JP2022084408A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】ディーゼルエンジンの排気ガスを排気ガス浄化装置内を通過させた後、排気ガス浄化装置から後方に向けて設けたテールパイプを通して排出していた。しかしながら、ディーゼルエンジンの後方にはグレンタンクが配置されているので、テールパイプはグレンタンクを回避する為に急激に折り曲げた構成となっており、排気ガスの流れがスムースでなく、テールパイプの過剰な温度上昇の要因となっていた。そこで、排気ガス浄化装置に接続したテールパイプの過剰な高温化を抑制するコンバインを提供する。【解決手段】排気ガス浄化装置18の排気排出側口部にサイレンサー22を連通連結し、排気ガス浄化装置18の排気ガスの流出方向と直交または略直交する方向に設けたサイレンサー22の排気口22aに排気管23を連通連結し、排気管23の排気ガス排出端部23aにテールパイプ24を連通させる。【選択図】図5
Description
本発明は、圃場の穀稈を刈り取りながら脱穀するコンバインに関し、詳しくは排気ガス浄化装置を装備したコンバインに関する。
従来、機体の前方に刈取部を取り付け、機体に脱穀部と運転部とグレンタンクを配設し、運転部の下方にディーゼルエンジンを搭載し、ディーゼルエンジンの上部に排気ガス浄化装置であるディーゼルパティキュレートフィルタ(ディーゼル排気中の粒子状物質「PM」を除去するフィルタであるDiesel Particulate Filter、略して一般的に「DPF」という。)を設けている(たとえば、特許文献1参照)。そして、ディーゼルエンジンの排気ガスをDPF内を通過させた後、DPFから後方に向けて設けたテールパイプを通して排出していた。
しかしながら、ディーゼルエンジンの後方にはグレンタンクが配置されているので、テールパイプはグレンタンクを回避する為に急激に折り曲げた構成となっており、排気ガスの流れがスムースでなく、テールパイプの過剰な温度上昇の要因となり、周辺機器に悪影響を及ぼしていた。また、テールパイプの過剰な温度上昇は、火災の要因ともなり安全性にも課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、DPFに接続したテールパイプの過剰な高温化を抑制することができるコンバインを提供することである。
請求項1記載の発明は、機体の一側方に脱穀部4を配置し、機体の他側方にグレンタンク8を配置し、該グレンタンク8の前方にエンジン7を配置して、該エンジン7の排気口部に排気配管17を接続するとともに、該排気配管17に排気ガスを機体後方に流出する排気ガス浄化装置18を設けたコンバインにおいて、排気ガス浄化装置18の排気排出側口部にサイレンサー22を連通連結し、排気ガス浄化装置18の排気ガスの流出方向と直交または略直交する方向に設けたサイレンサー22の排気口22aに排気管23を連通連結し、該排気管23の排気ガス排出端部23aにテールパイプ24を連通させたコンバインである。
請求項1記載の発明によれば、排気ガス浄化装置18の排気排出側口部にサイレンサー22を連通連結し、排気ガス浄化装置18の排気ガスの流出方向と直交または略直交する方向に設けたサイレンサー22の排気口22aに排気管23を連通連結し、該排気管23の排気ガス排出端部23aにテールパイプ24を連通させたので、サイレンサー22により排気ガス浄化装置18から後方に排出される排気ガスをスムースに90度または略90度方向変換させることができて、排気管23を通してテールパイプ24に流すことができる。よって、排気ガス浄化装置18から排出される排気ガスの流れがスムースとなり、テールパイプ24の過剰な温度上昇が回避できて、周辺機器に悪影響を及ぼすことを防止し、また、異常に高温になったテールパイプ24に排藁等が触れて起こる火災を防止することができる。また、排気ガス浄化装置18の後部にはサイレンサー22を装着するスペースがあれば良く、グレンタンク8の容量を大きくすることができる。
請求項2記載の発明は、排気管23を機体後斜め上方に湾曲して延出し、テールパイプ24を湾曲して機体後方に向けて延出し、テールパイプ24のパイプ径を排気管23のパイプ径よりも大きくすると共に、テールパイプ24の湾曲を排気管23の湾曲よりも緩くした請求項1に記載のコンバインである。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、排気管23を機体後斜め上方に湾曲して延出し、テールパイプ24を湾曲して機体後方に向けて延出し、テールパイプ24のパイプ径を排気管23のパイプ径よりも大きくすると共に、テールパイプ24の湾曲を排気管23の湾曲よりも緩くしたので、パイプ径が大きいテールパイプ24の折り曲げ加工が容易になり、折り曲げ皺の発生も防止できる。また、排気ガス浄化装置18から排出される排気ガスを後方に流す部材を排気管23とテールパイプ24の2部品としたことにより、各部品を各々湾曲加工すれば良く、1部品で構成したものに比して、加工が容易となる。
請求項3記載の発明は、パイプ径の小さい排気管23を排気ガス浄化装置18に連通連結したサイレンサー22に取り付け、パイプ径の大きいテールパイプ24を脱穀部4に取り付けた請求項1または請求項2に記載のコンバインである。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、パイプ径の小さい排気管23を排気ガス浄化装置18に連通連結したサイレンサー22に取り付け、パイプ径の大きいテールパイプ24を脱穀部4に取り付けたので、機体の振動で排気ガス浄化装置18が振動しても排気管23は小径で軽いので、排気ガス浄化装置18が破損することがない。また、大径で重量の重いテールパイプ24を脱穀部4に取り付けることにより、強固に重量の重いテールパイプ24を支持することができると共に、高温になる排気ガス浄化装置18の温度が直接テールパイプ24に伝わらないので、異常に高温になったテールパイプ24に排藁等が触れて起こる火災が発生することや作業者が誤ってテールパイプ24に触ってひどい火傷になることを防止できる。
請求項4記載の発明は、エンジン7の排気口部から排気ガス浄化装置18までの排気配管17を覆ってエンジン7の冷却排風を排気ガス浄化装置18に向けて案内するカバー体34を設けた請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項4記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、エンジン7の排気口部から排気ガス浄化装置18までの排気配管17を覆ってエンジン7の冷却排風を排気ガス浄化装置18に向けて案内するカバー体34を設けたので、該排気配管17を誤って触って火傷をするような事態を回避できる。また、エンジン7の冷却排風がカバー体34によって排気ガス浄化装置18に向けて案内され、排気ガス浄化装置18下方の熱を吹き飛ばして排気ガス浄化装置18を冷却して過剰に排気ガス浄化装置18が高温になることを防止できる。
請求項5記載の発明は、エンジン7の冷却排風で排気ガス浄化装置18を冷却すると共に、排気ガス浄化装置18の上部を覆う平板状上部カバー35aの後端部をサイレンサー22及び排気管23の上方を覆うように延設した請求項1~4のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項5記載の発明によれば、請求項1~4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、エンジン7の冷却排風で排気ガス浄化装置18を冷却すると共に、排気ガス浄化装置18の上部を覆う平板状上部カバー35aの後端部をサイレンサー22及び排気管23の上方を覆うように延設したので、排気ガス浄化装置18を冷却するエンジン7の冷却排風が平板状上部カバー35aの後端部下方まで案内されて、サイレンサー22及び排気管23周りの熱を吹き飛ばして外気に放出され、サイレンサー22及び排気管23を冷却することができる。また、平板状上部カバー35aの後端部がサイレンサー22及び排気管23の上方を覆っているので、誤ってサイレンサー22及び排気管23を触って火傷をするような事態を回避でき、異常に高温になったサイレンサー22及び排気管23に排藁等が触れて起こる火災を防止することができる。
以下、添付図面を参照して本願の開示するコンバインの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<全体構成>
まず、図1及び図2に基づいてコンバインの全体構成について説明する。
まず、図1及び図2に基づいてコンバインの全体構成について説明する。
走行装置としての左右走行クロ-ラ1を具備する機体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀部(脱穀機)4を搭載している。刈取部3の後方右側部には操作パネル5や運転席6等からなる運転部が設置されている。
そして、運転部の前側及び側部の操作パネル5には、左右走行クロ-ラ1のサイドクラッチ及びサイドブレーキを操作して機体の操向操作を行なう操向レバー5aと、左右走行クロ-ラ1,1へディーゼルエンジン7からの駆動力を変速して伝達する静油圧式無段変速装置HSTを中立及び前後進変速操作する主変速レバー5bと、刈取部3及び脱穀部4への駆動を入り切り操作する刈脱クラッチレバー5cと、脱穀部4で脱穀した穀粒を貯留するグレンタンク8内の穀粒を機外に排出する排出オーガ9を入り切り操作するオーガ排出レバー5dと、左右走行クロ-ラ1や刈取部3を駆動させずに脱穀クラッチを入りにして脱穀部4のみを駆動させる手扱ぎ作業に切り換える手扱ぎレバー5eが設けられている。
そして、ディーゼルエンジン7からの駆動力を変速して伝達する静油圧式無段変速装置HSTから駆動力が伝達される左右駆動軸1a,1aにて左右走行クロ-ラ1,1の駆動スプロケット1b,1bが駆動回転されて、左右走行クロ-ラ1,1は駆動回転する。
また、運転部の後方にはグレンタンク8が装備されている。脱穀部4の後方部には脱穀処理後の排藁を所定長さに切断処理する排藁カッターが設置されている。
<刈取部3>
刈取部3は、立毛穀稈を引き起す引起し装置10と、引起し後の穀稈を刈り取る刈取装置11と、刈取後の穀稈の株元部を挟持して揚上搬送する株元搬送チエン及び穀稈の穂先側を係止保持して揚上搬送する穂先搬送チエンとからなる構成としている。
刈取部3は、立毛穀稈を引き起す引起し装置10と、引起し後の穀稈を刈り取る刈取装置11と、刈取後の穀稈の株元部を挟持して揚上搬送する株元搬送チエン及び穀稈の穂先側を係止保持して揚上搬送する穂先搬送チエンとからなる構成としている。
<脱穀部4>
脱穀部4は、扱胴を内装軸架した扱室の下半周部に沿って受網を張設している。扱室の上方部を覆う扱胴カバー12は、扱胴軸方向に平行な軸芯回りに揺動開閉可能に構成している。
脱穀部4は、扱胴を内装軸架した扱室の下半周部に沿って受網を張設している。扱室の上方部を覆う扱胴カバー12は、扱胴軸方向に平行な軸芯回りに揺動開閉可能に構成している。
扱室の扱口側一側には穀稈を挟持搬送するフイ-ドチエン13とこの上側に対設する挟持レ-ル14を配設している。この挟持レ-ル14は扱胴カバー12側に装着して該扱胴カバー12と共に揺動開閉する構成としている。扱室のフイ-ドチエン13側とは反対側他側には2番処理胴を内装軸架した2番処理室を並設している。また、前記2番処理胴の後方にはこれと同一軸芯上において排塵処理胴を内装軸架した排塵処理室を構成して設けている。
扱室の下方及び排塵選別室の下方には揺動可能に架設した揺動選別装置(揺動選別棚)が設けられてあり、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕と、1番移送螺旋、2番移送螺旋と、その上方に前記排塵フアンを配置して選別室を構成している。なお、1番揚穀装置は1番移送螺旋で回収された穀物を揚送してグレンタンク8内に収容し、グレンタンク8内の穀粒はオーガ排出レバー5dにて入り切り操作される排出オーガ9によって取り出すことができるようになっている。また、2番揚穀装置は2番移送螺旋で回収された2番処理物を2番処理胴の室内へ還元するようになっている。
そして、揺動選別装置は、扱室からの脱穀処理後の処理物、つまり、被処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚、チャフシ-ブ、ストロ-ラックの順に配置し、且つ、前記チャフシ-ブの下方にグレンシ-ブ及び1番戻し棚を配置して一体的に設け、唐箕及び排塵フアンによる選別風と揺動との共同作用によって扱室から漏下してきた処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別処理するように構成している。
<ディーゼルエンジン7周辺構成>
運転部の下方のエンジンルーム15内には、各部を駆動するディーゼルエンジン7を搭載している。ディーゼルエンジン7の吸気口部には、外気を浄化した後に吸気するための吸気配管16の基端部を接続し、ディーゼルエンジン7の排気口部には、排気配管17の基端部を接続している。
運転部の下方のエンジンルーム15内には、各部を駆動するディーゼルエンジン7を搭載している。ディーゼルエンジン7の吸気口部には、外気を浄化した後に吸気するための吸気配管16の基端部を接続し、ディーゼルエンジン7の排気口部には、排気配管17の基端部を接続している。
吸気配管16は、グレンタンク8の前方に配置し、プレクリーナと上流吸気管16aとエアクリーナ16bと下流吸気管16cを直列的に連通連結している。下流吸気管16cはディーゼルエンジン7に設けた吸気口部に接続している。そして、プレクリーナから外気を取り入れて、エアクリーナ16bで外気を浄化した後に吸気口部からディーゼルエンジン7に吸気する。
排気配管17は、上流排気管部(図示省略)と排気ガス浄化装置(DPF)18と下流排気管部17bを順次直列的に連通連結している。上流排気管部はディーゼルエンジン7に設けた排気口部に接続している。
上流排気管部は、エンジン7の排気口部に接続した基部L型パイプと排気ガス浄化装置18の排気流入側口部に接続した先部L型パイプと基部L型パイプ及び先部L型パイプを連通連結する振動吸収用のフレックスパイプとから構成される。
排気ガス浄化装置18は、機枠フレーム20とエンジンルーム15のリヤカバー15aを支持するエンジンルームフレーム21に固定されて、脱穀部4とグレンタンク8との間に配置している。
下流排気管部17bは、排気ガス浄化装置18の排気排出側口部に接続した円筒形状のサイレンサー22と該サイレンサー22の外周円筒部の排気口22aに外篏し機体後斜め上方に延出した排気管23と該排気管23の排気ガス排出端部である後端部23aが挿入されたテールパイプ24とから構成される。
サイレンサー22は、一般的な円筒の消音器で、円筒底面中央部に排気流入口を有し、該排気流入口が排気ガス浄化装置18の排気排出側口部に連通連結している。そして、外周円筒部に排気口22aを有し、該排気口22aに排気管23の基部が外篏して連通連結している。
排気管23は、基部をサイレンサー22の排気口22aに外篏して、マフラークランプ25を基部外周に装着してボルトナット26にて締め上げて固定し、中途部分を湾曲させて機体後斜め上方に延出した形状である。そして、排気管23の基部には、位置決めプレート27の上端部が固着され下方に向けて延設されているので、該位置決めプレート27の下方延設部分をサイレンサー22の円筒上面に接当せることにより、排気管23は機体後斜め上方に延出した所定の方向に必然的に装着されるようになっている。なお、マフラークランプ25の切欠部25aを位置決めプレート27にあわせて通過させることにより、マフラークランプ25を排気管23の基部外周に装着できる。
テールパイプ24は、内側パイプ28と外側パイプ29の二重構造となっており、内側パイプ28基部に排気管23の後端部23aが挿入されている。内側パイプ28は、一つのパイプ材の中途部を湾曲させた構成であり、外側パイプ29は、大径のパイプ材を湾曲させた湾曲部29aの前後に小径のパイプ材29b,29b端部を各々内篏させて溶接固定した構成となっている。
そして、内側パイプ28と外側パイプ29は、基部側と後部側の二か所で連結プレート30,30を介して溶接連結し、内側パイプ28と外側パイプ29間に基部側から後部側に外気が通過する空隙31を形成している。また、外側パイプ29の基部側端部から内側パイプ28の基部側端部は少し出ており、この部分で基部側の連結プレート30は内側パイプ28及び外側パイプ29に溶接連結されており、外側パイプ29の後部側端部は内側パイプ28の後部側端部よりも長く、この部分で後部側の連結プレート30は内側パイプ28及び外側パイプ29に溶接連結されている。特に、外側パイプ29の後部側端部は内側パイプ28の後部側端部よりも長いので、排気ガスが内側パイプ28内を通過して後部側端部から排出される際に、内側パイプ28と外側パイプ29間の空隙31を基部側から後部側に外気が通過するように負圧により外気を引き出し、テールパイプ24の冷却効果を高めている。また、内側パイプ28基部に排気管23の後端部23aを挿入して両者がオーバーラップした構成としているので、排気ガスが排気管23の後端部23aから内側パイプ28内に流入する際に、負圧により内側パイプ28内に外気を引き込み、テールパイプ24の冷却効果を高めている。よって、異常に高温になったテールパイプ24に排藁等が触れて起こる火災を防止できる。
また、外側パイプ29の後端部には、排気ガスが上方に排出されるように、排気ガス案内プレート32が設けられている。よって、テールパイプ24は機体の比較的高い位置に配置されており、そのままでは機体の後方に作業者が立った場合に顔方向に排気ガスが排出されて危険であるが、外側パイプ29の後端部に排気ガス案内プレート32を設けて排気ガスが上方に排出されるようにしているので、安全である。
そして、テールパイプ24は、後部と中途部が各々後部固定プレート33aと中途部固定プレート33bにて脱穀部4に固定されている。後部固定プレート33aは、内側パイプ28及び外側パイプ29後部を溶接連結する後部側の連結プレート30の近傍部分に設けられており、内側パイプ28及び外側パイプ29後部の溶接連結部分が後部固定プレート33aにて脱穀部4に固定されているので、内側パイプ28及び外側パイプ29後部の溶接連結部分が分離破損することを防止できる。また、中途部固定プレート33bは、テールパイプ24の長手方向に対して斜めに取り付けられているので、取り付け部分(溶接部分)が長くなり、分離破損することを防止できる。
特に、重量の軽い排気管23は、排気ガス浄化装置18に固定したサイレンサー22に取り付け、重量の重いテールパイプ24は、脱穀部4に取り付けている。よって、機体の振動で排気ガス浄化装置18が振動しても排気管23は軽いので、排気ガス浄化装置18が破損することがない。また、重量の重いテールパイプ24を脱穀部4に取り付けることにより、強固に重量の重いテールパイプ24を支持することができると共に、高温になる排気ガス浄化装置18の温度が直接テールパイプ24に伝わらないので、異常に高温になったテールパイプ24に排藁等が触れて起こる火災が発生することや作業者が誤ってテールパイプ24に触ってひどい火傷になることを防止できる。
また、パイプ径が小さい排気管23の湾曲をきつくしてパイプ径が大きいテールパイプ24の湾曲を緩くしたので、パイプ径が大きいテールパイプ24の折り曲げ加工が容易になり、また、折り曲げ皺の発生も防止できる。
また、排気ガス浄化装置18から排出される排気ガスを後方に流す部材を排気管23とテールパイプ24の2部品としたことにより、各部品を各々湾曲加工すれば良く、1部品で構成したものに比して、加工が容易となる。
以上要するに、排気ガス浄化装置18の排気排出側口部にサイレンサー22を連通連結し、排気ガス浄化装置18の排気ガスの流出方向と直交又は略直交する方向に設けたサイレンサー22の外周円筒部の排気口22aに機体後斜め上方に延出した排気管23を連通連結し、該排気管23の後端部23aにテールパイプ24を連通させたので、サイレンサー22により排気ガス浄化装置18から後方に排出される排気ガスをスムースに90度方向変換させることができて、排気管23を通して機体後斜め上方に流して、テールパイプ24により機体後方に向けて流すことができる。よって、排気ガス浄化装置18から排出される排気ガスの流れがスムースとなり、テールパイプ24の過剰な温度上昇が回避できて、周辺機器に悪影響を及ぼすことを防止し、また、異常に高温になったテールパイプ24に排藁等が触れて起こる火災を防止することができる。そして、排気ガス浄化装置18の後部にはサイレンサー22を装着するスペースがあれば良く、また、サイレンサー22に連通連結した排気管23を機体後斜め上方に延出して周辺部品(揚穀筒、2番螺旋、グレンタンク8や脱穀部4)を回避した形状に容易にできて、グレンタンク8の容量を大きくすることができる。
そして、上流排気管部の先部L型パイプは、エンジンルーム15のリヤカバー15aの上部隅部を後方に突出した状態で排気ガス浄化装置18の排気流入側口部に接続しているが、該後方に突出した状態の先部L型パイプ部を覆ってディーゼルエンジン7の冷却排風(ラジエータ冷却風)を排気ガス浄化装置18に向けて案内するカバー体34を設けている。
従って、後方に突出した状態の先部L型パイプ部をカバー体34で覆っているので、誤って先部L型パイプを触って火傷をするような事態を回避できる。また、ディーゼルエンジン7の冷却排風(ラジエータ冷却風)がカバー体34によって排気ガス浄化装置18に向けて案内されるので、排気ガス浄化装置18下方の熱を上方に吹き飛ばして排気ガス浄化装置18を冷却して過剰に排気ガス浄化装置18が高温になることを防止できる。
一方、排気ガス浄化装置18は、周囲をカバー35で覆っているが、該カバー35の平板状上部カバー35aの後端部をサイレンサー22及び排気管23の上方を覆うように平板のまま延設している。
従って、前記カバー体34にて排気ガス浄化装置18に向けて案内されたディーゼルエンジン7の冷却排風(ラジエータ冷却風)が平板状上部カバー35aの後端部下方まで案内されて、サイレンサー22及び排気管23周りの熱を吹き飛ばして外気に放出されるので、サイレンサー22及び排気管23を冷却することができる。また、平板状上部カバー35aの後端部がサイレンサー22及び排気管23の上方を覆っているので、誤ってサイレンサー22及び排気管23を触って火傷をするような事態を回避でき、異常に高温になったサイレンサー22及び排気管23に排藁等が触れて起こる火災を防止することができる。
4 脱穀部
8 グレンタンク
7 エンジン(ディーゼルエンジン)
17 排気配管
18 排気ガス浄化装置
22 サイレンサー
22a 排気口
23 排気管
23a 排気ガス排出端部(後端部)
24 テールパイプ
34 カバー体
35a 平板状上部カバー
8 グレンタンク
7 エンジン(ディーゼルエンジン)
17 排気配管
18 排気ガス浄化装置
22 サイレンサー
22a 排気口
23 排気管
23a 排気ガス排出端部(後端部)
24 テールパイプ
34 カバー体
35a 平板状上部カバー
Claims (5)
- 機体の一側方に脱穀部(4)を配置し、機体の他側方にグレンタンク(8)を配置し、該グレンタンク(8)の前方にエンジン(7)を配置して、該エンジン(7)の排気口部に排気配管(17)を接続するとともに、該排気配管(17)に排気ガスを機体後方に流出する排気ガス浄化装置(18)を設けたコンバインにおいて、排気ガス浄化装置(18)の排気排出側口部にサイレンサー(22)を連通連結し、排気ガス浄化装置(18)の排気ガスの流出方向と直交または略直交する方向に設けたサイレンサー(22)の排気口(22a)に排気管(23)を連通連結し、該排気管(23)の排気ガス排出端部(23a)にテールパイプ(24)を連通させたことを特徴とするコンバイン。
- 排気管(23)を機体後斜め上方に湾曲して延出し、テールパイプ(24)を湾曲して機体後方に向けて延出し、テールパイプ(24)のパイプ径を排気管(23)のパイプ径よりも大きくすると共に、テールパイプ(24)の湾曲を排気管(23)の湾曲よりも緩くしたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
- パイプ径の小さい排気管(23)を排気ガス浄化装置(18)に連通連結したサイレンサー(22)に取り付け、パイプ径の大きいテールパイプ(24)を脱穀部(4)に取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
- エンジン(7)の排気口部から排気ガス浄化装置(18)までの排気配管(17)を覆ってエンジン(7)の冷却排風を排気ガス浄化装置(18)に向けて案内するカバー体(34)を設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のコンバイン。
- エンジン(7)の冷却排風で排気ガス浄化装置(18)を冷却すると共に、排気ガス浄化装置(18)の上部を覆う平板状上部カバー(35a)の後端部をサイレンサー(22)及び排気管(23)の上方を覆うように延設したことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のコンバイン。
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2020
- 2020-11-26 JP JP2020196274A patent/JP2022084408A/ja active Pending
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