JP2022098877A - 変性ゴムの製造方法、ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、合成ゴム及び天然ゴムから選ばれる1種以上のゴム成分(A)100質量部に対し、フィラー(B)を20~150質量部含有するゴム組成物であって、フィラー(B)100質量部に対して、ジカルボン酸構造(a1)、ジカルボン酸モノエステル構造(a2)、ジカルボン酸モノアミド構造(a3)及び無水カルボン酸構造(a4)から選ばれる1種以上の官能基を有し、前記(a1)~(a3)の全量が前記(a1)~(a4)の全量に対して80mol%以上である変性ファルネセン重合体(C)を0.1~30質量部含有するゴム組成物が記載されている。
また、特許文献1には、ジカルボン酸構造(a1)、ジカルボン酸モノエステル構造(a2)、ジカルボン酸モノアミド構造(a3)及び無水カルボン酸構造(a4)から選ばれる1種以上の官能基を有し、前記(a1)~(a3)の全量が前記(a1)~(a4)の全量に対して80mol%以上である変性ファルネセン重合体の製造方法であって、無水カルボン酸により変性されたファルネセン重合体の無水カルボン酸部分を開環反応させる変性ファルネセン重合体の製造方法が記載されている。
また、ジエン系ゴムと上記酸無水物を混合して上記ジエン系ゴムを変性する場合、混合後に残存する酸無水物の高い反応性は人体への刺激として安全衛生を損なう可能性があると考えられた。
さらに、上記酸無水物で変性された変性ジエン系ゴムとシリカ及び/又はカーボンブラックとを含有するゴム組成物について、シリカ及び/又はカーボンブラックが分散しにくい場合、又は、スコーチを抑制できない場合があることが明らかとなった。
また、本発明は、シリカ及び/又はカーボンブラックを良好に分散させながらスコーチを抑制できるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[2] 上記変性剤が、下記式(a1)~式(a4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、[1]に記載の変性ゴムの製造方法。
[3] 上記変性剤が、上記式(a1)~式(a4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、式(a1)~式(a4)中、R1~R6はそれぞれ独立に、炭素数4~10の脂肪族炭化水素基を表す、[2]に記載の変性ゴムの製造方法。
[4] 上記変性剤が、上記式(a1)~式(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、式(a1)中、R1は、炭素数6~10の脂肪族炭化水素基を表し、式(a2)中、R2~R3はそれぞれ独立に、炭素数4~10の脂肪族炭化水素基を表す、[2]又は[3]に記載の変性ゴムの製造方法。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の製造方法で製造された変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分と、シリカ及び/又はカーボンブラックとを含有し、上記シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部である、ゴム組成物。
[6] 変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分と、シリカ及び/又はカーボンブラックとを含有し、上記シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部であり、
上記変性ゴムの主鎖はジエン系ゴムであり、上記変性ゴムは、下記式(b1)~(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の変性基を有し、上記変性ゴム中の上記変性基の含有量が、上記変性ゴムが主鎖として有する上記ジエン系ゴムが有する二重結合に対して0.1~5モル%である、ゴム組成物。
式(b3)~式(b4)中、R4~R6はそれぞれ独立に、ヘテロ原子を有してもよい炭素数4~10の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を有してもよい芳香族炭化水素基、複素環、若しくは、これらの組み合わせ、又は、水素原子を表す。
式(b1)~式(b4)中、それぞれ独立に、*1及び*2のうちの一方が、上記変性ゴムが主鎖として有するジエン系ゴムとの結合位置を表す。残りの一方には水素原子が結合する。
[7] 上記変性ゴムが、25℃条件下で固体である、[6]に記載のゴム組成物。
[8] 上記変性基が、上記式(b1)~式(b2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を含み、式(b1)中、R1は、炭素数6~10の脂肪族炭化水素基を表し、式(b2)中、R2~R3はそれぞれ独立に、炭素数4~10の脂肪族炭化水素基を表す、[6]又は[7]に記載のゴム組成物。
[9] ジエン系ゴムに対して、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤を、ラジカル開始剤と共に反応させて、変性ゴムを製造する、変性ゴムの製造工程と、
上記変性ゴムに、シリカ及び/又はカーボンブラックを混合する、混合工程とを有する、ゴム組成物の製造方法。
本発明のゴム組成物は、シリカ及び/又はカーボンブラックを良好に分散させながらスコーチを抑制できる。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本発明の変性ゴムの製造方法は、
ジエン系ゴムに対して、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤を、ラジカル開始剤と共に反応させて、変性ゴムを製造する、変性ゴムの製造方法である。
本発明の本発明の変性ゴムの製造方法に使用されるジエン系ゴム(「原料ジエン系ゴム」とも称する。)は、ジエン系モノマーによる繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限されない。
原料ジエン系ゴムは、二重結合を有する。
原料ジエン系ゴムは、共役ジエン系ゴムを含むことが好ましい態様の1つとして挙げられる。
原料ジエン系ゴムは、本発明の効果がより優れるという観点から、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)が好ましい。
原料ジエン系ゴム、変性ゴムの重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・装置:東ソー社製GPC装置「HLC-8020」
・分離カラム:東ソー社製「GMH-HR-H」を2本直列に繋いだ
・検出器:東ソー社製「示差屈折計RI-8020」
・溶離液:テトラヒドロフラン
・溶離液流量:1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度:40℃
本発明の変性ゴムの製造方法に使用される変性剤は、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の変性ゴムの製造方法において、変性剤から酸無水物は除かれる。
本発明の変性ゴムの製造方法において、上記変性剤を使用することによって、ジエン系ゴムへの変性基の導入率を維持又は向上させ、架橋反応を抑制し、及び、製造工程内の安全衛生環境を損なわないようにすることができる。
マレイン酸ジエステルは、マレイン酸が有する2つのカルボキシ基の両方がそれぞれ独立にエステルを形成する。エステル残基は特に制限されない。
マレイン酸モノアミドは、マレイン酸が有する2つのカルボキシ基の一方がアミドを形成し、もう一方はカルボキシ基のままである。アミドが有する残基は特に制限されない。
マレイン酸ジアミドは、マレイン酸が有する2つのカルボキシ基の両方がそれぞれ独立にアミドを形成する。アミドが有する残基は特に制限されない。
炭素数4~10の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状、これらに組合せのいずれであってもよい。
炭素数4~10の脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐状であることが好ましい態様として挙げられる。
炭素数4~10の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基が挙げられる。
上記ヘテロ原子は、上記の炭素数4~10の脂肪族炭化水素基における任意の炭素原子又は水素原子に置き換わってもよい。また、上記ヘテロ原子は、炭素原子、水素原子、又は他のヘテロ原子と組み合わされて置換基を形成してもよい。
上記ヘテロ原子は、例えば、エーテル結合、エステル結合、ヒドロキシ基等を形成してもよい。
芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。
芳香族炭化水素基が有してもよいヘテロ原子は、上記と同様である。
なお、芳香族炭化水素基は複素環を含まない。
上記複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環が挙げられる。
R1、R4としての炭素数6~10の脂肪族炭化水素基は、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
R2~R3、R5~R6としての炭素数4~10の脂肪族炭化水素基は、いずれも、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
上記の場合、式(a1)中のR1としての炭素数6~10の脂肪族炭化水素基は、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
上記の場合、式(a2)中のR2~R3としての炭素数4~10の脂肪族炭化水素基は、いずれも、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
変性剤の使用量は、本発明の効果がより優れ、バウンドラバーを多く形成することができるという観点から、原料ジエン系ゴムが有する二重結合に対して,0.1~10モル%が好ましく、0.5~5モル%がより好ましい。
本発明の変性ゴムの製造方法に使用されるラジカル開始剤は、ラジカルを発生させる化合物であれば特に制限されない。
ラジカル開始剤は、例えば、原料ジエン系ゴムが有する二重結合に隣接する炭素原子に結合する水素を引き抜き、上記炭素原子上にラジカルを発生させ、上記ラジカルが上記変性剤が有する二重結合をアタックすることによって、変性ゴムを製造することができる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2′-アゾビスイソブチロニトリル、2,2′-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2′-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、1,1′-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れるという観点から、2,2′-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)が好ましい。
ラジカル開始剤の使用量は、本発明の効果がより優れるという観点から、原料ジエン系ゴムが有する二重結合に対して,0.01~3モル%が好ましく、0.1~1モル%がより好ましい。
上記反応の反応時間は、1分~1時間とすることができる。
上記反応は、ジエン系ゴム、上記変性剤、ラジカル開始剤を混合しながら行うことができる。上記反応に使用できる混合装置は特に制限されない。窒素雰囲気下で上記混合をするとさらによく反応させることができる。
本発明の変性ゴムの製造方法によって、変性ゴムを製造することができる。
本発明の変性ゴムの製造方法によって製造された変性ゴムとしては、例えば、その主鎖がジエン系ゴムであり、式(b1)~(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の変性基を有する変性ゴムが挙げられる。
変性ゴムにおいて、変性基の位置は、末端、側鎖のうちのいずれか、又は、両方であってもよい。
上記変性剤としての式(a2)で表される化合物による変性基が、式(b2)で表される基である。式(b2)中のR2、R3は式(a2)中のR2、R3と同じである。
上記変性剤としての式(a3)で表される化合物による変性基が、式(b3)で表される基である。式(b3)中のR4は式(a3)中のR4と同じである。
上記変性剤としての式(a4)で表される化合物による変性基が、式(b4)で表される基である。式(b4)中のR5、R6は式(a4)中のR5、R6と同じである。
なお、式(b1)において、*1又は*2を有する炭素原子はそれぞれ水素原子を1つ有する。上記水素原子は式(b1)において略記されている。式(b2)~式(b4)も同様である。
R1、R4としての炭素数6~10の脂肪族炭化水素基は、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
R2~R3、R5~R6としての炭素数4~10の脂肪族炭化水素基は、いずれも、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
上記の場合、式(b1)中のR1としての炭素数6~10の脂肪族炭化水素基は、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
上記の場合、式(b2)中のR2~R3としての炭素数4~10の脂肪族炭化水素基は、いずれも、炭素原子及び水素原子のみで形成されることが好ましい。
上記変性ゴムは、得られるゴムの強度等が優れるという観点から、25℃条件下で固体であることが好ましい。
上記変性ゴムの変性率は、ゴム組成物における、シリカ及び/又はカーボンブラックの分散性、スコーチの抑制がより優れ、バウンドラバーを多く形成することができるという観点から、変性ゴムが主鎖として有するジエン系ゴムが有する二重結合に対して、0.1~5モル%が好ましく、0.5~3モル%がより好ましい。
なお、「変性ゴムの変性率」は、後述する、本発明のゴム組成物IIにおける「変性ゴム中の変性基の含有量」と同じ意味である。
本発明の変性ゴムの製造方法における変性剤の反応率は、本発明の効果がより優れ、バウンドラバーを多く形成することができるという観点から、使用された変性剤中の50モル%以上が好ましい。
また、本発明の変性ゴムの製造方法によって製造された変性ゴムは、変性ゴムと未反応の変性剤等との混合物であってもよい。
本発明の変性ゴムの製造方法で得られる上記混合物中の変性ゴムの含有量は、90質量%以上であることが好ましい。
なお、本発明において、変性ゴムは、酸無水物による変性基(酸無水物の環状構造を保ったままの変性基)を有さない。
本発明のゴム組成物(本発明のゴム組成物I)は、
本発明の変性ゴムの製造方法で製造された変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分と、シリカ及び/又はカーボンブラックとを含有し、上記シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部である、ゴム組成物である。
本発明のゴム組成物Iは、上記変性ゴムを含有することによって、シリカ及び/又はカーボンブラックを良好に分散させながらスコーチを抑制できる。
本発明のゴム組成物Iは、変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分を含有する。
<変性ゴム>
本発明のゴム組成物Iに含有される変性ゴムは、本発明の変性ゴムの製造方法で製造された変性ゴムであれば特に制限されない。
上記ゴム成分が、上記変性ゴム以外のゴム(その他のゴム)を更に含む場合、上記その他のゴムは特に制限されない。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR。ポリイソプレン)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。
本発明のゴム組成物Iにおいて、変性ゴムの含有量は、ゴム成分(全量)中の10質量%以上である。
変性ゴムの含有量は、本発明の効果がより優れ、バウンドラバーを多く形成することができるという観点から、ゴム成分(全量)中の15~100質量%が好ましい。
ゴム成分がさらにその他のゴムを含む場合、変性ゴムの含有量は、ゴム成分(全量)中の10~90質量%が好ましく、15~50質量%がより好ましい。
本発明のゴム組成物Iに含有されうるシリカは特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明のゴム組成物Iに含有されうるカーボンブラックは特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、本発明の効果がより優れるという観点から、20~130m2/gであることが好ましく、より好ましくは40~100m2/gである。本明細書において、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217-2に準拠して、測定することができる。
本発明のゴム組成物Iにおいて、シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量(シリカとカーボンブラックとを併称する場合は、シリカ及びカーボンブラックの合計含有量)は、上記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部である。
シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量は、本発明の効果がより優れるという観点から、上記ゴム成分100質量部に対して、30~100質量部が好ましい。
本発明のゴム組成物Iは、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を含有することができる。
上記添加剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、シランカップリング剤、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、シリカ及びカーボンブラック以外の充填剤;加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤のような加硫系配合剤が挙げられる。
・酸化亜鉛
本発明のゴム組成物Iが更に酸化亜鉛を含有する場合、上記酸化亜鉛の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して、0質量部以上とすることができ、1~10質量部が好ましい。
本発明のゴム組成物(本発明のゴム組成物II)は、
変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分と、シリカ及び/又はカーボンブラックとを含有し、上記シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量が、上記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部であり、
上記変性ゴムの主鎖はジエン系ゴムであり、上記変性ゴムは、下記式(b1)~(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の変性基を有し、上記変性ゴム中の上記変性基の含有量が、上記変性ゴムが主鎖として有する上記ジエン系ゴムが有する二重結合に対して0.1~5モル%である、ゴム組成物である。
式(b3)~式(b4)中、R4~R6はそれぞれ独立に、ヘテロ原子を有してもよい炭素数4~10の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を有してもよい芳香族炭化水素基、複素環、若しくは、これらの組み合わせ、又は、水素原子を表す。
式(b1)~式(b4)中、それぞれ独立に、*1及び*2のうちの一方が、上記変性ゴムが主鎖として有するジエン系ゴムとの結合位置を表す。残りの一方には水素原子が結合する。
本発明のゴム組成物IIに含有される変性ゴムについて、変性ゴムの主鎖はジエン系ゴムであり、変性ゴムは、上記式(b1)~(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の変性基を有する。
式(b1)~式(b4)におけるR1~R6としての、ヘテロ原子を有してもよい炭素数4~10の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を有してもよい芳香族炭化水素基、複素環、又は、これらの組み合わせは、上記変性剤としての式(a1)~式(a6)におけるヘテロ原子を有してもよい炭素数4~10の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を有してもよい芳香族炭化水素基、複素環、又は、これらの組み合わせと同様である。
本発明のゴム組成物IIにおいて、式(b3)~式(b4)のR4~R6のいずれかが水素原子である場合、上記のような変性ゴムを製造する際には、上記に対応するように、変性剤について上記式(a3)~式(a4)のR4~R6のいずれかを水素原子であるよう変更したものを変性剤として使用すればよい。
本発明のゴム組成物IIにおいて、上記変性ゴム中の変性基の含有量(変性ゴムの変性率)は、変性ゴムが主鎖として有する上記ジエン系ゴムが有する二重結合に対して0.1~5モル%である。
上記変性基の含有量は、本発明の効果がより優れ、バウンドラバーを多く形成することができるという観点から、変性ゴムが主鎖として有する上記ジエン系ゴムが有する二重結合に対して、0.5~3モル%が好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法は、
ジエン系ゴムに対して、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤を、ラジカル開始剤と共に反応させて、変性ゴムを製造する、変性ゴムの製造工程と、
上記変性ゴムに、シリカ及び/又はカーボンブラックを混合する、混合工程とを有する、ゴム組成物の製造方法である。
本発明のゴム組成物の製造方法が有する、変性ゴムの製造工程は、
ジエン系ゴムに対して、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤を、ラジカル開始剤と共に反応させて、変性ゴムを製造する、変性ゴムの製造工程である。
本発明のゴム組成物の製造方法が有する混合工程は、上記変性ゴムに、シリカ及び/又はカーボンブラックを混合する、混合工程である。
混合工程において使用される変性ゴムは、本発明の変性ゴムの製造方法によって製造された変性ゴム(本発明のゴム組成物Iに含有される変性ゴム)、本発明のゴム組成物IIに含有される変性ゴムと同様である。
混合工程において使用されうる、シリカ、カーボンブラック、及びその量は、本発明のゴム組成物I、IIに含有されうる、シリカ、カーボンブラック、並びに、シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量と同様とできる。
上記混合時間は、1分~1時間とすることができる。
混合工程に使用できる混合装置は特に制限されない。
混合工程において、添加剤を上記のように分ける場合、変性ゴムに、まず、シリカ及び/又はカーボンブラックと加硫系配合剤以外の添加剤等とを添加して混合し、その後、加硫系配合剤を添加して混合して、本発明のゴム組成物を製造することができる。
原料ジエン系ゴムであるポリイソプレン(商品名Nipol IR2200、日本ゼオン社製。重量平均分子量500,000。以下同様)が有する二重結合に対して、下記表1に示す変性剤1mol%、及び、同表に示すラジカル開始剤0.3mol%を使用し、これらを、同表に示す混合温度の条件下で8分間、1.8Lの密閉型混合機で混合し、各変性ゴムを製造した。実施例1~4で製造された変性ゴムを変性ゴム1~4とする。
後述する変性ゴムの変性率の結果から、使用された変性剤中、各変性ゴムへ変性基として導入された割合(モル%)を算出した。結果を、表1の「変性剤の反応率」欄に示す。
変性ゴムが主鎖として有するジエン系ゴムが有する二重結合に対する、変性基の割合(モル%)を、表1の「変性ゴムの変性率」欄に示す。
変性ゴムの変性率は、1H-NMRの測定の結果をもとに、δ3.3~3.5ppmのピークと、δ5.0~5.2ppmのピークの積分値の比から、算出した。
δ3.3~3.5ppmのピークは、変性剤が有する二重結合がジエン系ゴムと反応して生成した3級炭素(-CH基)に由来すると考えられる。
δ5.0~5.2ppmのピークは、変性ゴムの主鎖(本実施例ではポリイソプレン)が有する二重結合の水素原子に由来すると考えられる。
なお、1H-NMRの測定に際し、上記のとおり製造された各変性ゴムは、テトラヒドロフランに溶解され、メタノールで再沈、ろ過、乾燥された。1H-NMRの測定に使用された変性ゴムからは未反応の変性剤は除去されている(以下同様)。
上記乾燥後の各サンプルを溶媒(重水素化クロロホルム)に溶解させて1H-NMRを測定した。
上記のとおり製造された各変性ゴムについて以下の評価(溶解性、製造工程内の安全衛生環境への影響、変性ゴムの重量平均分子量(Mw)、製造後の混合物中の変性ゴムの量)を行った。結果を表1に示す。
なお、変性ゴムの重量平均分子量(Mw)の測定方法は、上述のとおりである。
また、製造後の混合物中の変性ゴムの量(質量%)は計算値(=(原料ジエン系ゴム+導入された変性剤の合計量)/(原料ジエン系ゴム+変性剤+ラジカル開始剤の合計量)×100)である。
上記のとおり製造された各変性ゴム1gを、25℃の条件下で、溶剤としてのテトロヒドロフラン(20mL)に溶解させて、溶解後の混合物の状態を目視で観察した。
・溶解性の評価基準
溶解後の混合物において、変性ゴムが溶剤に溶解し、透明であった場合、変性剤による架橋反応が非常によく抑制されたと評価して、これを「○」と評価した。
溶解後の混合物において、変性ゴムが溶剤に溶解したが、透明ではなかった場合、変性剤による架橋反応がやや抑制されたと評価して、これを「△」と評価した。
一方、溶解後の混合物がゲル化した場合、変性剤による架橋反応が抑制されなかったと評価して、これを「×」と評価した。
本発明において、溶解性の評価が「△」、「○」であった場合、変性剤による架橋反応が抑制されたものとする。
上記のとおり製造された各変性ゴムを混合機から放出し、放出後の各変性ゴムを観察した。
・製造工程内の安全衛生環境への影響の評価基準
混合機から放出した各変性ゴムについて、白煙が認められない、及び、眼等への刺激がない場合、製造工程内の安全衛生環境を損なわないと評価して、これを「問題無し」と表示した。
混合機から放出した各変性ゴムについて、白煙が上がった、及び/又は、眼等への刺激があった場合、製造工程内の安全衛生環境を損なう可能性があると評価した。
(変性剤)
・(比較)無水マレイン酸:無水マレイン酸。25℃条件下で固体、100℃条件下で液体、分子量98
・変性剤(1-2):下記式(1-2)で表わされる化合物。商品名マレイン酸モノエチル、東京化成工業社製。25℃、100℃条件下で液体、C6H8O4、分子量144
・AMBN:2,2′-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、東京化成工業社製。分解温度100~110℃、分子量192
図1は、実施例で製造された変性ゴム等の1H-NMRのチャートである。
図1には、3つの1H-NMRのチャートが示されている。
上段の1H-NMRのチャートは、比較例1で製造された比較ゴム1の1H-NMRのチャートである。
中段の1H-NMRのチャートは、実施例3で製造された変性ゴム3の1H-NMRのチャートである。中段の1H-NMRのチャートにおいて、δ3.5ppmのピーク1は、上段の1H-NMRのチャートにはなく、変性剤(1-4)が有する二重結合がポリイソプレンと反応して生成した3級炭素(-CH基)に由来すると考えられる。
上記比較ゴム3の製造方法は以下のとおりである。
原料ジエン系ゴムであるポリイソプレン(商品名Nipol IR2200)が有する二重結合に対して、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン(東京化成工業製)1mol%、及び、ラジカル開始剤としてAMBN(上記と同様)0.3mol%を使用し、これらを、混合温度100℃の条件下で8分間、混合機で混合し、比較ゴム3を製造した。
上記乾燥後の各サンプルを溶媒(重水素化クロロホルム)に溶解させて1H-NMRを測定した。
変性剤として無水マレイン酸を使用した比較例2は、架橋反応を抑制することができなかった。また、比較例2は製造工程内の安全衛生環境を損なう可能性があった。
これに対して、本発明の変性ゴムの製造方法は、ジエン系ゴムへの変性基の高い導入率を維持しながら、架橋反応を抑え、製造工程内の安全衛生環境を損なわず良好に維持することができた。
下記表2の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、硫黄及び加硫促進剤1、2以外の成分を1.8Lの密閉型混合機で130℃の条件下で5分間混合し(混合工程)、マスターバッチを放出した。その後、上記マスターバッチに硫黄及び加硫促進剤1、2を加えて80℃の条件下でオープンロールでさらに混合して、各ゴム組成物を製造した。
下記表3についても同様である。
上記のとおり製造された各ゴム組成物を用いて以下の評価を行った。結果を表2、3に示す。
(バウンドラバー)
上記のとおり製造された未加硫の各ゴム組成物0.5gを1mm程度角のサイコロ状に裁断した。各ゴムを金網かごに入れ、室温(25℃)で300mLのトルエン中に72時間浸漬した後取り出して乾燥し、サンプルの質量を測定して、バウンドラバー量を下記式から算出した。
バウンドラバー量(phr)
=[(トルエン浸漬、乾燥後のサンプル質量)×ゴム組成物全量/0.5g]-ゴム組成物全量中のシリカ、カーボンブラック及び酸化亜鉛の合計含有量)
トルエン浸漬、乾燥後のサンプル質量:測定値
バウンドラバー量の値が大きいほど、上記シリカ及び/又はカーボンブラック等に対するゴム付きが優れるので好ましい。
・試験片の作製
上記のとおり製造された各ゴム組成物を所定形状の金型中で、150℃、15分間加硫して試験片を作製した。
上記のとおり得られた各試験片を、歪せん断応力測定機(α-テクノロジー社製RPA2000)を用い、歪0.28%の歪せん断弾性率[G′0.29](MPa)と歪30.0%の歪せん断弾性率[G′30.0](MPa)とを測定し、その差[G′30.0-G′0.29](MPa)をペイン効果として算出した。
得られた結果は、表2においては比較例3の値を100とする指数で表わし、表2の「ペイン効果」の欄に示した。表3において、比較例6、8、9、実施例8については比較例6の値を100とする指数で表わし、表3の「ペイン効果」の欄に示した。
また、表3の比較例7、10、実施例9、11については比較例7の値を100とする指数で表わし、表3の「ペイン効果」の欄に示した。
・・シリカの含有量がカーボンブラックの含有量と同等又はそれ以上の場合
本発明においてシリカの含有量がカーボンブラックの含有量と同等又はそれ以上の場合(上記の場合、ゴム組成物は少なくともシリカを含む。カーボンブラックの含有量が0質量部であってもよい。)、ペイン効果(指数)が90以下である場合、シリカの分散性又はシリカとカーボンブラックの分散性に優れることを意味する。この指数が90よりも小さいほど、上記分散性がより優れることを意味する。
本発明においてシリカの含有量がカーボンブラックの含有量より少ない場合(上記の場合、ゴム組成物は少なくともカーボンブラックを含む。シリカの含有量が0質量部であってもよい。)、ペイン効果(指数)が95以下である場合、カーボンブラックの分散性又はシリカとカーボンブラックの分散性に優れることを意味する。この指数が95よりも小さいほど、上記分散性がより優れることを意味する。
上記のとおり製造された各ゴム組成物をJIS K6300-1:2013に準じて、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。
得られた結果は、表2においては比較例3の値を100とする指数で表し、表2の「スコーチタイム」の欄に示した。表3において、比較例6、8、9、実施例8については比較例6の値を100とする指数で表わし、表3の「スコーチタイム」の欄に示した。
また、表3の比較例7、10、実施例9、11については比較例7の値を100とする指数で表わし、表3の「スコーチタイム」の欄に示した。
本発明において、スコーチタイム(指数)が100以上である場合、スコーチ時間が長く耐スコーチ性(スコーチを抑制する性質)、すなわち加工性が優れることを意味する。この指数が100より大きいほど、耐スコーチ性がより優れることを意味する。
(ゴム成分)
・IR(変性なし):ポリイソプレン。商品名Nipol IR2200、日本ゼオン社製。
・比較ゴム2:比較例2で製造された比較ゴム2。無水マレイン酸による変性基を、比較ゴム2が有する二重結合に対して0.53モル%の割合で有する。
・変性ゴム3:実施例3で製造された変性ゴム3。マレイン酸モノ(2-エチルヘキシル)エステルによる変性基を、変性ゴム3が有する二重結合に対して0.90モル%の割合で有する。
・変性ゴム4:実施例4で製造された変性ゴム4。マレイン酸ジブチルアミドによる変性基を、変性ゴム4が有する二重結合に対して0.7モル%の割合で有する。
なお、上記比較ゴム2、各変性ゴムは、未反応の変性剤等を含有する混合物である。
・カーボンブラック:HAF級カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラックN330、窒素吸着比表面積75m2/g
・酸化亜鉛:正同化学社製、亜鉛華3号
・ステアリン酸:日油社製、ステアリン酸YR
・加硫促進剤1:大内振興化学工業社製、ノクセラー CZ-G
・加硫促進剤2:住友化学社製、ソクシノール D-G
(ゴム成分)
・NR(変性なし):天然ゴム(RSS No.3)
なお、表3において、NR以外の成分は表2に示した成分と同様である。
無水マレイン酸で変性された比較ゴム2を含有する比較例4は、ペイン効果の指数が大きくシリカの分散性が悪かった。また、比較例4はスコーチタイムが短くスコーチを抑制できなかった。スコーチを抑制できなかったことは、比較ゴム2が無水マレイン酸で架橋反応されているためと推測される。
また、所定の変性ゴムを含有せず、未変性のポリイソプレンに対してシリカとシランカップリング剤とを併用する比較例5は、スコーチタイムが短くスコーチを抑制できなかった。
所定の変性ゴムを含有せず、代わりに未変性の天然ゴム及び比較ゴム2を含有する比較例9は、ペイン効果の指数が大きくシリカの分散性が悪く、スコーチタイムが短くスコーチを抑制できなかった。
所定の変性ゴムを含有せず、代わりに未変性の天然ゴム及び比較ゴム2を含有する比較例10は、ペイン効果の指数が大きくカーボンブラックの分散性が悪く、スコーチタイムが短くスコーチを抑制できなかった。
また、表3において、本発明のゴム組成物(実施例8)は、所定の変性ゴムを含有せず、未変性のポリイソプレン及び天然ゴムに対してシリカとシランカップリング剤とを併用する比較例6よりも、シリカを良好に分散させながらスコーチを抑制できた。また、本発明のゴム組成物(実施例8)は、比較例6よりもバウンドラバーを多く形成することができた。
Claims (9)
- ジエン系ゴムに対して、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤を、ラジカル開始剤と共に反応させて、変性ゴムを製造する、変性ゴムの製造方法。
- 前記変性剤が、前記式(a1)~式(a4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、式(a1)~式(a4)中、R1~R6はそれぞれ独立に、炭素数4~10の脂肪族炭化水素基を表す、請求項2に記載の変性ゴムの製造方法。
- 前記変性剤が、前記式(a1)~式(a2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、式(a1)中、R1は、炭素数6~10の脂肪族炭化水素基を表し、式(a2)中、R2~R3はそれぞれ独立に、炭素数4~10の脂肪族炭化水素基を表す、請求項2又は3に記載の変性ゴムの製造方法。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法で製造された変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分と、シリカ及び/又はカーボンブラックとを含有し、前記シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部である、ゴム組成物。
- 変性ゴムを10質量%以上含むゴム成分と、シリカ及び/又はカーボンブラックとを含有し、前記シリカ及び/又はカーボンブラックの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、10~130質量部であり、
前記変性ゴムの主鎖はジエン系ゴムであり、前記変性ゴムは、下記式(b1)~(b4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の変性基を有し、前記変性ゴム中の前記変性基の含有量が、前記変性ゴムが主鎖として有する前記ジエン系ゴムが有する二重結合に対して0.1~5モル%である、ゴム組成物。
式(b3)~式(b4)中、R4~R6はそれぞれ独立に、ヘテロ原子を有してもよい炭素数4~10の脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を有してもよい芳香族炭化水素基、複素環、若しくは、これらの組み合わせ、又は、水素原子を表す。
式(b1)~式(b4)中、それぞれ独立に、*1及び*2のうちの一方が、前記変性ゴムが主鎖として有するジエン系ゴムとの結合位置を表す。残りの一方には水素原子が結合する。 - 前記変性ゴムが、25℃条件下で固体である、請求項6に記載のゴム組成物。
- 前記変性基が、前記式(b1)~式(b2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を含み、式(b1)中、R1は、炭素数6~10の脂肪族炭化水素基を表し、式(b2)中、R2~R3はそれぞれ独立に、炭素数4~10の脂肪族炭化水素基を表す、請求項6又は7に記載のゴム組成物。
- ジエン系ゴムに対して、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、マレイン酸モノアミド及びマレイン酸ジアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤を、ラジカル開始剤と共に反応させて、変性ゴムを製造する、変性ゴムの製造工程と、
前記変性ゴムに、シリカ及び/又はカーボンブラックを混合する、混合工程とを有する、ゴム組成物の製造方法。
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