JP2022114066A - タイヤ用モールド、タイヤ製造方法及びタイヤ - Google Patents

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吉博 山田
Yoshihiro Yamada
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Abstract

【課題】サイプを有しかつベアーが抑制されたタイヤの提供。【解決手段】タイヤ用モールドは、ナイフブレード14を有している。このナイフブレード14は、プレート19、バンプ24及び孔26を有している。プレート19は、第一表面20及び第二表面22を有している。バンプ24は、第一表面20から凹陥しており、かつ第二表面22から凸出している。孔26は、バンプ24を貫通している。好ましくは、バンプ24は、その先端に向かってテーパーである形状を有する。バンプ24の最大径D2の、孔26の最小径D1に対する比(D2/D1)は、好ましくは、1.5以上4.0以下である。【選択図】図7

Description

本発明は、タイヤの加硫工程に用いられるモールドに関する。詳細には、本発明は、タイヤにサイプを形成するためのナイフブレードを有するモールドに関する。
タイヤの加硫工程には、モールドが用いられている。加硫工程では、予備成形されたローカバー(グリーンタイヤ)が、モールドに投入される。このローカバーは、モールドとブラダー(又は中子)とによって形成されるキャビティにおいて、加圧されつつ加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバーのゴム組成物がキャビティ内を流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。加圧の際、モールドのキャビティ面とローカバーとの間にエアーが残留すると、タイヤの表面にベアーが形成される。ベアーは、タイヤの品質を低下させる。
モールドには、ベントホールが設けられている。ベントホールは、キャビティと外気とを連通する。ローカバーとキャビティ面との間に存在するエアーは、ベントホールを通じて排出される。この排出により、ベアーが防止される。
トレッドがサイプを有するタイヤの成形には、このサイプに対応するナイフブレードを有するモールドが用いられる。ナイフブレードは、キャビティ面とローカバーとの間のスペースを仕切る。従ってナイフブレードは、キャビティ内のエアーの移動の障害となり得る。ナイフブレードは、エアーの滞留を招来する。ナイフブレードは、ベアーの一因である。
特開2004-262285公報には、孔を有するナイフブレードを備えたモールドが開示されている。この孔は、エアーの流動を促進し、ベアーを抑制する。
特開2004-262285公報
加硫工程において、孔の両側の開口がゴム組成物で塞がれると、この孔はエアーの流動に寄与し得ない。孔を有するナイフブレードが用いられた加硫においても、ベアーの抑制には改善の余地がある。
本発明の目的は、サイプを有しかつベアーが抑制されたタイヤのための、モールドの提供にある。
本発明に係るタイヤ用モールドは、
(1)キャビティ面を有する主部
及び
(2)その一部が主部に埋設され他の部分がこの主部から露出するナイフブレード
を有する。このナイフブレードは、
(2-1)第一表面及び第二表面を有するプレート、
(2-2)第一表面及び第二表面のうちの一方から凹陥しており、かつ第一表面及び第二表面のうちの他方から凸出しているバンプ
並びに
(2-3)このバンプを貫通しており、かつ主部から露出している孔
を有する。
好ましくは、バンプの形状は、その先端に向かってテーパーである。
好ましくは、バンプの最大径D2の孔の最小径D1に対する比(D2/D1)は、1.5以上4.0以下である。好ましくは、孔の最小径D1は、0.3mm以上1.0mm以下である。
好ましくは、バンプの高さHiのプレートの厚さTiに対する比(Hi/Ti)は、1.5以上3.0以下である。好ましくは、プレートの厚さTiは、0.2mm以上1.5mm以下である。
主部は、タイヤの溝に対応するリッジを有しうる。プレートがリッジに対して傾斜しても、よい。好ましくは、第一表面及び第二表面のうち、プレートがリッジに対して鋭角である側の表面から、バンプが凸出する。
他の観点によれば、本発明に係るタイヤ製造方法は、
(A)キャビティ面を有する主部とその一部が上記主部に埋設され他の部分がこの主部から露出するナイフブレードとを有しており、このナイフブレードが、互いに対向する第一表面及び第二表面を有するプレート、上記第一表面及び上記第二表面のうちの一方から凹陥しておりかつ上記第一表面及び上記第二表面のうちの他方から凸出しているバンプ並びに上記バンプを貫通しておりかつ上記主部から露出している孔を有する、タイヤ用モールドに、ローカバーを投入する工程、
並びに
(B)上記モールド内で上記ローカバーを加圧及び加熱する工程
を含む。
さらに他の観点によれば、本発明に係るタイヤは、第一ブロックと、第二ブロックと、この第一ブロック及び第二ブロックの間に位置するサイプとを有するトレッドを備える。第一ブロックは、第二ブロックと対向する第一側面と、この第一側面から凸出する突起とを有する。第二ブロックは、第一ブロックと対向する第二側面と、この第二側面から凹陥するホールとを有する。突起のチップは、ホールに収容されている。
本発明に係るモールドでは、孔がゴム組成物で塞がれることが、抑制される。このモールドにより、ベアーの少ないタイヤが得られうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ用モールドの一部が示された平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った拡大断面図である。 図3は、図2のモールドのエレメントが示された正面図である。 図4は、図3のエレメントが矢印Aの方向から見られた拡大図である。 図5(a)は図4のエレメントのナイフブレードが示された平面図であり、図5(b)はその正面図である。 図6は、図5のナイフブレードの一部が示された拡大正面図である。 図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。 図8は、図7のナイフブレードの一部が示された拡大図である。 図9は、図6のIX-IX線に沿った断面図である。 図10は、図9のナイフブレードの一部が示された拡大図である。 図11は、図4のエレメントの一部が示された拡大図である。 図12は、図1のモールドによって成形されたタイヤの一部が示された断面図である。 図13は、図12の矢印XIIIで示されたゾーンが示された拡大図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び2に示されたタイヤ用モールド2は、多数のエレメント4と、上下一対のサイドプレート6と、上下一対のビードリング8とを備えている。それぞれのエレメント4の平面形状は、実質的に扇形である。多数のエレメント4が連結され、リング状を呈している。エレメント4の数は、通常3以上20以下である。それぞれのサイドプレート6は、実質的にリング状である。それぞれのビードリング8は、実質的にリング状である。図2には、モールド2と共に、ローカバーRCも示されている。このモールド2は、いわゆる「割モールド」である。いわゆる「ツーピースモールド」も、採用されうる。
図3及び4には、エレメント4が示されている。図3及び4において、矢印Xは軸方向を表し、矢印Yは半径方向を表し、矢印Zは周方向を表す。このエレメント4は、ホルダー10、トレッドセグメント12及びナイフブレード14を有している。本実施形態では、トレッドセグメント12は、主部でもある。セグメント12は、図示されないボルトにより、ホルダー10に固定されている。セグメント12は、キャビティ面16を有している。キャビティ面16は、複数のリッジ18を備えている。このリッジ18は、タイヤのトレッドの溝に対応する。このリッジ18により、タイヤにトレッドパターンが形成される。図2では、リッジ18の図示が省略されている。
図3から明らかなように、ナイフブレード14の一部は、セグメント12に埋設されている。ナイフブレード14の他の部分は、セグメント12から露出している。図4に示されるように、本実施形態では、ナイフブレード14はリッジ18に対して傾斜している。換言すれば、ナイフブレード14の延在方向とリッジ18の延在方向とのなす角度は、90°未満である。この角度は、好ましくは、30°以上75°以下である。
図5(a)は図4のエレメント4のナイフブレード14が示された平面図であり、図5(b)はその正面図である。このナイフブレード14は、プレート19を有している。このプレート19は、第一表面20及び第二表面22を有している。本実施形態では、第二表面22は、第一表面20と平行である。第二表面22は、第一表面20の裏側に位置している。このナイフブレード14はさらに、第一バンプ24a、第一孔26a、第二バンプ24b、第二孔26b、第三バンプ24c、第三孔26c、第四バンプ24d、第四孔26d、第五バンプ24e及び第五孔26eを有している。このナイフブレード14は、5つのバンプ24を有しており、5つの孔26を有している。バンプ24及び孔26の数は1でもよく、2でもよく、3でもよく、4でもよく、6以上でもよい。図5(b)における二点鎖線は、キャビティ面16を表す。それぞれのバンプ24は、キャビティ面16の近くに位置している。バンプ24は、セグメント12から露出している。
図6は、図5のナイフブレード14の一部が示された拡大正面図である。図6には、第二表面22、第二バンプ24b、第二孔26b、第三バンプ24c及び第三孔26cが示されている。
図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。図8は、図7の断面の一部が示された拡大図である。図7及び8には、ナイフブレード14の、第二バンプ24bの近傍が示されている。図7及び8には、第二孔26bも示されている。この第二孔26bは、第二バンプ24bを貫通している。第二バンプ24bは、内周面28、外周面30及び先端32を有している。第二バンプ24bは、第一表面20から凹陥しており、第二表面22から凸出している。図6-8から明らかなように、第二バンプ24bの形状は、概して円錐台である。換言すれば、第二バンプ24bは、先端32に向かってテーパーな形状を有している。第二孔26bの内径も、先端32に向かって徐々に小さくなる。第二孔26bの内径は、先端32において最も小さい。このナイフブレード14の、第二バンプ24bを含む総厚さは、プレート19の厚さよりも大きい。従って、テーパーであるにも関わらず、第二バンプ24bの加工は容易である。さらに、内径が先端32に向かって徐々に小さくなるにも関わらず、第二孔26bの加工は容易である。
詳細な図示は省略されるが、第一バンプ24aは、第二バンプ24bの形状と同じ形状を有している。従って、第一バンプ24a及び第一孔26aの加工も、容易である。
図9は、図6のIX-IX線に沿った断面図である。図10は、図9の断面の一部が示された拡大図である。図9及び10には、ナイフブレード14の、第三バンプ24cの近傍が示されている。図9及び10には、第三孔26cも示されている。この第三孔26cは、第三バンプ24cを貫通している。第三バンプ24cは、内周面28、外周面30及び先端32を有している。第三バンプ24cは、第二表面22から凹陥しており、第一表面20から凸出している。図6、9及び10から明らかなように、第三バンプ24cの形状は、概して円錐台である。換言すれば、第三バンプ24cは、先端32に向かってテーパーな形状を有している。第三孔26cの内径も、先端32に向かって徐々に小さくなる。第三孔26cの内径は、先端32において最も小さい。このナイフブレード14の、第三バンプ24cを含む総厚さは、プレート19の厚さよりも大きい。従って、テーパーであるにも関わらず、第三バンプ24cの加工は容易である。さらに、内径が先端32に向かって徐々に小さくなるにも関わらず、第三孔26cの加工は容易である。
詳細な図示は省略されるが、第四バンプ24dは、第三バンプ24cの形状と同じ形状を有している。第五バンプ24eは、第三バンプ24cの形状と同じ形状を有している。従って、第四バンプ24d及び第四孔26d並びに第五バンプ24e及び第五孔26eの加工も、容易である。
図8及び10の対比から明らかなように、第三バンプ24cは、第二バンプ24bの形状と鏡面対称な形状を有している。
このナイフブレード14は、3Dプリンターが用いられた造形法によって製作されうる。母材プレートにプレス加工等の塑性加工が施されることでも、このナイフブレード14は得られうる。
このモールド2が用いられたタイヤ製造方法では、まず、予備成形工程によってローカバーRCが得られる。次に、モールド2が開いておりブラダーが収縮している状態で、ローカバーRCがモールド2に投入される。この段階では、ローカバーRCのゴム組成物は、未架橋状態である。次に、モールド2が締められ、ブラダーが膨張する。ローカバーRCはブラダーによってモールド2のキャビティ面16に押しつけられ、加圧される。この状態のローカバーRCが、図2に示されている。同時にローカバーRCは、加熱される。加圧と加熱とにより、ゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。このタイヤは、トレッドに溝及びサイプを有する。この溝は、リッジ18によって形成される。サイプは、ナイフブレード14によって形成される。このサイプを備えたトレッドの剛性は、適正である。ローカバーRCが加圧及び加熱される工程は、加硫工程と称される。ブラダーに代えて、中子が用いられてもよい。
加硫工程の初期において、キャビティ面16とローカバーRCとの間にはエアーが存在する。ゴム組成物がキャビティ面16に押し付けられるとき、ナイフブレード14によって仕切られた一方のスペースから他方のスペースへと、孔26を通じてエアーが移動する。移動したエアーは、図示されない既知の手段(例えばベントホール)を介して、モールド2の外へと排出される。この排出は、タイヤの表面におけるベアーの発生を抑制する。孔26を通じてのエアーの移動は、ベントホールの数が少ないことを許容する。ベントホールの数が少ないモールド2から得られたタイヤでは、このベントホールに起因するスピューの数が少ない。このタイヤは、外観に優れている。
前述の通り、孔26はバンプ24を貫通している。従って、加硫工程の初期において第一表面20及び第二表面22にゴム組成物が密接しても、バンプ24によって孔26の通気性が維持されうる。孔26とバンプ24との組み合わせは、エアーの移動を促進する。このモールド2により、サイプを有しかつベアーが少ないタイヤが、得られうる。
加硫工程においてゴム組成物の流動が進行するに従って、ローカバーのゴム組成物は、孔26を通過する。従って、加硫後のタイヤにおいてサイプを挟んで存在する2つのブロックは、架橋ゴムで繋がっている。タイヤが脱型されるとき、この架橋ゴムは、ナイフブレード14によって破断させられる。前述の通り、孔26の内径が先端32において最も小さいので、この先端32の近傍において円滑に架橋ゴムが破断しうる。
加硫工程においてエアーは、先端32に向かって孔26を通過しうる。孔26の内径が先端32に向かって徐々に小さくなっているので、ゴム組成物の移動に伴うエアーの移動が加速される。孔26の形状は、ベアーの抑制に寄与しうる。
一方、エアーが先端32から進入して逆方向へと進むこともある。この場合、エアーが滞留しやすい箇所に先端32を位置させることで、ベアーが抑制される。バンプ24の凸出は、ベアーの抑制に寄与しうる。
図11は、図4のエレメント4の一部が示された拡大図である。図11には、下リッジ18a、上リッジ18b及びナイフブレード14が示されている。ナイフブレード14は、第一表面20、第二表面22、第一バンプ24a、第二バンプ24b、第三バンプ24c、第四バンプ24d及び第五バンプ24eを有している。第一表面20と下リッジ18aとのなすコーナーの角度は、鈍角である。第二表面22と下リッジ18aとのなすコーナーの角度は、鋭角である。第一表面20と上リッジ18bとのなすコーナーの角度は、鋭角である。第二表面22と上リッジ18bとのなすコーナーの角度は、鈍角である。
図11に示された5つのバンプ24の中で、下リッジ18aに最も近接しているのは、第一バンプ24aである。この第一バンプ24aは、第二表面22から凸出している。換言すれば、第一バンプ24aは、下リッジ18aに対して鋭角である側の表面から凸出している。第二表面22と下リッジ18aとのなすコーナーには、鋭角であるが故に、ベントホールの形成が困難である。このコーナーの近傍のエアーは、第一バンプ24aの先端32から第一孔26aに進入しうる。エアーが第一孔26aを通過して移動することで、このコーナーにおけるベアーの発生が抑制される。
図11に示された5つのバンプ24の中で、上リッジ18bに最も近接しているのは、第五バンプ24eである。この第五バンプ24eは、第一表面20から凸出している。換言すれば、第五バンプ24eは、上リッジ18bに対して鋭角である側の表面から凸出している。第一表面20と上リッジ18bとのなすコーナーには、鋭角であるが故に、ベントホールの形成が困難である。このコーナーの近傍のエアーは、第五バンプ24eの先端32から第五孔26eに進入しうる。エアーが第五孔26eを通過して移動することで、このコーナーにおけるベアーの発生が抑制される。
図8及び10において矢印D1は、孔26の最小径を表す。内周面28の直径のうち最も小さいものが、最小径D1である。孔26の輪郭形状が円でない場合、孔26の輪郭形状の面積と同じ面積を有する円が想定され、直径が算出される。
図8及び10において矢印D2は、バンプ24の最大径を表す。外周面30の直径のうち最も大きいものが、最大径D2である。バンプ24の輪郭形状が円でない場合、バンプ24の輪郭形状の面積と同じ面積を有する円が想定され、直径が算出される。
バンプ24の最大径D2の、孔26の最小径D1に対する比(D2/D1)は、1.5以上が好ましい。比(D2/D1)が1.5以上であるモールド2では、バンプ24がベアーの抑制に十分に寄与する。この観点から、比(D2/D1)は1.8以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。孔26がキャビティ面16の近くに位置しうるとの観点から、比(D2/D1)は、4.0以下が好ましい。
孔26の最小径D1は、0.3mm以上が好ましい。最小径D1が0.3mm以上であるモールド2では、ベアーが抑制されうる。この観点から、最小径D1は0.4mm以上がより好ましく、0.5mm以上が特に好ましい。脱型の容易の観点から、最小径D1は1.0mm以下が好ましい。
図8及び10において、矢印Hiはバンプ24の高さを表し、矢印Tiはプレート19の厚さを表す。高さHiの厚さTiに対する比(Hi/Ti)は、1.5以上が好ましい。比(Hi/Ti)が1.5以上であるモールド2では、バンプ24がベアーの抑制に十分に寄与する。この観点から、比(Hi/Ti)は1.8以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。脱型の容易の観点から、比(Hi/Ti)は3.0以下が好ましい。適切な幅を有するサイプが得られるとの観点から、プレート19の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下が好ましい。
図12は、図1のモールド2によって成形されたタイヤ34の一部が示された断面図である。図12には、トレッド36が示されている。図12において符号38は、トレッド面を表す。トレッド36は、第一ブロック40と、第二ブロック42と、サイプ44とを有している。このサイプ44は、第一ブロック40及び第二ブロック42の間に位置している。
図13は、図12の矢印XIIIで示されたゾーンが示された拡大図である。第一ブロック40は、第一側面46と突起48とを有している。第一側面46は、第二ブロック42と対向している。突起48は、第一側面46から凸出している。第二ブロック42は、第二側面50とホール52とを有している。第二側面50は、第一ブロック40と対向している。ホール52は、第二側面50から凹陥している。サイプ44は、プレート19に対応する。突起48及びホール52は、バンプ24に対応する。
突起48のチップ54は、ホール52に収容されている。本実施形態では、このチップ54は、ホール52のボトム56に当接している。チップ54が、ボトム56から離間してもよい。チップ54がボトム56から離間する場合、チップ54とボトム56との隙間がサイプ44の幅Wiよりも小さいことが好ましい。
図12における右向きの力がトレッド36にかかると、第一ブロック40及び第二ブロック42が右向きに変形する。変形量は、トレッド面38の近くにおいて大きい。この変形により、チップ54は上を向く。この変形により、突起48の外周面が、その上方において、ホール52の内周面と接触する。この接触は、トレッド36のさらなるの変形を阻止する。
図12における左向きの力がトレッド36にかかると、第一ブロック40及び第二ブロック42が左向きに変形する。変形量は、トレッド面38の近くにおいて大きい。この変形により、チップ54は下を向く。この変形により、突起48の外周面が、その下方において、ホール52の内周面と接触する。この接触は、トレッド36のさらなるの変形を阻止する。このトレッド36では、ブロックの過剰の変形が抑制されうる。このトレッド36は、剛性に優れる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1-11に示されたモールドを用意した。このモールドのナイフブレードの厚さTiは、1.0mmであった。このナイフブレードは、5つのバンプを有していた。それぞれのバンプの高さHiは、2.0mmであった。それぞれのバンプには、孔が貫通していた。この孔の最小径D1は1.0mmであり、バンプの最大径D2は2.0mmであった。このモールドにローカバーを投入し、加圧及び加熱して、タイヤを得た。このタイヤのサイズは、195/65R15であった。
[実施例2-4]
バンプの最大径D2を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-4のタイヤを得た。
[実施例5-7]
バンプの高さHiを下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5-7のタイヤを得た。
[比較例1]
ナイフブレードにバンプを設けなかった他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。
[外観不良]
10本のタイヤの外観を目視で観察し、ベアーの数をカウントした。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
[変形量]
タイヤをリムに組み込んだ。このタイヤに空気を充填し、内圧を220kPaとした。このタイヤのブロックに10kgfの横向きの力をかけ、このブロックの変形量(倒れ込みの距離)を測定した。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 2022114066000002
Figure 2022114066000003
表1及び2に示されるように、各実施例のモールドにより、高品質なタイヤが得られうる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るモールドにより、種々の車両のためのタイヤが得られうる。
2・・・モールド
4・・・エレメント
12・・・セグメント
14・・・ナイフブレード
16・・・キャビティ面
18・・・リッジ
19・・・プレート
20・・・第一表面
22・・・第二表面
24・・・バンプ
26・・・孔
28・・・内周面
30・・・外周面
32・・・先端
34・・・タイヤ
36・・・トレッド
40・・・第一ブロック
42・・・第二ブロック
44・・・サイプ
46・・・第一側面
48・・・突起
50・・・第二側面
52・・・ホール

Claims (9)

  1. (1)キャビティ面を有する主部
    及び
    (2)その一部が上記主部に埋設され他の部分がこの主部から露出するナイフブレード
    を備えたタイヤ用モールドであって、
    上記ナイフブレードが、
    (2-1)第一表面及び第二表面を有するプレート、
    (2-2)上記第一表面及び上記第二表面のうちの一方から凹陥しており、かつ上記第一表面及び上記第二表面のうちの他方から凸出しているバンプ
    並びに
    (2-3)上記バンプを貫通しており、かつ上記主部から露出している孔
    を有するタイヤ用モールド。
  2. 上記バンプの形状がその先端に向かってテーパーである請求項1に記載のモールド。
  3. 上記バンプの最大径D2の上記孔の最小径D1に対する比(D2/D1)が、1.5以上4.0以下である請求項1又は2に記載のモールド。
  4. 上記孔の最小径D1が0.3mm以上1.0mm以下である請求項3に記載のモールド。
  5. 上記バンプの高さHiの上記プレートの厚さTiに対する比(Hi/Ti)が、1.5以上3.0以下である請求項1から4のいずれかに記載のモールド。
  6. 上記プレートの厚さTiが0.2mm以上1.5mm以下である請求項5に記載のモールド。
  7. 上記主部が、上記タイヤの溝に対応するリッジを有しており、
    上記プレートが上記リッジに対して傾斜しており、
    上記第一表面及び上記第二表面のうち、上記プレートが上記リッジに対して鋭角である側の表面から、上記バンプが凸出している請求項1から6のいずれかに記載のモールド。
  8. (A)キャビティ面を有する主部とその一部が上記主部に埋設され他の部分がこの主部から露出するナイフブレードとを有しており、このナイフブレードが、互いに対向する第一表面及び第二表面を有するプレート、上記第一表面及び上記第二表面のうちの一方から凹陥しておりかつ上記第一表面及び上記第二表面のうちの他方から凸出しているバンプ並びに上記バンプを貫通しておりかつ上記主部から露出している孔を有する、タイヤ用モールドに、ローカバーを投入する工程、
    並びに
    (B)上記モールド内で上記ローカバーを加圧及び加熱する工程
    を備えたタイヤ製造方法。
  9. 第一ブロックと、第二ブロックと、上記第一ブロック及び上記第二ブロックの間に位置するサイプとを有するトレッドを備えており、
    上記第一ブロックが、上記第二ブロックと対向する第一側面と、この第一側面から凸出する突起とを有しており、
    上記第二ブロックが、上記第一ブロックと対向する第二側面と、この第二側面から凹陥するホールとを有しており、
    上記突起のチップが上記ホールに収容されているタイヤ。
JP2021010179A 2021-01-26 2021-01-26 タイヤ用モールド、タイヤ製造方法及びタイヤ Pending JP2022114066A (ja)

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