ローラ肉厚または摩耗量)を除いて±10%以内での一致あってもよく、さらに好ましくは±5%以内での一致であってもよい。
特性cが特定されると、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100は、将来的に特性cのように余寿命特性が推移し、寿命到達時期Tbに達すると推定される。このように現在計測中のデータを除いた過去のデータベースに基づくことで、将来の余寿命推移を固体燃料粉砕装置100の運転状態も加味して予測することができるため、より精度よく余寿命を推定することが可能となる。余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)に対して実施した余寿命の推定結果の推移特性Eについては、ミル10の新規設置時から現在までの推移特性としてもよいし、現在から過去所定期間における推移特性としてもよいし、運転状態が大きく変化した(例えば固体燃料の種類が変化した)時点から現在までの推移特性としてもよい。
なお、図20の例のように、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100に対して実施したローラ13(ローラ部64)の余寿命の推定結果の推移特性と、選定した余寿命推移特性とで完全に対応する場合でなくても、選定した余寿命推移特性の中から類似する推移特性が選定されればよい。また、選定した余寿命推移特性の中に余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)に対して実施した余寿命の推定結果の推移特性と類似する推移特性が過去のデータベースにない場合には、選定した余寿命推移特性に基づいて予測をすることとしてもよい。例えば、図20において、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)に対してした余寿命の推定結果の推移特性が特性aと特性bの間に特性a側との差と特性b側との差の比で位置している場合には、特性aと特性bとに基づいて、余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)の将来の余寿命推移を予測することとしてもよい。この場合には、例えば、特性aと特性bの中間線を特性a側との差と特性b側との差の案分比で生成して余寿命推移予測を行う。
なお、予測部54による処理(データベースにおける類似した運転状態の選定や、選定した余寿命推移特性における余寿命推定対象となっている固体燃料粉砕装置100のローラ13(ローラ部64)に対して実施した余寿命の推定結果の推移特性に類似する推移特性をもつ余寿命推移特性の選定や、選定した余寿命推移特性に基づく将来の余寿命推移の予測)については、予め設定したアルゴリズムで処理してもよいし、AIを用いて適切に処理することとしてもよい。
また、図21に示すように、例えば、ローラ13の摩耗への影響度合いが異なる固体燃料の種類(炭種)である固体燃料A、B、Cを切り替えて運転をする場合にも、各炭種の切替毎にローラ肉厚の計測情報から摩耗量を推定して、累積運転時間に対する余寿命を評価することができる。このため、従来の内部点検時の計測結果により推定した余寿命よりローラ13の交換サイクルを延伸することができる。
すなわち、従来は、内部点検時の摩耗計測結果(摩耗量)に基づいて、これまでと略同程度に摩耗が進行すると余寿命(摩耗限界)を予想していた(グラフの破線参照)。これに対して、本実施形態では、累積運転時間で逐次ローラ肉厚の摩耗量を計測して各炭種の切替毎に摩耗量を推定することができるので、正確に余寿命を予測することができる(図21グラフの一点鎖線参照)。したがって、図21で示すように従来と比較して、ローラ13(ローラ部64)の肉厚をグラフの縦軸でX分使い切ることが可能となった。また、ローラ13の交換サイクルまでの運転時間をグラフの横軸でY分延伸することができる。
計画部55は、推定された余寿命推移特性に基づいて、メンテナンス計画を作成する。具体的には、推定部53において推定した余寿命や、予測部54において推定した余寿命により将来のどの時点に寿命に到達するかがわかるため、計画部55ではメンテナンス計画を作成する。なお、上述のようにより正確に余寿命推移特性を推定することができるため、寿命に対して余裕をもって計画を立てることが可能となる。
計画部55では、例えば、推定される寿命到達時期に対して、所定期間前にメンテナンス計画を作成する。所定期間とは、例えばメンテナンスを行うローラ13の手配から交換に要する時間までを所定期間とする等のメンテナンスを安全安定に行うために必要な期間に基づいて所定期間を設定される。メンテナンス計画では、例えば、メンテナンス時期、メンテナンス時期を調整するための運転方案、及び複数台の固体燃料粉砕装置100における負荷分担調整の少なくとも1つを含んで計画される。
メンテナンス時期とは、推定された余寿命推移特性に基づいて設定されるローラ13の交換をすべき時期(推奨時期)である。メンテナンス時期は、例えば推定される寿命到達時期に対して所定の余裕度を加味して設定される。
メンテナンス時期を調整するための運転方案とは、固体燃料粉砕装置100に対する運転方案であり、メンテナンス時期までの時間を調整するためのものである。例えば、メンテナンス時期がすでに設定されており、推定される寿命到達時期よりも後である場合には、寿命を延長するための運転方案が計画される。具体的には、固体燃料の種類の変更や、微粉度の緩和等である。運転状態を適切にすることで、より安全に寿命を延ばし、適切な時期にメンテナンスを行うことが可能となる。なお、予め設定されたメンテナンス時期が推定される寿命到達時期よりも前である場合には、固体燃料粉砕装置100の負荷(粉砕処理をする固体燃料量)を上げる運転方案を計画することとしてもよい。
複数台の固体燃料粉砕装置100における負荷分担調整とは、発電プラント1に複数台設けられた固体燃料粉砕装置100間で負荷分担を適切に調整することである。例えば、複数台における固体燃料粉砕装置100のメンテナンス時期を合わせる、または段階的に時期を設定する(メンテナンス間隔を複数の固体燃料粉砕装置100で等間隔とする)等のために各固体燃料粉砕装置100の負荷分担の調整を計画する。例えば複数台の固体燃料粉砕装置100のうち1台の固体燃料粉砕装置100に対して予想された寿命到達時期が他の固体燃料粉砕装置100と比較して早い場合には、該固体燃料粉砕装置100の負荷を緩め、他の固体燃料粉砕装置100に負担させることによって、複数台の固体燃料粉砕装置100の寿命到達時期を合わせるように調整することができる。
図22は、メンテナンス計画に係るシステムの例である。図22のように、ユーザ側において、固体燃料粉砕装置100の余寿命推定情報が情報集約システム1010に集約されており、装置メーカ側のサーバ1020において、集約システムに集約された情報を取得し、計画システム1030で計画を行い、ユーザへ提案を行う。なお、図22では計画部55が計画システム1030として装置メーカ側に設けられる場合を例示しているが、ユーザにおける固体燃料粉砕装置100側に設けられることとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法によれば、ローラ13(ローラ部64)の摩耗量に基づいて、ローラ13(ローラ部64)の余寿命を推定する。このため、ローラ13を備えている固体燃料粉砕装置100の運転状態の変動にも対応して、余寿命の推定精度を向上させることができる。余寿命がより正確に推定されることによって、より適切なタイミングでローラ13(ローラ部64)のメンテナンス(交換等)を実施することができる。すなわち、より長くローラ13を使用することがでるため、メンテナンス頻度を低減させることができる。このため、メンテナンスコストを低減することができる。また、固体燃料粉砕装置100の稼働率を向上させることができる。
運転状態と余寿命推移特性とが対応づけられたデータベースに基づくことで、推定部53において推定した余寿命の推移より将来の余寿命の推移を予測することができる。将来の余寿命の推移をより正確に予測することができ、より適切なタイミングでローラ13のメンテナンス(交換等)を実施することができる。すなわち、より長くローラ13を使用することがでるため、メンテナンス頻度を低減させることができる。このため、メンテナンスコストを低減することができる。また、固体燃料粉砕装置100の稼働率を向上させることができる。
運転状態として、固体燃料の種類、累積の運転時間、運転負荷に関する情報の少なくともいずれか1つを用いている。固体燃料の種類、累積の運転時間、運転負荷に関する情報は、余寿命に影響を与える因子である。したがって、効果的に将来の余寿命の推移を予測することができる。
推定された余寿命によりメンテナンス計画を作成することで、メンテナンス時期に余裕をもって計画を立てることができる。このため、固体燃料粉砕装置100の稼働率を向上させることができる。メンテナンス計画では、例えば、メンテナンス時期や、メンテナンス時期を調整するための運転方案(例えば固体燃料の種類の変更等)、複数台の固定燃料粉砕装置における負荷分担調整などを行うことができる。
本開示は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。なお、各実施形態を組み合わせることも可能である。すなわち、上記の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、及び第5実施形態については、それぞれ組み合わせることも可能である。
例えば、ローラ13(ローラ部64)と粉砕テーブル12は固体燃料が投入されない場合に直接接触しないように、所定の隙間となるようにギャップ調整される。このギャップ調整時にはまずローラ部64の最も凸の箇所と、粉砕テーブル12の最も凸の箇所を探し、それらの位置を合わせて所定のギャップとする必要がある。各実施形態のように、ローラ部64の凹凸状態を監視部101で監視できるため、ギャップ調整を行う際に凸の箇所を探す手間を削減できる。各実施形態ではローラ13に対して監視部101を設けたが、粉砕テーブル12に対しても監視部101を設けることで、粉砕テーブル12の凸の箇所を探すことも可能である。
ローラ部64の凹凸状態と、粉砕テーブル12の凹凸状態が把握されたら、ギャップ調整を運転中に実施してもよい。具体的には、ローラ部64の最凸部の摩耗量と、テーブルライナ12aの最凸部における摩耗量を検出し、その合計量だけローラギャップを減少させる方向に調整する。ギャップの調整は手動で行っても自動で行っても良い。調整の方法は、例えば油圧モータでギャップボルト(ローラ13と粉砕テーブル12との間のギャップを調整する機構)を回転させることで、所定量のみローラギャップを減少させても良く、また、ギャップボルトに目盛を刻んでおき、所定の摩耗量に達した際にギャップボルトを所定の目盛量だけ動かすこととしてもよい。
また、固体燃料としては、バイオマス燃料や石油精製時に発生するPC(石油コークス:Petroleum Coke)燃料であってもよく、各固体燃料を混合して使用してもよい。また、監視部101の設置先は、ジャーナルヘッド45に限らず、ジャーナルヘッド45と一体または高剛性に結合された別の部材であっても良い。すなわちローラ13と一体で揺動・変位する部材であれば、例えばジャーナルシャフト46に取り付けても良く、また、監視部101とジャーナルヘッド45の間に別の部材を挟んで取り付けても良い。
以上説明した各実施形態に記載の固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法は例えば以下のように把握される。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、固体燃料が載置される粉砕テーブル(12)と、前記粉砕テーブル(12)上に載置された前記固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラ(13)と、前記粉砕ローラ(13)を支持し、前記粉砕ローラ(13)と一体的に揺動・変位するジャーナルヘッド(45)と、前記ジャーナルヘッド(45)に固定して設けられており、前記粉砕ローラ(13)の外表面の摩耗状態を監視する監視部(101)と、を備える。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、粉砕ローラ(13)を支持して該粉砕ローラ(13)と一体的に揺動(変位)するジャーナルヘッド(45)に、粉砕ローラ(13)の摩耗状態を監視する監視部(101)が固定して設けられている。これにより、粉砕ローラ(13)の外表面と監視部(101)との間の距離が変わってしまうことを抑制することが可能となる。このため、粉砕ローラ(13)と監視部(101)との距離を適切に保ち、摩耗状態の監視精度を向上させることが可能となる。
また、監視部(101)はジャーナルヘッド(45)に固定されており、粉砕ローラ(13)は回転するため、監視部(101)によって粉砕ローラ(13)の周方向の摩耗状態を監視することも可能となる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記粉砕ローラ(13)の回転数に基づいて、前記粉砕ローラ(13)の周方向における外表面の摩耗状態を監視することとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、粉砕ローラ(13)の回転数に基づくことによって、粉砕ローラ(13)の回転状態を把握して粉砕ローラ(13)の周方向における外表面の摩耗状態を監視することが可能となる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)には、落下する前記固体燃料に対するプロテクタ(102)が設けられていることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、監視部(101)に、落下する固体燃料に対するプロテクタ(102)が設けられることで、監視部(101)の損傷を抑制することが可能となる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、鉛直方向上面が、水平方向に対して傾斜していることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、監視部(101)の鉛直方向上面が、水平方向に対して傾斜していることによって、監視部(101)に固体燃料等が堆積することを抑制することができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記粉砕ローラ(13)の外表面に対する距離を計測する複数の測距センサ(S)を用いて構成されており、前記測距センサ(S)の計測結果に基づいて、前記粉砕ローラ(13)の摩耗量を演算する演算部(52)を備えることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、監視部(101)が測距センサ(S)によって構成されることで、粉砕ローラ(13)の外表面の摩耗状況を監視することができる。そして、演算部(52)において摩耗量を導出することができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記測距センサ(S)は、渦電流式または超音波式であることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、測距センサ(S)が渦電流式または超音波式であることで、高濃度の粉塵雰囲気の環境であっても摩耗状態を監視することができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)では、前記粉砕ローラ(13)の回転軸方向に配置された複数の前記測距センサ(S)を1組のセンサ群として、前記センサ群が前記粉砕ローラ(13)の周方向において複数配置されており、周方向に対して隣接する前記測距センサ(S)は、回転軸方向における位置が等しいこととしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、回転軸方向に複数配置された測距センサ(S)を1組のセンサ群として、このセンサ群が周方向に複数配置されている。そして、周方向に対して隣接する測距センサは、回転軸方向における位置が等しい。このため、各測距センサ(S)は碁盤目状に配置されることとなる。粉砕ローラ(13)は周方向に回転しているため、センサ群が複数列配置されることで、冗長性を向上できる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)では、前記粉砕ローラ(13)の回転軸方向に配置された複数の前記測距センサ(S)を1組のセンサ群として、前記センサ群が前記粉砕ローラ(13)の周方向において複数配置されており、周方向に対して隣接する前記測距センサ(S)は、回転軸方向における位置が異なることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、回転軸方向に複数配置された測距センサ(S)を1組のセンサ群として、このセンサ群が周方向に複数配置されている。そして、周方向に対して隣接する測距センサ(S)は、回転軸方向における位置が異なる。このため、各測距センサ(S)は例えば千鳥状に配置されることとなる。回転軸方向における位置が異なることで、計測点が増え、より詳細に外表面の監視を行うことができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)に対して、前記粉砕ローラ(13)の回転方向の上流側に、前記粉砕ローラ(13)の付着物を清掃する清掃部(107)を備えることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、粉砕ローラ(13)の回転方向の上流側に、粉砕ローラ(13)の付着物を清掃する清掃部(107)が設けられることによって、監視精度をより向上させることが可能となる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記監視部(101)と前記粉砕ローラ(13)の外表面との間にガスを投入する投入部(108)を備えることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、監視部(101)と粉砕ローラ(13)の外表面との間にガスを投入する。これにより、ミル(10)の内部が粉塵雰囲気であっても監視部(101)と粉砕ローラ(13)の外表面との間にガスが供給され、計測精度を向上させることができる。ガスは、粉塵濃度がミル(10)の内部の粉塵濃度よりも低い気体が用いられる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記粉砕ローラ(13)の回転方向に対して、前記粉砕ローラ(13)と前記粉砕テーブル(12)とが最も近くなる点を0°として、90°以上315°以下の範囲内に配置されることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、監視部(101)が、粉砕ローラ(13)の回転方向に対して、粉砕ローラ(13)と粉砕テーブル(12)とが最も近くなる点を0°として、90°以上315°以下の範囲内に配置されるため、粉砕ローラ(13)による固体燃料の粉砕時に跳ね飛んだ固体燃料により監視部(101)が損傷することを抑制することができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記粉砕ローラ(13)の半径方向に対して位置調整を可能とする位置調整機構(110)が設けられていることとしてもよい。
粉砕ローラ(13)の摩耗が進行すると、粉砕ローラ(13)の外表面と、監視部(101)との距離が広がり、監視部(101)の監視可能範囲を超える可能性がある。そこで、粉砕ローラ(13)の半径方向に対して位置調整を可能とする位置調整機構(110)が設けられることによって、粉砕ローラ(13)に対する監視部(101)の位置を調整することが可能となる。これにより、摩耗が進行したとしてもより確実に監視部(101)によって摩耗状態の監視を行うことが可能となる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記粉砕ローラ(13)の半径方向に対して各前記測距センサ(S)の位置調整を可能とする位置調整機構(111)が設けられていることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、粉砕ローラ(13)の外表面と、監視部(101)との距離が広がり、監視部(101)の監視可能範囲を超える可能性がある。そこで、粉砕ローラ(13)の半径方向に対して各測距センサ(S)の位置調整を可能とする位置調整機構(111)が設けられることによって、粉砕ローラ(13)に対する各測距センサ(S)の位置を調整することが可能となる。これにより、摩耗が進行したとしてもより確実に監視部(101)によって摩耗状態の監視を行うことが可能となる。特に、粉砕ローラ(13)の表面において局所的に摩耗が進んだとしても、それぞれの測距センサ(S)の位置調整が可能であるため、より柔軟に位置調整が可能となる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)が検出した摩耗量に基づいて、前記粉砕ローラ(13)の余寿命を推定する推定部(53)を備えることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、粉砕ローラ(13)の摩耗量に基づいて、粉砕ローラ(13)の余寿命を推定する。このため、粉砕ローラ(13)を備えている固体燃料粉砕装置(100)の運転状態の変動にも対応して、余寿命の推定精度を向上させることができる。余寿命がより正確に推定されることによって、より適切なタイミングで粉砕ローラ(13)のメンテナンス(交換等)を実施することができる。すなわち、より長く粉砕ローラ(13)を使用することができるため、メンテナンス頻度を低減させることができる。このため、メンテナンスコストを低減することができる。また、固体燃料粉砕装置(100)の稼働率を向上させることができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、運転状態と、前記運転状態に対応した余寿命推移特性とが予め蓄積されたデータベースに基づいて、前記推定部(53)において推定した余寿命の推移より将来の余寿命の推移を予測する予測部(54)を備えることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、運転状態と余寿命推移特性とが対応づけられたデータベースに基づくことで、推定部(53)において推定した余寿命の推移より将来の余寿命の推移を予測することができる。将来の余寿命の推移をより正確に予測することができ、より適切なタイミングで粉砕ローラ(13)のメンテナンス(交換等)を実施することができる。すなわち、より長く粉砕ローラ(13)を使用することがでるため、メンテナンス頻度を低減させることができる。このため、メンテナンスコストを低減することができる。また、固体燃料粉砕装置(100)の稼働率を向上させることができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記運転状態は、前記固体燃料の種類、累積の運転時間、運転負荷に関する情報の少なくともいずれか1つを含むこととしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、運転状態として、固体燃料の種類、累積の運転時間、運転負荷に関する情報の少なくともいずれか1つを用いている。固体燃料の種類、累積の運転時間、運転負荷に関する情報は、余寿命に影響を与える因子である。したがって、効果的に将来の余寿命の推移を予測することができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記推定された余寿命に基づいて、メンテナンス計画を作成する計画部(55)を備えることとしてもよい。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)によれば、推定された余寿命によりメンテナンス計画を作成することで、メンテナンス時期に余裕をもって計画を立てることができる。このため、固体燃料粉砕装置(100)の稼働率を向上させることができる。メンテナンス計画では、例えば、メンテナンス時期や、メンテナンス時期を調整するための運転方案(例えば固体燃料の種類の変更等)、複数台の固定燃料粉砕装置における負荷分担調整などを行うことができる。
本開示に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記監視部(101)は、前記粉砕ローラ(13)における前記固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位に対する距離を計測する補助測距センサ(Sa)と、前記補助測距センサ(Sa)の計測結果に基づいて、各前記測距センサ(S)の計測結果を補正する補正部(56)と、を備えることとしてもよい。
監視部(101)は、粉砕ローラ(13)と一体的に揺動・変位するジャーナルヘッド(45)に固定されているため、粉砕ローラ(13)と監視部(101)との距離は理想的には一定に保たれる。しかしながら、固体燃料の粉砕時に短期的に、粉砕ローラ(13)に対して監視部(101)の位置が変動する可能性がある。このような場合には、粉砕ローラ(13)における固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位に対する距離を計測することによって、この短期的な位置変動を把握することができる。このため、補助測距センサ(Sa)の計測結果に基づいて、各測距センサ(S)の計測結果を補正することで、短期的な監視部(101)に対する粉砕ローラ(13)の位置変動を加味して、測距センサ(S)による計測を行うことが可能となる。粉砕ローラ(13)における固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位とは、例えば、粉砕ローラ(13)のホイール部分(113)である。
本開示に係る発電プラント(1)は、上記の固体燃料粉砕装置(100)と、前記固体燃料粉砕装置(100)で粉砕された前記固体燃料を燃焼して蒸気を生成するボイラ(200)と、を備える。
本開示に係るローラ摩耗量監視方法は、固体燃料が載置される粉砕テーブル(12)と、前記粉砕テーブル(12)上に載置された前記固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラ(13)と、前記粉砕ローラ(13)を支持し、前記粉砕ローラ(13)と一体的に揺動・変位するジャーナルヘッド(45)とを備える固体燃料粉砕装置(100)のローラ摩耗量監視方法であって、前記ジャーナルヘッド(45)に固定して設けられた監視部(101)を用いて、前記粉砕ローラ(13)の外表面の摩耗状態を監視する。
1 :発電プラント
10 :ミル
11 :ハウジング
11a :内周面
11b :側面部
12 :テーブル(粉砕テーブル)
12a :テーブルライナ
13 :ローラ(粉砕ローラ)
14 :駆動部
15 :ミルモータ
16 :回転式分級機
16a :ブレード
17 :燃料供給部
18 :分級機モータ
19 :出口ポート
20 :給炭機
21 :バンカ
22 :搬送部
23 :給炭機モータ
24 :ダウンスパウト部
25 :吹出口
26 :ベーン
27 :一次空気ダクト
30 :送風部
30a :熱ガス流路
30b :冷ガス流路
30c :熱ガスダンパ(第1送風部)
30d :冷ガスダンパ(第2送風部)
31 :一次空気通風機
32 :押込通風機
34 :熱交換器
40 :状態検出部
41 :底部
42 :天井部
45 :ジャーナルヘッド
46 :ジャーナルシャフト
47 :支持アーム
48 :支持軸
49 :押圧装置
50 :制御装置
51 :制御部
52 :演算部
53 :推定部
54 :予測部
55 :計画部
56 :補正部
63 :ジャーナルハウジング
64 :ローラ部
100 :固体燃料粉砕装置
100a :一次空気流路
100b :微粉燃料供給流路
101 :監視部
102 :プロテクタ
103 :サポート
104 :ケーブル
105 :保護管
106 :傾斜面
107 :清掃部
108 :投入部
109 :囲い部材
110 :位置調整機構
111 :位置調整機構
112 :ナット
113 :ホイール部分
200 :ボイラ
210 :火炉
220 :バーナ
1010 :情報集約システム
1020 :サーバ
1030 :計画システム
1100 :CPU
1200 :ROM
1300 :RAM
1400 :ハードディスクドライブ
1500 :通信部
1800 :バス
S :センサ(測距センサ)
Sa :補助センサ(補助測距センサ)

Claims (20)

  1. 固体燃料が載置される粉砕テーブルと、
    前記粉砕テーブル上に載置された前記固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラと、
    前記粉砕ローラを支持し、前記粉砕ローラと一体的に揺動するジャーナルヘッドと、
    前記ジャーナルヘッドに固定して設けられており、前記粉砕ローラの外表面の摩耗状態を監視する監視部と、
    を備える固体燃料粉砕装置。
  2. 前記監視部は、前記粉砕ローラの回転数に基づいて、前記粉砕ローラの周方向における外表面の摩耗状態を監視する請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
  3. 前記監視部には、落下する前記固体燃料に対するプロテクタが設けられている請求項1または2に記載の固体燃料粉砕装置。
  4. 前記監視部は、鉛直方向上面が、水平方向に対して傾斜している請求項1から3のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
  5. 前記監視部は、前記粉砕ローラの外表面に対する距離を計測する複数の測距センサを用いて構成されており、
    前記測距センサの計測結果に基づいて、前記粉砕ローラの摩耗量を演算する演算部を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
  6. 前記測距センサは、渦電流式または超音波式である請求項5に記載の固体燃料粉砕装置。
  7. 前記監視部では、前記粉砕ローラの回転軸方向に配置された複数の前記測距センサを1組のセンサ群として、前記センサ群が前記粉砕ローラの周方向において複数配置されており、周方向に対して隣接する前記測距センサは、回転軸方向における位置が等しい請求項5または6に記載の固体燃料粉砕装置。
  8. 前記監視部では、前記粉砕ローラの回転軸方向に配置された複数の前記測距センサを1組のセンサ群として、前記センサ群が前記粉砕ローラの周方向において複数配置されており、周方向に対して隣接する前記測距センサは、回転軸方向における位置が異なる請求項5または6に記載の固体燃料粉砕装置。
  9. 前記監視部に対して、前記粉砕ローラの回転方向の上流側に、前記粉砕ローラの付着物を清掃する清掃部を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
  10. 前記監視部は、前記監視部と前記粉砕ローラの外表面との間にガスを投入する投入部を備える請求項1から9のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
  11. 前記監視部は、前記粉砕ローラの回転方向に対して、前記粉砕ローラと前記粉砕テーブルとが最も近くなる点を0°として、90°以上315°以下の範囲内に配置される請求項1から10のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
  12. 前記監視部は、前記粉砕ローラの半径方向に対して位置調整を可能とする位置調整機構が設けられている請求項1から11のいずれか1項に記載の固体燃料粉砕装置。
  13. 前記監視部は、前記粉砕ローラの半径方向に対して各前記測距センサの位置調整を可能とする位置調整機構が設けられている請求項5に記載の固体燃料粉砕装置。
  14. 前記監視部が検出した摩耗量に基づいて、前記粉砕ローラの余寿命を推定する推定部を備える請求項1から請求項13のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
  15. 運転状態と、前記運転状態に対応した余寿命推移特性とが予め蓄積されたデータベースに基づいて、前記推定部において推定した余寿命の推移より将来の余寿命の推移を予測する予測部を備える請求項14に記載の固体燃料粉砕装置。
  16. 前記運転状態は、前記固体燃料の種類、累積の運転時間、運転負荷に関する情報の少なくともいずれか1つを含む請求項15に記載の固体燃料粉砕装置。
  17. 前記推定された余寿命に基づいて、メンテナンス計画を作成する計画部を備える請求項14から請求項16のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
  18. 前記監視部は、
    前記粉砕ローラにおける前記固体燃料の粉砕によって摩耗しない部位に対する距離を計測する補助測距センサと、
    前記補助測距センサの計測結果に基づいて、各前記測距センサの計測結果を補正する補正部と、
    を備える請求項5または6に記載の固体燃料粉砕装置。
  19. 請求項1から請求項17のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置と、
    前記固体燃料粉砕装置で粉砕された前記固体燃料を燃焼して蒸気を生成するボイラと、
    を備える発電プラント。
  20. 固体燃料が載置される粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上に載置された前記固体燃料を押圧して粉砕する粉砕ローラと、前記粉砕ローラを支持し、前記粉砕ローラと一体的に揺動するジャーナルヘッドとを備える固体燃料粉砕装置のローラ摩耗量監視方法であって、
    前記ジャーナルヘッドに固定して設けられた監視部を用いて、前記粉砕ローラの外表面の摩耗状態を監視するローラ摩耗量監視方法。


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