JP2008111359A - 可変容量型ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 可変容量型ポンプにおいて、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間に、シムとシール材を介設するに際し、それらの組み込み性を向上すること。
【解決手段】 可変容量型ポンプ10において、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31とサイドプレート18との間に、管状シム81と、管状シム81の内周側又は外周側に添設されるシール材82を介設したものであり、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31とサイドプレート18の少なくとも一方に設けられた環状係止部32A、32Bに、管状シム81とシール材82を係止したもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車用油圧パワーステアリング装置等に用いて好適な可変容量型ポンプに関する。
可変容量型ポンプは、ポンプケーシングに挿入されるポンプ軸に固定して回転駆動されるとともに、多数のベーンを溝に収容して半径方向に移動可能としてなるロータと、ポンプケーシング内の嵌装孔に嵌装されて移動変位可能とされ、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ポンプ室の容積が最大となるような付勢力が与えられているカムリングと、ポンプケーシング内のポンプカートリッジ収容空間の底部に回転不能に収容され、ロータとカムリングとの一側に摺接するサイドプレートと、ポンプケーシングの開口を塞ぎ、ロータとカムリングとの他側に摺接するカバーとを備えて構成される。
特許文献1に記載の可変容量型ポンプでは、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間に、平板状シムと、シムの内周側に添設されるシール材を介設している。シムの介設により、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間及びサイドプレートとロータとの間の隙間をなくし、サイドプレートの振動が抑制されて、サイドプレートの振動に起因するポンプ振動の発生が大きく低減される。また、サイドプレートの振動が抑制されるので、サイドプレートとロータとの摺接部及びロータとカバーとの摺接部の焼付きの発生が低減される。
また、シール材もサイドプレートの振動を抑制するように作用するので、サイドプレートの振動に起因するポンプ振動の発生が更に低減され、サイドプレートとロータとの摺接部及びロータとカバーとの摺接部の焼付きの発生が更に少なくなる。また、シール材自体も、過度に変形を受けることがなくなるので、耐久性が向上する。
特開2001-59481
特許文献1に記載の可変容量型ポンプは、サイドプレートの側面に設けた環状溝にシール材を装填するとともに、サイドプレートの側面にシムを載置し、このサイドプレートをポンプケーシング内のポンプカートリッジ収容空間に組み込むものであり、この組み込み過程でシムの位置ずれ、脱落を生ずるおそれがある。
本発明の課題は、可変容量型ポンプにおいて、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間に、シムとシール材を介設するに際し、それらの組み込み性を向上することにある。
請求項1の発明は、ポンプケーシングに挿入されるポンプ軸に固定して回転駆動されるとともに、多数のベーンを溝に収容して半径方向に移動可能としてなるロータと、ポンプケーシング内の嵌装孔に嵌装されて移動変位可能とされ、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ポンプ室の容積が最大となるような付勢力が与えられているカムリングと、ポンプケーシング内のポンプカートリッジ収容空間の底部に回転不能に収容され、ロータとカムリングとの一側に摺接するサイドプレートと、ポンプケーシングの開口を塞ぎ、ロータとカムリングとの他側に摺接するカバーとを備えてなる可変容量型ポンプにおいて、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間に、管状シムと、管状シムの内周側又は外周側に添設されるシール材を介設したものであり、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの少なくとも一方に設けられた環状係止部に、管状シムとシール材を係止したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記管状シムとシール材がポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの一方に設けられた環状溝部に装填されるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記管状シムとシール材がポンプカートリッジ収容空間の底部壁面に設けられた環状段差部と、この環状段差部に相対するようにサイドプレートに設けられた環状段差部とに囲まれる環状空間に装填されるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記シール材が、管状シムに対する、サイドプレートによってポンプケーシング内に区画されている高圧力室の側に添設されるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の可変容量型ポンプを用いた自動車用油圧パワーステアリング装置である。
(請求項1)
(a)ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間に、管状シムと、管状シムの内周側又は外周側に添設されるシール材を介設したものであり、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの少なくとも一方に設けられた環状係止部に、管状シムとシール材を係止したことにより、このサイドプレートをポンプケーシング内のポンプカートリッジ収容空間に組み込む過程で、管状シムとシール材がそれらの径方向を環状係止部に係止されて保持され、位置ずれ、脱落を生ずることがなく、それらの組み込み性を向上できる。
(請求項2)
(b)上述(a)の環状係止部を、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの一方に設けられた環状溝部にて構成することにより、管状シムとシール材がそれらの径方向を環状溝部に係止されて安定的に保持される。
(請求項3)
(c)上述(a)の環状係止部を、ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面に設けられた環状段差部と、この環状段差部に相対するようにサイドプレートに設けられた環状段差部とに囲まれる環状空間にて構成することにより、管状シムとシール材がそれらの径方向を環状段差部に係止されて安定的に保持される。
(請求項4)
(d)シール材が、管状シムに対する、サイドプレートによってポンプケーシング内に区画されている高圧力室の側に添設されることにより、高圧作動油を受けるシール材を管状シムによりバックアップし、シール材がポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの隙間にはみ出ることを防止し、シール材の耐久性を向上する。
(請求項5)
(e)自動車用油圧パワーステアリング装置に適用した可変容量型ポンプにおいて、(a)〜(d)を実現できる。
図1は可変容量型ポンプを示す断面図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は実施例1の管状シムとシール材の装填構造を示す断面図、図4は実施例2の管状シムとシール材の装填構造を示す断面図、図5は実施例3の管状シムとシール材の装填構造を示す断面図である。
(実施例1)(図1〜図3)
可変容量型ポンプ10は、自動車の油圧パワーステアリング装置の油圧発生源となるベーンポンプであり、図1、図2に示す如く、ポンプケーシング11に挿入されるポンプ軸12にセレーションにより固定されて回転駆動されるロータ13を有している。ポンプケーシング11は、ポンプハウジング11Aとカバー11Bをボルト14で一体化して構成されている。ポンプハウジング11Aは後述するロータ13等のポンプ構成要素を収容するカップ状の凹部空間たるポンプカートリッジ収容空間30を備え、カバー11Bはこの凹部空間30の開口部を閉塞するようにポンプハウジング11Aに組合せされて一体化される。ポンプ軸12は、ポンプハウジング11Aの支持孔15Aに設けられた軸受16A(ブッシュ)と、カバー11Bの支持孔15Bに設けられた軸受16B(ブッシュ)に支持される。支持孔15Aにはオイルシール16Cが嵌装されている。尚、ポンプ軸12のポンプハウジング11Aから吐出している部分には駆動車12Aが固定される。
ロータ13は周方向の多数位置のそれぞれに設けた溝13Aにベーン17を収容し、各ベーン17を溝13Aに沿う半径方向に移動可能としている。
ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aの嵌装孔20には、サイドプレート18、アウターケース19が積層状態で嵌着され、これらは後述するシールピン21によって周方向に位置決めされた状態でカバー11Bにより側方から固定保持されている。シールピン21はアウターケース19の内周の全幅に渡る半円状凹部に嵌合し、一端をサイドプレート18に設けたピン受け孔に挿入され、他端をカバー11Bに設けたピン受け孔に挿入され、結果としてサイドプレート18、アウターケース19をポンプケーシング11に対し回転不能に位置決めする。
ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aに固定されている上述のアウターケース19にはカムリング22が嵌装されている。カムリング22はカバー11Bによりその側部を閉じられる。カムリング22は、ロータ13とある偏心量をもってロータ13を囲み、サイドプレート18とカバー11Bの間で、ロータ13の外周部との間にポンプ室23を形成する。そして、ポンプ室23のロータ回転方向上流側の吸込領域には、カバー11Bの端面に設けた吸込ポート24が開口し、この吸込ポート24にはハウジング11A、カバー11Bに設けた吸込通路(ドレン通路)25Aを介してポンプ10の吸込口26が連通せしめられている。他方、ポンプ室23のロータ回転方向下流側の吐出領域には、サイドプレート18の端面に設けた吐出ポート27が開口し、この吐出ポート27にはハウジング11Aのポンプカートリッジ収容空間30の底部に凹設され、サイドプレート18により区画される高圧力室28A、吐出通路(不図示)を介してポンプ10の吐出口29が連通せしめられている。ポンプ室23が吐出した吐出流体圧力が、吐出ポート27からパワーステアリング装置(油圧機器)に送給される。
即ち、可変容量型ポンプ10は、ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aが備えるポンプカートリッジ収容空間30に、ポンプ構成要素になるポンプカートリッジを構成するロータ13、サイドプレート18、アウターケース19、カムリング22を収容する。サイドプレート18は、ポンプカートリッジ収容空間30の底部に前述のシールピン21に位置決めされて回転不能に収容され、ロータ13とカムリング22の一側に摺接する。そして、カバー11Bはポンプケーシング11のポンプハウジング11Aの開口を塞ぎ、ロータ13とカムリング22の他側に摺接する。
これにより、可変容量型ポンプ10にあっては、ポンプ軸12によってロータ13を回転駆動し、ロータ13のベーン17が遠心力でカムリング22に押し付けられて回転するとき、ポンプ室23のロータ回転方向上流側では隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲む容積を回転とともに拡大して作動流体を吸込ポート24から吸込み、ポンプ室23のロータ回転方向下流側では隣り合うベーン17間とカムリング22とが囲む容積を回転とともに減縮して作動流体を吐出ポート27から吐出する。
しかるに、可変容量型ポンプ10は、吐出流量制御装置40を有している。
吐出流量制御装置40は、ポンプケーシング11に固定されている上述のアウターケース19の鉛直最下部に前述のシールピン21を載置し、カムリング22の鉛直最下部の外周の全幅に渡る半円状凹部をこのシールピン21に支持し、カムリング22をアウターケース19内で揺動変位可能としている。
尚、アウターケース19は第1流体圧室41を形成する内周面の一部にカムリング22の外周面に衝接するカムリング揺動規制ストッパ19Aを突状形成され、後述するようにポンプ室23の容積を最大とするカムリング22の揺動限を規制される。また、アウターケース19は後述する第2流体圧室42を形成する内周面の一部にカムリング22の外周面に衝接するカムリング揺動規制ストッパ19Bを突状形成され、後述するようにポンプ室23の容積を最小とするカムリング22の揺動限を規制される。
吐出流量制御装置40は、カムリング22とアウターケース19との間に第1と第2の流体圧室41、42を形成している。即ち、第1流体圧室41と第2流体圧室42は、カムリング22とアウターケース19の間で、シールピン21と、その軸対称位置に設けたシール材43とで互いに仕切られて分割される。このとき、第1と第2の流体圧室41、42は、カムリング22とアウターケース19の間の両側方をカバー11Bとサイドプレート18により区画され、アウターケース19の前述したカムリング揺動規制ストッパ19A、19Bにカムリング22が衝合したときに、ストッパ19Aの両側に分離される第1流体圧室41同士を連絡する連絡溝、ストッパ19Bの両側に分離される第2流体圧室42同士を連絡する連絡溝をサイドプレート18に備える。
また、吐出流量制御装置40は、ポンプケーシング11を構成するポンプハウジング11Aの吐出口29内であって、カムリング22を挟んで第1流体圧室41の反対側にばね押え50を螺着し、ばね押え50が支持する付勢手段としてのばね51をアウターケース19に設けた連絡孔52に通してカムリング22の外面に衝接している。ばね51はカムリング22をロータ13の外周部との間でポンプ室23の容積(ポンプ容量)を最大とする方向へ付勢する。ばね押え50は、連絡孔52を収容する空洞を備えるとともに、吐出口29の一部を構成する1個以上の吐出孔53を備えた円筒中空体からなる。
吐出流量制御装置40は、吐出通路(不図示)の中間部に主絞り(可変絞り)54を設ける。主絞り54は、ポンプハウジング11Aに固定のアウターケース19内で揺動変位するカムリング22の側部を閉じるカバー11Bの第2流体圧室42に臨む端面に開口するように穿設される孔部54Aと、この孔部54Aの開口端の第2流体圧室42に対する開口面積をカムリング22の揺動に応じて変化させるカムリング22の側部54Bとにより構成される。そして、(1)ポンプ室23の容積を最小とする方向への揺動変位をカムリング22に与える第1流体圧室41に、主絞り54の上流側の圧力とポンプ吸込側の圧力を選択的に後述する切換弁装置60を介して導入し、(2)ポンプ室23の容積を最大とする方向への揺動変位をカムリング22に与える第2流体圧室42に、主絞り54の下流側の圧力を導入する。第1流体圧室41と第2流体圧室42に作用する圧力のバランスによって、カムリング22をばね51の付勢力に抗して移動させ、ポンプ室23の容積を変化させてポンプ10の吐出流量を制御する。
ここで、吐出流量制御装置40は、主絞り54の上、下流側の圧力差によって作動し、ポンプ室23からの圧力流体の吐出流量に応じて第1流体圧室41への供給流体圧を制御する切換弁装置60を有する。具体的には、切換弁装置60は、第1流体圧室41に接続された連絡路61と吐出通路(不図示)の主絞り54より上流側の連絡路67との間に介装され、連絡路61に設けた絞り61Aとの連携により、ポンプ10の低回転域では第1流体圧室41を連絡路67に対して閉じ、高回転域では第1流体圧室41を連絡路67に接続する。
尚、切換弁装置60は、ポンプハウジング11Aに穿設した弁格納孔62にスプリング63、切換弁64を収容し、スプリング63で付勢される切換弁64をポンプハウジング11Aに螺着したキャップ65で担持している。切換弁64は、弁格納孔62に密に摺接する弁体64A、及び切換弁体64Bを備え、弁体64Aの一端側に設けた加圧室66Aに吐出通路(不図示)の主絞り54より上流側の連絡路67を連通し、切換弁体64Bの他端側に設けたスプリング63が格納されている背圧室66Bに吐出通路(不図示)の主絞り54より下流側の連絡路68を第2流体圧室42を介して連通している。また、弁体64Aと切換弁体64Bの間のドレン室66Cには前述した吸込通路(ドレン通路)25Aが貫通して形成され、タンクに連絡される。弁体64Aは、前述の連絡路61を開閉可能としている。即ち、ポンプ10の吐出圧力が低い低回転域では、スプリング63の付勢力により切換弁64を図2に示す原位置に設定し、弁体64Aにより加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して閉じ、ドレン室66Cを第1流体圧室41への連絡路61に導通させ、結果として第1流体圧室41にポンプ吸込側の圧力を導入する。ポンプ10の中高回転域では、加圧室66Aに加えられる連絡路67の高圧流体により切換弁64を移動させ、弁体64Aにより加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開き、連絡路67から加圧室66Aに加えられている主絞り54の上流側の高圧流体を第1流体圧室41に導入する。尚、連絡路67には絞り67Aが設けられ、主絞り54の上流側からの脈動を吸収可能とする。
従って、吐出流量制御装置40を用いたポンプ10の吐出流量特性は以下の如くになる。
(1)ポンプ10の回転数が低い自動車の低速走行域では、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置60の加圧室66Aに及ぶ流体の圧力が未だ低く、切換弁64は原位置に位置し、切換弁64は加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して閉じ、ドレン室66Cを第1流体圧室41への連絡路61に対して閉じる。このため、主絞り54の上流側の圧力は第1流体圧室41に供給されず、第2流体圧室42には主絞り54の下流側の圧力が印加される。このため、カムリング22は第1流体圧室41と第2流体圧室42の圧力差とばね51の付勢力によりポンプ室23の容積を最大とする側に維持され、ポンプ10の吐出流量は、回転数に比例して増加する。
(2)ポンプ10の回転数の増加により、ポンプ室23から吐出されて切換弁装置60の加圧室66Aに及ぶ流体の圧力が高くなると、切換弁装置60はスプリング63の付勢力に抗して切換弁64を移動させて加圧室66Aを第1流体圧室41への連絡路61に対して開く。これにより、第1流体圧室41の圧力が上がり、カムリング22はポンプ室23の容積を小さくする側に移動していく。従って、ポンプ10の吐出流量は、回転数の増加に対し、回転数の増加による流量増加分と、ポンプ室23の容積減縮による流量減少分とを相殺し、一定の流量を維持する。
尚、ポンプ10にあっては、高圧力室28Aと吸込通路(ドレン通路)25Aと、ドレン室66Cの間に、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフする切換弁としてのリリーフ弁70を有している。また、ポンプ10は、吸込通路25Aからポンプ軸12の軸受16Bに向かう潤滑油供給路71をカバー11Bに穿設し、ポンプ軸12の軸受16Aまわりから吸込通路25Bに戻る潤滑油戻り路72(不図示)をポンプハウジング11Aに穿設してある。
しかるに、可変容量型ポンプ10は、図1、図3に示す如く、ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aが備えるポンプカートリッジ収容空間30の底部に凹設した高圧力室28Aの内周側で、その底部壁面31とサイドプレート18との間に、管状シム81と、管状シム81の外周側(高圧力室28Aの側)に添設されるOリングからなるシール材82を介設している。管状シム81は、短尺管からなるものであるが、管長(軸方向長)を管肉厚に比し長大にしている。管状シム81とシール材82は、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31に設けられた環状溝部32に装填され、環状溝部32の内周壁たる環状係止部32Aに管状シム81の内周を係止し、環状溝部32の外周壁たる環状係止部32Bにシール材82の外周を係止する。尚、ポンプカートリッジ収容空間30に収容されるサイドプレート18の底部壁面31に相対する外周角部と底部壁面31との間にはOリング83が介装されており、Oリング83はサイドプレート18の外周角部に設けられた環状段差部33に装填される。
従って、ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aのポンプカートリッジ収容空間30にサイドプレート18を組み込むに際しては、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31に設けた環状溝部32に管状シム81とシール材82を軽圧入する如くに押し込み装填するとともに、サイドプレート18の環状段差部33にOリング83を嵌め付ける如くに装填し、このサイドプレート18をポンプカートリッジ収容空間30に挿入することにより、サイドプレート18と環状溝部32の溝底との間に管状シム81をその軸方向において隙間なく挟み、かつシール材82を圧密に挟圧するものになる。
管状シム81の存在により、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31とサイドプレート18との間及びサイドプレート18とロータ13との間の隙間をなくし、サイドプレート18の振動が抑制されて、サイドプレート18の振動に起因するポンプ振動の発生が大きく低減される。また、サイドプレート18の振動が抑制されるので、サイドプレート18とロータ13との摺接部及びロータ13とカバー11Bとの摺接部の焼付きの発生が低減される。また、シール材82もサイドプレート18の振動を抑制するように作用するので、サイドプレート18の振動に起因するポンプ振動の発生が更に低減され、サイドプレート18とロータ13との摺接部及びロータ13とカバー11Bとの摺接部の焼付きの発生が更に少なくなる。また、シール材82自体も、過度に変形を受けることがなくなるので、耐久性が向上する。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31とサイドプレート18との間に、管状シム81と、管状シム81の外周側に添設されるシール材82を介設したものであり、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31に設けられた環状係止部32A、32Bに、管状シム81とシール材82を係止したことにより、このサイドプレート18をポンプケーシング11内のポンプカートリッジ収容空間30に組み込む過程で、管状シム81とシール材82がそれらの径方向を環状係止部32A、32Bに係止されて保持され、位置ずれ、脱落を生ずることがなく、それらの組み込み性を向上できる。
(b)上述(a)の環状係止部32A、32Bを、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31に設けられた環状溝部32にて構成することにより、管状シム81とシール材82がそれらの径方向を環状溝部32に係止されて安定的に保持される。
(c)シール材82が、管状シム81に対する、サイドプレート18によってポンプケーシング11内に区画されている高圧力室28Aの側に添設されることにより、高圧作動油を受けるシール材82を管状シム81によりバックアップし、シール材82がポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31とサイドプレート18の隙間にはみ出ることを防止し、シール材82の耐久性を向上する。
(d)自動車用油圧パワーステアリング装置に適用した可変容量型ポンプにおいて、(a)〜(c)を実現できる。
(実施例2)(図4)
実施例2が実施例1と異なる点は、管状シム81とシール材82をサイドプレート18に設けた環状溝部90に装填し、環状溝部90の内周壁たる環状係止部90Aに管状シム81の内周を係止し、環状溝部90の外周壁たる環状係止部90Bにシール材82の外周を係止したことにある。
従って、ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aのポンプカートリッジ収容空間30にサイドプレート18を組み込むに際しては、サイドプレート18に設けられた環状溝部90に管状シム81とシール材82を軽圧入する如くに押し込み装填するとともに、サイドプレート18の環状段差部33にOリング83を嵌め付ける如くに装填し、このサイドプレート18をポンプカートリッジ収容空間30に挿入することにより、サイドプレート18の環状溝部90の溝底とポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31との間に管状シム81をその軸方向において隙間なく挟み、かつシール材82を圧密に挟圧するものになる。
本実施例によれば、実施例1の作用効果(a)〜(d)と同様の作用効果を奏する。
(実施例3)(図5)
実施例3が実施例1と異なる点は、管状シム81とシール材82を、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31に設けた環状段差部100Aと、この環状段差部100Aに外周側から(内周側からでも可)相対するようにサイドプレート18に設けられた環状段差部100Bとに囲まれる環状空間100に装填し、環状段差部100Aの段差面たる環状係止部101Aに管状シム81の内周を係止し、環状段差部100Bの段差面たる環状係止部101Bにシール材82の外周を係止したことにある。
従って、ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aのポンプカートリッジ収容空間30にサイドプレート18を組み込むに際しては、サイドプレート18に設けた環状段差部100Bに管状シム81とシール材82を軽圧入する如くに押し込み装填するとともに、サイドプレート18の環状段差部33にOリング83を嵌め付ける如くに装填し、このサイドプレート18をポンプカートリッジ収容空間30に挿入することにより、ポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31に設けた環状段差部100Aの環状係止部101Aに管状シム81の内周を挿し入れ、サイドプレート18とポンプカートリッジ収容空間30の底部壁面31の間に管状シム81をその軸方向において隙間なく挟み、かつシール材82を圧密に挟圧するものになる。
本実施例によれば、実施例1の作用効果(a)、(b)、(d)を奏するとともに、管状シム81とシール材82をそれらの径方向で環状段差部100Bに係止して安定的に保持できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ポンプケーシング11のポンプハウジング11Aが備えるポンプカートリッジ収容空間30の底部に凹設した高圧力室28Aの外周側で、その底部壁面31とサイドプレート18との間に、管状シム81とシール材82を介設するものでも良い。
図1は可変容量型ポンプを示す断面図である。 図2は図1のII−II線に沿う断面図である。 図3は実施例1の管状シムとシール材の装填構造を示す断面図である。 図4は実施例2の管状シムとシール材の装填構造を示す断面図である。 図5は実施例3の管状シムとシール材の装填構造を示す断面図である。
符号の説明
10 可変容量型ポンプ
11 ポンプケーシング
12 ポンプ軸
13 ロータ
13A 溝
17 ベーン
18 サイドプレート
18B カバー
20 嵌装孔
22 カムリング
23 ポンプ室
28A 高圧力室
30 ポンプカートリッジ収容空間
31 底部壁面
32 環状溝部
32A、32B 環状係止部
81 管状シム
82 シール材
90 環状溝部
90A、90B 環状係止部
100 環状空間
100A、100B 環状段差部
101A、101B 環状係止部

Claims (5)

  1. ポンプケーシングに挿入されるポンプ軸に固定して回転駆動されるとともに、多数のベーンを溝に収容して半径方向に移動可能としてなるロータと、
    ポンプケーシング内の嵌装孔に嵌装されて移動変位可能とされ、ロータの外周部との間にポンプ室を形成するとともに、ポンプ室の容積が最大となるような付勢力が与えられているカムリングと、
    ポンプケーシング内のポンプカートリッジ収容空間の底部に回転不能に収容され、ロータとカムリングとの一側に摺接するサイドプレートと、
    ポンプケーシングの開口を塞ぎ、ロータとカムリングとの他側に摺接するカバーとを備えてなる可変容量型ポンプにおいて、
    ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートとの間に、管状シムと、管状シムの内周側又は外周側に添設されるシール材を介設したものであり、
    ポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの少なくとも一方に設けられた環状係止部に、管状シムとシール材を係止したことを特徴する可変容量型ポンプ。
  2. 前記管状シムとシール材がポンプカートリッジ収容空間の底部壁面とサイドプレートの一方に設けられた環状溝部に装填される請求項1に記載の可変容量型ポンプ。
  3. 前記管状シムとシール材がポンプカートリッジ収容空間の底部壁面に設けられた環状段差部と、この環状段差部に相対するようにサイドプレートに設けられた環状段差部とに囲まれる環状空間に装填される請求項1に記載の可変容量型ポンプ。
  4. 前記シール材が、管状シムに対する、サイドプレートによってポンプケーシング内に区画されている高圧力室の側に添設される請求項1〜3のいずれかに記載の可変容量型ポンプ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の可変容量型ポンプを用いた自動車用油圧パワーステアリング装置。
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