JP2022102763A - 撹拌羽根および撹拌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、被撹拌物の撹拌をより均一に行うことができる撹拌羽根およびこの撹拌羽根を備えた撹拌装置を得ることである。【解決手段】本発明の撹拌羽根は、被撹拌物を収容する容器200を有する撹拌装置3000において使用される撹拌羽根100であって、撹拌羽根は、撹拌装置によって回転されるシャフト10と、第1の羽根体110と、第2の羽根体120と、第1の羽根体と第2の羽根体とを連結する第1の連結部材20aとを備え、第1の羽根体は、シャフトに接続され、第1の羽根体および第2の羽根体は、シャフトが撹拌装置によって回転されると、第1の羽根体ですくい上げられた容器に収容された被撹拌物Aの少なくとも一部が第1の連結部材を介して第2の羽根体の上に移動するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の羽根体を備え、被撹拌物が複数の羽根体に跨って移動するように構成された撹拌羽根、およびこのような撹拌羽根を用いた撹拌装置に関するものである。
従来から食品調理機などでは、被撹拌物である食品を撹拌する撹拌部材が用いられている。例えば、特許文献1に開示の食品炒め調理機では、撹拌部材として螺旋状撹拌子が用いられており、食品を収容した鍋内でこの螺旋状撹拌子を回転させることにより食品が鍋の中央に移動するようになっている。
特開平6-261831号公報
ところが、特許文献1に開示の撹拌部材である螺旋状撹拌子の回転によっては、被撹拌物が鍋の中央に移動するだけで、特に、鍋に収容されている被撹拌物の鍋の深さ方向での撹拌が不十分である場合があった。
本発明は、被撹拌物の撹拌をより均一に行うことができる撹拌羽根およびこのような撹拌羽根を備えた撹拌装置を得ることを目的とする。
本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
被撹拌物を収容する容器を有する撹拌装置において使用される撹拌羽根であって、前記撹拌羽根は、
前記撹拌装置によって回転されるシャフトと、
第1の羽根体と、
第2の羽根体と、
前記第1の羽根体と前記第2の羽根体とを連結する第1の連結部材と
を備え、
前記第1の羽根体は、前記シャフトに接続され、
前記第1の羽根体および前記第2の羽根体は、前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第1の羽根体ですくい上げられた前記容器に収容された前記被撹拌物の少なくとも一部が前記第1の連結部材を介して前記第2の羽根体の上に移動するように構成されている、撹拌羽根。
(項目2)
記第1の羽根体および前記第2の羽根体は、前記被撹拌体の少なくとも一部が前記第2の羽根体の上に存在する場合において、前前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第1の羽根体から前記第2の羽根体の上に移動される前記被撹拌物の前記少なくとも一部により、前記第2の羽根体の上に存在する前記被撹拌物の前記少なくとも一部の少なくとも一部が前記第2の羽根体から落下するように構成されている、項目1に記載の撹拌羽根。
(項目3)
前記撹拌羽根は、
第3の羽根体と、
前記第2の羽根体と前記第3の羽根体とを連結する第2の連結部材と
をさらに備え、
前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、前記被撹拌体の少なくとも一部が前記第2の羽根体の上に存在する場合において、前前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第2の羽根体の上に存在する前記被撹拌物の前記少なくとも一部の少なくとも一部が前記第2の連結部材を介して前記第3の羽根体の上に移動するように構成されている、項目1または項目2に記載の撹拌羽根。
(項目4)
前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、前記被撹拌体の少なくとも一部が前記第3の羽根体の上に存在する場合において、前前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第2の羽根体から前記第3の羽根体の上に移動される前記被撹拌物の前記少なくとも一部により、前記第3の羽根体の上に存在する前記被撹拌物の前記少なくとも一部の少なくとも一部が前記第3の羽根体から落下するように構成されている、項目3に記載の撹拌羽根。
(項目5)
前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、
前記第1の羽根体のうちの前記被撹拌物をすくい上げる表面の面積が、前記第2の羽根体のうちの前記被撹拌物をすくい上げる表面の面積より小さく、かつ、前記第3の羽根体のうちの前記被撹拌物をすくい上げる表面の面積より大きくなるように構成されている、項目3または4に記載の撹拌羽根。
(項目6)
前記容器は略水平状態で載置された状態において、
前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、
前記第2の羽根体の前記表面が略水平になる位置が、前記第1の羽根体の前記表面が略水平になる位置より高い位置であるとともに前記容器の外周側に位置し、前記第3の羽根体の前記表面が略水平になる位置が、前記第2の羽根体の前記表面が略水平になる位置より高い位置であるとともに前記容器の外周側に位置するように構成されている、項目5に記載の撹拌羽根。
(項目7)
項目1~6のいずれか一項に記載の撹拌羽根を備えた、撹拌装置。
(項目8)
前記シャフトを回転させる第1の駆動手段と
前記容器を回転させる第2の駆動手段と、
を備え、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段は、前記シャフトの単位時間当たりの回転数と前記容器の単位時間当たりの回転数とが1以外の公約数を持たない異なる回転数となるように構成されている、項目7に記載の撹拌装置。
(項目9)
前記撹拌羽根と前記容器の内面とは接触しないように構成されている、項目7または8に記載の撹拌装置。
本発明によれば、被撹拌物の撹拌をより均一に行うことができる撹拌羽根およびこのような撹拌羽根を備えた撹拌装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施形態1による撹拌羽根100およびこの撹拌羽根100を用いた撹拌装置300を説明するための図である。 図2は、図1に示す撹拌羽根100を構成する3つの羽根体110、120、130の具体的な構成を説明するための平面図である。 図3は、図2に示す第1の羽根体110の被撹拌物をすくい上げる状態を説明するための斜視図であり、第1羽根体110の表面(煽り面)110bが略水平になった状態を示している。 図4は、図2に示す第1の羽根体110ですくい上げられた被撹拌物A1が部分的に第2の羽根体120に移動する様子を模式的に示す。 図5は、図2に示す第2の羽根体120の被撹拌物をすくい上げる状態を説明するための斜視図であり、第2羽根体120の表面(煽り面)120bが略水平になった状態を示している。 図6は、第1の羽根体110から移動してきた被撹拌物A11および第2羽根体120ですくい上げられた被撹拌物A2が部分的に第3の羽根体に移動する様子を模式的に示す。 図7は、図2に示す第3の羽根体130の被撹拌物をすくい上げる状態を説明するための斜視図であり、第3羽根体130の表面(煽り面)130bが略水平になった状態を示している。 図8は、本発明の実施形態1による撹拌羽根100を用いた撹拌装置300を説明するための斜視図であり、撹拌装置300の構成を模式的に示している。 図9は、図8に示す撹拌装置300をZ方向から見た構造を示す平面図である。 図10は、図8に示す撹拌装置300をX方向から見た構造を示す平面図である。 図11は、図8に示す撹拌装置300をY方向から見た構造を示す平面図である。 図12は、図8に示す撹拌装置300から被撹拌物を取り出す動作を説明するための図であり、撹拌羽根100を容器200の容器本体201の内部から退避させた状態を示している。 図13は、図8に示す撹拌装置300から被撹拌物を取り出す動作を説明するための図であり、容器200の容器本体201を撹拌装置300の装置筐体300aに対して起立させた状態を示している。
本発明の撹拌羽根は、被撹拌物の撹拌をより均一に行うことができる撹拌羽根およびこのような撹拌羽根を備えた撹拌装置を得ることを課題とし、
被撹拌物を収容する容器を有する撹拌装置において使用される撹拌羽根であって、撹拌羽根は、
撹拌装置によって回転されるシャフトと、
第1の羽根体と、
第2の羽根体と、
第1の羽根体と第2の羽根体とを連結する第1の連結部材と
を備え、
第1の羽根体は、シャフトに接続され、
第1の羽根体および第2の羽根体は、シャフトが撹拌装置によって回転されると、第1の羽根体ですくい上げられた容器に収容された被撹拌物の少なくとも一部が第1の連結部材を介して第2の羽根体の上に移動するように構成されている、撹拌羽根、およびこのような構成の撹拌羽根を用いた撹拌装置を提供することにより、上記課題を解決したものである。
撹拌装置は、少なくとも被撹拌物を収容する容器と、撹拌羽根(シャフト)を回転させる第1の駆動手段とを備えている。なお、容器の形状は任意であり得る。好ましい実施形態において、容器は底面が略半球状体であるがこれに限定されない。底面が略半球状体からなる容器とすることにより、底面が平面状体からなる容器と比較してより均一に撹拌することが可能となる。また、底面を半球状体とすることにより、容器の厚みを薄くすることが可能となり、それにより熱を容器全体に均一に伝導させることが可能となる。
撹拌羽根(シャフト)を回転させる第1の駆動手段の配置は任意であり得る。好ましい実施形態において、第1の駆動手段は、撹拌装置に対して傾斜した状態で設けられるが、本発明はこれに限定されない。例えば、水平状態に設けてもよいし、略垂直状態で設けてもよい。
撹拌装置は、さらに容器を回転させる第2の駆動手段を備えていてもよい。容器を回転させることにより、被撹拌物をより効率的に撹拌することが可能となる。
また、撹拌装置は容器を加熱する加熱手段を備えていてもよい。加熱手段をもうけることにより、例えば、被撹拌物が食材などの場合に、調理しながら撹拌を同時に行うことが可能となる。
撹拌装置は、さらに容器の回転数と撹拌羽根(シャフト)の回転数とを制御する制御手段を備えていてもよい。容器の回転数と撹拌羽根の回転数とを所定条件に制御することにより、被撹拌物をより効率的に撹拌することが可能となる。
撹拌羽根は、少なくとも撹拌装置の第1の駆動手段に装着可能なシャフトと、シャフトに接続される第1の羽根体と、第2の羽根体と、第1の羽根体と第2の羽根体とを連結する第1の連結部材とを備えている。
シャフトの形状は任意であり得る。1つの実施形態において、シャフトは軸が略直線上の部材であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、軸がらせん状などの曲線上であってもよい。
また、複数の羽根体の形状および大きさも任意であり得る。1つの実施形態において断面が平板状体であるが、これに限定されない。容器内の被撹拌物を効率的に収容できるように断面が略凹状体であってもよい。
また、複数の羽根体の容器の内面と対向する刃先面の形状は任意であり得る。好ましい実施形態において、刃先面の形状は容器の内面の形状に沿った形状である。1つの実施形態において、略半球状の容器において、複数の羽根体の刃先面の形状は略円弧状であるが、これに限定されない。例えば、平面視において略三日月状であってもよいし、略三角形状や略矩形状であってもよい。刃先面の形状を容器の内面の形状に沿った形状にすることで、効率的に容器内の被撹拌物をすくい上げることが可能となる。
複数の羽根体の刃先面の長さは任意であり得る。複数の羽根体の刃先面の長さは全部同じ長さであってもよいし、それぞれ異なる長さであってもよいし、一部が同じ長さであってもよい。
好ましい実施形態において、3枚の羽根体を有している場合に、第3の羽根体の刃先面の長さよりも第2の羽根体の刃先部の長さが短く、第1の羽根体の刃先部の長さが一番長い。このような3枚の羽根体の刃先部の長さの大小関係では以下の効果が得られる。
第1の羽根体の刃先部は、容器の略中心部で被撹拌物をすくい上げるものであって、被攪拌物は略容器の中心に多く集まっているものであるから、第1の羽根体の刃先部の長さを長くすることによってすくい上げる被撹拌物の量を増やすことが可能となりこの第1の羽根体の担う役割、すなわち、被撹拌物をすくい上げる役割、すくい上げた被撹拌物を持ち上げて落とす役割をより効果的に果たすことができる。第2の羽根体は、第2の羽根体自体ですくい上げた被撹拌物だけでなく、第1の羽根体ですくい上げられて第1の羽根体から移動してきた被撹拌物をも持ち上げて落とすものであるため、この第2の羽根体では、第1の羽根体に比べて刃先部の長さを短くすることで、第1の羽根体からの被撹拌物が容器内のうちの第1の羽根体が被撹拌物をすくい上げる領域(中心部)の周囲に落ちやすくなり、水平方向での被撹拌物のより均一な撹拌を行うことが可能となる。第3の羽根体は、第2の羽根体と同様に、第3の羽根体自体ですくい上げた被撹拌物だけでなく、第2の羽根体ですくい上げられて第1の羽根体から移動してきた被撹拌物をも持ち上げて落とす働きをするものでもあるが、第3の羽根体は、第2の羽根体に比べて、存在する被撹拌物の量が少ない容器外周側に位置するものであり、主な働きは、容器の内面に点在する被撹拌物を掻き落とすものとなる。そのため、広い範囲で点在する被攪拌物を効率的に掻き落とすために、第2の羽根体の刃先部よりも長くするのが好ましい。なお、第3の羽根体刃先部の長さを第1の羽根体よりは短くすることによって所望の効果を奏しつつ攪拌羽根をコンパクトにすることができる。なお、食材などの被撹拌物の種類あるいは量によっては、容器の外周部に点在する被撹拌物の位置が容器のより高い位置まで及ぶ場合は、第3の羽根体の刃先部の長さを第1の羽根体の刃先部の長さよりも長くしてもよい。なお、第3の羽根体は容器の外周側の被攪拌物をすくい上げるものであって、外周側に存在する被攪拌物は、容器の略中心部や半径方向の略中央部に存在する被攪拌物よりも少ないため、第3の羽根体の煽り面の面積は第1の羽根体および第2の羽根体の煽り面の面積よりも小さいのが好ましい。
第1の連結部材は、第1の羽根体と第2の羽根体とを連結するものであれば任意の形態であり得る。1つの実施形態において羽根体と同じような平板状体であるが、これに限定されない。第1の連結部材は、第1の羽根体によってすくい上げられた被撹拌物が、シャフトの回転によって第1の羽根体上から第2の羽根体に移動できるように第1の羽根体と第2の羽根体とを連結している。第1の羽根体による容器内ですくい上げることのできる被撹拌物の領域と第2の羽根体による容器内ですくいあげることのできる被撹拌物の領域とは、少なくとも一部が異なるように構成されている。1つの実施形態において、第1の羽根体ですくい上げることのできる領域は容器の略中心部であり、第2の羽根体ですくい上げることのできる領域は第1の羽根体ですくい上げることのできる領域よりも容器の外周側の領域である。
例えば、第1の羽根体および第2の羽根体は、第2の羽根体の上に存在する被撹拌物の少なくとも一部が、第1の羽根体から第2の羽根体に移動してくる被撹拌物により第2の羽根体から落下するように構成されていてもよい。
また、羽根体は3枚以上備えていてもよい。3枚以上の複数の羽根体を備える場合も同様に、それぞれの羽根体が容器内ですくい上げることのできる被撹拌物の領域は少なくとも一部が異なるように構成されており、第1の羽根体から順に複数の羽根体のそれぞれ容器内のすくい上げることのできる被撹拌物の領域は容器の外周側に移動するように構成されている。第2の羽根体の上に存在する被撹拌物の少なくとも一部が、第1の羽根体から第2の羽根体に移動してくる被撹拌物により、第2の羽根体から落下せずに第2の羽根体につながる次の第3の羽根体に移動し、第3の羽根体から落下するように構成されていてもよい。
また、撹拌羽根は、第3の羽根体と、第2の羽根体と第3の羽根体とを連結する第2の連結部材を有し、第2の羽根体にシャフトの回転によりすくい上げられた被撹拌物の少なくとも一部が第2の連結部材を介して第3の羽根体上に移動するものでもよい。さらに、第1の羽根体および第2の羽根体および第3の羽根体は、第3羽根体の上に存在する被撹拌物の少なくとも一部が、第2の羽根体から第3の羽根体に移動してくる被撹拌物により第3の羽根体から落下するように構成されていてもよい。
また、撹拌羽根は、4つ以上の羽根体と、隣接する羽根体を連結する3つ以上の連結部材とを備え、1つの羽根体にシャフトの回転によりすくい上げられた被撹拌物の少なくとも一部が、連結部材を介して1つの羽根体に隣接する他の羽根体上に移動するものでもよい。さらに、4つ以上の羽根体は、隣接する一方の羽根体の上に存在する被撹拌物の少なくとも一部が、隣接する他方の羽根体から一方の羽根体に移動してくる被撹拌物により一方の羽根体から落下するように構成されていてもよい。
また、撹拌羽根を構成する複数の羽根体は、被撹拌物をすくい上げる表面の面積の大小関係が特に限定されるものではなく任意であり得る。好ましい実施形態において、複数の羽根体は、第1の羽根体と第2の羽根体と第3の羽根体であって容器の略中心部の被撹拌物をすくい上げる第1の羽根体の面積を大きくし、第1の羽根体によってすくい上げられた被撹拌物の一部が移動されてくるものを受け取る領域と第1の羽根体よりも容器の外周側の部分で第2の羽根体自体によって被撹拌物をすくい上げる領域が必要であるため、第2の羽根体の面積は第1の羽根体の面積よりも大きくする。そして、第3の羽根体によってすくい上げることのできる被撹拌物は容器の外周端付近であって、ほとんど第3の羽根体自身によってすくい上げることのできる被撹拌物は少なく、第2の羽根体によってすくい上げられた被撹拌物を受け取る領域が大部分であるため、第3の羽根体の面積は第1の羽根体および第2の羽根体よりも小さく構成される。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、第1の羽根体における被撹拌物をすくい上げる表面の面積が最大であり、第3の羽根体における被撹拌物をすくい上げる表面の面積が最小であり、第2の羽根体における被撹拌物をすくい上げる表面の面積が、第1の羽根体の表面の面積より小さく、かつ、第3の羽根体の表面の面積より大きくなるように構成されていてもよいし、第1の羽根体および第2の羽根体の面積が同じで、第3の羽根体の面積が第1の羽根体および第2の羽根体の面積よりも小さくてもよいし、第1の羽根体と第2の羽根体と第3の羽根体との面積が全て同じであってもよい。
また、撹拌羽根を構成する複数の羽根体は、被撹拌物をすくい上げるときに最も多くの被撹拌物をすくい上げることが可能な姿勢、すなわち、被撹拌物をすくい上げる表面が容器の半径方向(略水平方向)と略平行になる姿勢をとるときの容器に対する高さおよび半径方向の位置は、それぞれ異なるように構成されている。好ましい実施形態において、第1の羽根体および第2の羽根体および第3の羽根体は、第2の羽根体の表面が略水平になる位置が、第1の羽根体の表面が略水平になる位置より高い位置であるとともに容器の外周側に位置し、第3の羽根体の表面が略水平になる位置が、第2の羽根体の表面が略水平になる位置より高い位置であるとともにより容器の外周側に位置するように構成されている。この場合、各羽根体による撹拌効率が最も高くなる位置が容器の高さ方向および半径方向に分散されることとなり、容器全体で撹拌を均一に行うことができる。
さらに、撹拌装置では、容器を回転させる駆動手段、および撹拌羽根のシャフトを回転させる駆動手段は、容器あるいはシャフトを回転させる機能を有するものであれば、具体的な構成は特に限定されるものではない。好ましくは、シャフトの回転数(単位時間当たりの回転数)と容器の回転数(単位時間当たりの回転数)とが1以外の公約数を持たない異なる回転数となるように構成されている。このように撹拌羽根の回転数と容器の回転数とが異なり、かつ、1以外の公約数を持たないようにすることにより、各羽根体の先端縁(刃先部)が容器内面の同じ位置に戻ってくる頻度を少なくすることができ、より均一に被撹拌物を撹拌することが可能となる。例えば、撹拌羽根の回転数を12rpmとし、かつ容器の回転数を8rpmとするよりも、撹拌羽根の回転数を12rpm、かつ容器の回転数を7rpmもしくは13rpmとすることにより、単位時間あたり(例えば1分間)に、撹拌羽根の各羽根体が容器の同じ場所にくる回数を4回から1回に減らすことが可能となる。
容器を構成する材料は、任意であり得る。例えば、容器内で被撹拌物を加熱しながら撹拌する用途に用いられる場合においては、容器の構成材料は、鉄、銅、ステンレスなどの金属材料である。しかしながら本発明はこれに限定されない。高温状態で撹拌しないなどの場合には、容器の構成材料として樹脂材料などもあり得る。
羽根体を構成する材料は、任意であり得る。例えば、構成材料は、鉄、銅、ステンレスなどの金属材料であるが、これに限定されない。例えば、樹脂(このましくは摺動特性のよいフッ素樹脂など)であってもよいし、金属の表面に樹脂を張り付けたものであってもよい。
上述したように、本発明の撹拌羽根は、シャフトに接続された第1の羽根体にシャフトの回転によりすくい上げられた被撹拌物の少なくとも一部が第1の連結部材を介して第2羽根体上に移動するものであれば、その他の構成は特に限定されるものではないが、以下の実施形態では、撹拌羽根として、3つの羽根体(第1の羽根体、第2の羽根体、第3の羽根体)と、2つの連結部材(第1の連結部材および第2の連結部材)とを有するものを挙げて、3つの羽根体の具体的な構成を説明する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による撹拌羽根100を説明するための図であり、図1(a)は、この撹拌羽根100が容器200を有する撹拌装置300で利用される場合を示し、図1(b)は、図1(a)に示す撹拌装置300から撹拌羽根100および容器200を取り外した状態を概念的に示し、図1(c)は、図1(a)に示す撹拌装置300の撹拌羽根100を拡大して示し、図1(d)は、図1(c)に示す撹拌羽根100をAx方向から見た構造を示す。
本実施形態1の撹拌羽根100は、図1(a)に示すように、被撹拌物Aを収容する容器200を有する撹拌装置300において使用される撹拌羽根である。この撹拌羽根100は、図1(c)、図1(d)に示すように、撹拌装置300によって回転されるシャフト10と、第1の羽根体110と、第2の羽根体120と、第3の羽根体130とを備え、さらに、第1の羽根体110と第2の羽根体120とを連結する第1の連結部材20aと、第2の羽根体120と第3の羽根体130とを連結する第2の連結部材20bとを備えている。
ここで、シャフト10は、シャフト本体10aと、その根元側の端部に設けられた接続部材10bとを有する。シャフト本体10aの先端側には第1の羽根体110の一端部が接続され、シャフト本体10aの根元側部分には、第3の羽根体130の一端部が固定部材30により固定されている。なお、接続部材10bは、羽根取付ヘッド310の回転軸101aに着脱可能な構造となっている。
また、容器200は、被撹拌物Aを収容する容器本体201と、容器本体201を支持する支持フランジ202とを含む。支持フランジ202は容器本体201の外側面に取り付けられたリング状部材であり、容器本体201は、球面の一部を切り取った形状(例えば、略半球面形状、あるいは半球面より端面の半径が小さい球面の一部の形状)を有している。容器200と撹拌羽根100とは、撹拌羽根100を構成する3つの羽根体のいずれもが容器本体201の内面にゼロ点接触または非接触となるように相対的な位置関係が調整されている。
さらに、撹拌装置300は、上述した撹拌羽根100および容器200に加えて、図1(a)および図1(b)に示すように、装置筐体300aと、撹拌羽根100を回転可能に支持する羽根支持ヘッド310と、容器200を回転可能に支持する容器支持機構320とを備えている。羽根支持ヘッド310は装置筐体300aに取り付けられ、容器支持機構320は装置筐体300aに内蔵されており、装置筐体300aの上面部には、お椀方形状の容器本体201を収容可能な容器収容孔303aが形成されている。羽根支持ヘッド310は撹拌羽根100を回転させる羽根駆動手段(第1の駆動手段)310aを備えており、容器支持機構320は、容器本体201に取り付けられている支持フランジ202を回転させることにより容器200を駆動する容器駆動手段(第2の駆動手段)320aを備えている。第1の駆動手段310aおよび第2の駆動手段320aには、例えば、電動モータが用いられている。
(撹拌羽根100)
以下、撹拌羽根100を詳しく説明する。
シャフトが回転することにより撹拌羽根100を構成する3つの羽根体110、120、130は、容器200の容器本体201の内面に存在している被撹拌物をすくい上げる機能を有する刃先部110a、120a、130aと、刃先部110a、120a、130aによってすくい上げられた被撹拌物を持ち上げる機能と持ち上げられた被撹拌物を落下させる機能とを有する表面(煽り面)110b、120b、130bとを備えている。
刃先部および煽り面の形状は、羽根体が被撹拌物を容器本体201の内面からすくい取る作用(第1の作用)、およびすくい取った被撹拌物を持ち上げ、そして落下させる作用(第2の作用)が煽り作用として効果的に働くように構成されている。以下、各羽根体のもつ役割について詳細を説明する。
図2は、図1(c)に示す撹拌羽根100を構成する複数の羽根体を説明するための平面図であり、図2(a)は、第1の羽根体110を示し、図2(b)は、第2羽根体120を示し、図2(c)は、第3羽根体130を示す。
第1の羽根体110は、長さL1を有する略円弧状の刃先部110aと、面積S1を有する平面形状の煽り面110bとを有する(図2(a)参照)。第2の羽根体120は、長さL2を有する略円弧状の刃先部120aと、面積S2を有する平面形状の煽り面120bとを有する(図2(b)参照)。さらに、第3の羽根体130は、長さL3を有する略円弧状の刃先部130aと、面積S3を有する平面形状の煽り面130bとを有する(図2(c)参照)。
ここでは、第1の羽根体110の刃先部110aの長さL1、第2の羽根体120の刃先部120aの長さL2および第3の羽根体の略円弧状の刃先部130aの長さL3の大小関係は、L2<L3<L1となっている。
第1の羽根体110の煽り面面積S1は、第2の羽根体120の煽り面面積S2より小さく、かつ、第3の羽根体の煽り面面積S3より大きくなっており、このような煽り面面積の大小関係(S3<S1<S2)は、以下に説明するとおり、回転する容器本体201の周速と、3つの羽根体のそれぞれが担う役割とに基づいている。
まず、容器200の周速の観点からは以下のことが言える。
容器200の周速が遅い容器200の中心側に配置されている羽根体(第1の羽根体110)では、より多くの被撹拌物を落とさないようにすくい上げて煽り面110bに載せることができるように、容器本体201の周速が速い容器本体201の周縁側に配置されている羽根体(第2羽根体および第3羽根体)に比べて、煽り面面積S1を大きくすることが好ましい。このように、容器本体201のうちの周速が速いところに位置する羽根体では、羽根体の煽り面に乗り上げてくる被撹拌物の量が多いので、煽り面が狭くても、煽り面には多くの被撹拌物を載せることができるからである。
また、各羽根体が担う役割の観点からは、以下のとおり、より多くの役割を担う羽根体の面積を大きくすることが好ましいと言える。
第1の羽根体110は、被撹拌物を煽る役割と、すくい上げた被撹拌物を後続の第2の羽根体120に移動させる役割とを担っている。ここで、被撹拌物を煽る役割は、被撹拌物をすくいとって、すくい取った被撹拌物を持ち上げて落とす役割であり、羽根体の上述した第1の作用と第2の作用の両方の作用により果たされる役割である。
第2の羽根体120は、被撹拌物を煽る役割と、すくい上げた被撹拌物を後続の第3の羽根体に移動させる役割とに加えて、先行する第1の羽根体110から被撹拌物を受け取る役割も担っている。
第3の羽根体130は、被撹拌物を煽る役割と、先行する第2の羽根体120から被撹拌物を受け取る役割も担っているが、すくい上げた被撹拌物を後続の羽根体に移動させる役割は担っていない。
回転する容器本体201の周速の観点を鑑みると、3つの羽根体の煽り面の面積の大小関係は、容器本体201の略中心から徐々に外周側に向けてS3<S2<S1となるのが好ましいが、担っている役割が第1の羽根体110より第2の羽根体120の方が多いので、多くの役割を担う羽根体ではそのそれぞれの役割をより確実に果たせるように、具体的には、より多くの被撹拌物を煽り面に載せられるように、煽り面面積は、第2の羽根体120の方が第1の羽根体110よりも大きくするのが好ましい。その結果、第1の羽根体110、第2の羽根体120、第3の羽根体130では、これらの羽根体の煽り面面積の大小関係がS3<S1<S2となるようにしている。
以下、それぞれの羽根体の役割をより具体的に説明する。
(第1の羽根体110)
まず、第1の羽根体110の担う作用を説明する。
(煽り作用)
図3は、図2(a)に示す第1の羽根体110の被撹拌物をすくい上げる状態を説明するためのであり、略水平状態に載置された容器内の被撹拌物を撹拌する状態において、第1の羽根体110の表面(煽り面)110bが略水平になった状態を示している。ここで、図3(a)は斜視図、図3(b)は図3(a)のIIIa-IIIa線断面図である。
撹拌羽根100のシャフト10の略先端に接続された第1の羽根体110は、撹拌羽根100が撹拌装置300の羽根支持ヘッド310に取り付けられた状態では、図3に示すように、容器本体201の水平方向および垂直方向の両方向において、容器200の容器本体201の底の中心Bcに近い位置に配置されている。
なお、図3中、Rcは、容器200の回転軸を示し、Rdcは容器200の回転方向を示し、Rdfは撹拌羽根100の回転方向を示す。ここで、容器200の高さ方向(略垂直方向)は、容器200の回転軸Rcに沿った方向であり、容器200の半径方向(略水平方向)は、容器200の回転軸Rcに直交する方向である。
第1の羽根体110は、シャフトが回転することにより、刃先部110aが容器本体201の内面に向けて入射していくこととなり、まず刃先部110aのうちシャフトに接続された側の端部が容器内面に最接近し、シャフトの回転にともなって、順次容器内面に接近する刃先部の位置がシャフトに接続された側とは反対側に移動していき、シャフトの反対側の端部が容器内面に最接近した際に、煽り面110bが略水平状態となるように構成されている。本発明において、「煽り面が略水平」状態とは、水平状態に対する傾斜角度が±10°以内であることを意味する。煽り面は、例えば、水平状態に対して±10°以内、好ましくは±5°以内、さらに好ましくは±2°以内である。野菜など容器内面に張り付きやすい被攪拌物の場合は、略水平となる状態の角度を少し大きくして、被攪拌物を容器内面から掻きおとす効果を持たせるのが好ましい。米や液体など容器内面に張り付きにくい場合は、可能な限り略水平な状態とするのが好ましい。また、複数の羽根体において、容器の中心部に存在する被攪拌物をすくい上げる羽根体よりも、容器の外周側に存在する被攪拌物をすくい上げる羽根体において、上記水平な状態の調整を行うのが好ましい。しかし本発明はこれに限定されない。複数の羽根体を同じような角度からなる略水平な状態としてもよい。
なお、第1の羽根体110の刃先部110aは、容器本体201の内面の形状である略円弧状に対応した略円弧状となっている。このようにすることにより、刃先部110aが容器内面に接近して被撹拌物をすくい上げる際に効率的にすくい上げることを可能とする。好ましい実施形態において、羽根体は容器の内面に対してゼロ点接触または約20mm以下(1つの実施形態において、約15mm)の間の隙間を設けて非接触状態となるような状態で回転するように構成されている。羽根体と容器内面とを非接触とすることにより、撹拌時おける被撹拌物(特に米などの食材)を不必要にすりつぶすことを防止することが可能となる。ここで、羽根体と容器の内面との間隔は、広すぎると被撹拌物を確実にすくい上げることができなくなり、逆に狭すぎると、被撹拌物を不必要に破砕してしまう恐れがある。
なお、図3中、P1は、第1の羽根体110の煽り面110bが略水平となったときの煽り面110bの高さ位置であり、高さ位置P1は容器本体201の内面の底の中心Bcの高さ位置P0を基準としている、また、H1は、第1の羽根体110の煽り面110bが略水平となったときの基準位置P0からの第1の羽根体110の高さである。
このように、第1の羽根体110は、シャフトの回転により、まず刃先部110aのうちシャフトに接続された側の端部が容器200内面の略中心部に最接近するがこの状態において煽り面110bは大きく傾斜している。その後の回転に伴い、容器200内面に最接近する刃先部110aの位置がシャフトに接続された側の端部から徐々に反対側(容器200の外周側に対応する)の方に移動されていくとともに、煽り面110bの傾斜は緩やかになっていく。そして、第1の羽根体110の刃先部110aのうちのシャフトの接続部とは反対側の端部が容器に最接近する状態において、煽り面110bは略水平の状態となる。
このように、シャフトの回転により、第1の羽根体110の刃先部110aのシャフトに接続された側の端部が最初に容器200内面の略中心部に最接近し、その後、容器200内面に最接近する位置をシャフトに接続された側の端部から徐々に反対側に移動させつつ煽り面110bの傾斜を緩やかにすることにより、被撹拌物を煽り面110bですくい上げやすくし、シャフトの接続部とは反対側の端部が容器200内面に最接近する状態において、煽り面110bを略水平の状態とすることにより、より効率的に被撹拌物を煽り面110bですくい上げることができるようになる(第1の作用)。
図4は、図2に示す第1の羽根体110ですくい上げられた被撹拌物A1が部分的に第2の羽根体120に移動する様子を模式的に示している。ここで、図4(a)は側面図、図4(b)は図4(a)のAx方向から見た被撹拌物の動きを模式的に示す平面図である。
図4(a)に示すように、シャフトの回転により第1の羽根体110の刃先部が容器200内面に接近する際に略水平状態だった煽り面110bは、さらなるシャフトの回転により徐々に容器200内面から遠ざかり高い位置に移動するとともに略水平状態から傾斜した状態となる。それによって、煽り面110b上にすくい上げられた被撹拌物A1は持ち上げられる。そして、煽り面110bが所定角度以上に傾斜した状態において、その被撹拌物の一部A12が煽り面110b上から容器200内に落下するとともに、その被撹拌物の一部A12の他の一部が第1の連結部材20aを介して連結している第2の羽根体120の刃先面120bに移動するようになっている。
なお、シャフトの回転によって第1の羽根体110の煽り面110bが、徐々に容器200内面から遠ざかり高い位置に移動するとともに略水平状態から傾斜した状態となるのと同時に、第1の羽根体110と第1の連結部材20aで連結している第2の羽根体120は、その煽り面120bのうち第2の連結部材20aに連結している側の端部から徐々に容器200内面に接近していき第2の羽根体120の煽り面120b上で容器内の被撹拌物をすくい上げるようになる。その結果、図4(a)、図4(b)に示すように、すくい上げられた煽り面110b上にある被撹拌物A1は持ち上げられ、そのうちの一部A12は、第1の羽根体110の傾斜した煽り面110bから容器200内に落下する(第2の作用)。さらに、被撹拌物A1のその他の一部A11は第1の連結部材20aを介して第2の羽根体120の煽り面120b上に移動するようになる(移動作用)。第2の羽根体120の煽り面120b上には、すでに第2の羽根体120自身によりすくい上げられた被撹拌物A2が存在しているので、第1の羽根体110から第2の羽根体120上に移動してきた被撹拌物A11により、既に第2の羽根体120上にある被撹拌物A2の一部が押し出される状態となる。このように撹拌羽根100では、第1の羽根体110によってすくい上げられた被撹拌物を第1の羽根体110とは別の第2の羽根体120上に移動させることが可能となり、撹拌する領域を広げることが可能となり、さらに効率的に均一に撹拌することが可能となる。
(第2の羽根体110)
次に、第2の羽根体120の担う作用について説明する。
図5は、図2(b)に示す第2の羽根体120の被撹拌物をすくい上げる状態を説明するための図であり、略水平状態に載置された容器内の被撹拌物を撹拌する状態において、第2の羽根体120の表面(煽り面)120bが略水平になった状態を示している。ここで、図5(a)は斜視図、図5(b)は、図5(a)のVa-Va線断面図である。
第2の羽根体120は、第1の羽根体110のうちのシャフト10と接続された端部とは反対の略端部に第1の連結部材20aにより接続されている。この第2の羽根体120は、撹拌羽根100が撹拌装置300の羽根支持ヘッド310に取り付けられた状態では、図5に示すように、容器本体201の水平方向および垂直方向の両方向において、容器200の容器本体201の底の中心Bcから、第1の羽根体110より離れた位置に配置される。なお、図5において、図3と同じ符号は図3と同じものを示す。P2は、第2の羽根体120の煽り面120bが略水平となったときの煽り面120bの高さ位置であり、高さ位置P2は容器本体201の内面の底の中心Bcの高さ位置P0を基準としている、また、H2は、第2の羽根体120の煽り面120bが略水平となったときの、基準位置P0からの第2の羽根体120の高さである。
第2の羽根体120は、第1の羽根体110と同様に、シャフトの回転により、まず刃先部120aのうち第1の連結部材20aに接続された側の端部が容器200内面のに最接近するがこの状態において煽り面120bは大きく傾斜している。その後の回転に伴い、容器200内面に最接近する刃先部120aの位置が第1の連結部材20aに連結された側の端部から徐々に反対側(容器200の外周側に対応する)の方に移動されていくとともに、煽り面120bの傾斜は緩やかになっていく。そして、第2の羽根体120の刃先部120aのうちの第1の連結部材20aとは反対側の端部が容器200に最接近する状態において、煽り面120bは略水平の状態となる。
このように、シャフトの回転により、第2の羽根体120の刃先部120aの第1の連結部材20aに連結された側の端部が、最初に容器200内面の略中心部側に最接近し、その後、容器200内面に最接近する位置を第1の連結部材20aに連結された側の端部から徐々に反対側に移動させつつ煽り面120bの傾斜を緩やかにすることにより、被撹拌物を煽り面120bですくい上げやすくし、第1の連結部材20aとは反対側の端部が容器200内面に最接近する状態において、煽り面120bを略水平の状態とすることにより、より効率的に被撹拌物を煽り面120bですくい上げることができるようになる(第1の作用)。なお、第2の羽根体120によって容器200内面に最接近する高さが第1の羽根体110によって容器200内面に最接近する高さが異なるため、第1の羽根体110で撹拌される領域と第2の羽根体120で撹拌される領域が異なるため、より効率的に撹拌することが可能となる。
図6は、第1の羽根体110から移動してきた被撹拌物A11および第2羽根体120ですくい上げられた被撹拌物A2が部分的に第3の羽根体に移動する様子を模式的に示す図であって、図6(a)は、側面図であり、図6(b)は、図6(a)のAx方向から見た被撹拌物の動きを模式的に示す平面図である。
第2の羽根体120の煽り面120bは、前述したように第1の羽根体110の煽り面110bですくい上げられた被撹拌物A1のその他の一部A11であって、第1の連結部材20aを介して第2の羽根体120の煽り面120b上に移動してきた被撹拌物A11をする受け取る作用も有するように構成されている。
図6(a)、図6(b)に示すように、第1の羽根体110から送られてきた被撹拌物A11と第2の羽根体110自身によりすくわれた被撹拌物A2とは混ざり合う。このようにすることで均一に撹拌することが可能となる。被撹拌物A2とA11とが混ざり合った被撹拌物A20の一部A22は、さらなるシャフトの回転により、第1の羽根体110のときと同様に、略水平状態にあった煽り面120bが容器200の内面から遠ざかり高い位置に移動するとともに傾斜した状態となる。なお、シャフトの回転によって第2の羽根体120の煽り面120bが、徐々に容器200内面から遠ざかり高い位置に移動するとともに略水平状態から傾斜した状態となるのと同時に、第2の羽根体120と第2の連結部材20bで連結している第3の羽根体130は、その煽り面130bのうち第2の連結部材20bに連結している側の端部から徐々に容器200内面に接近していき第3の羽根体130の煽り面130b上で容器内の被撹拌物をすくい上げるようになる。その結果、図6(a)、図6(b)に示すように、すくい上げられた煽り面120b上にある被撹拌物A20は持ち上げられ、そのうちの一部A22は、第2の羽根体120の傾斜した煽り面120bから容器200内に落下する(第2の作用)。さらに、被撹拌物A20のその他の一部A21は第2の連結部材20bを介して第3の羽根体120の煽り面130b上に移動するようになる(移動作用)。
なお、第3の羽根体130が容器200内面に最接近する高さが第2の羽根体120が容器200内面に最接近する高さと異なるため、また、第2の羽根体120で撹拌される領域と第3の羽根体130で撹拌される領域が異なるため、より効率的に撹拌することが可能となる。
(第3の羽根体130)
次に、第3の羽根体130の担う作用を説明する。
(煽り作用)
図7は、図2(c)に示す第3の羽根体130のすくい上げる状態を説明するための斜視図であり、第3の羽根体130の表面(煽り面)130bが水平になった状態を示している。ここで、図7(a)は斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIa-VIIa線断面図である。
第3の羽根体130は、第2の羽根体120における第1の羽根体110との接続部分とは反対側の端部に第2の連結部材20bにより接続されており、この第3の羽根体130は、撹拌羽根100が撹拌装置300の羽根支持ヘッド310aに取り付けられた状態では、図7に示すように、容器本体201の水平方向および垂直方向の両方向において、容器200の容器本体201の底の中心Bcから最も離れた位置に配置される。なお、図7中、図5と同じ符号は図3と同じものを示す。P3は、第3の羽根体130の煽り面130bが水平となったときの煽り面130bの高さ位置であり、高さ位置P3は容器本体201の内面の底の中心Bcの高さ位置P0を基準としている。また、H3は、第3の羽根体130の煽り面130bが水平となったときの、基準位置P0からの第3の羽根体120の高さである。
第3の羽根体130の煽り面130bは、前述したように第2の羽根体120の煽り面120b上に存在する被撹拌物A20の一部であって、第2の連結部材20bを介して第3の羽根体130の煽り面130b上に移動してきた被撹拌物A21を受け取る作用も有するように構成されている。第3の羽根体130は、第1の羽根体110および第2の羽根体120と同様にシャフトの回転により第1の作用および第2の作用を奏するように個構成されている。
さらに、この撹拌装置300では、羽根支持ヘッド310に含まれる羽根駆動手段(第1の駆動手段)310aが撹拌羽根100を回転させるときの単位時間当たりの回転数と、容器支持機構320に含まれる容器駆動手段(第2の駆動手段)320aが容器本体201を回転させる単位時間当たりの回転数とが1以外の公約数を持たない異なる回転数となるように第1の駆動手段および第2の駆動手段が構成されている。ここで、単位時間は特に限定されるものではないが、例えば、1分間当たりの回転数(rpm)である。
(装置筐体300a)
次に、図1に示す装置筐体300aの構成の一例、および羽根支持ヘッド310を支持するヘッド支持機構の構成の一例を具体的に説明する。ただし、装置筐体300aおよびヘッド支持機構の具体的な構成は以下に説明する構成に限定されるものではなく任意であり得る。
図8は、図1(b)に示す撹拌羽根100を用いた撹拌装置300を説明するための斜視図である。
この撹拌装置300を構成する装置筐体300aは、筐体の基部となるベース部材301と、装置筐体300aの側壁を形成するようにベース部材301上に設けられた筐体本体302と、装置筐体300aの上面部を形成する筐体天板303とを有しており、筐体天板303には、お椀形状の容器本体201を収容する容器収容孔303aが形成されている。装置筐体300aには、容器収容孔303aの直下に位置するように容器200を加熱する加熱手段350が設けられている。加熱手段350は具体的構成は限定されるものではなく、ガスバーナでもよいし、あるいは電磁加熱器具でもよい。
また、筐体天板303の1つの側辺の両端部には軸部材303bが取り付けられており、これらの軸部材303bは、筐体本体302に設けられた軸受け部材304により回動自在に支持されている。これにより、筐体天板303は筐体本体302に対して軸部材303bを中心として回動可能となっている。
さらに、ベース部材301上に設けられているその他の機構および手段をより具体的に説明する。
図9は、図8に示す撹拌装置300をZ方向(上方)から見た構造を示す平面図であり、図10は、図8に示す撹拌装置300をX方向(紙面右側)から見た構造を示す平面図であり、図11は、図8に示す撹拌装置300をY方向(紙面手前)から見た構造を示す平面図である。
(天板駆動手段340)
撹拌装置300は、図8~図11に示すように、筐体天板303を起立あるいは傾倒させる天板駆動手段340を備えている。
天板駆動手段340は、固定ブラケット341と、油圧シリンダ342と、軸受け部材343と、固定軸344と、取付ブラケット345とを有している。ここで、固定ブラケット341はベース部材301に固定されており、取付ブラケット345が筐体天板303の一端に取り付けられている。取付ブラケット345には固定軸344が固定され、固定軸344は、軸受け部材343により回動自在に支持されており、固定ブラケット341と軸受け部材343との間には油圧シリンダ342が取り付けられている。
この天板駆動手段340では、油圧シリンダ342のロッドを伸ばすことにより、軸受け部材304により回動自在に支持されている筐体天板303が起立することとなり、油圧シリンダ342のロッドを縮めることにより、筐体天板303が傾倒することとなる。
(羽根出没機構330)
撹拌装置300は、図9~図11に示すように、撹拌羽根100を容器200内に出没させる羽根出没機構330を備えている。
羽根出没機構330は、撹拌羽根100を支持する羽根支持ヘッド310を搖動可能に支持するヘッド支持手段330aと、羽根支持ヘッド310を搖動させるヘッド搖動手段330bとを有する。
ヘッド支持手段330aは、図10および図11に示すように、ヘッド支持台331と、シャフト軸受け332と、回動シャフト333と、シャフト固定部材334とを有している。ここで、ヘッド支持台331はベース部材301上に設けられており、ヘッド支持台331の上端部にはシャフト軸受け332が取り付けられている。また、回動シャフト333は、シャフト固定部材334により羽根支持ヘッド310に固定され、かつ、ヘッド支持台331の上端部に取り付けられているシャフト軸受け332に回動可能に支持されている。
ヘッド搖動手段330bは、図10および図11に示すように、固定ブラケット335と、油圧シリンダ336と、連結ブラケット337と、ヘッド回動アーム338とを有している。ここで、固定ブラケット335はベース部材301に固定されており、ヘッド回動アーム338の一端はヘッド支持手段330aの回動シャフト333に接続されており、ヘッド回動アーム338の他端には連結ブラケット337が取り付けられている。連結ブラケット337と固定ブラケット341との間には油圧シリンダ336が取り付けられている。
このように実施形態1の撹拌装置300では、羽根支持ヘッド310は、ヘッド支持手段330aにより回動シャフト333の回転軸を中心としてヘッド支持台331に対して回動可能となるように支持され、さらに、ヘッド搖動手段330bにより搖動させられるようになっている。
従って、この撹拌装置300では、羽根支持ヘッド310を水平な回動シャフト333の回動軸の周りで搖動させることにより、羽根支持ヘッド310に支持されている撹拌羽根100を容器200内に出没させることができる。
また、撹拌装置300では、装置筐体300aの筐体天板303を筐体本体302に対して起立させることにより、筐体天板303の容器収容孔303aに収容された容器200が筐体天板303とともに起立し、収容容器200内に収容されている撹拌済の被撹拌物Aを一度に排出することができる。
次に撹拌装置300の動作を図3~図8を用いて説明する。
以下の説明は、撹拌装置300は、被撹拌物Aである複数の食材を加熱しながら炒める調理装置であるとする。従って、被撹拌物Aは焼き飯の具材であり、具体的には、液卵(卵を溶いて液状としたもの)、炊飯米、玉ねぎ、又焼、混合調味液、ネギなどである。
まず、容器支持機構320に搭載されている容器駆動手段320a(図8参照)により容器200を回転させ、さらに、混合油を容器200内に投入して加熱手段350による容器200の加熱を開始する。
容器200の温度が食材投入に適した温度(例えば、容器の温度190℃)になると、羽根支持ヘッド310の羽根駆動手段310aによる撹拌羽根100の回転を開始し、食材に応じた加熱時間に適した順序で、液卵、炊飯米、玉ねぎ、又焼、混合調味液、ネギなどを順次投入する。
以下、撹拌羽根100が被撹拌物Aを撹拌する動作を説明する。
図3、図5、図7に示すように、被撹拌物Aである少なくとも1つの食材が投入された容器200が回転方向Rdcに回転する状態で、撹拌羽根100が回転方向Rdfに回転すると、撹拌羽根100の各羽根体110、120、130が順次容器200の内面に向かって入射していくことで各羽根体110、120、130が備える煽り面110b、120b、130bが順次容器200内面に最接近することで各羽根体110、120、130は被撹拌物Aをすくい上げることが可能となる。
また、各羽根体110、120、130では、それぞれの刃先部110a、120a、130aが容器200の容器本体201の内面に順次最接近するとき、それぞれの煽り面110b、120b、130bは、図3、図5、図7に示すように、羽根体毎に決められた高さ位置H1、H2、H3(H1<H2<H3)で順次水平な姿勢となる。この姿勢は、各羽根体110、120、130の煽り面110b、120b、130bに多くの被撹拌物Aを載せることができる姿勢であり、この姿勢によって、被撹拌物Aを効率よくすくい上げることが可能である。また、各羽根体110、120、130が容器200内面に最接近する際の高さがそれぞれ異なる高さであるため、容器200内の被撹拌物全体を撹拌することが可能であり効率的に均一に撹拌することが可能となる。
その後、撹拌羽根100の回転が進むと、各羽根体110、120、130の煽り面110b、120b、130bが順次略水平な状態から立ち上がり傾斜した状態となるとともに容器200から遠ざかる高さに移動することとなる。
以下、個々の羽根体に着目して羽根体による撹拌動作を説明する。
第1の羽根体110では、図4に示すように、刃先部110aが容器本体201の内面に最接近した後、さらに撹拌羽根100が回転すると、図4(a)に示すように、第1の羽根体110は、煽り面110bが垂直に平行な姿勢に近づくように立ち上がることとなる。
このように第1の羽根体110の煽り面110bの傾斜が水平面に対して急な傾斜になるにつれて、第1の羽根体110の煽り面110bに載っている被撹拌物A1は、徐々に煽り面110bから滑り落ちる。このとき、被撹拌物A1の一部A12は第1の羽根体110から容器本体201内に落下するが、第2の羽根体120が第1の羽根体110の下側に位置しているので、被撹拌物A1の他の一部A11は、第1の連結部材20aを介して第2の羽根体120に移動する。第1の羽根体110によって容器200の略中心部にある被撹拌物がすくい上げられることにより、略中心部分に空間が生じることになり、容器200の中心部以外に存在する被撹拌物が重力などの力によって略中心部に落下してくる。
また、このとき、第2の羽根体120の刃先部120aは、容器本体201の内面に近づきつつあるので、第2の羽根体120の煽り面120bには、すでに第2の羽根体120によりすくい上げられた被撹拌物A2が存在している。従って、第2の羽根体120では、第1の羽根体110から移動してきた被撹拌物A11と、第2の羽根体120ですくわれた被撹拌物A2とがともに持ち上げられる。また、第2の羽根体120では、既に存在する被撹拌物A2は、第1の羽根体110から移動してきた被撹拌物A11に押されて煽り面120bの第1の羽根体110とは反対側に移動するとともに、1つの被撹拌物A20としてまとまる。第1の羽根体110ですくい上げられた容器200の略中心部にあった被撹拌物の一部は、第2の羽根体120の煽り面120b上に移動することによって容器200の略中心部よりも外周側であって半径方向略中央部に移動することにより、より効率的に撹拌することが可能となる。
その後、撹拌羽根100の回転が進むと、第2の羽根体120では、図5に示すように、刃先部120aが容器本体201の内面に最接近し、さらに撹拌羽根100が回転すると、図6(a)に示すように、第2の羽根体120は、煽り面120bが水平に平行な姿勢から垂直に平行な姿勢に近づくように立ち上がることとなる。
このように第2の羽根体120の煽り面120bの傾斜が水平面に対して急な傾斜になるにつれて、第2の羽根体120の煽り面120bに載っている被撹拌物A20(A11+A2)は、徐々に煽り面120bから滑り落ちる。このとき、被撹拌物A20の一部A22は第2の羽根体110から容器本体201内に落下するが、第3の羽根体130が第2の羽根体120の下側に位置しているので、被撹拌物A20の他の一部A21は、第2の連結部材20bを介して第3の羽根体130に移動する。
このとき、第3の羽根体130では、既に存在する被撹拌物A3は、第2の羽根体120から移動してきた被撹拌物A21に押されて煽り面130bにおける第2の羽根体120とは反対側の端部に移動するとともに、1つの被撹拌物A30としてまとまる。
その後、撹拌羽根100の回転が進むと、第3の羽根体130では、図7に示すように、刃先部130aが容器本体201の内面に最接近し、さらに撹拌羽根100が回転すると、第3の羽根体130は、煽り面130bが水平に平行な姿勢から垂直に平行な姿勢に近づくように立ち上がることとなる。
このように第3の羽根体130の煽り面130bの傾斜が水平面に対して急な傾斜になるにつれて、第3の羽根体130の煽り面130bに載っている被撹拌物A30(A21
+A3)は、徐々に煽り面130bから滑り落ちる(図6(a)、(b)参照)。
このように第2の羽根体120上に存在する被撹拌物の一部(この中には第1の羽根体110によってすくい上げられた容器200の略中心部の被撹拌物が含まれる)は、第3の羽根体130の煽り面130bに移動することにより、容器200の半径方向の外周側に移動し、より効率的に撹拌することが可能となる。なお、第2の羽根体120によって容器200の半径方向略中央部の被撹拌物がすくい上げられることによって、容器200の半径方向略中央部に空間ができることで、容器200の半径方向外周側に存在する被撹拌物がこの空間内に落下してくる。
このように、第1の羽根体110ですくい上げられた容器200の略中心部の被撹拌物が、容器200の半径方向略中央部に存在する第2の羽根体120の位置、および/または容器200の半径方向外周側に存在する第3の羽根体130の位置に移動することが可能となるとともに、第1の羽根体によって被撹拌物がすくい上げられるために形成される容器200の略中心部の空洞に容器200の半径方向略中央部および/または外周側の被撹拌物が順次落下することになる。その結果、本発明の撹拌羽根による撹拌によって、被撹拌物が容器200の略中心部から半径方向略中央部および/または外周側に移動するとともに、半径方向略中央部および/または外周側に存在する被撹拌物が容器200の略中心部に順次落下するという循環作用が働き、より効率的に均一に被撹拌物を撹拌できるという効果を奏する。被撹拌物Aの撹拌が完了すると、被撹拌物Aは容器200から排出される。
図12および図13は、図8に示す撹拌装置300から被撹拌物を排出する動作を説明するための図であり、図12は、撹拌羽根100を容器200から退避させた状態を示し、図13は、容器200を撹拌装置300の装置筐体300aに対して起立させた状態を示している。
被撹拌物Aの撹拌が完了したときは、撹拌羽根100は容器200内に位置している状態であり、この状態で、ヘッド搖動手段330bの油圧シリンダ336をそのロッドが伸びるように駆動することにより羽根支持ヘッド310が回動シャフト333を中心として回動する。これにより、図12に示すように、羽根支持ヘッド310が撹拌羽根100を容器200内から持ち上げることとなり、容器200内から撹拌羽根100が退避させられる。
次に、このように容器200内から撹拌羽根100が退避した状態で、天板駆動機構340の油圧シリンダ342をロッドが伸びるように駆動する。これにより、筐体天板303が天板軸部303bを中心として回動することで、容器200が筐体天板303とともに斜めに傾斜することとなり、容器200に収容されている被撹拌物Aが容器200内から外部に排出される。
このように実施形態1の撹拌装置300では、撹拌羽根100の回転と容器200の回転とにより、容器200に投入された食材である被撹拌物Aの撹拌が行われ、各羽根体110a、120a、130aにより、容器本体201における各羽根体に対応する高さ位置で被撹拌物Aの煽り(すなわち、持ち上げて落とす垂直方向の撹拌)が行われ、同時に、容器本体201の中心から周縁側への被撹拌物Aの移動(すなわち、被撹拌物Aを第1の羽根体110から第3の羽根体130で順次受け継ぐ水平方向の撹拌)が行われる。
さらに、この実施形態1の撹拌装置300では、撹拌羽根100の単位時間当たりの回転数(例えば、1分間の回転数)と容器200の単位時間当たりの回転数(例えば、1分間当たりの回転数)とは、1以外の公約数を持たない異なる回転数となっている。従って、各羽根体110、120、130が容器本体201の内面の同じ位置に最接近する頻度は、単位時間当たりに1回のみである。このため、容器本体201内では、各羽根体による被撹拌物Aに対する撹拌を、容器200の円周方向においてもより均一に行うことが可能となる。
この実施形態1の撹拌装置300では、第1の羽根体110、第2の羽根体120および第3の羽根体130は、第2の羽根体120の煽り面120bが略水平になる位置P2が、第1の羽根体110の煽り面110b略水平になる位置P1より高く、第3の羽根体130の煽り面130bが略水平になる位置P3が、第2の羽根体120の煽り面120bが略水平になる位置より高くなっている。
このため、各羽根体による撹拌効率が最も高くなる場所が容器の高さ方向に分散されることとなり、容器全体として撹拌をより均一に行うことができる。
すなわち、撹拌羽根を構成する複数の羽根体は、被撹拌物をすくい上げるときに最も多くの被撹拌物をすくい上げることが可能な姿勢は、被撹拌物をすくい上げる表面が略水平になる姿勢である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、容器内の被撹拌物に対して垂直方向の撹拌とともに水平方向の撹拌を施すことができ、これにより容器内で被撹拌物の撹拌をより満遍なく行うことができる撹拌羽根およびこのような撹拌羽根を備えた撹拌装置を得ることができるものとして有用である。
10 シャフト
20a 第1連結部材
20b 第2連結部材
100 撹拌羽根
200 容器
300 撹拌装置

Claims (9)

  1. 被撹拌物を収容する容器を有する撹拌装置において使用される撹拌羽根であって、前記撹拌羽根は、
    前記撹拌装置によって回転されるシャフトと、
    第1の羽根体と、
    第2の羽根体と、
    前記第1の羽根体と前記第2の羽根体とを連結する第1の連結部材と
    を備え、
    前記第1の羽根体は、前記シャフトに接続され、
    前記第1の羽根体および前記第2の羽根体は、前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第1の羽根体ですくい上げられた前記容器に収容された前記被撹拌物の少なくとも一部が前記第1の連結部材を介して前記第2の羽根体の上に移動するように構成されている、撹拌羽根。
  2. 記第1の羽根体および前記第2の羽根体は、前記被撹拌体の少なくとも一部が前記第2の羽根体の上に存在する場合において、前前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第1の羽根体から前記第2の羽根体の上に移動される前記被撹拌物の前記少なくとも一部により、前記第2の羽根体の上に存在する前記被撹拌物の前記少なくとも一部の少なくとも一部が前記第2の羽根体から落下するように構成されている、請求項1に記載の撹拌羽根。
  3. 前記撹拌羽根は、
    第3の羽根体と、
    前記第2の羽根体と前記第3の羽根体とを連結する第2の連結部材と
    をさらに備え、
    前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、前記被撹拌体の少なくとも一部が前記第2の羽根体の上に存在する場合において、前前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第2の羽根体の上に存在する前記被撹拌物の前記少なくとも一部の少なくとも一部が前記第2の連結部材を介して前記第3の羽根体の上に移動するように構成されている、請求項1または請求項2に記載の撹拌羽根。
  4. 前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、前記被撹拌体の少なくとも一部が前記第3の羽根体の上に存在する場合において、前前記シャフトが前記撹拌装置によって回転されると、前記第2の羽根体から前記第3の羽根体の上に移動される前記被撹拌物の前記少なくとも一部により、前記第3の羽根体の上に存在する前記被撹拌物の前記少なくとも一部の少なくとも一部が前記第3の羽根体から落下するように構成されている、請求項3に記載の撹拌羽根。
  5. 前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、
    前記第1の羽根体のうちの前記被撹拌物をすくい上げる表面の面積が、前記第2の羽根体のうちの前記被撹拌物をすくい上げる表面の面積より小さく、かつ、前記第3の羽根体のうちの前記被撹拌物をすくい上げる表面の面積より大きくなるように構成されている、請求項3または4に記載の撹拌羽根。
  6. 前記容器は略水平状態で載置された状態において、
    前記第1の羽根体および前記第2の羽根体および前記第3の羽根体は、
    前記第2の羽根体の前記表面が略水平になる位置が、前記第1の羽根体の前記表面が略水平になる位置より高い位置であるとともに前記容器の外周側に位置し、前記第3の羽根体の前記表面が略水平になる位置が、前記第2の羽根体の前記表面が略水平になる位置より高い位置であるとともに前記容器の外周側に位置するように構成されている、請求項5に記載の撹拌羽根。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の撹拌羽根を備えた、撹拌装置。
  8. 前記シャフトを回転させる第1の駆動手段と
    前記容器を回転させる第2の駆動手段と、
    を備え、
    前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段は、前記シャフトの単位時間当たりの回転数と前記容器の単位時間当たりの回転数とが1以外の公約数を持たない異なる回転数となるように構成されている、請求項7に記載の撹拌装置。
  9. 前記撹拌羽根と前記容器の内面とは接触しないように構成されている、請求項7または8に記載の撹拌装置。
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