JP2022082851A - グレーティング素子及び光デバイス - Google Patents

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【課題】不要モード成分を除去し、光デバイスの性能向上を可能とするグレーティング素子、及び、このグレーティング素子を備える光デバイスを提供する【解決手段】グレーティング素子は、光の伝搬方向である光の伝送軸に沿って、第1部分及び第2部分を周期的に繰り返し備え、第1部分と第2部分の伝送軸に沿った長さが互いに等しく、第1部分と第2部分の伝送軸に直交する方向の幅が、互いに等しく、かつ、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の偏波に対してマルチモードの伝送が可能な幅であり、第1部分の光の伝搬方向である中心軸が、伝送軸に対して、+Δx/2だけずれて配置され、第2部分の光の伝搬方向である中心軸が、伝送軸に対して、-Δx/2だけずれて配置されているグレーティング領域を有する。【選択図】図1

Description

この発明は、グレーティング素子と、このグレーティング素子を有する光デバイスに関する。
情報伝達量の増大に伴い、光配線技術が注目されている。光配線技術では、光ファイバや光導波路を伝送媒体とした光デバイスを用いて、情報処理装置内のラック間、ボード間又はチップ間等の情報伝達を光信号で行う。光配線技術を用いることにより、高速信号処理を要する情報処理機器においてボトルネックとなっている、電気配線を用いることによる帯域制限を改善することができる。
光の伝送媒体としてのシリコン(Si)は、通信波長域において透明で、かつ導波路コアとして屈折率が高い、という特徴がある。Siを材料とする光導波路素子(Si導波路素子)では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えば酸化シリコン(SiO)等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。
Siの光導波路コアの周囲をSiOのクラッドで覆うことにより構成されるSi導波路では、光導波路コアとクラッドとの比屈折率差が非常に大きく確保される。このため、Si導波路の伝搬モードの等価屈折率はクラッドの屈折率から離れた値をとる。この結果、Siの光導波路コア内部に光を強く閉じ込めることができる。このように、強い閉じ込めができることにより、曲げ導波路の曲率半径、及び、並走する導波路間の最小配線ピッチを数μm程度まで抑えることができる。このため、光配線のレイアウトサイズを小さくできる。
また、半導体製造装置を用いた高精度なフォトリソグラフィやエッチング技術によるSi導波路の微細加工が可能である。さらに、イオンドーピングで形成したPN-Si領域への電圧印加によるキャリア増幅に伴う屈折率変化(プラズマキャリア効果)を応用した変調器、及び、Siよりもバンドギャップの狭いゲルマニウム(Ge)をSi上に選択成長させた受光素子(PD:Photo Diode)など、多様な機能デバイスを同一基板上にモノリシック的に集積形成でき、大量生産も容易である。このため、Si導波路は光モジュールを小型・低コストで実現するためのプラットフォームとして有望視されており、これに関する様々な研究がなされている(例えば特許文献1参照)。
一方で、Si導波路のようにコアとクラッドとの比屈折率差Δが大きな導波路では2つの直交する偏波成分すなわち、Transverse Electric(TE)偏波光とTransverse Magnetic(TM)偏波光との間で、伝送モードの等価屈折率Neff及び群屈折率Nの差が大きくなりやすい、という問題が挙げられる。これは導波路を伝送する光の実効的な屈折率である等価屈折率Neffは原理的にクラッドの屈折率Nclad及びコアの屈折率Ncoreに対して、Nclad<Neff<Ncoreの関係となり、Si導波路のような高Δ導波路ではNeffが広い範囲の値をとり得ることによる。このため、光の位相干渉を利用する波長フィルタにおいて直交偏波間での光学位相の差が生じ、同一波長における波長応答特性の乖離が偏波間で大きくなりやすく、チャネル間クロストークの原因となる。この問題は、特にファイバ伝送システムにおける受信側デバイスで顕在化する。
この問題を解消するため、偏波分離機能素子を光回路中に導入する方式も提案されてい
る(例えば、特許文献2参照)。この方式では、TE偏波及びTM偏波に対してそれぞれ専用設計された2つの光機能素子が必要となるので、回路構成としては煩雑となりがちで、光回路サイズもその分大きくなってしまう。このため、Si導波路のような高Δ導波路特有の偏波依存性に対する本質的な解決手段としては、波長フィルタそのものの波長応答特性の偏波間の乖離を最小に抑えることが望ましい。
図2を参照して、Si導波路における、導波路幅Wと、各伝送モードの等価屈折率Neffの関係を説明する。図2は、導波路幅Wと、各伝送モードの等価屈折率Neffの関係を示す図である。ここでは、Si導波路をSilicon on Insulator(SOI)基板として一般に商用流通しているSOI層の厚みに基づき、Siコアの厚みを220nmとしている。また、波長を1,550nmとしている。図2では、基本モードのTE偏波(TE0)、1次モードのTE偏波(TE1)、及び、基本モードのTM偏波(TM0)を、それぞれ、曲線I、II及びIIIで表している。
図2に示されるように、偏波無依存条件となるTE0とTM0の交点は、導波路幅Wが220nm、すなわち導波路断面の縦横比が1となる時である。しかし、この条件では断面サイズが小さいため光の閉じ込めが弱いモードカットオフ条件に近い。従って、埋め込み酸化(BOX)層を挟んでSiコアから数μm離れた直下に存在する支持基板への損失が生じる。さらに、デバイスとして用いる場合、曲率半径を大きくせざるを得なくなり光回路を小型に出来るというSi導波路のメリットを活かすことが出来なくなってしまう。
一方、導波路幅Wを大きくしていくと、モード次数は異なるがTE1とTM0とのNeffの交点が導波路幅660nm付近に存在することが分かる。この条件でのNeffはモードカットオフ条件よりも十分大きくデバイス実用に耐えうるレベルである。これは、高次モードを積極的に利用することにより設計の自由度が広がることを意味する。発明者はこの点に注目し、現在までTE1及びTM0を利用した波長フィルタデバイスを検討してきた(例えば、特許文献3、4及び5参照)。
特開2011-77133号公報 特開平6-201962号公報 特開2016-24375号公報 特開2018-155863号公報 特開2020-42225号公報
このようなデバイスにおいては、光回路の配線部となるシングルモード導波路からTE1及びTM0を効率的に励振するためのモードコンバータが重要な役割を担う。特許文献5に記載されるモードコンバータでは、TE0からTE1への変換損失は0.5dB以下に抑えられており、ノイズ成分となり得るTE0に対して100nm以上の波長域にわたり15dB以上の消光比が確保されている。モードコンバータを通過した後のTE1及びTM0は、TE1及びTM0に対して偏波無依存となるように専用設計された光デバイスに送られる。
これら光デバイスの特性はTE1に対するTE0の消光比に大きく依存し、必ずしも特許文献5で開示される15dBで十分とは限らない。また、光デバイスを伝送中に、例えば曲がり導波路においてTE1は微弱ながらTE0へと再変換されてしまう。この再変換を曲がり導波路部で繰り返すことにより、基本モードと1次モード間で干渉計のように振
る舞うと、これがノイズ成分となり、デバイス特性の劣化の原因となる。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、このような多モードが伝送する光デバイスにおいて、不要モード成分を除去し、光デバイスの性能向上を可能とするグレーティング素子、及び、このグレーティング素子を備える光デバイスを提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明のグレーティング素子は、支持基板と、支持基板上に形成されるクラッドと、クラッド中に埋設され、支持基板の上面に平行に設けられる、光導波路コアとを備え、光導波路コアと、光導波路コアの周囲のクラッドから光導波路を構成する光導波路素子である。グレーティング素子は、光の伝搬方向である光の伝送軸に沿って、第1部分及び第2部分を周期的に繰り返し備え、第1部分と第2部分の伝送軸に沿った長さが互いに等しく、第1部分と第2部分の伝送軸に直交する方向の幅が、互いに等しく、かつ、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の偏波に対してマルチモードの伝送が可能な幅であり、第1部分の光の伝搬方向である中心軸が、伝送軸に対して、+Δx/2だけずれて配置され、第2部分の光の伝搬方向である中心軸が、伝送軸に対して、-Δx/2だけずれて配置されているグレーティング領域を有する。ここで、Δxは伝送軸中心に対する幅方向への任意のオフセット値である。
また、この発明のグレーティング素子の好適実施形態によれば、基本モードのTE偏波と1次モードのTE偏波の間の結合波長をλTE0TE1、基本モードのTE偏波の放射モードへの結合波長をλTE0rad、1次モードのTE偏波の放射モードへの結合波長をλTE1rad、基本モードのTM偏波の放射モードへの結合波長をλTM0radとし、使用波長域をλ~λ(λ<λ)としたとき、
λ<λTE0TE1
λ<λTE0rad
λ>λTE1rad
λ>λTM0rad
の関係を満たす。
また、この発明の光デバイスは、上述のグレーティング素子と、基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波の、少なくとも一方の偏波を、高次モードに変換するモードコンバータとを備える。
この発明とするグレーティング素子、及び、このグレーティング素子を備える光デバイスによれば、多モードが伝送する光デバイスにおいて、不要モード成分を除去し、光デバイスの性能向上を可能にする。
この発明のグレーティング素子の一構成例を示す模式図である。 導波路幅Wと、各伝送モードの等価屈折率Neffの関係を示す図である。 光デバイスを説明するための模式図である。 グレーティング導波路幅Wと、屈折率変調周期Λ及び結合波長の関係を示す図である。 FDTD法を用いた伝送シミュレーションの結果を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、
大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
図1を参照して、この発明のグレーティング素子について説明する。図1は、この発明のグレーティング素子の一構成例を示す模式図である。図1(A)は、後述する支持基板及びクラッドを省略し、光導波路コアのみを示す概略的平面図である。図1(B)は、図1(A)に示すグレーティング素子の概略的断面図である。
グレーティング素子は、支持基板10、クラッド20、及び、光導波路コア30を備える光導波路を基本構造として有している。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に設けられている。クラッド20は、支持基板10の上面を被覆し、かつ、光導波路コア30を包含して形成されている。クラッド20は、例えば酸化シリコン(SiO)を材料として形成されている。
光導波路コア30は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。その結果、光導波路コア30と周囲のクラッド20は、光の伝送路(光導波路)として機能し、光導波路コア30に入力された光が光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
グレーティング素子では、光導波路に周期的に屈折率が変調されたグレーティング領域が形成されている。最も単純な構成は、光導波路コア30の幅方向中心軸112が光の伝送軸102に対して+Δx/2だけずれた第1部分110と、導波路コアの幅方向中心軸122が光の伝送軸102に対して-Δx/2だけずれた第2部分120が、光の伝送方向に沿って屈折率変調(グレーティング)周期Λの半分(Λ/2)ごとに交互に入れ替わる構成である。一組の第1部分110と第2部分120とで一周期となる。この周期構造は光導波路形成時にフォトリソグラフィとエッチング工程のみで容易に実現することができ、またSi導波路のような高Δ導波路では高い回折効率が得られるため、素子長を短くするにも有効である。
グレーティングの回折条件は、以下の式(1)で与えられる。
Figure 2022082851000002
ここでN及びNは、それぞれモードA及びモードBの等価屈折率を表し、λbraggはBragg波長を表している。また、モードAとモードBとの間のモード結合係数は、以下の式(2)で与えられる。
Figure 2022082851000003
ω及びεは、それぞれ角周波数と真空中の誘電率を表す。E及びEは、それぞれモードA及びモードBの電界分布を表す。また、δεは誘電率(すなわち屈折率)の変動項を表している。このグレーティング素子では、屈折率変調構造の周期構造を構成する第1部分110及び第2部分120が、光の伝送軸102に対して非対称になっている。また、第1部分110と第2部分120の中心軸112及び122が、伝送軸102に対して、互いに異なる側に配置される。このため、上記式(2)において、屈折率の変動項δεは伝送軸を中心(x=0)として正負記号が反転する。したがって、同一モード間では積分項が常に0となり反射結合しないことを意味する。
ところで、グレーティング領域ではTE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の偏波に対してマルチモードの伝送が可能である。そして、マルチモードの伝送が可能な偏波においては、異なる次数のモード間で結合が生じる。また、ある伝送モードに対する結合変換先は必ずしも伝送モードとは限らず、無数に存在する放射モードにも結合し得ることが分かっている。放射モードは、クラッドの屈折率よりも低い等価屈折率をもち、伝送するに従って徐々にコアから離れていくモードである。ある伝送モードから放射モードへの結合は、伝送モード間結合のBragg波長よりも短波長側でその傾向が強くみられる。これは、放射モードの等価屈折率が伝送モードよりも小さいためである。
図2を改めてみると、モードカットオフ条件に近い条件を使わない限り、一番大きな等価屈折率を有する伝送モードはTE0(I)であり、その変換先の伝送モードとしてはTE1が候補になる。TE0(I)とTE1(II)とのBragg波長をλTE0TE1とするための屈折率変調周期ΛTE0TE1は上記式(1)よりΛTE0TE1=λTE0TE1/(NTE0+NTE1)で一意に決まる。
屈折率変調周期ΛTE0TE1が決定されると次に考えるべきは各伝送モードから放射モード(rad)への結合波長(ブラッグ波長)である。放射モードの等価屈折率はクラッドの屈折率よりも低いため、各伝送モードから放射モードへの結合波長の閾値は上記式(1)にクラッドの屈折率Ncladと、先に求めた屈折率変調周期ΛTE0TE1を用いて下記式(3)~(5)で算出することができる。
Figure 2022082851000004
これらの結合波長の閾値よりも短波長側は放射損失成分となる。
ここでNTE0、NTE1及びNTM0は、波長依存性を含む。上式(3)~(5)は伝送モードの等価屈折率が大きいほど放射モードへの結合波長の閾値は長波側となり、伝送しにくくなることを意味する。この性質を利用すると、特定の波長域において最も高い等価屈折率を有するTE0のみを選択的に放射損失成分として抑圧し、かつ、他の伝送モードを透過させることが可能となる。
(実施例)
図3を参照して、この発明のグレーティング素子を他の素子と組み合わせて構成される光デバイスを説明する。図3は、光デバイスを説明するための模式図である。
TE1及びTE0に対して設計された偏波無依存デバイス500に対して、グレーティング素子100は、モードコンバータ300と一緒に組み込まれて、光デバイスを構成する。
モードコンバータ300は、光回路を伝搬するTE0及びTM0から、TE1及びTM0をそれぞれ励振する。モードコンバータ300としては、例えば特許文献5に開示される構造など、任意好適な従来公知の構造を用いることができる。モードコンバータ300の性能の1つとして変換先のTE1に対するTE0の消光比が重要となる。偏波無依存デバイス500にとってTE0は不要成分であり、消光比が不十分であるとデバイス回路を伝送中にTE0からTE1への変換や、その逆の変換が不慮に起こり、モード間で干渉しあいデバイス特性劣化の要因となる。
そこで、グレーティング素子100において、TE0とTE1の間の結合波長λTE0TE1及びTE0から放射モードへの結合波長λTE0radを、後段に接続される偏波無依存光デバイス500の動作波長域λ~λ(λ<λ)における最長波端λよりもさらに長波側に設定し、かつ、TE1から放射モードへの結合波長λTE1rad及びTM0から放射モードへの結合波長λTM0radを光デバイス500の動作波長域における最短波端λよりもさらに短波側に設定すれば、TE0はデバイスの動作波長域λ~λにおいて放射モードと結合し損失となる。この結果、本来使いたいTE1及びTM0はデバイス動作波長域λ~λにおいて透過し、TE0のみを選択的に除去することが可能となる。
波長の大小関係は、以下の式(6)及び(7)で与えられる。
Figure 2022082851000005
このように、この発明のグレーティング素子をモードコンバータと組み合わせて用いるとモードコンバータの性能指数であるTE1/TE0の消光比が底上げされ、デバイス全体として特性の向上が期待される。
なお、偏波無依存光デバイス500は、スポットサイズコンバータや導波路型変調器など、基本モードで動作することが前提となる他のデバイスと集積されることが想定される
。このため、偏波無依存デバイス500を通過後は、TE1及びTM0を、再びTE0及びTM0にそれぞれ再変換する必要がある。従って、入力側のグレーティング素子100とモードコンバータ300の一連の構造が、出力側にも入力に対向するかたちで設置されるのがよい。
本発明では、光導波路を伝送するモードのうち最も大きな等価屈折率を有するモードのみを選択的に除去することで、後段に接続される光デバイスの特性を向上させることが可能となる。
(発明を実施するための形態例)
このグレーティング素子を設計するための要素として、光導波路の寸法と屈折率変調周期、そして伝送モードのうちどのモードが選択的に除去されるかを検討する必要がある。
ここでは一例として、グレーティング素子100はTE0、TE1及びTM0が伝送可能であるとする。これらの伝送モードのうち、最も高い等価屈折率を有するのはTE0であるため、TE0のみを選択的に除去する設計について説明する。また、本グレーティング素子と組み合わせて使用する偏波無依存光デバイス500の動作波長域λ~λとして通信波長域であるCバンド帯をカバーできるよう1,500~1,600nm(λ=1,500nm、λ=1,600nm)を想定した。
このグレーティング素子は、屈折率変調構造を構成する第1部分及び第2部分が光の伝送中心軸に沿って変調周期の半分非対称になっているため、伝送モード間での結合はTE0とTE1の間の結合のみに限られる。TE0とTE1の間の結合波長λTE0TE1及びTE0から放射モードへの結合波長λTE0radが上記式(6)を満たすように設定し、残りの伝送モードであるTE1から放射モードへの結合波長λTE1rad及びTM0から放射モードへの結合波長λTM0radが上記式(7)を満たすように設定する。
これらの波長λTE0TE1、λTE0rad、λTE1rad及びλTM0radのうち最も長波長にあるのはλTE0TE1であるので、これを最初に決める。ここではλTE0TE1がλから十分離れて長波になるように考慮し、λTE0TE1=1,730nmとした。
図4は横軸にパラメータとしてのグレーティング導波路幅Wを取って示し、左縦軸に上記式(1)からΛTE0TE1=λTE0TE1/(NTE0+NTE1)を用いて求めた屈折率変調周期Λを取って示している。また、図4は右縦軸に、上記式(3)~(5)を用いて求めた、結合波長(ブラッグ波長)を取って示している。
図4に示されるように、導波路幅Wが大きくなるにつれて、屈折率変調周期Λが小さくなる。これは、周期Λが結合モードの等価屈折率Neffの和に反比例し、等価屈折率は導波路幅Wに従って大きくなるためである。
また、最も等価屈折率の大きなTE0が最長波長で放射モードと結合し、TE1とTM0はそれよりも短波側で放射モードと結合し始めることが分かる。ここでは偏波無依存光デバイス500の動作波長域を1,500~1,600nm(λ=1,500nm、λ=1,600nm)としている。このため、この1,500~1,600nmに結合波長が無ければデバイスとして利用可能であることを意味する。そのため、導波路幅Wを800nmとした。このときの屈折率変調周期ΛTE0TE1は、393nmであり、これに対応する結合波長は、λTE0rad=1,610nm、λTE1rad=1,470nm、及び、λTM0rad=1,410nmとなり、全て上記式(6)、(7)を満足する。
次に上記のように設計したグレーティング素子の透過スペクトルの特性をFinite
Differential Time Domai(FDTD)法を用いた伝送シミュレーションにより確認した。なお屈折率変調周期の繰り返し数Nは計算に必要なメモリを低減するためN=200と制限しており、素子長はN×Λ=80μm弱となる。
図5は、FDTD法を用いた伝送シミュレーションの結果を示す図である。図5では、横軸に波長(nm)を取って示し、縦軸に、グレーティング素子の透過率(dB)を取って示している。図5では、TE0、TE1及びTM0を、それぞれ、曲線I、II及びIIIで表している。
図5に示されるように、TE0では、透過損失が生じるのに対し、TE1及びTM0はほぼ損失無で透過している様子が確認できる。すなわち、TE0成分のみを選択的に除去する動作が得られた。より大きくTE0を除去したければ繰り返し数Nを増やせばよい。
10 支持基板
20 クラッド
30 光導波路コア
100 グレーティング素子
110 第1部分
120 第2部分
300 モードコンバータ
500 偏波無依存光デバイス

Claims (3)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成されるクラッドと、
    前記クラッド中に埋設され、前記支持基板の上面に平行に設けられる、光導波路コアとを備え、
    前記光導波路コアと、該光導波路コアの周囲の前記クラッドから光導波路を構成する
    光導波路素子であって、
    光の伝搬方向である光の伝送軸に沿って、第1部分及び第2部分を周期的に繰り返し備え、
    前記第1部分と前記第2部分の前記伝送軸に沿った長さが互いに等しく、
    前記第1部分と前記第2部分の前記伝送軸に直交する方向の幅が互いに等しく、かつ、TE偏波及びTM偏波の少なくとも一方の偏波に対してマルチモードの伝送が可能な幅であり、
    前記第1部分の光の伝搬方向である中心軸が、前記伝送軸に対して、+Δx/2だけずれて配置され、
    前記第2部分の光の伝搬方向である中心軸が、前記伝送軸に対して、-Δx/2だけずれて配置されている
    グレーティング領域を有することを特徴とするグレーティング素子。
  2. 前記グレーティング領域において、
    基本モードのTE偏波と1次モードのTE偏波の間の結合波長をλTE0TE1、基本モードのTE偏波の放射モードへの結合波長をλTE0rad、1次モードのTE偏波の放射モードへの結合波長をλTE1rad、基本モードのTM偏波の放射モードへの結合波長をλTM0radとし、使用波長域をλ~λ(λ<λ)としたとき、
    λ<λTE0TE1
    λ<λTE0rad
    λ>λTE1rad
    λ>λTM0rad
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のグレーティング素子。
  3. 請求項1又は2に記載のグレーティング素子と、
    基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波の、少なくとも一方の偏波を、高次モードに変換するモードコンバータと
    を備えることを特徴とする光デバイス。
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OKAYAMA, HIDEAKI ET AL.: "Silicon wire waveguide TE0/TE1 mode conversion Bragg grating with resonant cavity section", OPTICS EXPRESS, vol. 25, no. 14, JPN6021050902, 5 July 2017 (2017-07-05), pages 16672 - 16680, ISSN: 0004667366 *

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