JPS6215756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は野菜・果物等を収納するクリスパー等
の容器を庫内に配置した冷蔵庫で、特にこの容器
が冷蔵室としての使用、野菜室としての使用の切
替使用が可能なものに関する。

従来例の構成とその問題点 一般にクリスパー等の容器を野菜室又は冷蔵室
としての切替使用が行なえるようにしたものは冷
蔵室の下部に野菜保存用コンパートソントを区画
し、該コンパートメントに配置した大小容器に冷
蔵室からの冷気を直接導入して容器内を冷蔵室温
度とするか、もしくは冷蔵室の冷気によつて密閉
された容器の外周を冷却することで容器内を冷蔵
室温度より高温の野菜室温度とし、容器を冷蔵
室・野菜室としての２様の使用手段を得るもので
あつた。そしてこの容器への冷気導入、遮断を行
なうために野菜保存用コンパートメントと冷蔵室
とを区画し、かつ容器上面開口を閉塞する蓋体に
冷気入口、出口及びこれらを開閉するシヤツター
を備えるのが常套手段である。ところが冷蔵室と
野菜保存用コンパートメントを区画する冷蔵庫に
おいては蓋体に大容器用、小容器用のシヤツター
付の冷気出入口を配置すると各々の出入口を流れ
る冷気が干渉し、かつシヤツターの切換操作によ
り冷気の流れをコントロールするとその影響が著
しく各容器内を所望の温度に制御するのが極めて
因難となるものであつた。

考案の目的 そこで本考案は上記問題点を解決すべく、容器
の冷蔵室、野菜室の切替使用に際してシヤツター
の操作により近接する冷気出口を流れる冷気同志
の干渉を防止することを目的とする。

考案の構成 この目的を達成するため、本考案は蓋体の前部
に小容器用、大容器用の冷気出口を並設し、両冷
気出口を区画する間仕切板およびカバーにて小容
器用冷気帰環ダクトを形成したもので、これによ
り、小容器内の冷気を流出する際に、大容器内外
を流れる冷気が冷気出口より流れるときにその干
渉を防止し小容器内循環冷気量を所定量に維持し
て、所望の温度に保つものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を上下２段に容器を備え
て各々が冷蔵室、野菜室として切替使用可能とし
たものを例に説明する。

図において、１は冷蔵庫本体で、外箱２と内箱
３及びこれら両箱２，３間に充填された断熱材４
より成る。本体１内は最上段の冷凍室（図示せ
ず）中段の冷蔵室５、この冷蔵室５と仕切壁６及
び蓋体１によつて区画される野菜保存用コンパー
トメント８とに区画されている。上記仕切壁６は
本体１前面開口に左右側壁に橋架して備えられる
ものである。そしてこれら各室５，８には一側上
下端を枢支して開閉する扉９、引き出し自在の扉
１０が備えられている。野菜保存用コンパートメ
ント８内には野菜保存容器としての大容器１１が
扉１０に固定されており、扉１０の開閉で上面開
口が庫内外に出入する。この大容器１１は野菜保
存用コンパートメント８の奥壁面及び底壁面と扉
１０の内壁面のそれぞれと若干の間隔１２を有し
て扉１０に固定されており、この間隔１２は大容
器１１を外周面から冷却する冷気通路を構成して
いる。この冷気通路１２は冷気入口１２ａとして
コンパートメント８の奥壁略中央部を所定巾にわ
たつて凹ませ蓋体７の後端との間に構成し冷気出
口は大容器１１の扉１０への水平張出部１１ａに
穿設した穴１１ｂと蓋体１に穿設した長穴７ｉと
で構成される。

一方、大容器１１の上面開口にはこの開口全体
を被うように小容器１３が蓋体７の下面両側壁に
形成したレール溝７ｐに沿つて引き出し自在に備
えられており、この小容器１３も野菜保存容器と
して使用される。すなわちこの小容器１３は扉１
０を引き出した状態で扉１０裏面に向つて延出す
る把手部１３ａを持つて引き出し可能である。こ
の小容器１３の把手部１２ａには多数の対流孔１
３ｂが穿設されており、また小容器１３内の後部
一側には仕切板１３ｃによつて大容器１１内部に
連通するダクト１４が形成されている。

次に上記蓋体７について説明する。蓋体７は小
容器１３の上面開口全体を被うよう設けられるも
ので前部は立上り部を形成している。すなわちこ
の立上り部は仕切壁６に係止される水平部７ａと
この水平部７ａより奥方に向かつて傾斜する傾斜
部７ｂにて構成される。また蓋体７の後部は略垂
直に垂下し、小容器１３の後端に当接するストツ
パー７ｃと仕切板１３ｃに当接してダクト１４を
延長し区画する遮蔽部７ｄとが形成されている。
蓋体７の後部でストツパー７ｃと遮蔽部７ｄとの
間には一側、つまりダクト１４に対向する位置に
大容器用冷気入口７ｅが適数個穿設され、他側に
小容器用冷気入口７ｆが適数個穿設されている。
また傾斜部７ｂには中央側に小容器用冷気出口７
ｇを適数個穿設され、この出口７ｇの左右両側に
大容器用冷気出口７ｈが適数個穿設されている。
この大容器用冷気出口７ｈと平列して前述冷気通
路１２の冷気出口としての長穴７ｉが穿設されて
いる。上記大容器用冷気入口１７ｅには該入口に
対応する穴を設けて入口を開閉する大容器用シヤ
ツター１５と、大容器用冷気出口７ｈに対して同
じく大容器用シヤツター１６ａ，１６ｂが備えら
れている。この出口７ｈ側に備えられるシヤツタ
ー１６ａ，１６ｂは連結板１６ｃによつて連結さ
れもつて連動するものである。また大容器用シヤ
ツター１６ａの先端には操作部１６ｄを有し、蓋
体７の水平部７ａに穿設した透孔７ｊを介して操
作部１６ｄに係合する操作片１６ｅにより左右方
向に摺動可能としている。また上記両大容器用シ
ヤツター１５，１６ａは蓋体７の裏面に突出させ
た枢支ピン７ｋに枢支されたレバー１７にて連結
されており、もつて操作部片１６ｅの操作で各大
容器用シヤツター１５，１６ａ，１６ｂが同時に
スライドし冷気入口７ｅ、冷気出口７ｈを同時に
開閉するものである。

一方上記小容器用冷気入口７ｆ、小容器用冷気
出口７ｇにも小容器用シヤツター１８，１９が備
えられており、出口７ｇ側のシヤツター１９の先
端には操作部１９ａを有し、蓋体７の水平部７ａ
に穿設した透孔７ｅを介して操作部１９ａに係合
する操作片１９ｂにより左右方向に摺動可能とし
ている。両小容器用シヤツター１８，１９も蓋体
７の裏面に突出させた枢支ピン７ｍに枢支された
レバー２０にて連結されており、もつて操作片１
９ｂの操作で各小容器用シヤツター１８，１９が
同時にスライトし、冷気入口７ｆ、冷気出口７ｇ
を同時に開閉するものである。

２１は冷気出口７ｈおよび７ｇを仕切る間仕切
板であり、蓋体７と一体に立設され、傾斜部７ｂ
にて前後方向にのびる部分２１ａと小容器１３の
開口前端に対向するように左右方向にのびる部分
２１ｂとよりなる。そして部分２１ａに対しては
カバー２２が覆設され小容器１３の内部から冷気
出口７ｇに至る独立した小容器用帰環ダクト２３
を構成している。２４は小容器１３の開口前端に
接触するシール片であり、間仕切板２１の部分２
１ｂに係合するものである。

次に上記構成において大容器１１、小容器１３
の使用態様における冷気の流れを説明する。

(i) 大容器１１、小容器１３共冷蔵室として使用
する場合両容器１１，１３に冷気を対流させる
必要があるので操作片１６ｅ，１９ｂの操作で
各シヤツター１５，１６ａ，１６ｂ，１８の穴
と各入口出口７ｅ，７ｆ，７ｈ，７ｇとを連通
させる。この時第２図矢印ａ，ｂ，ｃで示すよ
うに冷気が冷蔵室５→大容器用冷気入口７ｅ→
大容器用シヤツター１５の穴→ダクト１４→大
容器１１→対流孔１３ｂ→大容器用シヤツター
１６ａ，１６ｂの穴→大容器用冷気出口７ｈ→
冷蔵室５と流れる風路と、冷蔵室５→小容器用
冷気入口７ｆ→小容器用シヤツター１８の穴→
小容器１３→小容器用帰環ダクト２３→小容器
用シヤツター１９の穴→小容器用冷気出口７ｇ
→冷蔵室５と流れる風路とが形成されて両容器
１１，１３共冷気の対流によつて冷蔵室５の温
度と同温度、つまり冷蔵室となる。この時各容
器１１，１３内への冷気対流のみならず後述(ii)
で示す冷気通路１２の流れも当然存在する。

(ii) 大容器１１、小容器１３共野菜室として使用
する場合両容器１１，１３に冷気を流入させて
はならないので操作片１６ｅ，１９ｂの操作で
各シヤツター１５，１６ａ，１６ｂ，１８で各
入口出口７ｅ，７ｆ，７ｈ，７ｇを閉塞させ
る。この時第２図矢印ａで示すように冷気の流
れは冷蔵室５→冷気入口１２ａ→冷気通路１２
→穴１１ｂ→対流孔１３ｂ→長穴７ｉ→冷蔵室
５となる風路を形成して大容器１１を外周から
冷却し小容器１１も冷気通路１２に面する奥壁
部分と大容器１１の温度によつて冷却され、い
ずれも冷気に対する密閉空間として野菜室が形
成される。

(iii) 大容器１１を冷蔵室、小容器１３を野菜室と
して使用する場合……この時大容器用冷気入口
７ｅ冷気出口７ｈを開口させ、小容器用冷気入
口７ｆ冷気出口７ｇを閉じると、第２図矢印
ａ，ｃで示した大容器１１への冷気対流が生じ
て上記使用が可能となる。

(iv) 大容器１１を野菜室、小容器１３を冷蔵室と
して使用する場合……この時大容器用冷気入口
７ｅ冷気出口７ｈを閉じ、小容器用冷気入口７
ｆ、冷気出口７ｇを開口させると、第２図矢印
ｂで示した小容器１３への冷気対流が生じて上
記使用が可能となる。

以上の如く大容器１１、小容器１３をいずれも
冷蔵室又は野菜室としての使用が可能で、特に冷
蔵室としての使用に際して蓋体７の前後部に形成
した冷気入口７ｅ，７ｆ、冷気出口７ｈ，７ｇに
よつて各容器１１，１３内に冷気が対流して冷蔵
室１の温度に極めて近似した冷蔵温度を得ること
ができる。そして大容器１１を冷蔵室としての使
用時の冷気流入路は小容器１３の後部に形成した
ダクト１４にて行なわれるため小容器１３は大容
器１１とほぼ同一巾、同一奥行きの設計が可能で
小容器１３の容積を最大限大きく取ることがで
き、かつ大容器用冷気入口７ｅ、小容器用冷気入
口７ｆを蓋体７に対して整列することも可能とな
る。また各冷気入口７ｅ，７ｆ、冷気出口７ｈ，
７ｇを蓋体７の前後に形成し、これらに対して連
動する各シヤツター１５，１６ａ，１６ｂ，１
８，１９を設けているので同一位置、詳しくは蓋
体７の水平部７ａに操作部１６ｄ，１９ａをまと
めることができる。そして特に操作部１６ｄ，１
９ａが仕切壁６の奥方や下方に位置するのではな
く仕切壁６に係合する水平部７ａの透孔７ｊ，７
ｅより突出するので冷蔵室５の扉９を開放すれば
一目瞭然であり、操作も非常に行い易いものであ
る。

更に小容器１３内に冷気を導入して、この小容
器１３を冷蔵として使用する場合、その帰環冷気
は小容器用帰環ダクト２３内を流れるため、この
帰環冷気が、大容器１１内より対流孔１３ｂを通
つて流れる冷気、あるいは大容器１１の外周をよ
り対流孔１３ｂを通つて流れる冷気により干渉を
受けないため、大容器１１内を冷蔵に使用する際
又野菜室として使用する場合においても小容器１
３内の冷気循環量に変化をきたすことなく所望の
温度を維持できる。また間仕切板２１は多数の孔
７ｈ，７ｇ等を有する傾斜部７ｂを補強をなすも
のである。

考案の効果 以上のように本考案は蓋体の下方に小容器、大
容器の順で支持し蓋体の前端部に、小容器用、並
びに大容器の複数の冷気出口を並設し、両冷気出
口を間仕切板およびカバーにて区画し、小容器用
冷気帰環ダクトを形成したものであり、冷気出口
のシヤツター切換により、小容器用の冷気出口を
流れる冷気が影響を受けることなく、小容器内を
所望の温度に維持できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の冷蔵庫の斜視図、
第２図は第１図の−′線における断面図、第
３図は蓋体を裏面側より見た分解斜視図、第４図
は第２図の要部断面図である。 ５……冷蔵室、７……蓋体、７ｇ……小容器用
冷気出口、７ｈ……大容器用冷気出口、８……野
菜保存用コンパートメント、１１……大容器、１
３……小容器、２１……間仕切板、２２……カバ
ー、２３……小容器用帰環ダクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部野菜保存用コンパートメントと上部冷蔵室
   とを区画する蓋体と、この蓋体の下方に小容器、
   大容器を順次配設し前記両容器に冷気の流出入を
   各々行なわせる小容器用、大容器用冷気出口を前
   記蓋体の前部に並設し、前記小容器用冷気出口を
   間仕切板およびカバーにて区画し小容器用帰環ダ
   クトを構成した冷蔵庫。