JP2022103127A - 繊維用洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

【課題】洗浄性と洗濯物等の取り出しやすさを両立する繊維用洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】下記の（ａ）成分及び（ｂ）成分を含有し、要件（１）：（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、及び要件（２）：（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、の少なくとも一方の要件を満たす繊維用洗浄剤組成物である。（ａ）成分は、分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩、（ｂ）成分は、下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤、（ｂ１）成分は、アニオン界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）、（ｂ２）成分は、脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維用洗浄剤組成物及び繊維製品の処理方法に関する。

従来、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤は、家庭用及び工業用の洗浄成分として用いられている。

特許文献１には、特定のエステル成分と、特定のスルホコハク酸型アニオン界面活性剤と、特定のアミド化合物を必須成分として含有する、繊維加工用の浴中品質向上剤が開示されている。
特許文献２には、特定の第４級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、特定のジアルキルスルホコハク酸エステル若しくはその塩、ノニオン性界面活性剤及びドライクリーニング用溶剤を所定条件で含有する、ドライクリーニング用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献３には、グリシジル基と反応する基を有するスルホコハク酸エステル塩型アニオン性界面活性剤と、少なくとも２個以上のグリシジル基を有する化合物を組み合わせてなる、繊維用仕上剤が開示されている。
特許文献４には、所定の非イオン性界面活性剤並びにアルキルスルホ脂肪酸塩及びジアルキルスルホコハク酸塩などのアニオン性界面活性剤を所定の配合割合で含有する、液体衣料用洗剤として有用な界面活性剤組成物が開示されている。
特許文献５には、シリコーン油等のベース成分と、有機リン酸エステル等、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩を所定条件で含有する、弾性繊維用処理剤が開示されている。
特許文献６には、内部オレフィンスルホン酸及び／又はその塩、内部オレフィンスルホン酸及び／又はその塩以外のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、並びに水を所定条件で含有する界面活性剤組成物が開示されている。

特開２０１１－１９０５５４号公報 特開昭５７－０５３６００号公報 特開平８－３２５９３５号公報 国際公開第１９９８／０２４８６５号 国際公開第２０１５／１２５７５３号 国際公開第２０１８／０３０３２８号

洗濯機で繊維製品を洗濯すると、洗濯後（例えば、脱水後）に洗濯機から繊維製品を取り出しにくくなるという課題がある。

本発明は、繊維製品に対する良好な洗浄性を有し、洗濯後に洗濯機から繊維製品を、より取り出しやすくする繊維用洗浄剤組成物及び繊維製品の処理方法を提供する。

本発明は、下記の（ａ）成分及び（ｂ）成分を含有し、
下記要件（１）及び（２）
要件（１）：（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、
要件（２）：（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、
の少なくとも一方を満たす、
繊維用洗浄剤組成物に関する。
（ａ）成分：分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩
（ｂ）成分：下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）
（ｂ１）成分：アニオン界面活性剤
（ｂ２）成分：脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤

また、本発明は、下記の（ａ）成分、（ｂ）成分及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、該繊維製品を水ですすぐ繊維製品の処理方法であって、
前記洗浄液は、下記要件（１）及び（２）
要件（１）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、
要件（２）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、
の少なくとも一方を満たす、
繊維製品の処理方法に関する。
（ａ）成分：分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩
（ｂ）成分：下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）
（ｂ１）成分：アニオン界面活性剤
（ｂ２）成分：脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤

本発明によれば、繊維製品に対する良好な洗浄性を有し、洗濯後に洗濯機から繊維製品を、より取り出しやすくする繊維用洗浄剤組成物及び繊維製品の処理方法が提供される。

本発明は、前記の（ａ）成分と（ｂ）成分を所定の含有量の割合で含む組成物が、繊維製品に対する良好な洗浄性を有し、洗濯後（例えば、脱水後）に洗濯機から繊維製品をより取り出しやすくできることを見出したものである。この機構は明らかではないが、本発明の繊維用洗浄剤組成物は、繊維表面に（ａ）成分の水和固体を形成することで、良好な洗浄性を維持したまま、洗濯の際に湿潤状態の繊維同士の摩擦力を低減させているものと推認される。ここで、前記の（ａ）成分と（ｂ１）成分との併用系においては、水和固体形成が促進されると推認される。一方で、一般的にアニオン活性剤と前記の（ｂ２）成分を併用すると水和固体形成を抑制してしまう傾向にあるが、特定のアニオン活性剤である前記の（ａ）成分と（ｂ２）成分との併用系においては、（ａ）成分の水和固体形成が損なわれずに維持されると推認される。これにより、繊維製品の絡まりが抑制され、良好な洗浄性と洗濯物等の取り出しやすさを両立しているものと考えられる。本発明の繊維用洗浄剤組成物及び繊維製品の処理方法は、洗濯の際に湿潤状態の繊維同士の摩擦力を低減することで、洗濯ダメージの低減や洗濯後の繊維製品の皺を低減することによる仕上がり性の向上も期待される。

＜繊維用洗浄剤組成物＞
本発明の繊維用洗浄剤組成物は、分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩〔以下、（ａ）成分という〕と、（ｂ）所定の界面活性剤〔以下、（ｂ）成分という〕を含有する。（ｂ）成分は、（ｂ１）アニオン界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）〔以下、（ｂ１）成分という〕と、（ｂ２）所定のノニオン界面活性剤〔以下、（ｂ２）成分という〕から選ばれる１種以上の界面活性剤である。（ｂ２）成分は、脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤である。

（ａ）成分は、分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩である。
（ａ）成分は、分岐鎖を有する炭素数５以上１８以下の炭化水素基を２つ有するスルホコハク酸ジエステル又はその塩〔以下、（ａ１）成分という〕が好ましい。（ａ）成分は、分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を２つ有し、２つの前記炭化水素基の炭素数の合計が２０以上である、スルホコハク酸ジエステル又はその塩が好ましい。このスルホコハク酸ジエステル又はその塩の、２つの前記炭化水素基の炭素数の合計は、好ましくは３０以下、より好しくは２４以下である。

（ａ１）成分としては、下記一般式（ａ１）で表される化合物が挙げられる。

〔式中、Ｒ^１、Ｒ^２は、それぞれ、分岐鎖を有する炭素数５以上１８以下の炭化水素基であり、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏは、それぞれ、炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基であり、ｘ１、ｘ２は、平均付加モル数であり、それぞれ、０以上１０以下の数であり、Ｍは陽イオンである。〕

一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、分岐鎖を有する炭素数５以上１８以下の炭化水素基である。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基が挙げられる。洗濯物等の取り出しやすさの観点から、アルキル基が好ましい。

一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基の炭素数は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、５以上、好ましくは６以上、より好ましくは８以上、更に好ましくは１０以上、そして、洗浄性の観点から、１８以下、好ましくは１５以下、より好ましくは１２以下である。

一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２の合計炭素数は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは１２以上、より好ましくは１６以上、更に好ましくは２０以上、そして、好ましくは３０以下、より好ましくは２４以下である。ここで、（ａ１）成分として、Ｒ^１及びＲ^２の合計炭素数の異なる２種以上の化合物を含有する場合、（ａ１）成分全体としてのＲ^１及びＲ^２の合計炭素数は、それぞれの化合物のＲ^１及びＲ^２の合計炭素数のモル平均を表す。

一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、分岐鎖を有する。前記Ｒ^１及びＲ^２である分岐鎖の炭化水素基は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、それぞれ、炭素数２以上の側鎖を有することが好ましく、炭素数３以上の側鎖を有することがより好ましい。側鎖の炭素数は、それぞれ、１０以下、更に８以下、更に６以下であってよい。なお、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基のうち、式中の酸素原子（Ｏ）と結合している炭素を１番目の炭素として最も長い炭素の並びを主鎖と呼び、主鎖の炭素数をＸ（Ｒ^１及びＲ^２の炭素数５以上なのでＸは３以上となる）とするときに、主鎖の１番目からＸ－１番目の何れかの炭素に結合している炭化水素基のことを、それぞれ、側鎖という。
一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基は、飽和、不飽和の何れでもよい。
一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、飽和の分岐鎖炭化水素基が含まれることがより好ましい。
また、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基は、洗濯物等の取り出しやすさ及び入手性の観点から、ゲルベアルコール由来の基であってよい。

一般式（ａ１）中のＲ^１及びＲ^２は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、それぞれ独立して、好ましくは炭素数８以上１２以下の分岐鎖アルキル基、より好ましくは炭素数１０以上１２以下の分岐鎖アルキル基、更に好ましくは炭素数１０の分岐鎖アルキル基である。

本発明においては、第２級アルコールから水酸基を除去した炭化水素残基を、分岐鎖アルキル基など鎖式分岐炭化水素基に含める。
Ｒ^１及びＲ^２が、それぞれ、炭素数８以上１２以下の分岐鎖アルキル基である場合、側鎖を構成する炭素数の合計は、同一あるいは異なっていてもよく、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは１以上、より好ましくは２以上、そして、好ましくは４以下、より好ましくは３以下、更に好ましくは３である。
本発明において、側鎖を構成する炭素数の合計とは、一つの分岐鎖アルキル基において、主鎖以外の全側鎖の炭素数を合計したものであり、側鎖が複数ある場合は、それら全側鎖の炭素数の合計である。

Ｒ^１及びＲ^２の側鎖の数は、同一あるいは異なっていてもよく、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、１以上、そして、好ましくは３以下、より好ましくは２以下である。Ｒ^１及びＲ^２の側鎖の数は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、それぞれ、１であることが好ましい。
本発明において、側鎖の数とは、主鎖から分岐する側鎖の数であり、側鎖が、更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していても側鎖の数としては変わらない。ただし、側鎖が更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していてもよいが、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、側鎖は直鎖であることが好ましい。

Ｒ^１及びＲ^２が、それぞれ独立して、炭素数８以上１２以下の分岐鎖アルキル基である場合、Ｒ^１、Ｒ^２の分岐炭素の数は、同一あるいは異なっていてもよく、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、１以上、そして、好ましくは３以下、より好ましくは２以下である。Ｒ^１及びＲ^２の分岐炭素の数は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、それぞれ、１であることが好ましい。本発明において、分岐炭素の数とは、分岐鎖アルキル基中の第３級炭素原子と第４級炭素原子の数の合計である。

Ｒ^１、Ｒ^２のより好ましい態様は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、炭素数８以上１２以下の分岐鎖アルキル基であって、主鎖の炭素数が、それぞれ独立して、６以上８以下であり、側鎖を構成する炭素数が、それぞれ独立して、好ましくは１以上、より好ましくは２以上、そして、好ましくは４以下、より好ましくは３以下、更に好ましくは３であり、側鎖の数が、それぞれ独立して、好ましくは３以下、より好ましくは２以下、更に好ましくは１である分岐鎖アルキル基である。
Ｒ^１、Ｒ^２は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、それぞれ、分岐鎖オクチル基、分岐鎖デシル基及び分岐鎖ドデシル基から選ばれる分岐鎖アルキル基が好ましく、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、分岐鎖デシル基がより好ましい。分岐鎖オクチル基は、２－エチルヘキシル基などが挙げられる。分岐鎖デシル基は、２－プロピルヘプチル基、ＫＨネオケム株式会社製デシルアルコール由来の基などが挙げられ、２－プロピルヘプチル基が好ましい。分岐鎖ドデシル基は、２－ブチルオクチル基などが挙げられる。

一般式（ａ１）中、Ｒ^１の炭化水素基とＲ^２の炭化水素基は、同一でも異なっていてもよい。Ｒ^１の炭化水素基とＲ^２の炭化水素基が異なる場合は、洗濯物等の取り出しやすさの観点で好ましい。また、Ｒ^１の炭化水素基とＲ^２の炭化水素基が同一である場合は、洗濯物等の取り出しやすさ、品質安定性の観点で好ましい。例えば、一般式（ａ１）中、Ｒ^１の炭素数とＲ^２の炭素数は、同一でも異なっていてもよい。Ｒ^１の炭素数とＲ^２の炭素数が異なる場合は、洗濯物等の取り出しやすさの観点で好ましい。また、Ｒ^１の炭素数とＲ^２の炭素数が同一である場合は、洗濯物等の取り出しやすさ、品質安定性の観点で好ましい。

一般式（ａ１）中、Ｒ^１及びＲ^２の炭化水素基は、下記式で定義される分岐度が、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは０．３以下、より好ましくは０．２以下、更に好ましくは０．１以下、より更に好ましくは０．０８以下であり、そして、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは０．０１以上、より好ましくは０．０２以上、更に好ましくは０．０４以上である。
分岐度＝〔（Ｒ^１及びＲ^２の末端メチル基の総数）－２〕／（Ｒ^１及びＲ^２の有する総炭素数）
なお、分岐度は、^１Ｈ－ＮＭＲを用いて測定することができる平均値である。

一般式（ａ１）中、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏは、それぞれ、炭素数２以上４以下、洗濯物等の取り出しやすさの観点から好ましくは炭素数２又は３のアルキレンオキシ基である。一般式（ａ１）中、ｘ１、ｘ２は、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏの平均付加モル数を表し、それぞれ、０以上１０以下、洗濯物等の取り出しやすさの観点から好ましくは６以下、より好ましくは４以下、更に好ましくは２以下の数であり、０がより更に好ましい。

一般式（ａ１）中、Ｍは陽イオンである。Ｍは水素イオン以外の陽イオンが好ましい。Ｍとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、モノメチルアンモニウムイオンなどの有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Ｍは、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、アルカリ金属イオン、アルカノールアンモニウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。

（ｂ）成分は、（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）である。（ｂ）成分は、洗浄性の観点から、（ｂ２）成分が好ましい。

（ｂ１）成分は、アニオン界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）である。（ｂ１）成分としては、下記一般式（ｂ１－１）で示される化合物（ｂ１－１）〔以下、（ｂ１－１）成分という〕、一般式（ｂ１－２）で示される化合物（ｂ１－２）〔以下、（ｂ１－２）成分という〕及び一般式（ｂ１－３）で示される化合物（ｂ１－３）〔以下、（ｂ１－３）成分という〕から選ばれる一種以上の化合物が好ましい。（ｂ１）成分としては、洗浄性の観点から（ｂ１－１）成分が好ましく、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、（ｂ１－２）成分が好ましい。

Ｒ^１ｂ－Ｏ－［（ＰＯ）_ｍ（ＥＯ）_ｎ］－ＳＯ_３Ｍ （ｂ１－１）
（式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂは炭素数８以上２２以下のアルキル基を示し、酸素原子と結合する炭素原子が第１炭素原子であり、ＰＯはプロピレンオキシ基を示し、ＥＯはエチレンオキシ基を示し、ＰＯとＥＯはブロック型結合又はランダム型結合であり、ＰＯとＥＯの結合順序は問わず、ｍ及びｎは平均付加モル数であって、ｍは０以上５以下、かつｎは０以上１６以下であり、そしてＭは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。）

Ｒ^２ｂ－Ｂ－ＳＯ_３Ｍ （ｂ１－２）
（式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂは炭素数９以上２１以下のアルキル基を示し、Ｂはベンゼン環を示し、Ｂの炭素原子と結合するＲ^２ｂの炭素原子が第２級炭素原子であり、Ｍは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。Ｂに結合するＲ^２ｂに対して、スルホン酸基はオルト位、メタ位又はパラ位に結合している。）

Ｒ^３ｂ－ＣＨ（ＳＯ_３Ｍ）ＣＯＯＲ^４ｂ （ｂ１－３）
（式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂは炭素数６以上２０以下のアルキル基を示し、Ｒ^４ｂは炭素数１以上６以下のアルキル基を示し、Ｍは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。）

洗浄性の観点から、一般式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂは、好ましくは炭素数９以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下のアルキル基である。Ｒ^１ｂは直鎖アルキル基が好ましい。
洗浄性の観点から、一般式（ｂ１－１）中、ｍは、好ましくは４以下、より好ましくは３以下である。
洗浄性の観点から、一般式（ｂ１－１）中、ｎは、好ましくは０．５以上、より好ましくは１以上であり、そして、好ましくは１０以下、より好ましくは５以下、更に好ましくは４以下である。
一般式（ｂ１－１）中、Ｍは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属（１／２原子）又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、ｐＨ調整剤として用いるアミンによる塩であってよい。洗浄性の観点から、Ｍは、より好ましくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムであり、更に好ましくはナトリウムである。

洗浄性の観点から、（ｂ１－１）成分としては、アルキル基の炭素数が１２以上１４以下であってプロピオキシ基の平均付加モル数が０以上４以下、エチレンオキシ基の平均付加モル数が１以上４以下であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩が好ましい。すなわち、（ｂ１－１）成分は、一般式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂが炭素数１２以上１４以下のアルキル基、ｍが０以上４以下、ｎが１以上４以下、Ｍがナトリウムである化合物が好ましい。

洗濯物等の取り出しやすさの観点から、一般式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂは、炭素数９以上、好ましくは１０以上、より好ましくは１１以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下のアルキル基である。
一般式（ｂ１－２）中、Ｍは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属（１／２原子）又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、ｐＨ調整剤で用いるアミンによる塩であってよい。洗濯物等の取り出しやすさの観点から、Ｍは、より好ましくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムであり、更に好ましくはナトリウムである。

洗濯物等の取り出しやすさの観点から、（ｂ１－２）成分としては、アルキル基の炭素数が１１以上１４以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が１１以上１４以下のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩がより好ましい。すなわち、（ｂ１－２）成分は、一般式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂが炭素数１１以上１４以下のアルキル基、Ｍがナトリウムである化合物が好ましい。

洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、一般式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂは、好ましくは炭素数８以上、より好ましくは１０以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下のアルキル基である。
洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、一般式（ｂ１－３）中、Ｒ^４ｂは、炭素数１以上が好ましく、そして、好ましくは５以下、より好ましくは４以下のアルキル基である。
洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、一般式（ｂ１－３）中、Ｍは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属（１／２原子）又は有機アンモニウム塩である。有機アンモニウム塩は、ｐＨ調整剤で用いるアミンによる塩であってよい。Ｍは、より好ましくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムであり、更に好ましくはナトリウムである。

洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、（ｂ１－３）成分としては、一般式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂが炭素数１１以上１４以下のアルキル基、Ｒ^４ｂが炭素数１以上５以下のアルキル基、Ｍがナトリウムである化合物が好ましい。

（ｂ２）成分は、脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤である。

（ｂ２）成分は、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、下記の一般式（ｂ２）で表されるノニオン界面活性剤を好ましく用いることができる。
Ｒ^５ｂ－（ＣＯ）_ｍＯ－（ＡＯ）_ｎ－Ｒ^６ｂ （ｂ２）
〔式中、Ｒ^５ｂは炭素数９以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ^６ｂは水素原子又はメチル基であり、ＣＯはカルボニル基であり、ｍは０又は１の数であり、ＡＯは、炭素数２のアルキレンオキシ基及び炭素数３のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基である。ＡＯがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。ｎは平均付加モル数であって、１以上７０以下の数である。〕

Ｒ^５ｂは、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは炭素数９以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下で、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下である。

Ｒ^６ｂは、水素原子又はメチル基である。Ｒ^６ｂは、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、メチル基が好ましく、洗浄性の観点から水素原子が好ましい。

一般式（ｂ２）中、ｍは、０又は１の数である。ｍは、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、１が好ましく、洗浄性の観点から０が好ましい。ｍが１のときは、Ｒ^６ｂはメチル基が好ましい。

ＡＯは、炭素数２のアルキレンオキシ基及び炭素数３のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基である。ＡＯがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。また、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の結合順序は問わない。

一般式（ｂ２）中、ｎは平均付加モル数であり、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは１以上であり、より好ましくは５以上、更に好ましくは１０以上、より更に好ましくは１５以上、そして、好ましくは７０以下、より好ましくは５０以下、更に好ましくは４０以下、より更に好ましくは３０以下、より更に好ましくは２０以下である。

本発明の（ｂ２）成分のノニオン界面活性剤としてより好ましい化合物は、エチレンオキシ基（以下ＥＯ基という場合がある）の平均重合度（あるいは平均付加モル数という場合もある）が、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは３以上、より好ましくは５以上、更に好ましくは１０以上、より更に好ましくは１５以上、そして、洗浄性の観点から、好ましくは５０以下、より好ましくは２５以下であり、更に好ましくは２０以下である。プロピレンオキシ基（以下ＰＯ基という場合もある）の平均重合度（あるいは平均付加モル数という場合もある）が好ましくは０以上、そして、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは５以下、より好ましくは３以下であって、ＥＯ基とＰＯ基とはランダム又はブロック結合であってもよく、好ましくはブロック結合であって、より好ましくは、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、アルキルエーテル（例えば一般式（ｂ２）中のＲ^５ｂ－Ｏ）に対してＥＯＰＯＥＯの順又はＰＯＥＯの順のブロック結合であり、そしてアルキル基の炭素数が、好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１４以下、更に好ましくは１２の直鎖１級又は２級アルコール由来である、ポリオキシエチレン（ポリオキシプロピレン）アルキルエーテルである。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、（ａ）成分を、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは１質量％以上、より好ましくは５質量％以上、更に好ましくは８質量％以上、そして、洗浄性の観点から、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは６０質量％以下、更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下、より更に好ましくは３０質量％以下、より更に好ましくは２０質量％以下、より更に好ましくは１４質量％以下含有する。なお、本発明における（ａ）成分の含有量は、ナトリウム塩として換算される。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、（ｂ）成分を、洗浄性の観点から、好ましくは１質量％以上、より好ましくは５質量％以上、更に好ましくは１０質量％以上、より更に好ましくは１２質量％以上、そして、洗濯物の取り出しやすさの観点から、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは６０質量％以下、更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下、より更に好ましくは３０質量％以下、より更に好ましくは２０質量％以下、より更に好ましくは１４質量％以下含有する。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が、好ましくは３５質量％以上、そして、洗浄性の観点から、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは７０質量％以下、更に好ましくは６５質量％以下、より更に好ましくは６０質量％以下、より更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下である。これらの割合は、要件（１）に適用できる。本発明において、割合を質量％で示したものは、所定の割合の値を百分率で表したものである（以下同様）。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が、好ましくは５０質量％以上、そして、洗浄性の観点から、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは７０質量％以下、更に好ましくは６５質量％以下、より更に好ましくは６０質量％以下である。これらの割合は、要件（２）に適用できる。

本発明の繊維用洗浄剤組成物が（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を含む場合、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合と、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合のうち、少なくとも一方が、上記範囲を満たしていればよい。本発明の繊維用洗浄剤組成物が（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を含む場合、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合と、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合の両方が、上記範囲を満たすことが好ましい。

本発明の繊維用洗浄剤組成物が（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を含む場合、（ｂ１）成分の（ｂ２）成分に対する割合（質量比）は、洗浄性の観点から、好ましくは０．０１以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．２以上、そして、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは１以下、より好ましくは０．９以下、更に好ましくは０．８以下、より更に好ましくは０．７以下、より更に好ましくは０．６以下、より更に好ましくは０．５以下である。この割合は、（ｂ１）／（ｂ２）の質量比である。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、（ａ）成分及び（ｂ）成分以外の界面活性剤〔以下、（ｘ）成分という〕を含有することもできる。
（ｘ）としては、（ｂ２）成分以外のノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる１種以上の界面活性剤が挙げられる。

（ｂ２）成分以外のノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン（硬化）ヒマシ油等のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型ノニオン界面活性剤及び脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。

カチオン界面活性剤としては、第３級アミン塩であるカチオン界面活性剤及び第４級アンモニウム塩であるカチオン界面活性剤が挙げられる。

両性界面活性剤としては、ベタイン系両性界面活性剤、及びアミンオキサイド型両性界面活性剤が挙げられる。
ベタイン系両性界面活性剤としては、２－ラウリル－Ｎ－カルボキシメチル－Ｎ－ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、２－ミリスチル－Ｎ－カルボキシメチル－Ｎ－ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の２－アルキル－Ｎ－カルボキシメチル－Ｎ－ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のアルキルイミダゾリウムベタイン；ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン；ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン；ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油ヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタイン及びラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等の脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等のヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
アミンオキサイド型両性活性剤としては、オクチルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド等のアルキルジメチルアミンオキサイドが挙げられる。

（ｘ）成分は、（ｂ２）成分以外のノニオン界面活性剤から選ばれる１種以上の界面活性剤が好ましい。

本発明の繊維用洗浄剤組成物が（ｘ）成分を含有する場合、該組成物は、（ｘ）成分を、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．５質量％以上、そして、好ましくは３０質量％以下、より好ましくは２０質量％以下含有する。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、界面活性剤の全量に対する、（ａ）成分及び（ｂ）成分の合計量の割合が、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、例えば、１０質量％以上、更には２０質量％以上、更には３０質量％以上、更には４０質量％以上、そして、１００質量％以下、更には９０質量％以下、更には８０質量％以下、更には７０質量％以下、更には６０質量％以下、更には５０質量％以下であってよい。この割合は、１００質量％であってよい。本発明の界面活性剤の全量は、組成物中の（ａ）成分、（ｂ）成分及び（ｘ）成分の合計の含有量であってよい。本発明の繊維用洗浄剤組成物は、界面活性剤を含有する組成物であって、界面活性剤として（ａ）成分及び（ｂ）成分を前記所定の割合で含有し、界面活性剤の含有量に対する、（ａ）成分及び（ｂ）成分の合計含有量の割合が前記範囲にあるものであってよい。

溶解性向上による洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、本発明の繊維用洗浄剤組成物は、更に、下記の（ｃ）成分を含有することが好ましい。
（ｃ）成分：水酸基を有する溶剤

（ｃ）成分としては、下記の（ｃ１）～（ｃ４）成分から選ばれる１種以上の有機溶剤が好ましい。
（ｃ１）成分：炭素数２以上６以下の１価のアルコール
（ｃ２）成分：炭素数２以上１２以下、且つ２価以上１２価以下のアルコール
（ｃ３）成分：炭素数１以上８以下の炭化水素基（部分的に置換していても良い芳香族基を除く）、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
（ｃ４）成分：部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤

（ｃ１）成分としては、例えば、エタノール、１－プロパノール、２－プロパノール、フェノールが挙げられる。

（ｃ２）成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。

（ｃ３）成分としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル（ブチルジグリコールとも呼称される）、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、１－メトキシ－２－プロパノール、１－エトキシ－２－プロパノール、１－メチルグリセリンエーテル、２－メチルグリセリンエーテル、１，３－ジメチルグリセリンエーテル、１－エチルグリセリンエーテル、１，３－ジエチルグリセリンエーテル、１－ペンチルグリセリルエーテル、２－ペンチルグリセリルエーテル、１－オクチルグリセリルエーテル、２－エチルヘキシルグリセリルエーテルが挙げられる。

（ｃ４）成分としては、例えば、２－フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約４８０のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、２－ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテルが挙げられる。

（ｃ）成分は、洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、前記の（ｃ２）成分、（ｃ３）成分及び（ｃ４）成分から選ばれる１種以上の水酸基を有する有機溶剤が好ましく、（ｃ２）成分及び（ｃ３）成分から選ばれる１種以上の水酸基を有する有機溶剤がより好ましい。

本発明の繊維用洗浄剤組成物が（ｃ）成分を含有する場合、該組成物は、溶解性向上による洗浄性及び洗濯物等の取り出しやすさの観点から、（ｃ）成分を、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは１質量％以上、更に好ましくは１０質量％以上、そして、好ましくは６０質量％以下、より好ましくは５０質量％以下、更に好ましくは２５質量％以下含有する。

本発明の繊維用洗浄剤組成物が（ｃ）成分を含有する場合、（ｃ）成分の（ａ）成分に対する割合（ｃ）／（ａ）（質量比）は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは５．０以下、より好ましくは３．０以下、更に好ましくは１．０以下、そして、洗浄性の観点から、好ましくは０．６以上である。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、更なる任意成分として、例えば、ｐＨ調整剤、香料、抗菌剤、漂白剤、漂白活性化剤、消泡剤、香料カプセル、酵素、ポリマー、シリコーン等を含有することができる。ｐＨ調整剤としては、例えばモノエタノールアミンなどのアルカリ剤や、クエン酸などの酸剤を用いることができる。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、水を含有することが好ましい。水を含有する液体組成物であってよい。水は、不純物を含まず適度に精製されている水が好ましく使用される。井戸水、工業用水の使用も可能である。水は、水道水、精製水、例えばイオン交換水が好ましい。本発明の繊維用洗浄剤組成物は、水を好ましくは５０質量％以上、より好ましくは６０質量％以上、更に好ましくは７０質量％以上、そして、好ましくは９５質量％以下、好ましくは９０質量％以下、より好ましくは８５質量％以下含有する。水の含有量は、（ａ）成分、（ｂ）成分及び任意成分の合計含有量の残部であってよい。

本発明の繊維用洗浄剤組成物は、下記の測定方法で測定された２５℃におけるｐＨが、好ましくは４以上、より好ましくは５以上、そして、好ましくは１２以下、より好ましくは１１以下である。

〔ｐＨの測定方法〕
ｐＨメーター（ＨＯＲＩＢＡ製 ｐＨ／イオンメーターＦ－２３）にｐＨ測定用複合電極（ＨＯＲＩＢＡ製 ガラス摺り合わせスリーブ型）を接続し、電源を投入する。ｐＨ電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液（３．３３モル／Ｌ）を使用する。次に、ｐＨ４．０１標準液（フタル酸塩標準液）、ｐＨ６．８６（中性リン酸塩標準液）、ｐＨ９．１８標準液（ホウ酸塩標準液）をそれぞれ１００ｍＬビーカーに充填し、２５℃の恒温槽に３０分間浸漬する。恒温に調整された標準液にｐＨ測定用電極を３分間浸し、ｐＨ６．８６→ｐＨ９．１８→ｐＨ４．０１の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプル（繊維用液体洗浄剤組成物）を２５℃に調整し、前記のｐＨメーターの電極をサンプルに浸漬し、１分後のｐＨを測定する。

＜繊維製品の処理方法＞
本発明は、（ａ）成分、（ｂ）成分及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、該繊維製品を水ですすぐ繊維製品の処理方法であって、前記洗浄液は、下記要件（１）及び（２）の少なくとも一方を満たす、繊維製品の処理方法に関する。
要件（１）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下
要件（２）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下

本発明の繊維用洗浄剤組成物で述べた事項は本発明の繊維製品の処理方法に適宜適用することができる。（ａ）成分、（ｂ）成分、（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分等の具体例や好ましい態様なども同じである。また、前記洗浄液は（ｘ）成分、（ｃ）成分等の任意成分を含有することもできる。繊維製品の洗浄、すすぎは、公知の方法に準じて行うことができる。本発明の繊維製品の処理方法には、本発明の繊維用洗浄剤組成物を用いることができる。前記洗浄液は、本発明の繊維用洗浄剤組成物と水とを混合して得たものであってよい。

本発明の繊維製品の処理方法における前記洗浄液中の（ａ）成分の濃度は、洗濯物等の取り出しやすさの観点から、好ましくは０．０００１質量％以上、より好ましくは０．０００５質量％以上、そして、洗浄性の観点から、好ましくは１０質量％以下、より好ましくは１質量％以下である。前記洗浄液は、（ａ）成分の含有量がこの範囲となるように本発明の繊維用洗浄剤組成物を水で希釈して調製することが好ましい。具体的な希釈倍率としては、洗浄時の作業性の観点から、好ましくは５００倍以上、より好ましくは８００倍以上、そして、好ましくは５０００倍以下、より好ましくは３０００倍以下であってよい。

本発明の繊維製品の処理方法は、例えば、家庭用の洗濯機や業務用の洗濯機を用いて実施することができる。その際の条件は、通常行われる温度、時間、浴比などを採用することができる。本発明の繊維製品の処理方法では、洗濯中及び脱水中に繊維製品にかかる摩擦を低減することができる。これにより、洗濯後に繊維製品が取り出しやすくなる。また、繊維製品に対する洗濯ダメージが低減され、洗濯終了時に繊維製品の皺が低減される。

上述した実施の形態に加え、本発明は以下の態様を開示する。
＜1＞
下記の（ａ）成分及び（ｂ）成分を含有し、
下記要件（１）及び（２）
要件（１）：（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、
要件（２）：（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、
の少なくとも一方を満たす、
繊維用洗浄剤組成物。
（ａ）成分：分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩
（ｂ）成分：下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）
（ｂ１）成分：アニオン界面活性剤
（ｂ２）成分：脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤

＜2＞
（ａ）成分が、分岐鎖を有する炭素数５以上１８以下の炭化水素基を２つ有するスルホコハク酸ジエステル又はその塩である、＜1＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜3＞
（ａ）成分が、分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を２つ有し、２つの前記炭化水素基の炭素数の合計が２０以上であるスルホコハク酸ジエステル又はその塩である、＜1＞又は＜2＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜4＞
（ａ）成分が、下記一般式（ａ１）で表される化合物である、＜1＞～＜3＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

〔式中、Ｒ^１、Ｒ^２は、それぞれ、分岐鎖を有する炭素数５以上１８以下の炭化水素基であり、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏは、それぞれ、炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基であり、ｘ１、ｘ２は、平均付加モル数であり、それぞれ、０以上１０以下の数であり、Ｍは陽イオンである。〕

＜5＞
一般式（ａ１）中、Ｒ^１、Ｒ^２の炭化水素基が、アルキル基又はアルケニル基である、＜4＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜6＞
一般式（ａ１）中、Ｒ^１、Ｒ^２の炭化水素基の炭素数が、好ましくは６以上、より好ましくは８以上、更に好ましくは１０以上、そして、好ましくは１５以下、より好ましくは１２以下である、＜4＞又は＜5＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜7＞
一般式（ａ１）中、Ｒ^１、Ｒ^２の分岐鎖の炭化水素基の側鎖の炭素数が、好ましくは２以上、より好ましくは３以上、そして、好ましくは１０以下、より好ましくは８以下、更に好ましくは６以下であり、
一般式（ａ１）中、Ｒ^１、Ｒ^２が、好ましくは炭素数８以上１２以下の分岐鎖アルキル基、より好ましくは炭素数１０以上１２以下の分岐鎖アルキル基、更に好ましくは炭素数１０の分岐鎖アルキル基である、
＜4＞～＜6＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜8＞
一般式（ａ１）中、Ｒ^１、Ｒ^２が、それぞれ、好ましくは２－エチルヘキシル基及び２－プロピルヘプチル基から選ばれる基である、より好ましくは２－プロピルヘプチル基である、＜4＞～＜7＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜9＞
一般式（ａ１）中、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏは、それぞれ、炭素数２以上４以下、好ましくは炭素数２又は３のアルキレンオキシ基であり、
一般式（ａ１）中、ｘ１、ｘ２は、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏの平均付加モル数を表し、それぞれ、０以上１０以下、好ましくは６以下、より好ましくは４以下、更に好ましくは２以下の数であり、より更に好ましくは０である、＜4＞～＜8＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜10＞
一般式（ａ１）中、Ｍは、好ましくはアルカリ金属イオン、アルカノールアンモニウムイオンであり、より好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオンであり、更に好ましくはナトリウムイオンである、＜4＞～＜9＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜11＞
（ｂ１）成分が、下記一般式（ｂ１－１）で示される化合物（ｂ１－１）〔以下、（ｂ１－１）成分という〕、一般式（ｂ１－２）で示される化合物（ｂ１－２）〔以下、（ｂ１－２）成分という〕及び一般式（ｂ１－３）で示される化合物（ｂ１－３）〔以下、（ｂ１－３）成分という〕から選ばれる一種以上の化合物である、＜1＞～＜10＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。
Ｒ^１ｂ－Ｏ－［（ＰＯ）_ｍ（ＥＯ）_ｎ］－ＳＯ_３Ｍ （ｂ１－１）
（式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂは炭素数８以上２２以下のアルキル基を示し、酸素原子と結合する炭素原子が第１炭素原子であり、ＰＯはプロピレンオキシ基を示し、ＥＯはエチレンオキシ基を示し、ＰＯとＥＯはブロック型結合又はランダム型結合であり、ＰＯとＥＯの結合順序は問わず、ｍ及びｎは平均付加モル数であって、ｍは０以上５以下、かつｎは０以上１６以下であり、そしてＭは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。）
Ｒ^２ｂ－Ｂ－ＳＯ_３Ｍ （ｂ１－２）
（式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂは炭素数９以上２１以下のアルキル基を示し、Ｂはベンゼン環を示し、Ｂの炭素原子と結合するＲ^２ｂの炭素原子が第２級炭素原子であり、Ｍは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。Ｂに結合するＲ^２ｂに対して、スルホン酸基はオルト位、メタ位又はパラ位に結合している。）
Ｒ^３ｂ－ＣＨ（ＳＯ_３Ｍ）ＣＯＯＲ^４ｂ （ｂ１－３）
（式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂは炭素数６以上２０以下のアルキル基を示し、Ｒ^４ｂは炭素数１以上６以下のアルキル基を示し、Ｍは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。）

＜12＞
一般式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂは、直鎖アルキル基であり、炭素数が、好ましくは９以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下である、＜11＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜13＞
一般式（ｂ１－１）中、ｍは、好ましくは４以下、より好ましくは３以下であり、一般式（ｂ１－１）中、ｎは、好ましくは０．５以上、より好ましくは１以上であり、そして、好ましくは１０以下、より好ましくは５以下、更に好ましくは４以下である、＜11＞又は＜12＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜14＞
一般式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂは、好ましくは１０以上、より好ましくは１１以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下のアルキル基である、＜11＞～＜13＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜15＞
一般式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂは、好ましくは炭素数８以上、より好ましくは１０以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１６以下のアルキル基である、＜11＞～＜14＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜16＞
一般式（ｂ１－３）中、Ｒ^４ｂは、炭素数１以上が好ましく、そして、好ましくは５以下、より好ましくは４以下のアルキル基である、＜11＞～＜15＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜17＞
一般式（ｂ１－１）～（ｂ１－３）中、Ｍは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属（１／２原子）又は有機アンモニウムであり、より好ましくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムであり、更に好ましくはナトリウムである、＜11＞～＜16＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜18＞
一般式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂが炭素数１２以上１４以下のアルキル基、ｍが０以上４以下、ｎが１以上４以下、Ｍがナトリウムである、＜11＞～＜17＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜19＞
一般式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂが炭素数１１以上１４以下のアルキル基、Ｍがナトリウムである、＜11＞～＜18＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜20＞
一般式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂが炭素数１１以上１４以下のアルキル基、Ｒ^４ｂが炭素数１以上５以下のアルキル基、Ｍがナトリウムである、＜11＞～＜19＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜21＞
（ｂ２）成分が、下記の一般式（ｂ２）で表されるノニオン界面活性剤である、＜1＞～＜20＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。
Ｒ^５ｂ－（ＣＯ）_ｍＯ－（ＡＯ）_ｎ－Ｒ^６ｂ （ｂ２）
〔式中、Ｒ^５ｂは炭素数９以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ^６ｂは水素原子又はメチル基であり、ＣＯはカルボニル基であり、ｍは０又は１の数であり、ＡＯは、炭素数２のアルキレンオキシ基及び炭素数３のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基である。ＡＯがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。ｎは平均付加モル数であって、１以上７０以下の数である。〕

＜22＞
一般式（ｂ２）中、Ｒ^５ｂは、好ましくは炭素数９以上、より好ましくは１０以上、更に好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下で、より好ましくは１６以下、更に好ましくは１４以下である、＜21＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜23＞
一般式（ｂ２）中、ｍが０である、＜21＞又は＜22＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜24＞
一般式（ｂ２）中、ｍが１である、＜21＞又は＜22＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜25＞
一般式（ｂ２）中、ｎは平均付加モル数であり、好ましくは１以上であり、より好ましくは５以上、更に好ましくは１０以上、より更に好ましくは１５以上、そして、好ましくは７０以下、より好ましくは５０以下、更に好ましくは４０以下、より更に好ましくは３０以下、より更に好ましくは２０以下である、＜21＞～＜24＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜26＞
一般式（ｂ２）中、エチレンオキシ基（以下ＥＯ基という場合がある）の平均付加モル数が、好ましくは３以上、より好ましくは５以上、更に好ましくは１０以上、より更に好ましくは１５以上、そして、好ましくは５０以下、より好ましくは２５以下であり、更に好ましくは２０以下である、＜21＞～＜25＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜27＞
一般式（ｂ２）中、プロピレンオキシ基（以下ＰＯ基という場合がある）の平均付加モル数が、好ましくは０以上、そして、好ましくは５以下、より好ましくは３以下である、＜21＞～＜26＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜28＞
（ｂ２）成分が、一般式（ｂ２）中、ＡＯがＥＯとＰＯとを含み、Ｒ^５ｂ－Ｏに対して、ＥＯＰＯＥＯの順、又はＰＯＥＯの順のブロック結合であり、Ｒ^５ｂがアルキル基である、更に炭素数が、好ましくは１２以上、そして、好ましくは１８以下、より好ましくは１４以下、更に好ましくは１２の直鎖１級又は２級アルコール由来のアルキル基である、ポリオキシエチレン（ポリオキシプロピレン）アルキルエーテルである、＜21＞～＜27＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜29＞
（ａ）成分の含有量が、好ましくは１質量％以上、より好ましくは５質量％以上、更に好ましくは８質量％以上、そして、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは６０質量％以下、更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下、より更に好ましくは３０質量％以下、より更に好ましくは２０質量％以下、より更に好ましくは１４質量％以下である、＜1＞～＜28＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜30＞
（ｂ）成分の含有量が、好ましくは１質量％以上、より好ましくは５質量％以上、更に好ましくは１０質量％以上、より更に好ましくは１２質量％以上、そして、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは６０質量％以下、更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下、より更に好ましくは３０質量％以下、より更に好ましくは２０質量％以下、より更に好ましくは１４質量％以下である、＜1＞～＜29＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜31＞
（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が、好ましくは３５質量％以上、そして、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは７０質量％以下、更に好ましくは６５質量％以下、より更に好ましくは６０質量％以下、より更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下である、＜1＞～＜30＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜32＞
（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が、好ましくは５０質量％以上、そして、好ましくは８０質量％以下、より好ましくは７０質量％以下、更に好ましくは６５質量％以下、より更に好ましくは６０質量％以下である、＜1＞～＜31＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜33＞
（ｂ）成分として（ｂ１）成分と（ｂ２）成分を含み、（ｂ１）成分の（ｂ２）成分に対する割合（ｂ１）／（ｂ２）（質量比）は、好ましくは０．０１以上、より好ましくは０．１以上、更に好ましくは０．２以上、そして、好ましくは１以下、より好ましくは０．９以下、更に好ましくは０．８以下、より更に好ましくは０．７以下、より更に好ましくは０．６以下、より更に好ましくは０．５以下である、＜1＞～＜32＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜34＞
更に、（ｃ）成分として、水酸基を有する溶剤を含有する、＜1＞～＜33＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜35＞
（ｃ）成分が、下記の（ｃ１）～（ｃ４）成分から選ばれる１種以上の有機溶剤である、＜34＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。
（ｃ１）成分：炭素数２以上６以下の１価のアルコール
（ｃ２）成分：炭素数２以上１２以下、且つ２価以上１２価以下のアルコール
（ｃ３）成分：炭素数１以上８以下の炭化水素基（部分的に置換していても良い芳香族基を除く）、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
（ｃ４）成分：部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤

＜36＞
（ｃ）成分の含有量が、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは１質量％以上、更に好ましくは１０質量％以上、そして、好ましくは６０質量％以下、より好ましくは５０質量％以下、更に好ましくは２５質量％以下である、＜34＞又は＜35＞に記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜37＞
（ｃ）成分の（ａ）成分に対する割合（ｃ）／（ａ）（質量比）は、好ましくは５．０以下、より好ましくは３．０以下、更に好ましくは１．０以下、そして、好ましくは０．６以上である、＜34＞～＜36＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜38＞
要件（１）が、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が、３５質量％以上、そして、８０質量％以下、好ましくは７０質量％以下、より好ましくは６５質量％以下、更に好ましくは６０質量％以下、より更に好ましくは５０質量％以下、より更に好ましくは４０質量％以下である、＜1＞～＜37＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜39＞
要件（１）が、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が、５０質量％以上、そして、８０質量％以下、好ましくは７０質量％以下、より好ましくは６５質量％以下、更に好ましくは６０質量％以下である、＜1＞～＜38＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物。

＜40＞
下記の（ａ）成分、（ｂ）成分及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、該繊維製品を水ですすぐ繊維製品の処理方法であって、
前記洗浄液は、下記要件（１）及び（２）
要件（１）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、
要件（２）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、
の少なくとも一方を満たす、
繊維製品の処理方法。
（ａ）成分：分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩
（ｂ）成分：下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）
（ｂ１）成分：アニオン界面活性剤
（ｂ２）成分：脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤

＜41＞
＜1＞～＜39＞の何れかに記載の繊維用洗浄剤組成物を用いる、＜40＞に記載の繊維製品の処理方法。

実施例、比較例で用いた成分を以下に示す。
（ａ）成分
・ジ－２エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
・ビス－２－プロピルヘプチルスルホコハク酸ナトリウム

（ｂ）成分
（ｂ１）成分
・ＡＰＥＳ：アルキル基がラウリルアルコール由来であって、プロピレンオキシ基の平均付加モル数が２モル、エチレンオキシ基の平均付加モル数が２モルである（ポリオキシプロピレン）ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩
・ＬＡＳ：アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム（アルキル組成：Ｃ１０／Ｃ１１／Ｃ１２／Ｃ１３＝１１／２９／３４／２６（質量比）、質量平均炭素数＝１７．７５）
（ｂ２）成分
・ＭＥＥ：脂肪酸メチルエステルエトキシレート（脂肪酸の炭素数１６以上１８以下、エチレンオキシ基の平均付加モル数が１５モル）
・Ｃ１２／１４ＥＯ_９ＰＯ_２ＥＯ_９：ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン混合アルキルエーテル（炭素数１２のアルキル基／炭素数１４のアルキル基（７／３、質量比）の混合アルキル基に、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン基の順に結合しており、オキシエチレン基の平均付加モル数は９モルと９モル、オキシプロピレン基の平均付加モル数は２モル）
・Ｃ１２／１４ＥＯ_１０：ポリオキシエチレン混合アルキルエーテル（混合アルキル基が炭素数１２のアルキル基／炭素数１４のアルキル基（７／３、質量比）の混合アルキル基に、ポリオキシエチレン基が結合しており、オキシエチレン基の平均付加モル数は１０モル）
・Ｃ１２／１４ＰＯ_３．７ＥＯ_１６．５：ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン混合アルキルエーテル（炭素数１２のアルキル基／炭素数１４のアルキル基（７／３、質量比）の混合アルキル基に、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン基の順に結合しており、オキシエチレン基の平均付加モル数は１６．５モル、オキシプロピレン基の平均付加モル数は３．７モル）

（ｃ）成分
・プロピレングリコール
・ブチルジグリコール

＜実施例及び比較例＞
表１～６に示す繊維用液体洗浄剤組成物を以下の方法で調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表１～６に示す。

〔組成物の調製〕
２００ｍＬ容量のガラス製ビーカーに長さ５ｃｍのテフロン（登録商標）製スターラーピースを投入し質量を測定した。次に２５℃のイオン交換水２０ｇ、（ｃ）成分、次いで（ｂ）成分、次いで（ａ）成分をこの順で投入し、ビーカーの上面をサランラップ（登録商標）で封をした。内容物が入ったビーカーをマグネチックスターラーに設置した６０℃のウォーターバスに入れ、ウォーターバス内の水の温度が６０±２℃の温度範囲内で、１００ｒ／ｍｉｎで３０分間撹拌した。その後、内容物のｐＨを、アルカリ剤（モノエタノールアミン）又は酸剤（クエン酸）により、ｐＨ７に調整した。ｐＨの測定は、前記したｐＨの測定方法により行った。次に、ウォーターバス内の水を、５℃の水道水に替え、ビーカー内の該組成物の温度が２５℃になるまで冷却した後、１０分間攪拌した。次に、サランラップ（登録商標）を外し、内容物の質量が２００ｇになるように、イオン交換水を入れ、再度、１００ｒ／ｍｉｎで５分間撹拌し、表１～６に記載の繊維用液体洗浄剤組成物を得た。

〔洗浄性の評価方法〕
（１）モデル皮脂人工汚染布の調製
下記組成のモデル皮脂人工汚染液を布に付着させてモデル皮脂人工汚染布を調製した。モデル皮脂人工汚染液の布への付着は、グラビアロールコーターを用いて人工汚染液を布に印刷することで行った。モデル皮脂人工汚染液を布に付着させモデル皮脂人工汚染液を作製する工程は、グラビアロールのセル容量５８ｃｍ^３／ｍ^２、塗布速度１．０ｍ／ｍｉｎ、乾燥温度１００℃、乾燥時間１ｍｉｎで行った。布は木綿２００３（谷頭商店製）を使用した。
＊モデル皮脂人工汚染液の組成：ラウリン酸０．４質量％、ミリスチン酸３．１質量％、ペンタデカン酸２．３質量％、パルミチン酸６．２質量％、ヘプタデカン酸０．４質量％、ステアリン酸１．６質量％、オレイン酸７．８質量％、トリオレイン１３．０質量％、パルミチン酸ｎ－ヘキサデシル２．２質量％、スクアレン６．５質量％、卵白レシチン液晶物１．９質量％、鹿沼赤土８．１質量％、カーボンブラック０．０１質量％、水残部（合計１００質量％）

（２）洗浄力の評価
上記で作製したモデル皮脂人工汚染布（６ｃｍ×６ｃｍ）５枚を、ターゴトメータ（Ueshima,MS-8212）にて、８５ｒｐｍで１０分間洗浄した。洗浄条件は、何れも、表１～６記載の繊維用液体洗浄剤組成物の濃度が０．０８３質量％になるように市水（３．５°ｄＨ、２５℃）を注入し、水温は２５℃で洗浄を行った。洗浄後、市水（２５℃）で３分間すすいだ後に、乾燥を行った。
洗浄率（％）を下記の方法にて測定し、５枚の平均値を求めた。結果を表１～６に示した。なお、汚染前の原布、及び洗浄前後の５５０ｎｍにおける反射率は、測色色差計（日本電色株式会社製、Ｚ－３００Ａ）にて測定した。この評価では、洗浄率は高い方がより洗浄性に優れるので好ましい。
洗浄率（％）＝１００×［（洗浄後の反射率－洗浄前の反射率）／（原布の反射率－洗浄前の反射率）］

〔取り出しやすさの評価方法〕
（１）評価衣類の前処理
あらかじめ、ノニオン界面活性剤（ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物（平均付加モル数８））を用いて、約４ｋｇの評価衣類を、約２ｋｇに等分して、それぞれを、全自動洗濯機Panasonic NA-F70PB11で、連続で５回繰り返し洗濯した（ノニオン界面活性剤使用量４．５ｇ、標準コース、水量４５Ｌ、水温２５℃、洗浄時間１０分、ため濯ぎ２回）。その後、２５℃、４３％ＲＨの条件下で１日間、乾燥した。ここで、約４ｋｇの評価衣類は、市販のタオル（泉州タオル、木綿１００％、３４ｃｍ×８６ｃｍ）５枚、市販バスタオル（ベルメゾン（株）、木綿１００％）４枚、市販肌着（グンゼＹＧ肌着（Ｌ）、木綿１００％）１０枚、市販Ｙシャツ（UNIQLO ビッグシルエットシャツ（Ｍ）、木綿１００％）５枚、市販Ｔシャツ（UNIQLO クルーネックＴシャツ、木綿１００％）５枚、市販パンツ（UNIQLO チノパンツ（ＸＬ）、木綿１００％）２枚であった。

（２）評価衣類の洗浄
表１～６の組成物を２７ｇ測りとり、前処理をした評価衣類４ｋｇを、全自動洗濯乾燥機（TOSHIBA製 AW-8D7）にて水道水（２５℃）５４Ｌ、衣類総量４ｋｇ条件下で標準コース（洗い８分、すすぎ１回、脱水６分）にて洗濯した。

（３）取り出しやすさの評価
（２）の洗浄処理を行った後、脱水後の洗濯槽から衣類を洗濯かごに１枚ずつ取り出す際の衣類の取り出しやすさについて評価した。評価は比較例１－１の組成物で洗濯した場合を基準とし、熟練者６名で下記の基準で点数づけし、６人の平均点を算出した。その評価点を６人分集計し、平均点を算出した。表には四捨五入した小数点２桁までの値を記載した。結果を表１～６に示した。この評価では、平均点が高いもののほど取り出しやすさが優れているので好ましい。

このような脱水後の繊維製品の取り出しやすさの評価は、繊維製品同士の絡まりが少なく、繊維製品の傷みが抑制された仕上がりの指標となるだけなく、その後の洗濯工程である衣類の干しやすさや畳みやすさについても関連する指標であり、その簡便性を知ることができる。
－１…比較例１－１の組成物で洗濯した場合と比較して、衣類が絡まり、取り出しにくかった。
０…比較例１－１の組成物で洗濯した場合と同等の取り出しやすさであった。
１…比較例１－１の組成物で洗濯した場合と比較して、やや衣類が絡まりにくく、取り出しやすかった。
２…比較例１－１の組成物で洗濯した場合と比較して、衣類が絡まりにくく、取り出しやすかった。

Claims (11)

1. 下記の（ａ）成分及び（ｂ）成分を含有し、
   下記要件（１）及び（２）
   要件（１）：（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、
   要件（２）：（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、
   の少なくとも一方を満たす、
   繊維用洗浄剤組成物。
   （ａ）成分：分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩
   （ｂ）成分：下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）
   （ｂ１）成分：アニオン界面活性剤
   （ｂ２）成分：脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤
2. （ａ）成分が、分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を２つ有し、２つの前記炭化水素基の炭素数の合計が２０以上である、スルホコハク酸ジエステル又はその塩である、請求項１に記載の繊維用洗浄剤組成物。
3. （ａ）成分が、下記一般式（ａ１）で表される化合物である、請求項１又は２に記載の繊維用洗浄剤組成物。
   

   

   
   〔式中、Ｒ^１、Ｒ^２は、それぞれ、分岐鎖を有する炭素数５以上１８以下の炭化水素基であり、Ａ^１Ｏ、Ａ^２Ｏは、それぞれ、炭素数２以上４以下のアルキレンオキシ基であり、ｘ１、ｘ２は、平均付加モル数であり、それぞれ、０以上１０以下の数であり、Ｍは陽イオンである。〕
4. 前記一般式（ａ１）中、Ｒ^１、Ｒ^２の分岐鎖の炭化水素基の側鎖の炭素数が、それぞれ、３以上である、請求項３に記載の繊維用洗浄剤組成物。
5. 前記（ｂ１）成分が、下記一般式（ｂ１－１）で示される化合物（ｂ１－１）〔以下、（ｂ１－１）成分という〕、一般式（ｂ１－２）で示される化合物（ｂ１－２）〔以下、（ｂ１－２）成分という〕及び一般式（ｂ１－３）で示される化合物（ｂ１－３）〔以下、（ｂ１－３）成分という〕から選ばれる一種以上の化合物である、請求項１～４の何れか１項に記載の繊維用洗浄剤組成物。
   Ｒ^１ｂ－Ｏ－［（ＰＯ）_ｍ（ＥＯ）_ｎ］－ＳＯ_３Ｍ （ｂ１－１）
   （式（ｂ１－１）中、Ｒ^１ｂは炭素数８以上２２以下のアルキル基を示し、酸素原子と結合する炭素原子が第１炭素原子であり、ＰＯはプロピレンオキシ基を示し、ＥＯはエチレンオキシ基を示し、ＰＯとＥＯはブロック型結合又はランダム型結合であり、ＰＯとＥＯの結合順序は問わず、ｍ及びｎは平均付加モル数であって、ｍは０以上５以下、かつｎは０以上１６以下であり、そしてＭは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。）
   Ｒ^２ｂ－Ｂ－ＳＯ_３Ｍ （ｂ１－２）
   （式（ｂ１－２）中、Ｒ^２ｂは炭素数９以上２１以下のアルキル基を示し、Ｂはベンゼン環を示し、Ｂの炭素原子と結合するＲ^２ｂの炭素原子が第２級炭素原子であり、Ｍは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。Ｂに結合するＲ^２ｂに対して、スルホン酸基はオルト位、メタ位又はパラ位に結合している。）
   Ｒ^３ｂ－ＣＨ（ＳＯ_３Ｍ）ＣＯＯＲ^４ｂ （ｂ１－３）
   （式（ｂ１－３）中、Ｒ^３ｂは炭素数６以上２０以下のアルキル基を示し、Ｒ^４ｂは炭素数１以上６以下のアルキル基を示し、Ｍは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属（１／２原子）、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す。）
6. 前記（ｂ２）成分が下記の一般式（ｂ２）で表されるノニオン界面活性剤である、請求項１～５の何れか１項に記載の繊維用洗浄剤組成物。
   Ｒ^５ｂ－（ＣＯ）_ｍＯ－（ＡＯ）_ｎ－Ｒ^６ｂ （ｂ２）
   〔式中、Ｒ^５ｂは炭素数９以上１８以下の脂肪族炭化水素基であり、Ｒ^６ｂは水素原子又はメチル基であり、ＣＯはカルボニル基であり、ｍは０又は１の数であり、ＡＯは、炭素数２のアルキレンオキシ基及び炭素数３のアルキレンオキシ基から選ばれる１種以上のアルキレンオキシ基である。ＡＯがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。ｎは平均付加モル数であって、１以上７０以下の数である。〕
7. （ｂ）成分として前記（ｂ１）成分と（ｂ２）とを含み、前記（ｂ１）成分の（ｂ２）成分に対する割合（ｂ１）／（ｂ２）（質量比）が、０．０１以上１以下である、請求項１～６の何れか１項に記載の繊維用洗浄剤組成物。
8. 更に、（ｃ）成分として、水酸基を有する溶剤を含有する、請求項１～７の何れか１項に記載の繊維用洗浄剤組成物。
9. 前記（ｃ）成分が、下記の（ｃ１）～（ｃ４）成分から選ばれる１種以上の有機溶剤である、請求項８に記載の繊維用洗浄剤組成物。
   （ｃ１）成分：炭素数２以上６以下の１価のアルコール
   （ｃ２）成分：炭素数２以上１２以下、且つ２価以上１２価以下のアルコール
   （ｃ３）成分：炭素数１以上８以下の炭化水素基（部分的に置換していても良い芳香族基を除く）、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
   （ｃ４）成分：部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
10. 前記（ｃ）成分の（ａ）成分に対する割合（ｃ）／（ａ）（質量比）が０．６以上５．０以下である、請求項８又は９に記載の繊維用洗浄剤組成物。
11. 下記の（ａ）成分、（ｂ）成分及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、該繊維製品を水ですすぐ繊維製品の処理方法であって、
    前記洗浄液は、下記要件（１）及び（２）
    要件（１）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ１）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が３５質量％以上８０質量％以下、
    要件（２）：前記洗浄液中、（ａ）成分と（ｂ２）成分の合計含有量に対する（ａ）成分の含有量の割合が５０質量％以上８０質量％以下、
    の少なくとも一方を満たす、
    繊維製品の処理方法。
    （ａ）成分：分岐鎖を有する炭素数が５以上１８以下の炭化水素基を有する、スルホコハク酸エステル又はその塩
    （ｂ）成分：下記の（ｂ１）成分及び（ｂ２）成分から選ばれる１種以上の界面活性剤（ただし、（ａ）成分は除く）
    （ｂ１）成分：アニオン界面活性剤
    （ｂ２）成分：脂肪族アルコールアルコキシレート及びエステルアルコキシレートから選ばれる１種以上のノニオン界面活性剤