JP2022092733A - パイル編地およびタオルハンカチ - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷により図柄を表現でき、そしてボリューム感や柔らかさが向上したパイル編地やタオルハンカチを提供する。【解決手段】パイル編地1は、第1パイル糸L1と第1地糸L2と第2地糸L3と第2パイル糸L4により経編機により編成され、第1地糸L2と第2地糸L3により基布3が形成され、第1パイル糸L1により基布2の第1面側にパイルが形成され、第2パイル糸L4により基布2の第2面側にパイルが形成されたパイル編地であり、第2パイル糸は無撚糸と不溶性糸の複合糸であり、第1パイル糸はポリエステル長繊維を含む糸である。【選択図】図3
Description
この発明は、印刷に適した縦編みパイル生地のパイル編地およびタオルハンカチに関する。
特許文献1には、ポリエステルのつなぎ糸と、吸発性ポリエステルの表側パイル糸と、吸発性ポリエステルの裏側パイル糸とを用い、丸編によって得られる組織を有する両面パイルのタオルであって、表側パイル糸によって構成される表側パイルのパイル長が、裏側パイル糸によって構成される裏側パイルのパイル長よりも短くなるように構成されているタオルが記載されている。そして、表側パイルのパイル長が短くなっているので、プレスをする際、表側パイルが傾れないために、転写紙に形成された図柄の輪郭が歪んだりする等の不都合が生じることはないと記載されている(同文献0024段落)。
特許文献2には、縦編編成を有し、転写印刷面では第1パイル糸がその列のパイル止め糸によるパイル止め点と隣の列のパイル止め糸によるパイル止め点を有し、転写印刷面でない面において第2パイル糸がその列のパイル止め糸によるパイル止め点を有する転写印刷用縦編みパイル生地が記載されている。
特許文献1によれば、同文献のタオルおよびタオル生地では、表面の全面が肌ざわりの良いパイルであるにも拘わらず、昇華プリントを施すことができる、とされている。表側のパイル長を裏側のパイル長より短くしているので、その分、裏側よりも精密な印刷ができることは期待できる。しかし、裏側のパイル長を長くしても、ポリエステル糸を使用しているので、タオル特有の手触りの良さや厚みが得にくい。
特許文献2の転写印刷用縦編みパイル生地および編みタオルでは、伸縮性・吸水性にとみ、しかも転写印刷により精密な図柄を表現できる。しかし、転写印刷において縦編みパイル生地はプレスされるため、ボリューム感や柔らかい触感が低下する場合があることがわかった。印刷による図柄を表現しながらも、ボリューム感や柔らかい触感のより優れたタオル原反やタオルハンカチが望まれる。
この発明は、印刷により図柄を表現でき、そしてボリューム感や柔らかさが向上したパイル編地やタオルハンカチを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、この発明のパイル編地は、第1パイル糸と第1地糸と第2地糸と第2パイル糸により経編機により編成され、第1地糸と第2地糸により基布が形成され、第1パイル糸により基布の第1面側にパイルが形成され、第2パイル糸により基布の第2面側にパイルが形成されたパイル編地であり、第2パイル糸は無撚糸と不溶性糸の複合糸であり、第1パイル糸はポリエステル長繊維を含む糸である。
特に、第1パイル糸は75de/144fのポリエステルのブライト糸を含む複合糸であり、1cm当り11コース以上の密度で編成され、パイル長が2mm以上6mm以下であることにより、精密な図柄を印刷することができる。
特に、第1パイル糸は75de/144fのポリエステルのブライト糸を含む複合糸であり、1cm当り11コース以上の密度で編成され、パイル長が2mm以上6mm以下であることにより、精密な図柄を印刷することができる。
また、この発明のタオルハンカチは、上述のパイル編地よりなり、第1面に印刷がなされている。
この発明のパイル編地およびタオルハンカチは、第2パイル面に無撚糸によるパイルが形成され、柔らかく、ボリューム感があり、しかも毛羽落ちが発生しにくい。
この発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。図1はパイル編地の断面を模式的に示す断面図、図2はパイル編地を構成する各糸を示す組織図、図3はパイル編地の編成を示す組織図である。
パイル編地1は、第1地糸L2、第2地糸L3、第1パイル糸L1および第2パイル糸L4で経編機によって編製される経編生地である。第1地糸L2と第2地糸L3により経編の基布2が形成される。この基布2の一方の面を第1面側とし、この第1面側には第1パイル糸L1によるパイルが形成される。他方の面を第2面側とし、この第2面側には第2パイル糸L2によるパイルが形成される。
この発明の実施例を詳しく説明する。まず、使用される糸の例について説明する。第1地糸L2、第2地糸L3はフィラメント糸である。特にポリエステル糸を使用することにより、きれいに印刷することができる。
第1パイル糸L1はポリエステル長繊維を含む糸が使用され、特にハイカウント糸や異形ブライト糸が好ましい。そして、第2パイル糸L2には無撚糸と不溶性糸の複合糸が使用される。この複合糸は綿糸に他の糸を合わせ、綿糸の撚りの撚り方向に対して逆方向にこの組み合わせの糸を回転させて綿糸の撚りをなくした複合糸である。本発明では他の糸として不溶性の糸を使用することによって、その糸がそのまま残るようにしたものである。例えば、細いポリエステル単糸を使用する。
第1パイル糸L1はポリエステル長繊維を含む糸が使用され、特にハイカウント糸や異形ブライト糸が好ましい。そして、第2パイル糸L2には無撚糸と不溶性糸の複合糸が使用される。この複合糸は綿糸に他の糸を合わせ、綿糸の撚りの撚り方向に対して逆方向にこの組み合わせの糸を回転させて綿糸の撚りをなくした複合糸である。本発明では他の糸として不溶性の糸を使用することによって、その糸がそのまま残るようにしたものである。例えば、細いポリエステル単糸を使用する。
本例で使用した糸は、次の通りである。
第1パイル糸L1:ポリエステルスパン糸40/1と2本のポリエステルフィラメント(75d/144f)の複合糸、
またはポリエステルスパン糸40/1とポリエステルフィラメント(75d/36f)の異形ブライトの複合糸
第1地糸L2:ポリエステルフィラメント(75d/36f)
第2地糸L3:ポリエステルフィラメント(75d/36f)
第2パイル糸L4:コットン30/2とポリエステル20d単糸による無撚糸
第1パイル糸L1:ポリエステルスパン糸40/1と2本のポリエステルフィラメント(75d/144f)の複合糸、
またはポリエステルスパン糸40/1とポリエステルフィラメント(75d/36f)の異形ブライトの複合糸
第1地糸L2:ポリエステルフィラメント(75d/36f)
第2地糸L3:ポリエステルフィラメント(75d/36f)
第2パイル糸L4:コットン30/2とポリエステル20d単糸による無撚糸
編成の例について説明する。図2はパイル編地を構成する各糸を示す平面図であり、図3はパイル編地の編成を示す組織図である。パイル生地は、縦編編成を有するパイル生地であり、機械編みで製造することができ、本例ではカール・マイヤー社の4枚筬の経編機を使用している。
縦編編成の各列は、4本の糸を一組にしている。第1面に現れるパイル糸である第1パイル糸L1、第1地糸L2、第2地糸L3、そして、第1面の反対側の面である第2面に現れるパイル糸である第2パイル糸L2が組となって各列で用いられる。
第1地糸L2(挿入)は00/55”を往復する。一方、第2地糸L3(鎖編)は01/10で往復する。ニードルゲージに対し1-in,1-outで、1/2ゲージにセットされている。
第1パイル糸L1は32/66または10/33で往復する。第2パイル糸L4は長いパイルを形成する場合には10/56であるが、短いパイルを形成したい場合は10/34とすることができる。
以上の編成により、第1パイル糸L1は上パイル糸として、基布2の第1面側にループ状のパイルを形成する。この第1面は印刷に適した面となる。ポリエステルスパン糸40/1と2本のポリエステルフィラメント(75d/144f)の3本撚りの複合糸を使用した場合は、高い吸水性を有する。ポリエステルフィラメントとしてブライト糸を使用することにより、光沢のある表面が得られる。一方、フルダル糸を使用すると、基布2の面が見えにくくなり、質感のある表面が得られる。
また、ポリエステルスパン糸40/1とポリエステルフィラメント(75d/36f)の異形ブライトの複合糸の場合は、光沢のある表面が得られる。
また、ポリエステルスパン糸40/1とポリエステルフィラメント(75d/36f)の異形ブライトの複合糸の場合は、光沢のある表面が得られる。
第2パイル糸L2は下パイル糸として、基布2の第2面側にループ状のパイルを形成する。第2パイル糸L2は無撚糸であるので、ボリューム感があり、しかも柔らかい。第2面は通常の縦編みパイルの状態である。コットンなどの裏パイル糸が第2面側にループ状のパイルを形成する。したがって、第2面においては通常のパイル生地と同様にパイルが突き出た状態である。
以上、両面にループ状のパイルを有するパイル編地が編成される。第1面は印刷用面であり、印刷により美しい図柄を表現できる。また、第2面には無撚糸によるパイルが形成され、ボリューム感があり、しかも柔らかな手触りである。本発明では、ポリエステル糸のような不溶性の糸を使用しているので、水で洗浄しても無撚糸の回りに巻き着いている糸はなくならない。これにより、無撚糸の毛羽落ちが生じにくい。
こうして得られたパイル編地は、ハンドタオルやバスタオル、タオルハンカチなどタオル商品のための原反として適している。特にこのパイル編地はタオルハンカチに適しており、第1面に印刷を施し、裁断および縫製し、印刷タオルハンカチを作成する。
特に、第1パイル糸に75de/144fのポリエステルフィラメント糸を含む複合糸を使用し、1cm当り11コース以上の密度で編成することにより、第1面を覆いつくすような濃密なパイル面を形成でき、基布が透けて見えなくなる。また、パイル長を2mm以上6mm以下にすることが好ましい。パイル長を2mm以上にすることによって基布が透けて見えにくくなり、6mm以下にすることによって印刷された図柄が崩れにくく、精密な図柄を美しく表現できる。
1.パイル編地
2.基布
L1.第1パイル糸
L2.第1地糸
L3.第2地糸
L4.第2パイル糸
2.基布
L1.第1パイル糸
L2.第1地糸
L3.第2地糸
L4.第2パイル糸
Claims (3)
- 第1パイル糸と第1地糸と第2地糸と第2パイル糸により経編機により編成され、第1地糸と第2地糸により基布が形成され、第1パイル糸により基布の第1面側にパイルが形成され、第2パイル糸により基布の第2面側にパイルが形成されたパイル編地であり、第2パイル糸は無撚糸と不溶性糸の複合糸であり、第1パイル糸はポリエステル長繊維を含む糸であるパイル編地。
- 第1パイル糸は75de/144fのポリエステルフィラメント糸を含む複合糸であり、1cm当り11コース以上の密度で編成され、パイル長が2mm以上6mm以下である請求項1に記載のパイル編地。
- 第1パイル糸と第1地糸と第2地糸と第2パイル糸により経編機により編成され、第1地糸と第2地糸により基布が形成され、第1パイル糸により基布の第1面側にパイルが形成され、第2パイル糸により基布の第2面側にパイルが形成されたパイル編地であり、第2パイル糸は無撚糸と不溶性糸の複合糸であり、第1パイル糸はポリエステル長繊維を含む糸であるパイル編地よりなり、第1面に印刷がなされているタオルハンカチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020205608A JP2022092733A (ja) | 2020-12-11 | 2020-12-11 | パイル編地およびタオルハンカチ |
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JP (1) | JP2022092733A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7262156B1 (ja) | 2022-09-01 | 2023-04-21 | 藤井株式会社 | タオル地 |
-
2020
- 2020-12-11 JP JP2020205608A patent/JP2022092733A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP7262156B1 (ja) | 2022-09-01 | 2023-04-21 | 藤井株式会社 | タオル地 |
JP2024035008A (ja) * | 2022-09-01 | 2024-03-13 | 藤井株式会社 | タオル地 |
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