JP2022097797A - ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置 - Google Patents

ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電気的な信頼性を確保し、耐久性を向上させることができるヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置を提供する。【解決手段】本開示の一態様に係るヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53において、吐出チャネル61の両側に従動壁75を隔てて配置された一対の第1電極チャネル62と、第1電極チャネル62に対して吐出チャネル61とは反対側に、駆動壁78を隔てて配置された一対の第2電極チャネル64と、が形成されている。アクチュエータプレート53において、従動壁75及び駆動壁78の間には、駆動壁78の屈曲変形に伴いX方向に変位することで、従動壁75に対してX方向への荷重を伝達する伝達部80が設けられている。【選択図】図3

Description

本開示は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置に関する。
インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドに搭載されるヘッドチップを通じて被記録媒体にインクを吐出する。ヘッドチップは、吐出チャネル及び非吐出チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、吐出チャネルに連通するノズル孔を有するノズルプレートと、を備えている。吐出チャネル及び非吐出チャネルは、駆動壁を隔てて交互に配列されている。
ヘッドチップにおいて、インクを吐出させるには、駆動壁に形成された電極間に電圧を印加して、駆動壁を厚み滑り変形させる。これにより、吐出チャネル内の容積が変化することで、吐出チャネル内のインクがノズル孔を通じて吐出される。
下記特許文献1には、吐出チャネルの内面に、電極を覆う絶縁性を有する保護膜が形成された構成が開示されている。この構成によれば、導電性インクを用いる場合であっても、吐出チャネル内においてインクを介して電極が短絡すること等を抑制できるとも考えられる。
特開平6-126957号公報
しかしながら、上述した従来技術にあっては、電気的な信頼性を確保する点で未だ改善の余地があった。従来のヘッドチップでは、例えば保護膜にピンホール等の欠陥が生じている場合、欠陥部分を通じて電極が露出する可能性がある。この場合には、欠陥部分を通じてインクが電極に到達することで、電極の断線やショートが生じる可能性がある。
本開示は、電気的な信頼性を確保し、耐久性を向上させることができるヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置を提供する。
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係るヘッドチップは、第1方向に延びるとともに、液体が供給される噴射チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、前記アクチュエータプレートに重ね合わされるとともに、前記噴射チャネルに連通する噴射孔が形成された噴射孔プレートと、を備え、前記アクチュエータプレートには、前記第1方向に交差する第2方向において前記噴射チャネルの両側に、第1仕切部を隔てて配置され、第1電極が形成された内面を有する一対の第1電極チャネルと、前記第2方向において前記第1電極チャネルに対して前記噴射チャネルとは反対側に、第2仕切部を隔てて配置され、第2電極が形成された内面を有する一対の第2電極チャネルと、が形成され、前記第1仕切部は、前記第2方向に屈曲変形するように構成され、前記第2仕切部は、前記第1電極及び前記第2電極間に印加される電圧によって前記第2方向に屈曲変形するように構成され、前記第1仕切部と前記第2仕切部との間には、前記第2仕切部の屈曲変形に伴い前記第2方向に変位することで、前記第1仕切部に対して前記第2方向への荷重を伝達する伝達部が設けられている。
本態様によれば、第1電極及び第2電極間に印加される電圧によって第2仕切部が屈曲変形することで、伝達部が第2方向に変位する。これにより、伝達部を介して第1仕切部に第2方向への荷重を伝達できる。その結果、第2仕切部の変形に伴い、噴射チャネルが拡大又は縮小する方向に第1仕切部を変形させ、噴射チャネル内の圧力を変動させることができる。よって、噴射チャネルの内面に電極を形成することなく、噴射孔を通じて噴射チャネル内の液体を噴射できる。したがって、噴射チャネルの内面に電極を形成する場合に比べ、電極の短絡や腐食等の発生を抑制し、電気的信頼性や耐久性に優れたヘッドチップを提供できる。
(2)上記(1)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記伝達部は、前記第1仕切部及び前記第2仕切部間を連結していることが好ましい。
本態様によれば、第2仕切部から第1仕切部に対し、伝達部を介して効率的に荷重を伝達できる。その結果、噴射圧力を確保し、高性能なヘッドチップを提供できる。
(3)上記(1)又は(2)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記アクチュエータプレートは、分極方向が前記第1方向から見て前記第2方向に交差する厚さ方向の一方側を向く第1圧電基板と、前記第1圧電基板に対して前記厚さ方向で重ね合わされ、分極方向が前記厚さ方向の他方側を向く第2圧電基板と、を備え、前記伝達部は、前記第1圧電基板及び前記第2圧電基板の境界部分を含んでいることが好ましい。
本態様によれば、第1圧電基板と第2圧電基板との境界部分を含むように伝達部を設けることで、第2仕切部の屈曲変形に伴う伝達部の第2方向への変位量を確保し易い。そのため、第2仕切部から第1仕切部に対し、伝達部を介して効率的に荷重を付与できる。その結果、噴射圧力を確保し、高性能なヘッドチップを提供できる。
(4)上記(3)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記第1電極チャネルは、前記伝達部に対して前記厚さ方向の一方側に位置する第1区画チャネルと、前記伝達部に対して前記厚さ方向の他方側に位置する第2区画チャネルと、を有し、前記第1電極は、前記第1区画チャネルの内面に形成された第1区画電極と、前記第2区画チャネルの内面に形成された第2区画電極と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、第2仕切部のうち、伝達部に対して一方側に位置する部分、及び伝達部に対して他方側に位置する部分をそれぞれ効果的に変形させることができる。
(5)上記(4)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記アクチュエータプレートのうち、前記噴射チャネルに対して前記第1方向の外側に位置する部分は、尾部を構成し、前記第1電極チャネルのうち、前記第1方向の端部には、前記第1区画チャネル及び前記第2区画チャネル間を前記厚さ方向に連通させる連通部が形成され、前記連通部の内面には、前記第1区画電極及び前記第2区画電極を接続する接続電極が形成され、前記尾部のうち前記厚さ方向の一方側を向く面には、前記第1区画電極に接続される端子部が形成されていることが好ましい。
本態様によれば、接続電極を通じて第1区画電極及び第2区画電極を共通化させることで、尾部にのうち厚さ方向の一方側を向く面上において、端子部を通じて外部配線(フレキシブルプリント基板等)に一体で接続することができる。これにより、配線の引き回し等について構成の簡素化を図ることができる。
(6)上記(1)又は(2)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記アクチュエータプレートは、前記第1方向から見て前記第2方向に交差する厚さ方向に沿って一方向に分極された圧電基板であり、前記噴射チャネル、前記第1電極チャネル及び前記第2電極チャネルは、前記アクチュエータプレートにおける前記厚さ方向の一方側を向く面上で開口していることが好ましい。
本態様によれば、全てのチャネルを厚さ方向の一方側から加工できるので、従来のヘッドチップに比べて製造工数の増加を抑制できる。
(7)上記(1)から(6)の何れかの態様に係るヘッドチップにおいて、前記第1電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に基準電位となる共通電極であり、前記第2電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に前記第1電極との間に電位差を生じさせる駆動電極であることが好ましい。
本態様によれば、第1電極チャネルは、伝達部が形成される分だけ第2電極チャネルよりも浅く形成される傾向になる。そのため、第1電極チャネルよりも比較的深く形成される第2電極チャネルの内面に駆動電極を形成することで、例えば蒸着法等により第2電極チャネルの内面に駆動電極を形成するにあたり、第2電極チャネルの底面に駆動電極が付着し難い。そのため、例えば隣り合う吐出チャネルに対応して駆動電極を設けるにあたり、第2電極チャネルの底面で駆動電極を分離させる工程を別途設ける必要がなく、製造効率の向上を図ることができる。
(8)上記(1)から(6)の何れかの態様に係るヘッドチップにおいて、前記第2電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に基準電位となる共通電極であり、前記第1電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に前記第2電極との間に電位差を生じさせる駆動電極であることが好ましい。
本態様によれば、第1電極チャネルは、伝達部が形成される分だけ第2電極チャネルよりも浅く形成される傾向になる。この場合、駆動電極のうち第1電極チャネルの底面に形成された部分と、共通電極と、の間でも電界を生じさせることができる。そのため、第1電極チャネルの深さが浅い場合であっても、駆動力を確保できる。また、第1電極を駆動電極として機能させる場合には、第1電極の電極材料のうち、第1電極チャネルの底面に形成された部分を除去する必要がないので、製造効率の向上も図ることができる。
(9)上記(7)又は(8)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記伝達部は、前記第1仕切部及び前記第2仕切部間を連結し、前記第1電極は、前記第1電極チャネルの内面のうち、前記第2電極チャネルと前記第2方向で向かい合う内側面及び前記伝達部のうち前記第1電極チャネル内に露呈する面上に亘って形成されていることが好ましい。
本態様によれば、第2仕切部に対して効果的に電界を発生させることができ、第2仕切部及び伝達部を介して第1仕切部を効果的に変形させることができる。
(10)本開示の一態様に係る液体噴出ヘッドは、上記(1)から(9)の何れかの態様に係るヘッドチップを備えている。
本態様によれば、電気的信頼性や耐久性に優れた液体噴射ヘッドを提供できる。
(11)本開示の一態様に係る液体噴射記録装置は、上記(10)の態様に係る液体噴射ヘッドを備えている。
本態様によれば、電気的信頼性や耐久性に優れた液体噴射ヘッドを提供できる。
本開示の一態様によれば、吐出圧力を確保した上で、電気的信頼性や耐久性に優れたヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置を提供できる。
第1実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 第1実施形態に係るヘッドチップの分解斜視図である。 図2のIII矢視図である。 図3のIV-IV線に対応する断面図である。 図3のV-V線に対応する断面図である。 図3のVI-VI線に対応する断面図である。 第1実施形態に係るアクチュエータプレートの平面図である。 第1実施形態に係るヘッドチップの動作説明図であって、図4に対応する正面図である。 第1チップの製造方法を説明するフローチャートである。 第1チップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する正面図である。 第1チップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する正面図である。 第1チップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する正面図である。 第1チップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する正面図である。 第1チップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する正面図である。 変形例に係るアクチュエータプレートの平面図である。 図15のXVI-XVI線に対応する断面図である。 変形例に係るヘッドチップの正面図である。 第2実施形態に係るヘッドチップの正面図である。 第2実施形態に係るヘッドチップの動作説明図であって、図4に対応する正面図である。 第3実施形態に係るヘッドチップの断面図である。 第3実施形態に係るヘッドチップの断面図である。 第3実施形態に係るヘッドチップの断面図である。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。以下の実施形態では、インク(液体)を利用して被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
[プリンタ1]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態のプリンタ(液体噴射記録装置)1は、一対の搬送機構2,3と、インク供給機構4と、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、走査機構6と、を備えている。
以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向(第1方向)は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向(第2方向)は走査機構6の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(重力方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向及びZ方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。本明細書において、+Z側は重力方向の上方に相当し、-Z側は重力方向の下方に相当する。
搬送機構2,3は、被記録媒体Pを+X側に搬送する。搬送機構2,3は、例えばY方向に延びる一対のローラ11,12をそれぞれ含んでいる。
インク供給機構4は、インクが収容されたインクタンク15と、インクタンク15とインクジェットヘッド5とを接続するインク配管16と、を備えている。インクタンク15には、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクが各別に収容されている。各インクジェットヘッド5は、接続されたインクタンク15に応じてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクをそれぞれ吐出可能に構成されている。なお、インクとしては、溶剤に水を使用した水性インクを用いることも可能である。
走査機構6は、インクジェットヘッド5をY方向に往復走査させる。走査機構6は、ガイドレール22と、Y方向に移動可能にガイドレール22に支持されたキャリッジ23と、を備えている。インクジェットヘッド5は、被記録媒体Pへの印字動作の際において、キャリッジ23に搭載された状態でY方向に往復移動する。
<インクジェットヘッド5>
インクジェットヘッド5は、一つのキャリッジ23にY方向に並んで搭載されている。インクジェットヘッド5は、ヘッドチップ50(図3参照)と、インクタンク15及びヘッドチップ50間を接続するインク供給部(不図示)と、ヘッドチップ50に駆動電圧を印加する制御部(不図示)と、を備えている。
<ヘッドチップ50>
図2は、ヘッドチップ50の分解斜視図である。図3は、図2のIII矢視図である。
図2、図3に示すヘッドチップ50は、後述する吐出チャネル61における延在方向(Z方向)の端部からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのヘッドチップ50である。ヘッドチップ50は、第1チップ50Aと、第2チップ50Bと、ノズルプレート51(図4等参照)と、を備えている。第1チップ50A及び第2チップは、Y方向の向きを互いに反対向きにした状態で重ね合わされている。したがって、以下の説明では、第1チップ50Aを例にして説明し、第2チップ50Bのうち第1チップ50Aと対応する構成については適宜説明を省略する。なお、ヘッドチップ50は、第1チップ50A及び第2チップ50Bの何れかのチップのみを有する構成であってもよい。
第1チップ50Aは、アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、を備えている。
アクチュエータプレート53は、第1プレート(第1圧電基板)55、第2プレート(第2圧電基板)56及びバックプレート57が+Y側から-Y側に順に積層された構成である。本実施形態において、各プレート55~57は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されている。アクチュエータプレート53は、第1プレート55及び第2プレート56の分極方向がY方向で異なる、いわゆるシェブロンタイプである。すなわち、第1プレート55の分極方向はY方向の一方側を向き、第2プレート56の分極方向がY方向の他方側を向いている。本実施形態では、少なくとも第1プレート55及び第2プレート56が同等の厚さに設定されている。但し、各プレート55~57は、それぞれ同等の厚さであってもよく、異なる厚さであってもよい。
アクチュエータプレート53には、吐出チャネル61、一対の第1電極チャネル62及び一対の第2電極チャネル64が形成されている。各チャネル61,62,64は、アクチュエータプレート53において、X方向に間隔をあけた状態で、それぞれZ方向に延びている。各チャネル61,62,64は、アクチュエータプレート53のうち-Z側を向く端面上でそれぞれ開放されている。なお、本実施形態では、チャネル延在方向がZ方向に一致する構成について説明するが、チャネル延在方向がZ方向に交差していてもよい。
吐出チャネル61は、インクが充填されるチャネルである。
一対の第1電極チャネル62は、吐出チャネル61に対してX方向の両側に配置されている。一対の電極チャネル62は、インクが充填されないチャネルである。
一対の第2電極チャネル64は、吐出チャネル61に対して第1電極チャネル62よりもX方向の外側にそれぞれ配置されている。一対の第2電極チャネル64は、インクが充填されないチャネルである。
以下、各チャネル61,62,64について、詳細に説明する。以下の説明において、+Y側を表面側とし、-Y側を裏面側とし、+Z側を上側とし、-Z側を下側として説明する。したがって、上述した第1プレート55の表面がアクチュエータプレート53の表面を構成し、バックプレート57の裏面がアクチュエータプレート53の裏面を構成している。
図4は、図3のIV-IV線に対応する断面図である。
図4に示すように、吐出チャネル61は、例えば円板状のダイサーをアクチュエータプレート53の表面側から進入させて形成される。吐出チャネル61は、アクチュエータプレート53の表面上で開口するとともに、Z方向に延びている。吐出チャネル61は、延在部61aと、切り上がり部61bと、を備えている。
延在部61aは、Y方向の深さが一様な部分である。延在部61aの下端は、アクチュエータプレート53の下端面において開放されている。なお、本実施形態において、延在部61aは、第1プレート55及び第2プレート56をY方向に貫通している。したがって、延在部61aの底面は、バックプレート57の表面によって形成されている。
切り上がり部61bは、延在部61aの上端に連なっている。切り上がり部61bは、上方に向かうに従いY方向の深さが漸次浅くなっている。具体的に、切り上がり部61bの底面は、上方に向かうに従い表面側に向けて湾曲しながら延びる傾斜面に形成されている。
次に、一対の第2電極チャネル64について、一方の第2電極チャネル64を例にして説明する。図5は、図3のV-V線に対応する断面図である。
図5に示すように、第2電極チャネル64は、第1電極チャネル62を間に挟んで吐出チャネル61とX方向で向かい合っている。第2電極チャネル64は、アクチュエータプレート53の表面上で開口するとともに、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通している。なお、本実施形態において、第2電極チャネル64は、第1プレート55及び第2プレート56をY方向に貫通している。したがって、第2電極チャネル64の底面は、バックプレート57の表面によって形成されている。
次に、第1電極チャネル62について、一方の第1電極チャネル62を例にして説明する。図6は、図3のVI-VI線に対応する断面図である。
図6に示すように、第1電極チャネル62は、アクチュエータプレート53において、吐出チャネル61と第2電極チャネル64との間に配置されている。第1電極チャネル62は、表面側区画チャネル(第1区画チャネル)71、裏面側区画チャネル(第2区画チャネル)72及び連通部73を備えている。
表面側区画チャネル71は、第1プレート55に形成されている。具体的に、表面側区画チャネル71は、アクチュエータプレート53(第1プレート55)の表面上で開口するとともに、第1プレート55をZ方向に延びている。表面側区画チャネル71は、Y方向の深さが一様に形成されている。本実施形態において、表面側区画チャネル71の深さは、第1プレート55の厚さよりも薄くなっている。図示の例において、表面側区画チャネル71の深さは、第1プレート55の厚さの半分程度になっている。したがって、表面側区画チャネル71の内面は、第1プレート55によって形成されている。
裏面側区画チャネル72は、第2プレート56に形成されている。具体的に、裏面側区画チャネル72は、第2プレート56の裏面上で開口するとともに、第2プレート56の裏面上での開口部がバックプレート57により閉塞されている。裏面側区画チャネル72は、第2プレート56の裏面からのY方向の深さが一様に形成されている。本実施形態において、裏面側区画チャネル72の深さは、第2プレート56の厚さよりも薄くなっている。図示の例において、裏面側区画チャネル72の深さは、第2プレート56の厚さの半分程度になっている。したがって、裏面側区画チャネル72の内面は、第2プレート56によって形成されている。なお、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72の高さ(上端位置)は、吐出チャネル61と同等以上の高さに設定されていればよい。
連通部73は、アクチュエータプレート53の上端部において、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72同士を連通させている。具体的に、連通部73は、第1プレート55及び第2プレート56をY方向に貫通している。したがって、連通部73は、表面側開口部が第1プレート55の表面上で開口する一方、裏面側開口部がバックプレート57によって閉塞されている。図示の例において、連通部73は、アクチュエータプレート53の上端面上で開口している。
図3に示すように、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル61及び一方の第1電極チャネル62間に位置する部分、及び吐出チャネル61及び他方の第1電極チャネル62間に位置する部分は、それぞれ従動壁(第1仕切部)75を構成している。本実施形態において、従動壁75は、第1プレート55により形成された第1従動壁75aと、第2プレート56により形成された第2従動壁75bと、を備えている。すなわち、第1従動壁75a及び第2従動壁75bは、第1プレート55及び第2プレート56との境界面(境界部分)を起点にY方向の両側に延びている。
アクチュエータプレート53のうち、一方の第1電極チャネル62及び一方の第2電極チャネル64間に位置する部分、及び他方の第1電極チャネル62及び他方の第2電極チャネル64間に位置する部分は、それぞれ駆動壁(第2仕切部)78を構成している。駆動壁78は、第1プレート55により形成された第1駆動壁78aと、第2プレート56により形成された第2駆動壁78bと、を含んでいる。すなわち、第1駆動壁78a及び第2駆動壁78bは、第1プレート55及び第2プレート56との境界面を起点にY方向の両側に延びている。
アクチュエータプレート53のうち、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72の間に位置する部分は、伝達部80を構成している。伝達部80は、第1プレート55及び第2プレート56との境界面を含む厚さになっている。図示の例において、第1プレート55及び第2プレート56との境界面は、伝達部80におけるY方向の中心に位置している。但し、第1プレート55及び第2プレート56との境界面は、伝達部80の中心に対してずれていてもよい。図示の例において、伝達部80の厚さは、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72の深さよりも厚くなっている。但し、伝達部80の厚さは、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72の深さよりも薄くなっていてもよい。
伝達部80は、従動壁75及び駆動壁78におけるY方向の中央部同士を一体に架け渡している。具体的に、伝達部80は、X方向に直線状に延びている。吐出チャネル61に対して+X側に位置する伝達部80に関し、-X側端部は従動壁75のうち第1従動壁75a及び第2従動壁75bに跨った状態で一体に連なっている。吐出チャネル61に対して+X側に位置する伝達部80に関し、+X側端部は駆動壁78のうち第1駆動壁78a及び第2駆動壁78bに跨った状態で一体に連なっている。
本実施形態において、アクチュエータプレート53のうち、一対の第2電極チャネル64間に位置する部分は、吐出セル67を構成している。具体的に、一の吐出セル67は、一の吐出チャネル61と、一の吐出チャネル61に対してX方向の両側にそれぞれ配置された従動壁75、駆動壁78及び伝達部80と、を含んでいる。したがって、アクチュエータプレート53には、複数の吐出セル67が第2電極チャネル64を隔ててX方向に並んで構成されている。すなわち、隣り合う吐出セル67同士は、第2電極チャネル64を共用している。但し、各吐出セル67は、第2電極チャネル64を別々に備えていてもよい。
図7は、アクチュエータプレート53の平面図である。
図2、図7に示すように、アクチュエータプレート53には、共通配線81及び駆動配線83が形成されている。各配線81,83は、Ti/AlやAl等により形成されている。
図3、図6、図7に示すように、共通配線81は、共通電極(第1電極)85と、共通端子(端子部)86と、を備えている。
共通電極85は、第1電極チャネル62の内面にそれぞれ形成されている。第1電極チャネル62において、共通電極85は、表面側区画電極(第1区画電極)85a、裏面側区画電極(第2区画電極)85b及び接続電極85cを備えている。
表面側区画電極85aは、表面側区画チャネル71の内面に形成されている。本実施形態において、表面側区画電極85aは、表面側区画チャネル71の内面の全域(X方向で向かい合う内側面、及び底面)に形成されている。但し、表面側区画電極85aは、表面側区画チャネル71の内面のうち、第2電極チャネル64と向かい合う内側面(第1駆動壁78aにより構成された部分)又は底面に少なくとも形成されていればよい。
裏面側区画電極85bは、裏面側区画チャネル72の内面に形成されている。本実施形態において、裏面側区画電極85bは、裏面側区画チャネル72の内面の全域(X方向で向かい合う内側面、及び底面)に形成されている。但し、裏面側区画電極85bは、裏面側区画チャネル72の内面のうち、第2電極チャネル64と向かい合う内側面(第2駆動壁78bにより構成された部分)又は底面に少なくとも形成されていればよい。
図6に示すように、接続電極85cは、連通部73の内面のうち、X方向で向かい合う内側面に形成されている。接続電極85cは、連通部73の内側面において、表面側区画電極85a及び裏面側区画電極85b間を接続している。接続電極85cは、連通部73における表面側開口縁まで達している。なお、接続電極85cは、連通部73の底面に形成されていてもよい。
図7に示すように、共通端子86は、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル61に対して上方に位置する部分(以下、尾部88という。)の表面上に形成されている。共通端子86は、尾部88の表面上において帯状に形成されている。共通端子86は、一対の第1電極チャネル62の表面側開口縁において、一対の第1電極チャネル62の接続電極85c同士を接続している。
図3、図5、図7に示すように、駆動配線83は、個別電極(第2電極)91と、個別端子92と、を備えている。
個別電極91は、駆動壁78のうち第2電極チャネル64に面する内側面に形成されている。個別電極91は、第2電極チャネル64に面する内側面において、Z方向及びY方向の全域に亘って形成されている。したがって、個別電極91は、駆動壁78を間に挟んで共通電極85と向かい合っている。なお、一の吐出セル67を構成する個別電極91と、一の吐出セル67に隣り合う他の吐出セル67を構成する個別電極91と、は第2電極チャネル64の底面で分離されている。
図5、図7に示すように、個別端子92は、尾部88の表面のうち駆動壁78に位置する部分に形成されている。個別端子92は、Z方向に延びる帯状とされている。個別端子92におけるX方向の幅は、駆動壁78よりも狭い。個別端子92は、第2電極チャネル64の表面側開口縁において、第2電極チャネル64の内面に形成された個別電極91に接続されている。一方、個別端子92は、表面側区画チャネル71の表面側開口縁に対してX方向に離れている。なお、一の吐出セル67を構成する個別端子92と、一の吐出セル67を構成する個別端子92と、は第2電極チャネル64を隔てて配置されている。
図4~図6に示すように、尾部88の表面には、フレキシブルプリント基板94が圧着されている。フレキシブルプリント基板94は、尾部88の表面において、共通端子86及び個別端子92に接続されている。フレキシブルプリント基板94は、上方に引き出されている。
<カバープレート54>
図2~図4に示すように、カバープレート54は、アクチュエータプレート53の表面に接着等により固定されている。具体的に、カバープレート54は、Y方向を厚さ方向として配置されている。カバープレート54は、尾部88の表面を露出させた状態で各チャネル61,62,64の表面側開口部を閉塞している。Z方向において、カバープレート54の下端面は、アクチュエータプレート53の下端面と面一に配置されている。Z方向において、カバープレート54の上端面は、吐出チャネル61の上端よりも上方に位置している。なお、各チャネル61,62,64は、吐出チャネル61の表面側開口部がカバープレート54により全体が覆われていれば、カバープレート54よりも上方において第1電極チャネル62及び第2電極チャネル64の表面側開口部が開放されていれもよい。
カバープレート54において、吐出チャネル61の上端部とY方向から見て重なり合う位置には、入口共通インク室100が形成されている。入口共通インク室100は、例えば各吐出セル67を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の表面上で開口している。
入口共通インク室100において、吐出チャネル61とY方向から見て重なり合う位置には、入口スリット101が形成されている。入口スリット101は、各吐出チャネル61の上端部と、入口共通インク室100内と、の間を各別に連通している。入口スリット101は、切り上がり部61bとY方向に向かい合っている。したがって、入口スリット101は、それぞれ各吐出チャネル61に連通する一方、各電極チャネル62,64には連通していない。
図2に示すように、第1チップ50A及び第2チップ50Bは、バックプレート57同士を向かい合わせた状態で、接着等により固定されている。本実施形態において、第2チップ50Bの吐出チャネル61は、第1チップ50Aの吐出チャネル61の配列ピッチに対して半ピッチずれて配列されている。すなわち、各チップ50A,50Bの吐出チャネル61同士は、千鳥状に配列されている。この場合、第1チップ50Aの吐出チャネル61と、第2チップ50Bの第2電極チャネル64と、がY方向で対向している。なお、各チップ50A,50B間において、吐出チャネル61の配列ピッチは適宜変更可能である。すなわち、各チップ50A,50B間において、吐出チャネル61同士は、X方向で同等の位置に形成されていても、異なる位置に形成されていても構わない。
図4に示すように、ノズルプレート51は、第1チップ50A及び第2チップ50Bの下端面に接着等によって固定されている。ノズルプレート51は、Z方向を厚さ方向とし、X方向を長手方向として配置されている。ノズルプレート51は、各チャネル61,62,64の下端開口部を閉塞している。本実施形態において、ノズルプレート51は、ポリイミド等の樹脂材料により厚さが50μm程度に形成されている。但し、ノズルプレート51は、樹脂材料の他、金属材料(SUSやNi-Pd等)、ガラス、シリコン等による単層構造、又は積層構造であってもよい。
ノズルプレート(噴射孔プレート)51には、ノズルプレート51をZ方向に貫通する上述したノズル孔(噴射孔)97が形成されている。ノズル孔97は、ノズルプレート51のうち、第1チップ50Aの吐出チャネル61、第2チップ50Bの吐出チャネル61にZ方向で対向する位置に各別に形成されている。したがって、ノズル孔97は、各チップ50A,50Bの吐出チャネル61同士と同様に、千鳥状に配列されている。なお、各ノズル孔97,98は、上方から下方に向かうに従い漸次先細るテーパ状に形成されている。
[プリンタ1の動作方法]
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク15にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク15内のインクは、インク配管16を通じてインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、被記録媒体Pが搬送機構2,3のローラ11,12に挟み込まれながら+X側に搬送される。また、これと同時にキャリッジ23がY方向に移動することで、キャリッジ23に搭載されたインクジェットヘッド5がY方向に往復移動する。
インクジェットヘッド5が往復移動する間に、各インクジェットヘッド5よりインクを被記録媒体Pに適宜吐出させる。これにより、被記録媒体Pに対して文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、ヘッドチップ50の動作について、以下に詳細に説明する。図8は、ヘッドチップ50の動作説明図であって、図4に対応する正面図である。なお、以下の説明では、電極85,91に電圧が印加されていない状態(図3に示す状態)を初期位置とする。
キャリッジ23(図1参照)の移動によってインクジェットヘッド5の往復移動が開始されると、フレキシブルプリント基板94を介して共通電極85及び個別電極91間に駆動電圧が印加される。この際、個別電極91を駆動電位Vddとし、共通電極85を基準電位GNDとして各電極間に駆動電圧を印加する。すると、駆動壁78は、いわゆる逆圧電効果によって厚み滑り変形が生じる。具体的に、本実施形態のヘッドチップ50では、分極方向が異なる第1駆動壁78a及び第2駆動壁78bに対して、同一方向に電位差を発生させる。そのため、各駆動壁78a,78bは、第1プレート55及び第2プレート56との境界面に向かうに従い吐出チャネル61から離間する向きに変形する。その結果、駆動壁78は、第1プレート55及び第2プレート56との境界面を中心にしてV字状に屈曲変形する。
駆動壁78の変形に伴い、伝達部80がX方向において吐出チャネル61から離間する向きに変位する。これにより、従動壁75におけるY方向の中央部には、従動壁75を吐出チャネル61から離間させる向きに引っ張る引張荷重が、伝達部80から伝達される。すると、従動壁75は、第1プレート55及び第2プレート56との境界面を中心にしてV字状に屈曲変形する。その結果、吐出チャネル61の容積が拡大する。吐出チャネル61の容積が拡大することで、吐出チャネル61内の圧力が負圧になり、入口スリット101を通じて吐出チャネル61内にインクが導入される。
吐出チャネル61の容積を増大させた後、共通電極85及び個別電極91間に印加した電圧をゼロにする。すると、駆動壁78が復元することで、伝達部80が吐出チャネル61に接近する向きに変位する(初期位置に復帰する)。これにより、従動壁75が伝達部80によって押し戻され、一旦増大した吐出チャネル61の容積が元の容積に戻る。すると、吐出チャネル61内の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、吐出チャネル61内のインクがノズル孔97を通じて液滴状に吐出される。ノズル孔97から吐出されたインクが被記録媒体P上に着弾することで、被記録媒体Pに文字や画像等を記録することができる。
上述した実施形態では、吐出チャネル61の容積を増大させた後、初期位置に復帰させる際にインクを吐出させる構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、吐出チャネル61の容積が、初期位置に対し減少させることで、インクを吐出させる構成であってもよい。
<第1チップ50Aの製造方法>
次に、上述した第1チップ50Aの製造方法について、簡単に説明する。図9は、第1チップ50Aの製造方法を説明するフローチャートである。図10~図14は、第1チップ50Aの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する正面図である。以下の説明では、便宜上、第1チップ50Aをチップレベルで製造する場合を例にして説明する。
図9に示すように、第1チップ50Aは、例えば第1重ね合わせ工程、裏面加工工程、第1成膜工程、第2重ね合わせ工程、表面加工工程、第2成膜工程及び吐出チャネル形成工程を経て製造される。
図10に示す第1重ね合わせ工程では、第1プレート55及び第2プレート56を貼り合わせた中間接合体150を形成する。第1重ね合わせ工程では、第1プレート55及び第2プレート56を貼り合わせた後、第2プレート56に対してグラインド加工を施し、第2プレート56の厚さを調整する。第2プレート56の加工量は、グラインド後の第2プレート56の厚さがヘッドチップ50としての仕上がり厚さと同等になるように設定する。
裏面加工工程では、第2プレート56の裏面側からダイサーを進入させ、裏面側区画チャネル72、連通部73及び第2電極チャネル64を形成する。この際、連通部73及び第2電極チャネル64は、第1プレート55の仕上がり厚さよりも深くなるように形成する。
図11に示す第1成膜工程では、裏面側区画チャネル72や連通部73の内面に共通配線81(裏面側区画電極85bや接続電極85c)を形成するとともに、第2電極チャネル64の内面に個別電極91の一部を形成する。第1成膜工程では、不図示のマスクパターンを通じて、第2プレート56の裏面側から電極材料を成膜する。この際、例えば斜め蒸着等によって第2プレート56の裏面に対してX方向に傾斜した方向から電極材料を成膜する。
図12に示す第2重ね合わせ工程では、第2プレート56の裏面にバックプレート57を貼り合わせる。これにより、裏面側区画チャネル72の裏面側開口部が閉塞される。その後、第1プレート55に対してグラインド加工を施し、第1プレート55の厚さを調整する。この際、第1プレート55の加工量は、グラインド後の第1プレート55の厚さがヘッドチップ50としての仕上がり厚さと同等になるように設定する。これにより、連通部73及び第2電極チャネル64が第1プレート55の表面上で開口する。
図13に示すように、表面加工工程では、第1プレート55の表面側からダイサーを進入させ、表面側区画チャネル71を形成する。これにより、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72が、連通部73を通じて連通する。
図14に示す第2成膜工程では、表面側区画チャネル71及び第2電極チャネル64の内面に各種電極(表面側区画電極85aや接続電極85c、共通端子86、個別電極91、個別端子92)を形成する。第2成膜工程では、不図示のマスクパターンを通じて、第1プレート55の表面側から電極材料を成膜する。この際、例えば斜め蒸着等によって第1プレート55の表面に対してX方向に傾斜した方向から電極材料を成膜する。なお、第2成膜工程において、各種電極は、マスクパターンを用いる方法に限らず、全体に対して成膜後、不要な部分をレーザ等で除去してもよい。
吐出チャネル形成工程では、アクチュエータプレート53のうち、第1電極チャネル62間に位置する部分にダイサーを進入させ、吐出チャネル61を形成する。
以上により、第1チップ50Aが完成する。
このように、本実施形態のヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53において、吐出チャネル61の両側に従動壁75を隔てて配置された一対の第1電極チャネル62と、第1電極チャネル62に対して吐出チャネル61とは反対側に、駆動壁78を隔てて配置された一対の第2電極チャネル64と、が形成され、従動壁75及び駆動壁78の間には、駆動壁78の屈曲変形に伴いX方向に変位することで、従動壁75に対してX方向への荷重を伝達する伝達部80が設けられている構成とした。
この構成によれば、共通電極85及び個別電極91間に印加される電圧によって駆動壁78が屈曲変形することで、伝達部80がX方向に変位する。これにより、伝達部80を介して従動壁75にX方向への荷重を伝達できる。その結果、駆動壁78の変形に伴い、吐出チャネル61が拡大又は縮小する方向に従動壁75を変形させ、吐出チャネル61内の圧力を変動させることができる。よって、吐出チャネル61の内面に電極を形成することなく、ノズル孔97を通じて吐出チャネル61内のインクを吐出できる。したがって、吐出チャネル61の内面に電極を形成する場合に比べ、電極の短絡や腐食等の発生を抑制し、電気的信頼性や耐久性に優れたヘッドチップ50を提供できる。
本実施形態のヘッドチップ50は、伝達部80が従動壁75及び駆動壁78間を連結している構成とした。
この構成によれば、駆動壁78から従動壁75に対し、伝達部80を介して効率的に荷重を伝達できる。その結果、吐出圧力を確保し、高性能なヘッドチップ50を提供できる。
本実施形態では、アクチュエータプレート53が、分極方向がY方向の一方側を向く第1プレート55と、分極方向がY方向の他方側を向く第2プレート56と、を備え、伝達部80は、第1プレート55及び第2プレート56の境界部分を含んでいる構成とした。
この構成によれば、第1プレート55と第2プレート56との境界部分を含むように伝達部80を設けることで、駆動壁78の屈曲変形に伴う伝達部80のX方向への変位量を確保し易い。そのため、駆動壁78から従動壁75に対し、伝達部80を介して効率的に荷重を付与できる。その結果、吐出圧力を確保し、高性能なヘッドチップ50を提供できる。
本実施形態では、第1電極チャネル62は、伝達部80に対して表面側に位置する表面側区画チャネル71と、伝達部80に対して裏面側に位置する裏面側区画チャネル72と、を有している。共通電極85は、表面側区画チャネル71の内面に形成された表面側区画電極85aと、裏面側区画チャネル72の内面に形成された裏面側区画電極85bと、を備えている。
この構成によれば、駆動壁78のうち、伝達部80に対して表面側に位置する第1駆動壁78a、及び伝達部80に対して裏面側に位置する第2駆動壁78bをそれぞれ効果的に変形させることができる。
本実施形態では、第1電極チャネル62の上端部には、表面側区画チャネル71及び裏面側区画チャネル72間をY方向に連通させる連通部73が形成され、連通部73の内面には、表面側区画電極85a及び裏面側区画電極85bを接続する接続電極85cが形成され、尾部88の表面には、表面側区画電極85aに接続される共通端子86が形成されている構成とした。
この構成によれば、接続電極85cを通じて表面側区画電極85a及び裏面側区画電極85bを共通化させることで、尾部88の表面上において、共通端子86を通じてフレキシブルプリント基板94に一体で接続することができる。これにより、配線の引き回し等について構成の簡素化を図ることができる。
本実施形態のヘッドチップ50では、電圧印加時に基準電位となる共通電極85が第1電極チャネル62に形成され、電圧印加時に共通電極85との間に電位差を生じさせる個別電極91が第2電極チャネル64に形成された構成とした。
この構成によれば、第1電極チャネル62は、伝達部80が形成される分だけ第2電極チャネル64よりも浅く形成される傾向にある。そのため、第1電極チャネル62よりも比較的深く形成される第2電極チャネル64の内面に個別電極91を形成することで、例えば蒸着法等により第2電極チャネル64の内面に個別電極91を形成するにあたり、第2電極チャネル64の底面に個別電極91が付着し難い。そのため、例えば隣り合う吐出チャネル61に対応して個別電極91を設けるにあたり、第2電極チャネル64の底面で個別電極91を分離させる工程を別途設ける必要がなく、製造効率の向上を図ることができる。
本実施形態のヘッドチップ50において、共通電極85は、第1電極チャネル62の内面のうち、第2電極チャネル64と向かい合う内側面及び伝達部80のうち第1電極チャネル62内に露呈する面(底面)上に亘って形成されている構成とした。
この構成によれば、駆動壁78に対して効果的に電界を発生させることができ、駆動壁78及び伝達部80を介して従動壁75を効果的に変形させることができる。
本実施形態のインクジェットヘッド5及びプリンタ1では、上述したヘッドチップ50を備えているため、電気的信頼性や耐久性に優れたインクジェットヘッド5及びプリンタ1を提供できる。
(変形例)
上述した実施形態では、同一の吐出セル67に対応する個別端子92が尾部88に別個に引き出されている構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、同一の吐出セル67に対応する個別端子92は、尾部88の表面で接続されていてもよい。具体的には、図15、図16に示すように、個別端子92は、尾部88の表面上において、共通端子86よりも上方に位置する部分に形成されている。個別端子92は、吐出チャネル61を間に挟んでX方向で向かい合う第2電極チャネル64の表面側開口縁において、吐出チャネル61を間に挟んでX方向で向かい合う個別電極91同士を接続している。本変形例において、図16に示すように、連通部73の表面側開口部は、個別端子92よりも下方で終端している。
尾部88において、共通端子86と個別端子92との間に位置する部分には、区画溝105が形成されている。区画溝105は、尾部88の表面上で開口するとともに、X方向に延びている。区画溝105は、共通端子86と個別端子92との間をそれぞれ分離している。
このように、同一の吐出セル67に対応する共通配線81についても、ヘッドチップ50上で共通化しておくことで、端子面積を確保し易くなり、フレキシブルプリント基板94との接続作業を行い易くなる。但し、各共通端子86や個別端子92は、ヘッドチップ50で共通化するのではなく、フレキシブルプリント基板94内で結線する構成であってもよい。また、各共通端子86は、アクチュエータプレート53の表面及び裏面でそれぞれ外部配線に接続されていてもよい。
上述した第1実施形態では、伝達部80が従動壁75及び駆動壁78間を一体で連結している構成について説明したが、この構成に限られない。伝達部80は、駆動壁78の変形によって従動壁75に荷重を伝達する構成であれば、従動壁75や駆動壁78とは別体で形成されていてもよい。また、伝達部80は、駆動壁78の変形によって従動壁75に荷重を伝達する構成であれば、初期位置において駆動壁78及び従動壁75の何れか一方のみに連結されている構成であってもよい。この場合、駆動壁78の変形に伴い、伝達部80が駆動壁78及び従動壁75の他方に接触して、従動壁75に荷重が伝達される。
上述した第1実施形態では、伝達部80が第1プレート55及び第2プレート56の境界面を含んでいる構成について説明したが、この構成に限られない。伝達部80は、駆動壁78の変形に伴う荷重を従動壁75に伝達する構成であれば、Y方向の任意の位置に、任意の数設けてもよい。
上述した実施形態では、第1電極チャネル62に共通電極85を形成し、第2電極チャネル64に個別電極91を形成した場合について説明したが、この構成に限られない。図17に示すヘッドチップ50のように、第1電極チャネル62に個別電極(第1電極)91を形成し、第2電極チャネル64に共通電極(第2電極)85を形成してもよい。
この構成によれば、第1電極チャネル62は、伝達部80が形成される分だけ第2電極チャネル64よりも浅く形成される傾向になる。この場合、個別電極91のうち第1電極チャネル62の底面に形成された部分と、共通電極85と、の間でも電界を生じさせることができる。そのため、第1電極チャネル62の深さが浅い場合であっても、駆動力を確保できる。また、第1電極チャネル62の内面に形成された電極を個別電極91として機能させる場合には、電極材料のうち、第1電極チャネル62の底面に形成された部分を除去する必要がないので、製造効率の向上も図ることができる。
(第2実施形態)
図18は、第2実施形態に係るヘッドチップ50の正面図である。第2実施形態に係るヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53として、いわゆるモノポールタイプを採用している点で、上述した第1実施形態と相違している。
図18に示すように、モノポールタイプのアクチュエータプレート53は、分極方向がY方向の全域で一様(一方向)に設定された一枚の圧電材料で形成されている。但し、アクチュエータプレート53は、少なくともチャネル61,62,64の形成範囲のみで分極方向が一様に設定されていれば、チャネル61,62,64の底面よりも裏面側に位置する部分は、分極方向が異なっていてもよい。
本実施形態のアクチュエータプレート53には、上述した第1実施形態と同様に、吐出チャネル61、一対の第1電極チャネル62及び一対の第2電極チャネル64が形成されている。
本実施形態の第1電極チャネル62は、アクチュエータプレート53の表面側に開口し、深さが吐出チャネル61の半分程度に形成されている。したがって、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル61及び第2電極チャネル64間に位置する部分であって、第1電極チャネル62,63よりも裏面側に位置する部分は、従動壁75及び駆動壁78間を連結する伝達部80として機能する。なお、第1電極チャネル62の深さは、吐出チャネル61及び第2電極チャネル64よりも浅ければ適宜変更が可能である。また、第1電極チャネル62の内面には、共通電極85が形成されている。
第2電極チャネル64には、個別電極91が形成されている。個別電極91は、第2電極チャネル64の内側面のうち、アクチュエータプレート53の表面側からY方向の半分以上であって、第2電極チャネル64の底面に到達しない程度の深さに形成されている。
本実施形態のヘッドチップ50においても、図19に示すインク吐出時には、個別電極91を駆動電位Vddとし、共通電極85を基準電位GNDとして各電極間に駆動電圧を印加する。すると、駆動壁78のうち共通電極85が形成されている部分(以下、電極形成領域という。)が吐出チャネル61から離間する向きに変形する。これにより、駆動壁78のうち共通電極85が形成されていない部分(以下、非形成領域という。)が電極形成領域の変形に追従して、吐出チャネル61から離間する向きに変形する。その結果、伝達部80がX方向において吐出チャネル61から離間する向きに変位する。これにより、従動壁75には、従動壁75を吐出チャネル61から離間させる向きに引っ張る引張荷重が、伝達部80から伝達される。その結果、従動壁75は、Y方向の中央部(図示の例では、中心よりも表面側に位置する部分)を起点にしてV字状に屈曲変形する。その後、共通電極85及び個別電極91間に印加した電圧をゼロにして、駆動壁78が復元させることで、従動壁75が伝達部80によって押し戻される。その結果、吐出チャネル61内のインクがノズル孔97を通じて液滴状に吐出される。
本実施形態のヘッドチップ50では、モノポールタイプのアクチュエータプレート53において、吐出チャネル61、第1電極チャネル62及び第2電極チャネル64は、アクチュエータプレート53の表面上で開口している構成とした。
この構成によれば、ヘッドチップ50の製造時において、全てのチャネル61,62,64をY方向の一方側から加工できるので、従来のヘッドチップに比べて製造工数の増加を抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、本開示に係るヘッドチップ50を循環式のヘッドチップ50に採用している点で、上述した第1実施形態と相違している。図20~図22は、第3実施形態に係るヘッドチップ50の断面図である。図20~図22のうち、図20は図4に対応する断面を示し、図21は図5に対応する断面を示し、図22は図6に対応する断面を示している。
図20~図22に示すヘッドチップ50は、ノズルプレート51やアクチュエータプレート53、カバープレート54に加え、流路プレート200と、帰還プレート201と、を備えている。
流路プレート200は、カバープレート54の表面に重ね合わされている。流路プレート200には、入口マニホールド202及び出口マニホールド203が形成されている。入口マニホールド202は、流路プレート200のうち、入口共通インク室100とY方向から見て重なり合う部分に形成されている。具体的に、入口マニホールド202は、流路プレート200の裏面上で開口するとともに、X方向に延びている。入口マニホールド202は、裏面側開口部を通じて入口共通インク室100に連通している。一方、入口マニホールド202は、例えば流路プレート200におけるX方向における一方の端部に設けられた入口ポート(不図示)等を通じてインクタンク15に接続されている。
出口マニホールド203は、流路プレート200の下端面上で開口するとともに、X方向に延びている。出口マニホールド203は、例えば流路プレート200におけるX方向における他方の端部に設けられた出口ポート(不図示)等を通じてインクタンク15に接続されている。
帰還プレート201は、アクチュエータプレート53とノズルプレート51との間に配置されている。具体的に、帰還プレート201の上端面は、アクチュエータプレート53、カバープレート54及び流路プレート200の下端面にまとめて接合されている。帰還プレート201の下端面には、ノズルプレート51が接合されている。
図20に示すように、帰還プレート201において、Z方向から見て少なくとも吐出チャネル61と重なり合う位置には、循環路208が各別に形成されている。循環路208は、対応する吐出チャネル61及びノズル孔97同士、並びに吐出チャネル61及び出口マニホールド203同士を連通させている。循環路208は、帰還プレート201をZ方向に貫通するとともに、Y方向に延びている。各循環路208は、-Y側端部において、対応する吐出チャネル61に各別に連通している。各循環路208は、+Y側端部において、出口マニホールド203にまとめて連通している。
本実施形態のヘッドチップ50において、入口マニホールド202を流れるインクは、入口共通インク室100を通過した後、各入口スリット101を経て吐出チャネル61内に流入する。吐出チャネル61内を流れるインクは、循環路208内に流入する。各循環路208内を流れるインクのうち、一部のインクは上述した駆動壁78の厚み滑り変形に伴う従動壁75の変形により、ノズル孔97から吐出される。一方、各循環路208内を流れるインクのうち、残りのインクは、出口マニホールド203内に流入する。出口マニホールド203内に流入したインクは、出口ポートを経てインクタンク15に戻される。その後、インクタンク15に戻されたインクは、再びヘッドチップ50に供給される。
本実施形態のように、循環式のヘッドチップ50においても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施形態では、ノズルプレート51とアクチュエータプレート53との間に帰還プレート201が配置された構成を説明したが、この構成に限られない。循環式以外のヘッドチップ50において、ノズルプレート51とアクチュエータプレート53との間に中間プレートを単数又は複数配置してもよい。この場合、中間プレートには、吐出チャネル61とノズル孔97とを連通させる連通孔が形成される。
(その他の変形例)
なお、本開示の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であってもよい。
上述した実施形態では、印刷時にインクジェットヘッドが被記録媒体に対して移動する構成(いわゆる、シャトル機)を例にして説明をしたが、この構成に限られない。本開示に係る構成は、インクジェットヘッドを固定した状態で、インクジェットヘッドに対して被記録媒体を移動させる構成(いわゆる、固定ヘッド機)に採用してもよい。
上述した実施形態では、被記録媒体Pが紙の場合について説明したが、この構成に限られない。被記録媒体Pは、紙に限らず、金属材料や樹脂材料であってもよく、食品等であってもよい。
上述した実施形態では、液体噴射ヘッドが液体噴射記録装置に搭載された構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、液体噴射ヘッドから噴射される液体は、被記録媒体に着弾させるものに限らず、例えば調剤中に配合する薬液や、食品に添加する調味料や香料等の食品添加物、空気中に噴射する芳香剤等であってもよい。
上述した実施形態では、Z方向が重力方向に一致する構成について説明したが、この構成のみに限らず、Z方向を水平方向に沿わせてもよい。
上述した実施形態では、第1方向がZ方向に一致し、第2方向がX方向に一致する構成について説明したが、この構成に限られない。第1方向及び第2方向は、X方向及びZ方向とは別に定めてもよい。
上述した実施形態では、本開示に係るヘッドチップ50をエッジシュートタイプに適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネルにおける延在方向の中央部からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプのヘッドチップに本開示を適用しても構わない。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射記録装置)
5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
50…ヘッドチップ
51…ノズルプレート(噴射孔プレート)
53…アクチュエータプレート
55…第1プレート(第1圧電基板)
56…第2プレート(第2圧電基板)
61…吐出チャネル(噴射チャネル)
62…第1電極チャネル
64…第2電極チャネル
71…表面側区画チャネル(第1区画チャネル)
72…裏面側区画チャネル(第2区画チャネル)
73…連通部
75…従動壁(第1仕切部)
78…駆動壁(第2仕切部)
80…伝達部
85…共通電極(第1電極、第2電極)
85a…表面側区画電極(第1区画電極)
85b…裏面側区画電極(第2区画電極)
85c…接続電極
86…共通端子(端子部)
88…尾部
91…個別電極(第2電極、第1電極)
97…ノズル孔(噴射孔)

Claims (11)

  1. 第1方向に延びるとともに、液体が供給される噴射チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、
    前記アクチュエータプレートに重ね合わされるとともに、前記噴射チャネルに連通する噴射孔が形成された噴射孔プレートと、を備え、
    前記アクチュエータプレートには、
    前記第1方向に交差する第2方向において前記噴射チャネルの両側に、第1仕切部を隔てて配置され、第1電極が形成された内面を有する一対の第1電極チャネルと、
    前記第2方向において前記第1電極チャネルに対して前記噴射チャネルとは反対側に、第2仕切部を隔てて配置され、第2電極が形成された内面を有する一対の第2電極チャネルと、が形成され、
    前記第1仕切部は、前記第2方向に屈曲変形するように構成され、
    前記第2仕切部は、前記第1電極及び前記第2電極間に印加される電圧によって前記第2方向に屈曲変形するように構成され、
    前記第1仕切部と前記第2仕切部との間には、前記第2仕切部の屈曲変形に伴い前記第2方向に変位することで、前記第1仕切部に対して前記第2方向への荷重を伝達する伝達部が設けられているヘッドチップ。
  2. 前記伝達部は、前記第1仕切部及び前記第2仕切部間を連結している請求項1に記載のヘッドチップ。
  3. 前記アクチュエータプレートは、
    分極方向が前記第1方向から見て前記第2方向に交差する厚さ方向の一方側を向く第1圧電基板と、
    前記第1圧電基板に対して前記厚さ方向で重ね合わされ、分極方向が前記厚さ方向の他方側を向く第2圧電基板と、を備え、
    前記伝達部は、前記第1圧電基板及び前記第2圧電基板の境界部分を含んでいる請求項1又は請求項2に記載のヘッドチップ。
  4. 前記第1電極チャネルは、
    前記伝達部に対して前記厚さ方向の一方側に位置する第1区画チャネルと、
    前記伝達部に対して前記厚さ方向の他方側に位置する第2区画チャネルと、を有し、
    前記第1電極は、
    前記第1区画チャネルの内面に形成された第1区画電極と、
    前記第2区画チャネルの内面に形成された第2区画電極と、を備えている請求項3に記載のヘッドチップ。
  5. 前記アクチュエータプレートのうち、前記噴射チャネルに対して前記第1方向の外側に位置する部分は、尾部を構成し、
    前記第1電極チャネルのうち、前記第1方向の端部には、前記第1区画チャネル及び前記第2区画チャネル間を前記厚さ方向に連通させる連通部が形成され、
    前記連通部の内面には、前記第1区画電極及び前記第2区画電極を接続する接続電極が形成され、
    前記尾部のうち前記厚さ方向の一方側を向く面には、前記第1区画電極に接続される端子部が形成されている請求項4に記載のヘッドチップ。
  6. 前記アクチュエータプレートは、前記第1方向から見て前記第2方向に交差する厚さ方向に沿って一方向に分極された圧電基板であり、
    前記噴射チャネル、前記第1電極チャネル及び前記第2電極チャネルは、前記アクチュエータプレートにおける前記厚さ方向の一方側を向く面上で開口している請求項1又は請求項2に記載のヘッドチップ。
  7. 前記第1電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に基準電位となる共通電極であり、
    前記第2電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に前記第1電極との間に電位差を生じさせる駆動電極である請求項1から請求項6の何れか1項に記載のヘッドチップ。
  8. 前記第2電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に基準電位となる共通電極であり、
    前記第1電極は、前記第1電極及び前記第2電極間への電圧印加時に前記第2電極との間に電位差を生じさせる駆動電極である請求項1から請求項6の何れか1項に記載のヘッドチップ。
  9. 前記伝達部は、前記第1仕切部及び前記第2仕切部間を連結し、
    前記第1電極は、前記第1電極チャネルの内面のうち、前記第2電極チャネルと前記第2方向で向かい合う内側面及び前記伝達部のうち前記第1電極チャネル内に露呈する面上に亘って形成されている請求項7又は請求項8に記載のヘッドチップ。
  10. 請求項1から請求項9の何れか1項に記載のヘッドチップを備えている液体噴射ヘッド。
  11. 請求項10に記載の液体噴射ヘッドを備えている液体噴射記録装置。
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