JP2022082421A - ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法 - Google Patents

ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022082421000001
【課題】インクによる電極の短絡を抑制して、長期に亘って優れた吐出性能を維持できるヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係るヘッドチップ50は、アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、中間プレート52と、を備えている。アクチュエータプレート53において、非噴射チャネル76AにおけるY方向の両端部には、非吐出チャネル76Aの内外を連通させる開放口53a,90aAが形成されている。アクチュエータプレート53において、非吐出チャネル76BにおけるY方向の両端部には、非吐出チャネル76Bの内外を連通させる開放口53b,90aBが形成されている。
【選択図】図10

Description

本開示は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法に関する。
インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドに搭載されるヘッドチップを通じて被記録媒体にインクを吐出する。ヘッドチップは、吐出チャネル及び非吐出チャネルが交互に形成されたアクチュエータプレートと、アクチュエータプレートに接合されたノズルプレートと、を備えている。アクチュエータプレートにおいて、吐出チャネル及び非吐出チャネルの内面には、それぞれ電極が形成されている。
ヘッドチップでは、電極に印加される電圧によって吐出チャネル内の容積が変化することで、吐出チャネル内のインクがノズルプレートに形成されたノズル孔を通じて吐出される。
例えば下記特許文献1,2には、吐出チャネルの内面に、電極を覆う絶縁性を有する保護膜が形成された構成が開示されている。この構成によれば、導電性インクを用いる場合であっても、吐出チャネル内においてインクを介して電極が短絡するのを抑制できるとも考えられる。
特開2012-131175号公報 特開2017-136724号公報
ところで、ヘッドチップでは、アクチュエータプレートのボイドや、アクチュエータプレートと他の部材との接合部分等を通じて吐出チャネル内から非吐出チャネル内に導電性インクが流入する可能性がある。
しかしながら、従来の構成では、非吐出チャネルの内面に積極的に保護膜を形成する点で未だ改善の余地があった。仮に非吐出チャネル内にインクが流入した場合には、非吐出チャネルの内面に形成された電極がインクを介して短絡する可能性がある。
本開示は、インクによる電極の短絡を抑制して、長期に亘って優れた吐出性能を維持できるヘッドチップ、液体噴射ヘッド、液体噴射記録装置及びヘッドチップの製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係るヘッドチップは、第1方向に延びる第1噴射チャネル及び第1非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に配列された第1チャネル領域、並びに前記第1方向に延びる第2噴射チャネル及び第2非噴射チャネルが前記第2方向に配列された第2チャネル領域が前記第1方向に並んで設けられたアクチュエータプレートと、前記第1噴射チャネルに連通する第1液体流路、及び前記第2噴射チャネルに連通する第2液体流路を有し、前記アクチュエータプレートに重ね合わされたカバープレートと、前記第1噴射チャネルに前記第1方向の中央部で連通する第1連通孔、及び前記第2噴射チャネルに前記第1方向の中央部で連通する第2連通孔を有し、前記アクチュエータプレートに対して前記カバープレートとは反対側に重ね合わされた連通プレートと、を備え、前記第1噴射チャネルの内面、前記第1非噴射チャネルの内面、前記第2噴射チャネルの内面及び前記第2非噴射チャネルの内面には、保護膜がそれぞれ形成され、前記アクチュエータプレートにおいて、前記第1非噴射チャネルにおける前記第1方向の両端部には、前記第1非噴射チャネルの内外を連通させる第1開放口が形成され、前記アクチュエータプレートにおいて、前記第2非噴射チャネルにおける前記第1方向の両端部には、前記第2非噴射チャネルの内外を連通させる第2開放口が形成されている。
本態様によれば、第1非噴射チャネルの両端部に形成された第1開放口を通じて第1非噴射チャネル内に保護膜の形成材料を導入することで、第1非噴射チャネルの内面に効果的に保護膜を形成できる。第2非噴射チャネルの両端部に形成された第2開放口を通じて第2非噴射チャネル内に保護膜の形成材料を導入することで、第2非噴射チャネルの内面に効果的に保護膜を形成できる。
その結果、例えば非噴射チャネル内に進入した液体等によって非噴射チャネルの内面に形成された電極が短絡等することを抑制できる。
(2)上記(1)の態様のヘッドチップにおいて、前記第1開放口は、前記第1非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第2チャネル領域側の端部に位置する第1内側開放口と、前記第1非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第2チャネル領域側と反対側の端部に位置する第1外側開放口と、を含み、前記第2開放口は、前記第2非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第1チャネル領域側の端部に位置する第2内側開放口と、前記第2非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第1チャネル領域側と反対側の端部に位置する第2外側開放口と、を含み、前記アクチュエータプレート及び前記連通プレートのうち、前記第1方向における前記第1チャネル領域と前記第2チャネル領域との間に位置する境界部分には、複数の前記第1非噴射チャネルにおける前記第1内側開放口、及び複数の前記第2非噴射チャネルの前記第2内側開放口を連通させるとともに、前記第2方向に延びる共通溝が形成されていることが好ましい。
本態様によれば、保護膜の形成材料が共通溝から各内側開放口を経て各非噴射チャネル内に導入される。これにより、各内側開放口を通じて各非噴射チャネル内に個別に保護膜の形成材料を導入する場合に比べ、効率的に保護膜を形成することができる。
(3)上記(2)の態様のヘッドチップにおいて、前記カバープレートには、前記共通溝に連通する連通溝が形成されていることが好ましい。
本態様によれば、各開放口に至る空間の圧力損失が小さくできるので、各内側開放口を通じて非噴射チャネル内に保護膜の形成材料を効率的に導入できる。
(4)上記(3)の態様のヘッドチップにおいて、前記連通溝における前記第1方向の幅は、前記共通溝よりも広くなっており、前記連通溝は、前記アクチュエータプレートに対して前記連通プレートとは反対側から前記第1内側開放口及び前記第2内側開放口に連通していることが好ましい。
本態様によれば、共通溝を通過して連通溝内に進入した保護膜の形成材料は、アクチュエータプレートに対して連通プレートとは反対側から各内側開放口を経て各非噴射チャネル内に導入される。これにより、各非噴射チャネル内には、共通溝を通じて直接的、又は連通溝を通じて間接的に保護膜の形成材料が導入される。その結果、非噴射チャネルの内面に効率的に保護膜を形成することができる。
(5)上記(3)又は(4)の態様のヘッドチップにおいて、前記カバープレートは、複数の前記第1液体流路にまとめて連通する第1共通流路と、複数の前記第2液体流路にまとめて連通する第2共通流路と、を備え、前記カバープレートのうち、前記第1液体流路及び前記第2共通流路の間に位置する部分は、前記第1共通流路及び前記第2共通流路間を仕切るとともに、前記第2方向に延びる梁部を構成していることが好ましい。
本態様によれば、梁部によってカバープレートの強度を確保し易くなる。そのため、アクチュエータプレートとカバープレートとを貼り合わせる際に、アクチュエータプレートとカバープレートとの間に貼り合わせ荷重を効果的に付与することができる。その結果、アクチュエータプレートとカバープレートとを確実に接合し、アクチュエータプレートとカバープレートとの間を通じたインクの漏れ等を抑制できる。
(6)上記(5)の態様のヘッドチップにおいて、前記連通溝は、前記梁部に形成され、
前記連通溝における前記第1方向の幅は、前記梁部における前記第1方向の幅よりも狭いことが好ましい。
本態様によれば、梁部に連通溝を形成することで、連通溝の深さを確保し易くなる。そのため、各開放口を通じて非噴射チャネル内に保護膜の原料ガスを効率的に導入できる。
しかも、連通溝における第1方向の幅は、梁部における第1方向の幅よりも狭いため、梁部のうち、連通溝に対して外側に位置する部分が受圧領域を構成する。受圧領域は、アクチュエータプレートとカバープレートとを貼り合わせる際に、アクチュエータプレートとカバープレートとの間に作用する荷重を受ける受圧面として機能する。これにより、アクチュエータプレートとカバープレートとの間に効果的に貼り合わせ荷重を付与することができる。その結果、アクチュエータプレートとカバープレートとの間を通じたインクの漏れ等を抑制できる。
(7)上記(6)の態様のヘッドチップにおいて、前記連通溝と、前記第1共通流路及び前記第2共通流路と、は、前記アクチュエータプレートと前記カバープレートとが重ね合わされた重ね合わせ方向に重なり合っていることが好ましい。
本態様によれば、連通溝の深さを確保し易くなるので、各開放口を通じて非噴射チャネル内に保護膜の原料ガスを効率的に導入できる。
(8)上記(2)から(7)の何れかの態様のヘッドチップにおいて、前記第1非噴射チャネルは、前記第1方向に延びる第1延在部と、前記第1延在部から前記第1方向における前記第2チャネル領域側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなる第1切り上がり部と、を備え、前記第2非噴射チャネルは、前記第1方向に延びる第2延在部と、前記第2延在部から前記第1方向の前記第1チャネル領域側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなる第2切り上がり部と、を備え、前記第1切り上がり部は、前記共通溝を前記第1方向に横断するとともに、前記共通溝との連通部分が前記第1内側開放口を構成し、前記第2切り上がり部は、前記共通溝を前記第1方向に横断するとともに、前記共通溝との連通部分が前記第2内側開放口を構成していることが好ましい。
本態様によれば、共通溝が切り上がり部の端部で連通する場合に比べ、内側開放口の開口面積を確保し易い。これにより、各内側開放口を通じて非噴射チャネル内に保護膜の形成材料を効率的に導入できる。
(9)本態様に係る液体噴射ヘッドは、上記(1)から(7)の何れかの態様に係るヘッドチップを備えている。
本態様によれば、上記何れかの態様に係るヘッドチップを備えているので、液体による電極の短絡等を抑制して、長期に亘って優れた噴射性能を維持できる。
(10)本態様に係る液体噴射記録装置は、上記(9)の態様に係る液体噴射ヘッドを備えている。
本態様によれば、上記態様に係る液体噴射ヘッドを備えているので、液体による電極の短絡等を抑制して、長期に亘って優れた噴射性能を維持できる。
(11)本開示の一態様に係るヘッドチップの製造方法は、前記開放口を通じて前記非噴射チャネル内に前記保護膜の形成材料を導入するヘッドチップの製造方法は、第1方向に延びる噴射チャネル及び非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に配列されたアクチュエータプレートと、前記噴射チャネルに連通する液体流路を有し、前記アクチュエータプレートに重ね合わされたカバープレートと、前記噴射チャネルに前記第1方向の中央部で連通する連通孔を有し、前記アクチュエータプレートに対して前記カバープレートとは反対側に重ね合わされた連通プレートと、を備えたヘッドチップの製造方法であって、前記アクチュエータプレートにおいて、前記非噴射チャネルにおける前記第1方向の両端部には、前記非噴射チャネルの内外を連通させる開放口が形成され、前記噴射チャネルの内面及び前記非噴射チャネルの内面に保護膜を形成する保護膜形成工程を有し、前記保護膜形成工程は、前記液体流路及び前記連通孔を通じて前記噴射チャネル内に前記保護膜の形成材料を導入し、前記開放口を通じて前記非噴射チャネル内に前記保護膜の形成材料を導入する。
本態様によれば、液体流路及び連通孔を通じて噴射チャネル内に保護膜の形成材料を導入し、開放口を通じて非噴射チャネル内に保護膜の形成材料を導入することで、噴射チャネルの内面及び非噴射チャネルの内面に効果的に保護膜を形成できる。
その結果、例えば噴射チャネルや非噴射チャネル内に進入した液体等によって噴射チャネルや非噴射チャネルの内面に形成された電極が短絡等することを抑制できる。
本開示の一態様によれば、液体による電極の短絡を抑制して、長期に亘って優れた噴射性能を維持できる。
第1実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 第1実施形態に係るインクジェットヘッド及びインク循環機構の概略構成図である。 第1実施形態に係るノズルプレートを取り外した状態におけるヘッドチップを-Z側から見た斜視図である。 第1実施形態に係るヘッドチップの分解斜視図である。 第1実施形態に係るアクチュエータプレートの底面図である。 図5のVI-VI線に相当する断面図である。 図5のVII-VII線に相当する断面図である。 図7のVIII部拡大図である。 図4のIX-IX線に沿う断面図である。 第1実施形態に係るプレート接合体の拡大断面図である。 第2実施形態に係るヘッドチップの拡大断面図である。 第2実施形態の他の構成に係るヘッドチップの拡大断面図である。 変形例に係るヘッドチップの拡大断面図である。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。以下の実施形態では、インク(液体)を利用して被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
[プリンタ1]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ(液体噴射記録装置)1は、一対の搬送機構2,3と、インクタンク4と、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インク循環機構6と、走査機構7と、を備えている。
以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向(第2方向)は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向(第1方向)は走査機構7の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(重力方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向及びZ方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。本実施形態において、+Z側は重力方向の上方に相当し、-Z側は重力方向の下方に相当する。
搬送機構2,3は、被記録媒体Pを+X側に搬送する。搬送機構2,3は、例えばY方向に延びる一対のローラ11,12をそれぞれ含んでいる。
インクタンク4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクが各別に収容されている。各インクジェットヘッド5は、接続されたインクタンク4に応じてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクをそれぞれ吐出可能に構成されている。なお、インクタンク4に収容されるインクは、導電性インクであっても、非導電性インクであってもよい。
図2は、インクジェットヘッド5及びインク循環機構6の概略構成図である。
図1、図2に示すように、インク循環機構6は、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させる。具体的に、インク循環機構6は、インク供給管21及びインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。
加圧ポンプ24は、インク供給管21内を加圧し、インク供給管21を通してインクジェットヘッド5にインクを送り出している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク供給管21側は正圧となっている。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インク排出管22内を通してインクジェットヘッド5からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。インクは、加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を通して循環可能となっている。
走査機構7は、インクジェットヘッド5をY方向に往復走査させる。走査機構7は、Y方向に延びるガイドレール28と、ガイドレール28に移動可能に支持されたキャリッジ29と、を備えている。
<インクジェットヘッド5>
図1に示すように、インクジェットヘッド5は、キャリッジ29に搭載されている。図示の例では、複数のインクジェットヘッド5が、一つのキャリッジ29にY方向に並んで搭載されている。インクジェットヘッド5は、ヘッドチップ50(図3参照)と、インク循環機構6及びヘッドチップ50間を接続するインク供給部(不図示)と、ヘッドチップ50に駆動電圧を印加する制御部(不図示)と、を備えている。
<ヘッドチップ50>
図3は、ノズルプレート51を取り外した状態におけるヘッドチップ50を-Z側から見た斜視図である。図4は、ヘッドチップ50の分解斜視図である。
図3、図4に示すヘッドチップ50は、インクタンク4との間でインクを循環させるとともに、後述する吐出チャネル75における延在方向(Y方向)の中央部からインクを吐出する、いわゆる循環式サイドシュートタイプのヘッドチップ50である。ヘッドチップ50は、ノズルプレート51(図4参照)と、中間プレート(連通プレート)52と、アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、を備えている。ヘッドチップ50は、ノズルプレート51、中間プレート52、アクチュエータプレート53及びカバープレート54が、この順番にZ方向に積層された構成である。以下の説明では、Z方向のうち、ノズルプレート51からカバープレート54に向かう方向(+Z側)を裏側とし、カバープレート54からノズルプレート51に向かう方向(-Z側)を表側として説明する場合がある。
アクチュエータプレート53は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されている。アクチュエータプレート53は、例えば分極方向がZ方向で異なる2枚の圧電板を積層してなる、いわゆるシェブロン基板である。但し、アクチュエータプレート53は、分極方向がZ方向の全域で一方向な、いわゆるモノポール基板であってもよい。
図5は、アクチュエータプレート53の底面図である。
図4、図5に示すように、アクチュエータプレート53には、複数(例えば、4列)のチャネル列61~64が形成されている。各チャネル列61~64は、X方向に延びるとともに、Y方向に間隔をあけて配列されている。本実施形態において、チャネル列61~64は、第1チャネルA列(第1チャネル領域)61、第1チャネルB列(第2チャネル領域)62、第2チャネルA列(第1チャネル領域)63及び第2チャネルB列(第2チャネル領域)64である。第1チャネルA列61及び第1チャネルB列62は、第1チャネル群66を構成している。第2チャネルA列63及び第2チャネルB列64は、第2チャネル群67を構成している。
図5に示すように、アクチュエータプレート53において、各チャネル群66,67間に位置する部分には、群分離溝71が形成されている。群分離溝71は、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通するとともに、X方向に延びている。群分離溝71は、各チャネル群66,67間を分離している。なお、ヘッドチップ50は、群分離溝71に対してY方向の両側でそれぞれ同様の構成をなしている。したがって、以下の説明では、群分離溝71に対して-Y側の構成について主に説明し、+Y側の構成については適宜説明を省略する。
アクチュエータプレート53において、第1チャネルA列61及び第1チャネルB列62間に位置する部分、並びに第2チャネルA列63及び第2チャネルB列64間に位置する部分には、列分離溝72がそれぞれ形成されている。列分離溝72は、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通するとともに、X方向に延びている。列分離溝72は、群分離溝71よりもY方向の幅が狭くなっている。なお、各分離溝71,72は、X方向においてアクチュエータプレート53を貫通していない。
以下では、チャネル列61~64の構成について、第1チャネルA列61を例にして説明する。以下の説明において、各チャネル列61~64のうち、A列に関する構成には符号の末尾にAを付し、B列に関する構成には符号の末尾にBを付して、A列及びB列で同一又は対応する構成について説明を省略する場合がある。また、各チャネル列61~64において、A列及びB列を区別する必要がない場合は、符号の末尾のA又はBを省略する。
第1チャネルA列61は、アクチュエータプレート53のうち列分離溝72に対して群分離溝71とは反対側(-Y側)に形成されている。第1チャネルA列61は、インクが充填される吐出チャネル(第1噴射チャネル)75Aと、インクが充填されない非吐出チャネル(第1非噴射チャネル)76Aと、を有している。各チャネル75A,76Aは、Z方向から見た平面視において、それぞれY方向に直線状に延びるとともに、X方向に間隔をあけて交互に並んでいる。アクチュエータプレート53のうち、吐出チャネル75A及び非吐出チャネル76A間に位置する部分は、吐出チャネル75A及び非吐出チャネル76A間をX方向で仕切る駆動壁70(図4参照)を構成している。なお、本実施形態では、チャネル延在方向がY方向に一致する構成について説明するが、チャネル延在方向がY方向に交差していてもよい。
図6は、図5のVI-VI線に相当する断面図である。
図6に示すように、吐出チャネル75Aは、X方向から見た側面視において、表面側に向けて凸の湾曲形状に形成されている。吐出チャネル75は、例えば円板状のダイサーをアクチュエータプレート53の裏面側(+Z側)から進入させることで形成される。具体的に、吐出チャネル75Aは、Y方向の両端部に位置する切り上がり部75aと、各切り上がり部75a間に位置する貫通部75bと、を有している。
切り上がり部75aは、X方向から見て例えばダイサーの曲率半径に倣って延びる曲率半径が一様な円弧状である。切り上がり部75aは、Y方向において貫通部75bから離れるに従い裏側に向けて湾曲しながら延びている。
貫通部75bは、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通している。
図7は、図5のVII-VII線に相当する断面図である。
図7に示すように、非吐出チャネル76Aは、駆動壁70を間に挟んで吐出チャネル75AとX方向で隣り合っている。非吐出チャネル76Aは、例えば円板状のダイサーをアクチュエータプレート53の裏面側(+Z側)から進入させることで形成される。非吐出チャネル76Aは、貫通部(第1延在部)76aと、切り上がり部(第1切り上がり部)76bと、を備えている。
貫通部76aは、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通している。すなわち、貫通部76aは、Z方向における溝深さが一様に形成されている。貫通部76aは、非吐出チャネル76のうち+Y側端部以外の部分を構成している。
切り上がり部76bは、非吐出チャネル76のうち+Y側端部を構成している。切り上がり部76bは、X方向から見て例えばダイサーの曲率半径に倣って延びる曲率半径が一様な円弧状である。切り上がり部76bは、Y方向において貫通部76aから離れるに従い裏側に向けて湾曲しながら延びている。
図6、図7に示すように、非吐出チャネル76AのY方向の寸法は、吐出チャネル75Aよりも長くなっている。具体的に、非吐出チャネル76Aのうち、貫通部76aの-Y側端部が吐出チャネル75Aよりも-Y側に位置し、切り上がり部76bの+Y側端部が吐出チャネル75Aよりも+Y側に位置している。
図5に示すように、第1チャネルB列62は、アクチュエータプレート53において群分離溝71と列分離溝72との間に設けられている。第1チャネルB列62は、上述した第1チャネルA列61と同様に吐出チャネル(第2噴射チャネル)75B及び非吐出チャネル(第2非噴射チャネル)76BがX方向に交互に並んだ構成である。具体的に、吐出チャネル75B及び非吐出チャネル76Bは、吐出チャネル75A及び非吐出チャネル76Aの配列ピッチに対して半ピッチずれて配列されている。したがって、本実施形態のインクジェットヘッド5では、第1チャネルA列61及び第1チャネルB列62の吐出チャネル75同士、並びに第1チャネルA列61及び第1チャネルB列62の非吐出チャネル76同士が千鳥状(互い違い)に配置されている。すなわち、隣り合うチャネル列61,62間において、吐出チャネル75及び非吐出チャネル76同士がY方向で向かい合っている。但し、各チャネル列61,62間において、吐出チャネル75同士及び非吐出チャネル76同士がY方向で向かい合って配置されていてもよい。なお、各チャネル列61~64は、第1チャネルA列61の吐出チャネル75A及び非吐出チャネル76Aの配列ピッチに対してそれぞれ1/4ピッチ毎ずれて配列されていてもよい。
各チャネル列61,62において、吐出チャネル75は、列分離溝72におけるY方向の中心を通るXZ平面に対して面対称に形成されている。
各チャネル列61,62において、非吐出チャネル76は、列分離溝72におけるY方向の中心を通るXZ平面に対して面対称に形成されている。
アクチュエータプレート53のうち、第1チャネルA列61の吐出チャネル75A(貫通部75b)に対して-Y側に位置する部分は、第1外側領域81を構成している。アクチュエータプレート53のうち、第1チャネルA列61の吐出チャネル75Aに対して+Y側に位置する部分と、列分離溝72と、の間に位置する部分は、第1内側領域82を構成している。
アクチュエータプレート53のうち、第1チャネルB列62の吐出チャネル75Bに対して-Y側に位置する部分と、列分離溝72と、の間に位置する部分は、第2内側領域85を構成している。アクチュエータプレート53のうち、第1チャネルB列62の吐出チャネル75Bに対して+Y側に位置する部分と、群分離溝71と、の間に位置する部分は、第2外側領域86を構成している。
図7に示すように、第1チャネルA列61において、非吐出チャネル76Aの貫通部76aは、第1外側領域81をY方向及びZ方向に貫通している。貫通部76aのうち、第1外側領域81の外面上での開口部は、非吐出チャネル76Aの内外を連通させる開放口(第1外側開放口)53aを構成している。
図8は、図7のVIII部拡大図である。
図8に示すように、第1チャネルA列61において、非吐出チャネル76Aの切り上がり部76bは、列分離溝72をY方向に横断している。したがって、切り上がり部76bの一部(+Y側端部)は、第1チャネルB列62の第2内側領域85に達している。具体的に、非吐出チャネル76Aの切り上がり部76bのうち第1内側領域82に位置する部分は、貫通部76aと列分離溝72とを連通させる連通部90Aを構成している。連通部90Aは、開放口(第1内側開放口)90aAを通じて列分離溝72内に開放されている。非吐出チャネル76Aの切り上がり部76bのうち第2内側領域85に達する部分は、列分離溝72によって分断された分断部91Aを構成している。
図6に示すように、第1チャネルB列62において、非吐出チャネル76Bの貫通部76aは、第2外側領域86をY方向及びZ方向に貫通している。貫通部76aのうち、第2外側領域86の外面上での開口部は、非吐出チャネル76Bの内外を連通させる開放口(第2外側開放口)53bを構成している。
図8に示すように、第1チャネルB列62において、非吐出チャネル76Bの切り上がり部(第2切り上がり部)76bは、列分離溝72をY方向に横断している。したがって、切り上がり部76bの一部(-Y側端部)は、第1チャネルA列61の第1内側領域82に達している。具体的に、第1チャネルB列62を構成する切り上がり部76bのうち第2内側領域85に位置する部分は、貫通部(第2延在部)76aと列分離溝72とを連通させる連通部90Bを構成している。連通部90Bは、開放口90aBを通じて列分離溝72内に開放されている。非吐出チャネル76Bの切り上がり部76bのうち第1内側領域82に達する部分は、列分離溝72によって分断された分断部91Bを構成している。なお、切り上がり部76bは、少なくとも列分離溝72内に連通する構成であれば、列分離溝72を横断していなくてもよい。すなわち、切り上がり部76bは、分断部91を有さない構成であってもよい。
図9は、図4のIX-IX線に沿う断面図である。
図9に示すように、アクチュエータプレート53の駆動壁70のうち、各吐出チャネル75に面する内側面(吐出チャネル75の内面のうち、X方向で対向する面)には、共通電極95がそれぞれ形成されている。共通電極95は、吐出チャネル75の内側面においてZ方向の全域に亘って形成されている。共通電極95は、Y方向における長さが吐出チャネル75の貫通部75bと同等(アクチュエータプレート53の表面における吐出チャネル75の開口長と同等)とされている。
図5に示すように、アクチュエータプレート53の表面には、複数の共通端子96が形成されている。共通端子96は、Y方向に沿って互いに平行に延在する帯状とされている。各共通端子96は、対応する吐出チャネル75の開口縁において一対の共通電極95にそれぞれ接続されている。各共通端子96は、対応する外側領域81,86内で終端している。
図9に示すように、アクチュエータプレート53の駆動壁70のうち、各非吐出チャネル76に面する内側面(非吐出チャネル76のうち、X方向で対向する面)には、個別電極97が形成されている。個別電極97は、非吐出チャネル76の内側面において、Z方向の全域に亘って形成されている。
図5に示すように、外側領域81,86の表面において、共通端子96よりもY方向の外側に位置する部分には、個別端子98が形成されている。個別端子98は、X方向に延在する帯状とされている。個別端子98は、吐出チャネル75を間に挟んでX方向で対向する非吐出チャネル76の開口縁において、吐出チャネル75を間に挟んでX方向で対向する個別電極97同士を接続している。なお、外側領域81,86において、共通端子96と個別端子98との間に位置する部分には、区画溝99が形成されている。区画溝99は、各外側領域81,86において、X方向に延びている。区画溝99は、共通端子96と個別端子98とを分離している。なお、図3、図4等については、各電極95,97及び各端子96,98は一部のみ示している。
図6に示すように、第1外側領域81の表面には、第1フレキシブルプリント基板100が圧着されている。第1フレキシブルプリント基板100は、第1外側領域81の表面において、第1チャネルA列61に対応する共通端子96と個別端子98に接続されている。第1フレキシブルプリント基板100は、アクチュエータプレート53の外側を通って+Z側に引き出されている。
第2外側領域86の表面には、第2フレキシブルプリント基板101が圧着されている。第2フレキシブルプリント基板101は、第2外側領域86の表面において、第1チャネルB列62に対応する共通端子96と個別端子98に接続されている。第2フレキシブルプリント基板101は、群分離溝71内を通じて+Z側に引き出されている。
図9に示すように、吐出チャネル75の内面には、第1保護膜110が形成されている。第1保護膜110は、吐出チャネル75の内面全体に亘って形成されている。第1保護膜110は、共通電極95を覆っている。第1保護膜110は、例えば共通電極95とインクとの接触を抑制する。なお、第1保護膜110は、吐出チャネル75の内側面において、少なくとも共通電極95を覆っていればよい。
非吐出チャネル76の内面には、第2保護膜111が形成されている。第2保護膜111は、非吐出チャネル76の内面全体に亘って形成されている。第2保護膜111は、個別電極97を覆っている。第2保護膜111は、例えば個別電極97とインクとの接触等を抑制する。なお、第2保護膜111は、非吐出チャネル76の内側面において、少なくとも個別電極97を覆っていればよい。
保護膜110,111は、例えば、パラキシリレン系樹脂材料(例えば、パリレン(登録商標))等の有機絶縁材料を含んでいる。保護膜PFは、酸化タンタル(Ta2O5)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、酸化シリコン(SiO2)又はダイヤモンドライクカーボン(Diamond-like carbon)等により構成されていてもよく、これらの少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。
<カバープレート54>
図3、図4に示すように、カバープレート54は、各チャネル群66,67を閉塞するようにアクチュエータプレート53の裏面に接着されている。カバープレート54において、各チャネル列61~64と対応する位置には、入口共通インク室120及び出口共通インク室121がそれぞれ形成されている。
入口共通インク室120は、例えば第1チャネルA列61において吐出チャネル75Aの+Y側端部と平面視で重なる位置に形成されている。入口共通インク室120は、例えば第1チャネルA列61を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の裏面上で開口している。
出口共通インク室121は、例えば第1チャネルA列61において吐出チャネル75Aの-Y側端部と平面視で重なる位置に形成されている。入口共通インク室120は、チャネルA列61を跨る長さでX方向に延びるとともに、カバープレート54の裏面上で開口している。
入口共通インク室120において、第1チャネルA列61の吐出チャネル75Aと対応する位置には、入口スリット(第1液体流路、第2液体流路)125が形成されている。入口スリット125は、各吐出チャネル75Aの+Y側端部と、入口共通インク室120内と、の間を各別に連通している。
出口共通インク室121において、第1チャネルA列61の吐出チャネル75Aと対応する位置には、出口スリット(第1液体流路、第2液体流路)126が形成されている。出口スリット126は、各吐出チャネル75Aの-Y側端部と、出口共通インク室121内と、の間を各別に連通している。したがって、入口スリット125及び出口スリット126は、それぞれ各吐出チャネル75Aに連通する一方、非吐出チャネル76Aには連通していない。
カバープレート54において、隣り合う入口共通インク室(第1共通流路、第2共通流路)120の間は、梁部128を構成している。梁部128は、X方向に沿って直線状に延びている。梁部128は、隣り合う入口共通インク室120の間を仕切っている。
図8に示すように、カバープレート54(梁部128)の表面において、列分離溝72と平面視で重なる位置には、連通溝127が形成されている。連通溝127は、カバープレート54の表面上で開口して、列分離溝72内に連通している。連通溝127は、チャネル列61~64を横断する長さでX方向に延びている。連通溝127のY方向における寸法は、列分離溝72よりも長くなっている。したがって、連通溝127は、アクチュエータプレート53の裏面上で非吐出チャネル76の連通部90に連通している。
<中間プレート52>
中間プレート52は、各チャネル群66,67を閉塞するようにアクチュエータプレート53の表面に接着されている。中間プレート52は、アクチュエータプレート53と同様にPZT等の圧電材料により形成されている。中間プレート52は、Z方向での厚さがアクチュエータプレート53よりも薄い。中間プレート52は、Y方向の寸法がアクチュエータプレート53よりも短くなっている。したがって、中間プレート52に対してY方向の両側には、アクチュエータプレート53におけるY方向の両端部(例えば、第1外側領域81)が露出する。アクチュエータプレート53におけるY方向の両端部において、中間プレート52から露出した部分は、フレキシブルプリント基板100,101の圧着領域として機能する。
中間プレート52において、各吐出チャネル75の貫通部75bと平面視で重なり合う部分には、連通孔130が形成されている。連通孔130は、吐出チャネル75Aに連通するA列連通孔130A、及び吐出チャネル75Bに連通するB列連通孔130Bである。連通孔130は、アクチュエータプレート53の表面側において、対応する吐出チャネル75の貫通部75b内に各別に連通している。連通孔130は、Y方向を長手方向とする長円形状に形成されている。連通孔130におけるY方向の寸法は、貫通部75bよりも短い。一方、連通孔130におけるX方向の寸法は、貫通部75bよりも広い。但し、連通孔130におけるX方向の寸法は、貫通部75bよりも短くてもよい。
中間プレート52において、平面視で群分離溝71と重なる位置には、第1開放溝131が形成されている。第1開放溝131は、群分離溝71を開放させるとともに、第1チャネルB列62の第2外側領域86及び第2チャネルA列63の第1外側領域81を露出させる。第1開放溝131は、群分離溝71と同等の長さを有するX方向に延びる帯状に形成されている。
中間プレート52において、平面視で列分離溝72と重なる位置には、第2開放溝132が形成されている。第2開放溝132は、少なくとも列分離溝72を開放させる。第2開放溝132は、列分離溝72と同等の長さを有するX方向に延びる帯状に形成されている。なお、第2開放溝132のY方向の長さは、列分離溝72の少なくとも一部が第2開放溝132を通じて開放される構成であれば、列分離溝72よりも狭くても広くてもよい。本実施形態において、第2開放溝132及び列分離溝72のY方向の長さは、それぞれ同等になっている。
図4に示すように、ノズルプレート51は、中間プレート52の表面に接着等によって固定されている。ノズルプレート51は、Y方向における幅が中間プレート52と同等になっている。本実施形態において、ノズルプレート51は、ポリイミド等の樹脂材料により厚さが50μm程度に形成されている。但し、ノズルプレート51は、樹脂材料の他、金属材料(SUSやNi-Pd等)、ガラス、シリコン等による単層構造、又は積層構造であってもよい。
ノズルプレート51には、X方向に延びるノズル列(第1ノズルA列141、第1ノズルB列142、第2ノズルA列143及び第2ノズルB列144)がY方向に間隔をあけて4列形成されている。
各ノズル列141~144は、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数のノズル孔(第1ノズルA孔145、第1ノズルB孔146、第2ノズルA孔147及び第2ノズルB孔148)を有している。各ノズル孔145~148は、それぞれX方向に間隔をあけて配置されている。各ノズル孔145~148は、例えば裏側から表側に向かうに従い内径が漸次縮小するテーパ状に形成されている。各ノズル孔145~148の最大内径は、吐出チャネル75のY方向の幅と同等になっている。
図6、図9に示すように、第1ノズルA孔145は、第1チャネルA列61の吐出チャネル75AのうちY方向の中央部に、A列連通孔(第1連通孔)130Aを通じて各別に連通している。第1ノズルB孔146は、第1チャネルB列62の吐出チャネル75BのうちY方向の中央部に、B列連通孔(第2連通孔)130Bを通じて各別に連通している。第2ノズルA孔147は、第2チャネルA列63の吐出チャネル75AのうちY方向の中央部に、A列連通孔130Aを通じて各別に連通している。第2ノズルB孔148は、第2チャネルB列64の吐出チャネル75BのうちY方向の中央部に、B列連通孔130Bを通じて各別に連通している。したがって、各非吐出チャネル76は、ノズル孔145~148には連通しておらず、ノズルプレート51により表面側から覆われている。
[プリンタ1の動作方法]
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環機構6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、被記録媒体Pが搬送機構2,3のローラ11,12に挟み込まれながら+X側に搬送される。また、これと同時にキャリッジ29がY方向に移動することで、キャリッジ29に搭載されたインクジェットヘッド5がY方向に往復移動する。
インクジェットヘッド5が往復移動する間に、各インクジェットヘッド5よりインクを被記録媒体Pに適宜吐出させる。これにより、被記録媒体Pに対して文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド5の動きについて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のような循環式サイドシュートタイプのインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、入口共通インク室120及び入口スリット125を通して各吐出チャネル75内に供給される。各吐出チャネル75内に供給されたインクは、各吐出チャネル75をY方向に流通する。その後、インクは、出口スリット126を通じて出口共通インク室121に排出された後、インク排出管22を通してインクタンク4に戻される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させることができる。
そして、キャリッジ29(図1参照)の移動によってインクジェットヘッド5の往復移動が開始されると、フレキシブルプリント基板100,101を介して電極95,97に駆動電圧が印加される。この際、個別電極97を駆動電位Vddとし、共通電極95を基準電位GNDとして各電極95,97間に駆動電圧を印加する。すると、吐出チャネル75を画成する2つ駆動壁70に厚み滑り変形が生じ、これら2つの駆動壁70が非吐出チャネル76側へ突出するように変形する。すなわち、各電極95,97間に電圧を印加することで、駆動壁70がZ方向の中間部分を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル75の容積が増大する。そして、吐出チャネル75の容積が増大したことにより、入口共通インク室120内に貯留されたインクが入口スリット125を通じて吐出チャネル75内に誘導される。吐出チャネル75の内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル75の内部に伝播する。圧力波がノズル孔145~148に到達したタイミングで、電極95,97間に印加した電圧をゼロにする。これにより、駆動壁70が復元し、一旦増大した吐出チャネル75の容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル75の内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、液滴状のインクが連通孔130及びノズル孔145~148を通って外部に吐出されることで、上述したように被記録媒体Pに文字や画像等を記録することができる。
<ヘッドチップ50の製造方法>
次に、上述したヘッドチップ50の製造方法について説明する。以下の説明では、便宜上、ヘッドチップ50をチップレベルで製造する場合を例にして説明する。図10は、プレート接合体200の拡大側面図である。
ヘッドチップ50の製造方法は、重ね合わせ工程と、保護膜形成工程と、ノズルプレート貼付工程と、を備えている。なお、各プレート51~54には、重ね合わせ工程以前に必要な加工は既に施しているものとする。
重ね合わせ工程では、アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、中間プレート52と、を接着剤等により貼り合わせる。この際、アクチュエータプレート53とカバープレート54とは、各チャネル列61~64の吐出チャネル75が対応するスリット125,126に連通するように貼り合わせる。また、アクチュエータプレート53と中間プレート52とは、各チャネル列61~64の吐出チャネル75が対応する連通孔130に連通するように貼り合わせる。アクチュエータプレート53と、カバープレート54と、中間プレート52と、が貼り合わされることで、プレート接合体200が形成される。この状態において、吐出チャネル75は、スリット125,126及び連通孔130を通じて吐出チャネル75の外部に連通する。非吐出チャネル76は、外側領域81,86において貫通部76aが非吐出チャネル76の外部に連通し、列分離溝72及び第2開放溝132を通じて開放口90aが非吐出チャネル76の外部に連通している。
保護膜形成工程では、吐出チャネル75に第1保護膜110を形成するとともに、非吐出チャネル76の内面に保護膜111を形成する。保護膜110,111は、例えば化学蒸着法(CVD)等を用いてパラキシリレン系樹脂材料を成膜することにより行う。具体的には、プレート接合体200をチャンバ(不図示)にセットした状態で、保護膜110,111の形成材料となる原料ガスを導入する。この際、吐出チャネル75には、スリット125,126や連通孔130を通じて原料ガスが導入される。すなわち、原料ガスは、共通インク室120,121及びスリット125,126を通じて吐出チャネル75のY方向の両端部から導入される(矢印Q1a参照)。原料ガスは、連通孔130を通じて吐出チャネル75のY方向の中央部から導入される(矢印Q1b参照)。吐出チャネル75内に導入された原料ガスが吐出チャネル75の内面に付着することで、吐出チャネル75の内面上に第1保護膜110が堆積する。
非吐出チャネル76には、貫通部76aや連通部90を通じて原料ガスが導入される。すなわち、原料ガスは、貫通部76aのうち外側領域81,86で開放された部分(開放口53a,53b)を通じて非吐出チャネル76内に導入される(矢印Q2a参照)。原料ガスは、第2開放溝132及び列分離溝72内に進入した後、開放口90aを通じて非吐出チャネル76内に導入される(矢印Q2b参照)。また、列分離溝72内に進入した原料ガスは、連通溝127内に進入した後、アクチュエータプレート53の裏面側から開放口90aを通じて非吐出チャネル76内に導入される。非吐出チャネル76内に導入された原料ガスが非吐出チャネル76の内面に付着することで、第2保護膜111が堆積される。なお、保護膜形成工程では、少なくともチャネル75,76の内面に保護膜110,111が形成されれば、チャネル75,76の内面以外の部分に保護膜が堆積されてもよい。
その後、ノズルプレート貼付工程では、ノズル孔145~148が対応するチャネル列61~64の吐出チャネル75に連通孔130を通じて連通するように、ノズルプレート51とアクチュエータプレート53とを貼り合わせる。
以上により、ヘッドチップ50が製造される。
なお、ヘッドチップ50は、ウエハレベルで製造してもよい。ウエハレベルで製造する場合には、まず複数のアクチュエータプレート53が連なるアクチュエータウエハと、複数のカバープレート54が連なるカバーウエハと、複数の中間プレート52が連なる中間ウエハと、を接合してウエハ接合体を形成する。その後、ウエハ接合体に対して保護膜110,111を形成した後、ウエハ接合体を切断することにより複数のヘッドチップ50が形成される。
このように、本実施形態では、同一のチャネル群(例えば、第1チャネル群66)において、第1チャネルA列61の吐出チャネル75及び非吐出チャネル76の内面、第1チャネルB列62の吐出チャネル75及び非吐出チャネル76の内面に、保護膜110,111がそれぞれ形成されている構成とした。
この構成によれば、吐出チャネル75及び非吐出チャネル76の内面に保護膜110,111が形成されることで、吐出チャネル75及び非吐出チャネル76の内面に形成される電極95,97とインクとの接触を抑制できる。これにより、各電極95,97がインクによって短絡するのを抑制し、長期に亘って優れた吐出性能を維持できる。
特に、本実施形態では、アクチュエータプレート53において、第1チャネルA列61の非吐出チャネル76AにおけるY方向の両端部には、非吐出チャネル76Aの内外を連通させるとともに、第2保護膜111の形成材料を非吐出チャネル76A内に導入可能な開放口53a,90aAが形成されている。一方、アクチュエータプレート53において、第1チャネルB列62の非吐出チャネル76BにおけるY方向の両端部には、非吐出チャネル76Bの内外を連通させるとともに、第2保護膜111の形成材料を非吐出チャネル76B内に導入可能な開放口53b,90aBが形成されている構成とした。
この構成によれば、開放口53a,90aA及び開放口53b,90aBを通じて非吐出チャネル76内に第2保護膜111の形成材料を導入することで、非吐出チャネル76の内面にも効果的に第2保護膜111を形成できる。
その結果、例えば非吐出チャネル76内に進入したインク等によって非吐出チャネル76の内面に形成された電極が短絡等することを抑制できる。
しかも、本実施形態では、スリット125,126及び連通孔130を通じて吐出チャネル75内に第1保護膜110の形成材料を導入し、開放口53a,53b,90aを通じて非吐出チャネル76内に第2保護膜111の形成材料を導入する。これにより、吐出チャネル75の内面及び非吐出チャネル76の内面に効果的に保護膜110,111を形成できる。
本実施形態において、アクチュエータプレート53及び中間プレート52には、第1チャネルA列61における非吐出チャネル76Aの開放口90aAと、第1チャネルB列62における非吐出チャネル76Bの開放口90aBと、を連通させる列分離溝72及び第2開放溝132が形成されている構成とした。
この構成によれば、第2保護膜111の原料ガスが列分離溝72及び第2開放溝132から開放口90aを経て各非吐出チャネル76内に導入される。これにより、各開放口90aを通じて各非吐出チャネル76内に個別に保護膜の形成材料を導入する場合に比べ、効率的に第2保護膜111を形成することができる。
本実施形態において、カバープレート54には、列分離溝72に連通する連通溝127が形成されている構成とした。
この構成によれば、プレート接合体200において、各開放口90aに至る空間の圧力損失が小さくできるので、各開放口90aを通じて非吐出チャネル76内に第2保護膜111の原料ガスを効率的に導入できる。
本実施形態において、連通溝127におけるX方向の幅は、列分離溝72よりも広くなっており、連通溝127は、アクチュエータプレート53の裏面側から開放口90aに連通している。
この構成によれば、列分離溝72を通過して連通溝127内に進入した第2保護膜111の原料ガスは、アクチュエータプレート53の裏面側から開放口90aを経て各非吐出チャネル76内に導入される。これにより、各非吐出チャネル76内には、列分離溝72を通じて直接的、又は連通溝127を通じて間接的に第2保護膜111の原料ガスが導入される。その結果、非吐出チャネル76の内面に効率的に第2保護膜111を形成することができる。
本実施形態では、カバープレート54において、隣り合う入口共通インク室120の間に梁部128が設けられている構成とした。
この構成によれば、梁部128によってカバープレート54の強度を確保し易くなる。そのため、アクチュエータプレート53とカバープレート54とを貼り合わせる際に、アクチュエータプレート53とカバープレート54との間に貼り合わせ荷重を効果的に付与することができる。その結果、アクチュエータプレート53とカバープレート54とを確実に接合し、アクチュエータプレート53とカバープレート54との間を通じたインクの漏れ等を抑制できる。
また、梁部128に連通溝127を形成することで、連通溝127の深さを確保し易くなる。そのため、各開放口90aを通じて非吐出チャネル76内に第2保護膜111の原料ガスを効率的に導入できる。
本実施形態において、第1チャネルA列61の切り上がり部76bは、列分離溝72をY方向に横断するとともに、列分離溝72との連通部分が開放口90aAを構成し、第1チャネルB列62の切り上がり部76bは、列分離溝72をY方向に横断するとともに、列分離溝72との連通部分が開放口90aBを構成している。
この構成によれば、列分離溝72が切り上がり部76bの端部で連通する場合に比べ、開放口の開口面積を確保し易い。これにより、各開放口90aを通じて非吐出チャネル76内に第2保護膜111の原料ガスを効率的に導入できる。
本実施形態のインクジェットヘッド5及びプリンタ1では、上述したヘッドチップ50を備えているので、インクによる電極の短絡を抑制して、長期に亘って優れた吐出性能を維持できる。
(第2実施形態)
図11に示すヘッドチップ50において、連通溝127は、梁部128のY方向の中央部に設けられている。連通溝127におけるY方向の幅D1は、梁部128におけるY方向の幅D2よりも狭い。したがって、梁部128の表面において、連通溝127に対して外側に位置する部分は、アクチュエータプレート53に接合される受圧領域T1として機能する。なお、入口共通インク室120の底面は、連通溝127の頂面よりも裏面側に位置している。したがって、入口共通インク室120と連通溝127とは、Z方向にずれて配置されている(重なり合っていない。)。
本実施形態では、梁部128のうち、連通溝127に対して外側に位置する部分に受圧領域T1が設けられている。受圧領域T1は、アクチュエータプレート53とカバープレート54とを貼り合わせる際に、アクチュエータプレート53とカバープレート54との間に作用する荷重を受ける受圧面として機能する。これにより、アクチュエータプレート53とカバープレート54との間に貼り合わせ荷重を効果的に付与することができる。その結果、アクチュエータプレートとカバープレートとをより確実に接合できる。
図12に示すように、入口共通インク室120と連通溝127とは、Z方向に重なり合ってもよい。これにより、連通溝127の深さを確保し易くなるので、各開放口90aを通じて非吐出チャネル76内に第2保護膜111の原料ガスを効率的に導入できる。
なお、本開示の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であってもよい。
上述した実施形態では、印刷時にインクジェットヘッドが被記録媒体に対して移動する構成(いわゆる、シャトル機)を例にして説明をしたが、この構成に限られない。本開示に係る構成は、インクジェットヘッドを固定した状態で、インクジェットヘッドに対して被記録媒体を移動させる構成(いわゆる、固定ヘッド機)に採用してもよい。
上述した実施形態では、被記録媒体Pが紙の場合について説明したが、この構成に限られない。被記録媒体Pは、紙に限らず、金属材料や樹脂材料であってもよく、食品等であってもよい。
上述した実施形態では、液体噴射ヘッドが液体噴射記録装置に搭載された構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、液体噴射ヘッドから噴射される液体は、被記録媒体に着弾させるものに限らず、例えば調剤中に配合する薬液や、食品に添加する調味料や香料等の食品添加物、空気中に噴射する芳香剤等であってもよい。
上述した実施形態では、Z方向が重力方向に一致する構成について説明したが、この構成のみに限らず、Z方向を水平方向に沿わせてもよい。
上述した実施形態では、第1チャネルA列61及び第1チャネルB列62(若しくは第2チャネルA列63及び第2チャネルB列64)において、第1チャネルA列61の非吐出チャネル76と第1チャネルB列62の非吐出チャネル76が共通の列分離溝72で開口する構成とした。但し、第1チャネルA列61の非吐出チャネル76と第1チャネルB列62の非吐出チャネル76は、それぞれ別の溝を通じて非吐出チャネル76の内外を連通させてもよい。
上述した実施形態では、カバープレート54において、連通溝127の幅が列分離溝72よりも広い構成について説明したが、連通溝127の幅は列分離溝72よりも広くても狭くてもよい。また、カバープレート54は、連通溝127を有さない構成であってもよい。
上述した実施形態では、非吐出チャネル76は、両端部において外部に連通してれば、開放口53a,90a以外の部分を通じて連通していてもよい。
上述した実施形態では、電極保護用の保護膜を例にして説明したが、電極の有無に限らず、保護膜を形成してもよい。
上述した実施形態では、各チャネル列毎に入口共通インク室120が設けられている構成について説明したが、この構成に限られない。例えば図13に示すように、隣り合うチャネル列61,62について、一つの入口共通インク室120を共用してもよい。この場合、入口共通インク室120には、一のチャネル列61の吐出チャネル75Aに連通する入口スリット125と、他のチャネル列62の吐出チャネル75Bに連通する入口スリット125と、が開口する。このような構成においても、カバープレート54の表面において、列分離溝72と平面視で重なる位置(入口共通インク室120に対して-Z側に位置する部分)に、連通溝127を形成することができる。
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射記録装置)
5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
50…ヘッドチップ
52…中間プレート(連通プレート)
53…アクチュエータプレート
53a…開放口(第1開放口、第1外側開放口、開放口)
53b…開放口(第2開放口、第2外側開放口、開放口)
54…カバープレート
61…第1チャネルA列(第1チャネル領域)
62…第1チャネルB列(第2チャネル領域)
63…第2チャネルA列(第1チャネル領域)
64…第2チャネルB列(第2チャネル領域)
72…列分離溝(共通溝)
75……吐出チャネル(第1噴射チャネル、第2噴射チャネル、噴射チャネル)
75A…吐出チャネル(第1噴射チャネル、噴射チャネル)
75B…吐出チャネル(第2噴射チャネル、噴射チャネル)
76…非吐出チャネル(第1非噴射チャネル、第2非噴射チャネル、非噴射チャネル)
76A…非吐出チャネル(第1非噴射チャネル、噴射チャネル)
76B…非吐出チャネル(第2非噴射チャネル、噴射チャネル)
76a…貫通部(第1延在部、第2延在部)
76b…切り上がり部(第1切り上がり部、第2切り上がり部)
90a…開放口(開放口、第1内側開放口、第2内側開放口)
90aA…開放口(第1開放口、第1内側開放口、開放口)
90aB…開放口(第2開放口、第2内側開放口、開放口)
110…第1保護膜(保護膜)
111…第2保護膜(保護膜)
120…入口共通インク室(第1共通流路、第2共通流路)
125…入口スリット(第1液体流路、第2液体流路、液体流路)
126…出口スリット(第1液体流路、第2液体流路、液体流路)
127…連通溝
128…梁部
130A…連通孔(第1連通孔、連通孔)
130B…連通孔(第2連通孔、連通孔)

Claims (11)

  1. 第1方向に延びる第1噴射チャネル及び第1非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に配列された第1チャネル領域、並びに前記第1方向に延びる第2噴射チャネル及び第2非噴射チャネルが前記第2方向に配列された第2チャネル領域が前記第1方向に並んで設けられたアクチュエータプレートと、
    前記第1噴射チャネルに連通する第1液体流路、及び前記第2噴射チャネルに連通する第2液体流路を有し、前記アクチュエータプレートに重ね合わされたカバープレートと、 前記第1噴射チャネルに前記第1方向の中央部で連通する第1連通孔、及び前記第2噴射チャネルに前記第1方向の中央部で連通する第2連通孔を有し、前記アクチュエータプレートに対して前記カバープレートとは反対側に重ね合わされた連通プレートと、を備え、
    前記第1噴射チャネルの内面、前記第1非噴射チャネルの内面、前記第2噴射チャネルの内面及び前記第2非噴射チャネルの内面には、保護膜がそれぞれ形成され、
    前記アクチュエータプレートにおいて、前記第1非噴射チャネルにおける前記第1方向の両端部には、前記第1非噴射チャネルの内外を連通させる第1開放口が形成され、
    前記アクチュエータプレートにおいて、前記第2非噴射チャネルにおける前記第1方向の両端部には、前記第2非噴射チャネルの内外を連通させる第2開放口が形成されているヘッドチップ。
  2. 前記第1開放口は、
    前記第1非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第2チャネル領域側の端部に位置する第1内側開放口と、
    前記第1非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第2チャネル領域側と反対側の端部に位置する第1外側開放口と、を含み、
    前記第2開放口は、
    前記第2非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第1チャネル領域側の端部に位置する第2内側開放口と、
    前記第2非噴射チャネルのうち前記第1方向における前記第1チャネル領域側と反対側の端部に位置する第2外側開放口と、を含み、
    前記アクチュエータプレート及び前記連通プレートのうち、前記第1方向における前記第1チャネル領域と前記第2チャネル領域との間に位置する境界部分には、複数の前記第1非噴射チャネルにおける前記第1内側開放口、及び複数の前記第2非噴射チャネルの前記第2内側開放口を連通させるとともに、前記第2方向に延びる共通溝が形成されている請求項1に記載のヘッドチップ。
  3. 前記カバープレートには、前記共通溝に連通する連通溝が形成されている請求項2に記載のヘッドチップ。
  4. 前記連通溝における前記第1方向の幅は、前記共通溝よりも広くなっており、
    前記連通溝は、前記アクチュエータプレートに対して前記連通プレートとは反対側から前記第1内側開放口及び前記第2内側開放口に連通している請求項3に記載のヘッドチップ。
  5. 前記カバープレートは、
    複数の前記第1液体流路にまとめて連通する第1共通流路と、
    複数の前記第2液体流路にまとめて連通する第2共通流路と、を備え、
    前記カバープレートのうち、前記第1液体流路及び前記第2共通流路の間に位置する部分は、前記第1共通流路及び前記第2共通流路間を仕切るとともに、前記第2方向に延びる梁部を構成している請求項3又は請求項4に記載のヘッドチップ。
  6. 前記連通溝は、前記梁部に形成され、
    前記連通溝における前記第1方向の幅は、前記梁部における前記第1方向の幅よりも狭い請求項5に記載のヘッドチップ。
  7. 前記連通溝と、前記第1共通流路及び前記第2共通流路と、は、前記アクチュエータプレートと前記カバープレートとが重ね合わされた重ね合わせ方向に重なり合っている請求項6に記載のヘッドチップ。
  8. 前記第1非噴射チャネルは、
    前記第1方向に延びる第1延在部と、
    前記第1延在部から前記第1方向における前記第2チャネル領域側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなる第1切り上がり部と、を備え、
    前記第2非噴射チャネルは、
    前記第1方向に延びる第2延在部と、
    前記第2延在部から前記第1方向の前記第1チャネル領域側に向かうに従い溝深さが漸次浅くなる第2切り上がり部と、を備え、
    前記第1切り上がり部は、前記共通溝を前記第1方向に横断するとともに、前記共通溝との連通部分が前記第1内側開放口を構成し、
    前記第2切り上がり部は、前記共通溝を前記第1方向に横断するとともに、前記共通溝との連通部分が前記第2内側開放口を構成している請求項2から請求項7の何れか1項に記載のヘッドチップ。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1項に記載のヘッドチップを備えている液体噴射ヘッド。
  10. 請求項9に記載の液体噴射ヘッドを備えている液体噴射記録装置。
  11. 第1方向に延びる噴射チャネル及び非噴射チャネルが前記第1方向に交差する第2方向に配列されたアクチュエータプレートと、
    前記噴射チャネルに連通する液体流路を有し、前記アクチュエータプレートに重ね合わされたカバープレートと、
    前記噴射チャネルに前記第1方向の中央部で連通する連通孔を有し、前記アクチュエータプレートに対して前記カバープレートとは反対側に重ね合わされた連通プレートと、を備えたヘッドチップの製造方法であって、
    前記アクチュエータプレートにおいて、前記非噴射チャネルにおける前記第1方向の両端部には、前記非噴射チャネルの内外を連通させる開放口が形成され、
    前記噴射チャネルの内面及び前記非噴射チャネルの内面に保護膜を形成する保護膜形成工程を有し、
    前記保護膜形成工程は、前記液体流路及び前記連通孔を通じて前記噴射チャネル内に前記保護膜の形成材料を導入し、前記開放口を通じて前記非噴射チャネル内に前記保護膜の形成材料を導入するヘッドチップの製造方法。
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