JP2022101442A - 窒化物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022101442000001
【課題】発光効率の高い窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】n側窒化物半導体層と、p側窒化物半導体層と、その間に設けられ活性層と、を含む窒化物半導体発光素子であって、活性層は、複数の第1井戸層5w1、複数の第2井戸層5w2と、複数の障壁層とを含む複数の積層部5bwを有し、n型不純物を含む第1障壁層5b1と、第1障壁層よりも低いn型不純物濃度のn型不純物を含み、第1障壁層よりp側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層5b2と、を含み、第1井戸層の間の第1障壁層のn型不純物濃度は、第2井戸層の間の第1障壁層のn型不純物濃度よりも高く、複数の障壁層のうち第1井戸層の間の障壁層における第1障壁層のn型不純物濃度と第2障壁層のn型不純物濃度の差は、複数の障壁層のうち第2井戸層の間の障壁層における第1障壁層のn型不純物濃度と第2障壁層のn型不純物濃度の差より大きい。
【選択図】図2

Description

本開示は、窒化物半導体発光素子およびその製造方法に関する。
特許文献1には、n型半導体層と、活性層を有する中間層と、p型半導体層とを含み、複数の井戸層の間に障壁層が設けられた半導体発光素子が記載されている。
国際公開第2019/106931号
上述の窒化物発光素子の発光効率において、発光効率の改善の余地がある。そこで、本開示は、発光効率の向上を図った窒化物半導体発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本開示に係る窒化物半導体発光素子は、
n側窒化物半導体層と、p側窒化物半導体層と、前記n側窒化物半導体層と前記p側窒化物半導体層との間に設けられた活性層と、を含む窒化物半導体発光素子であって、
前記活性層は、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部を有し、
前記井戸層は、複数の第1井戸層と、複数の前記第1井戸層より前記p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層と、を含んでおり、
複数の前記障壁層のうち前記第1井戸層の間に位置する少なくとも1つの前記障壁層と、複数の前記障壁層のうち前記第2井戸層の間に位置する少なくとも1つの前記障壁層とは、n型不純物を含む第1障壁層と、前記第1障壁層よりも低いn型不純物濃度のn型不純物を含み、前記第1障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層と、を含み、
前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度は、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度よりも高く、
複数の前記障壁層のうち前記第1井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度の差は、複数の前記障壁層のうち前記第2井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度の差より大きくなっている。
また、本開示に係る窒化物半導体発光素子の製造方法は、
n側窒化物半導体層を形成する工程と、
前記n側窒化物半導体層を形成する工程の後、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部を有する活性層を形成する工程と、
前記活性層を形成する工程の後、p側窒化物半導体層を形成する工程と、を有し、
前記活性層を形成する工程は、複数の前記障壁層を形成する工程と、複数の前記井戸層を形成する工程と、を含み、
複数の前記障壁層を形成する工程は、それぞれ、n型不純物を含む第1障壁層を形成する工程と、前記第1障壁層よりも低いn型不純物濃度のn型不純物を含み前記第1障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層を形成する工程と、を有しており、
複数の前記井戸層を形成する工程は、複数の第1井戸層を形成する工程と、複数の前記第1井戸層より前記p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層を形成する工程と、を有しており、
複数の前記障壁層を形成する工程において、
前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度が、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度よりも高くなるように形成し、
前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度との差が、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度との差より大きくなるように形成する。
また、本開示に係る窒化物半導体発光素子の製造方法は、
n側窒化物半導体層を形成する工程と、
前記n側窒化物半導体層を形成する工程の後、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部を有する活性層を形成する工程と、
前記活性層を形成する工程の後、p側窒化物半導体層を形成する工程と、を有し、
前記活性層を形成する工程は、複数の前記障壁層を形成する工程と、複数の前記井戸層を形成する工程と、を含み、
複数の前記障壁層を形成する工程は、それぞれ、n型不純物ガスを供給しながら第1障壁層を形成する工程と、前記第1障壁層の形成よりも少ない流量でn型不純物ガスを供給しながら前記第1障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層を形成する工程と、を有しており、
複数の前記井戸層を形成する工程は、複数の第1井戸層を形成する工程と、複数の前記第1井戸層より前記p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層を形成する工程と、を有しており、
複数の前記障壁層を形成する工程において、前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層を形成するときのn型不純物ガスの流量を、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層を形成するときのn型不純物ガスの流量よりも多くする。
以上のように構成された本開示に係る窒化物半導体発光素子によれば、発光効率の向上を図ることができる。
また、本開示に係る窒化物半導体発光素子の製造方法によれば、発光効率の高い窒化物半導体発光素子を製造することができる。
図1は、本開示に係る窒化物半導体発光素子の構成を示す断面図である。 図2は、本開示に係る第1実施形態の窒化物半導体発光素子の活性層の構成を示す模式図である。 図3は、本開示に係る第2実施形態の窒化物半導体発光素子の活性層の構成を示す模式図である。 図4は、本開示に係る窒化物半導体発光素子の製造工程を示す工程フロー図である。
井戸層と障壁層とが交互に積層された多重量子井戸構造の活性層を含む半導体発光素子は、障壁層にn型不純物をドープすることにより、発光素子の抵抗を減らして順方向電圧を下げることができると考えられる。しかしながら、障壁層のn型不純物濃度が高くなると、p側の半導体層から供給されるホールが活性層におけるp側の半導体層に近い井戸層において多く消費されやすくなってしまう。その結果、ホールが活性層における中央に近い井戸層に供給されにくくなるため、発光効率を高くしにくいという課題がある。
本開示に係る発明は、上記知見に基づき鋭意検討した結果なされたものであり、障壁層のn型不純物濃度を調整して全体として発光効率を高めようとする発明である。
この機能を効果的に発揮させる具体的な活性層の構成として、井戸層と障壁等とを含む複数の積層部を有しており、井戸層は、n側窒化物半導体層側に位置する複数の第1井戸層と、p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層と、を含み、複数の障壁層それぞれは、第1の障壁層と、第1の障壁層よりp側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層とを含む構成としている。
第1障壁層は、n型不純物を含んでいる。この第1障壁層のn型不純物濃度について、第1井戸層の間に位置する第1障壁層のn型不純物濃度は、第2井戸層の間に位置する第1障壁層のn型不純物濃度よりも高くしている。また、第2障壁層は、第1障壁層よりも低いn型不純物を含んでいる。
これら第1障壁層と第2障壁層とのn型不純物濃度の関係について、第1井戸層の間に位置する第1障壁層のn型不純物濃度と第2障壁層のn型不純物濃度の差を、第2井戸層の間に位置する第1障壁層のn型不純物濃度と第2障壁層のn型不純物濃度の差より大きくなるように設定している。このようにn型不純物濃度を設定することにより、活性層の中央に近い井戸層にまでホールが供給されやすくすることができる。その結果、活性層の中央に近い井戸層においても効率よく電子とホールを再結合させることができるので、発光に寄与しやすい井戸層を増やすことができるため発光効率を改善することができる。また、半導体層の結晶性の悪化を抑制することができるため、発光効率を改善することができる。
以下、より具体的な形態について詳細に説明する。なお、後述する本実施形態の窒化物半導体発光素子において、窒化物半導体としては、III-V族窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1))が挙げられ、III族元素の一部にBを用いてよく、V族元素のNの一部をP、As、Sbで置換した混晶であってもよい。これらの窒化物半導体層は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等により形成することができる。
また、本実施形態の窒化物半導体発光素子として、活性層にInを比較的多く含む井戸層を備えた発光ピーク波長が500nm以上の窒化物半導体発光素子(例えば、InGaNで構成された井戸層のうち、Inの比率が20.0~28.0%程度である緑色に発光する発光素子)を例示して説明する。なお、発光ピーク波長は、上記波長に限定されるものではない。また、本明細書において、数字を用いてA~Bと記載するときは、数がAである場合と数がBである場合とを含むものとする。
-窒化物半導体発光素子について-
<<第1実施形態>>
以下、図1および図2を参照しながら本開示に係る第1実施形態の窒化物半導体発光素子について説明する。本実施形態に係る窒化物半導体発光素子100は、基板1と、基板1上に設けられたn側窒化物半導体層10と、p側窒化物半導体層20と、n側窒化物半導体層10とp側窒化物半導体層20との間に位置する活性層5と、を含む。n側窒化物半導体層10は、下地層2と、n側コンタクト層3と、n側超格子層4と、を含む。p側窒化物半導体層20は、p型障壁層6と、p側コンタクト層と、を含む。最初に本開示の窒化物半導体発光素子における活性層5について説明し、その後、基板1、n側窒化物半導体層10、およびp側窒化物半導体層20の順に詳述する。
(活性層5)
活性層5は、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部5bwを含んでいる。図2の形態では、障壁層に井戸層が積層された積層部5bwを4つ備えた積層構造を例示している。
井戸層は、一例として、Inを含む窒化物半導体を用いてよく、In組成比を適宜設定することにより、青~緑色の発光が可能である。例えば、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた場合、In組成比xを所望量とすることにより、窒化物半導体発光素子の発光ピーク波長が430nm~570nmの範囲、例えば、緑色に発光させるため500nm~570nmの範囲とすることができる。
活性層5における井戸層(図2参照)は、n側窒化物半導体層10側に位置する複数の第1井戸層5w1(図示例では2つ)と、複数の第1井戸層5w1よりp側窒化物半導体層20側に位置する複数の第2井戸層5w2(図示例では2つ)と、を含んでいる。なお、第1井戸層5w1および第2井戸層5w2に対してInGaNの分解を抑制するため、各井戸層の上に中間層5cを積層してよい。
第1井戸層5w1は、第1井戸層5w1よりもp側窒化物半導体層20側の井戸層と比較して発光への寄与が抑えられた層であってよい。第1井戸層5w1の膜厚は、例えば、0.5~4.0nmの範囲、好ましくは、1.0~2.5nmの範囲、より好ましくは、1.2~1.9nmの範囲で設定される。図2に示される形態では、1.6nmとしている。
第2井戸層5w2は、第1井戸層5w1を介して供給される電子とp側窒化物半導体層20から供給されるホールとを効率よく再結合させて高い出力で発光させる層である。第2井戸層5w2は、第1井戸層5w1よりも厚くしてよい。第2井戸層5w2を第1井戸層5w1よりも厚くすることで、発光に寄与しやすい第2井戸層において多くの電子とホールを再結合させることができる。第2井戸層5w2の膜厚は、例えば、1.5~5.5nmの範囲、好ましくは、2.0~4.0nmの範囲、より好ましくは、2.5~3.2nmの範囲で設定される。図2に示される形態では、3.0nmとしている。
活性層5における障壁層は、井戸層にキャリアを閉じ込めるような材料によって構成され、例えば、井戸層よりもバンドギャップの広いGaN、InGaNまたはAlGaN等により構成されてよい。障壁層は、井戸層に挟まれるようにして位置し、n側窒化物半導体層10側に位置する第1障壁層5b1と、第1障壁層5b1よりp側窒化物半導体層20側に位置する第2障壁層5b2とを含む構成としている。
第1障壁層5b1は、n型不純物を含んでいる。第1障壁層5b1が、n型不純物を含んでいることにより、発光素子の順方向電圧を下げることができる。n型不純物は、例えば、SiまたはGeを含んでいてよく、本実施形態では、Siとしている。この第1障壁層5b1のn型不純物濃度について、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度よりも高くしている。第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、例えば、1.0×1017~1.0×1019/cmの範囲、好ましくは、3.0×1017~5.0×1018/cmの範囲、より好ましくは、5.0×1017~2.0×1018/cmの範囲に設定されてよく、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、例えば、1.0×1017~1.0×1019/cmの範囲、好ましくは、3.0×1017~5.0×1018/cmの範囲、より好ましくは、4.0×1017~1.0×1018/cmの範囲に設定されてよい。一例として示す図2の形態では、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、1.3×1018/cmであり、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、8.8×1017/cmである。
さらに、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚は、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚よりも厚くしてよい。第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚を第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚よりも厚くすることで、発光に寄与しやすい第2井戸層5w2および活性層の中央に近い井戸層にホールが供給されやすくすることができる。第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚は、例えば、5~30nmの範囲、好ましくは、10~25nmの範囲、より好ましくは、14~18nmの範囲に設定されてよく、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚は、例えば、5~30nmの範囲、好ましくは、6~16nmの範囲、より好ましくは、8~11nmの範囲に設定されてよい。一例として示す図2の形態では、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚は、15.8nmであり、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚は、9.5nmである。
第2障壁層5b2は、第1障壁層5b1よりも低いn型不純物濃度のn型不純物を含んでいる。また、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2は、アンドープの半導体層とすることで、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2及びそれ以降に形成する半導体層の結晶性の悪化を抑制することができる。一方で、第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2のn型不純物濃度は、例えば、1.0×1017~1.0×1019/cmの範囲、好ましくは、2.0×1017~1.0×1018/cmの範囲、より好ましくは、3.0×1017~8.0×1017/cmの範囲に設定されてよい。一例として示す図2の形態では、第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2のn型不純物濃度は、6.3×1017/cmである。なお、アンドープの半導体層とは、半導体層を形成する際にn型不純物ガスを供給せずに形成された半導体層であることを意味する。従って、半導体層の形成する際にn型不純物ガスを供給せずとも反応炉内の雰囲気中に存在するn型不純物が混入した半導体層についてもアンドープの半導体層を意味する。例えば、アンドープの半導体層とはn型不純物の濃度が1.7×1017/cm以下である。
さらに、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2の膜厚は、例えば、0.5~5.0nmの範囲、好ましくは、0.5~1.5nmの範囲、より好ましくは、0.5~0.8nmの範囲に設定されてよく、第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2の膜厚は、例えば、0.5~5.0nmの範囲、好ましくは、0.5~1.5nmの範囲、より好ましくは、0.5~0.8nmの範囲に設定されてよい。一例として示す図2の形態では、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2の膜厚および第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2の膜厚は、ともに、0.6nmである。なお、膜厚についてこの例に限定されるものではなく、互いに異なる膜厚としてよい。
このような、第1障壁層5b1と第2障壁層5b2とのn型不純物濃度の関係について、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差を、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差より大きくなるように設定している。一例として示す図2の形態では、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差は、1.3×1018/cm(第1障壁層:1.3×1018/cm、第2障壁層:アンドープ半導体層)であり、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差は、2.5×1017/cm(第1障壁層:8.8×1017/cm、第2障壁層:6.3×1017/cm)である。
ここで、上述のn型不純物濃度に設定する理由について、活性層における価電子帯のバンドを考慮しながら説明する。障壁層として、アンドープの半導体層である障壁層を含む構成の価電子帯のバンドにおいて、井戸層のエネルギー準位と障壁層のエネルギー準位の差が大きいため、ホールが障壁層を越えることが難しい。その結果、活性層における中央に近い井戸層においてホールが供給されにくくなる。
一方で、第2井戸層5w2の間に位置する障壁層として、n型不純物を含む第1障壁層5b1および第1障壁層5b1よりも低いn型不純物を含む第2障壁層5b2を含む構成の価電子帯のバンドは、井戸層と障壁層との隣接位置でエネルギー準位が下がり、井戸層のエネルギー準位と障壁層のエネルギー準位の差を、障壁層がアンドープの半導体層である場合と比較して小さくすることができる。その結果、ホールが障壁層を越えやすくなるため、活性層における中央に近い井戸層においても電子が供給されやすくなり、発光効率を向上させることができる。さらに、第1井戸層5w1の間に位置する障壁層においては、第2障壁層5b2にドープするn型不純物の量を、アンドープにする、もしくは、第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2よりも少なくすることで、n型不純物が半導体層にドープされることによる半導体層の結晶性の悪化を抑制している。その結果、第1井戸層の間に位置する第1障壁層のn型不純物濃度と第2障壁層のn型不純物濃度の差が、第2井戸層の間に位置する第1障壁層のn型不純物濃度と第2障壁層のn型不純物濃度の差より大きくなる。
次に、本開示の窒化物半導体発光素子における活性層5以外の構成について説明する。
(アンドープ半導体層5u)
p側窒化物半導体層20と該p側窒化物半導体層20に最も近い第2井戸層5w2との間には、アンドープ半導体層5uが設けられていてよい。アンドープ半導体層5uが設けられることにより、p側窒化物半導体層20からp型不純物が活性層5に拡散することを防止することができ、発光素子の信頼性の悪化を抑制することができる。アンドープ半導体層5uの材料は、適切にp型不純物の拡散が抑えられる材料であればよく、層形成の容易性の観点から、第1障壁層および第2障壁層と同じ材料(GaN、InGaNまたはAlGaN等)を用いてよい。なお、異なる材料であってもよい。アンドープ半導体層5uの膜厚は、例えば、0.5~15nmの範囲、好ましくは、2~10nmの範囲、より好ましくは、4~6nmの範囲に設定されてよい。
(基板1)
基板1(図1参照)は、例えば、C面、R面、及びA面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgA124)のような絶縁性基板を用いることができる。中でも、窒化物半導体発光素子100に窒化物半導体を用いる場合、C面を主面とするサファイア基板を用いることが好ましい。また、基板1として、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Siなどを用いても良い。基板1は、最終的に備えなくてもよい。
(n側窒化物半導体層10)
図1に示すように、n側窒化物半導体層10は、基板1側から順に、下地層2と、n側コンタクト層3と、n側超格子層4と、を含んでいる。n側窒化物半導体層10は、n型不純物を含む少なくとも1つのn型半導体層を含んでいる。n型不純物には、例えば、SiやGeなどを用いることができる。
下地層2は、基板1とn側コンタクト層3との間に設けられている。下地層2を設けることで、下地層2の上面に結晶性の高いn側コンタクト層3を形成することができる。下地層2は、例えば、AlGaNやGaNであってよい。なお、下地層2と基板1の間にバッファ層を形成してよい。バッファ層は、基板1と下地層2との間の格子不整合を抑制させるための層であり、例えば、アンドープのAlGaNやGaNを用いることができる。
n側コンタクト層3は、下地層2の上面に設けられ、少なくとも一部にn型不純物を含有している。図1に示すように、n側コンタクト層3の上面にn電極8が形成されている。n側コンタクト層3は、n電極8から活性層5に向かって電子を供給するために、比較的高い濃度のn型不純物がドープされていることが好ましい。n側コンタクト層3のn型不純物濃度は、例えば、6×1019/cm~1×1019/cmとすることができる。n側コンタクト層3は、GaN、AlGaN、AlN、またはInGaNにより構成されることが好ましい。n側コンタクト層3は積層構造としてもよく、例えば、アンドープのGaNと、n型不純物がドープされたGaNとを交互に積層させてよい。n側コンタクト層3の膜厚は、例えば、5μm~20μmであってよい。
n側超格子層4は、n側コンタクト層3の上面に設けられている。n側超格子層4を設けることで、n側コンタクト層3と活性層5との間の格子緩和を抑制し、活性層5の結晶性を良好にすることができる。n側超格子層4は、格子定数の異なる半導体層が交互に積層された構造を有している。n側超格子層4は、例えば、1つのアンドープのInGaN層と1つのアンドープのGaN層とを含む単一ペアをnペア含む。n側超格子層4のペア数nは、例えば、10個~40個の範囲、好ましくは、15個~35個の範囲、さらに好ましくは、25個~35個の範囲に設定されてよい。
(p側窒化物半導体層20)
図1に示すように、p側窒化物半導体層20は、活性層5側から順に、p型障壁層6と、p側コンタクト層7を含んでいる。p側窒化物半導体層20は、p型不純物を含む少なくとも1つのp型半導体層を含んでいる。p型不純物には、例えば、Mgなどを用いることができる。
p型障壁層6は、p側窒化物半導体層20のうち最も活性層5の近くに位置している。p型障壁層6は、電子を閉じ込めるために設けられる層であり、例えば、Mg等のp型不純物を含むGaN、AlGaN等により構成されてよい。p型障壁層6のバンドギャップエネルギーは、活性層5における第1障壁層5b1のバンドギャップエネルギーよりも大きい。p型障壁層6の膜厚の一例として、例えば、10nm~50nmとすることができる。p型障壁層6のp型不純物濃度は、例えば、2×1020/cm~6×1020/cmとすることができる。
p側コンタクト層7は、上面にp電極9が形成される層である。p側コンタクト層7は、例えば、Mg等のp型不純物を含むGaN、AlGaN等により構成されてよい。p側コンタクト層7の膜厚の一例として、例えば、10nm~150nmの厚さとされてよい。
以上説明したとおり、本実施形態の窒化物半導体発光素子100によれば、活性層の中央に近い井戸層にまでホールが供給されやすくすることができる。その結果、活性層の中央に近い井戸層においても効率よく電子とホールを再結合させることができるので発光効率を改善することができる。また、半導体層の結晶性の悪化を抑制することができる。
<<第2実施形態>>
次に、本開示の第2実施形態について図3を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一の構成(基板1、基板1上に設けられた下地層2、n側窒化物半導体層10およびp側窒化物半導体層20)については説明を省略する。
第2実施形態の活性層における井戸層は、例えば、図3に示すとおり、第1井戸層5w1が2つ、第2井戸層5w2が3つとして構成されてよい。つまり、第2井戸層5w2の数は、第1井戸層5w1の数よりも多くなっている。なお、第1井戸層5w1および第2井戸層5w2の数は、発光に寄与する第2井戸層5w2の数が第1井戸層5w1の数よりも多ければ、この数に限定されるものではない。例えば、第1井戸層5w1を5つ、第2井戸層5w2を8つとしてもよい。このような層構造とすることにより、発光に寄与しやすい第2井戸層5w2の数が多いため、より多くの発光を第2井戸層5w2で生じさせることができる。
また、本実施形態では、最もp側窒化物半導体層20側に位置する第1井戸層5w1と、最もn側窒化物半導体層10側に位置する第2井戸層5w2との間に、第3障壁層5b3と、第3障壁層5b3よりp側窒化物半導体層20側に位置する第4障壁層5b4と、を含んでよい(図3参照)。
第3障壁層5b3は、n型不純物を含んでいる。第3障壁層5b3のn型不純物濃度は、例えば、1.0×1017~1.0×1019/cmの範囲、好ましくは、2.0×1017~1.0×1018/cmの範囲、より好ましくは、3.0×1017~8.0×1017/cmの範囲に設定されてよい。一例として示す図3の形態では、第3障壁層5b3のn型不純物濃度は、6.3×1017/cmである。また、第3障壁層5b3の膜厚は、例えば、5~30nmの範囲、好ましくは、10~20nmの範囲、より好ましくは、13~16nmの範囲に設定されてよい。一例として示す図3の形態では、第3障壁層5b3の膜厚は、15.75nmである。
第4障壁層5b4は、n型不純物を含んでいる。第4障壁層5b4のn型不純物濃度は、例えば、1.0×1017~1.0×1019/cmの範囲、好ましくは、2.0×1017~1.0×1018/cmの範囲、より好ましくは、3.0×1017~8.0×1017/cmの範囲に設定されてよい。一例として示す図3の形態では、第4障壁層5b4のn型不純物濃度は、6.3×1017/cmである。また、第4障壁層5b4の膜厚は、例えば、0.5~5.0nmの範囲、好ましくは、0.5~1.5nmの範囲、より好ましくは、0.5~0.8nmの範囲に設定されてよい。一例として示す図3の形態では、第4障壁層5b4の膜厚は、0.6nmである。
本実施形態では、第3障壁層5b3の膜厚は、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚より厚くしてよい。一例として示す図3の形態では、第3障壁層5b3の膜厚は、15.8nmであるのに対し、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚は、9.5nmである。第3障壁層5b3の膜厚を第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1よりも厚くすることで、第3障壁層5b3および第3障壁層5b3以降の層に対して結晶性を向上させることができる。なお、結晶性の評価は、例えばX線回折スペクトル(XRD)から分析することができる。測定対象の層が、結晶性が高い場合にはシャープな回折ピークが出現し、結晶性の低い場合にはブロードな回折ピークが出現する。
さらに、本実施形態では、第3障壁層5b3のn型不純物濃度は、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度よりも低い。第3障壁層5b3のn型不純物濃度を第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度よりも低くすることで、第3障壁層5b3および第3障壁層5b3以降の層に対して結晶性を向上させることができる。一例として示す図3の形態では、第3障壁層5b3のn型不純物濃度は、6.3×1017/cmであるのに対し、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、1.3×1018/cmである。なお、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2は、発光に寄与しやすい第2井戸層5w2および活性層の中央に近い井戸層にホールが供給されやすくするためアンドープの半導体層であることが好ましい。
また、実施形態1と同様に、p側窒化物半導体層20と該p側窒化物半導体層20に最も近い第2井戸層5w2との間には、アンドープ半導体層5uが設けられていてよい。
-窒化物半導体発光素子の製造方法について-
本開示に係る窒化物半導体発光素子の製造方法は、図4に示すように、n側窒化物半導体層形成工程と、活性層形成工程と、p側窒化物半導体層形成工程と、電極形成工程とを備えている。n側窒化物半導体層形成工程は、下地層形成工程と、n側コンタクト層形成工程と、n側超格子層形成工程とを備えている。p側窒化物半導体層形成工程は、p型障壁層形成工程と、p側コンタクト層形成工程とを備えている。以下、本開示に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の工程の順番に沿って説明する。具体的には、図3の形態を製造する方法に沿って説明する。
(n側窒化物半導体層形成工程)
・下地層形成工程
まず、例えば、サファイアからなる基板1のC面上に、有機金属気相成長法(MOCVD)により下地層2を形成する。下地層2を形成する前に基板1の上にバッファ層を形成し、バッファ層を介して下地層2を形成してもよい。ここで、バッファ層は、例えば、成長温度を600℃以下とし、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニア等を用いて、基板1上にAlGaNを成長させることにより形成する。また、下地層2は、例えば、原料ガスにTMG、アンモニアを用い、バッファ層の上にGaN層を成長させることにより形成する。
・n側コンタクト層形成工程
n側コンタクト層形成工程において、n側コンタクト層3を、n型不純物がドープされたGaN層を積層させることにより形成する。n型不純物がドープされたGaN層を成長させる場合は、原料ガスとして、TMG、アンモニアを用い、n型不純物ガスとしてモノシランを用いる。n側コンタクト層3の成長温度は、例えば、1150℃としてよい。
・n側超格子層形成工程
n側超格子層形成工程において、アンドープのGaN層とアンドープのInGaN層とを交互に積層させることによりn側超格子層4を形成する。n側超格子層4の成長温度は、n側コンタクト層3の成長温度よりも低くすることが好ましく、例えば、成長温度を910℃程度にすることができる。アンドープのGaN層を成長させる場合は、原料ガスとして、TEG(トリエチルガリウム)、アンモニア等を用いる。また、アンドープのInGaN層を成長させる場合は、原料ガスとして、TEG、TMI(トリメチルインジウム)、アンモニア等を用いる。なお、アンドープのGaN層を成長させるときに、キャリアガスとしてHを含むガスを用いてもよい。このようなガスをキャリアガスとして用いることでGaN層の表面のVピットを低減することができる。ここで、Vピットとは、半導体層に形成される転位に起因して半導体層の表面に生じる凹状のピットである。
(活性層形成工程)
・障壁層形成工程
障壁層形成工程は、n型不純物を含む第1障壁層を形成する工程と、第1障壁層よりp側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層を形成する工程を有している。
第1障壁層を形成する工程は、形成温度を910℃以上1010℃以下で、n型不純物を含む第1障壁層を形成する。第1障壁層にn型不純物を含ませるため、n型不純物ガスとしてモノシランを用いて、n型不純物を含むGaNを形成してよい。第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度を、5.0×1017/cm以上2.0×1018/cm以下とするために、ガス流量を約7sccmチャンバー内の圧力を約600Torrとしてよい。また、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度を、4.0×1017/cm以上1.0×1018/cm以下とするために、ガス流量を約5sccmチャンバー内の圧力を約600Torrとしてよい。つまり、第1障壁層を形成する工程において、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度が、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度よりも高くなるように障壁層を形成する。
第2障壁層を形成する工程は、形成温度を780℃以上830℃以下で、n型不純物を含む第2障壁層を形成する。つまり、第2障壁層を形成する工程は、第1障壁層を形成する工程よりも、障壁層の形成温度を低くしている。また、第2障壁層の形成において、n型不純物ガスの流量を、第1障壁層の形成におけるn型不純物ガスの流量よりも少なくすることができる。ここで、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2を形成する場合は、アンドープの半導体層を形成してよい。一方で、第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2を形成する場合は、n型不純物を含ませるため、モノシランを用いて、n型不純物を含むGaNを形成してよい。第2井戸層5w2の間に位置する第2障壁層5b2のn型不純物濃度を、3.0×1017/cm以上8.0×1017/cm以下とするため、ガス流量を約1sccmチャンバー内の圧力を約600Torrとしてよい。
このように、障壁層形成工程では、第1障壁層5b1と第2障壁層5b2とのn型不純物濃度の関係について、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差を、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差より大きくなるように障壁層を形成している。
また、上述の第1障壁層5b1と第2障壁層5b2とのn型不純物濃度の関係とする他の方法として、第1井戸層の間に位置する第1障壁層を形成するときのn型不純物ガスの流量を、第2井戸層の間に位置する第1障壁層を形成するときのn型不純物ガスの流量よりも多くしてもよい。
また、比較的高温(910℃以上1010℃以下)で形成した第1障壁層5b1に対して比較的低温(780℃以上830℃以下)で形成した第2障壁層5b2を積層することにより、その上に井戸層を形成することで、井戸層の結晶性の悪化を抑制することができる。この理由について説明する。障壁層は、結晶性が悪化することを抑えるために、比較的高温で形成する必要がある。一方、井戸層の形成においては、III族元素の離脱を抑えるために、障壁層よりも低温で成長させる必要がある。障壁層を形成した後、半導体層の形成を中断して、井戸層の形成に適する温度まで降温させた場合、半導体層の形成を中断したことによる結晶の欠陥が生じる懸念がある。そこで、比較的高温で障壁層を形成した後、半導体層を中断したことによって生じる結晶欠陥を、比較的低温で形成する障壁層によって埋めることで、結晶性の悪化を抑制することができると考えられる。その結果、結晶性の悪化による発光効率の低下を抑制させることができる。さらに、上述したように、障壁層にn型不純物をドープすることで井戸層のエネルギー準位と障壁層のエネルギー準位の差を小さくすることができる。比較的低温で形成する障壁層の形成においても、n型不純物をドープすることで、井戸層のエネルギー準位と障壁層のエネルギー準位の差をさらに小さくすることができる。また、n型不純物を比較的高温で形成する障壁層よりも低い濃度でドープすることで、井戸層のエネルギー準位と障壁層のエネルギー準位の差を小さくしつつ、n型不純物がドープされることによる結晶性の悪化を抑制できる。
また、上述の第2実施形態を製造するための障壁層形成工程として、最もp側窒化物半導体層側に位置する第1井戸層5w1と、最もn側窒化物半導体層側に位置する第2井戸層5w2との間に、第3障壁層5b3と、第3障壁層5b3よりp側窒化物半導体層側に位置する第4障壁層5b4と、を形成する工程を含んでよい。
第3障壁層5b3を形成する工程は、形成温度を910℃以上1010℃以下で、n型不純物を含む第3障壁層5b3を形成する。第3障壁層5b3にn型不純物を含ませるため、n型不純物ガスとしてモノシランを用いて、n型不純物を含むGaNを形成してよい。第3障壁層5b3のn型不純物濃度を5.0×1017/cm以上2.0×1018/cm以下、その膜厚を13nm以上16nm以下とするために、ガス流量を約3sccmチャンバー内の圧力を約600Torrとしてよい。
第4障壁層5b4を形成する工程は、形成温度を780℃以上830℃以下で、n型不純物を含む第4障壁層5b4を形成する。第4障壁層5b4にn型不純物を含ませるため、n型不純物ガスとしてモノシランを用いて、n型不純物を含むGaNを形成してよい。第4障壁層5b4のn型不純物濃度を5.0×1017/cm以上2.0×1018/cm以下、その膜厚を0.5nm以上0.8nm以下とするために、ガス流量を約1sccmチャンバー内の圧力を約600Torrとしてよい。
このようにして、第3障壁層5b3の膜厚を、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚より厚くし、第3障壁層5b3のn型不純物濃度を、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層におけるn型不純物濃度よりも低く形成する。これにより、第3障壁層5b3および第3障壁層5b3以降の層に対して結晶性を向上させることができる。
また、障壁層形成工程として、p側窒化物半導体層と該p側窒化物半導体層に最も近い第2井戸層5w2との間には、アンドープ半導体層5uを形成してよい。アンドープ半導体層5uを形成することで、p型不純物が活性層5に拡散することを抑制することができる。
アンドープ半導体層5uの形成工程は、最もp側に位置する第1障壁層5b1を形成する工程に対して、n型不純物ガスを供給せずにアンドープ半導体層を形成するものであり、形成温度、n型不純物ガス以外のガス流量、チャンバー内の圧力は、第1障壁層5b1を形成する工程と実質的に同一とすることができる。
・井戸層形成工程
井戸層形成工程は、複数の第1井戸層を形成する工程と、複数の第1井戸層5w1よりp側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層を形成する工程と、を有している。
第1井戸層を形成する工程は、原料ガスにTEG(トリエチルガリウム)、TMI、アンモニアを用い、温度を780~830℃にしてInGaNを形成している。また、第2井戸層を形成する工程は、原料ガスにTEG、TMI、アンモニアを用い、温度を780~830℃にしてInGaNを形成し、第2井戸層5w2の数が第1井戸層5w1の数よりも多くなるように形成している。このように、発光に寄与しやすい第2井戸層5w2の数が、多くなるように井戸層を形成するため、より多くの発光を第2井戸層5w2で生じさせることができる。
(p側窒化物半導体層形成工程)
・p型障壁層形成工程
p型障壁層形成工程では、例えば、原料ガスとしてTEG、TMA、アンモニアを用い、p型不純物ガスとしてCpMg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を用いて、p型障壁層6としてp型不純物を含むAlGaN層を形成する。
・p側コンタクト層形成工程
p側コンタクト層形成工程では、例えば、原料ガスとしてTMG、TMA、アンモニアを用いて、アンドープのGaNからなる層を成長させる。その後、このアンドープのGaNからなる層上に原料ガスとしてTMG、TMA、アンモニアを用い、p型不純物ガスとしてCpMg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を用いて、p型不純物を含むGaN層を成長させることにより、p側コンタクト層7を形成する。p側コンタクト層7の不純物濃度は、p型障壁層6よりも高くすることが好ましい。
上記工程により各半導体層を成長させた後、窒素雰囲気中、ウェハを反応炉内において、例えば、700℃程度の温度でアニーリングを行う。
(電極形成工程)
アニーリング後、p側窒化物半導体層20の一部、活性層5、n側窒化物半導体層10の一部を除去して、n側コンタクト層3の表面の一部を露出させる。
その後、p側コンタクト層7の表面の一部にp電極9を形成し、露出されたn側コンタクト層3の表面の一部にn電極8を形成する。以上のような工程を経て、窒化物半導体発光素子100は作製される。
以上説明したとおり、本実施形態の窒化物半導体発光素子の製造方法によれば、発光効率が改善した窒化物半導体発光素子を製造することができる。
本開示の好適な一実施例を示す窒化物半導体発光素子について説明する。基板1として、サファイア基板を用いた。基板1の上面にアンドープのAlGaN層であるバッファ層を形成した。バッファ層上に、下地層2を形成した。
下地層2の上面にn側コンタクト層3を形成した。n側コンタクト層3は、n型不純物としてSiドープしたGaN層である。n側コンタクト層3の厚みは、約8μmとした。
n側コンタクト層3の上面にn側超格子層4を形成した。まず、厚み約80nmのSiドープしたGaN層を形成した。次に、厚み約3nmのアンドープのGaN層と、厚み約1.5nmのアンドープのInGaN層のペアを27ペア形成した。続いて、厚み約3nmのアンドープのGaN層と、厚み約1.5nmのSiドープしたInGaN層のペアを3ペア形成した。最後に、厚み約10nmのSiドープしたAlGaN層と、厚み約1nmのSiドープしたInGaN層のペアを6ペア形成した。これらの半導体層を形成することで複数の半導体層を含むn側超格子層4を形成した。
n側超格子層4の上面に活性層5を形成した。
まず、厚み約6nmのSiドープしたInGaN層、障壁層として厚み約2.3nmのアンドープのGaN層、障壁層として厚み約0.6nmのアンドープのGaN層、井戸層として厚み約1.6nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層として厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。
続いて、障壁層として厚み約15.8nmのSiドープ(n型不純物濃度:7.0×1017/cm)したGaN層、障壁層として厚み約0.6nmのアンドープのGaN層、第1井戸層5w1として厚み約1.6nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層5cとして厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。
続いて、第1障壁層5b1として厚み約15.8nmのSiドープしたGaN層、第2障壁層5b2として厚み約0.6nmのアンドープのGaN層、第1井戸層5w1として厚み約1.6nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層5cとして厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。これらの第1障壁層5b1、第2障壁層5b2、第1井戸層5w1、及び、中間層5cを形成する工程を3回繰り返して行った。この工程において、第1障壁層5b1のn型不純物濃度は、7.0×1017/cmとした。
続いて、障壁層として厚み約15.8nmのSiドープ(n型不純物濃度:7.0×1017/cm)したGaN層、障壁層として厚み約0.6nmのSiドープ(n型不純物濃度:3.5×1017/cm)したGaN層、井戸層として厚み約3.0nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層として厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。
続いて、第3障壁層5b3として厚み約15.8nmのSiドープ(n型不純物濃度:3.5×1017/cm)したGaN層、第4障壁層5b4として厚み約0.6nmのSiドープ(n型不純物濃度:3.5×1017/cm)したGaN層、井戸層として厚み約3.0nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層として厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。
続いて、第3障壁層5b3として厚み約15.8nmのSiドープ(n型不純物濃度:3.5×1017/cm)したGaN層、第4障壁層5b4として厚み約0.6nmのSiドープ(n型不純物濃度:3.5×1017/cm)したGaN層、第2井戸層5w2として厚み約3.0nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層5cとして厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。
続いて、第1障壁層5b1として厚み約9.5nmのSiドープしたGaN層、第2障壁層5b2として厚み約0.6nmのSiドープしたGaN層、第2井戸層5w2として厚み約3.0nmのアンドープのInGaN層、及び、中間層5cとして厚み約1.6nmのアンドープのGaN層を形成した。これらの第1障壁層5b1、第2障壁層5b2、第2井戸層5w2、及び、中間層5cを形成する工程を4回繰り返して行った。この工程において、第1障壁層5b1のn型不純物濃度は4.9×1017/cmとし、第2障壁層5b2のn型不純物濃度は3.5×1017/cmとした。
最後に、障壁層として厚み約9.5nmのSiドープ(n型不純物濃度:4.9×1017/cm)したGaN層、障壁層として厚み約0.6nmのアンドープのGaN層、井戸層として厚み約3.4nmのアンドープのInGaN層、中間層として厚み約1.6nmのアンドープのGaN層、及び、アンドープ半導体層5uとして厚み約18.4nmのアンドープのGaN層を形成した。以上の半導体層を形成することで複数の半導体層を含む活性層5を形成した。
活性層5の形成において、中間層に隣接する障壁層(第1障壁層5b1を含む)の形成温度を910℃以上1010℃以下とし、井戸層の直下の障壁層(第2障壁層5b2を含む)の形成温度を780℃以上830℃以下とした。
活性層5の上面に、厚み約11nmのp型障壁層6を形成した。p型障壁層6は、p型不純物としてMgを含むAlGaN層である。このp型障壁層6において、Alの比率は約12.5%とした。
p型障壁層6の上面に、p側コンタクト層7を形成した。まず、厚み約80nmのアンドープのGaNを形成し、その後、厚み約20nmのMgをドープしたGaNを形成した。
上記のとおり各半導体層を成長させた後、窒素雰囲気中、ウェハを反応炉内において、約700℃で熱処理を行った。
熱処理後、p側窒化物半導体層20の一部、活性層5、n側窒化物半導体層10の一部を除去して、n側コンタクト層3の表面の一部を露出させた。
その後、p側コンタクト層7の表面の一部にp電極9を形成し、露出されたn側コンタクト層3の表面の一部にn電極8を形成した。
このような実施例において、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1のn型不純物濃度(7.0×1017/cm)は、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1(4.9×1017/cm)のn型不純物濃度よりも高くなっている。
また、本実施例において、第1井戸層5w1の間に位置する障壁層における第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差(7.0×1017/cm)は、第2井戸層5w2の間に位置する障壁層における第1障壁層5b1のn型不純物濃度と第2障壁層5b2のn型不純物濃度の差(1.4×1017/cm)より大きくなっている。
また、本実施例において、第1井戸層5w1の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚(約15.8nm)は、第2井戸層5w2の間に位置する第1障壁層5b1の膜厚(約9.5nm)よりも厚くなっている。
また、本実施例において、p側窒化物半導体層と、複数の第2井戸層5w2のうちp側窒化物半導体層に最も近い第2井戸層5w2との間には、アンドープ半導体層5uが設けられている。
また、本実施例において、複数の障壁層のうち、最もp側窒化物半導体層側に位置する第1井戸層5w1と、最もn側窒化物半導体層側に位置する第2井戸層5w2との間に位置する少なくとも1つの障壁層は、n型不純物を含む第3障壁層5b3と、n型不純物を含み、第3障壁層5b3よりp側窒化物半導体層側に位置する第4障壁層5b4と、を含んでいる。
そして、第3障壁層5b3の膜厚(約15.8nm)は、複数の障壁層のうち第2井戸層5w2の間に位置する障壁層における第1障壁層5b1の膜厚(約9.5nm)より厚く、第3障壁層5b3のn型不純物濃度(3.5×1017/cm)は、複数の障壁層のうち第1井戸層5w1の間に位置する障壁層における第1障壁層5b1のn型不純物濃度(7.0×1017/cm)よりも低くなっている。
また、本実施例において、第2井戸層5w2の数(5個)は、第1井戸層5w1の数(4個)よりも多くなっている。
また、本実施例において、第1井戸層5w1の間に位置する第2障壁層5b2は、アンドープの半導体層である。
また、本実施例において、n型不純物はSiである。
以上説明した本実施例において、100mAの電流を流したときの窒化物半導体発光素子の発光効率は、43.9%であった。
なお、今回開示した実施態様は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施態様のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 基板
2 下地層
3 n側コンタクト層
4 n側超格子層
5 活性層
5c 中間層
5u アンドープ半導体層
5b1 第1障壁層
5b2 第2障壁層
5b3 第3障壁層
5b4 第4障壁層
5bw 積層部
5w1 第1井戸層
5w2 第2井戸層
6 p型障壁層
7 p側コンタクト層
8 n電極
9 p電極
10 n側窒化物半導体層
20 p側窒化物半導体層
100 窒化物半導体発光素子

Claims (17)

  1. n側窒化物半導体層と、p側窒化物半導体層と、前記n側窒化物半導体層と前記p側窒化物半導体層との間に設けられた活性層と、を含む窒化物半導体発光素子であって、
    前記活性層は、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部を有し、
    前記井戸層は、複数の第1井戸層と、複数の前記第1井戸層より前記p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層と、を含んでおり、
    複数の前記障壁層のうち前記第1井戸層の間に位置する少なくとも1つの前記障壁層と、複数の前記障壁層のうち前記第2井戸層の間に位置する少なくとも1つの前記障壁層とは、n型不純物を含む第1障壁層と、前記第1障壁層よりも低いn型不純物濃度のn型不純物を含み、前記第1障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層と、を含み、
    前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度は、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度よりも高く、
    複数の前記障壁層のうち前記第1井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度の差は、複数の前記障壁層のうち前記第2井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度の差より大きい、窒化物半導体発光素子。
  2. 前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層の膜厚は、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層の膜厚よりも厚くなっている、請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記p側窒化物半導体層と、複数の前記第2井戸層のうち前記p側窒化物半導体層に最も近い前記第2井戸層との間には、アンドープの半導体層が設けられている、請求項1または2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 複数の前記障壁層のうち、最も前記p側窒化物半導体層側に位置する前記第1井戸層と、最も前記n側窒化物半導体層側に位置する前記第2井戸層との間に位置する少なくとも1つの障壁層は、n型不純物を含む第3障壁層と、n型不純物を含み、前記第3障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第4障壁層と、を含み、
    前記第3障壁層の膜厚は、複数の前記障壁層のうち前記第2井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層の膜厚より厚く、
    前記第3障壁層のn型不純物濃度は、複数の前記障壁層のうち前記第1井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層のn型不純物濃度よりも低い、請求項1~3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記第2井戸層の数は、前記第1井戸層の数よりも多くなっている、請求項1~4のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記第1井戸層の間に位置する前記第2障壁層は、アンドープの半導体層である、請求項1~5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記n型不純物はSiである、請求項1~6のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. n側窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記n側窒化物半導体層を形成する工程の後、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部を有する活性層を形成する工程と、
    前記活性層を形成する工程の後、p側窒化物半導体層を形成する工程と、を有し、
    前記活性層を形成する工程は、複数の前記障壁層を形成する工程と、複数の前記井戸層を形成する工程と、を含み、
    複数の前記障壁層を形成する工程は、それぞれ、n型不純物を含む第1障壁層を形成する工程と、前記第1障壁層よりも低いn型不純物濃度のn型不純物を含み前記第1障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層を形成する工程と、を有しており、
    複数の前記井戸層を形成する工程は、複数の第1井戸層を形成する工程と、複数の前記第1井戸層より前記p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層を形成する工程と、を有しており、
    複数の前記障壁層を形成する工程において、
    前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度が、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度よりも高くなるように形成し、
    前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度との差が、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層のn型不純物濃度と前記第2障壁層のn型不純物濃度との差より大きくなるように形成する、窒化物半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記障壁層を形成する工程において、前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層の膜厚を、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層の膜厚よりも厚く形成する、請求項8に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記活性層を形成する工程は、さらに、前記p側窒化物半導体層と、複数の前記前記第2井戸層のうち前記p側窒化物半導体層に最も近い前記第2井戸層との間にアンドープの半導体層を形成する工程を有する、請求項8または9に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記活性層を形成する工程は、さらに、最も前記p側窒化物半導体層側に位置する前記第1井戸層と、最も前記n側窒化物半導体層側に位置する前記第2井戸層との間に、n型不純物を含む第3障壁層と、n型不純物を含み、前記第3障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第4障壁層と、を形成する工程を含み、
    前記第3障壁層の膜厚は、複数の前記障壁層のうち前記第2井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層の膜厚より厚くし、
    前記第3障壁層のn型不純物濃度は、複数の前記障壁層のうち前記第1井戸層の間に位置する前記障壁層における前記第1障壁層のn型不純物濃度よりも低くする、請求項8~10のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記井戸層を形成する工程において、前記第2井戸層の数を、前記第1井戸層の数よりも多く形成する、請求項8~11のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記障壁層を形成する工程において、前記第1井戸層の間に位置する前記第2障壁層としてアンドープの半導体層を形成する、請求項8~12のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記活性層を形成する工程において、前記n型不純物としてSiをドープする、請求項8~13のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記障壁層を形成する工程において、前記第1障壁層の形成温度を、前記第2障壁層の形成温度よりも高くして形成する、請求項8~14のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記第1障壁層の形成温度は、910℃以上1010℃以下であり、
    前記第2障壁層の形成温度は、780℃以上830℃以下である、請求項15に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  17. n側窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記n側窒化物半導体層を形成する工程の後、井戸層と障壁層とを含む複数の積層部を有する活性層を形成する工程と、
    前記活性層を形成する工程の後、p側窒化物半導体層を形成する工程と、を有し、
    前記活性層を形成する工程は、複数の前記障壁層を形成する工程と、複数の前記井戸層を形成する工程と、を含み、
    複数の前記障壁層を形成する工程は、それぞれ、n型不純物ガスを供給しながら第1障壁層を形成する工程と、前記第1障壁層の形成よりも少ない流量でn型不純物ガスを供給しながら前記第1障壁層より前記p側窒化物半導体層側に位置する第2障壁層を形成する工程と、を有しており、
    複数の前記井戸層を形成する工程は、複数の第1井戸層を形成する工程と、複数の前記第1井戸層より前記p側窒化物半導体層側に位置する複数の第2井戸層を形成する工程と、を有しており、
    複数の前記障壁層を形成する工程において、前記第1井戸層の間に位置する前記第1障壁層を形成するときのn型不純物ガスの流量を、前記第2井戸層の間に位置する前記第1障壁層を形成するときのn型不純物ガスの流量よりも多くする、窒化物半導体発光素子の製造方法。
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