JP2022106015A - 墜落制止用器具のハーネス - Google Patents

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【課題】軽量かつ脱着が容易で、動きやすく、墜落時には、最小の可動距離で身体を衝撃から守る墜落制止用器具のハーネスを提供する。【解決手段】伸張性を持った素材によりネット状に組まれたつなぎ衣類様のハーネス10とし、背面にロープ30a及びフック30bが接続された構造とすることにより、軽量化や脱着のしやすさと合わせて、墜落時には、ネットが伸長することにより、衝撃を吸収するショックアブソーバーの役割も担う事ができる。【選択図】 図4

Description

本発明は、高所における作業者の落下防止のために使用される墜落制止用器具の一部を構成するハーネスに関する。
従来、建設工事現場等の高所からの墜落・転落災害は、建設業における労働災害のうちで最も多くを占め、建設業での休業4日以上の死傷災害全体の34.1%を占めているところである(厚生労働省 令和元年労働災害発生状況)。こうした墜落・転落災害を防止するため、建設工事現場等においては、高さが2メートル以上の場所で、危険防止用に作業床や囲い、手すり、覆い等を設置することができない場合、労働安全衛生法第21条第2項同法施行規則第518条及び519条により、要求性能を具備した墜落制止用器具を使用させる等、墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならないとされている。
以下に記述する平成30年6月の省令改正以前には、法令が求める仕様として、胴ベルト一本だけでロープとフック(ランヤード)と連結された構造の安全帯(以下「胴ベルト型安全帯」という。特許文献1に例示)が使用されていれば適法とされていた。しかしながら、胴ベルト型安全帯では、墜落時に衝撃で身体が胴ベルトから抜け出してしまったり、抜け出さなくても、宙づり状態となった時に胸部や腹部に衝撃が集中することによって身体に重篤な障害が生じたり、最悪の場合は死亡したりする事案が発生したことから、欧米諸国では、かねてより胴ベルト型安全帯の使用は禁止されていたところである。
我が国においても、平成30年6月に労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)、労働安全衛生規則(昭和47年労働省告示第32号)及び安全衛生特別教育規定(昭和47年労働省告示第92号)が改正され、危険性の高い胴ベルト型安全帯に代わり、複数のベルトで体躯を保持し、墜落時にロープが延びることにより衝撃を吸収するショックアブソーバーなどを具備した構造を有する器具として、いわゆるフルハーネス型安全帯(特許文献2に例示)の使用が令和4年1月から義務付けられたところであり、併せて従来の「安全帯」との法令上の記述が、「墜落制止用器具」へと改められたところである。フルハーネス型の墜落制止用器具は、墜落時に複数のベルトで身体を拘束し、また衝撃を分担できることから、胴ベルト型安全帯に比較して安全性が高いと考えられる。
特許第5052471号公報(胴ベルト型安全帯の例) 特開2009-5765号公報(フルハーネス型安全帯の例)
しかしながら、フルハーネス型の墜落制止用器具は、複数のベルトを組み合わせてハーネスの部分が構成されているため、保管時にベルト同士が絡まりやすく、装着するたびに絡まったベルトを解いて展開しなければならなかったり、装着してからも個人の体格に合わせて長さを調整したり、複数の接続金具の連結調整をしたりといった煩雑な作業を要することから、装着そのものが面倒で、時間や手間がかかるという問題がある。また、装着時の重量(平均して約1.3キログラムから3キログラム程度)が負担となり、さらには身体中にベルトを這わせているため、作業者が動きづらいという問題もある。
さらには、フルハーネス型墜落制止用器具の着用が義務付けられているのは、高さ6.57メートル以上(建設業においては5メートル以上)とされており、比較的低い2メートル以上6.75メートル未満の高さにおいては、従来の胴ベルト型安全帯の着用も引き続き認められている。その理由としては、比較的低い高さの場合、フルハーネス型安全帯ではショックアブソーバーの可動に必要な距離を確保できないことが挙げられる。
すなわち、フルハーネス型墜落制止用器具で併用するショックアブソーバーは、墜落時に負荷がかかりつつ、ロープが延びることによって衝撃を吸収する構造となっているため、一定の可動距離を確保することが不可欠となっており、さらには、作動時に胸部への負荷を軽減するため、やや前傾の立位姿勢となる様にロープ取り付け箇所が重心より上方に位置し、これにより比較的低い高さからの落下においては、衝撃を吸収しきれないまま可動距離を超えて作業者が足から地面に激突するおそれがある。このため、比較的低い高さの作業においては、本来なら胴ベルト型より安全性が高いはずのフルハーネス型安全帯を用いた方がむしろ危険な場合があり、この場合は敢えて安全性の低い胴ベルト型安全帯の使用を余儀なくされるという問題がある。
そこで本発明は、より安全性を高めた墜落制止用器具のハーネスを提供するものである。
本発明は、胴ベルトあるいは複数のベルトにより組まれたものに代えて、作業者の体躯を包み込むような着衣形状に形成された墜落制止用器具のハーネスであり、ランヤードに連結して用いることができる。また、本発明のハーネスは、墜落時に作業者の体躯を保持して衝撃を吸収可能な所定の強度及び伸長性を有する素材、例えば化学繊維等の素材を用いたものである。このような素材を用いて着衣形状に形成されたハーネスは、装着時に作業者(装着者)の体躯を包み込むようにしてフィットするため、作業者の自由な動きを阻害することがない。
また、ハーネスは使用していない間も着衣形状であることから、汎用のハンガーにかけた状態で整理保管しておくことができる上、使用時の装着作業も容易となる。また、本発明のハーネスは、複数のベルトにより組まれて各所に調整金具を有する構造のハーネス(フルハーネス型)よりも軽量に製作可能であることから、それだけ作業者の負担重量を少なくすることができる。
そして、墜落時には、作業者の体躯を包み込んでいるハーネス自身が全体的に伸張して衝撃を広範囲に分散して吸収する。これにより、1箇所(一部区間)だけで吸収するショックアブソーバーに比較して落下距離(墜落制止までの距離)を短く抑えるとともに、作業者の身体にかかる衝撃を体表面に広く分散し、墜落時の作業者の安全性をより高めることができることから、フルハーネス型のような動作時に胸部への圧迫を軽減するための立位姿勢をとる必要はなく、低い高さからの動作時にも、より地面と平行な姿勢をとる事が可能となり、さらには、衝撃吸収のための可動距離がフルハーネス型に比べて短縮されていることから、現状で胴ベルト型安全帯の使用が認められる低い高さでの作業にも適用可能であり、胴ベルト型及びフルハーネス型安全帯に内在する身体への危険性を取り除くことができる。
また、本発明のハーネスは、上記の素材を用いたネット(例えば落下防止ネットのようなもの)が着衣形状に形成された態様である。すなわち、本発明では、複数のベルトにより組まれたフルハーネスの代わりに、必要な強度と伸長性を有した素材によりネット状に組まれた衣類様のハーネスとすることができる。このような衣類様(着衣形状)のハーネスを作業者が着用することにより、墜落時には、素材やネット自体の伸張力により可動距離を短くおさえ、身体にかかる衝撃を分散吸収して安全性を高め、もって脱着を容易にし、軽量化を図ることができる。
あるいは、本発明のハーネスは、上記の素材を用いた生地(布地)が着衣形状に形成されている態様であってもよい。さらには、本発明のハーネスは、上記の素材を用いた編物等のニット生地が着衣形状に形成されている態様であってもよい。この場合も同様に、本発明では、必要な強度と伸長性を有した素材により織られた(又は編まれた)衣類様のハーネスとすることができ、上記と同様に機能する。
本発明のハーネスは、身頃部分が留め具を用いて開閉可能であるものとすることができる。これにより、着衣形状(衣類形状)としたハーネスの脱ぎ着が容易となり、使用時の利便性をより高めることができる。
本発明によれば、より安全性を高めた墜落制止用器具のハーネスを提供することができる。
一実施形態のハーネス10を用いたネット型墜落制止用器具20の正面側斜視図である。 ネット型墜落制止用器具20の背面図である。 ネット型ハーネス10を用いた墜落制止用器具20の装着形態を一例として示す図である。 墜落時にネットの伸張により衝撃が吸収されている様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態のハーネス10を用いたネット型墜落制止用器具20の正面側斜視図である。また、図2は、ネット型墜落制止用器具20の背面図である。
ネット型墜落制止用器具20は、ハーネス10及びランヤード30を備えており、ハーネス10の背部(後身頃部分)にランヤード30が連結されている。ランヤード30は、例えば公知のロープ30a及びその先端のフック30bで構成されているが、ロープ30aに公知のショックアブソーバーが組み込まれていてもよい。また、ハーネス10とランヤード30(ロープ30aの基端)との連結には、例えば当て布10a(補強パッチ)を介した縫い付けや、接着、溶着といった公知のボンディング手法を用いることができる他、ハーネス10に公知のDリングを取り付けてランヤード30と連結する手法を用いることもできる。
ハーネス10は、全体が着衣形状(衣服形状)に形成されており、具体的には、網目状のネットにより構成されたウエットスーツ等の衣類と同様な上下の部分がつながった、つなぎスーツスタイルとなっている。
すなわち、ハーネス10は、一続きにつながった上衣部12及び下衣部14を有する他、上衣部14のアームホールから先には一対の袖部16を有している。また、下衣部14はヒップ部14a及び一対のわたり部14bを有している。なお、ハーネス10は、袖部16やわたり部14bを有していない着衣形状であってもよい。また、襟の形状が図1に示すような丸首型ではなく、その他のVネック型やUネック型であってもよい。
ハーネス10の各部(上衣部12、下衣部14、袖部16)には、例えばネット(網地)を用いることができる。作図の都合上、図1、図2等では簡略化して平面的に示しているが、実際のネットの網目模様は立体的に現れるものであり、また、上衣部12と袖部16とでは網目の向きが違っていることがある。また、図1、図2等では図示の手前側のみ網目模様を示しているが、実際には隙間(網目の間)に奥側の網目模様が重なって見えている。
図1中の一点鎖線で囲んだ拡大図に示されているように、ネットは撚糸S(網糸)を網目に組んで構成されており、本実施形態では、格子方向でみた網目の大きさPを例えば20mm~30mm程度としている。なお、使用するネットは有結節網地又は無結節網地のいずれでもよく、本実施形態では、例えば交差部Cが組節である無結節網地が好適に用いられている。
ネットの網目の大きさPは、墜落時に作業者の体躯を包み込んで保持できる範囲で適宜に設定することができる。また、網目の大きさPは、墜落時に身体にかかる面圧を試算した上で、負担を抑えた安全な面圧となる範囲に設定することが好ましい。
また、ハーネス10(撚糸S)の素材には、所定の強度及び伸長性を有した合成繊維(例えばナイロン繊維)が好適に用いられる。したがって、ハーネス10の素材に要求される強度及び伸長性は、例えば一般的なナイロン繊維の機械的性質(引張強さ、引張弾性率)によって例示することができる。
着衣形状をなすハーネス10の袖山やアームホールをはじめ、前身頃と後身頃との間等の位置には適宜、シームM(縫い目、合わせ目)が形成されているが、特にシームMを形成することが必須とされているものではない。
また、着衣形状をなすハーネス10の襟ぐりや袖口、裾口には適宜、縁取りが設けられているが、このような縁取りを設けることが特に必須とされているものではない。なお、本実施形態では特に設けていないが、ハーネス10に裏地を設けるか否かは任意である。
ハーネス10の身頃部分(本実施形態では前身頃部分)は、例えばファスナーFによって左右に開閉可能となっている。ファスナーFには、例えばエレメントが金属のもの、樹脂のもの等を用いることができる。図1では、ファスナーFが襟ぐりから下方に延びて上衣部12を左右に開閉可能な長さとなっているが、ファスナーFが下衣部14(ヒップ部14aの股の位置)までを大きく左右に開閉可能な長さを有していてもよい。また、ファスナーFは中心から左右どちらかにオフセットした位置にあってもよいし、ハーネス10の後身頃部分に設けられていてもよい。あるいは、スライダー式のファスナーFに代えて、面ファスナーを用いてもよいし、ボタンやスナップ、バックル等を留め具に用いてもよい。
〔装着例〕
図3は、ネット型ハーネス10を用いた墜落制止用器具20の装着形態を一例として示す図である。作業者(使用者、装着者)Hは、指定された高所での作業に従事する際、通常の作業着の上から本実施形態のネット型ハーネス10を重ね着して装用することができる。
ハーネス10は、使用前の状態ではこれをハンガー等にかけて吊し、プレハブ建屋等にて容易に整理保管しておくことができる。したがって、作業者Hは、ハーネス10の装着のたびに絡まったベルトを解いたり、前後上下を確かめるために展開したりする必要がなく、スピーディにハーネス10の装着に取りかかることができる。
装着時には、ファスナーFを開いたハーネス10の見頃部分から、わたり部14b及び袖部16に作業者Hが手脚を通し、ファスナーF(もしくはボタン等)のスライダーを首元まで引き上げるだけでネット型墜落制止用器具20の装着が完了となる。このときハーネス10は、素材自身の持つ性質によって伸縮することができるため、通常の作業着の上に重ね着した状態でも、作業者Hの体格に合わせて柔軟にフィットする。また、複数のベルトを身体に這わせるようなことがないので、装着した状態でも作業者Hの自由な動作を阻害することがない。ファスナーFを股の位置まで延長したものであれば、男子作業者Hの小用時にも利便である。
ハーネス10は、例えば全体又は一部分に蛍光色の素材を用いることで、装着時の視認性を高めることができる。また、蛍光色は作業者Hの作業場所や所属、職種、職位等によって色分けしたり、階調に差を設けたりしてもよい。さらに、光反射性の素材を組み込めば、夜間や暗所作業時の視認性をも向上することができる。
また、ハーネス10は、ファスナーFの他は基本的にネット(網地)だけで構成されているため、複数のベルトを組んだものや、各所に調整用の金具を取り付けたものに比較して、極めて軽量(例えば、平均500~1000グラム)である。したがって、ハーネス10の重量が作業者Hにとって大きく負担となることがない。
さらに、ハーネス10が作業者Hの体躯を包み込むような形態であっても、ネット(網地)そのものが高い通気性を有するため、気温が高い場所等においても作業者Hに不快感を抱かせにくい。また、網目の部分を通して作業着の胸ポケット等にも容易にアクセスできるため、ハーネス10を装着したまま筆記具等を胸ポケット等から容易に出し入れすることができる。
ハーネス10の背面には、フルハーネス型安全帯と同様に、ショックアブソーバーやロープ30a及びフック30bがつながる構造を有することとなる。その上で、本実施形態のハーネス10では、墜落時のネットの伸長により、可動距離をショックアブソーバーより短く抑えられること、もしくは、ネットを構成する素材の性質を適切に選定することにより、ショックアブソーバーと同程度の衝撃吸収力を発揮することができる。このため、ハーネス10の背面には単にロープ30aの接合のみとして、墜落制止用器具20としてショックアブソーバー装置を省略することも可能となる。
〔墜落時〕
図4は、墜落時にネットの伸張により衝撃が吸収されている様子を示す図である。万一の墜落時には、高所作業場所の適宜な構造物T(親綱等を含む)にフック30bで掛止されたランヤード30とハーネス10によって作業者Hの墜落が制止される。このときハーネス10は、ネット全体が伸長することで、吊り下げられた作業者Hの身体への衝撃を穏やかに吸収できるとともに、身体にかかる圧力を体表面の広い範囲に分散させることができる。
この点、胴ベルト型安全帯やフルハーネス型安全帯では、墜落時にベルト部分だけで身体を保持することになるため、どうしても身体に及ぼす衝撃が帯状の狭い範囲だけに集中し、面圧が高くなってしまう(内蔵圧迫や内出血を生じる)という問題があるが、本実施形態のハーネス10であれば、体躯を包み込むような着衣形状のネット全体で身体を保持するため、それだけ身体に及ぼす面圧を小さくすることができ、身体への負担や衝撃を大きく緩和することができる。本発明の発明者が行った試算によると、墜落時にロープ30aに掛かる荷重を4kNとし、フルハーネス型安全帯(ベルト幅45mm、体表負荷面積76,500mm)が身体に及ぼす面圧(例えば0.0523MPa)に対し、本実施形態のハーネス10(体表負荷面積200,000mm)が及ぼす面圧は、例えば38%程度以下に抑えられることが分かっている。
また、ハーネス10は、墜落時にネット全体が広範囲に伸長して位置エネルギーを吸収するため、特定の一箇所(一区間)だけで位置エネルギーを吸収するショックアブソーバーに比較すると、墜落時の可動距離Lを短縮することができる。本発明の発明者が行った試算によると、一般的なショックアブソーバー装置に必要な可動距離(例えば1.4m)に対し、本実施形態のハーネス10の可動距離Lは、例えば50%程度以下に抑えられることが分かっている。
したがって、墜落制止用器具20としてのショックアブソーバー装置を廃止することにより、使用条件がフルハーネス型に比べて短い落下距離となり、比較的低い高さからの落下においても、作業者Hの地面への激突のおそれは低くなることが期待できる。これにより、危険性が高いとされる同ベルト型安全帯に代替し、本実施形態のハーネス10を用いた墜落制止用器具20を2メートル以上6.75メートル未満(建設業においては5メートル未満)の高さにおいても使用可能にする。
ハーネス10の背面にロープ30aを連結する位置は、装着状態で身体の重心近くになることが好ましい。これにより、墜落時に作業者Hの懸垂姿勢を水平伏臥の方向に近づけ、下肢から落下することによる地面との激突や揺動を防止することができる。ハーネス10が着衣形状であるため、ロープ30aを連結する位置の自由度が高く、重心との位置関係の調節も容易である。したがって、本発明は、「ランヤード(ロープ)を連結する位置が身頃部分の全範囲内で変更可能」という特徴をも有することになる。
以上のように、本実施形態のネット型ハーネス10の着用は、例えばウエットスーツ等を着用する感覚で容易となり、胸のファスナーFを閉じれば短時間で着用完了となる。また、従来のベルト及び結合金具、ショックアブソーバー装置の省略、かつ、軽量かつ柔軟なネット素材の使用により、軽量化及び機能的な動きが図られるという多大な利点がある。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上述した一実施形態に制約されるものではなく、種種に変形して実施することができる。
一実施形態では、ハーネス10をネット(網地)により構成していたが、ナイロン繊維素材を用いた織布、編物等の生地で図1に示すような着衣形状のハーネスを構成することもできる。この場合でも、一実施形態と同様に装着の容易さや利便性を得ることができるし、素材の持つ強度及び伸長性により、墜落時には織布や編物等の生地が全体的に伸長して作業者の身体を保持し、衝撃を吸収して可動距離を短く抑えることができる。
一実施形態では、ハーネス10の素材をナイロン繊維としていたが、これに限定されない。素材の選定は、構造規格(平成31年1月25日厚生労働省告示第11号)に定められた15kNの引っ張り荷重をロープ30aに掛けた場合に破断しない基準を満たすものとし、例えば、公知の一定の荷重以上で断裂する繊維が織り込まれてエネルギーを吸収する事ができる撚糸Sを使用することにより、ショックアブソーバーの効果をさらに増大させる事ができるなど、本発明の実施に際して適宜に採用することができる。
その他、図示とともに挙げた各部の形状や構造はあくまで好ましい例示に過ぎず、これらを適宜に変形して本発明を実施可能であることはいうまでもない。
10 ハーネス
20 ネット型墜落制止用器具
30 ランヤード
30a ロープ
30b フック
12 上衣部
14 下衣部
14a ヒップ部
14b わたり部
16 袖部
F ファスナー
S 撚糸
したがって、墜落制止用器具20としてのショックアブソーバー装置を廃止することにより、使用条件がフルハーネス型に比べて短い落下距離となり、比較的低い高さからの落下においても、作業者Hの地面への激突のおそれは低くなることが期待できる。これにより、危険性が高いとされるベルト型安全帯に代替し、本実施形態のハーネス10を用いた墜落制止用器具20を2メートル以上6.75メートル未満(建設業においては5メートル未満)の高さにおいても使用可能にする。

Claims (4)

  1. 構造物に掛止されるランヤードに連結して用いられ、作業者の体躯を保持して墜落を制止する墜落制止器具のハーネスであって、
    所定の強度及び伸長性を有する素材を用いて、体躯を包み込む着衣形状に形成されていることを特徴とする墜落制止用器具のハーネス。
  2. 前記素材を用いたネットが着衣形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の墜落制止用器具のハーネス。
  3. 前記素材を用いた生地が着衣形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の墜落制止用器具のハーネス。
  4. 身頃部分が留め具を用いて開閉可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の墜落制止用器具のハーネス。
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