JP2022086171A - ガス系消火設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備点検時に起動装置のソレノイドの取外しを忘れて起動操作を行うことにより消火ガスを放出させてしまう事故を確実に防止する。【解決手段】操作箱12に設けられた起動スイッチの起動操作が制御盤10で検出された場合に起動装置18のソレノイド40に通電して消火ガスを防護区画へ放出させる。起動装置18を点検時に作動させる場合には、起動装置18からソレノイド40を取外して行う。制御盤10は、点検スイッチ31による点検指示操作が検出され、且つ、取外し検出スイッチ48によりソレノイド40が取外されていないこと検出している状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときは、ソレノイド40への通電を抑止し、ソレノイド40の取外しを忘れた状態で起動スイッチを操作しても、ソレノイド40の通電による消火ガスの放出は行われない。【選択図】図3
Description
本発明は、防護区画へ窒素や二酸化炭素等の消火ガスを放出して火災を消火するガス系消火設備に関する。
ガス系消火設備は、火災発生時に所定の不活性ガスを消火ガスとして放出して火災を消火するものであり、水損や汚損を嫌う機器を設置している室内において、消火による機器損失を最小限に抑えつつ迅速な消火を行うことを可能とする。
また、ガス系消火設備は、従来、ハロン1301消火設備がその代表的な消火設備であったが、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の結果、ハロンガスの生産中止が決定し、消火剤として使用制限が掛けられている。そのため二酸化炭素消火設備が代替設備として主流となったが、地球温暖化係数が高いこと、中毒性があり人体に悪影響を及ぼすことから、日本国内では環境に優しい、窒素消火設備が主流になりつつある。
このようなガス系消火設備は、制御盤に自動モードを設定していた場合には、防護区画に対し2系統に分けて設置した2台の火災感知器からの火災発報(2系統のAND発報)があった場合に、ガス放出の起動条件が成立したと判断して所定時間のカウントダウンを開始し、カウントダウンが終了すると、制御盤から起動装置に起動信号を出力してソレノイドに通電することで起動用ガス容器を開栓させ、起動装置から開放ガスを防護区画に対応したガス供給配管に設けた選択弁に供給して開くと共に消火ガス貯蔵容器に供給して栓を開き、噴射ヘッドから消火ガスを放出する。
また制御盤に手動モードを設定していた場合には、監視員が目視又は火災感知器の発報によって火災を発見し、防護区画に設置した操作箱の扉を開いて起動スイッチを押した場合に、ガス放出の起動条件が成立したと判断して制御盤がカウントダウンを開始し、カウントダウンが終了すると、同様にして、消火ガスを放出する。
一方、ガス系消火設備にあっては、設備機能を維持するために定期的に設備点検が行われている。設備点検の際には、操作箱の起動スイッチを操作することで起動装置のソレノイドを作動して起動動作が正常に行われることを確認しており、点検中に消火ガスが放出されることを防ぐため、起動装置からソレノイドを取り外してから起動点検を行うようにしている。
しかしながら、このような従来のガス系消火設備の設備点検にあっては、点検対象とするガス系消火設備の設備状況を十分に把握している場合は問題ないが、設備によっては設備の詳細が必ずしも明確でない場合があり、起動装置が何台設けられているかを現場で確認することになるが、対象施設の使用中に設備点検を行う場合には、点検作業が時間的に制約されることから余裕をもった現場確認ができないこともあり、そのため起動装置の台数を見誤るなどし、見逃した起動装置はソレノイドが取り外されておらず、これに気付くことなく操作箱の起動スイッチを操作して起動点検を行うと、取外しを忘れた起動装置のソレノイドの作動により起動用ガス容器が開栓し、ガス貯蔵容器から消火ガスを防護区画に誤って放出させてしまう事故を引き起こしてしまう。
消火ガスの放射はガス貯蔵容器が空になるまで行われ、設備点検で消火ガスを誤放出させてしまうと、空になったガス貯蔵容器を新しいものに交換する必要があり、ガス貯蔵容器の交換に手間と時間がかかり、また、コスト的な負担も増加する問題がある。
本発明は、設備点検時に起動装置のソレノイドの取外しを忘れて起動操作を行うことにより消火ガスを放出させてしまう事故を確実に防止可能とするガス系消火設備を提供することを目的とする。
(ガス系消火設備)
本発明は、操作箱の起動スイッチによる起動操作を制御盤で検出したときに、起動装置のソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出するガス系消火設備に於いて、
点検を指示する点検スイッチと、
起動装置からのソレノイドの取外し状態を検出する取外し検出スイッチと、
を備え、
制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていないことを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドへの通電を抑止することを特徴とする。
本発明は、操作箱の起動スイッチによる起動操作を制御盤で検出したときに、起動装置のソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出するガス系消火設備に於いて、
点検を指示する点検スイッチと、
起動装置からのソレノイドの取外し状態を検出する取外し検出スイッチと、
を備え、
制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていないことを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドへの通電を抑止することを特徴とする。
(点検時のソレノイド試験作動)
制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して試験作動させる。
制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して試験作動させる。
(通常時の起動制御)
制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出されず、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取り外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出させる。
制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出されず、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取り外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出させる。
(基本的な効果)
本発明は、操作箱の起動スイッチによる起動操作を制御盤で検出したときに、起動装置のソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出するガス系消火設備に於いて、点検を指示する点検スイッチと、起動装置からのソレノイドの取外し状態を検出する取外し検出スイッチとを備え、制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていないことを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドへの通電を抑止するようにしたため、設備点検時に、起動装置の数を見誤って全ての起動装置からソレノイドが取外されていない状態で起動操作を行っても、起動装置から取外されていないソレノイドへの通電は行われず、設備点検の際に起動装置からソレノイドが取外されずに起動操作を行うことで消火ガスを誤放出させてしまう事故を確実に防止することができ、設備点検の信頼性を向上することができる。
本発明は、操作箱の起動スイッチによる起動操作を制御盤で検出したときに、起動装置のソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出するガス系消火設備に於いて、点検を指示する点検スイッチと、起動装置からのソレノイドの取外し状態を検出する取外し検出スイッチとを備え、制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていないことを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドへの通電を抑止するようにしたため、設備点検時に、起動装置の数を見誤って全ての起動装置からソレノイドが取外されていない状態で起動操作を行っても、起動装置から取外されていないソレノイドへの通電は行われず、設備点検の際に起動装置からソレノイドが取外されずに起動操作を行うことで消火ガスを誤放出させてしまう事故を確実に防止することができ、設備点検の信頼性を向上することができる。
(点検時のソレノイド試験作動による効果)
また、制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して試験作動させるようにしたため、設備点検の際には、起動装置から取外されているソレノイドに対してのみ起動操作による通電が行われて動作を確認することができる。
また、制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して試験作動させるようにしたため、設備点検の際には、起動装置から取外されているソレノイドに対してのみ起動操作による通電が行われて動作を確認することができる。
(通常時の起動制御による効果)
また、制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出されず、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取り外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出させるようにしたため、起動装置のソレノイドに取外し検出スイッチが設けられていて、取外し検出スイッチが誤作動等している場合でも、通常時は、起動操作により起動装置のソレノイドに通電して確実に消火ガスを防護区画に放出させることができる。
また、制御盤は、点検スイッチによる点検指示が検出されず、且つ、取外し検出スイッチによりソレノイドが取り外されていることを検出した状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、ソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出させるようにしたため、起動装置のソレノイドに取外し検出スイッチが設けられていて、取外し検出スイッチが誤作動等している場合でも、通常時は、起動操作により起動装置のソレノイドに通電して確実に消火ガスを防護区画に放出させることができる。
以下に、本発明に係るガス系消火設備の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、この発明が限定されるものではない。
[実施の形態の基本的な概念]
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、ガス系消火設備に関するものである。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、ガス系消火設備に関するものである。
「ガス系消火設備」とは、操作箱に設けられた起動スイッチの操作が制御盤の制御部で検出されたときに、起動装置のソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出させるものであり、窒素消火設備、二酸化炭素消火設備等を含む概念である。
ここで、「操作箱」とは、防護区画の外壁等に設けられ、扉を開けて内部の起動スイッチを操作することにより制御盤に起動信号を送信し、消火ガスを防護区画へ放出させる操作を行うものである。また「起動装置」とは、制御盤からの起動信号によるソレノイドの通電により開栓して開放ガスを放出し、選択弁及び容器弁を開栓して、容器に充填している消火ガスを噴射ヘッドに供給して防護区画へ放出させるものである。
本実施の形態のガス系消火設備は、点検を指示する点検スイッチと、起動装置からのソレノイドの取外し状態を検出する取外し検出スイッチとを備えるものであり、設備点検の際には、起動装置からソレノイドを取外して起動スイッチの操作を行うものであるが、ソレノイドの取外し忘れが想定されることから、点検スイッチによる点検指示と取外し検出スイッチによりソレノイドが取外されていないことを検出している状態で、起動スイッチによる起動操作が検出されたときは、ソレノイドへの通電を抑止(禁止)するというものである。ここで「取外し検出スイッチ」とは、レノイドが起動装置から取外されていることを検出するものであり、一例として、ソレノイドの取外しでオンするリミットスイッチが用いられる。
以下に示す具体的な実施の形態では、「ガス系消火設備」が「窒素消火設備」であり、「取外し検出スイッチ」が「リミットスイッチ」である場合について説明する。
[実施の形態の具体的内容]
次に実施の形態の具体的内容について、より詳細に説明する。
次に実施の形態の具体的内容について、より詳細に説明する。
[ガス系消火設備の概要]
図1は本発明によるガス系消火設備の概要を示した説明図であり、消火ガスとして窒素(IG100)を使用した設備を例にとっている。なお、図1の設備構成は一例であり、必要に応じて適宜の構成をとることができる。
図1は本発明によるガス系消火設備の概要を示した説明図であり、消火ガスとして窒素(IG100)を使用した設備を例にとっている。なお、図1の設備構成は一例であり、必要に応じて適宜の構成をとることができる。
図1に示すように、ガス系消火設備にはガス系の消火設備を一括制御する制御盤10を設け、また防護区画A,Bとなる各部屋の外に操作箱12を設置している。制御盤10には防護区画A,B毎に回線ユニットが設けられ、各回線ユニットから引き出した伝送路に、防護区画A,B毎に設置した操作箱12を接続して信号伝送を行うようにしている。
操作箱12は起動スイッチと起動スイッチを保護する扉を備え、手動モードを設定している場合、人が火災を発見したときには、扉を開けて起動スイッチを操作することにより制御盤10に起動信号を送信し、消火ガス、例えば窒素を放出させる。放出表示灯15は監視区域内に消火ガスが放出されていることを表示し、室内に入らないことを知らせる。
噴射ヘッド14は消火ガスを室内へ放出する。スピーカ13は消火ガスが放出されることを示す注意警報と退避警報を放送し、人が警戒区域内に存在する場合は直ちに避難することを促す。消火ガス貯蔵容器16は消火ガスを貯蔵する。
本実施形態にあっては、複数の防護区画A,Bについて火災想定を1箇所としており、このため消火ガス貯蔵容器16は複数の防護区画A,Bに対する共通設備として設けており、1防護区画の消火に必要な量の消火ガス、例えば窒素を充填している。
起動装置18は防護区画A,Bに対応して設け、制御盤10から消火ガス放出用の起動信号を受けて内蔵したソレノイドの通電により起動用ガス容器を開栓して二酸化炭素などの開放ガスを放出し、開放ガスにより選択弁17を開放させると共に窒素が充填されている消火ガス貯蔵容器16の栓を開ける。選択弁17は起動装置18の起動による開放ガスを受けて開き、火災の生じた防護区画A又はBの噴射ヘッド14へ消火ガスを供給して噴射させる。
火災感知器11は、消火ガスとして窒素を使用していることから1系統の感知器回線で各防護区画A,Bの火災を監視している。なお、消火ガスとして二酸化炭素を使用している場合には、火災感知器11は2系統の感知器回線の各々に接続して火災を監視する。
圧力スイッチ21は消火ガス貯蔵容器16から消火ガスが放出されたことを検出し、制御盤10に検出信号を送り、火災の発生した監視区域に対応した放出表示灯15を点滅させる。ピストンレリーザ19は消火ガスが部屋に放出されたとき消火ガスを室外に漏れないようにダンパーで排煙口を閉じる。閉止弁23は消火ガス貯蔵容器16からの消火ガスの供給を手動で閉止する。
このようなガス系消火設備において、制御盤10に自動モードを設定していた場合には、1系統目に接続された火災感知器11からの火災発報があった場合に、移報出力を2系統目の火災発報として入力することで、擬似的に2回線発報のAND条件によるガス放出の起動条件が成立したと判断し、所定時間のカウントダウンを開始すると共にスピーカ13から消火ガスが放出されることを示す注意警報と退避警報を放送する。
制御盤10及び操作箱12には2桁表示の7セグメント表示器を設けており、通常はカウントダウン初期値として所定の秒数を表示しており、カウントダウンを開始すると、残り時間の秒数を順次表示し、カウントダウン終了で零秒を表示する。
制御盤10のカウントダウンが終了すると、制御盤10から起動装置18に駆動信号を出力して動作し、起動装置18のソレノイドの通電駆動による起動用ガス容器の開栓により、二酸化炭素等の開放ガスを選択弁17に供給して開くと共に消火ガス貯蔵容器16へ供給して栓を開き、ガス供給配管を介して噴射ヘッド14から火災検知した防護区画内へ消火ガスとして窒素を放出させる。
また制御盤10に手動モードを設定していた場合には、監視員が目視又は火災感知器11の発報によって例えば防護区画Aの火災を発見し、防護区画Aの外側に設置している操作箱12の扉を開いて起動スイッチを押すことで起動信号を制御盤10に送信し、制御盤10は起動信号の受信によりガス放出の起動条件が成立したと判断して起動権及びスピーカの鳴動権を獲得し、カウントダウンを開始すると共にスピーカ13から消火ガスが放出されることを示す注意警報と退避警報を放送し、カウントダウンが終了すると、自動モードの場合と同様にして防護区画の噴射ヘッド14から消火ガスとして窒素を放出させる。
[ガス系消火設備の点検]
図1に示したガス系消火設備は定期的に設備点検が行われる。ガス消火設備の設備点検を行う場合には、制御盤10に設けられて点検スイッチをオン操作すると所定の点検モードが設定される。点検モードでは、例えば自動モードを設定していても自動的に自動モードが解除されて手動モードに切り替えられる。
図1に示したガス系消火設備は定期的に設備点検が行われる。ガス消火設備の設備点検を行う場合には、制御盤10に設けられて点検スイッチをオン操作すると所定の点検モードが設定される。点検モードでは、例えば自動モードを設定していても自動的に自動モードが解除されて手動モードに切り替えられる。
設備点検においては、起動装置18の動作を確認するため、起動装置18に設けているソレノイドを取り外した状態で操作箱12の起動スイッチを操作し、ソレノイドの作動を確認する点検作業を行う。
本実施形態にあっては、起動装置18に設けられたソレノイドに対し取外し検出スイッチが設けられており、ソレノイドを取り外さずに操作箱12の起動スイッチを操作しても、ソレノイドを駆動しないようにしている。
図2は図1の起動装置を取り出して示した説明図であり、図2(A)はソレノイドが取り付けられた状態を示し、図2(B)はソレノイドが取り外された状態を示す。
図2(A)に示すように、起動装置18は箱型の本体18aの前面に開閉自在な扉18bが設けられており、扉18bを開いた状態での本体18a内に示すように、起動装置18の内部には起動用ガス容器38が配置され、起動用ガスとして二酸化炭素ガスが充填されている。起動用ガス容器38には開栓装置42が設けられ、開栓装置42にはソレノイド40が取り付けられている。
制御盤10から信号ケーブル46を介してソレノイド40に通電すると、ソレノイド40から破壊針41が飛び出すことで開栓装置42が開栓され、起動用ガス配管44を介して図1に示した選択弁17に起動用ガスを供給して開放させると共に窒素が充填されている消火ガス貯蔵容器16の栓を開放させる。
起動装置18に設けられたソレノイド40に対しては、本体18a側に固定された取外し検出スイッチ48が設けられている。取外し検出スイッチ48は例えばリミットスイッチであり、図2(A)に示すソレノイド40の取付状態で取外し検出スイッチ48はオフしており、図2(B)に示すように、設備点検の際に開栓装置42からソレノイド40を取り外すと取外し検出スイッチ48はオンとなり、ソレノイド取外しを示す取外し検出信号を制御盤10に出力する。
図2(B)に示すように、開栓装置42からソレノイド40を取り外すと、ソレノイド40の破壊針41が開栓装置42から外されることとなり、この状態でソレノイド40に通電すると、ソレノイド40の駆動により破壊針41が飛び出し、起動装置18が正常に動作することを確認できる。
なお、本実施形態は、扉付きの箱に収納された起動装置18を例にとっているが、設備によっては、起動用ガス容器38、開栓装置42及びソレノイド40から構成される起動装置が防護区画の外側に露出した状態で設置されている場合もあり、その場合も、露出して配置されているソレノイドに対しリミットスイッチを用いた取外し検出スイッチ48を、取付け状態でオフし、取外し状態でオンするように配置する。
[ガス系消火設備の機能構成]
図3はガス系消火設備における機能構成の概要を示したブロック図である。図3に示すように、制御盤10は例えば2つの防護区画に対応して回線ユニット26(26-1),26(26-2)を備えている。
図3はガス系消火設備における機能構成の概要を示したブロック図である。図3に示すように、制御盤10は例えば2つの防護区画に対応して回線ユニット26(26-1),26(26-2)を備えている。
回線ユニット26(26-1),26(26-2)に対しては、消火ガスとして二酸化炭素を使用する場合には2系統の火災感知器11,11aが信号線接続されるが、本実施形態は消火ガスとして窒素を使用していることから、1系統の火災感知器11が信号線接続される。また、回線ユニット26(26-1),26(26-2)に対しては、操作箱12、スピーカ13及び起動装置18を信号線接続している。起動装置18にはソレノイド40が設けられており、ソレノイド40に対しては図2に示したように取外し検出スイッチ48が設けられている。
回線ユニット26(26-1),26(26-2)から引き出された伝送路24(24-1),24(24-2)には、各防護区画に設けた4台の操作箱12を接続しており、4台の操作箱12には、伝送路24(24-1),24(24-2)単位に、アドレスA1~A4が予め設定されている。
回線ユニット26(26-1),26(26-2)に対しては共通ユニット28として、操作部30、表示部32、移報操作部34、スピーカ駆動部36を設け、相互に信号線接続している。
操作部30には、全ての防護区画での動作モードを一括して自動モード又は手動モードに切替えるキースイッチ、カウントダウン中にガス放出を停止させる非常停止スイッチ、警報を停止させる警報停止スイッチ、移報を停止させる移報停止スイッチ、点検モードの設定と解除を行う点検スイッチ31等が設けられ、各スイッチからの操作信号を回線ユニット26(26-1),26(26-2)に並列出力するように信号線接続している。
表示部32には、電源状態を示す電源灯、火災発生を示す火災灯、手動モードの設定を示す手動モード表示灯、自動モードの設定を示す自動モード表示灯、ガス放出動作の起動を示す放出起動灯、ガス放出されたことを示す放出灯、カウントダウンに使用する7セグメント表示器等を設けており、回線ユニット26(26-1),26(26-2)から各表示信号をOR入力して表示駆動するように信号線接続している。
移報操作部34には、移報停止スイッチと連動停止解除スイッチが設けられている。移報停止スイッチは、設備点検時等に操作することで、回線ユニット26(26-1),26(26-2)の移報動作を停止させる。連動停止解除スイッチは、移報停止スイッチの操作による移報停止状態を解除し、移報停止が行われていても、1系統目の火災発報による移報出力を2系統目に入力させて擬似的に2回線発報のAND条件を成立させ、点検時に起動信号を出力可能とする。
スピーカ駆動部36には、消火ガスの放出を行う警報放送の音源とパワーアンプを設けており、回線ユニット26(26-1),26(26-2)に対し放送信号を並列的に入力するように信号線接続している。
[点検時の起動制御]
図4は制御盤に設けた起動制御部の機能構成の実施形態を示した説明図であり、図4(A)に論理回路による起動制御部の機能を示し、図4(B)に論理表を示す。
図4は制御盤に設けた起動制御部の機能構成の実施形態を示した説明図であり、図4(A)に論理回路による起動制御部の機能を示し、図4(B)に論理表を示す。
図4(A)に示すように、起動制御部は、アンド回路50,52とオア回路54で構成され、起動スイッチの操作による起動信号E1、点検スイッチ31の操作による点検信号E2、及び取外し検出スイッチ48からのソレノイド取外し検出信号E3が入力されている。
アンド回路50には起動信号E1が入力されると共に点検信号E2が反転入力される。アンド回路52には点検信号E2とソレノイド取外し検出信号E3が入力される。アンド回路50,52の出力はオア回路54に入力され、オア回路54からはソレノイド駆動信号E4が出力される。
図4(B)の論理表に示すように、通常監視状態における待機時には、起動信号E1は起動スイッチのオフに対応してLレベル、点検信号E2は点検スイッチ31のオフに対応してLレベル、更に、ソレノイド取外し検出信号E3はソレノイド40が取り外されていないことから取外し検出スイッチ48のオフによりLレベルとなっており、オア回路54からのソレノイド駆動信号E4もLレベルにあり、ソレノイド40の駆動は行われていない。
この状態で起動スイッチを操作すると起動信号E1がHレベルとなり、アンド回路50の出力がHレベルとなることで、オア回路54を介してソレノイド駆動信号E4がHレベルとなり、ソレノイド40の通電により開栓装置42が開かれ、起動用ガスが選択弁17に供給されて消火ガスの放出が行われる。
一方、設備点検の際には、点検スイッチ31が操作されることでオンし、点検信号E2がHレベルとなる。設備点検時の待機状態ではソレノイド40は取り付けたままであることから取外し検出スイッチ48はオフにあり、ソレノイド取外し検出信号E3はLレベルであるが、起動装置18の点検に際しソレノイド40を開栓装置42から取り外すと取外し検出スイッチ48がオンしてHレベルとなり、ソレノイド40が取り外されていることを示す。
この状態で起動スイッチを操作すると起動信号E1がHレベルとなり、入力が全てHレベルとなることでアンド回路52の出力がHレベルとなり、オア回路54を介してHレベルとなるソレノイド駆動信号E4がソレノイド40に出力され、ソレノイド40の通電による駆動で、図2(B)に示すように、開栓装置42から取り外しているソレノイド40の破壊針41が飛び出し、起動装置18の起動動作が確認できる。
一方、設備点検の際に、ソレノイド40を取り外すことなく起動スイッチを操作した場合には、取外し検出スイッチ48はオフしていることからソレノイド取外し検出信号E3は、待機時に示すように、Lレベルとなってソレノイド40が取り外されていないことを示しており、起動スイッチの操作により起動信号E1がHレベルとなってもアンド回路52の出力はLレベルのままであり、ソレノイド駆動信号E4がLレベルとなり、ソレノイド40に通電されないことから、開栓装置42は開くことがなく、消火ガスが誤放出されることはない。
このため、設備点検時に、起動装置18の数を見誤って全ての起動装置18からソレノイド40を取り外していない状態で起動スイッチの操作を行っても、起動装置18から取外されていないソレノイド40への通電は行われず、設備点検の際に起動装置18からソレノイド40が取外されずに起動操作を行うことで、消火ガスを誤放出させてしまう事故を確実に防止することができ、設備点検の信頼性が向上する。
[点検時の起動制御部の他の実施形態]
図5は制御盤のプログラム制御による起動制御部の制御動作を示したフローチャートである。
図5は制御盤のプログラム制御による起動制御部の制御動作を示したフローチャートである。
図4に示した論理回路による起動制御部は、図3に示した制御盤10の回線ユニット26(26-1),26(26-2)のハードウェアとしてCPU、メモリ、AD変換ポートを含む各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路で構成されていることから、コンピュータ回路を用いたプログラム制御によっても実現することができ、図5のフローチャートに示す制御動作が行われる。
図5に示すように、起動制御部は、ステップS1で操作箱の起動スイッチの操作による起動信号の入力の有無を判別しており、起動信号の入力を判別するとステップS2に進み、点検スイッチ31の操作による点検モードか否か判別し、点検モードでなければステップS3に進み、ソレノイド40に駆動信号を出力し、消火ガスの放出を行わせる。
これに対しステップS1で起動信号の入力を判別した後に、ステップS2で点検モードを判別するとステップS4に進み、ソレノイド取外し状態を判別し、ソレノイドが取外されていることを判別した場合はステップS3に進んでソレノイド40に駆動信号を出力し、ソレノイド40の駆動により破壊針を飛び出させて、ソレノイド40の動作を確認する。
また、ステップS1で起動信号の入力を判別した後に、ステップS2で点検モードを判別し、ステップS4に進んでソレノイドが取外されていないことを判別した場合はステップS5に進んでソレノイド駆動信号の出力を抑止(禁止)する。
このため、起動装置18の数を見誤り、全ての起動装置18からソレノイド40を取り外していない状態で起動スイッチの操作を行っても、起動装置18から取外されていないソレノイド40への通電は行われず、設備点検の際に起動装置18からソレノイド40が取外されずに起動操作を行うことで、消火ガスを誤放出させてしまう事故を確実に防止することができる。
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、ソレノイドの取外し検出スイッチとしてリミットスイッチを設けているが、マグネットスイッチ等の機械的な接触を伴わない非接触スイッチを設けても良い。
上記の実施形態は、ソレノイドの取外し検出スイッチとしてリミットスイッチを設けているが、マグネットスイッチ等の機械的な接触を伴わない非接触スイッチを設けても良い。
また、取外されたソレノイドの戻し忘れを防止するため、取外し検出スイッチがソレノイドが取外されていることを検出した状態で、点検スイッチにより点検モードの解除操作を行った場合には、ソレノイド戻し忘れを示す注意警報を出力させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態は、消火ガスとして窒素(IG100)を例にとっているが、これに限定されず、IG541(窒素52%、アルゴン40%、二酸化炭素8%)、IG55(窒素50%、アルゴン50%)、二酸化炭素等であってもよい。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:制御盤
11:火災感知器
12:操作箱
18:起動装置
24(24-1),24(24-2):伝送路
26(26-1),26(26-2):回線ユニット
28:共通ユニット
30:操作部
31:点検スイッチ
40:ソレノイド
41:破壊針
42:開栓装置
44:起動ガス用配管
46:信号ケーブル
48:取外し検出スイッチ
50,52:アンド回路
54:オア回路
11:火災感知器
12:操作箱
18:起動装置
24(24-1),24(24-2):伝送路
26(26-1),26(26-2):回線ユニット
28:共通ユニット
30:操作部
31:点検スイッチ
40:ソレノイド
41:破壊針
42:開栓装置
44:起動ガス用配管
46:信号ケーブル
48:取外し検出スイッチ
50,52:アンド回路
54:オア回路
Claims (3)
- 操作箱の起動スイッチによる起動操作を制御盤で検出したときに、起動装置のソレノイドに通電して消火ガスを防護区画へ放出するガス系消火設備に於いて、
点検を指示する点検スイッチと、
前記起動装置からの前記ソレノイドの取外し状態を検出する取外し検出スイッチと、
を備え、
前記制御盤は、前記点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、前記取外し検出スイッチにより前記ソレノイドが取外されていないことを検出した状態で、前記起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、前記ソレノイドへの通電を抑止することを特徴とするガス系消火設備。
- 請求項1記載のガス系消火設備に於いて、
前記制御盤は、前記点検スイッチによる点検指示が検出され、且つ、前記取外し検出スイッチにより前記ソレノイドが取外されていることを検出した状態で、前記起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、前記ソレノイドに通電して試験作動させることを特徴とするガス系消火設備。
- 請求項1記載のガス系消火設備に於いて、
前記制御盤は、前記点検スイッチによる点検指示が検出されず、且つ、前記取外し検出スイッチにより前記ソレノイドが取り外されていることを検出した状態で、前記起動スイッチによる起動操作が検出されたときに、前記ソレノイドに通電して前記消火ガスを防護区画へ放出することを特徴とするガス系消火設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020198039A JP2022086171A (ja) | 2020-11-30 | 2020-11-30 | ガス系消火設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020198039A JP2022086171A (ja) | 2020-11-30 | 2020-11-30 | ガス系消火設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022086171A true JP2022086171A (ja) | 2022-06-09 |
Family
ID=81894170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020198039A Pending JP2022086171A (ja) | 2020-11-30 | 2020-11-30 | ガス系消火設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022086171A (ja) |
-
2020
- 2020-11-30 JP JP2020198039A patent/JP2022086171A/ja active Pending
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