JP2022100915A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明は、野菜室に配設される貯蔵容器内の湿度を野菜類の保存に適切な湿度帯に維持可能な冷蔵庫の提供を目的とする。【解決手段】 本発明に係る冷蔵庫は、野菜室４に配設される貯蔵容器１０と、貯蔵容器１０より背方側に設けられる仕切り１００とを備え、仕切り１００は、貯蔵容器１０の背面１２に対向する前面１１０と、前面１１０から背方側に延出する一対の両側面１２１，１２２と、野菜室４に流入する循環冷風の通気口に対向する第１の開口部１３０とを備え、少なくとも、仕切り１００の前面１１０と両側面１２１，１２２と第１の開口部１３０により、循環冷風の通過領域が画成されることを特徴とする。また、本発明に係る冷蔵庫１は、更に、仕切り１００の前面１１０に冷風を放出する冷風放出手段４０を備え、仕切り１００の前面１１０は、冷風放出手段４０から放出された冷風が通過する第２の開口部１１１を備えることが好ましい。【選択図】 図２

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。

鮮度維持が重要な野菜類を貯蔵する野菜室内の湿度は、冷蔵室、冷凍室のような他の貯蔵室内の湿度に比べて高く保たれている。一方、冷蔵庫内を循環する冷風（循環冷風）によって野菜室全体（野菜室に配設される貯蔵容器全体）を冷却すると、内部の乾燥が進む結果、野菜室内（貯蔵容器内）の湿度が所望の湿度帯より下がる可能性がある。このような、野菜室を含む貯蔵室の湿度に関する課題を解決するための冷蔵庫が、例えば下記特許文献１に開示されている。

特開２０１８－１３２２９６号公報

特許文献１に開示の冷蔵庫は、貯蔵物が貯蔵される貯蔵室と、貯蔵室に収容され、正面側に引き出し可能で、上部が開口しており、貯蔵物が収納される収納容器と、収納容器の開口を覆うように配置されるカバーとを備え、カバーには、貯蔵室の内外を連通する連通孔が形成され、カバーの下面に樹脂繊維部材が設けられ、貯蔵室内の水分が前記樹脂繊維部材で吸収され、吸湿した水分が連通孔を介して貯蔵室外へ放出される構成を備える。

しかしながら、特許文献１に開示の発明において、樹脂繊維部材を備えるカバーは、貯蔵室上面を被覆する。これに対して、カバーに装着される樹脂繊維部材と連通孔は、重畳されている。特許文献１によれば、樹脂繊維部材は、ＰＥＴ繊維等の樹脂繊維からなる編物であって、液体を遮断する一方、空気を通す部材である。すなわち、野菜室内（貯蔵容器内）の空気は、樹脂繊維部材と連通孔との重畳部位を介して流通し得る。

特許文献１に開示の貯蔵室が野菜室である場合、循環冷風は、上方側から野菜室に流入する。そのため、野菜室に流入する循環冷風は、樹脂繊維部材を備えるカバーの広範囲に至る結果、樹脂繊維部材と連通孔との重畳部位から多くの循環冷風が野菜室内（貯蔵容器内）に流入することが予想される。この場合、内部の乾燥が進み、野菜室内（貯蔵容器内）の湿度が所望の湿度帯より下がる可能性がある。

前述の課題に鑑み、本発明は、野菜室に配設される貯蔵容器内の湿度を野菜類の保存に適切な湿度帯に維持可能な冷蔵庫の提供を目的とする。

前記課題を解決するため、本発明に係る冷蔵庫は、
野菜室に配設される貯蔵容器と、
貯蔵容器より背方側に設けられる仕切りと、
を備え、
仕切りは、
貯蔵容器の背面に対向する前面と、
前面から背方側に延出する一対の両側面と、
野菜室に流入する循環冷風の通気口に対向する第１の開口部と、
を備え、
少なくとも、仕切りの前面と両側面と第１の開口部により、循環冷風の通過領域が画成される
ことを特徴とする。

また、本発明に係る冷蔵庫は、
更に、仕切りの前面に冷風を放出する冷風放出手段を備え、
仕切りの前面は、冷風放出手段から放出された冷風が通過する第２の開口部を備える
ことを特徴とする。

更に、本発明に係る冷蔵庫において、
冷風放出手段は、
冷却器と、
前記貯蔵容器より背方側に設けられると共に、冷却器で冷却された冷風を仕切りの内側に導く誘導流路と、
を備えることを特徴とする。

更に、本発明に係る冷蔵庫において、
貯蔵容器は、貯蔵容器の背面から突出すると共に、前記第２の開口部に嵌まり込み、冷風放出手段から放出された冷風及び循環冷風の少なくとも一方の進路を規制するための進路規制壁を更に備える
ことを特徴とする。

本発明によれば、野菜室の貯蔵容器より背方に配される仕切りによって、野菜室に流入した循環冷風の通過領域を画成することができる。その結果、野菜室での循環冷風は、貯蔵容器より背方側を主に通過し、貯蔵容器の上方や側方に循環冷風が回り込むことを抑制できる。これにより、貯蔵容器の背面を選択的に冷却でき、貯蔵容器内が過度に乾燥することを防止できる。

また、本発明によれば、仕切りの前面に形成される第２の開口部を通じて、冷風放出手段から冷風を貯蔵容器の背面に衝突させることができる。これにより、背面側から貯蔵容器内を冷却できる。そのため、貯蔵容器の密閉度を高めて、野菜室に流入する通常の循環冷風が遮断されても、貯蔵容器内を所望の温度帯に冷却することができる。

更に、本発明によれば、貯蔵容器より背方側に設けられる誘導流路によって、冷却器で冷却された冷風を仕切りの内側に導くことができる。すなわち、貯蔵容器の背面に近い位置から、冷風を放出することができる。これにより、冷風放出手段の構造を簡素化でき、且つ貯蔵容器の背面に冷風を的確に到達させることができる。

更に、本発明によれば、進路規制壁を設けることで、第２の開口部を通過する冷風（冷風放出手段から放出される冷風及び循環冷風の少なくとも一方）が、貯蔵容器の背面に進むよう規制される。その結果、これらの冷風が、貯蔵容器の背面以外の箇所（例えば、貯蔵容器の上方や側方）に回り込むことを防止できる。これにより、冷風が貯蔵容器内に侵入することを防ぎ、内部の過度な乾燥を抑制できる。

本実施形態に係る冷蔵庫の正面図。 本実施形態に係る冷蔵庫の側面視垂直断面図（図１に示されるＡ－Ａ’線での断面図）。 本実施形態における仕切りの斜視図。 断熱箱体が取り外された状態の野菜室を背面側から見た図。 本実施形態に係る冷蔵庫の側面視垂直断面図（図１に示されるＢ－Ｂ’線での断面図）。

以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る冷蔵庫１を詳細に説明する。なお、本実施形態に係る冷蔵庫１を説明するにあたり、「上下」方向は、冷蔵庫１の高さ方向に対応し、「左右」方向は、冷蔵庫１の幅方向に対応し、「前後」方向は、冷蔵庫１の奥行き方向に対応する。

初めに、図１を参照して、本実施形態に係る冷蔵庫１の構成概略を説明する。ここで、図１は、冷蔵庫１の正面図である。図１に示されるように、本実施形態に係る冷蔵庫１は、冷蔵庫本体に相当する断熱箱体２を備える。また、断熱箱体２は、複数の貯蔵室３，４，５を備える。これら複数の貯蔵室は、上から順に冷蔵室３、野菜室４、冷凍室５に対応する。ただし、各貯蔵室の配置順は、これに限られない（例えば、上から順に冷蔵室、冷凍室、野菜室が配置されていてもよい）。

断熱箱体２に設けられる各貯蔵室の前面は開口する。これら各開口を開閉可能に塞ぐよう、断熱扉が設けられる。ここで、断熱扉６ａ，６ｂは、例えば冷蔵庫の正面視右端及び左端の上下端部が回動可能に断熱箱体２に支持されて、冷蔵室３の前面開口部を塞ぐ。また、断熱扉６ｃは、断熱箱体２に対して前後方向に引出可能に配設され、野菜室４の前面開口部を塞ぐ。同様に、断熱扉６ｄは、断熱箱体２に対して前後方向に引出可能に配設され、冷凍室５の前面開口部を塞ぐ。

次に、図２から図４を参照して、冷蔵庫１の内部構造を説明する。ここで、図２は、冷蔵庫１の側面視垂直断面図（図１に示される冷蔵庫１をＡ－Ａ’で切断した断面の部分図）である。また、図３は、野菜室４に流入する循環冷風が通過する仕切り１００の斜視図である。更に、図４は、断熱箱体２が取り外された状態の野菜室４を背面側から見た図である。

なお、本実施形態の「循環冷風」は、例えば、冷凍室５の背域に設けられる冷却器（エバポレータ）との熱交換により冷却され、冷風送りダクトを通じて冷蔵室３及び野菜室４に至り、再び冷却器近傍に帰還する冷風である。

図２に示されるように、断熱箱体２は、鋼板製の外箱２ａと、合成樹脂製の内箱２ｂと、外箱２ａと内箱２ｂとの間に形成された間隙内に充填される発泡ポリウレタン（ウレタンフォーム）製の断熱材２ｃを備える。更に、本実施形態に係る冷蔵庫１は、野菜室４に配設されて、野菜類等を貯蔵するための貯蔵容器１０と、仕切り１００とを備える。

まず、本実施形態における貯蔵容器１０を説明する。貯蔵容器１０は、開口上面１１を有する容器である。開口上面１１は、蓋部２０によって塞がれる。これにより、貯蔵容器１０内の密閉度が高められる。更に、蓋部２０の前方側に、第１の光透過部２１（例えば、ガラスやアクリル板等）が設けられる。これにより、上方から貯蔵容器１０の内部を視認できる。

また、野菜室４の直上に設けられる冷蔵室３の底面３１にも、第２の光透過部３２（例えば、ガラスやアクリル板等）が設けられる。図２に示されるように、第２の光透過部３２は、第１の光透過部２１と対向する。このような構造を採用することで、冷蔵室３の断熱扉６ａ，６ｂを開けた際、冷蔵室３側から野菜室４（貯蔵容器１０）内を視認できる。

次に、図３を参照して仕切り１００を説明する。仕切り１００は、前面１１０と、前面１１０から背方側に延出する一対の両側面１２１，１２２と、上方に設けられた第１の開口部１３０とを備える。両側面１２１，１２２は、野菜室４の背壁近傍まで延出する。また、仕切り１００の背面の全部又は一部は開口する。

ここで、仕切り１００が貯蔵容器１０より背方に配設される際、前面１１０は、貯蔵容器１０の背面１２に対向する。また、前面１１０は、第２の開口部１１１を備えることが好ましい。更に、第１の開口部１３０は、野菜室４に流入する循環冷風の通気口３３に対向する。

図４に示されるように、仕切り１００は、野菜室４の両側域に渡る幅広の部材である。少なくとも、仕切り１００の前面１１０、両側面１２１，１２２、第１の開口部１３０によって、野菜室４に流入する循環冷風の通過領域が画成される（図２及び図４参照）。

次に、野菜室４に流入した循環冷風の流れを説明する。まず、冷蔵室３を通過した循環冷風は、冷蔵室３の底面３１に設けられる通気口３３を通り、野菜室４に流入する。仕切り１００の第１の開口部１３０は、通気口３３に対向している。そのため、通気口３３を通った循環冷風は、第１の開口部１３０に向けて流れる。

続いて、循環冷風は、第１の開口部１３０から仕切り１００の内側に流入し、仕切り１００の内側を流れて開口背面を通過する。ここで、仕切り１００の開口背面は、冷風戻りダクト５０の流入口に対向している。これにより、仕切り１００を通過した循環冷風は、冷風戻りダクト５０に流入する。これに対して、冷風戻りダクト５０の流出口は、例えば、冷凍室５の底部に臨み、冷却器４１（エバポレータ）を収容する冷却室と接続する。これにより、冷風戻りダクト５０を通過した循環冷風は、冷却室に流入し、冷却器４１の近傍に帰還する。

このように、野菜室４に流入した循環冷風は、貯蔵容器１０より背方側に設けられた仕切り１００の内側を主に通過する。その結果、貯蔵容器１０の上方や側方に循環冷風が回り込むことを抑制できる。これにより、貯蔵容器１０の背面１２を選択的に冷却でき、貯蔵容器１０内が過度に乾燥することを防止できる。

次に、図５を参照して、仕切り１００の前面１１０に向けて冷風を放出する冷風放出手段４０を説明する。ここで、図５は、冷蔵庫１の側面視垂直断面図（図１に示される冷蔵庫１をＢ－Ｂ’で切断した断面の部分図）である。図５に示されるように、本実施形態に係る冷蔵庫１は、冷風放出手段４０を更に備える。

より詳しくは、冷風放出手段４０は、冷却器４１と、貯蔵容器１０より背方側に設けられると共に、冷却器４１で冷却された冷風を仕切り１００の内側に導く誘導流路４２１とを備える。また、冷風放出手段４０は、誘導流路４２１への冷風の流入を制御する弁４３（例えば、ステッピングモータ等によって開閉されるダンパやシャッタ等）や冷却器４１の上方に設けられるファン４４を更に備えてもよい。

本実施形態における誘導流路４２１は、貯蔵容器１０より背方側（冷蔵室３、野菜室４の背域）に設けられる冷風送りダクト４２内に設けられる。また、冷風送りダクト４２は、冷蔵室３側に延在する主流路４２２を更に備える。主流路４２２は、誘導流路４２１の背方側に設けられる。すなわち、誘導流路４２１と主流路４２２は、冷風送りダクト４２内で前後に並ぶ。ただし、誘導流路４２１の位置は、これに限られない。

更に、弁４３は、誘導流路４２１の流入口４２１１に対向するよう設けられる。弁４３が開くに伴い、冷却器４１からの冷風は、誘導流路４２１に流入する。誘導流路４２１に流入した冷風は、誘導流路４２１内を通り、仕切り１００の内側に放出される。仕切り１００の内側に放出された冷風は、仕切り１００の第２の開口部１１１を通り、貯蔵容器１０の背面１２に衝突する。

衝突した冷風により、背面１２が冷却される。これにより、背面１２側から貯蔵容器１０内を冷却できる。例えば、密閉度を高めるため、貯蔵容器１０に蓋部２０等を被せた場合、野菜室４に流入する循環冷風が遮断され、循環冷風のみでは貯蔵容器１０内を所望の温度帯に冷却できないことが想定される。しかしながら、本実施形態によれば、背面１２側から貯蔵容器１０内を冷却できるため、密閉度を維持しつつ、貯蔵容器１０内を所望の温度帯に冷却することができる。

更に、本実施形態によれば、仕切り１００に臨む誘導流路４２１を介して、仕切り１００の内側（貯蔵容器１０の背面１２）に冷風を放出することができる。換言すれば、仕切り１００に近い位置から冷風を放出することができる。そのため、冷風放出手段４０の構造を簡素化できると共に、冷風を仕切り１００（貯蔵容器１０の背面１２）に的確に到達させることができる。

ここで、貯蔵容器１０は、図５に示されるように、冷風（冷風放出手段４０から放出された冷風及び循環冷風の少なくとも一方）の進路を規制するための進路規制壁１８を更に備えることが好ましい。本実施形態における進路規制壁１８は、貯蔵容器１０の背面１２から背方に向けて突出すると共に、仕切り１００の第２の開口部１１１に嵌まり込む。なお、本実施形態の進路規制壁１８は、一端と他端の双方が開口する内部中空の環状部位であるが、これに限られない。

このような進路規制壁１８を設けることで、第２の開口部１１１を通過する冷風（冷風放出手段４０から放出される冷風及び循環冷風の少なくとも一方）が、貯蔵容器１０の背面１２に進むよう規制される。その結果、これらの冷風が、貯蔵容器１０の背面１２以外の箇所（例えば、貯蔵容器１０の上方や側方）に回り込むことを防止できる。これにより、冷風が貯蔵容器１０内に侵入することを防ぎ、内部の過度な乾燥を抑制できる。

以上、本発明の実施形態を詳細に説明した。ただし、前述の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定する趣旨で記載されたものではない。本発明には、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るものを含み得る。また、本発明にはその等価物が含まれる。

１…冷蔵庫
２…断熱箱体
２ａ…外箱
２ｂ…内箱
２ｃ…断熱材
３…冷蔵室
４…野菜室
５…冷凍室
１０…貯蔵容器（野菜室）
２０…貯蔵容器の蓋部
２１…第１の光透過部
３２…第２の光透過部
３３…通気口
４０…冷風放出手段
４１…冷却器
４２…冷風送りダクト
４２１…誘導流路
４２２…主流路
４３…弁
４４…ファン
５０…冷風戻りダクト
１００…仕切り
１１０…仕切りの前面
１２１，１２２…仕切りの両側面
１３０…仕切りの第１の開口部

Claims (4)

1. 野菜室に配設される貯蔵容器と、
   貯蔵容器より背方側に設けられる仕切りと、
   を備え、
   仕切りは、
   貯蔵容器の背面に対向する前面と、
   前面から背方側に延出する一対の両側面と、
   野菜室に流入する循環冷風の通気口に対向する第１の開口部と、
   を備え、
   少なくとも、仕切りの前面と両側面と第１の開口部により、循環冷風の通過領域が画成される
   ことを特徴とする冷蔵庫。
2. 更に、仕切りの前面に冷風を放出する冷風放出手段を備え、
   仕切りの前面は、冷風放出手段から放出された冷風が通過する第２の開口部を備える
   ことを特徴とする請求項１に記載の冷蔵庫。
3. 冷風放出手段は、
   冷却器と、
   前記貯蔵容器より背方側に設けられると共に、冷却器で冷却された冷風を仕切りの内側に導く誘導流路と、
   を備えることを特徴とする請求項２に記載の冷蔵庫。
4. 貯蔵容器は、貯蔵容器の背面から突出すると共に、前記第２の開口部に嵌まり込み、冷風放出手段から放出された冷風及び循環冷風の少なくとも一方の進路を規制するための進路規制壁を更に備える
   ことを特徴とする請求項２又は３に記載の冷蔵庫。

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