JP2022097960A - ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法 - Google Patents

ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気的な信頼性を確保し、耐久性に優れたヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法を提供する。【解決手段】本開示の一態様に係るヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53と、吐出チャネル75の内面及び尾部95の表面に形成された共通配線90と、を備えている。Y方向に沿う断面視において、第1成膜面85aと第1ガイド面86aとは第1エッジ部83aを介して連なるとともに、アクチュエータプレート53の表面と第1ガイド面86aとのなす第2角度θ2は、表面と第1ガイド面86aとのなす第1角度θ1よりも大きく設定されている。共通配線90は、吐出チャネル75の内側面に形成された対向電極91aと、尾部95の表面に形成された共通端子92と、第1成膜面85aに形成され、対向電極91a及び共通端子92間を電気的に接続する接続部91bと、を備えている。【選択図】図6

Description

本開示は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法に関する。
従来、インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドに搭載されるヘッドチップを通じて被記録媒体にインクを吐出する。ヘッドチップは、吐出チャネル及び非吐出チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、アクチュエータプレートに接合されたノズルプレートと、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。吐出チャネル及び非吐出チャネルは、それぞれアクチュエータプレートを厚さ方向に貫通するとともに、駆動壁を隔てて交互に配列されている。吐出チャネルの内面には、共通電極が形成されている。非吐出チャネルの内面には、個別電極が形成されている。
ヘッドチップでは、共通電極及び個別電極間に電圧を印加して駆動壁を厚み滑り変形させることで、吐出チャネル内の容積が変化する。これにより、吐出チャネル内のインクがノズルプレートに形成されたノズル孔を通じて吐出される。
図20に示す従来のヘッドチップ300として、アクチュエータプレート301のうち、ノズルプレート302の接合面(以下、表面という。)上に引出配線303が形成される場合がある。具体的に、共通電極用の引出配線303は、吐出チャネル305の表面側開口縁において、吐出チャネル305の内面に形成された共通電極306に接続されている。個別電極用の引出配線は、隣り合う非吐出チャネルそれぞれの表面側開口縁において、隣り合う非吐出チャネルに形成された個別電極同士を接続している。各引出配線は、アクチュエータプレートの表面において、フレキシブル基板に接続されている。
特許第6209383号公報
ところで、各チャネルは、アクチュエータプレート301の裏面側からアクチュエータプレート301の厚さ方向にダイサーを進入させて形成される場合がある。そのため、吐出チャネル305にはアクチュエータプレート301の表面側に向けて凸の円弧状の切り上がり部310が形成される。この場合、吐出チャネル305の表面側開口縁のうち、切り上がり部310に連なる部分には、切り上がり部310の底面とアクチュエータプレート301の表面とで鋭角をなすナイフエッジ部311が形成される。
この状態で、吐出チャネル305の表面側開口部を通じて吐出チャネル305内に共通電極306の材料を導入すると、切り上がり部310上に共通電極306を所望の条件で成膜することが難しい。その結果、共通電極306と共通電極用の引出配線303とをナイフエッジ部311を介して接続させる際に、共通電極306と共通電極用の引出配線303との間の電気的な信頼性を確保できない可能性があった。
本開示は、電気的な信頼性を確保し、耐久性に優れたヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係るヘッドチップは、厚さ方向を向く表面上に開口し、かつ前記厚さ方向に交差する第1方向に延びる噴射チャネルに対して前記第1方向の一方側に位置する部分に尾部を有するアクチュエータプレートと、前記噴射チャネルの内面及び前記尾部の前記表面に形成された第1配線部と、を備え、前記噴射チャネルの内面のうち前記第1方向の他方側から見て前記第1方向に向かい合う面は、前記噴射チャネルの開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記表面から離れるに従い前記第1方向の他方側に向けて延びる第1面と、前記第1面に対して前記アクチュエータプレートの裏面側に位置する第2面と、を備え、前記第1方向に沿う断面視において、前記第1面と前記第2面とは境界部を介して連なるとともに、前記表面と前記第2面とのなす角度は、前記表面と前記第1面とのなす角度よりも大きく設定され、前記第1配線部は、前記噴射チャネルの内面のうち前記厚さ方向から見て前記第1方向に交差する第2方向で向かい合う内側面に形成された対向電極と、前記尾部における前記表面に形成された端子と、前記第1面に形成され、前記対向電極及び前記端子間を電気的に接続する接続部と、を備えている。
本態様によれば、第1面が噴射チャネルの開口部を通じて露呈することになるので、噴射チャネルの開口部を通じて噴射チャネル内に第1配線部(接続部)の電極材料を供給する際に、第1配線部の電極材料を第1面に効果的に成膜することができる。そして、第1配線部のうち、第1面に形成された部分(接続部)を通じて、対向電極と端子とを接続することで、対向電極と端子との電気的な接続を確保できる。
しかも、アクチュエータプレートの表面と第1面とのなす角度が表面と第2面とのなす角度よりも小さくなるので、噴射チャネルの開口縁周辺での厚さを確保し易い。そのため、アクチュエータプレートの強度も確保できる。
よって、耐久性に優れたヘッドチップを提供できる。
(2)上記(1)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記第2面は、前記第1面から離れるに従い前記第1方向の一方側に向けて延びていることが好ましい。
本態様によれば、アクチュエータプレートの裏面側に向かうに従い噴射チャネルの第1方向の寸法が短くなるのを抑制できる。そのため、対向電極における第1方向の寸法を確保し易くなり、第1配線部への電力供給時における噴射チャネルの第1方向での駆動範囲(ポンプ長)を確保し易い。
(3)上記(1)又は(2)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記端子は、前記表面において前記噴射チャネルの前記第2方向での幅内に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、アクチュエータプレートのうち、噴射チャネルと非噴射チャネルとの間に位置する部分に第1配線部がはみ出さないので、第1配線部及び非噴射チャネルの内面に形成される第2配線部間の沿面距離を確保できる。これにより、噴射チャネル内に充填された液体が、アクチュエータプレートと噴射孔プレート等との間に意図せず形成される微小隙間を通じて非噴射チャネルに向けて移動する場合であっても、液体が非噴射チャネルに到達するまでの時間を延ばすことができる。これにより、第1配線部及び第2配線部間がインクを介して短絡するのを抑制し、耐久性(パルス耐久性)を向上させることができる。
(4)上記(1)から(3)の何れかの態様に係るヘッドチップにおいて、前記噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートの前記裏面側に向けて凸の円弧状に形成されるとともに、前記第1面を有する表面側凹部と、前記表面側凹部に連通するとともに、前記アクチュエータプレートの前記表面側に向けて凸の円弧状に形成され、前記第2面を有する裏面側凹部と、を備え、前記アクチュエータプレートの裏面側には、前記噴射チャネルに連通する液体流路が形成されたカバープレートが設けられていることが好ましい。
本態様によれば、液体流路と噴射チャネル内との間で流通する液体を裏面側凹部の円弧面(第2面)に沿って第1方向に案内することができる。これにより、噴射チャネル内において液体を第1方向にスムーズに流通させることができる。
(5)上記(4)の態様に係るヘッドチップにおいて、前記厚さ方向において、前記裏面側凹部の深さは、前記表面側凹部の深さに比べて深いことが好ましい。
本態様によれば、裏面側凹部の深さを確保することで、噴射チャネル内において第1方向に沿って液体をスムーズに流通させることができる。
(6)上記(1)から(5)の何れかの態様に係るヘッドチップにおいて、前記噴射チャネルは、前記第2方向に間隔をあけて複数形成され、前記アクチュエータプレートにおいて、前記第2方向で隣り合う前記噴射チャネル同士の間には、前記第1方向に延びる非噴射チャネルが形成され、前記非噴射チャネルの内面には、第2配線部が形成され、前記表面において、前記噴射チャネルと前記非噴射チャネルとの間に位置する部分は、前記表面が露出するブランク領域を構成していることが好ましい。
本態様によれば、アクチュエータプレートの表面において、第1配線部と第2配線部との間の沿面距離を確保し、第1配線部と第2配線部との間での短絡を抑制できる。
(7)上記(1)から(6)の何れかの態様に係るヘッドチップにおいて、前記噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートを前記厚さ方向に貫通し、前記アクチュエータプレートの前記表面側には、前記噴射チャネル内に連通する噴射孔が形成された噴射孔プレートが設けられていることが好ましい。
本態様によれば、アクチュエータプレートの表面側に噴射孔プレートが設けられる場合であっても、第1面において対向電極と端子との電気的な接続を確保できる。
(8)本開示の一態様に係る液体噴射ヘッドは、上記(1)から(7)の何れかの態様に係るヘッドチップを備えている。
本態様によれば、耐久性に優れ、信頼性の高い液体噴射ヘッドを提供できる。
(9)本開示の一態様に係る液体噴射記録装置は、上記(8)の何れかの態様に係る液体噴射ヘッドを備えている。
本態様によれば、耐久性に優れ、信頼性の高い液体噴射記録装置を提供できる。
(10)本開示の一態様に係るヘッドチップの製造方法は、厚さ方向に交差する第1方向に延びるとともに、裏面上で開口する裏面側凹部を有するアクチュエータプレート、及び前記裏面側凹部に連通する液体流路を有し、前記アクチュエータプレートに対して前記裏面側に重ね合わされたカバープレートを備えた接合体のうち、前記アクチュエータプレートの表面上に、マスク開口を有するマスクパターンを形成するパターン形成工程と、前記アクチュエータプレートの前記表面に対し、前記マスクパターンの一部を除去しながら加工を行うことで、前記裏面側凹部に連通する表面側凹部を形成する表面側凹部形成工程と、前記アクチュエータプレートの前記表面のうち前記マスク開口を通じて露出した部分、及び前記表面側凹部の内面に対し、前記アクチュエータプレートの前記表面側から電極材料を成膜する成膜工程と、を備え、前記パターン形成工程では、前記表面のうち前記表面側凹部の加工領域に対して前記第1方向の一方側に、前記表面側凹部の開口縁に連なる前記マスク開口を形成し、前記表面側凹部形成工程では、前記表面側凹部の内面のうち前記第1方向の他方側に露呈する面に、前記表面側凹部の開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記表面から離れるに従い前記第1方向の他方側に延びる成膜面を形成する。
本態様によれば、マスクパターンの形成後にマスクパターンの一部を除去しながら表面側凹部を形成することで、表面側凹部の開口部と同形状のマスクパターンを形成できる。これにより、例えば表面側凹部の形成後にマスクパターンを形成するような場合に比べて、所望の位置に高精度なマスクパターンを形成できる。すなわち、マスクパターンを表面側凹部の開口部に接近させ過ぎた結果、マスクパターンが表面側凹部内まで進入してしまうこと等を抑制し、表面側凹部内での配線部の断線等を抑制できる。一方、マスクパターンが表面側凹部の開口縁から離間した状態で形成されるのを抑制し、表面側凹部の開口部に対して第2方向の両側に電極材料が成膜されるのを抑制できる。これにより、第1配線部と第2配線部との間の沿面距離を確保できる。その結果、高精度な電極パターンをより簡単、確実に形成できる。
しかも、本態様では、マスク開口を通じた成膜のみによって表面側凹部の開口部に対して第2方向の両側に電極材料が成膜されるのを抑制できるので、例えば電極材料の成膜後、表面側凹部の開口部に対して第2方向の両側にはみ出した電極材料を後加工(レーザ加工等)によって除去する必要もない。そのため、アクチュエータプレートに後加工による影響(例えば、デブリや加工残り、表面の変形等)が生じるのも抑制できる。これにより、例えばアクチュエータプレートの表面を平滑に維持できるので、アクチュエータプレートの表面を中間プレートや噴射孔プレートとの接合面として利用する場合に中間プレートや噴射孔プレートとの接合強度を確保し易い。その結果、アクチュエータプレートの表面と中間プレートや噴射孔プレートとの間を通じて液体が移動することを抑制できるので、上述したように耐久性を向上させることができる。
本開示の一態様によれば、電気的な信頼性を確保し、耐久性に優れたヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法を提供できる。
実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 実施形態に係るインクジェットヘッド及びインク循環機構の概略構成図である。 実施形態に係るノズルプレートを取り外した状態におけるヘッドチップを-Z側から見た斜視図である。 実施形態に係るヘッドチップの分解斜視図である。 実施形態に係るアクチュエータプレートの底面図である。 図5のVI-VI線に相当する断面図である。 図5のVII-VII線に相当する断面図である。 図5のVIII-VIII線に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を示すフローチャートである。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図6に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図6に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図6に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図6に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図6に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図7に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図7に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図7に対応する断面図である。 実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。 変形例に係るヘッドチップを示す図6に対応する断面図である。 従来例に係るヘッドチップにおいて、吐出チャネルに沿う断面を示す断面図である。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。以下の実施形態では、インク(液体)を利用して被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[プリンタ1]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ(液体噴射記録装置)1は、一対の搬送機構2,3と、インクタンク4と、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インク循環機構6と、走査機構7と、を備えている。
以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向(第2方向)は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向(第1方向)は走査機構7の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(重力方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向及びZ方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。本実施形態において、+Z側は重力方向の上方に相当し、-Z側は重力方向の下方に相当する。
搬送機構2,3は、被記録媒体Pを+X側に搬送する。搬送機構2,3は、例えばY方向に延びる一対のローラ11,12をそれぞれ含んでいる。
インクタンク4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクが各別に収容されている。各インクジェットヘッド5は、接続されたインクタンク4に応じてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクをそれぞれ吐出可能に構成されている。なお、インクタンク4に収容されるインクは、導電性インクであっても、非導電性インクであってもよい。
図2は、インクジェットヘッド5及びインク循環機構6の概略構成図である。
図1、図2に示すように、インク循環機構6は、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させる。具体的に、インク循環機構6は、インク供給管21及びインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。
加圧ポンプ24は、インク供給管21内を加圧し、インク供給管21を通してインクジェットヘッド5にインクを送り出している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク供給管21側は正圧となっている。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インク排出管22内を通してインクジェットヘッド5からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。インクは、加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を通して循環可能となっている。
走査機構7は、インクジェットヘッド5をY方向に往復走査させる。走査機構7は、Y方向に延びるガイドレール28と、ガイドレール28に移動可能に支持されたキャリッジ29と、を備えている。
<インクジェットヘッド5>
図1に示すように、インクジェットヘッド5は、キャリッジ29に搭載されている。図示の例では、複数のインクジェットヘッド5が、一つのキャリッジ29にY方向に並んで搭載されている。インクジェットヘッド5は、ヘッドチップ50(図3参照)と、インク循環機構6及びヘッドチップ50間を接続するインク供給部(不図示)と、ヘッドチップ50に駆動電圧を印加する制御部(不図示)と、を備えている。
<ヘッドチップ50>
図3は、ノズルプレート51を取り外した状態におけるヘッドチップ50を-Z側から見た斜視図である。図4は、ヘッドチップ50の分解斜視図である。
図3、図4に示すヘッドチップ50は、インクタンク4との間でインクを循環させるとともに、後述する吐出チャネル75における延在方向(Y方向)の中央部からインクを吐出する、いわゆる循環式サイドシュートタイプのヘッドチップ50である。ヘッドチップ50は、ノズルプレート51(図4参照)と、中間プレート52と、アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、を備えている。ヘッドチップ50は、ノズルプレート51、中間プレート52、アクチュエータプレート53及びカバープレート54が、この順番にZ方向に積層された構成である。以下の説明では、Z方向のうち、ノズルプレート51からカバープレート54に向かう方向(+Z側)を裏面側とし、カバープレート54からノズルプレート51に向かう方向(-Z側)を表面側として説明する場合がある。
アクチュエータプレート53は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されている。アクチュエータプレート53は、例えば分極方向がZ方向の全域で一方向な、いわゆるモノポール基板である。但し、アクチュエータプレート53は、分極方向がZ方向で異なる2枚の圧電板を積層してなる、いわゆるシェブロン基板であってもよい。
図5は、アクチュエータプレート53の底面図である。
図4、図5に示すように、アクチュエータプレート53には、チャネル列61が形成されている。チャネル列61は、インクが充填される吐出チャネル(噴射チャネル)75と、インクが充填されない非吐出チャネル(非噴射チャネル)76と、を有している。各チャネル75,76は、Z方向から見た平面視において、それぞれY方向に直線状に延びるとともに、X方向に間隔をあけて交互に並んでいる。アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75及び非吐出チャネル76間に位置する部分は、吐出チャネル75及び非吐出チャネル76間をX方向で仕切る駆動壁70を構成している。なお、本実施形態では、チャネル延在方向がY方向に一致する構成について説明するが、チャネル延在方向がY方向に交差していてもよい。また、チャネル列61は、Y方向に複数並んでいてもよい。この場合、隣り合うチャネル列を構成する吐出チャネル75同士は、チャネル列の個数をnとすると、一のチャネル列における吐出チャネル75の配列ピッチに対して1/nピッチ毎にずれて配列されていることが好ましい。
図6は、図5のVI-VI線に相当する断面図である。
図6に示すように、吐出チャネル75は、例えば円板状のダイサー200(図9、図12参照)をアクチュエータプレート53の表面側(-Z側)及び裏面側(+Z側)から進入させることで、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通している。具体的に、吐出チャネル75は、表面側凹部75aと、裏面側凹部75bと、を備えている。
表面側凹部75aは、ダイサー200をアクチュエータプレート53の表面側(-Z側)から進入させることで形成される。表面側凹部75aは、X方向から見た側面視において、裏面側に向けて凸の円弧状に形成されている。したがって、表面側凹部75aのうちアクチュエータプレートの表面上での開口部は、吐出チャネル75の表面側開口部を構成する。具体的に、表面側凹部75aは、第1表面側切り上がり部81aと、第2表面側切り上がり部81bと、表面側連通部81cと、を備えている。
表面側切り上がり部81a,81bは、表面側凹部75aのうち、Y方向の両端部に位置している。表面側切り上がり部81a,81bは、Y方向において表面側連通部81cから離れるに従い深さが漸次浅くなっている。したがって、第1表面側切り上がり部81aの底面(以下、第1成膜面85aという。)は、-Y側に向かうに従い表面側に向けて延びる傾斜面に形成されている。第2表面側切り上がり部81aの底面(以下、第2成膜面85bという。)は、+Y側に向かうに従い表面側に向けて延びる傾斜面に形成されている。各成膜面85a,85bは、吐出チャネル75の表面側開口縁のうち、Y方向の両端縁を構成する。なお、図示の例において、成膜面85a,85bは、曲率半径が一様な円弧状に形成されている。
表面側連通部81cは、表面側切り上がり部81a,81bの間に位置している。表面側連通部81cにおけるZ方向の寸法(アクチュエータプレート53の表面から後述するエッジ部83a,83bまでのZ方向での距離)は、Y方向の全域に亘って一様に形成されている。
裏面側凹部75bは、ダイサー200(図9参照)をアクチュエータプレート53の裏面側(+Z側)から進入させることで形成される。したがって、裏面側凹部75bのうちアクチュエータプレートの裏面上での開口部は、吐出チャネル75の裏面側開口部を構成する。裏面側凹部75bは、X方向から見た側面視において、表面側に向けて凸の円弧状に形成されている。具体的に、裏面側凹部75bは、第1裏面側切り上がり部82aと、第2裏面側切り上がり部82bと、裏面側連通部82cと、を備えている。
裏面側切り上がり部82a,82bは、裏面側凹部75bのうち、Y方向の両端部に位置している。裏面側切り上がり部82a,82bは、Y方向において裏面側連通部82cから離れるに従い深さが漸次浅くなっている。したがって、第1裏面側切り上がり部82aの底面(以下、第1ガイド面86aという。)は、-Y側に向かうに従い裏面側に向けて延びる傾斜面に形成されている。第2裏面側切り上がり部82bの底面(以下、第2ガイド面86bという。)は、+Y側に向かうに従い裏面側に向けて延びる傾斜面に形成されている。なお、図示の例において、ガイド面86a,86bは、曲率半径が一様な円弧状に形成されている。また、成膜面85a,85b及びガイド面86a,86bは、何れの曲率半径が一様であっても、異なっていてもよい。
裏面側連通部82cは、裏面側切り上がり部82a,82bの間に位置している。裏面側連通部82cにおけるZ方向の寸法(アクチュエータプレート53の裏面から後述するエッジ部83a,83bまでのZ方向での距離)は、Y方向の全域に亘って一様に形成されている。
表面側凹部75aと裏面側凹部75bとは、連通部81c,82cを通じて連通している。したがって、吐出チャネル75は、表面側凹部75aと裏面側凹部75bとの境界部分を起点にして、アクチュエータプレート53の裏面側及び表面側に向かうに従いY方向の寸法が漸次拡大している。本実施形態において、裏面側連通部82cのZ方向での最大寸法は、表面側連通部81cのZ方向での最大寸法に比べて大きいことが好ましい。但し、裏面側連通部82cの最大寸法は、表面側連通部81cの最大寸法と同等であってもよく、表面側連通部81cよりも小さくてもよい。
表面側凹部75aと裏面側凹部75bとの境界部分において、第1表面側切り上がり部81a及び第1裏面側切り上がり部82a同士は、第1エッジ部83aを介して連なっている。すなわち、吐出チャネル75の内面のうち、+Y側に露呈する面(+Y側を向く面)は、第1成膜面85a及び第1ガイド面86aにより形成された第1対向面になっている。一方、第2表面側切り上がり部81b及び第2裏面側切り上がり部82b同士は、第2エッジ部83bを介して連なっている。すなわち、吐出チャネル75の内面のうち、-Y側に露呈する面(-Y側を向く面)は、第2成膜面85b及び第2ガイド面86bにより形成された第2対向面になっている。第2対向面は、第1対向面にY方向で向かい合っている。本実施形態において、例えば+Y側又は-Y側に「露呈する」とは、側面視において、第1対向面及び第2対向面の任意の位置での法線方向にY方向の成分を含んで吐出チャネル75の内面として現れていればよい。
ここで、側面視において、アクチュエータプレート53の表面と第1成膜面85aとのなす第1角度θ1は、アクチュエータプレート53の表面と第1ガイド面86aとのなす第2角度θ1よりも小さく設定されている。本実施形態において、第1角度θ1とは、断面視において、第1成膜面85aのうち吐出チャネル75の表面側開口縁を通る第1接線L1と、アクチュエータプレート53の表面と、のなす角度である。第2角度θ1とは、断面視において、第1ガイド面86aのうち第1エッジ部83aを通る第2接線L2と、アクチュエータプレート53の表面と、のなす角度である。なお、角度θ1,θ2の関係については、第2表面側切り上がり部81b及び第2裏面側切り上がり部82bについても同様である。
本実施形態において、第1角度θ1は鋭角をなし、第2角度θ2は鈍角をなしている。また、図示の例において、エッジ部83a,83bは、鋭角をなしている。但し、エッジ部83a,83bは、鈍角をなしていてもよい。
図7は、図5のVII-VII線に相当する断面図である。
図7に示すように、非吐出チャネル76は、駆動壁70を間に挟んで吐出チャネル75とX方向で隣り合っている。非吐出チャネル76は、例えば円板状のダイサー200(図15参照)をアクチュエータプレート53の表面側(-Z側)から進入させることで形成される。非吐出チャネル76は、アクチュエータプレート53をZ方向及びY方向に貫通している。但し、非吐出チャネル76は、少なくとも吐出チャネル76とX方向で向かい合う部分について、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通していればよい。
図6、図7に示すように、アクチュエータプレート53には、共通配線(第1配線部)90及び個別配線(第2配線部)96が形成されている。
図5、図6に示すように、共通配線90は、共通電極91と、共通端子92と、を備えている。
共通電極91は、吐出チャネル75の内面に形成されている。共通電極91は、対向電極91a及び接続部91bを備えている。対向電極91aは、駆動壁70のうち、各吐出チャネル75に面する内側面(吐出チャネル75の内面のうち、X方向で向かい合う面)にそれぞれ形成されている。図示の例において、対向電極91aは、吐出チャネル75の内側面において、アクチュエータプレート53の表面側からZ方向の半分以上の深さに亘って形成されている。具体的に、対向電極91aは、表面側凹部75aの内側面全域に亘って形成されるとともに、裏面側連通部82cの内側面に対してZ方向の半分程度の領域に亘って形成されている。
接続部91bは、吐出チャネル75内において、対向電極91a同士の間を架け渡している。接続部91bは、第1成膜面85a及び第2成膜面85bそれぞれの全域に亘って形成されている。接続部91bは、Y方向の両端において、対向電極91aにそれぞれ連なっている。なお、接続部91bは、第1成膜面85a及び第2成膜面85bのうち、少なくとも吐出チャネル75の表面側開口縁に連なる所定の領域に形成されていれば、エッジ部83a,83bに達していなくてもよい。また、接続部91bは、少なくとも第1成膜面85a上に形成されていれば、第2成膜面85bに形成されていなくてもよい。
共通端子92は、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75に対して-Y側に位置する部分(以下、尾部95という。)の表面上に形成されている。共通端子92は、尾部95の表面のうち、吐出チャネル75のX方向での幅内に位置する部分に、Y方向に直線状に延びている。共通端子92のX方向の幅は、吐出チャネル75の幅と同等になっている。したがって、アクチュエータプレート53の表面において、吐出チャネル75と非吐出チャネル76との間に位置する部分は、電極材料が形成されていない(アクチュエータプレート53の表面が露出する)ブランク領域94になっている。
共通端子92における+Y側端部は、吐出チャネル75の表面側開口縁において、第1成膜面85aに形成された接続部91bに電気的に接続されている。一方、共通端子92における-Y側端部は、尾部95上で終端している。
図5、図7に示すように、個別配線96は、個別電極97と、個別端子98と、を備えている。
個別電極97は、駆動壁70のうち、各非吐出チャネル76に面する内側面(非吐出チャネル76のうち、X方向で向かい合う面)に形成されている。図示の例において、個別電極97は、非吐出チャネル76の内側面において、アクチュエータプレート53の表面側からZ方向の半分以上の深さに亘って形成されている。
図5に示すように、個別端子98は、尾部95の表面において、共通端子92よりもY方向の外側に位置する部分に形成されている。個別端子98は、X方向に延在する帯状とされている。個別端子98は、吐出チャネル75を間に挟んでX方向で向かい合う非吐出チャネル76の開口縁において、吐出チャネル75を間に挟んでX方向で向かい合う個別電極97同士を接続している。なお、尾部95において、共通端子92と個別端子98との間に位置する部分には、区画溝99が形成されている。区画溝99は、尾部95において、X方向に延びている。区画溝99は、共通端子92と個別端子98とを分離している。
尾部95の表面には、フレキシブルプリント基板100が圧着されている。フレキシブルプリント基板100は、尾部95の表面において、チャネル列61に対応する共通端子92と個別端子98に接続されている。フレキシブルプリント基板100は、アクチュエータプレート53の外側を通って+Z側に引き出されている。
<カバープレート54>
図4に示すように、カバープレート54は、アクチュエータプレート53の裏面に接着等により固定されている。カバープレート54において、チャネル列61の-Y側端部と平面視で重なり合う位置には、入口共通インク室110が形成されている。入口共通インク室110は、例えばチャネル列61を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の裏面上で開口している。
入口共通インク室110において、吐出チャネル75と平面視で重なり合う位置には、入口スリット111が形成されている。入口スリット111は、各吐出チャネル75の-Y側端部と、入口共通インク室110内と、の間を各別に連通している。入口スリット111は、第1ガイド面86aとZ方向に向かい合っている。
カバープレート54において、チャネル列61の+Y側端部と平面視で重なり合う位置には、出口共通インク室115が形成されている。出口共通インク室115は、例えばチャネル列61を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の裏面上で開口している。
出口共通インク室115において、吐出チャネル75と平面視で重なり合う位置には、出口スリット116が形成されている。出口スリット116は、各吐出チャネル75の+Y側端部と、出口共通インク室115内と、の間を各別に連通している。出口スリット116は、第2ガイド面86bとZ方向に向かい合っている。したがって、入口スリット111及び出口スリット116は、それぞれ各吐出チャネル75に連通する一方、非吐出チャネル76には連通していない。
<中間プレート52>
図8は、図5のVIII-VIII線に対応する断面図である。
図8に示すように、中間プレート52は、アクチュエータプレート53の表面に接着等により固定されている。中間プレート52は、アクチュエータプレート53と同様にPZT等の圧電材料により形成されている。なお、中間プレート52は、圧電材料以外の材料(例えば、ポリイミドやアルミナ等の非導電材)で形成されていてもよい。
図6に示すように、中間プレート52は、少なくとも尾部95が露出し、かつ非吐出チャネル76を閉塞した状態でアクチュエータプレート53の表面に固定されている。アクチュエータプレート53のうち、中間プレート52から露出した部分(尾部95)は、フレキシブルプリント基板100の圧着領域として機能する。中間プレート52において、各吐出チャネル75(表面側凹部75a)と平面視で重なり合う部分には、連通孔120が形成されている。連通孔120は、アクチュエータプレート53の表面側において、対応する吐出チャネル75内に各別に連通している。なお、ヘッドチップ50は、中間プレート52を備えない構成であってもよい。この場合、アクチュエータプレート53の表面には、ノズルプレート51が接着等により直接固定される。
図4に示すように、ノズルプレート51は、中間プレート52の表面に接着等によって固定されている。ノズルプレート51は、Y方向における幅が中間プレート52と同等になっている。本実施形態において、ノズルプレート51は、ポリイミド等の樹脂材料により厚さが50μm程度に形成されている。但し、ノズルプレート51は、樹脂材料の他、金属材料(SUSやNi-Pd等)、ガラス、シリコン等による単層構造、又は積層構造であってもよい。
ノズルプレート51には、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数のノズル孔121が形成されている。各ノズル孔121は、それぞれX方向に間隔をあけて配置されている。ノズル孔121は、吐出チャネル75のうちY方向の中央部に、連通孔120を通じて各別に連通している。したがって、各非吐出チャネル76は、ノズル孔121には連通しておらず、ノズルプレート51により表面側から覆われている。各ノズル孔121は、例えば裏面側から表面側に向かうに従い内径が漸次縮小するテーパ状に形成されている。各ノズル孔121の最大内径は、吐出チャネル75のY方向の幅と同等になっている。
[プリンタ1の動作方法]
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環機構6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、被記録媒体Pが搬送機構2,3のローラ11,12に挟み込まれながら+X側に搬送される。また、これと同時にキャリッジ29がY方向に移動することで、キャリッジ29に搭載されたインクジェットヘッド5がY方向に往復移動する。
インクジェットヘッド5が往復移動する間に、各インクジェットヘッド5よりインクを被記録媒体Pに適宜吐出させる。これにより、被記録媒体Pに対して文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド5の動きについて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のような循環式サイドシュートタイプのインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、入口共通インク室110及び入口スリット111を通して各吐出チャネル75内に供給される。各吐出チャネル75内に供給されたインクは、第1ガイド面86aに案内されながら各吐出チャネル75を+Y側に流通する。その後、インクは、第2ガイド面86bに案内されながら出口スリット116に案内される。そして、インクは、出口スリット116を通じて出口共通インク室115に排出された後、インク排出管22を通してインクタンク4に戻される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させることができる。
キャリッジ29(図1参照)の移動によってインクジェットヘッド5の往復移動が開始されると、フレキシブルプリント基板100を介して共通電極91及び個別電極97間に駆動電圧が印加される。この際、個別電極97を駆動電位Vddとし、共通電極91を基準電位GNDとして各電極91,97間に駆動電圧を印加する。すると、吐出チャネル75を画成する2つ駆動壁70に厚み滑り変形が生じ、これら2つの駆動壁70が非吐出チャネル76側へ突出するように変形する。すなわち、各電極91,97間に電圧を印加することで、駆動壁70がZ方向の中間部分を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル75の容積が増大する。そして、吐出チャネル75の容積が増大したことにより、入口共通インク室110内に貯留されたインクが入口スリット111を通じて吐出チャネル75内に誘導される。吐出チャネル75の内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル75の内部に伝播する。圧力波がノズル孔121に到達したタイミングで、電極91,97間に印加した電圧をゼロにする。これにより、駆動壁70が復元し、一旦増大した吐出チャネル75の容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル75の内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、液滴状のインクが連通孔120及びノズル孔121を通って外部に吐出されることで、上述したように被記録媒体Pに文字や画像等を記録することができる。
<ヘッドチップ50の製造方法>
次に、上述したヘッドチップ50の製造方法について説明する。図9は、ヘッドチップ50の製造方法を示すフローチャートである。図10~図18は、ヘッドチップ50の製造方法を説明するための工程図である。図10~図14は図6に対応する断面図を示し、図15~図17は図7に対応する断面を示し、図18は図3に対応する斜視を示している。以下の説明では、便宜上、ヘッドチップ50をチップレベルで製造する場合を例にして説明する。
ヘッドチップ50の製造方法は、図9に示すように、裏面加工工程と、カバープレート積層工程と、グラインド工程と、パターン形成工程と、表面加工工程と、成膜工程と、を備えている。なお、各プレート51~54には、重ね合わせ工程以前に必要な加工は既に施しているものとする。
図10に示すように、裏面加工工程では、アクチュエータプレート53に対して裏面側凹部75bを形成する。具体的には、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の裏面側から円板状のダイサー200を進入させる。この際、ダイサーの進入量は、後のグラインド工程でのアクチュエータプレート53の仕上がり厚さよりも浅く設定する。裏面加工工程によって、アクチュエータプレート53には、表面側に向けて凸の円弧状の裏面側凹部75bが形成される。
カバープレート積層工程では、アクチュエータプレート53の裏面にカバープレート54を積層する。具体的には、対応する入口スリット111及び出口スリット116が一の裏面側凹部75bにそれぞれ連通するように、アクチュエータプレート53とカバープレート54とを貼り合わせる。これにより、アクチュエータプレート53とカバープレート54との接合体210が形成される。
グラインド工程では、アクチュエータプレート53の表面に対してグラインド加工を施す。この際、グラインド加工の加工量は、アクチュエータプレート53の表面から裏面側凹部75bが開口しない程度に設定することが好ましい。
図12、図15、図18に示すように、マスク形成工程では、アクチュエータプレート53の表面上にマスクパターン150を形成する。具体的には、アクチュエータプレート53の表面上にマスク材料(例えば、レジスト膜)を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてマスク材料をパターニングする。この際、マスク材料のうち、少なくとも共通端子92及び個別端子98の加工領域が開口したマスクパターン150を形成する。図示の例において、マスクパターン150に形成された共通端子92用のマスク開口151は、尾部95の表面上をY方向に延びている。マスク開口151の+Y側端部は、表面側凹部75aの加工領域(図18中鎖線75a参照)の一部に平面視で重なり合っている。但し、マスク開口151は、少なくとも+Y側端部が表面側凹部75aの加工領域に達していればよい。一方、マスク開口151の-Y側端部は、区画溝99の加工領域(図18中鎖線99参照)に平面視で重なり合っている。但し、マスク開口151の-Y側端部は、区画溝99の加工領域に達していなくてもよい。
マスクパターン150に形成された個別端子98用のマスク開口152は、尾部95の表面上をX方向に延びている。マスク開口152の一部は、区画溝99の加工領域(図18中鎖線99参照)に平面視で重なり合っている。但し、マスク開口152は、区画溝99の加工領域に達していなくてもよい。
図13、図16に示す表面加工工程では、アクチュエータプレート53に対して表面側凹部75a及び非吐出チャネル76を形成する。具体的には、図13に示すように、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の表面側から円板状のダイサー200を進入させる。この際、ダイサー200の進入量は、裏面側凹部75bとアクチュエータプレート53の表面との間の最小距離よりも深く、上述した裏面加工工程でのダイサー200の進入量よりも浅く設定する。アクチュエータプレート53に対してダイサー200を進入させると、マスクパターン150のうち表面側凹部75aの加工領域を覆う部分とともにアクチュエータプレート53が切削される。これにより、アクチュエータプレート53には、裏面側に向けて凸の円弧状の表面側凹部75aが形成される。表面側凹部75aは、連通部81c,82cを通じて裏面側凹部75bに連通する。また、表面側凹部75aは、表面側切り上がり部81aに形成された成膜面85a,85bが、表面側凹部75aの開口部を通じて外部に露呈する。
図16に示すように、非吐出チャネル76は、アクチュエータプレート53のうち非吐出チャネル76の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の表面側から円板状のダイサー200を進入させることで行う。この際、ダイサー200の進入量は、アクチュエータプレート53の厚さよりも僅かに深く設定する。これにより、非吐出チャネル76がアクチュエータプレート53をZ方向に貫通する。
図14、図17に示すように、成膜工程では、アクチュエータプレート53の表面側から電極材料を成膜することで、配線90,96を形成する。本実施形態において、成膜工程は、例えば斜め蒸着等によってアクチュエータプレート53の表面に対してX方向に傾斜した方向から電極材料を成膜する。すると、マスクパターン150のマスク開口151,152を通じてアクチュエータプレート53の表面上に電極材料が成膜されるとともに、チャネル75,76の表面側開口部を通じてチャネル75,76の内面に電極材料が成膜される。電極材料の成膜後、リフトオフ等によってマスクパターン150を除去し、成膜工程が終了する。
その後、アクチュエータプレート53と中間プレート52とを貼り合わせる。この際、各吐出チャネル75が対応する連通孔120に連通するように、中間プレート52をアクチュエータプレート53に貼り合わせる。
続いて、中間プレート52の表面にノズルプレート51を貼り合わせる。この際、ノズル孔121が対応する吐出チャネル75に連通孔120を通じて連通するように、ノズルプレート51をアクチュエータプレート53に貼り合わせる。
以上により、ヘッドチップ50が製造される。
なお、ヘッドチップ50は、ウエハレベルで製造してもよい。ウエハレベルで製造する場合には、まず複数のアクチュエータプレート53が連なるアクチュエータウエハと、複数のカバープレート54が連なるカバーウエハと、複数の中間プレート52が連なる中間ウエハと、を接合してウエハ接合体を形成する。その後、ウエハ接合体を切断することにより複数のヘッドチップ50が形成される。
このように、本実施形態のヘッドチップ50は、吐出チャネル75の内面のうち、+Y側に露呈する面に、吐出チャネル75の表面側開口縁の一部を構成するとともに、裏面側に向かうに従い+Y側に向けて延びる第1成膜面(第1面)85aを備えている。本実施形態のヘッドチップ50において、アクチュエータプレート53の表面と第1成膜面85aとのなす第1角度θ1は、アクチュエータプレート53の表面と第1ガイド面(第2面)86aとのなす第2角度θ2よりも小さく設定されている構成とした。
この構成によれば、第1成膜面85aが吐出チャネル75の表面側開口部を通じて外部に露呈する。そのため、吐出チャネル75の表面側開口部を通じて吐出チャネル75内に共通電極91の電極材料を導入する際に、共通電極91の電極材料を第1成膜面85aに効果的に成膜することができる。そして、接続部91bにおいて共通電極91と共通端子92とを接続することで、吐出チャネル75の表面側開口縁を通じて共通電極91と共通端子92との電気的な接続を確保できる。
しかも、本実施形態のヘッドチップ50では、第1角度θ1が第2角度θ1よりも小さくなるので、吐出チャネル75の表面側開口縁周辺での厚さを確保し易い。そのため、アクチュエータプレート53の強度も確保できる。
よって、耐久性に優れたヘッドチップ50を提供できる。
本実施形態のヘッドチップ50は、第1ガイド面86aは、+Z側に向かうに従い-Y側に向けて延びる構成とした。
この構成によれば、アクチュエータプレート53の裏面側に向かうに従い吐出チャネル75のY方向の寸法が短くなるのを抑制できる。そのため、対向電極91aにおけるY方向の寸法を確保し易くなり、電極91,97間への電圧印加時における吐出チャネル75のY方向での駆動範囲(ポンプ長)を確保し易い。
本実施形態のヘッドチップ50は、共通端子92は、吐出チャネル75におけるX方向の幅内に設けられている構成とした。
この構成によれば、アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75と非吐出チャネル76との間に位置する部分に共通配線90がはみ出さないので、共通配線90及び個別電極97間の沿面距離を確保できる。これにより、吐出チャネル75内に充填されたインクが、アクチュエータプレート53と中間プレート52との間の微小隙間を通じて非吐出チャネル76に向けて移動する場合であっても、インクが非吐出チャネル76に到達するまでの時間を確保できる。これにより、共通配線90及び個別電極97間がインクを介して短絡するのを抑制し、耐久性(パルス耐久性)を向上させることができる。なお、「沿面距離」とは、アクチュエータプレート53の外面に沿う2つの導電部(共通配線90及び個別電極97)間の最小距離であって、絶縁距離とも言い換えることができる。
本実施形態のヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53の表面において、吐出チャネル75と非吐出チャネル76との間に位置する部分は、アクチュエータプレート53の表面が露出するブランク領域94とする構成した。
この構成によれば、アクチュエータプレート53の表面において、共通配線90と個別電極97との間の沿面距離を確保し、共通配線90と個別配線96との間での短絡を抑制できる。
本実施形態のヘッドチップ50において、吐出チャネル75は、アクチュエータプレート53の裏面側に向けて凸の円弧状に形成された表面側凹部75aと、アクチュエータプレート53の表面側に向けて凸の円弧状に形成された裏面側凹部75bと、を備えている構成とした。
この構成によれば、入口スリット111又は出口スリット116と、吐出チャネル75内と、の間で流通するインクをガイド面86a,86bに沿ってY方向に案内することができる。これにより、吐出チャネル76内においてインクをY方向にスムーズに流通させることができる。
本実施形態のヘッドチップ50において、裏面側凹部75bの深さは、表面側凹部75aの深さに比べて深い構成とした。
この構成によれば、裏面側凹部75bの深さを確保することで、吐出チャネル75内においてY方向に沿ってインクをスムーズに流通させることができる。
本実施形態のヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53の表面側には、吐出チャネル75内に連通するノズルプレート51が設けられている構成とした。
この構成によれば、アクチュエータプレート53の表面側にノズルプレート51が設けられる場合であっても、第1成膜面85aにおいて共通電極91と共通端子92との電気的な接続を確保できる。
本実施形態のインクジェットヘッド5及びプリンタ1では、上述したヘッドチップ50を備えているので、耐久性に優れ、信頼性の高いインクジェットヘッド5及びプリンタ1を提供できる。
本実施形態のヘッドチップ50は、パターン形成工程において、表面側凹部75aの開口縁に連なるマスク開口151を形成し、表面加工工程において、表面側凹部75aの開口縁の一部を構成する第1成膜面85aを形成する構成とした。
この構成によれば、マスクパターン150の形成後にマスクパターン150の一部を除去しながら表面側凹部75aを形成することで、表面側凹部75aの表面側開口部と同形状のマスクパターン150を形成できる。これにより、例えば表面側凹部75aの形成後にマスクパターン150を形成するような場合に比べて、所望の位置に高精度なマスクパターン150を形成できる。すなわち、マスクパターン150を表面側凹部75aの表面側開口部に接近させ過ぎた結果、マスクパターン150が表面側凹部75a内まで進入してしまうこと等を抑制し、表面側凹部75a内での共通電極91の断線等を抑制できる。一方、マスクパターン150が表面側凹部75の表面側開口縁から離間した状態で形成されるのを抑制し、表面側凹部75aの表面側開口部に対してX方向の両側に電極材料が成膜されるのを抑制できる。これにより、共通配線90及び個別電極97間の沿面距離を確保できる。
その結果、高精度な電極パターンをより簡単、確実に形成できる。
しかも、本実施形態では、マスク開口151を通じた成膜のみによって表面側凹部75aに対してX方向の両側に電極材料が成膜されるのを抑制できるので、例えば電極材料の成膜後、表面側凹部75aの開口部に対してX方向の両側にはみ出した電極材料を後加工(レーザ加工等)によって除去する必要もない。そのため、アクチュエータプレート53に後加工による影響(例えば、デブリや加工残り、表面の変形等)が生じるのも抑制できる。これにより、例えばアクチュエータプレート53の表面を平滑に維持できるので、中間プレート52との接合強度を確保し易い。その結果、アクチュエータプレート53の表面と中間プレート52との間を通じてインクが移動することを抑制できるので、上述したように耐久性を向上させることができる。
なお、本開示の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であってもよい。
上述した実施形態では、印刷時にインクジェットヘッドが被記録媒体に対して移動する構成(いわゆる、シャトル機)を例にして説明をしたが、この構成に限られない。本開示に係る構成は、インクジェットヘッドを固定した状態で、インクジェットヘッドに対して被記録媒体を移動させる構成(いわゆる、固定ヘッド機)に採用してもよい。
上述した実施形態では、被記録媒体Pが紙の場合について説明したが、この構成に限られない。被記録媒体Pは、紙に限らず、金属材料や樹脂材料であってもよく、食品等であってもよい。
上述した実施形態では、液体噴射ヘッドが液体噴射記録装置に搭載された構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、液体噴射ヘッドから噴射される液体は、被記録媒体に着弾させるものに限らず、例えば調剤中に配合する薬液や、食品に添加する調味料や香料等の食品添加物、空気中に噴射する芳香剤等であってもよい。
上述した実施形態では、Z方向が重力方向に一致する構成について説明したが、この構成のみに限らず、Z方向を水平方向に沿わせてもよい。
上述した実施形態では、第1方向がY方向に一致し、第2方向がX方向に一致する構成について説明したが、この構成に限られない。第1方向及び第2方向は、X方向及びY方向とは別に定めてもよい。
上述した実施形態では、本開示に係るヘッドチップ50をサイドシュートタイプに適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネルにおける延在方向の端部からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプのヘッドチップに本開示を適用しても構わない。
上述した実施形態では、第1成膜面85aが湾曲面に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。第1成膜面85aは、-Y側に向かうに従い+Z側に延びる構成であればよい。
上述した実施形態では、第2角度θ2が鈍角をなしている構成としたが、この構成に限られない。例えば、図19に示すように、第2角度θ2は、第1角度θ1よりも大きい構成であれば、鋭角であってもよく、直角であってもよい。このような構成にあっても、第1角度θ1が第2角度よりも小さく形成できるので、第1成膜面85a上が吐出チャネル75の表面側開口部を通じて外部に露呈し易くなる。その結果、第1成膜面85a上に電極材料を効果的に成膜できる。
上述した実施形態では、吐出チャネル75の内面のうち、Y方向で向かい合う両対向面に第1成膜面85aを形成した場合について説明したが、この構成に限られない。第1成膜面85aは、吐出チャネル75の内面のうち、共通端子92側に位置する面(第1対向面)に少なくとも形成されていればよい。
上述した実施形態では、共通端子92が吐出チャネル75のうち、X方向での幅内に設けられている構成について説明したが、この構成に限られない。共通端子92は、吐出チャネル75の表面側開口縁に対してX方向の両側にはみ出していてもよい。
上述した実施形態では、ダイサー200を用いて各チャネル75,76を切削する構成について説明したが、この構成に限られない。各チャネル75,76は、サンドブラストやレーザ加工、エッチング等によって形成してもよい。
上述した実施形態では、吐出チャネル75がアクチュエータプレート53をZ方向に貫通する構成について説明したが、この構成に限られない。吐出チャネル75は、アクチュエータプレート53の表面上で開口していればよい。
上述した実施形態では、マスクパターン150を形成した後、表面側凹部75aや非吐出チャネル76を形成した場合について説明したが、この構成に限られない。例えば、表面側凹部75aや非吐出チャネル76を形成後に、表面側凹部75aや非吐出チャネル76を避けるようにマスクパターン150を形成してもよい。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射記録装置)
5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
50…ヘッドチップ
51…ノズルプレート(噴射孔プレート)
53…アクチュエータプレート
54…カバープレート
75…吐出チャネル(噴射チャネル)
75a…表面側凹部
75b…裏面側凹部
76…非吐出チャネル(非噴射チャネル)
83a…第1エッジ部(境界部)
85a…第1成膜面(第1面、成膜面)
86a…第1ガイド面(第2面)
90…共通配線(第1配線部)
91a…対向電極
91b…接続部
92…共通端子(端子)
94…ブランク領域
95…尾部
96…個別配線(第2配線部)
111…入口スリット(液体流路)
116…出口スリット(液体流路)
121…ノズル孔(噴射孔)
150…マスクパターン
151…マスク開口
210…接合体

Claims (10)

  1. 厚さ方向を向く表面上に開口し、かつ前記厚さ方向に交差する第1方向に延びる噴射チャネルに対して前記第1方向の一方側に位置する部分に尾部を有するアクチュエータプレートと、
    前記噴射チャネルの内面及び前記尾部の前記表面に形成された第1配線部と、を備え、
    前記噴射チャネルの内面のうち前記第1方向の他方側に露呈する面は、
    前記噴射チャネルの開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記表面から離れるに従い前記第1方向の他方側に向けて延びる第1面と、
    前記第1面に対して前記アクチュエータプレートの裏面側に位置する第2面と、を備え、
    前記第1方向に沿う断面視において、前記第1面と前記第2面とは境界部を介して連なるとともに、前記表面と前記第2面とのなす角度は、前記表面と前記第1面とのなす角度よりも大きく設定され、
    前記第1配線部は、
    前記噴射チャネルの内面のうち前記厚さ方向から見て前記第1方向に交差する第2方向で向かい合う内側面に形成された対向電極と、
    前記尾部における前記表面に形成された端子と、
    前記第1面に形成され、前記対向電極及び前記端子間を電気的に接続する接続部と、を備えているヘッドチップ。
  2. 前記第2面は、前記第1面から離れるに従い前記第1方向の一方側に向けて延びている請求項1に記載のヘッドチップ。
  3. 前記端子は、前記表面において前記噴射チャネルの前記第2方向での幅内に設けられている請求項1又は請求項2に記載のヘッドチップ。
  4. 前記噴射チャネルは、
    前記アクチュエータプレートの前記裏面側に向けて凸の円弧状に形成されるとともに、前記第1面を有する表面側凹部と、
    前記表面側凹部に連通するとともに、前記アクチュエータプレートの前記表面側に向けて凸の円弧状に形成され、前記第2面を有する裏面側凹部と、を備え、
    前記アクチュエータプレートの裏面側には、前記噴射チャネルに連通する液体流路が形成されたカバープレートが設けられている請求項1から請求項3の何れか1項に記載のヘッドチップ。
  5. 前記厚さ方向において、前記裏面側凹部の深さは、前記表面側凹部の深さに比べて深い請求項4に記載のヘッドチップ。
  6. 前記噴射チャネルは、前記第2方向に間隔をあけて複数形成され、
    前記アクチュエータプレートにおいて、前記第2方向で隣り合う前記噴射チャネル同士の間には、前記第1方向に延びる非噴射チャネルが形成され、
    前記非噴射チャネルの内面には、第2配線部が形成され、
    前記表面において、前記噴射チャネルと前記非噴射チャネルとの間に位置する部分は、前記表面が露出するブランク領域を構成している請求項1から請求項5の何れか1項に記載のヘッドチップ。
  7. 前記噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートを前記厚さ方向に貫通し、
    前記アクチュエータプレートの前記表面側には、前記噴射チャネル内に連通する噴射孔が形成された噴射孔プレートが設けられている請求項1から請求項6の何れか1項に記載のヘッドチップ。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載のヘッドチップを備えている液体噴射ヘッド。
  9. 請求項8に記載の液体噴射ヘッドを備えている液体噴射記録装置。
  10. 厚さ方向に交差する第1方向に延びるとともに、裏面上で開口する裏面側凹部を有するアクチュエータプレート、及び前記裏面側凹部に連通する液体流路を有し、前記アクチュエータプレートに対して前記裏面側に重ね合わされたカバープレートを備えた接合体のうち、前記アクチュエータプレートの表面上に、マスク開口を有するマスクパターンを形成するパターン形成工程と、
    前記アクチュエータプレートの前記表面に対し、前記マスクパターンの一部を除去しながら加工を行うことで、前記裏面側凹部に連通する表面側凹部を形成する表面側凹部形成工程と、
    前記アクチュエータプレートの前記表面のうち前記マスク開口を通じて露出した部分、及び前記表面側凹部の内面に対し、前記アクチュエータプレートの前記表面側から電極材料を成膜する成膜工程と、を備え、
    前記パターン形成工程では、前記表面のうち前記表面側凹部の加工領域に対して前記第1方向の一方側に、前記表面側凹部の開口縁に連なる前記マスク開口を形成し、
    前記表面側凹部形成工程では、前記表面側凹部の内面のうち前記第1方向の他方側に露呈する面に、前記表面側凹部の開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記表面から離れるに従い前記第1方向の他方側に延びる成膜面を形成するヘッドチップの製造方法。
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