JP2022086948A - 魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズル - Google Patents

魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズル Download PDF

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Abstract

【課題】魚のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚の旨味成分を格段に増加させることを可能にする魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズルを提供する。【解決手段】魚の処理方法は、魚1の頭部を、頭部切断面14で切り落とす頭部切断工程と、頭部切断面14から、腎臓6を通して魚体内に水を圧入することにより、魚1の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第1の血抜き工程と、を含む。具体的には、頭部切断面14上に露出した腎臓6に、操作部19を介してホース18に接続された血抜き用噴射ノズル17の先端部分17cを差し込み、水を圧入して、血抜きを行う。先端部分17cの先端面には、第3通水孔の周りに位置して十字溝17dが形成されており、これにより、先端部分17cの先端面からの液体を、多方向に向けて噴射させて、魚体全体の血管に行き渡らせることができる。【選択図】図9

Description

特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物等] vol.231究極の血抜き 作業動画 新しいノズル編 https://youtu.be/pKI1NPoct_Q [刊行物等] vol.232新たな器具で血を抜く編 https://youtu.be/pl23FTtWq3Y [刊行物等] vol.233暇になったら見てください編 https://youtu.be/PLcw64MwcUI [刊行物等] vol.234可愛いお魚食べてみた編 https://youtu.be/L2fsskWn2YU [刊行物等] vol.236いわなが鱒の究極の血抜き https://youtu.be/8QEiZ2wGfaU [刊行物等] vol.237究極の血抜きに新たな革命の扉が開いた(内蔵が無くても血抜きができる)編 https://youtu.be/wlxfwwFgR-o [刊行物等] vol.238新たな血抜き方法の研究『津本式は進化します』編 https://youtu.be/rfp2fBjC8xQ [刊行物等] vol.239究極の血抜きを実践する[釣り人は必ず観て欲しい]編 https://youtu.be/Rfp8QBKb0Ss [刊行物等] vol.240新しい血抜き法を紹介いたします。マイワシ(小魚)の究極の血抜き編 https://youtu.be/D-n_KYVPWh0 [刊行物等] vol.241新しい器具で仕事効率化(小アジを15秒で仕立てる)編 https://youtu.be/1wLeDVZo3rE [刊行物等] vol.242寝かせただけと熟成で旨味を上げた魚 実験食べ比べ編 https://youtu.be/vxBcWFh5WxE [刊行物等] vol.243究極の血抜き『リムーバーで簡単処理』編 https://youtu.be/y4YX7hrrUos [刊行物等] vol.244宮崎県で全国ニュースになった[あの魚が釣れる川] https://youtu.be/40_QS7KVyYc [刊行物等] vol.245中毒性のある作業編 https://youtu.be/N-6AFSJSDKQ [刊行物等] vol.246少しでもいい魚を仕立てたい『血抜きを知らない他人にさせるなら?』編 https://youtu.be/xs485saKkao
特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物等] vol.247津本式を始める人 魚仕立て屋になりたい人編 https://youtu.be/3DechdlzHa4 [刊行物等] vol.248ハゼ究極の血抜き編 https://youtu.be/eu6wtTI84_k [刊行物等] vol.249前回の動画のハゼを刺身で食べてみた!編 https://youtu.be/Y639a7J5eEc [刊行物等] vol.250リムーバーを使った『キビレチヌ』究極の血抜き編 https://youtu.be/HC91ShJEFrY [刊行物等] vol.251シイラの3枚おろしと知識編 https://youtu.be/YNwLe3FNLyQ [刊行物等] vol.253宮崎ケーブルTVに出演してみた編 https://youtu.be/BfmFQmmXBak [刊行物等] vol.254 [ノーカット]R2.9.17作業動画編 https://youtu.be/fun4G2IVxfU [刊行物等] vol.255新しいノズル!?バラエティー映像編 https://youtu.be/7HNpIShknbY [刊行物等] vol.256 [衝撃事実]魚に心臓ポンプ血抜きはほとんど意味が無い編 https://youtu.be/-HSgYuyWWW4 [刊行物等] vol.258小さなタチウオが釣れたなら?こんな食べ方したらいいよ!編 https://youtu.be/QrO4bV7irgk [刊行物等] vol.259美味しい[ボラ]たベるならいまだ!編 https://youtu.be/SEFW8Bl_DZk
特許法第30条第2項適用申請有り [刊行物等] vol.260スーパーで買ってきた魚の処理《ブリの子》編 https://youtu.be/gLcjohe8Ues [刊行物等] vol.263やっと価値の出てきた魚(こう言う魚を美味しく食べたい)編 https://youtu.be/qaUvz4zCORM [刊行物等] vol.267ワニゴチの急所からの究極の血抜き編 https://youtu.be/LXqs_VQ819M [刊行物等] vol.269究極の血抜きだけする作業動画編 https://youtu.be/TnviE0RMjeA
本発明は、魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズルに関する。さらに詳細には、本発明は、魚のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚の旨味成分を格段に増加させることを可能にする魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズルに関する。
魚体中の血液は、魚の生臭さの根元であり、また、死亡後の魚の腐敗(品質劣化又は脂質酸化)の原因となり、鮮度の低下を促進する一因である。
したがって、魚体内の血液を除去することは、魚の品質を保持するために大変重要な作業である。
換言すれば、魚体中の血液は、魚の腐敗(品質劣化又は脂質酸化)の原因となるものであるため、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことにより、魚の長期保存が可能となる。
以上のことから、従来、魚の鮮度を保ち、生臭さを取り除くために、魚の血抜き処理が行われている。
魚の血抜きに関しては、例えば、特許文献1に開示されているように、魚の脊髄に損傷を与えることにより活きた状態を保持して運動機能を低下させ、この運動機能を低下させた魚の鰓(エラ)に向けて新鮮な水を供給し、鰓に水を通過させることで、活かしながら血管を切断して血抜きを行うようにした技術が知られている。
特許第4255089号公報
ところで、魚は、死亡直後では旨味成分(イノシン酸等)が少ないが、死亡後長期間を経過すると旨味成分が増加することが知られている。
しかしながら、特許文献1に開示されているような、魚の鰓に水を通過させることによって血抜きを行う方法では、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうには不十分であり、旨味成分を格段に増加させるのに十分な魚の長期保存が達成されていないのが現状である。
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、腎臓が造血機能を有し、魚体内の血管と密接に繋がっていること、及び、腎臓に加えて動脈にも大量の血が存在することに着目し、本発明をするに至った。
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、魚のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚の旨味成分を格段に増加させることを可能にする魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズルを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る魚の処理方法の構成は、
(1)下記の工程を含むことを特徴とする。
(a)魚の頭部を、少なくとも腎臓が露出するまで切断する第1の切断工程
(b)前記魚の頭部の切断面から、前記腎臓を通して魚体内に液体を圧入することにより、前記魚の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第1の血抜き工程
本発明の魚の処理方法の上記(1)の構成は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、腎臓は造血機能を有し、魚体内の血管と密接に繋がっているため、腎臓を通して魚体内に液体を圧入することにより、魚体全体の血管に液体を行き渡らせることができる。その結果、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことが可能となり、旨味成分を格段に増加させるのに十分な魚のさらなる長期保存が可能となる。
したがって、本発明の魚の処理方法の上記(1)の構成によれば、魚のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚の旨味成分を格段に増加させることを可能にする魚の処理方法を提供することができる。
また、本発明の魚の処理方法の上記(1)の構成によれば、上述の通り、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことが可能となるため、当該魚を例えば刺身などの切り身にした場合に、血溜まりが生じて見た目が悪くなる等の問題が発生することもない。
本発明の魚の処理方法の上記(1)の構成においては、以下の(2)~(4)のような構成にすることが好ましい。
(2)下記の工程をさらに含む。
(c)前記魚の頭部を、さらに動脈が露出するまで切断する第2の切断工程
(d)前記魚の頭部の切断面から、前記動脈を通して魚体内に液体を圧入することにより、前記魚の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第2の血抜き工程
上記(2)の好ましい構成は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、腎臓に加えて動脈にも大量の血が存在するため、動脈を通して魚体内に液体を圧入することにより、さらに魚体全体の血抜きが可能となる。
(3)上記(a)の第1の切断工程の前に、下記の工程をさらに含む。
(e)前記魚の頭部に刺突具を突き刺して、前記魚の脳を破壊する活け締め工程
(f)前記魚の尾部を、少なくとも脊髄が露出するまで切断する第3の切断工程
(g)前記魚の尾部の切断面の、前記脊髄のある場所で液体を圧入することにより、前記脊髄を抜いて運動機能を停止させる神経締め工程
上記(3)の好ましい構成によれば、魚を脳死させ、かつ、魚の脊髄(神経)を抜いて運動機能を停止させることにより、当該魚を半身不随と同じ状態にすることができる。その結果、エネルギーの消費が減り、乳酸が溜まらなくなって体の酸化を防止することができる。
(4)上記(g)の神経締め工程の後で、上記(a)の第1の切断工程の前に、下記の工程をさらに含む。
(h)前記魚の腹部を切り裂く腹裂き工程
(i)前記魚の腹腔内の内臓及び血合いを除去する、はらわた除去工程
この場合、上記(b),(d)の第1及び第2の血抜き工程の際に、液体が魚体外に極力漏れないようにするために、腎臓及び動脈と腹腔との境界にある腹膜は残したままにしておくことが好ましい。
従来の魚の血抜き処理は、活魚の鰓に水を通過させることによって行うものであるため(特許文献1)、水を魚体外に漏らさず、効率的に血抜きを行うためにも、「はらわた」という食には関係のない部分を残したまま血抜きを行う必要があった。
これに対し、本発明の魚の処理方法は、腎臓及び/又は動脈を通して魚体内に液体を圧入することにより、魚の血液を魚体外へ排出して血抜きを行うものであるため、「はらわた」が残っていなくても、効率的に血抜きを行うことができる。したがって、本発明の魚の処理方法を用いれば、結果として、「はらわた」という食には関係のない部分を早期に処理することが可能となる。
また、本発明に係る血抜き用噴射ノズルの構成は、
(5)前記本発明の魚の処理方法に用いられる、液体を圧入するための血抜き用噴射ノズルであって、
液体供給用のホースに接続される摘み部と、前記摘み部の前端部に接続され、中心軸上に通水孔を有する縦長筒状のノズル本体とを備え、
前記ノズル本体の先端面の前記通水孔の周りに位置して、放射状に複数の凹溝が形成されていることを特徴とする。
ところで、魚の血管は、主に魚体の中心部(背骨付近)を通っているが(動脈)、それだけではなく、体を動かすためなどに、全身のあらゆる方向にくまなく通っている。例えば、魚の血管は、魚体の中心部から魚体の上端の方にも繋がっており、側面の方にも繋がっている。また、魚の皮にも血管があり、血が通っている。
そして、本発明の血抜き用噴射ノズルの上記(5)の構成によれば、特に、ノズル本体の先端面の通水孔の周りに位置して、放射状に複数の凹溝が形成されていることにより、腎臓や動脈の中に当該血抜き用噴射ノズルの先端部分を差し込み、液体を圧入して行う上記(b),(d)の第1及び第2の血抜き工程の際に、ノズル本体の先端からの液体を、多方向に向けて噴射させて、魚体全体の血管に行き渡らせることができる。その結果、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことが可能となり、旨味成分を格段に増加させるのに十分な魚のさらなる長期保存が可能となる。
したがって、本発明の噴射ノズルの上記(5)の構成によれば、魚のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚の旨味成分を格段に増加させることを可能にする、魚の処理方法に用いる血抜き用噴射ノズルを提供することができる。
本発明の血抜き用噴射ノズルの上記(5)の構成においては、以下の(6),(7)のような構成にすることが好ましい。
(6)前記ノズル本体の先端部分の外周面に凹凸模様が形成されている。
上記(6)の好ましい構成によれば、上記(i)の「はらわた」除去工程の際に、魚の腹腔内の内臓及び血合いを、ある程度手で取り出した後、ノズル本体の先端から液体を噴射させながら、魚の腹腔内の残りの内臓及び血合いを、ノズル本体の先端部分の凹凸模様で引っ掛けて掻き出すことにより、魚の腹腔内を効率良くきれいに洗浄することが可能となる。
(7)前記摘み部と前記ホースとの間に、前記ノズル本体の先端からの液体の噴射と噴射の停止とを制御操作する操作部が介在される。
本発明によれば、魚のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚の旨味成分を格段に増加させることを可能にする魚の処理方法及びそれに用いる血抜き用噴射ノズルを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態における魚の処理方法が適用される魚(カンパチ)を示す側面図である。 図2は、本発明の一実施形態における魚の処理方法のうち、活き締め工程、尾部切断工程、腹裂き工程及び頭部切断工程で用いられる、刺突具を兼ねた包丁を示す斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態における魚の処理方法のうちの神経締め工程で用いられる神経締め用噴射ノズルを示す斜視図である。 図4は、本発明の一実施形態における血抜き用噴射ノズルを示す図((a)は側面図、(b)は(a)を先端側(図4(a)の右側)から見た拡大端面図)である。 図5は、本発明の一実施形態における血抜き用噴射ノズルの内部構造及び各部の寸法を示す断面図である。 図6(a)は、本発明の一実施形態における魚の処理方法のうちの活き締め工程を示す斜視図、図6(b)は、当該魚の処理方法のうちの尾部切断工程を示す斜視図である。 図7は、本発明の一実施形態における魚の処理方法のうちの神経締め工程を示す斜視図である。 図8は、本発明の一実施形態における魚の処理方法のうち、腹裂き工程及び「はらわた」除去工程を示す側面図である。 図9は、本発明の一実施形態における魚の処理方法のうちの第1及び第2の血抜き工程を示す側面図である。 図10は、図9における頭部切断面を矢印Bの方向から見た拡大模式図である。 図11は、本発明の一実施形態における魚の処理方法を施した魚(カンパチ)の冷蔵保存中の旨味成分の変化の様子を示すグラフである。
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
[魚の処理方法が適用される魚]
まず、本発明の一実施形態における魚の処理方法が適用される魚について説明する。
本発明の魚の処理方法は、広く魚一般に適用されるものであり、例えば、カンパチ、ブリなどの養殖魚や天然魚のいずれにも適用可能である。本実施形態においては、一例として、図1に示すカンパチへの適用例について説明する。
図1は、本実施形態における魚の処理方法が適用される魚(カンパチ)を示す側面図である。
図1に示すように、魚(カンパチ)1の鰓蓋2の奥には、心臓を内蔵する体腔である囲心腔3が存在し、この囲心腔3は、消化器系の臓器を内蔵する体腔である腹腔4とは腹膜10によって隔絶されている。また、魚体の中心部には、背骨5、腎臓6、動脈7、脊髄(神経)8が存在し、特に、腎臓6及び動脈7は、腹腔4とは腹膜10によって隔絶されている。
なお、図1中、参照符号9,11,12,13及び14は、脳、頭部、尾部、尾部切断面及び頭部切断面をそれぞれ示している。
[魚の処理方法に用いられる器具]
次に、本発明の一実施形態における魚の処理方法に用いられる器具の構成について、図2~図5を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態における魚の処理方法のうち、活き締め工程、尾部切断工程、腹裂き工程及び頭部切断工程で用いられる、刺突具を兼ねた包丁を示す斜視図、図3は、当該魚の処理方法のうちの神経締め工程で用いられる神経締め用噴射ノズルを示す斜視図、図4は、本実施形態における血抜き用噴射ノズルを示す図((a)は側面図、(b)は(a)を先端側(図4(a)の右側)から見た拡大端面図)、図5は、当該血抜き用噴射ノズルの内部構造及び各部の寸法を示す断面図である。
(包丁)
図2に示すように、本実施形態の魚の処理方法で用いられる包丁15は、略矩形リング状の柄部15aと、柄部15aの先端に固定された、刃先15cを有する直角三角形状の刃部15bと、からなっている。
包丁15の刃部15bは、処理後に食することになる魚1を取り扱うものであるため、錆びにくい性質を有するステンレス鋼で形成されている。
当該包丁15を用いれば、活き締め工程の際に、包丁15のリング状の柄部15aの穴に親指以外の指を通して柄部15aを把持し、刃先15cの先端(C)を魚1の頭部11に突き刺して、魚1の脳9を破壊することができる(刺突具としての使用 図1,図6(a)を参照)。
また、当該包丁15は、尾部切断工程、腹裂き工程及び頭部切断工程でも用いられる(通常の包丁としての使用 図1,図6(b),図8を参照)。
(神経締め用噴射ノズル)
図3に示すように、本実施形態の魚の処理方法で用いられる神経締め用噴射ノズル16は、水供給用のホース18(図7を参照)に接続される、先端に向かって縮径する略円錐状に形成された先部16bを有する口金16aと、口金16aの先端に設けられた、水を噴射するための縦長円筒状の噴射口16cと、を備えている。
口金16aは、先部16bの後端に連続して形成された略六角柱状の摘み部16dと、摘み部16dの後端に連続して形成された、雄ネジを有する接続部16eと、をさらに備えている。そして、摘み部16dを摘まんで、雌ネジを有するホース接続金具(図示せず)にねじ込むことにより、当該ホース接続金具を介して神経締め用噴射ノズル16をホース18に簡単に接続することができる。
神経締め用噴射ノズル16は、処理後に食することになる魚1を取り扱うものであるため、錆びにくい性質を有するステンレス鋼で形成されている。
当該神経締め用噴射ノズル16を用いれば、神経締め工程の際に、ノズルを狙った位置に配置しやすくなるとともに、噴射による水圧を一点に集中させることができるので、脊髄(神経)8を抜きやすくすることが可能となる(図1,図7を参照)。
(血抜き用噴射ノズル)
図4,図5に示すように、本実施形態の血抜き用噴射ノズル17は、水供給用のホース18(図8,図9を参照)に接続される略六角柱状の摘み部17aと、摘み部17aの前端部に滑らかに接続された縦長円筒状のノズル本体17bと、を備えている。ノズル本体17bの先端部分17cは、やや小径に形成されていると共に、外周面に雄ネジが螺設されている。
摘み部17a、ノズル本体17b及びその先端部分17cの中心軸上には、それぞれ、互いに連通する第1通水孔17e、第2通水孔17f及び第3通水孔17gが形成されている。第1通水孔17e、第2通水孔17f及び第3通水孔17gは、この順番に通水孔の径が小さくなっており、これにより、先端部分17cの先端から勢いよく水を噴射させることができるようにされている。
血抜き用噴射ノズル17の各部の寸法は、図5に示す通りであるが、かかる寸法に限定されるものではない。また、血抜き用噴射ノズル17は、処理後に食することになる魚1を取り扱うものであるため、錆びにくい性質(耐腐食性)を有するステンレス鋼で形成されている。
ノズル本体17bの先端部分17cの先端面には、第3通水孔17gの周りに位置して十字溝17dが形成されている。十字溝17dは、溝幅が約0.7mm~約0.9mmであり、好ましくは約0.8mmである。また、十字溝17dは、溝の深さも約0.7mm~約0.9mmであり、好ましくは約0.8mmである。
摘み部17aの後端には、接続用の雄ネジ部が設けられている。そして、摘み部17aの後端の雄ネジ部に、操作部19を介してホース18を接続し、操作部19の操作ボタン19aを操作することにより、ノズル本体17bの先端からの水の噴射と噴射の停止とを制御操作することができるようにされている。具体的には、操作ボタン19aを押している間だけ、ノズル本体17bの先端から水が噴射されるようにされている。
以上説明した血抜き用噴射ノズル17の構成によれば、特に、ノズル本体17bの先端面の第3通水孔17gの周りに位置して十字溝17dが形成されていることにより、腎臓6や動脈7の中に当該血抜き用噴射ノズル17の先端部分17cを差し込み、水を圧入して行う後述する第1及び第2の血抜き工程の際に、ノズル本体17bの先端からの水を、多方向に向けて噴射させて、魚体全体の血管に行き渡らせることができる。その結果、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことが可能となり、旨味成分を格段に増加させるのに十分な魚1のさらなる長期保存が可能となる。
したがって、本実施形態の血抜き用噴射ノズル17の構成によれば、魚1のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚1の旨味成分を格段に増加させることを可能にする、魚の処理方法に用いる血抜き用噴射ノズルを提供することができる。
また、ノズル本体17bの先端部分17cの外周面に雄ネジが螺設されているという好ましい構成によれば、後述する「はらわた」除去工程の際に、魚1の腹腔4内の内臓及び血合いを、ある程度手で取り出した後、残りの内臓及び血合いを、ノズル本体17bの先端から水を噴射させながら先端部分17cの雄ネジで引っ掛けて掻き出すことにより、魚1の腹腔4内を効率良くきれいに洗浄することが可能となる。
[魚の処理方法]
次に、本発明の一実施形態における魚の処理方法について、図6~図11をも参照しながら説明する。
図6(a)は、本実施形態における魚の処理方法のうちの活き締め工程を示す斜視図、図6(b)は、当該魚の処理方法のうちの尾部切断工程を示す斜視図、図7は、当該魚の処理方法のうちの神経締め工程を示す斜視図、図8は、当該魚の処理方法のうち、腹裂き工程及び「はらわた」除去工程を示す側面図、図9は、当該魚の処理方法のうちの第1及び第2の血抜き工程を示す側面図、図10は、図9における頭部切断面を矢印Bの方向から見た拡大模式図、図11は、当該魚の処理方法を施した魚(カンパチ)の冷蔵保存中の旨味成分の変化の様子を示すグラフである。
(前処理)
本実施形態においては、血抜きを行う前に、活け締め工程、尾部切断工程及び神経締め工程が順に行われる。すなわち、本実施形態においては、魚(カンパチ)1の脊髄(神経)8を抜いて運動機能を停止させることにより、当該魚(カンパチ)1を半身不随と同じ状態にして、血抜きが行われる。
脊髄(神経)8の抜き取りは、具体的には、以下のようにして行われる。
すなわち、まず、図1,図2,図6(a)に示すように、包丁(刺突具)15のリング状の柄部15aの穴に親指以外の指を通して柄部15aを把持し、刃先15cの先端(C)を魚(カンパチ)1の頭部11に突き刺して、魚(カンパチ)1の脳9を破壊する(活け締め工程)。
次いで、図1,図2,図6(b)に示すように、包丁15を用いて、魚(カンパチ)1の尾部12を、尾部切断面13で切り落とす(尾部切断工程)。これにより、図1,図7に示すように、尾部切断面13上に脊髄(神経)8が露出した状態となる。なお、このとき、動脈7も尾部切断面13上に露出した状態となっている。
次いで、図1,図3,図7に示すように、尾部切断面13上に露出した脊髄(神経)8に、ホース18に接続された神経締め用噴射ノズル16の噴射口16cを挿入し、水を噴射させる(圧入する)ことにより、魚体中から脊髄(神経)8を抜いて、魚(カンパチ)1の運動機能を停止させる(神経締め工程)。
以上の活け締め工程、尾部切断工程及び神経締め工程を経れば、魚を脳死させ、かつ、魚の脊髄(神経)を抜いて運動機能を停止させることにより、当該魚を半身不随と同じ状態にすることができる。その結果、エネルギーの消費が減り、乳酸が溜まらなくなって体の酸化を防止することができる。
また、本実施形態においては、血抜きを行う前に、腹裂き工程、はらわた除去工程が順に行われる。
「はらわた」の除去は、具体的には、以下のようにして行われる。
すなわち、まず、図2,図4,図5,図8に示すように、包丁15を用いて、魚(カンパチ)1の腹部を切り裂き(図8の矢印Aを参照 腹裂き工程)、腹腔4内の内臓及び血合いを除去する(はらわた除去工程)。はらわた除去工程の際には、魚(カンパチ)1の腹腔4内の内臓及び血合いを、ある程度手で取り出した後、残りの内臓及び血合いを、血抜き用噴射ノズル17のノズル本体17bの先端から水を噴射させながら先端部分17cの雄ネジで引っ掛けて掻き出す。これにより、魚(カンパチ)1の腹腔4内を効率良くきれいに洗浄することができる。
この場合、後述する第1及び第2の血抜き工程の際に、腎臓6及び動脈7に圧入する水が魚体外に極力漏れないようにするために、腎臓6及び動脈7と腹腔4との境界にある腹膜10は残したままにしておくことが好ましい。
従来の魚の血抜き処理は、魚の鰓に水を通過させることによって行うものであるため(特許文献1)、水を魚体外に漏らさずに、効率的に血抜きを行うためにも、「はらわた」という食には関係のない部分を残したまま血抜きを行う必要があった。
これに対し、本実施形態の魚の処理方法は、腎臓6及び/又は動脈7を通して魚体内に水を圧入することにより、魚(カンパチ)1の血液を魚体外へ排出して血抜きを行うものであるため、「はらわた」が残っていなくても、効率的に血抜きを行うことができる。したがって、本実施形態の魚の処理方法を用いれば、結果として、「はらわた」という食には関係のない部分を早期に処理することが可能となる。
(血抜き処理)
次いで、図1,図2,図9に示すように、包丁15を用いて、魚(カンパチ)1の頭部11を、頭部切断面14で切り落とす(頭部切断工程)。これにより、図9,図10に示すように、頭部切断面14上に腎臓6及び動脈7が露出した状態となる。
次いで、頭部切断面14から、腎臓6を通して魚体内に水を圧入することにより、魚(カンパチ)1の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う(第1の血抜き工程)。
具体的には、図9に示すように、頭部切断面14上に露出した腎臓6に、操作部19を介してホース18に接続された血抜き用噴射ノズル17の先端部分17cを差し込み、水を噴射させて、血抜きを行う。
頭部切断工程と第1の血抜き工程を含む本実施形態の魚の処理方法の構成は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、腎臓6は造血機能を有し、魚体内の血管と密接に繋がっているため、腎臓6を通して魚体内に水を圧入することにより、魚体全体の血管に水を行き渡らせることができる。その結果、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことが可能となり、イノシン酸等の旨味成分を格段に増加させるのに十分な魚(カンパチ)1のさらなる長期保存が可能となる。
したがって、本実施形態の魚の処理方法の構成によれば、魚(カンパチ)1のさらなる長期間の保存を可能とし、その結果として、魚(カンパチ)1の旨味成分を格段に増加させることを可能にする魚の処理方法を提供することができる。
また、本実施形態の魚の処理方法の構成によれば、上述の通り、魚体中の血液の全部又は大部分を抜いてしまうことが可能となるため、例えば魚(カンパチ)1を刺身などの切り身にした場合に、血溜まりが生じて見た目が悪くなる等の問題が発生することもない。
また、第1の血抜き工程の際に、ノズル本体17bの先端部分17cの先端面に、第3通水孔17gの周りに位置して十字溝17dが形成された血抜き用噴射ノズル17を用いているため、ノズル本体17bの先端からの水を、多方向に向けて噴射させて、魚体全体の血管に行き渡らせることができる。
最後に、頭部切断面14から、動脈7を通して魚体内に水を圧入することにより、魚(カンパチ)1の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う(第2の血抜き工程)。
具体的には、図9に示すように、頭部切断面14上に露出した動脈7に、操作部19を介してホース18に接続された血抜き用噴射ノズル17の先端部分17cを差し込み、水を噴射させて、血抜きを行う。
さらに第2の血抜き工程を含む本実施形態の魚の処理方法の構成は、次のような作用効果を奏する。
すなわち、腎臓6に加えて動脈7にも大量の血が存在するため、動脈7を通して魚体内に水を圧入することにより、さらに魚体全体の血抜きが可能となる。
[鮮度と旨味成分の評価]
上記のようにして処理した魚(カンパチ)1を、切り身にし、14日間冷蔵保存した状態で、鮮度と旨味成分の変化を評価した。
(鮮度の評価)
魚の筋肉中のアデノシン三リン酸(ATP)は、魚の死後、関連酵素によって次の経路で分解される。つまり、アデノシン三リン酸(ATP)から、アデノシン二リン酸(ADP)、アデニル酸(AMP)、イノシン酸(IMP)、イノシン(HxR)を経て、最後に、ヒポキサンチン(Hx)に分解される。この分解経路は、魚の種類によらず一定である。
そこで、鮮度が落ちるにしたがってアデノシン三リン酸(ATP)が減少し、イノシン(HxR)及びヒポキサンチン(Hx)が生成されることに着目して、イノシン(HxR)及びヒポキサンチン(Hx)の量の上記全物質の量に対する割合を、下記(数1)に示すようにK値(%)として定義し、魚の鮮度を定量的に評価する指標として用いられている。K値(%)は、その値が低いほど鮮度が高いことを示す。
Figure 2022086948000002
下記(表1)に、本実施形態の処理方法を施した魚(カンパチ)1のK値(%)の変化を示す。
Figure 2022086948000003
Figure 2022086948000004
比較例として、下記(表2)に、放血等の従来の方法で血抜きした魚(カンパチ)のK値(%)の変化を示す。
Figure 2022086948000005
Figure 2022086948000006
上記(表1),(表2)に示すように、本実施形熊の処理方法を施した魚(カンパチ)1は、日数が経過しても、従来の方法で血抜きした魚(カンパチ)に比べて、K値(%)の増加量が小さくなっている。よって、本実施形態の処理方法を施した魚(カンパチ)1の方が鮮度の低下が抑えられていることが示された。
(旨味成分の評価)
本実施形態の処理方法を施した魚(カンパチ)1と、放血等の従来の方法で血抜きした魚(カンパチ)のそれぞれについて、旨味成分を測定した結果を、図11に示す。
図11のグラフの横軸は保存日数[日]を示し、縦軸はイノシン酸含量[μmol/g]を示す。イノシン酸含量は、旨味成分をを定量的に評価する指標であり、その値が高いほど旨味成分が多いことを示す。
図11に示すように、本実施形態の処理方法を施した魚(カンパチ)1のイノシン酸含量は、保存3日目でピーク値の9.0[μmol/g]であったが、徐々に減少し、保存14日目で5.5[μmol/g]であった。これに対し、従来の方法で血抜きした魚(カンパチ)のイノシン酸含量は、保存3日目でピーク値の8.3[μmol/g]であったが、徐々に減少し、保存14日目で4.3[μmol/g]であった。よって、本実施形態の処理方法を施した魚(カンパチ)1の方が旨味成分の減少が抑えられていることが示された。
なお、上記実施形態においては、第1及び第2の血抜き工程の際に、図4,図5に示す器具(血抜き用噴射ノズル17)を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。魚の頭部の切断面から、腎臓あるいは動脈を通して魚体内に水等の液体を圧入して、魚の血液を魚体外へ排出することができれば、いかなる器具を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、頭部切断面14から、腎臓6を通して魚体内に水を圧入することにより、魚1の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第1の血抜き工程と、頭部切断面14から、動脈7を通して魚体内に水を圧入することにより、魚1の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第2の血抜き工程と、がこの順番で行われる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。第1の血抜き工程と第2の血抜き工程とは、順番が逆であってもよく、同時に行われてもよい。
また、上記実施形態においては、第1の血抜き工程と第2の血抜き工程とを含む場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。第2の血抜き工程を行うか否かは任意であり、少なくとも第1の血抜き工程が含まれていれば、本発明の所期の目的は達成される。
また、上記実施形態においては、魚1の尾部12を、尾部切断面13で切り落とす尾部切断工程を含む場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。尾部切断工程においては、魚の尾部を、少なくとも脊髄が露出するまで切断すればよい。
また、上記実施形態においては、魚1の頭部11を、頭部切断面14で切り落とす頭部切断工程を含む場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。頭部切断工程においては、魚の頭部を、少なくとも腎臓又は動脈が露出するまで切断すればよい。
また、上記実施形態においては、魚1の尾部切断面13の、脊髄(神経)8のある場所で水等の液体を圧入することにより、脊髄(神経)8を抜いて運動機能を停止させる神経締め工程を含む場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。神経締め工程を含むか否かは任意である。
また、上記実施形態においては、ノズル本体17bの先端部分17cの先端面に、第3通水孔17gの周りに位置して十字溝17dが形成された血抜き用噴射ノズル17を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。ノズル本体の先端面の通水孔の周りに位置して、放射状に複数の凹溝が形成されていればよい。
また、上記実施形態においては、ノズル本体17bの先端部分17cの外周面に雄ネジが螺設されている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。ノズル本体の先端部分の外周面には、凹凸模様が形成されていればよく、凹凸模様の形状は任意である。また、凹凸模様を形成するか否かも任意である。
また、上記実施形態においては、操作部19を介してホース18が接続される血抜き用噴射ノズル17を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。血抜き用噴射ノズルは、ホースに直接接続されるものであってもよい。
また、上記実施形態においては、血抜き用噴射ノズル17がステンレス鋼で形成されている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。血抜き用噴射ノズルは、耐腐食性を有するその他の金属で形成されていてもよい。また、ある程度の硬さがあれば、プラスチック製であってもよい。
1 魚(カンパチ)
2 鰓蓋
3 囲心腔
4 腹腔
5 背骨
6 腎臓
7 動脈
8 脊髄(神経)
9 脳
10 腹膜
11 頭部
12 尾部
13 尾部切断面
14 頭部切断面
15 包丁(刺突具)
15a 柄部
15b 刃部
15c 刃先
16 神経締め用噴射ノズル
16a 口金
16b 先部
16c 噴射口
16d 摘み部
16e 接続部
17 血抜き用噴射ノズル
17a 摘み部
17b ノズル本体
17c 先端部分
17d 十字溝
17e 第1通水孔
17f 第2通水孔
17g 第3通水孔
18 ホース
19 操作部
19a 操作ボタン

Claims (7)

  1. 下記の工程を含むことを特徴とする魚の処理方法。
    (a)魚の頭部を、少なくとも腎臓が露出するまで切断する第1の切断工程
    (b)前記魚の頭部の切断面から、前記腎臓を通して魚体内に液体を圧入することにより、前記魚の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第1の血抜き工程
  2. 下記の工程をさらに含む、請求項1に記載の魚の処理方法。
    (c)前記魚の頭部を、さらに動脈が露出するまで切断する第2の切断工程
    (d)前記魚の頭部の切断面から、前記動脈を通して魚体内に液体を圧入することにより、前記魚の血液を魚体外へ排出して血抜きを行う第2の血抜き工程
  3. 上記(a)の第1の切断工程の前に、下記の工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の魚の処理方法。
    (e)前記魚の頭部に刺突具を突き刺して、前記魚の脳を破壊する活け締め工程
    (f)前記魚の尾部を、少なくとも脊髄が露出するまで切断する第3の切断工程
    (g)前記魚の尾部の切断面の、前記脊髄のある場所で液体を圧入することにより、前記脊髄を抜いて運動機能を停止させる神経締め工程
  4. 上記(g)の神経締め工程の後で、上記(a)の第1の切断工程の前に、下記の工程をさらに含む、請求項3に記載の魚の処理方法。
    (h)前記魚の腹部を切り裂く腹裂き工程
    (i)前記魚の腹腔内の内臓及び血合いを除去する、はらわた除去工程
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の魚の処理方法に用いられる、液体を圧入するための血抜き用噴射ノズルであって、
    液体供給用のホースに接続される摘み部と、前記摘み部の前端部に接続され、中心軸上に通水孔を有する縦長筒状のノズル本体とを備え、
    前記ノズル本体の先端面の前記通水孔の周りに位置して、放射状に複数の凹溝が形成されていることを特徴とする血抜き用噴射ノズル。
  6. 前記ノズル本体の先端部分の外周面に凹凸模様が形成されている、請求項5に記載の血抜き用噴射ノズル。
  7. 前記摘み部と前記ホースとの間に、前記ノズル本体の先端からの液体の噴射と噴射の停止とを制御操作する操作部が介在される、請求項5又は6に記載の噴射ノズル。
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