JP2000246126A - ローラミルの保守監視装置 - Google Patents

ローラミルの保守監視装置

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JP2000246126A
JP2000246126A JP11048922A JP4892299A JP2000246126A JP 2000246126 A JP2000246126 A JP 2000246126A JP 11048922 A JP11048922 A JP 11048922A JP 4892299 A JP4892299 A JP 4892299A JP 2000246126 A JP2000246126 A JP 2000246126A
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stress
roller
crushing
pressure
roller mill
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JP11048922A
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Eiji Murakami
英治 村上
Kazunori Sato
一教 佐藤
Hiroaki Kanemoto
浩明 金本
Hideo Mitsui
秀雄 三井
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新たに荷重計を設けることなく応力や応力変
動を推定し、推定した結果に基づいて適切にローラミル
の保守管理を行うことができるローラミルの保守監視装
置を提供する。 【解決手段】 回転自在に支持された粉砕テーブル1上
に粉砕用ローラ2を粉砕テーブル回転方向に沿って所定
間隔に配置し、油圧装置で前記粉砕用ローラ2を前記粉
砕テーブル1側に加圧して被粉砕物を粉砕するローラミ
ルの保守監視装置において、コンピュータ51により油
圧装置の圧力計から圧力変動を計測し、この計測結果か
ら前記粉砕部の各部品に発生するする応力及び応力変動
を推定し、さらに、この推定結果から疲労損傷度を推定
する。そして、疲労損傷度の推定結果に基づいて各部品
の点検および/または交換時期を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭等の原料を粉
砕して所定粒度の微粉を製造するローラミルに係り、特
に粉砕部の部品の疲労損傷度を推定して部品の交換時期
や点検時期を予測するローラミルの保守監視装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から実施されているローラミルは一
般に図7の全体構造図に示すような構造である。すなわ
ち、従来構造のローラミルは、装置本体ハウジング19
の下部側に配された粉砕部100と、装置本体上部側に
配された分級部200とから基本的に構成されている。
【0003】粉砕部100は、自転する粉砕テーブル
1、この粉砕テーブル1上を所定の圧力で加圧された状
態で回転するローラ2と、このローラ2をシャフト5を
介して回転自在に支持するローラブラケット3と、ロー
ラブラケット3をピボットピン4を介して支持する加圧
フレーム9と、加圧フレーム9に対して所望の圧力を付
与し、ローラ2を粉砕テーブル1側に圧接するピボット
アーム12、加圧ロッド13および油圧シリンダ17
と、粉砕テーブル1を支持し、回転駆動するためのヨー
ク10および減速機11とから主に構成されている。ま
た、分級部200は、回転分級機15と、この回転分級
器15の回転軸に沿って設けられた供給管14と、分級
された被粉砕物を取り出すための出口管16および回転
分級器15を回転駆動するための駆動モータ20とから
構成されている。
【0004】さらに詳細に説明すると、ヨーク10は減
速機11の出力軸上に回転可能に取り付けられており、
このヨーク10上に環状の粉砕テーブル1が固定されて
いる。粉砕テーブル1上に凹部1a(後述の図1参照)
が形成され、ローラブラケット3に軸およびベアリング
によって回転可能に取り付けられたローラブラケット2
が前記凹部1a上に等間隔で3組設置されている。ロー
ラブラケット3の上部および加圧フレーム9の下面には
ピボットピン4が入る溝が設けられ、ローラブラケット
3およびローラ2はピボットピン4を介して加圧フレー
ム9によって粉砕テーブル1側に加圧されるとともに、
ピボットピン4を中心にローラ2が振り子運動できるよ
うになっている。加圧フレーム9にはピボットアーム1
2の一端が取り付けられ、他端は油圧シリンダ17によ
って駆動される加圧ロッド13に取り付けられている。
【0005】大略上述のように構成されたローラミルで
は、図示しないモータによって減速機11の入力軸を回
転させると、減速機11の出力軸に取り付けられたヨー
ク10およびヨーク10に固定された粉砕テーブル1が
回転する。このとき、油圧シリンダ17は加圧ロッド1
3を下方向に付勢しており、この付勢力はピボットアー
ム12を介して加圧フレーム9を下方向に押し付ける力
となって作用する。このようにして加圧フレーム9、ピ
ボットピン4およびローラブラケット3を介してローラ
2が粉砕テーブル1上に所定圧で強く押し付けられ、粉
砕テーブル1上の被粉砕物18(後述の図1参照)の粉
砕が効率よく行なわれる。なお、油圧シリンダ17、加
圧ロッド13およびピボットアーム12はそれぞれ3個
ずつ対になって設けられており、加圧フレーム9を平均
して加圧できるように意図されている。
【0006】一方、例えば石炭などの被粉砕物は中央上
部に設けられた供給管14から投入され、ローラ2と粉
砕テーブル1間に供給され、圧壊作用により粉砕され
る。粉砕された微粉炭などの被粉砕物は図示しない空気
供給装置からスロート6を介して供給される熱風によっ
て分級部200側に吹き上げられ、回転分級器15側に
送られる。回転分級器15では、所定の粒度もしくは所
定の粒度よりも小さいものは出口管16へ、所定粒度よ
りも大きいものは粉砕部100に落下し、再び粉砕され
るようになっている。
【0007】回転分級器15は回転分級駆動モータ20
によって回転駆動され、遠心力によって粉砕された微粉
を分級する。その際、分級回転数を上げると出口管16
から出ていく微粉の粒度が細かくなり、粉砕部に戻され
る微粉の量が多くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成されたローラミルでは、被粉砕物は粉砕テーブル1
とローラ2との間で粉砕されるが、このとき、ヨーク1
0、ローラ2、ローラブラケット3および加圧フレーム
9などによって構成される粉砕部は常に激しい衝撃荷重
を受けている。これらの部品は激しい衝撃荷重を受けて
も疲労破壊しないように設計されているが、被粉砕物の
中に金属などの異物が混入していたり、設計条件を上回
る激しい条件で運転されることがあるため、予想以上の
大きな衝撃荷重が粉砕部に発生し、粉砕部を構成する各
部品の拾う破壊が進み、部品が疲労破壊に至ってしまう
ことがある。もし、部品が破壊すると当然交換しなけれ
ばならないが、この交換のためにはローラミルの運転を
停止させる必要がある。その際、停止時間が長時間にわ
たることも多く、停止時間が長くなるとローラミルの運
転に支障を来すことになる。
【0009】特に最近では、粉砕能力の増大、製造する
微粉粒度を細かくするためにローラ2を粉砕テーブル1
上に押し付ける荷重を増加させる場合があり、ローラブ
ラケット3、軸5、加圧フレーム9などの粉砕部各部の
部品は従来よりも応力的に厳しい状況で使用される傾向
にある。そこで、この応力もしくは応力変動を監視しロ
ーラミルの管理に使用することが考えられる。
【0010】粉砕部の荷重変動や各部品の応力推定の手
法は、本発明者等が特開平5−345139号公報、特
開平6−91187号公報、および特開平6−3203
1号公報などで提案した発明がある。特開平5−345
139号公報に開示された発明は、荷重を計測するため
に荷重計(ロードセル)を設けて粉砕部荷重変動を測定
し、各部品の疲労損傷を推定するように構成している。
特開平6−32031号公報に開示された発明は同様に
粉砕部荷重変動を測定し、異常振動の発生を防止するよ
うに構成している。また、特開平6−32031号公報
に開示された発明は、粉砕部に歪み検出子を設けて疲労
損傷を推定するように構成したものである。
【0011】しかし、これらの公知例はいずれも粉砕部
の荷重変動を計測するために新たに荷重計や歪み検出子
を設ける必要あり、さらに、荷重計や歪み検出子を粉砕
部に設ける場合には、微粉による磨耗防止策を施す必要
がある。また、応力や応力の変動を検出するために荷重
計などの計測手段を設けると、計測点が多くなりコスト
も高くなるとともに、荷重計の管理自体も大きな負担に
なる。
【0012】本発明は、このような背景に鑑みてなされ
たもので、その目的は、新たに荷重計を設けることなく
応力や応力変動を推定し、推定した結果に基づいて適切
にローラミルの保守管理を行うことができるローラミル
の保守監視装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の手段は、回転自在に支持された粉砕テーブル
上に粉砕用ローラを粉砕テーブル回転方向に沿って所定
間隔に配置し、油圧装置で前記粉砕用ローラを前記粉砕
テーブル側に加圧して被粉砕物を粉砕するローラミルの
保守監視装置において、前記被粉砕物を粉砕する粉砕部
の荷重変動を計測する手段と、この計測する手段の計測
結果から前記粉砕部の各部品に発生するする応力および
応力変動を推定する手段と、この推定する手段から前記
各部品の疲労損傷度を推定する手段とを備えていること
を特徴とする。
【0014】第2の手段は、第1の手段における荷重変
動を計測する手段に代えて、前記油圧装置の圧力変動を
計測する手段を設け、前記応力および応力変動を推定す
る手段は、前記圧力変動を計測する手段の計測結果から
前記粉砕部の各部品に発生するする応力及び応力変動を
推定することを特徴とする。
【0015】第3の手段は、第1または第2の手段にお
いて、前記応力および応力変動を推定する手段は、予め
各部品ごとに荷重と発生応力との関係を求めておき、そ
の関係を用いて各部品の発生応力および応力変動を推定
することを特徴とする。
【0016】第4の手段は、第1ないし第3の手段にお
いて、前記疲労損傷度を推定する手段の推定結果から、
前記各部品の点検および/または交換時期を予測する手
段を更に備えていることを特徴とする。
【0017】上記のように構成したのは下記のような理
由による。
【0018】すなわち、油圧装置でローラを加圧するロ
ーラミルでは、油圧装置の圧力変動が粉砕部の荷重変動
に対応しているため、圧力変動から粉砕部の荷重変動を
求めることができる。粉砕部の荷重変動さえ分かれば、
予め各部品ごとに有限要素法などの解析手法を用い、荷
重と発生応力との関係から各部品に発生している応力変
動を推定することが可能になる。このようにして各部品
の発生応力の変動の大きさが分かれば、コンピュータで
各部品の疲労損傷度を計算することが可能となる。も
し、疲労損傷度が計算できれば、その計算結果に基づい
て各部品の点検時期や交換時期を予測することも可能と
なり、突発的な部品の破損事故を未然に防止できる。そ
の際、油圧装置には圧力調整のための圧力計もしくは圧
力センサが設けられているので、これを利用して粉砕部
の荷重を測定することができる。そのため、新たに荷重
計(ロードセル)や荷重センサを設ける必要はない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、
前述の図7における従来例と同等な各部には同一の参照
符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0020】図1は本発明の実施形態に係るローラミル
保守監視装置を示す図であり、図7における粉砕テーブ
ル1、この粉砕テーブル1上で振動するローラ2、ロー
ラ2を粉砕テーブル1方向に加圧する加圧フレーム9、
およびこの加圧フレーム9を加圧するためのピボットア
ーム9、加圧ロッド13、油圧シリンダ17等のローラ
ミルのシステム自体は図1と同等に構成されている。
【0021】図1において、粉砕テーブル1上の凹部1
aにはローラブラケット3に軸5および図示しないベア
リングによって回転可能に支持されたローラ2が設置さ
れている。ローラブラケット3の上部及び加圧フレーム
9の下面にはピボットピン4が入る溝が加工されてお
り、ローラブラケット3とローラ2はピボットピン4を
介して加圧フレーム9によって粉砕テーブル1の上面に
加圧された状態で押し付けられているとともに、ローラ
2がピボットピン4を介して振り子運動が行なえるよう
になっている。加圧フレーム9にはピボットアーム12
の一端が取り付けられており、他端には加圧ロッド13
の一端が連結されている。加圧ロッド13の他端は油圧
シリンダ17に連結され、油圧シリンダ17側からの油
圧作動によって加圧ロッド13およびピボットアーム1
2を介して所望の圧力が加圧フレーム9からローラ2に
加えられる。これらの構造は、前述の図7の従来例と同
様である。
【0022】油圧シリンダ17はシリンダ21とピスト
ン20とからなり、ピストン20によって2室に分けら
れ、一方の側のピストン20の端面に前述の加圧ロッド
13が連結されている。ピストン20によって分けられ
た上下各室(ロッド側とヘッド側の空間部)30,40
には、それぞれ一端が油圧源34,44に接続された配
管31,41の他端が接続され、油圧源34,44から
ロッド側とヘッド側の各室30,40に油圧媒体(圧
油)30a,40aの供給が行なえるようになってい
る。ロッド側とヘッド側の各系統の配管31,41には
アキュムレータ33,43と圧力媒体の圧力を計測する
ための圧力計35,45がそれぞれ設けられている。ア
キュムレータ33,43はロッド側配管31およびヘッ
ド側配管41を通過する油圧媒体を貯蔵する機能を備え
たものである。
【0023】このローラミルの保守監視装置には、さら
に圧力計35,45で計測された圧力をA/D変換する
A/D変換器50と、A/D変換器50によって得られ
たデジタルデータを処理するコンピュータ51と、この
コンピュータ51で処理されたデータを表示する表示装
置52と、前記コンピュータ51で処理されたデータを
記憶する記憶装置53とが設けられ、これらによって保
守監視装置が構成されている。
【0024】大略上記のように構成されたローラミルで
は、シリンダ21内のロッド側とヘッド側の上下各室3
0,40に油圧媒体が収容されているので、ロッド側と
ヘッド側の各室30,40に収容された油圧媒体の圧力
とシリンダ面積によって規定される力の差によってロー
ラ2を粉砕テーブル1上に加圧することになる。すなわ
ち、シリンダ21のロッド側とヘッド側の各室30,4
0の圧力をそれぞれP1,P2、シリンダ21内のピス
トン20の有効断面積をA1,A2とすると、 P1・A1>P2・A2 ・・・(1) の関係を満足させることによってローラ2を粉砕テーブ
ル1上に加圧するための圧力を得ている。したがって、
このような圧力状態でローラ2は粉砕テーブル1上の被
粉砕物をを所望の粒度まで粉砕することになる。
【0025】一方、圧力計35,45で計測された圧力
媒体の圧力は、A/D変換器50でアナログ信号からデ
ジタル信号に変換され、パーソナルコンピュータやワー
クステーションのようなコンピュータ51に送られ、各
部品の応力変動や疲労寿命が推定される。記憶装置53
は例えばハードディスク装置のような大容量のデータ記
憶装置が使用され、コンピュータ51で推定した応力変
動や疲労寿命の推定結果がこのハードディスク装置に記
憶され、その結果が前記表示装置52に表示される。
【0026】このように構成されたローラミルでは、粉
砕時、被粉砕物はローラ2と粉砕テーブル1との間で粉
砕されるため、ローラ2は被粉砕物から常に衝撃力を受
けている。ローラ2はローラブラケット3、ピボットピ
ン4、加圧フレーム9、ピボットアーム12、ローディ
ングロッド13を介して加圧シリンダ20で粉砕テーブ
ル1上に加圧されるようになっているので、衝撃力によ
って生じたローラ2の変位はローラブラケット3、ピン
4、加圧フレーム9、ピボットアーム12、加圧ロッド
13を介してピストン2に伝達され、油圧媒体30,4
0に圧力変動を生じさせる。油圧媒体30,40の圧力
変動は、粉砕部の荷重の変動に対応しているので、この
圧力変動から粉砕部の荷重の変動を求めることができ
る。すなわち、この実施形態では、圧力計35,45を
ロッド側配管31とヘッド側配管41に設けているの
で、それぞれの配管系統の油圧媒体30,40の圧力を
計測することが可能である。
【0027】そこで、ロッ側配管31の油圧媒体30の
圧力をP1、ヘッド側配管41の油圧媒体40の圧力を
P2とすると、粉砕部の荷重Wは、A1,A2を油圧シ
リンダ21の有効断面積としたときに、次式で求められ
る。
【0028】 W=P1・A1−P2・A2 ・・・(2) 粉砕時、圧力計35,45で計測された圧力はA/D変
換器50でデジタルデータに変換され、コンピュータ5
1に取り込まれ、前記式(2)によって粉砕部の荷重に
換算される。
【0029】この実施形態に係るローラミル保守監視装
置では、コンピュータ51で換算された荷重から粉砕リ
ング1、ローラ2、ローラブラケット3、加圧フレーム
9などの粉砕部の各部品に発生する応力の大きさおよび
疲労損傷度を推定し、推定された疲労損傷度に応じて各
部品の点検時期および交換時期を予測する。これによっ
て部品の破損事故を未然に防止することを意図してい
る。以下、コンピュータ51に連続的に取り込まれた荷
重変動から、粉砕部の各部品に発生する応力の大きさお
よび疲労損傷度を推定する方法について説明する。
【0030】粉砕部の各部品に発生する応力は、予め各
部品ごとに、例えば有限要素法による応力解析によって
求められた作用荷重と発生応力との関係を用いることに
よって推定することができる。すなわち、各部品の発生
応力σは、 σ=α・W ・・・(3) で推定することができる。ここで、Wは作用荷重であ
り、圧力計35,45で計測され、コンピュータ51に
取り込まれている。また、αは予め有限要素法による解
析によって求められた作用荷重と発生応力との比であ
り、各部品ごとに予め求めておく。このαは各部品につ
いて簡単に求められる。
【0031】図2は有限要素法による解析の一例として
示したローラブラケット3の解析モデルである。このモ
デルは対称性が考慮され、全体の1/2がモデル化され
ている。図2のようなモデルに荷重Wを与え、応力解析
を行うことによってローラブラケット3の詳細な応力分
布を知ることができ、発生する応力の最大値σmaxが分
かればαは、 α=σmax/W ・・・(4) で求めることができる。疲労破壊が発生するとすると、
発生するのは最大応力発生点であるので、αは各部品の
最大応力σmaxについてのみ求めておけばよい。この手
法、すなわち、前記式(2)を用いて粉砕部の荷重変動
を求めた結果の一例を図3に、この荷重変動から式
(3)を用いて応力変動を求めれた結果の一例を図4に
示す。この例では、前者は横軸に時間を、縦軸に荷重W
をとり、後者は横軸に時間を、縦軸に応力σをとってい
る。
【0032】疲労損傷度を求める場合には、各部品に発
生している応力の大きさが分かれば図4に示す応力振幅
Δσおよび図5に示す疲労強度線図を用いて疲労損傷度
を計算することができる。図5に示した疲労強度線図
は、横軸に繰り返し数Nを、縦軸に応力振幅Δσをとっ
た特性図であり、応力振幅Δσ1がN1回繰り返された
場合、疲労破壊することを意味する。同様に応力振幅Δ
σ2であればN2回繰り替えされると疲労破壊すること
を意味する。応力振幅Δσは疲労限度を示し、応力振幅
ΔσがΔσwより小さければ、疲労破壊に至ることはな
い。
【0033】図4から分かるように、応力振幅Δσの大
きさは常に変動しており、このように常に変動するもの
では、
【0034】
【数1】
【0035】であらわされる線形損傷則によって疲労損
傷度を評価することができる。ここで、Cは疲労損傷度
であり、C=1となった場合、疲労破壊が生じる。ま
た、niは応力振幅Δσiが作用した回数で、Niは疲
労強度線図上のΔσiに対応するNの値である。このよ
うにして図4に示すような各部品の応力変動から疲労損
傷度Cを求めることができる。
【0036】コンピュータ51の図示ないROMには上
記各式に基づいた疲労損傷度Cを求めるためのプログラ
ムが予め格納されており、圧力計35,45によって測
定され、入力された計測値に基づいてコンピュータ51
で粉砕部の圧力から荷重変動ΔWに変換し、この変換さ
れた荷重変動ΔWに基づいて各部品の応力変動Δσ、疲
労損傷度Cを求めることができる。求められた各部品の
応力変動Δσ、疲労損傷度Cは常時表示装置52に表示
されているので、表示装置を見ることによって各部品疲
労損傷度を知ることができる。
【0037】そこで、もし疲労損傷度Cが1に近付いて
きたら、その部品の点検および交換が必要であることを
意味しているので、そのことを表示装置52に表示する
ようにしておく。これにより、表示装置52に点検およ
び交換の必要があることが表示された時点で、該当する
部品の点検および交換を行えば、粉砕部の各部品の破損
事故を未然に防止することができる。
【0038】図6は他の実施形態に係るローラミルの保
守監視装置の構成を示す図である。この実施形態は、油
圧装置の減衰を増大させるため図1に示した実施形態に
おけるロッド側配管31とヘッド側配管41に流量調整
弁32,42をそれぞれ設けるとともに、各流量調整弁
32,42にシリンダ21側の配管に圧力計36,46
を設けたものである。このように構成すると、図6にお
いてローラ2が上下方向に振動すると、この振動に伴っ
てローラブラケット3、加圧フレーム9、ピボットアー
ム12、加圧ロッド13、及びピストン20も上下動す
ることになる。そして、シリンダ21内のピストン20
が上下動すると、シリンダ21内の油圧媒体30a,4
0aがシリンダ21から流出し、シリンダ21内に流入
するという流出/流入動作を行なう。これに伴って配管
31,41中の油圧媒体30a,40aが振動するとと
もに、それぞれ流量調整弁32,42を通過してアキュ
ムレータ33,43に流入し、流出する。流量調整弁3
2,42は油圧媒体30a,40aに対して抵抗として
作用し、流量調整弁32,42の抵抗値R1,R2をロ
ーラ2から伝達される振動数下で振動吸収量が最大とな
るように流量調整弁32,42の開度を調整し、ローラ
2の振動を減衰させるようにすることができる。
【0039】この実施形態においても前記実施形態と同
様に、各部品の発生応力および疲労損傷度を推定し、各
部品の点検および交換時期を予測することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、被粉砕物を粉砕する粉砕部の荷重変動を計測する
手段と、この計測する手段の計測結果から前記粉砕部の
各部品に発生するする応力および応力変動を推定する手
段と、この推定する手段から前記各部品の疲労損傷度を
推定する手段とを備えているので、各部品の疲労損傷を
精度よく検出することができる。
【0041】請求項2記載の発明によれば、荷重変動を
計測する手段に代えて、油圧装置の圧力変動を計測する
手段を設け、応力および応力変動を推定する手段は、圧
力変動を計測する手段の計測結果から粉砕部の各部品に
発生するする応力及び応力変動を推定するので、特に荷
重変動を計測する手段を設けることなく請求項1記載の
発明の効果を得ることがでくる。
【0042】請求項3記載の発明によれば、応力および
応力変動を推定する手段は、予め各部品ごとに荷重と発
生応力との関係を求めておき、その関係を用いて各部品
の発生応力および応力変動を推定するので、各部品の前
記関係を1回求めておけばよく、低コストで請求項1記
載の発明の効果を得ることができる。
【0043】請求項4記載の発明によれば、疲労損傷度
を推定する手段の推定結果から、各部品の点検および/
または交換時期を予測する手段を更に備えているので、
疲労破壊に至る前に部品の点検時期と交換時期を確実に
把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るローラミルの保守監視
装置の概略構成を示す図である。
【図2】ローラブラケットの有限要素法を使用した応力
解析モデル図である。
【図3】粉砕部の荷重変動の一例を示す図である。
【図4】粉砕部の部品の応力変動の一例を示す図であ
る。
【図5】材料の疲労強度特性を示す疲労強度線図であ
る。
【図6】本発明の他の実施形態に係るローラミルの保守
監視装置の概略構成を示す図である。
【図7】従来例から実施されているローラミルの概略構
成を示す図である。
【符号の説明】
1 粉砕テーブル 2 ローラ 3 ローラブラケット 9 加圧フレーム 12 ピボットアーム 13 加圧ロッド 20 シリンダ 21 ピストン 31 ロッド側配管 41 ヘッド側配管 50 A/D変換器 51 コンピュータ 52 表示装置 53 記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE12 GC29 GC40 GD01 GD13 4D067 EE45 EE50 GB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持された粉砕テーブル上に
    粉砕用ローラを粉砕テーブル回転方向に沿って所定間隔
    に配置し、油圧装置で前記粉砕用ローラを前記粉砕テー
    ブル側に加圧して被粉砕物を粉砕するローラミルの保守
    監視装置において、 前記被粉砕物を粉砕する粉砕部の荷重変動を計測する手
    段と、 この計測する手段の計測結果から前記粉砕部の各部品に
    発生するする応力および応力変動を推定する手段と、 この推定する手段から前記各部品の疲労損傷度を推定す
    る手段と、を備えていることを特徴とするローラミルの
    保守監視装置。
  2. 【請求項2】 前記荷重変動を計測する手段に代えて、
    前記油圧装置の圧力変動を計測する手段を設け、前記応
    力および応力変動を推定する手段は、前記圧力変動を計
    測する手段の計測結果から前記粉砕部の各部品に発生す
    るする応力及び応力変動を推定することを特徴とする請
    求項1記載のローラミルの保守監視装置。
  3. 【請求項3】 前記応力および応力変動を推定する手段
    は、予め各部品ごとに荷重と発生応力との関係を求めて
    おき、その関係を用いて各部品の発生応力および応力変
    動を推定することを特徴とする請求項1または2記載の
    ローラミルの保守監視装置。
  4. 【請求項4】 前記疲労損傷度を推定する手段の推定結
    果から、前記各部品の点検および/または交換時期を予
    測する手段を更に備えていることを特徴とする請求項1
    ないし3記載のローラミルの保守監視装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019111486A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 株式会社アーステクニカ 竪型ミルおよびストッパ荷重推定方法
WO2022163244A1 (ja) * 2021-01-27 2022-08-04 三菱重工業株式会社 固体燃料粉砕装置及び発電プラント、並びにローラ摩耗量監視方法

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