JP2022101185A - サトウキビ収穫機 - Google Patents
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Abstract
【課題】機体を支持するために必要とされる支持強度を確保しながら、フレーム構造の簡素化を図れるようにすることが要望されていた。【解決手段】刈取部にて刈り取られた作物を機体後上方に向けて搬送する後上がり傾斜姿勢の搬送装置6と、機体上部側に位置して前後方向に延びかつエンジン9を支持する左右の第一フレーム30と、機体下部側に位置して前後方向に延びかつエンジン9よりも後方に位置する走行伝動部31を支持する左右の第二フレーム32と、が備えられ、第一フレーム30と第二フレーム32とが、前後方向に沿って一部重複する状態で備えられ、搬送装置6が、左右の第一フレーム30の間、及び、第一フレーム30と第二フレーム32とが重複する箇所を通過する状態で設けられ、第一フレーム30及び第二フレーム32は、それぞれ搬送装置6に連結されている。【選択図】図3
Description
本発明は、サトウキビ収穫機に関する。
サトウキビ収穫機において、従来では、機体前後方向に長い平面視矩形状のフレーム体を上下に間隔をあけて3組備えて、それらを互いに複数箇所を上下に連結して、機体全体を支持する機体フレームを構成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。
上記従来構成では、機体フレームは、機体前後方向に長い枠状のフレーム体を複数備えることから、前後方向に長く大型化するとともに、上下に連結する部材の個数が多くなり、全体として構造が複雑となる。その結果、機体フレームが大重量化して組み付け作業が行い難くなったり、コスト増を招いたりする等の不利な面があった。
そこで、機体を支持するために必要とされる支持強度を確保しながら、フレーム構造の簡素化を図れるようにすることが要望されていた。
本発明に係るサトウキビ収穫機の特徴構成は、機体前下部に設けられ、植立している作物を刈り取る刈取部と、前記刈取部にて刈り取られた作物を機体後上方に向けて搬送する後上がり傾斜姿勢の搬送装置と、機体上部側に位置して前後方向に延びかつエンジンを支持する左右の第一フレームと、機体下部側に位置して前後方向に延びかつ前記エンジンよりも後方に位置する走行伝動部を支持する左右の第二フレームと、が備えられ、前記第一フレームと前記第二フレームとが、前後方向に沿って一部重複する状態で備えられ、前記搬送装置が、左右の前記第一フレームの間、及び、前記第一フレームと前記第二フレームとが重複する箇所を通過する状態で設けられ、前記第一フレーム及び前記第二フレームは、夫々、前記搬送装置に連結されている点にある。
本発明によれば、エンジンが左右の第一フレームによって前部側の高い位置に安定的に支持されるので、作業に伴って発生する塵埃がエンジンに降りかかるおそれが少なくなる。また、走行伝動部が左右の第二フレームにより支持され、後側の低い位置にある走行用伝動装置により走行装置を効率よく駆動することができる。
そして、後上がり傾斜姿勢の搬送装置が、前上部側において左右両側に第一フレーム部が位置する状態で、かつ、第一フレームと第二フレームとが重複する箇所を通過する状態で設けられ、搬送装置が第一フレーム及び第二フレームのそれぞれに連結される。第一フレームと第二フレームとが、互いに分離されて前後方向に短いコンパクトな形状に設けることができる。そして、収穫物を搬送するために剛性が高くなる状態で設けられる搬送装置を有効に利用して、全体として必要とされる支持強度を備えることが可能となる。
従って、機体フレームとして必要とされる支持強度を確保しながら、フレーム構造の簡素化を図ることが可能となった。
本発明においては、前記搬送装置と前記第二フレームとの間に、前記第二フレームに支持される状態で前記走行伝動部が備えられ、前記走行伝動部の前方に位置して前記搬送装置と前記第二フレームとを連結する前部側連結部と、前記走行伝動部の後方に位置して前記搬送装置と前記第二フレームとを連結する後部側連結部と、前記走行伝動部と前記搬送装置とを連結する中間連結部と、が備えられていると好適である。
本構成によれば、搬送装置と第二フレームとが、走行伝動部の前後において、前部側連結部と後部側連結部とによって連結される。また、第二フレームに支持される走行伝動部と搬送装置とが中間連結部によって連結される。その結果、搬送装置と第二フレームとが強固に連結されるとともに、走行伝動部を強固に支持することができる。
本発明においては、前記走行伝動部は、前記第二フレーム及び前記中間連結部のそれぞれに対して着脱可能に連結され、前記後部側連結部は、前記第二フレーム及び前記搬送装置のそれぞれに対して着脱可能に連結され、前記中間連結部の上部と前記搬送装置との間、及び、前記中間連結部の下部と前記走行伝動部との間の少なくともいずれか一方に、スペーサ部材が備えられ、前記スペーサ部材は、前記スペーサ部材を挟む両者の連結が解除されるに伴って取り外し可能に構成されていると好適である。
本構成によれば、走行伝動部は、第二フレーム及び中間連結部のそれぞれに対する連結を解除することにより、メンテナンスのために取り外すことができる。そのとき、後部側連結部を取り外すことにより、作業用の空間を広く確保することができ、作業が行い易いものになる。しかも、中間連結部と搬送装置との間、及び、中間連結部と走行伝動部との間の少なくともいずれか一方において、両者の連結を解除すると、その間に介装されていたスペーサ部材を取り外すことにより、隙間ができるので、走行伝動部の横側方への取り出し作業が行い易くなる。
本発明においては、前記搬送装置から側方に向けて突出する側部フレームが備えられ、前記側部フレームに前記第一フレームの後部が支持され、前記エンジンの前方に位置する運転部と、前記運転部を支持する運転部フレームと、が備えられ、前記運転部フレームは、前記第一フレームの前方に位置する状態で前記第一フレームの前部に連結されていると好適である。
本構成によれば、第一フレームの後部は、搬送装置から突出する側部フレームによって安定的に支持される。第一フレームの前部に運転部フレームが連結される。運転部フレームは、運転部を支持するために剛性が高いものであり、第一フレームは搬送装置と運転部フレームとにわたって強固に連結される。
本発明においては、前記運転部の前方にサトウキビの上部の葉部分を切断するトッパが備えられ、前記運転部フレームの前部に前記トッパを支持するトッパ支持フレームが、前記運転部フレームの左右にわたる状態で備えられていると好適である。
本構成によれば、運転部フレームの左右にわたって備えられるトッパ支持フレームによって安定的にトッパを支持することができる。また、トッパ支持フレームにより左右両側を連結することにより、運転部フレームの支持強度を高めることができる。
本発明においては、左右の前記第二フレームの前部に、前記第二フレームよりも前側に延びて前記搬送装置における下部の左右側方を通過する左右の第三フレームが連結され、前記刈取部に、左右の側壁と、左右の前記側壁の間の下部に位置して作物の株元を切断する切断装置と、が備えられ、左右の前記側壁における前記切断装置の側方に対応する部分に切欠きが形成され、左右の前記第三フレームの前部は、左右の前記側壁における前記切欠きの周辺部に連結されていると好適である。
本構成によれば、刈取部の側壁における切断装置に対応する箇所には、切断装置との干渉を避けるために切欠きが形成される。その結果、切欠きの周辺部では強度が低下する。そこで、第二フレームから延設した第三フレームを切欠きの周辺部に連結することによって、刈取部の強度を補強することができる。
本発明においては、前記搬送装置の後部に連結され、前記作物を夾雑物と収穫物とに分離する分離装置と、前記収穫物を受け取って斜め上方へ向けて搬送する排出コンベアと、前記排出コンベアを縦向き軸芯周りで回動可能に支持するコンベア支持フレームと、が備えられ、前記コンベア支持フレームは、前記第二フレームの後部の上側に位置する状態で前記第二フレームに連結され、前記コンベア支持フレームの内部に前記排出コンベアに備えた機器に対する配線及び配管の少なくともいずれか一方を通す空間部が形成されていると好適である。
本構成によれば、排出コンベアには、油圧式あるいは電気式の各種の駆動用の機器が備えられている。これらの機器に対して機体側から配線及び配管の少なくともいずれか一方を配策する必要がある。この配線や配管は、回動支点付近を通過するが、外部に大きく露出していると無理な折れ曲がりや他物との干渉等により損傷のおそれがある。
そこで、コンベア支持フレームの内部に空間を形成することにより、配線及び配管の少なくともいずれか一方が空間を通ることで、外部への露出を少なくして損傷を防止することができる。
以下、本発明に係るサトウキビ収穫機の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1、図2は、サトウキビ収穫機の全体を示す図であり、図1は側面図、図2は平面図である。この実施形態では、図1,2に符号(F)で示す方向が機体前側、符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
図1、図2は、サトウキビ収穫機の全体を示す図であり、図1は側面図、図2は平面図である。この実施形態では、図1,2に符号(F)で示す方向が機体前側、符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
サトウキビ収穫機は、操向操作可能な左右の前部走行装置としての前車輪1と、操向不能で且つ回転駆動される左右の後部走行装置としての後車輪2とを備えて、後車輪2を駆動することで走行可能な車輪走行式に構成されている。
機体には、運転部3と、植立している作物を刈り取る刈取部4と、サトウキビの上部の葉部分を切断するトッパ5と、刈取部4にて刈り取られた作物を後上方に搬送する搬送装置としてのフィーダ6と、フィーダ6によって搬送される作物(サトウキビ)と夾雑物とを分離する分離装置7と、夾雑物と分離された作物(収穫物)を機体外方側に斜め上方に向けて搬送して排出する排出コンベア8と、機体各部に動力を供給するエンジン9と、が備えられている。
運転部3は、機体前部の高い位置に備えられ、キャビン10によって周囲が覆われている。図示はしていないが、キャビン10の内部には、運転座席、ステアリングハンドル、操作パネル等が備えられている。キャビン10の左右両側の側面部は開閉可能なドア部を形成されている。
刈取部4は、機体の前下部に備えられている。刈取部4には、植立作物のうち収穫対象を分草して案内する左右の分草装置11と、圃場に植立する作物を刈り取って後方に送り込む刈取ヘッダ12と、が備えられている。
左右の分草装置11は、回転駆動される縦向き姿勢の分草回転体が備えられ、リンク機構14を介して機体フレーム15に昇降可能に支持されている。
刈取ヘッダ12は、左右の分草装置11の後方に連なるように設けられた左右の側壁17(図2参照)と、その左右の側壁17にて挟まれた領域内に作物を前倒れ姿勢になるように押し倒しながら後方に掻き込むローラ(図示せず)、作物の株元を切断する切断装置18等、が備えられている。切断装置18は、左右の分草装置11の後方に位置して、上下軸芯周りで回転する左右一対の回転式カッターを備えている。
刈取ヘッダ12における左右の側壁17の後端部にフィーダ6の前端部が連結され、前後方向に連なる作物の搬送経路が構成されている。側壁17とフィーダ6との連結箇所は切断装置18の側方に対応する箇所であり、側壁17の切断装置18の側方に対応する部分に上向きに開放される状態で切欠きKが形成されている。(図3、図4参照)
フィーダ6は、図2に示すように、刈取ヘッダ12の左右の側壁17の後端部の間隔と略同じ搬送幅を有し、搬送始端部が切断装置18の後方に連なる低い位置に設けられている。フィーダ6は、機体後上方に向けて作物を搬送するように、後上がり傾斜姿勢に設けられている。フィーダ6は、全体として、略矩形筒状の搬送経路を形成する剛性の高い構造体が形成されている。
フィーダ6の内部には、図6に示すように、左右両側の側壁の間において、搬送方向に沿って適宜間隔をあけて掻き出し回転体6Aが作物の移送経路の上下両側に備えられ、上下両側の掻き出し回転体6Aが、互いに逆方向に回転駆動され、それらの間に収穫物を挟み込んで後方に搬送するように構成されている。
フィーダ6は搬送終端部において、搬送されてくる長尺状の作物を運搬トラックへ積載して搬送するときに取扱いが容易な長さになるように細断するように構成されている。
分離装置7は、図示はしないが、上下軸芯周りで回転するファンが内装され、ファンの通風作用によって、フィーダ6の搬送終端部から排出される作物に含まれる細かな茎稈屑や葉切れ等の夾雑物を分離して外方に排出する。すなわち、フィーダ6の後端部から排出される作物は、排出される途中でファンによる吸引作用を受けて、細かな茎稈屑や葉切れ等の比較的軽い夾雑物が上方に吸引され、外方に排出される。夾雑物に比べて重い作物(サトウキビ)は、ファンにより吸引されることなく、そのまま下方に落下する。
分離装置7の直下方側であって且つフィーダ6の後端部よりも後下方側に、フィーダ6から下方に排出された作物を受止め回収する受止めホッパー19が備えられている。受止めホッパー19にて受止められた作物は排出コンベア8の搬送始端部に排出される。
排出コンベア8は、機体フレーム15の後部に設けられたコンベア支持フレーム20によって全体が支持されており、機体の後下部から機体外方上方に向けて延びている。排出コンベア8は作物を係止搬送して搬送終端部から外方に落下排出する。
〔作業デッキ〕
機体の前後中間部のうち、エンジン9及びそれに関連する各種の機器が備えられる原動部21の右横側箇所には、作業者が搭乗してメンテナンス作業を行うための作業用デッキ22が備えられている。作業用デッキ22は、機体横外方から乗降ステップ23を介してそのまま乗り込むことができる。
機体の前後中間部のうち、エンジン9及びそれに関連する各種の機器が備えられる原動部21の右横側箇所には、作業者が搭乗してメンテナンス作業を行うための作業用デッキ22が備えられている。作業用デッキ22は、機体横外方から乗降ステップ23を介してそのまま乗り込むことができる。
図2に示すように、作業用デッキ22は、作業が行い易いように広い載置台24を有している。しかし、このような作業用デッキ22は、機体横外方への突出量が大きくなるので、例えば、コンテナを用いた機体の輸送の際に邪魔になるおそれがある。そこで、外側へ突出している部分を取り外し可能に構成されている。
図8,図9に示すように、デッキ本体22Aに対して外側部22Bが取り外し可能に構成されている。外側部22Bは、デッキ本体22Aの載置台24に連なる分割載置台25と手摺26とが一体的に連結されている。分割載置台25の下部から延長形成された3つの取付部27が、載置台24の下側に設けられた被連結部28にボルト連結することにより連結される構成となっている。ボルト連結を解除することで、外側部22Bを取り外すことができる。
〔フレーム構造〕
次に、機体のフレーム構造について説明する。
図3、図4,図5に示すように、機体フレームには、機体上部側に位置して前後方向に延びかつエンジン9を支持する左右の第一フレーム30と、機体下部側に位置して前後方向に延びかつエンジン9よりも後方に位置する走行伝動部31を支持する左右の第二フレーム32と、左右の第二フレーム32の前部に連結され、第二フレーム32よりも前側に延びてフィーダ6における下部の左右側方を通過する左右の第三フレーム33と、第一フレーム30の前方に位置して第一フレーム30の前部に連結される運転部フレーム34と、が備えられている。第一フレーム30と第二フレーム32は、前後方向に沿って一部重複する状態で備えられている。
次に、機体のフレーム構造について説明する。
図3、図4,図5に示すように、機体フレームには、機体上部側に位置して前後方向に延びかつエンジン9を支持する左右の第一フレーム30と、機体下部側に位置して前後方向に延びかつエンジン9よりも後方に位置する走行伝動部31を支持する左右の第二フレーム32と、左右の第二フレーム32の前部に連結され、第二フレーム32よりも前側に延びてフィーダ6における下部の左右側方を通過する左右の第三フレーム33と、第一フレーム30の前方に位置して第一フレーム30の前部に連結される運転部フレーム34と、が備えられている。第一フレーム30と第二フレーム32は、前後方向に沿って一部重複する状態で備えられている。
左右の第一フレーム30は、前後方向に間隔をあけて設けられた複数の横フレーム35,36,37によって連結されている。そのうち後部側の2つの横フレーム36,37によってエンジン9が載置支持されている。
第二フレーム32は、図示はしていないが、複数の横フレームによって連結されている。第二フレーム32における最前部に位置する横フレーム38よりも前部側箇所は、前側ほど横外方に向かうように前広がり状に形成されている。
左右の第三フレーム33は、第二フレーム32のうち横外方側に位置する前端部に連結されて第二フレーム32よりも前側に延びている。左右の第三フレーム33の前部は、左右の側壁17における切欠きKの周辺部に連結されている。図6に示すように、第三フレーム33は、切欠きKよりも前方にまで延びて、後述する下部支持体55に連結されており、刈取ヘッダ12の支持強度を高めている。
運転部フレーム34は、上部が第一フレーム30の前端部に連結され、かつ、下部が第三フレーム33の前部に連結された左右の支柱41と、左右の支柱41の上端部から前方に向けて延びる左右の前後向きフレーム体42と、左右方向に延びて左右の支柱41の上端部同士を連結する後部横フレーム体43と、左右の前後向きフレーム体42の前端部同士を連結する前部横フレーム体44と、を備えている。
前部横フレーム体44に対して、上側に上部側補強体45が連結され、下側に下部側補強体46が連結されている。上下両側の補強体45,46と前部横フレーム体44とにより、上下方向に幅広のトッパ支持フレーム47が構成されている。従って、トッパ支持フレーム47が運転部フレーム34の左右にわたる状態で備えられている。トッパ支持フレーム47には、トッパ5の支持アーム部48の基端部を支持するブラケット49(図1参照)を支持する支持部材50が備えられている。
フィーダ6が、左右の第一フレーム30の間、及び、第一フレーム30と第二フレーム32とが重複する箇所を通過する状態で設けられている。フィーダ6における前後中間位置における左右両側に、上面から下面に向けて延びる角パイプ状の側部フレーム51が、フィーダ6の側面から側方に向けて突出する状態で備えられている。そして、左右の側部フレーム51の上端部同士にわたって横向き支持体52が連結されている。第一フレーム30に連結された最後部の横フレーム37が横向き支持体52の上側に載置支持され、側方突出箇所、すなわち、側部フレーム51にて支持される箇所において、横フレーム37の左右端部がボルト連結されている。従って、側部フレーム51に第一フレーム30の後部が支持されている。
左右の側壁17の横側部には、強度を補強するための複数の支持体が備えられている。後部側に位置して上下方向に延びる縦支持体53、縦支持体53の上部から前部下方に向けて延びるリンク支持体54、下部に沿って前後方向に延びる下部支持体55等を備えている。リンク支持体54の上部箇所にてトッパ支持フレーム47が支持されており、トッパ支持フレーム47を介して運転部フレーム34が支持されている。
図7に示すように、フィーダ6と第二フレーム32との間に、第二フレーム32に支持される状態で走行伝動部31が備えられている。走行伝動部31は、図5に示すように、エンジン9からの動力を変速する変速機構として静油圧式無段変速装置や動力を左右の後車輪2に分岐伝達するギア式の伝動機構等(図示せず)を有するミッションケース56が左右中央位置に備えられ、ミッションケース56の左右両側に車軸ケース57を介してギア式の減速機構を有する左右の減速ケース58が備えられている。
走行伝動部31の前方に位置してフィーダ6と第二フレーム32とを連結する前部側連結部59と、走行伝動部31の後方に位置してフィーダ6と第二フレーム32とを連結する後部側連結部60と、走行伝動部31とフィーダ6とを連結する中間連結部61と、が備えられている。
前部側連結部59は、フィーダ6の前後中間部における左右両側部の下面側と左右の第二フレーム32の上面側とにわたって連結されている。前部側連結部59は、フィーダ6に対して一体的に連結され、左右の第二フレーム32に対してボルト連結されている。側部フレーム51の下端部が前部側連結部59の連結箇所に対応する位置にあり、第一フレーム30の荷重を側部フレーム51及び前部側連結部59を介して第二フレーム32にて支持する構成となっている。
図5及び図6に示すように、走行伝動部31における左右の減速ケース58が第二フレーム32の上側に広い接触面識を有する状態でボルト連結されている。中間連結部61の上部が、フィーダ6の左右両側部の下面側に備えられた支持部62にボルト連結されている。中間連結部61の下部と減速ケース58の連結部58aとが、広い接触面を有する状態でボルト連結されている。従って、走行伝動部31は、第二フレーム32及び中間連結部61のそれぞれに対して着脱可能に連結されている。
中間連結部61の下部と減速ケース58の連結部との間、すなわち、中間連結部61と走行伝動部31との間に薄板状のスペーサ部材63が介装されている。スペーサ部材63は、中間連結部61と減速ケース58との連結が解除されるに伴って取り外し可能に構成されている。スペーサ部材63を横側方に抜き外すことにより、減速ケース58と中間連結部61の下部との間に隙間ができるので、走行伝動部31を横側方に抜き出し易くなる。
後部側連結部60は、下端部が第二フレーム32にボルト連結されかつ上下方向に延びる下側支柱部64と、下側支柱部64の上部にボルト連結されかつ前後方向に延びる中間支持部65と、下端部が中間支持部65にボルト連結されかつ上下方向に延びる上側支柱部66とを備えている。上側支柱部66の上部はフィーダ6の左右両側部の下面側に備えられた支持部67にボルト連結されている。中間支持部65の前端部が中間連結部61に連結されている。従って、後部側連結部60は、第二フレーム32及びフィーダ6のそれぞれに対して着脱可能に連結されている。左右中央のミッションケース56を含む走行伝動部31全体を取り外す場合には、後部側連結部60及び中間連結部61を合わせて取り外すことにより、大きく開放させて作業用空間を確保することができる。尚、この場合、減速ケース58、車軸ケース57、ミッションケース56の連結を解除して分割しておくとよい。
第二フレーム32の後部には、排出コンベア8を縦向き軸芯Y1周りで回動可能に支持するコンベア支持フレーム20が備えられている。コンベア支持フレーム20は、第二フレーム32の後部の上側に位置する状態で第二フレーム32に連結されている。
図3,図5,図7に示すように、コンベア支持フレーム20は、平面視で略三角形状の上側板状体68と、上側板状体68に対して上下方向に間隔をあけて設けられた平面視で略三角形状の下側板状体69と、上側板状体68と下側板状体69とを連結する縦向きの側部連結体70とを備えている。
上側板状体68及び下側板状体69の後端部には、排出コンベア8を縦向き軸芯Y1周りで回動させるための回動支点部71が備えられている。コンベア支持フレーム20の内部である上側板状体68と下側板状体69との間の領域には空間部Qが形成されている。この空間部Qは、排出コンベア8に備えた油圧モータや油圧シリンダ等の機器に対する油圧配管を通すためのものである。このように構成することで、排出コンベア8は回動支点部71における縦向き軸芯Y1周りで回動するが、回動支点部71付近で油圧配管が外部に露出しないので損傷のおそれが少ない。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、フィーダ6と第二フレーム32との間に、前部側連結部59と、後部側連結部60と、中間連結部61と、が備えられる構成としたが、この構成に代えて、前部側連結部59、後部側連結部60、及び、中間連結部61のうちのいずれか1つだけを備えるものでもよく、いずれか2つを備えるものでもよい。
(1)上記実施形態では、フィーダ6と第二フレーム32との間に、前部側連結部59と、後部側連結部60と、中間連結部61と、が備えられる構成としたが、この構成に代えて、前部側連結部59、後部側連結部60、及び、中間連結部61のうちのいずれか1つだけを備えるものでもよく、いずれか2つを備えるものでもよい。
(2)上記実施形態では、運転部フレーム34の前部にトッパ支持フレーム47が運転部フレーム34の左右にわたる状態で備えられる構成としたが、トッパ支持フレーム47が備えられていない構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、左右の側壁17における切断装置18の側方に対応する部分に切欠きKが形成され、左右の第三フレーム33の前部が左右の側壁17における切欠きKの周辺部に連結される構成としたが、この構成に代えて、左右の第三フレーム33の前部が切欠きKから離れた箇所で連結されるものでもよい。
(4)上記実施形態では、中間連結部61の下部と走行伝動部31との間にスペーサ部材63が備えられる構成としたが、中間連結部61の上部とフィーダ6との間にスペーサ部材63が備えられる構成としてもよい。この場合には、スペーサ部材63を抜き外した状態で、中間連結部61と走行伝動部31とを一体的に横側方に抜き外すことができる。
(5)上記実施形態では、コンベア支持フレーム20の内部に油圧配管を通す空間部Qが形成される構成としたが、油圧配管に代えて電気配線を通すものでもよく、油圧配管と電気配線の両方を通すものでもよい。また、内部に空間部Qを形成しない構成としてもよい。
(6)上記実施形態では、乗降ステップ23に対して機体横外方からそのまま乗り込むことが可能な構成としたが、図10及び図12に示すように、乗降ステップ23が機体横方向に沿って乗り降りする形態で設けられ、この乗降ステップ23の外側を覆うカバー80が縦向き軸芯Y2周りで揺動開閉可能に設けられる構成としてもよい。そして、カバー80を開放した状態で位置保持するロック具81が備えられている。ロック具81は、非作用時には乗降ステップ23を横切る状態で位置している。作用状態では、外方に揺動して先端部がカバーの係止孔82に入り込む。この構成では、ロック具81が非作用状態であれば、作業者が乗り降りできないので、作業者はカバー80の位置保持動作を忘れることがない。
本発明は、サトウキビ収穫機に適用できる。
3 運転部
4 刈取部
6 フィーダ(搬送装置)
7 分離装置
8 排出コンベア
9 エンジン
17 側壁
18 切断装置
20 コンベア支持フレーム
30 第一フレーム
31 走行伝動部
32 第二フレーム
33 第三フレーム
34 運転部フレーム
51 側部フレーム
59 前部側連結部
60 後部側連結部
61 中間連結部
Q 空間部
Y1 軸芯
4 刈取部
6 フィーダ(搬送装置)
7 分離装置
8 排出コンベア
9 エンジン
17 側壁
18 切断装置
20 コンベア支持フレーム
30 第一フレーム
31 走行伝動部
32 第二フレーム
33 第三フレーム
34 運転部フレーム
51 側部フレーム
59 前部側連結部
60 後部側連結部
61 中間連結部
Q 空間部
Y1 軸芯
Claims (7)
- 機体前下部に設けられ、植立している作物を刈り取る刈取部と、
前記刈取部にて刈り取られた作物を機体後上方に向けて搬送する後上がり傾斜姿勢の搬送装置と、
機体上部側に位置して前後方向に延びかつエンジンを支持する左右の第一フレームと、
機体下部側に位置して前後方向に延びかつ前記エンジンよりも後方に位置する走行伝動部を支持する左右の第二フレームと、が備えられ、
前記第一フレームと前記第二フレームとが、前後方向に沿って一部重複する状態で備えられ、
前記搬送装置が、左右の前記第一フレームの間、及び、前記第一フレームと前記第二フレームとが重複する箇所を通過する状態で設けられ、
前記第一フレーム及び前記第二フレームは、それぞれ前記搬送装置に連結されているサトウキビ収穫機。 - 前記搬送装置と前記第二フレームとの間に、前記第二フレームに支持される状態で前記走行伝動部が備えられ、
前記走行伝動部の前方に位置して前記搬送装置と前記第二フレームとを連結する前部側連結部と、前記走行伝動部の後方に位置して前記搬送装置と前記第二フレームとを連結する後部側連結部と、前記走行伝動部と前記搬送装置とを連結する中間連結部と、が備えられている請求項1に記載のサトウキビ収穫機。 - 前記走行伝動部は、前記第二フレーム及び前記中間連結部のそれぞれに対して着脱可能に連結され、
前記後部側連結部は、前記第二フレーム及び前記搬送装置のそれぞれに対して着脱可能に連結され、
前記中間連結部の上部と前記搬送装置との間、及び、前記中間連結部の下部と前記走行伝動部との間の少なくともいずれか一方に、スペーサ部材が備えられ、
前記スペーサ部材は、前記スペーサ部材を挟む両者の連結が解除されるに伴って取り外し可能に構成されている請求項2に記載のサトウキビ収穫機。 - 前記搬送装置から側方に向けて突出する側部フレームが備えられ、
前記側部フレームに前記第一フレームの後部が支持され、
前記エンジンの前方に位置する運転部と、前記運転部を支持する運転部フレームと、が備えられ、
前記運転部フレームは、前記第一フレームの前方に位置する状態で前記第一フレームの前部に連結されている請求項1から3のいずれか一項に記載のサトウキビ収穫機。 - 前記運転部の前方にサトウキビの上部の葉部分を切断するトッパが備えられ、
前記運転部フレームの前部に前記トッパを支持するトッパ支持フレームが、前記運転部フレームの左右にわたる状態で備えられている請求項4に記載のサトウキビ収穫機。 - 左右の前記第二フレームの前部に、前記第二フレームよりも前側に延びて前記搬送装置における下部の左右側方を通過する左右の第三フレームが連結され、
前記刈取部に、左右の側壁と、左右の前記側壁の間の下部に位置して作物の株元を切断する切断装置と、が備えられ、
左右の前記側壁における前記切断装置の側方に対応する部分に切欠きが形成され、
左右の前記第三フレームの前部は、左右の前記側壁における前記切欠きの周辺部に連結されている請求項1から5のいずれか一項に記載のサトウキビ収穫機。 - 前記搬送装置の後部に連結され、前記作物を夾雑物と収穫物とに分離する分離装置と、
前記収穫物を受け取って斜め上方へ向けて搬送する排出コンベアと、
前記排出コンベアを縦向き軸芯周りで回動可能に支持するコンベア支持フレームと、が備えられ、
前記コンベア支持フレームは、前記第二フレームの後部の上側に位置する状態で前記第二フレームに連結され、
前記コンベア支持フレームの内部に前記排出コンベアに備えた機器に対する配線及び配管の少なくともいずれか一方を通す空間部が形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載のサトウキビ収穫機。
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JP2020215619A JP2022101185A (ja) | 2020-12-24 | 2020-12-24 | サトウキビ収穫機 |
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