JP2022096070A - ベーンポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータによるベーンを保持する構成が変化しないベーンポンプを提供すること。【解決手段】ベーンポンプ(10)は、回転軸(15)を中心に回転可能なロータ(40)と、ロータ(40)を囲っているカムリング(60)と、ロータ(40)の外周面(41)に対してスイング可能に保持されており、ロータ(40)の外周面(41)とカムリング(60)の内周面(61)との間の領域を区画している複数のベーン(50)と、カムリング(60)を収納しているハウジング(13)と、を備えている。【選択図】図3
Description
本発明は、ロータの外周を区画して油室を構成するベーンを備えたベーンポンプに関する。
オイル等の流体が流れる流体回路には、流体圧の供給源としてポンプが備えられる。このようなポンプの一例として、特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1に開示されたポンプは、いわゆるベーンポンプであり、回転軸を中心に回転可能なロータと、ロータに保持されている複数のベーンと、ロータと複数のベーンを収納しているカムリングと、カムリングを収納しているハウジングと、を有している。
ロータには、複数の溝が放射状に形成されている。各々の溝に対して、各々のベーンはロータの径方向に進退可能に保持されている。ロータが回転すると、ロータの溝からベーンが遠心力で進出する。進出したベーンの先端がカムリングの内周面に接触して、ロータの外周はベーンにより区画されて、複数のポンプ室が構成される。
カムリングの内周面の中心は、ロータの中心(回転軸の中心)に対して偏心している。そのため、ロータから進出するベーンの進出量は、周方向の位置(位相)に応じて変化する。具体的には、ロータの外周面とカムリングの内周面との間隔が狭まると、ベーンの進出量も小さくなる。ベーンの進出量が小さくなると、ベーンのなかの、ロータの溝に保持される被保持部の長さが長くなる。
一方で、ロータの外周面とカムリングの内周面との間隔が広がると、ベーンの進出量も大きくなる。ベーンの進出量が大きくなると、ベーンの被保持部の長さが短くなる。なお、特許文献2には、いわゆるペンデュラムポンプが開示されている。ベーンポンプと比較すると、アウターロータを備えている。
ベーンの被保持部の長さが短くなると、ロータが回転する際にオイルから加わる力が被保持部に対して集中する。ロータに対するベーンの進出量が大きくなっても、ベーンの進出量が小さい場合と同様に、応力が大きくならないことが望ましい。
本発明は、ロータによるベーンを保持する構成が変化しないベーンポンプの提供を課題とする。
請求項1による発明によれば、回転軸を中心に回転可能なロータと、
前記ロータを囲っているカムリングと、
前記ロータの外周面に対してスイング可能に保持されており、前記ロータの外周面と前記カムリングの内周面との間の領域を区画している複数のベーンと、
前記カムリングを収納しているハウジングと、を備えている、ベーンポンプが提供される。
前記ロータを囲っているカムリングと、
前記ロータの外周面に対してスイング可能に保持されており、前記ロータの外周面と前記カムリングの内周面との間の領域を区画している複数のベーンと、
前記カムリングを収納しているハウジングと、を備えている、ベーンポンプが提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記ベーンの先端が前記カムリングの前記内周面に接触している状態において、
前記ベーンは、前記回転軸の回転方向前方側へ傾いている。
前記ベーンは、前記回転軸の回転方向前方側へ傾いている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、複数の前記ベーンは、それぞれ、前記ベーンの回転中心から径方向内側に延びている延出部を有しており、各々の前記延出部は、前記ベーンの回転中心を中心にスイング可能であり、
前記ロータは、前記ベーンの前記延出部がスイング可能となる複数のスイング空間を有しており、
各々の前記スイング空間は、前記延出部を境界として、前記回転軸の回転方向前方側の前室と、回転方向後方側の後室と、に区画されており、
前記ロータの一方の端面は、各々の前記後室同士を互いに連通する第1連通溝を有しており、前記第1連通溝は、各々の前記後室同士のみに連通しており、
前記ロータの他方の端面は、各々の前記前室同士を互いに連通する第2連通溝を有しており、第2連通路は、各々の前記前室同士のみに連通している。
前記ロータは、前記ベーンの前記延出部がスイング可能となる複数のスイング空間を有しており、
各々の前記スイング空間は、前記延出部を境界として、前記回転軸の回転方向前方側の前室と、回転方向後方側の後室と、に区画されており、
前記ロータの一方の端面は、各々の前記後室同士を互いに連通する第1連通溝を有しており、前記第1連通溝は、各々の前記後室同士のみに連通しており、
前記ロータの他方の端面は、各々の前記前室同士を互いに連通する第2連通溝を有しており、第2連通路は、各々の前記前室同士のみに連通している。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記ハウジングは、吐出されたオイルを前記ロータの前記第1連通溝に導入可能な導入路を有している。
請求項1において、複数のベーンは、ロータの外周面に対してスイング可能に保持されている。ロータが回転すると、周方向の位置(位相)に応じてスイング量(従来のベーンの進出量に相当)が変化する。ただし、スイング量にかかわらず、ベーンが保持される面の面積は変化しない。
ベーンがロータにより進退可能に保持されている通常のベーンポンプと比較すると、カムリングの偏心量を大きく設定することができ、設計の自由度が広がる。
また、上記とは別に、ペンデュラムポンプと比較すると、請求項1のベーンポンプは、アウターリングを有していない。部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。摺動面積増加によるフリクションの増加が起こらない。
請求項2では、ベーンの先端がカムリングの前記内周面に接触している状態において、ベーンは、回転軸の回転方向前方側へ傾いている。ロータが回転するとベーンは遠心力及びオイルから反力を受ける。この反力は、ベーンをカムリングの内周面に対して押し付ける。ベーンがハウジングの内周面に支持される構成となり、ロータの回転速度が速くなっても、カムリングに対してベーンが接触する力が減少しないため、ポンプ性能が安定する。
請求項3では、複数のベーンは、それぞれ、ベーンの回転中心から径方向内側に延びている延出部を有しており、各々の延出部は、ベーンの回転中心を中心にスイング可能であり、ロータのスイング空間を前室と後室とに区画している。ロータの一方の端面は、各々の後室同士を互いに連通する第1連通溝を有している。第1連通溝は、各々の後室同士のみに連通している。さらに、ロータの他方の端面は、各々の前室同士を互いに連通する第2連通溝を有しており、第2連通路は、各々の前室同士のみに連通している。
この構成により、吐出側の後室のオイルが吸入側の後室へ流れることにより、ベーンのスイングがアシストされる。一方、吸入側の前室のオイルは、吐出側の前室へ流れるため、ベーンのスイングを妨げない。
請求項4では、ハウジングは、吐出されたオイルをロータの第1連通溝に導入可能な導入路を有している。ロータの後室に対して、常に吐出されたオイルが供給されるため、より強力にスイングアシストが可能となる。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図中Upは上、Dnは下を示している。
<実施例>
図1Aには、実施例によるベーンポンプ10が示されている。このベーンポンプ10は、エンジン等を駆動源とし油圧を発生させて、エンジン内部の潤滑やトランスミッション、パワーステアリング装置等の油圧供給源として用いられる。
図1Aには、実施例によるベーンポンプ10が示されている。このベーンポンプ10は、エンジン等を駆動源とし油圧を発生させて、エンジン内部の潤滑やトランスミッション、パワーステアリング装置等の油圧供給源として用いられる。
図2を参照する。ベーンポンプ10は、ポンプ本体11と、ポンプ本体11を付勢している付勢部材である圧縮コイルばね12と、ポンプ本体11及び圧縮コイルばね12を収納しているハウジング13と、オイルの吐出量を調整する調整バルブ14と、を備えている。
ハウジング13は、凹部状に形成されてポンプ本体11及び圧縮コイルばね12を収納可能な収納部21を有する基体20と、収納部21の開口を塞いでいる板状の閉塞部材30と、を備えている。閉塞部材30は、ボルト等の締結部材16(一部の締結部材のみ図示している)を用いて、基体20に対して固定されている。
図1B及び図2を参照する。基体20は、収納部21と連通してオイルを吸入する吸入口22と、収納部21と連通してオイルを吐出する吐出口23と、を有している。吸入口22は基体20の下面20aから下方に臨んでいる。吐出口23は基体20の上面20bから上方に臨んでいる。
収納部21は、回転軸15を支持している支持孔25を有している。支持孔25の縁を含んでいる面を、収納部21の底面26とする。底面26は、ポンプ本体11の奥側の端面に対して面接触している。
収納部21の開口の縁21aを含む面を、収納部21の開口面24とする。閉塞部材30は、開口面24に対して面接触していることにより収納部21の開口を塞いでいる閉塞面33を有している。
閉塞面33は、ポンプ本体11の手前側の端面に対して面接触している。閉塞面33は、凹部状に形成されており吸入口22と連通している吸入室34と、凹部状に形成されており吐出口23と連通している吐出室35と、を有している。
閉塞部材30は、さらに、回転軸15を支持している支持孔31と、締結部材16が貫通する複数の貫通孔32と、を有している。
図2及び図3を参照する。ポンプ本体11は、回転軸15を中心に回転可能なロータ40と、ロータ40の外周面41に対してスイング可能に支持されている複数(例えば7つ)のベーン50と、各々のベーン50の先端50aが摺動可能な内周面61を有しているカムリング60と、を備えている。
互いに隣接する2つのベーン50と、ロータ40の外周面41と、カムリング60の内周面61と、に囲われた領域は、ポンプ室17となる。ポンプ室17は、周方向の位置(位相)に応じて容積が変化する。
ベーンポンプ10は、ロータ40の1回転当りのオイルの吐出量を変更可能な可変容量タイプのポンプである。回転軸15の軸線ALと、カムリング60の内周面61の中心線(不図示)との間隔をカムリング60の偏心量とする。カムリング60の偏心量を大きくすると、オイルの吐出量及び吐出圧も大きくなる。
回転軸15の軸線ALと、カムリング60の内周面61の中心線とを通過する線を境界線BLとする。以下、境界線BLよりも下方を吸入側とし、境界線よりも上方を吐出側とする。
カムリング60は、カムリング60が偏心方向に沿って移動可能となるように、収納部21に収納されている。収納部21は、エンジンメインギャラリーからオイルが導入されるオイル室27を有している。オイル室27に流れ込んだオイルは、カムリング60の偏心量を小さくする方向にカムリング60を押圧可能である。カムリング60を押圧するオイルの圧力は、調整バルブ14(図2)により調整可能である。
オイル室27の反対側には、圧縮コイルばね12を収納している収納室28が位置している。圧縮コイルばね12は、カムリング60の偏心量を大きくさせる方向に、カムリング60を付勢している。なお、閉塞部材30には、収納室28へ空気を取り入れ可能な通気孔37(図2参照)を有している。
カムリング60は、吸入口22へ向かって一部が開いている。なお、カムリング60の内周面61は真円(1系統吐出)であるが内周面61の形状は、楕円(2系統吐出)や任意の内面プロフィール(多系統吐出)であってもよい。
(ベーン)
図3及び図4を参照する。各々のベーン50は、それぞれ、ベーン50の回転中心となる円柱状の軸部51と、軸部51からカムリング60の内周面61側(回転軸15の径方向外側)へ延びておりロータ40の外周を区画している区画部52と、軸部51から回転軸15側(回転軸15の径方向内側)へ延びている延出部53と、が一体となって構成されている。
図3及び図4を参照する。各々のベーン50は、それぞれ、ベーン50の回転中心となる円柱状の軸部51と、軸部51からカムリング60の内周面61側(回転軸15の径方向外側)へ延びておりロータ40の外周を区画している区画部52と、軸部51から回転軸15側(回転軸15の径方向内側)へ延びている延出部53と、が一体となって構成されている。
ベーン50の先端50aがカムリング60の内周面61に接触している状態において、ベーン50は、回転軸15の回転方向前方側へ傾いている。なお、前方側とはベーン50が移動していく側を意味する。区画部52は、全体として折れ曲がった形状を呈している。詳細には、区画部52は、軸部51の外周面51aからカムリング60の内周面61側へ真っ直ぐに延びている基部54と、基部54の端部を起点として、回転方向前側(矢印(F)参照)へ傾いている傾斜部55と、を有している。
基部54は、回転方向前側を向いている前面54aと、回転方向後側を向いている後面54bと、を有している。
傾斜部55は、回転方向前側を向いておりポンプ室17のオイル、遠心力及びから反力を受ける前面55aと、回転方向後側を向いている後面55bと、を有している。傾斜部55の前面55aは、ロータ40の外周面41に沿った円弧状を呈している。
ロータ40が回転すると、ベーン50のスイング状態(スイング角度)は、周方向の位置に応じて変化する。傾斜部55の前面55aがロータ40の外周面41に接触している状態を、ベーン50の全閉状態とする。傾斜部55の後面55bも、円弧状を呈している。ロータ40が回転している際に、傾斜部55の前面55aが、ロータ40の外周面41から最も離れた状態を、ベーン50の全開状態とする。
延出部53は、基部54が延びている方向と180度反対側へ真っ直ぐ延びている。延出部53は、回転方向前側を向いている前面53aと、回転方向後側を向いている後面53bと、回転軸15側(回転軸15の径方向内側)を向いている端面53cと、を有している。
(ロータ)
ロータ40の外周面41は、ベーン50を保持している複数の保持部42を有している。各々の保持部42は、ベーン50の軸部51の外周面51aを摺動可能に保持している一対の保持面43,43と、ベーン50の区画部52がスイング可能となるように確保された外スイング空間44と、ベーン50の延出部53がスイング可能となるように確保された内スイング空間45と、を有している。外スイング空間44と、内スイング空間45とは、カムリング60の内周面61にガイドされるベーン50のスイングの妨げとならなければ、適宜構成を変形しても良い。
ロータ40の外周面41は、ベーン50を保持している複数の保持部42を有している。各々の保持部42は、ベーン50の軸部51の外周面51aを摺動可能に保持している一対の保持面43,43と、ベーン50の区画部52がスイング可能となるように確保された外スイング空間44と、ベーン50の延出部53がスイング可能となるように確保された内スイング空間45と、を有している。外スイング空間44と、内スイング空間45とは、カムリング60の内周面61にガイドされるベーン50のスイングの妨げとならなければ、適宜構成を変形しても良い。
外スイング空間44は、基部54の前面54aに対向している前対向面44aと、基部54の後面54bに対向している後対向面44bと、の間の領域である。
ベーン50の全閉状態の際に、外スイング空間44の前対向面44aは、ベーン50の基部54の前面54aに接触又は近接する。ベーン50の全開状態の際に、外スイング空間44の後対向面44bは、ベーン50の基部54の後面54bに接触する。
(内スイング空間(スイング空間))
軸線AL方向に沿って見て、内スイング空間45は、扇形状を呈している。内スイング空間45は、延出部53の前面53aに対向している前対向面45aと、延出部53の後面53bに対向している後対向面45bと、延出部53の端面53cと摺動可能な摺動面45cと、に囲われた領域である。
軸線AL方向に沿って見て、内スイング空間45は、扇形状を呈している。内スイング空間45は、延出部53の前面53aに対向している前対向面45aと、延出部53の後面53bに対向している後対向面45bと、延出部53の端面53cと摺動可能な摺動面45cと、に囲われた領域である。
ベーン50の全閉状態の際に、外スイング空間44の後対向面45bは、ベーン50の延出部53の後面53bに接触又は近接する。ベーン50の全開状態の際に、内スイング空間45の前対向面45aは、ベーン50の延出部53の前面53aに接触する。
内スイング空間45は、延出部53を境界として、回転方向前側の前室46と、回転方向後側の後室47と、に区画されている。
前室46は、前対向面45aと、摺動面45cと、延出部53の前面53aとに囲われた空間である。後室47は、後対向面45bと、摺動面45cと、延出部53の後面53bとに囲われた空間である。
(第1連通溝)
図5を参照する。ロータ40は、閉塞部材30の閉塞面33(図1B参照)に対して面接触している第1端面70(一方の端面)を有している。第1端面70は、各々の後室47同士を互いに連通する第1連通溝71を備えている。第1連通溝71は、軸線ALを中心とする環状の第1環状溝72と、第1環状溝72及び各々の後室47を接続している複数の第1接続溝73と、を有している。第1環状溝72は、吸入側の第1吸入溝74と、吐出側の第1吐出溝75と、に区画できる。
図5を参照する。ロータ40は、閉塞部材30の閉塞面33(図1B参照)に対して面接触している第1端面70(一方の端面)を有している。第1端面70は、各々の後室47同士を互いに連通する第1連通溝71を備えている。第1連通溝71は、軸線ALを中心とする環状の第1環状溝72と、第1環状溝72及び各々の後室47を接続している複数の第1接続溝73と、を有している。第1環状溝72は、吸入側の第1吸入溝74と、吐出側の第1吐出溝75と、に区画できる。
(導入路)
図2及び図6を参照する。閉塞部材30は、吐出室35のオイルを第1連通溝71へ導く導入路76を有している。導入路76の入口76aは、吐出室35を構成している面のうち、径方向外側を向いている湾曲面35aに位置している。
図2及び図6を参照する。閉塞部材30は、吐出室35のオイルを第1連通溝71へ導く導入路76を有している。導入路76の入口76aは、吐出室35を構成している面のうち、径方向外側を向いている湾曲面35aに位置している。
閉塞面33は、ロータ40の第1端面70が摺動する第1摺動面36を有している。導入路76の出口76bは、第1摺動面36に位置している。導入路76の出口76bは、第1連通溝71のなかの第1吸入溝74に対向している。
導入路76は、入口76aを基点として閉塞面33から離れる方向に傾いている第1直線路77と、第1直線路77の下流側の端部から軸線AL方向に沿って延びており出口76bを含む第2直線路78と、を有している。
(背圧溝)
図2及び図6を参照する。閉塞部材30の閉塞面33は、導入路76の出口76bと連通している背圧溝79を有している。背圧溝79は、軸線ALを中心とする円弧状を呈しており、吸入側に位置している。導入路76の出口76bは、背圧溝79の端部に位置している。背圧溝79は、ロータ40の第1吸入溝74と共にオイルの流路を構成可能である。
図2及び図6を参照する。閉塞部材30の閉塞面33は、導入路76の出口76bと連通している背圧溝79を有している。背圧溝79は、軸線ALを中心とする円弧状を呈しており、吸入側に位置している。導入路76の出口76bは、背圧溝79の端部に位置している。背圧溝79は、ロータ40の第1吸入溝74と共にオイルの流路を構成可能である。
(第2連通溝)
図7を参照する。ロータ40は、収納部21の底面26(図1B参照)に対して面接触している第2端面80(他方の端面)を有している。第2端面80は、各々の前室46同士を互いに連通する第2連通溝81を備えている。第2連通溝81は、軸線ALを中心とする環状の第2環状溝82と、第2環状溝82及び前室46を接続している複数の第2接続溝83と、を有している。第2環状溝82は、吸入側の第2吸入溝84と、吐出側の第2吐出溝85と、に区画できる。
図7を参照する。ロータ40は、収納部21の底面26(図1B参照)に対して面接触している第2端面80(他方の端面)を有している。第2端面80は、各々の前室46同士を互いに連通する第2連通溝81を備えている。第2連通溝81は、軸線ALを中心とする環状の第2環状溝82と、第2環状溝82及び前室46を接続している複数の第2接続溝83と、を有している。第2環状溝82は、吸入側の第2吸入溝84と、吐出側の第2吐出溝85と、に区画できる。
(排出路)
図8を参照する。基体20は、ロータ40の第2連通溝81を流れるオイルをハウジング13の外部へ排出する排出路86を有している。
図8を参照する。基体20は、ロータ40の第2連通溝81を流れるオイルをハウジング13の外部へ排出する排出路86を有している。
基体20の底面26は、ロータ40の第2端面80が摺動する第2摺動面29を有している。排出路86の入口86aは、第2摺動面29内の吐出側に位置しており、半円状の第2吐出溝85の上端に対して対向している。排出路86の出口は、基体20の側面20cに位置している。
排出路86は、入口86aから軸線AL方向に沿って延びている第1直線路87と、第1直線路87の下流側の端部から軸線AL方向に直交する方向に沿って出口86bへ向かって延びている第2直線路88と、を有している。
<実施例の効果>
(ベーンのスイング)
図3及び図4を参照する。各々のベーン50は、ロータ40の外周面に対してスイング可能に保持されている。詳細には、各々のベーン50は、円柱状の軸部51を有している。ベーン50の軸部51は、ロータ40の一対の保持面43,43により、スイング可能に保持されている。ロータ40が回転すると、周方向の位置(位相)に応じてスイング量(従来のベーンの進出量に相当)が変化する。そのため、ベーン50のスイング状態にかかわらず、ロータ40の保持面43,43と、ベーン50の軸部51との接触面積は変化がない。ベーンがロータにより進退可能に保持されている通常のベーンポンプと比較すると、ベーン50をより強固に保持することができる。結果、カムリング60の偏心量を大きく設定することができ、設計の自由度が広がる。
(ベーンのスイング)
図3及び図4を参照する。各々のベーン50は、ロータ40の外周面に対してスイング可能に保持されている。詳細には、各々のベーン50は、円柱状の軸部51を有している。ベーン50の軸部51は、ロータ40の一対の保持面43,43により、スイング可能に保持されている。ロータ40が回転すると、周方向の位置(位相)に応じてスイング量(従来のベーンの進出量に相当)が変化する。そのため、ベーン50のスイング状態にかかわらず、ロータ40の保持面43,43と、ベーン50の軸部51との接触面積は変化がない。ベーンがロータにより進退可能に保持されている通常のベーンポンプと比較すると、ベーン50をより強固に保持することができる。結果、カムリング60の偏心量を大きく設定することができ、設計の自由度が広がる。
ペンデュラムポンプと比較すると、請求項1のベーンポンプ50は、アウターリングを有していない。部品点数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。摺動面積増加によるフリクションの増加が起こらない。
(ベーンの傾き)
ベーン50の先端50aがカムリング60の内周面61に接触している状態において、ベーン50は、回転軸15の回転方向前方側へ傾いている。詳細には、各々のベーン50は、軸部51から回転軸15の径方向外側に延びておりロータ40の外周を区画している区画部52を有している。区画部52は、折れ曲がった形状を呈している。区画部52は、軸部51の外周面51aからカムリング60の内周面61側へ真っ直ぐに延びている基部54と、基部54の端部を起点として、回転方向前側(図3において反時計回り方向側)へ傾いている傾斜部55と、を有している。
ベーン50の先端50aがカムリング60の内周面61に接触している状態において、ベーン50は、回転軸15の回転方向前方側へ傾いている。詳細には、各々のベーン50は、軸部51から回転軸15の径方向外側に延びておりロータ40の外周を区画している区画部52を有している。区画部52は、折れ曲がった形状を呈している。区画部52は、軸部51の外周面51aからカムリング60の内周面61側へ真っ直ぐに延びている基部54と、基部54の端部を起点として、回転方向前側(図3において反時計回り方向側)へ傾いている傾斜部55と、を有している。
ロータ40が回転すると、ベーン50の傾斜部55の前面55aは、遠心力及びポンプ室17のオイルから反力を受ける。この反力は、ベーン50の先端50aをカムリング60の内周面61に対して押し付ける。ベーン50がハウジング13の内周面61に支持される構成となり、ロータ40の回転速度が速くなっても、カムリング60に対してベーン50が接触する力が減少しないため、ポンプ性能が安定する。
加えて、ベーン50の全開状態の際に、内スイング空間45の前対向面45aは、ベーン50の延出部53の前面53aに対して接触又は近接する。さらに、ベーン50の全開状態の際に、外スイング空間44の後対向面44bは、ベーン50の基部54の後面54bに接触又は近接する。これにより、ベーン50の全開状態の際は、ベーン50は、一対の保持面43,43に加えて、外スイング空間44の後対向面44bと、内スイング空間45の前対向面45aにも保持される。
(背圧(吐出圧)によるベーンのスイングアシスト)
図5及び図6を参照する。第1連通溝71を介した後室47のオイルの流れを説明する。閉塞部材30は、吐出室35のオイルをロータ40の第1連通溝71へ導く導入路76を有している。第1連通溝71へ流れ込んだオイルは、各々の後室47へ流れ込み、各々の後室47は、オイルで充填される。
図5及び図6を参照する。第1連通溝71を介した後室47のオイルの流れを説明する。閉塞部材30は、吐出室35のオイルをロータ40の第1連通溝71へ導く導入路76を有している。第1連通溝71へ流れ込んだオイルは、各々の後室47へ流れ込み、各々の後室47は、オイルで充填される。
吐出側において、ベーン50の区画部52は、カムリング60の内周面61にガイドされて、軸部51を中心に閉じる方向へスイングする。区画部52のスイングと共に、延出部53も軸部51を中心にスイングする。延出部53がスイングすると、後室47の容積は徐々に小さくなる。
矢印(a)に示されるように、オイルは後室47から第1接続溝73へ押し出される。押し出されたオイルは、第1接続溝73から第1吐出溝75へ流れ込む。矢印(b)に示されるように、オイルは、第1吐出溝75から第1吸入溝74へ向かって流れる。
吸入側において、矢印(c)に示されるように、オイルは、第1吸入溝74から第1接続溝73へ流れ込む。矢印(d)に示されるように、第1接続溝73から後室47へ流れ込んだオイルは、ベーン50の延出部53を押す。オイルの圧力によりベーン50の延出部53が軸部51中心にスイングすると、ベーン50の区画部52は、軸部51を中心としてロータ40の外周面41から離れる方向にスイングする。
すなわち、吐出側の後室47のオイルが吸入側の後室47へ流れることにより、ベーン50のスイングがアシストされる。
なお、ベーンポンプ10が作動すると、ベーン50の軸部51の外周面51aとロータ40の保持面43,43との隙間(図4参照)や、ロータ40の第1端面70と閉塞部材30の閉塞面33との隙間(図2B参照)や、ロータ40の第2端面80と収納部21の底面26との隙間(図2B参照)から、各々の後室47にオイルが浸入する。そのため、閉塞部材30が有する導入路76(図5参照)は、必須の構成要素ではない。導入路76を廃した簡素な構成の閉塞部材30を採用してもよい。
図7を参照する。次に、ロータ40の第2端面80における、第2連通溝81を介した前室46のオイルの流れを説明する。ベーンポンプ10が作動すると、上記の隙間から、各々のオイルが前室46に浸入し、各々の前室46にはオイルが充填される。
吸入側において、前室46の容積は徐々に小さくなる。矢印(e)に示されるように、オイルは前室46から第2接続溝83へ押し出される。押し出されたオイルは、第2接続溝83から第2吸入溝84へ流れ込む。矢印(f)に示されるように、オイルは、第2吸入溝84から第2吐出溝85へ向かって流れる。
吐出側において、矢印(g)に示されるように、オイルは、第2吐出溝85から第2接続溝83へ流れ込む。矢印(h)に示されるように、第2接続溝83から前室46へ流れ込んだオイルは、ベーン50の延出部53を押す。オイルの圧力により延出部53がスイングすると、ベーン50の区画部52は、軸部51を中心としてロータ40の外周面41に近づく方向にスイングする。
図6を参照する。加えて、基体20は、第2連通溝81を流れるオイルをハウジング13の外部へ排出する排出路86を有している。ロータ40の第2端面80における、第2連通溝81を介した前室46同士のオイルの流れが円滑となり、ベーン50のスイングも円滑となる。
なお、吸入側の前室46のオイルが吐出側の前室46へ流れる際に、ベーン50のスイングを妨げなければ、排出路86は、必須の構成要素でない。排出路86を廃した簡素な構成の基体20を採用してもよい。
(背圧溝)
図2及び図6を参照する。閉塞部材30の閉塞面33は、導入路76の出口76bと連通している背圧溝79を有している。背圧溝79は、軸線ALを中心とする円弧状を呈している。背圧溝79は、ロータ40の環状部の吸入路と共にオイルの流路を構成可能である。ロータ40の吸入路の流路面積が大きくなるため、ロータ40の第1端面70と、閉塞部材30の閉塞面33とのシール性が高くなる。
図2及び図6を参照する。閉塞部材30の閉塞面33は、導入路76の出口76bと連通している背圧溝79を有している。背圧溝79は、軸線ALを中心とする円弧状を呈している。背圧溝79は、ロータ40の環状部の吸入路と共にオイルの流路を構成可能である。ロータ40の吸入路の流路面積が大きくなるため、ロータ40の第1端面70と、閉塞部材30の閉塞面33とのシール性が高くなる。
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。例えば、スイングアシスト機能を備えていないベーンポンプも、本発明に含まれる。具体的には、延出部を有していないベーンと、内スイング空間を有していないロータとを採用してもよい。
本発明のベーンポンプは、車両に搭載するのに好適である。
10…ベーンポンプ
13…ハウジング
15…回転軸
40…ロータ
41…外周面
45…内スイング空間(スイング空間)
46…前室
47…後室
50…ベーン
50a…ベーンの先端
60…カムリング
61…内周面
70…第1端面(一方の端面)
71…第1連通溝
76…導入路
80…第2端面(他方の端面)
81…第2連通溝
86…排出路
13…ハウジング
15…回転軸
40…ロータ
41…外周面
45…内スイング空間(スイング空間)
46…前室
47…後室
50…ベーン
50a…ベーンの先端
60…カムリング
61…内周面
70…第1端面(一方の端面)
71…第1連通溝
76…導入路
80…第2端面(他方の端面)
81…第2連通溝
86…排出路
Claims (4)
- 回転軸を中心に回転可能なロータと、
前記ロータを囲っているカムリングと、
前記ロータの外周面に対してスイング可能に保持されており、前記ロータの外周面と前記カムリングの内周面との間の領域を区画している複数のベーンと、
前記カムリングを収納しているハウジングと、を備えている、ベーンポンプ。 - 前記ベーンの先端が前記カムリングの前記内周面に接触している状態において、
前記ベーンは、前記回転軸の回転方向前方側へ傾いている、請求項1に記載のベーンポンプ。 - 複数の前記ベーンは、それぞれ、前記ベーンの回転中心から径方向内側に延びている延出部を有しており、各々の前記延出部は、前記ベーンの回転中心を中心にスイング可能であり、
前記ロータは、前記ベーンの前記延出部がスイング可能となる複数のスイング空間を有しており、
各々の前記スイング空間は、前記延出部を境界として、前記回転軸の回転方向前方側の前室と、回転方向後方側の後室と、に区画されており、
前記ロータの一方の端面は、各々の前記後室同士を互いに連通する第1連通溝を有しており、前記第1連通溝は、各々の前記後室同士のみに連通しており、
前記ロータの他方の端面は、各々の前記前室同士を互いに連通する第2連通溝を有しており、第2連通路は、各々の前記前室同士のみに連通している、請求項1又は請求項2に記載のベーンポンプ。 - 前記ハウジングは、吐出されたオイルを前記ロータの前記第1連通溝に導入可能な導入路を有している、請求項3に記載のベーンポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020208962A JP2022096070A (ja) | 2020-12-17 | 2020-12-17 | ベーンポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020208962A JP2022096070A (ja) | 2020-12-17 | 2020-12-17 | ベーンポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022096070A true JP2022096070A (ja) | 2022-06-29 |
Family
ID=82163765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020208962A Pending JP2022096070A (ja) | 2020-12-17 | 2020-12-17 | ベーンポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022096070A (ja) |
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2020
- 2020-12-17 JP JP2020208962A patent/JP2022096070A/ja active Pending
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