JP5360615B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル微粒子捕集フィルタを備えるコンバインに関するものである。
従来、排気ガスに含まれる未燃燃料、粒状化物質を浄化する排気装置を脱穀装置とグレンタンクの間に形成される空間に配置する構成が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2011−135846号公報 特開2011−24510号公報
特許文献1、2に記載されたコンバインは、未燃燃料、粒状化物質を浄化する排気装置を気密性のカバーの内部に配置しているので、排気装置が過度に加熱され、排気装置の近傍に設置された検出器が作動不良に陥る虞があった。
また、特許文献1、2に記載されたコンバインは、エンジンの排気マニホールドと未燃燃料、粒状化物質を浄化する排気装置を鋼管で接続しているので、エンジンの振動によって排気装置が早期に損傷する虞があった。
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、機体(41)の下側に走行装置(3)を備え、機体(41)上の一側に穀桿を脱穀する脱穀装置(5)を備え、他側には脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(6)を備えるコンバインにおいて、
前記グレンタンク(6)の前方に設けられたエンジンルーム(E)にエンジン(9)を配置し、前記脱穀装置(5)とグレンタンク(6)の間に形成される空間(S)にエンジン(9)の排気ガスを浄化するDPFユニット(40)を配置し、前記DPFユニット(40)の少なくとも上側及び横側を覆う覆い体(42)を設け、該覆い体(42)の下部に開口部(A)を形成したことを特徴とするコンバインである。
請求項2記載の発明は、前記DPFユニット(40)を、前記機体(41)と走行装置(3)との相対姿勢を変更させるシリンダ(57)の上側に配置した請求項1記載のコンバインである。
請求項3記載の発明は、前記覆い体(42)におけるグレンタンク(6)側の部位である内側カバー(47A)と、グレンタンク(6)の間に、該内側カバー(47A)と所定の間隔を隔てて外側カバー(47B)を配置し、前記エンジン(9)を冷却する冷却ファン(28)からの冷却風を前記内側カバー(47A)と外側カバー(47B)の間に導入可能な構成とした請求項1または2記載のコンバインである。
請求項4記載の発明は、前記グレンタンク(6)の下部に機体(41)の外側へ向けて下がり傾斜する傾斜壁(21D)を形成し、前記覆い体(42)を傾斜壁(21D)の上部の下面側に近接して配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項5記載の発明は、前記傾斜壁(21D)における覆い体(42)に近接する部位に凹部(22、23)を形成し、
該覆い体(42)の上部を凹部(22、23)に臨ませて配置した請求項4記載のコンバインである。
請求項6記載の発明は、前記エンジン(9)の排気マニホールド(30B)とDPFユニット(40)を、可撓性を有する接続管(52)を介して接続した請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項7記載の発明は、前記DPFユニット(40)の排気口(40F)に該排気口(40F)の外径よりも大きい内径を有する排気側接続管(54)を接続し、排気口(40F)の外周と排気側接続管(54)の内周との間に所定の間隙を形成した請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンバインである。
請求項1記載の発明によれば、DPFユニット(40)の少なくとも上側及び横側を覆う覆い体(42)を設け、この覆い体(42)の下部に開口部(A)を形成しているので、DPFユニット(40)の過剰な温度上昇を防止し、DPFユニット(40)の周辺部に配置された検出器等の作動不良を防止することができる。また、覆い体(42)の内部に混入した藁屑等の塵埃が開口部(A)から下方へ落下するので、この覆い体(42)の内部に藁屑が堆積することを防止できる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、DPFユニット(40)を、機体(41)と走行装置(3)との相対姿勢を変更させるシリンダ(57)の上側に配置しているので、このシリンダ(57)によって覆い体(42)へ下側から圃場の泥や排藁等の浸入を防止でき、DPFユニット(40)への泥や排藁等の付着を低減することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明による効果に加えて、冷却ファン(28)からの冷却風を内側カバー(47A)と外側カバー(47B)の間に導入可能に構成しているので、冷却ファン(28)によって吸気された冷却風によってDPFユニット(40)を冷却することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、DPFユニット(40)を覆う覆い体(42)をグレンタンク(6)の下部に形成した傾斜壁(21D)の上部の下面側に近接して配置しているので、DPFユニット(40)を設けることによるグレンタンク(6)の容積の減少を抑えることができ、コンバインの作業能率を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明による効果に加えて、DPFユニット(40)を覆う覆い体(42)の上部をグレンタンク(6)の傾斜壁(21D)に形成された凹部(22、23)に臨ませて配置しているので、この覆い体(42)及びDPFユニット(40)を機体(41)上におけるグレンタンク(6)側に寄せて配置することができ、グレンタンク(6)を外側方に移動させて行うDPFユニット(40)のメンテナンス作業を容易化することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、エンジン(9)の排気マニホールド(30B)とDPFユニット(40)を可撓性を有する接続管(52)を介して接続しているので、エンジン(9)の排気マニホールド(30B)とDPFユニット(40)を容易に接続することができ、エンジン(9)の振動とDPFユニット(40)の振動差を接続管(52)の撓みによって吸収することができ、排気マニホールド(30B)からDPFユニット(40)に至る排気管路及びDPFユニット(40)の耐久性を高めることができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、DPFユニット(40)の排気口(40F)の外径よりも大きい内径を有する排気側接続管(54)を接続しているので、エジェクタ効果によって排気側接続管(54)を効率的に冷却し、圃場上の穀桿等の発火を防止することができる。
コンバインの右側面図である。 コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 本実施形態の要部右側面図である。 本実施形態の要部右側面拡大図である。 本実施形態の要部右側面図である。 本実施形態の要部平面図である。 本実施形態の要部背面図である。 本実施形態の要部背面拡大図である。 操作パネルの説明図である。 操作パネルの概略図である。 操作パネルのモニタの表示例である。 伝動説明図である。
以下、本発明の本実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
コンバイン1は、図1〜図3に示すように、圃場を走向する左右一対のクローラからなる走行装置3と、機体の前端位置で圃場から穀桿を刈取る刈取装置4と、その後方で穀桿の脱穀・選別を行なう脱穀装置5と、脱穀装置5の右側に並設され脱穀・選別された穀粒を貯留するグレンタンク6とを備え、グレンタンク6の前側で刈取装置5の背面に臨む部位に、操作者が搭乗する操縦部7を備えている。
また、グレンタンク6の後側には貯留された穀粒を機外に排出する排出オーガ8を備え、操縦部7の下方後側のエンジンルームEにはディーゼルエンジン(エンジン)9が搭載されている。
(脱穀装置)
刈取装置4によって刈取られた穀稈は、脱穀装置5に揚上搬送され、脱穀装置5によって脱穀・選別される。脱穀装置5は、上部に穀稈の脱穀を行う扱室と、下部に穀稈の選別を行なう選別室を備えている。扱室には、図4、図8に示すように、複数の扱歯を有する扱胴10が前後方向に延伸する扱胴軸10Aに軸支され、選別室には、揺動選別装置の前部の移送棚に空気を送風する第一唐箕11と、揺動選別装置から漏下する穀粒を回収する一番受樋12と、揺動選別装置の後部のシーブに空気を送風する第二唐箕19と、揺動選別装置から漏下する枝梗等が付着した穀粒(二番物)を回収する二番受樋13とが前側から順に設置されている。
一番受樋12によって回収された穀粒は、脱穀装置5の右側に設置された第1揚穀装置14によってグレンタンク6に揚送される。第1揚穀装置14は、円筒鋼材からなる第1揚穀筒14Aと、穀粒を揚送する第1揚穀螺旋14Bとから構成され、第1揚穀筒14Aの基部は、脱穀装置5の右側下部に形成された排出口に連通し、第1揚穀筒14Aの上部は、グレンタンク6の投入口に連通している。また、第1揚穀筒14Aは、脱穀装置5とグレンタンク6によって挟まれた空間Sを基部から上部に向かい前上がり傾斜して設置されている。
二番受樋13によって回収された枝梗等が付着した穀粒は、脱穀装置5の右側に設置された第2揚穀装置15によって二番処理室16に揚送される。第2揚穀装置15は、円筒鋼材からなる第2揚穀筒15Aと、二番物を揚送する第2揚穀螺旋15Bとから構成され、第1揚穀筒14Aの基部の後方に位置する第2揚穀筒15Aの基部は、脱穀装置5の右側下部に形成された排出口に連通し、第2揚穀筒15Aの上部は、二番処理室16の投入口に連通している。また、第2揚穀筒15Aは、脱穀装置5とグレンタンク6によって挟まれた空間Sを基部から上部に向かい前上がり傾斜して設置されている。
二番物を処理して還元する二番処理室16の内部には、外周面に間欠螺旋羽根を備えた二番処理胴16Aが軸架されている。二番処理室16に供給された二番物は、回転する二番処理胴16Aによって前方に搬送されつつ穀粒と枝梗とが分離され、二番処理物還元口から揺動選別装置に落下し、扱室からの被処理物と合流して再選別される。
(グレンタンク)
第1揚穀装置14によって揚送された穀粒は、グレンタンク6に貯留される。グレンタンク6は、図4、図8等に示すように、投入口が形成されたタンク部20と、排出オーガ8に穀粒を移送する排出螺旋を内設する漏斗部21とから構成されている。
グレンタンク6内の点検・保守作業を容易にする為に、タンク部20は、右側壁20Aと、左側壁20Bとをボルト等の締結部材によって接合した接合構造とされている。右側壁20Aは、前壁と、後壁と、右壁と、天井壁とをプレス加工によって一体的に形成し、右側壁20Aの周辺部の内側には、左側壁20Bを介して挿入されるボルト等を固定する為のナット等の止着部が設けられている。また、左側壁20Bの周辺部にはボルトを挿通する取付孔が形成されている。
漏斗部21は、前壁21Aと、後壁21Bと、右壁21Cと、左壁(傾斜壁)21Dで構成され、上側が開放された略三角柱形状に形成されている。漏斗部21の下部には、グレンタンク6に貯留された穀粒を排出オーガ8に搬送する排出螺旋が、漏斗部21の右側に偏位して設置されている。また、傾斜壁21Dは、グレンタンク6に貯留された穀粒を能率良く排出する為に、傾斜壁21Dの上端部から下端部に向かって左側から右側に傾斜する安息角度が設けられている。
漏斗部21の傾斜壁21Dには、後述するディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPFユニット)40を保護するフレーム42の右側部を配置する為に、漏斗部21の傾斜壁21Dにおけるフレーム42の前端部から後端部までに対応する部位に第一凹部22と、第二凹部23を形成することができる。この場合、グレンタンク6に貯留された穀粒を能率良く排出する為に、第一底面部22Aと、第二底面部23Aには、傾斜壁21Dと同様に上端部から下端部に向かって左側から右側に傾斜する安息角度を設けるのが好適であり、第一凹部22と、第二凹部23は、漏斗部21の前端部からグレンタンク6の投入口の下方位置までの間に配置するのがより好適である。
(エンジン)
操縦部7の下方に配置されたエンジン9は、図6に示すように、エンジン9の振動を抑制する為に、エンジン9の下部に設けられたエンジン側支持部材9Aと、機体41に設けられた機体側支持部材41Aを防振マウント9Bを介して取付けられている。一方、後述するDPFユニット40を内装するフレーム42は、機体41の上部に直接的に取付けられている。
エンジン9の上面には、図7、図8等に示すように、エンジン9に空気を過給する吸気タービン30Aとエンジン9からの排気ガスを排出する排気マニホールド30Bを有する過給器30と、エンジン9に排気ガスの一部を混入させる排気再循環装置(EGR)31を後側から順に並設している。
(DPFユニット)
エンジン9から排出される排気ガスに含まれる不純物を除去する為に、エンジン9の排気マニホールド30Bからの接続管50には、図4〜図9に示すように、DPFユニット40が接続されている。DPFユニット40の内部には、上流側(吸気口側)の酸化触媒(DOC)40Aと、下流側(排気口側)のパティキュレートフィルタ(DPF)40Bが設けられており、排気ガスに含有されている未燃燃料はDOC40Aによって酸化され、排気ガスに含有されている粒状化物質はDPF40Bによって除去される。
DPFユニット40は、図4、図5等に示すように、機体41に設けられた鋼材からなるフレーム(覆い体)42によって支持されている。フレーム42は、前側フレーム43と、後側フレーム44と、上部連結フレーム45と、下部連結フレーム46と、内側カバー47Aと、外側カバー47Bと、DPFユニット40を下側から支持する支持部材48によって構成されており、DPFユニット40の前後及び横側と上側を覆うフレーム42内部の温度の過剰な上昇を抑制する為に、フレーム42の下部には、開口部Aが形成されている。
また、機体41には、基部が機体41に回転自在に軸支され先端部が走行装置3に軸支された後側連結プレート56に固定されたピッチングシリンダ57と、基部が機体41に回転自在に軸支され先端部が走行装置3に軸支された前側連結プレート58に固定された左右一対のローリングシリンダ59が設けられている。なお、ピッチングシリンダ57は、走行装置3の機体41に対する前後方向の傾斜角度を変更する機能を有し、ローリングシリンダ59は、走行装置3の機体41に対する左右方向の傾斜角度を変更する機能を有する。
図4〜図9に示すように、前側フレーム43は、基部が機体41に固定され上方に向かって伸延する前側左柱43Aと、基部が機体41に固定され上方に向かって伸延し、その後に左側上方に向かって伸延し、引続いて左側に向かって伸延し頂部が前側左柱43Aの頂部に固定される前側右柱43Bによって形成されている。
同様に、後側フレーム44は、基部が機体41に固定され上方に向かって伸延する後側左柱44Aと、基部が機体41に固定され上方に向かって伸延し、その後に左側上方に向かって伸延し、引続いて左側に向かって伸延し頂部が後側左柱44Aの頂部に固定される後側右柱44Bによって形成されている。
上部連結フレーム45の両端部は、前側左柱43Aの頂部と、後側左柱44Aの頂部にそれぞれ固定され、下部連結フレーム46の両端部は、前側右柱43Bの基部の上方と、後側右柱44Bの基部の上方それぞれ固定されている。
内側カバー47Aは、前側右柱43Aと後側右柱44Aにボルト等の締結部材によって着脱自在に設けられ、内側カバー47Aの上部には、鋼管からなる第1接続管51と、ステンレス管からなり可撓性を有する接続管52と、鋼管からなる第2接続管53を保護する為に、上部カバー47Cが取付けられている。内側カバー47Aの下部には、前記開口部Aが形成されており、内側カバー47A内の過剰の温度上昇を抑制する。
外側カバー47Bは、内側カバー47Aの右側に一定の間隔を隔てて内側カバー47にボルト等の締結部材によって着脱自在に設けられ、外側カバー47Bの上端部は、上部カバー47Cに至り、上部カバー47Cの右側に一定の間隔を隔てて取付けられている。
また、外側カバー47Bの前端部は、後述する冷却ファン28によって吸気された空気を内側カバー47Aと外側カバー47Bによって形成された空間S2を流過させる為に、右側に向かって伸延し、エンジン9の後面に近接して設けられている。
支持部材48は、左側支持部材48Aと、右側支持部材48Bとから構成され、左側支持部材48Aと右側支持部材48Bの上部は、上部連結フレーム45に固定され、左側支持部材48Aと右側支持部材48Bの下部は、下部連結フレーム46に固定されている。
左側支持部材48Aは、下方に伸延し、その後にDPFユニット40の外周面を確実に支持する為に、DPFユニット40の外周形状に対向し下方に向かって円弧状に形成され、約180度反時計方向に伸延し、引続いて右側に向かって伸延している。
右側支持部材48Bは、下方に伸延し、その後にDPFユニット40の外周面を確実に支持する為に、DPFユニット40の外周形状に対向し下方に向かって円弧状に形成され、約90度時計方向に伸延し、引続いて右側に向かって伸延している。
エンジン9の排気マニホールド30Bの排気口とDPFユニット40の吸気口40Eは、鋼管からなる第1接続管51と、エンジン9の振動の伝播を低減する為に、ステンレス管からなり可撓性を有する接続管52と、鋼管からなる第2接続管53によって接続されている。
第1接続管51は、図4、図5に示すように、側面視において排気マニホールド30Bの排気口から後側に向かって伸延し、図7に示すように、平面視において排気マニホールド30Bの排気口から左側に向かって伸延し、その後に後側に向かって略90度湾曲し、引続いて後側に向かって伸延し接続管52の吸気口に接続されている。
接続管52は、図4、図5に示すように、側面視において接続管52の吸気口から後側に向かって伸延し、図7に示すように、平面視において接続管52の吸気口から後側に向かって伸延し第2接続管53の吸気口に接続されている。
第2接続管53は、図4、図5に示すように、側面視において接続管52の排気口から後側に伸延し、その後に下側に向かって略90度湾曲し、引続いて下側に向かって伸延しDPFユニット40の吸気口40Eに接続されている。
DPFユニット40の排気口40Eには、DPFユニット40によって排気ガス中の未燃燃料、粒状化物質が除去された排気ガスを外部に排出する鋼管からなる排気側接続管54が接続されている。
高温な排気ガスの排出による排気側接続管54の温度上昇を防止する為に、排気側接続管54の内径は、DPFユニット40の排気口40Eの外径よりも大径に形成されている。従って、DPFユニット40の排気口40Eから排気側接続管54に流入する排気により、排気側接続管54のDPFユニット40側端部と、排気口40Eとの隙間から外気が引き込まれることで、排気側接続管54内の排気温度が低下する。また、排気側接続管54は、図4、図5に示すように、側面視においてDPFユニット40の排気口40Fから下側に向かって伸延し、その後に後側に向かって略90度湾曲し、引続いて機体41の間を後側に向かって伸延している。
(DPFユニットの配置位置)
フレーム42に支持されたDPFユニット40は、図4、図5等に示すように、前後方向では、エンジン9の後面と第1揚穀装置14の第1揚穀筒14Aの間に配置され、上下方向では、エンジン9の右側(外側)に設けられた冷却ファン28の中心よりも低く、ピッチングシリンダ57よりも高い位置に配置されている。また、DPFユニット40の下端部は、第一唐箕11のファンの中心よりも高い位置に配置されている。
DPFユニット40は、図7等に示すように、前後方向では、エンジン9の後面と第1揚穀装置14の第1揚穀筒14Aの間に配置され、より詳細には、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させる為に、DPFユニット40の前端部は、グレンタンク6の漏斗部21の前壁21Aと略同一位置に配置されている。
また、DPFユニット40は、左右方向では、脱穀装置3とグレンタンク6の間に配置され、より詳細には、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させる為に、DPFユニット40の右側上部は、グレンタンク6の漏斗部21の傾斜壁21Dに形成された第二凹部23に臨んでいる。
DPFユニット40は、図8、図9等に示すように、左右方向では、脱穀装置3とグレンタンク6の間に配置され、グレンタンク6の傾斜壁21Dの下側に一部又は全部が入り込んでいる。より詳細には、グレンタンク6に貯留された穀粒の乾燥を促進させる為に、DPFユニット40の中心はグレンタンク6の漏斗部21の傾斜壁21Dの上端部よりも右側に偏倚して配置されている。
また、DPFユニット40は、左右方向では、右側クローラ2Aと、左側クローラ2Bの間の上方に配置され、上下方向では、脱穀装置3の二番処理胴16Aとピッチングシリンダ57との間に配置され、より詳細には、圃場の穀桿への引火を防止する為に、グレンタンク6の漏斗部21の傾斜壁21Dの上端部に隣接して配置され、DPFユニット40の右側上部は、グレンタンク6の漏斗部21の傾斜壁21Dに形成された第二凹部23に臨んでいる。
(操作モニタ)
DPFユニット40の内部に規定値を超える未燃燃料、粒状化物質が滞留した場合には、図10に示すように、操作者が搭乗する操縦部7に設けられた再生モードスイッチを入力し、操縦側コントローラ61からエンジン側コントローラ60に指令を出力し、エンジン9を高速回転にする。
エンジン9がアイドリング状態である場合、再生モードスイッチを入力することによって、エンジン9は定格回転となり、エンジン9から排出される高温の排出ガスによりDPFユニット40の内部の温度が上昇し、DPFユニット40のDPF40Bに付着している未燃燃料、粒状化物質を燃焼させ除去することができる。
なお、操縦側コントローラ61とエンジン側コントローラ60は無線ラン62によって通信可能に接続されている。
操縦部7の前部には、図11、図12に示すように、操作パネル63が設けられており、操作パネル63の中央部には、モニタ64が配置され、操作者にコンバイン1の稼働状態を随時表示する。また、操作者の注意を喚起する為に、モニタ64の右側には、点滅ランプ65が配置されている。
例えば、DPFユニット40の内部に規定値を超える未燃燃料、粒状化物質が滞留した場合には、点滅ランプ65を点滅させ、モニタ64に、操作者に再生モードスイッチの入力を喚起する為に、DPFの手動再生が必要になりました、エンジンをアイドリングにして下さい等の表示を行ない、操作者が再生モードスイッチの入力した後、操作者に手動再生の状況を告知する為に、DPFの手動再生中です、手動再生には約10分かかります等の表示を行ない、手動再生の完了後に、手動再生が完了しました、作業を再開して下さい等の表示を行う。
(伝動図)
エンジン9の出力軸70には、図13に示すように、プーリ70A、70Bが軸支され、伝動部のギヤケースの設置数を減らし、省スペースを図る為に、刈取用HST75には、刈取用HST75を貫通して脱穀伝動入力軸76が設けられ、脱穀伝動入力軸76の入力側にはプーリ76A、76Bが軸支され、脱穀伝動入力軸76の出力側にはプーリ76C軸支されている。
エンジン9の回転は、プーリ70Aとプーリ76Aに巻き掛けられたベルト80を介して脱穀伝動入力軸76に伝動され、脱穀伝動入力軸76に伝動された回転は、プーリ76Bを介して扱胴10の扱胴軸10Aと、プーリ76Cを介して選別部に伝動される。
刈取用HST75の出力軸77には、プーリ77Aが軸支されている。刈取用HST75の出力軸77に伝動された回転は、プーリ77Aとプーリ78Aに巻き掛けられたベルト81を介し刈取入力軸78に伝動される。
走行用HST90の入力軸91には、プーリ91A、91Bが軸支されている。エンジン9の回転は、プーリ70Bとプーリ91Bに巻き掛けられたベルト82を介して入力軸91に伝動される。
伝動部のギヤケースの設置数を減らし、省スペースを図る為に、冷却ファン用HST93には、冷却ファン用HST93を貫通して入力軸94が設けられ、入力軸94の入力側にはプーリ94Aが軸支され、入力軸94の出力側にはプーリ94Bが軸支されている。
走行用HST90の入力軸91に伝動された回転は、プーリ91Aとプーリ94Aに巻き掛けられたベルト83を介して入力軸94に伝動される。
コンプレーサ96の入力軸97には、プーリ97Aが軸支されている。冷却ファン用HST93の入力軸94に伝動された回転は、プーリ94Bとプーリ97Aに巻き掛けられたベルト84を介してコンプレーサ96の入力軸97に伝動される。
3 走行装置
5 脱穀装置
6 グレンタンク
9 エンジン
20 タンク部
21 漏斗部
21A 前壁
21B 後壁
21C 右壁
21D 傾斜壁
22 第一凹部
23 第二凹部
28 冷却ファン
30A 吸気タービン
30B 排気マニホールド
40 DPFユニット
40E 吸気口
40F 排気口
41 機体
42 フレーム(覆い体)
43 前側フレーム
43A 前側左柱
43B 前側右柱
44 後側フレーム
44A 後側左柱
44B 後側右柱
45 上部連結フレーム
46 下部連結フレーム
47A 内側カバー
47B 外側カバー
47C 上部カバー
48 支持部材
51 第1接続管
52 接続管
53 第2接続管
54 排気側接続管
57 ピッチングシリンダ
A 開口部
E エンジンルーム
S 空間
S2 空間

Claims (7)

  1. 機体(41)の下側に走行装置(3)を備え、機体(41)上の一側に穀桿を脱穀する脱穀装置(5)を備え、他側には脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(6)を備えるコンバインにおいて、
    前記グレンタンク(6)の前方に設けられたエンジンルーム(E)にエンジン(9)を配置し、
    前記脱穀装置(5)とグレンタンク(6)の間に形成される空間(S)にエンジン(9)の排気ガスを浄化するDPFユニット(40)を配置し、
    前記DPFユニット(40)の少なくとも上側及び横側を覆う覆い体(42)を設け、
    該覆い体(42)の下部に開口部(A)を形成したことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記DPFユニット(40)を、前記機体(41)と走行装置(3)との相対姿勢を変更させるシリンダ(57)の上側に配置した請求項1記載のコンバイン。
  3. 前記覆い体(42)におけるグレンタンク(6)側の部位である内側カバー(47A)と、グレンタンク(6)の間に、該内側カバー(47A)と所定の間隔を隔てて外側カバー(47B)を配置し、
    前記エンジン(9)を冷却する冷却ファン(28)からの冷却風を前記内側カバー(47A)と外側カバー(47B)の間に導入可能な構成とした請求項1または2記載のコンバイン。
  4. 前記グレンタンク(6)の下部に機体(41)の外側へ向けて下がり傾斜する傾斜壁(21D)を形成し、
    前記覆い体(42)を傾斜壁(21D)の上部の下面側に近接して配置した請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
  5. 前記傾斜壁(21D)における覆い体(42)に近接する部位に凹部(22、23)を形成し、
    該覆い体(42)の上部を凹部(22、23)に臨ませて配置した請求項4記載のコンバイン。
  6. 前記エンジン(9)の排気マニホールド(30B)とDPFユニット(40)を、可撓性を有する接続管(52)を介して接続した請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
  7. 前記DPFユニット(40)の排気口(40F)に該排気口(40F)の外径よりも大きい内径を有する排気側接続管(54)を接続し、排気口(40F)の外周と排気側接続管(54)の内周との間に所定の間隙を形成した請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンバイン。
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