JP6170369B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6170369B2 JP6170369B2 JP2013162222A JP2013162222A JP6170369B2 JP 6170369 B2 JP6170369 B2 JP 6170369B2 JP 2013162222 A JP2013162222 A JP 2013162222A JP 2013162222 A JP2013162222 A JP 2013162222A JP 6170369 B2 JP6170369 B2 JP 6170369B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- passage
- main shaft
- refrigerant
- scroll
- insert
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Description
スイングリンク方式を採用するスクロール圧縮機では、起動時の旋回スクロール位置によっては、旋回半径が過小になったままで運転されると圧縮不良となる可能性がある。そこで、圧縮不良を防止するために、可変旋回半径の範囲を規制する目的で、例えばバランスウェイトに設けられたピン(以下、リミットピン)と、主軸に設けられ、リミットピンが遊嵌する穴(以下、リミット穴)と、からなる機構により旋回半径の可変幅を規制している(例えば、特許文献1)。
ところが、特許文献2によると、弾性部材がリミットピンおよびリミット穴に常に接触しているために、特許文献2によるスクロール圧縮機を長期間に亘って使用していると、弾性部材が劣化してしまい、リミットピンとリミット穴とを離間させ、所定の相対位置関係に保持するという機能を失うことがある。弾性部材に十分な強度・耐久性を持たせるためには、サイズを大きくする必要がありスペース的に不利になる。また、弾性部材を交換すればよいが、その作業は煩雑である。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、リミットピンおよびリミット穴に常に接触する部材を設けることなく、リミットピンとリミット穴とが接触する際に発生する音を抑制できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、スイング規制機構の要素であるリミット穴が、主軸に装着される樹脂製の入れ子に形成されること、及び、冷媒通路が、入れ子の周りに形成されることを特徴とする。
また、本発明のスクロール圧縮機は、冷媒通路を入れ子の周りに形成するので、冷却が必要な部位に低圧、つまり低温の冷媒を供給できるのに加え、冷媒通路を独立して形成するのに比べて工数が少なくて済む。
冷媒通路を入れ子の周りに形成することの他の形態としては、冷媒通路を構成する溝を主軸の側に形成することもできる。ただし、この形態であっても、冷媒通路は入れ子から離れて存在するものではなく、入れ子の周りに存在することが前提となる。
そうすれば、リミットピンの接触により入れ子が受ける面圧を下げることができるので、入れ子の耐久性を向上することができる。
そうすれば、回り止めが抵抗となり、装着される主軸に対して、入れ子が回転して位置ずれを起こすことを抑制できる。
主軸の回転の向きとは逆向きに偏移していれば、主軸の回転に伴って、第2通路の開口から動圧を拾うのが抑制されるので、低圧の冷媒の供給を効率よく行うことができる。
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機10は、スクロール型で、ハウジング11の内部に、主軸31と、主軸31の回転に伴って回転する旋回スクロール32と、ハウジング11に固定される固定スクロール33と、を備える。
圧縮機10は、ハウジング11に形成された冷媒導入ポートPINからハウジング11内に冷媒(ガス)が導入され、旋回スクロール32と固定スクロール33との間に形成された圧縮室Rにおいて冷媒が圧縮される。そして、圧縮された冷媒は、ハウジング11に形成された冷媒吐出ポートPEXから吐出される。以下、図2及び図3も参照して圧縮機10の構成を説明する。
副軸受34と主軸受35との間には、リップシール38が設置されており、ハウジング11の内部と大気との間を気密にシールしている。
なお、図1の軸線方向Lにおいて、入力端31cが設けられる側を前、その逆側を後と定義して、位置を特定することがある。
旋回スクロール32の端板32aには、ドライブ軸51を収容する凹部32cが形成されている。ドライブ軸51は、この凹部32cに、後述するバランスウェイト40(偏心ブッシュ57)、ドライブ軸受け53を介して回転自在に保持されている。
これにより、旋回スクロール32は、主軸31の中心に対し、予め定められた寸法(r,図2参照)だけ偏心して設けられ、主軸31がその軸線周りに回転すると、旋回スクロール32は、主軸31の中心に対し、偏心した寸法を半径とした回転(公転)を行う。なお、旋回スクロール32が、公転しつつも、自転はしないよう、旋回スクロール32と主軸31との間には、図示しないオルダムリング(自転防止機構)が介在している。
リミットピン61は、偏心ブッシュ57と一体をなすバランスウェイト40と一体に鍛造成形又は鋳造成形され、所要箇所を切削加工することによって所定の形状に仕上げられている。一方、リミット穴65は、主軸31とは別体として作製され、主軸31の軸支部31bに装着される入れ子(cylinder bush)63に形成されている。この入れ子63を用いてリミット穴65を設けていることが、本実施形態の規制機構60の構造上の特徴であり、以下、図4をも参照して詳しく説明する。
保持穴31dは、入れ子63を必要な力で圧入できるように、入れ子63の外径D5を考慮した開口径D4に形成される。また、保持穴31dは、開口からの深さDeが、入れ子63の軸線方向の寸法(長さLe)と一致するように形成されている。
保持穴31dは、主軸31を一体に鍛造成形した後に、切削加工することによって形成することができる。又は、保持穴31dを含めて、主軸31を一体に鋳造成形することもできる。
入れ子63は、図4に示すように、軸線方向の後端側に、周壁66を除いて窪みを設けることでリミット穴65が形成されている。入れ子63は、リミット穴65がリミットピン61を収容されるように、保持穴31dに装着される。
入れ子63は、外周面に設けられる第1通路67と、第1通路67に連なり、軸線方向Lの前方の端面に形成される第2通路68と、を備える。第1通路67は、入れ子63の軸線方向Lに沿って形成され、入れ子63の外周面から所定の深さだけ窪む溝である。また、第2通路68は、入れ子63の直径に沿って形成される。第1通路67と第2通路68は、入れ子63が保持穴31dに装着されると、低圧で低温の冷媒をリップシール38に向けて流す通路として機能する。つまりこの冷媒は、第1通路67の入口67INから流入し、第1通路67及び第2通路68を順に通って、第2通路68の出口68OUTから流出する。なお、ここでは第1通路67が周壁66の厚さと同じ深さを有し、第2通路68は第1通路67と同じ深さ及び幅を有している例を示しているが、当該機能を発揮できる限り、深さ及び幅はもちろんのこと、設ける部位も任意である。
(a)PEEK(ポリエーテルエーテルケトン,Poly Ether Ether Ketone)
(b)PPS(ポリフェニレンサルファイド,Poly Phenylene Sulfide)+PTFE(ポリテトラフルオロエチレン (Poly Tetra Fluoro Ethylene)+CF(炭素繊維,Carbon Fiber);PPS中にPTFE とCFが分散
(c)POM(ポリオキシメチレン(Poly Oxy Methylene)
以上の構成を備える圧縮機10の作用及び効果を説明する。
外部の駆動源、例えばエンジンから図示を省略するプーリー及び電磁クラッチ等の伝達手段を介して回転駆動力を入力端31cに伝達し、主軸31を回転すると、主軸31のドライブ軸51に偏心ブッシュ57及びドライブ軸受53を介して連結されている旋回スクロール32が、自転阻止機構により自転を阻止されながら、固定スクロール33の周りに公転旋回駆動される。
例えば、本発明が適用されるスクロール圧縮機の構成については圧縮機10に限定する意図はなく、一部の構成を他の構成に置き換えた圧縮機、または、他の構成を有した圧縮機においても本発明を適用できるのは言うまでもない。特に、圧縮機10は圧縮室Rの容積が周方向及びラップ高さ方向に減少されるが、本発明は容積が周方向にのみ減少するスクロール圧縮機に適用することもできる。
なお、回り止め69は、入れ子63が円柱状の形態をなしていることを前提としているが、本発明における入れ子は円柱状に限るものでない。例えば、断面が矩形の入れ子を用いることもできる。ただし、入れ子を保持する保持穴の加工容易性を考慮すると、円柱状の入れ子が好ましい。
図7に示すように、前述した第1通路67に対応する通路137を保持穴131dの壁面に形成することができる。この場合の入れ子163は、外周が窪みのない単純な円周面から構成される。入れ子63の端面に形成されている第2通路68に対応する通路を同様にして形成することもできる。しかし、図7に示す例では、入れ子163の長さLeを保持穴131dの深さDeよりも小さくする(Le<De)ことにより、装着された入れ子163の後端面と保持穴131dの底面との間に第2通路138として機能する空隙を設けている。
リップシール38に向けて冷媒が通過する通路は、入れ子63,163の内部を貫通するように形成することもできる。この場合も、本発明における入れ子の周りに包含される。つまり、本発明における「入れ子の周り」とは、冷媒が通過する通路が、入れ子の内部に存在しているか、又は、入れ子に接して設けられていればよい。
11 ハウジング
31 主軸
31a,31b 軸支部
31c 入力端
31d,131d 保持穴
31e 開口
32 旋回スクロール
32a 端板
32b 渦巻き状ラップ
32c 凹部
33 固定スクロール
33a 端板
33b 渦巻き状ラップ
33c 吐出ポート
34 副軸受
35 主軸受
36 リテーナ
37 吐出リード弁
38 リップシール
40 バランスウェイト
40a プレート部
40b ウェイト部
43 凹部
50 従動クランク機構(スイングリンク機構)
51 ドライブ軸
53 ドライブ軸受
55 ボス
57 偏心ブッシュ
60 規制機構
61 リミットピン
63,163 入れ子
65 リミット穴
66 周壁
67,167 第1通路
67IN 入口
68,168 第2通路
68OUT 出口
PIN 冷媒導入ポート
PEX 冷媒吐出ポート
R 圧縮室
Claims (5)
- それぞれ端板上に立設された渦巻き状ラップを有し、互いに噛合されて冷媒を圧縮する圧縮室を形成する固定スクロールおよび旋回スクロールと、
前記旋回スクロールを公転旋回駆動する主軸と、
前記主軸と前記旋回スクロールとの間に介在されるスイングリンク機構と、
前記スイングリンク機構のスイング範囲を規制するリミット穴と、前記リミット穴に遊嵌されるリミットピンと、を有するスイング規制機構と、
前記主軸に設けられ、低圧の前記冷媒が通過する冷媒通路と、を備え、
前記リミット穴は、前記主軸に装着される樹脂製の入れ子に形成され、
前記冷媒通路は、前記入れ子の周りに形成される、
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記冷媒通路は、前記入れ子に形成される溝により構成される、
請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記リミット穴を仕切る壁面であって、前記リミットピンの接触が想定される領域を、前記リミットピンの外周面の形状に倣った形状とする、
請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。 - 円柱状の前記入れ子の外周面に、径方向の外側に向けて突出する回り止めが形成される、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。 - 前記冷媒通路は、
前記主軸の軸線方向に延びる第1通路と、
一端が前記第1通路に連通し、他端が前記主軸の外周に開口する第2通路と、を備え、
前記第2通路の開口は、前記第2通路が前記第1通路と連通する部位よりも、前記主軸の回転の向きの後方に偏移している、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013162222A JP6170369B2 (ja) | 2013-08-05 | 2013-08-05 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013162222A JP6170369B2 (ja) | 2013-08-05 | 2013-08-05 | スクロール圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015031218A JP2015031218A (ja) | 2015-02-16 |
JP6170369B2 true JP6170369B2 (ja) | 2017-07-26 |
Family
ID=52516748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013162222A Expired - Fee Related JP6170369B2 (ja) | 2013-08-05 | 2013-08-05 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6170369B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114087230A (zh) * | 2021-12-10 | 2022-02-25 | 浙江科贸实业有限公司 | 一种局部凸起波浪形叶片及离心叶轮和离心通风机 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59107081U (ja) * | 1983-01-10 | 1984-07-19 | 三菱重工業株式会社 | スクロ−ル型流体機械 |
JPH0449684U (ja) * | 1990-08-30 | 1992-04-27 | ||
JP3687279B2 (ja) * | 1997-06-30 | 2005-08-24 | 松下電器産業株式会社 | スクロール圧縮機 |
JP5259378B2 (ja) * | 2008-12-24 | 2013-08-07 | 株式会社ケーヒン | スクロール型圧縮機 |
JP5631355B2 (ja) * | 2012-05-07 | 2014-11-26 | 三菱重工業株式会社 | スクロール圧縮機 |
-
2013
- 2013-08-05 JP JP2013162222A patent/JP6170369B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015031218A (ja) | 2015-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102013270B1 (ko) | 다중 압축 메커니즘을 갖는 동방향-회전 압축기 | |
KR101099923B1 (ko) | 스크롤형 압축기 | |
EP2653650A2 (en) | Scroll type compressor | |
JP6550645B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP6207970B2 (ja) | スクロール型流体機械 | |
JP2008180094A (ja) | スクロール型流体機械 | |
EP3511520A1 (en) | Scroll compressor | |
US20110076169A1 (en) | Rotary compressor | |
JP6170369B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5565429B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
KR101970529B1 (ko) | 전동식 압축기 | |
WO2015064611A1 (ja) | スクロール型流体機械 | |
EP3431766B1 (en) | Scroll compressor | |
US20190203710A1 (en) | Motor operated compressor | |
JP4727468B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP4790757B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2008121490A (ja) | 回転式圧縮機 | |
JP2007247567A (ja) | スクロール圧縮機 | |
WO2023214561A1 (ja) | 圧縮機 | |
KR20200030390A (ko) | 전동식 압축기 | |
JP6821062B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
WO2023106116A1 (ja) | スクロール型流体機械 | |
JP7468428B2 (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP7233935B2 (ja) | スクロール型流体機械 | |
JP4699270B2 (ja) | スクロール圧縮機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20160615 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170321 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170613 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170630 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6170369 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |