JP6991259B2 - 光導波路素子 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、波長多重光通信技術、光コヒーレント通信技術、又は、光センサに用いることができる、光導波路素子に関する。
近年、光素子として、小型化と量産性に優れることから、シリコン系素材を導波路材料として用いるシリコン(Si)導波路を用いた光導波路素子が注目されている。
Si導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えばシリカ等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば1μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
また、Si導波路では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体装置の製造過程を流用することが可能である。そのため、チップ上に電子機能回路と光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている。
この技術をコヒーレント検波に用いるときに有用な素子が光ハイブリッドである(例えば、特許文献1~3参照)。光ハイブリッドの基本的な構成例を説明する。2本の入力導波路の一方を、第1及び第2の光導波路に2分岐し、他方を第3及び第4の光導波路に2分岐する。第2及び第3の光導波路を交差させ、第4の光導波路を伝播する光に90°の位相回転を施す。そして、第1及び第3の光導波路を2つの方向性結合器のうちの一方の方向性結合器に入力し、第2及び第4の光導波路を他方の方向性結合器に入力する。このようにして、光ハイブリッドが構成される。
あるいは、この技術を利用した、波長を分離又は合波する素子で、波長多重光通信を実現することも可能である(例えば、特許文献4~12参照)。
上述の従来の素子で、複数の偏波を用いるには、単一の偏波での動作が行われるものを組み合わせる(例えば、特許文献13又は14参照)、又は、入力光を偏波分離し、2つの偏波を揃える(例えば、非特許文献1参照)技術が、通常用いられる。
特表2012-518202号公報 特許第5287527号公報 特開第5243607号公報 米国特許第4,860,294号明細書 米国特許第5,764,826号明細書 米国特許第5,960,135号明細書 米国特許第7,072,541号明細書 特開平08-163028号公報 特開2003-215515号公報 特開2013-093627号公報 特開2006-278770号公報 特開2006-330104号公報 特開2018-146614号公報 特許第5920467号公報 特開2019-124712号公報 特開2015-59982号公報
Optics Express vol. 20, p.B493, 2012 年12 月10 日、Optics Express vol. 23, p.12840, 2015 年5 月7 日
この発明は、上述の従来の素子についての問題点に鑑みてなされた。この発明の目的は、1つの素子で2偏波に対して同時に動作可能な光導波路素子を提供することにある。
上述した目的を達成するためにこの発明の光導波路素子は、支持基板と、支持基板上に形成されるクラッドと、クラッド中に埋設され、支持基板の上面に平行に設けられる、光導波路コアとを備えて構成される。
光導波路コアは、空間光の直交する2つの偏光成分の一方を、p(pは0以上の整数)次モードの所定偏波に変換し、他方を、q(qはpとは異なる、0以上の整数)次モードの所定偏波にそれぞれ変換して、当該光導波路コアに導入するカップリング部と、p次モード及びq次モードの所定偏波が伝搬する伝搬部とを備える。
この発明の光導波路素子の好適な実施形態によれば、カップリング部は、空間光の直交する2つの偏光成分の一方を、0次モードのTE偏波に変換し、他方を、0次モードのTE偏波に変換して、当該カップリング部に導入する、二次元グレーティングカプラと、空間光の直交する2つの偏光成分の他方から変換された0次モードのTE偏波を、1次モードのTE偏波に変換する移行部とを備えて構成される。
また、この発明の光導波路素子の他の好適な実施形態によれば、カップリング部は、空間光の直交する2つの偏光成分の一方を、0次モードのTE偏波に変換し、他方を、0次モードのTE偏波に変換して、当該カップリング部に導入する、二次元グレーティングカプラと、0次モードのTE偏波の一部を、1次モードのTE偏波に変換する移行部とを備えて構成される。
また、この発明の光導波路素子の他の好適な実施形態によれば、光導波路コアは、第1導波路コアと、第1光導波路コアの周囲に、第1光導波路コアの屈折率よりも低い屈折率を有し、クラッドの屈折率よりも高い屈折率を有する材料で形成されている第2光導波路コアとを有している。
カップリング部において、第1光導波路コアは、第1テーパ部、第2テーパ部を備え、及び、厚みの小さい第1コアと、厚みの大きい第2コアとを備えて構成され、第1テーパ部は、第1コアで構成され、入力面から離れるにつれて幅が大きくなる。
第2テーパ部は、第1コア及び第2コアで構成され、第2コアは入力面から離れるにつれて幅が大きくなる。第2テーパ部の第1コアは、第2コアの両側に設けられていて、第
1テーパ部の第1コアと連続して設けられている。
さらに、入力面に入力された空間光は、第2光導波路コアのTE偏波及びTM偏波の、それぞれ0次モードの伝搬光にカップリングされ、第1テーパ部において、第2光導波路コアを伝搬する0次モードのTM偏波が第1コアにカップリングされ、第2テーパ部において、第2光導波路コアを伝搬する0次モードのTE偏波が第2コアにカップリングされ、かつ、第1コアを伝搬する0次モードのTM偏波が、第2コアを伝搬する1次モードのTE偏波にカップリングされる。
この発明の光導波路素子によれば、1つの素子で2偏波に対して同時に動作可能である。
第1素子を説明するための模式図である。 第2素子を説明するための模式図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
また、平面図において、ハッチングを付しているが、発明の理解を容易にするためのものであり、平面図におけるハッチングは、断面を示すものではない。
この発明の光導波路素子は、支持基板と、支持基板上に形成されるクラッドと、クラッド中に埋設され、支持基板の上面に平行に設けられる、光導波路コアとを備えて構成される。
光導波路コアは、空間光の直交する2つの偏光成分の一方を、p(pは0以上の整数)次モードの所定偏波(TE偏波又はTM偏波)に変換し、他方を、q(qはpとは異なる、0以上の整数)次モードの所定偏波に変換して、当該光導波路コアに導入するカップリング部と、p次モード及びq次モードの所定偏波が伝搬する伝搬部とを備える。
(第1素子)
図1を参照して、この発明の第1実施形態に係る光導波路素子(以下、第1素子)を説明する。図1は、第1素子を説明するため模式図である。図1(A)は、第1素子の概略的端面図である。また、図1(B)は、第1素子の第1構成例の概略的平面図である。また、図1(C)は、第1素子の第2構成例の概略的平面図である。ここで、図1(B)及び(C)では、光導波路コアの平面形状を示し、他の構成要素を省略して示してある。
なお、以下の説明では、各構成要素について、光伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、支持基板の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
第1素子は、支持基板10、クラッド20及び光導波路コア30を備えて構成されている。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に、支持基板10の上面10aを被覆して形成されている。クラッド20は、例えば酸化シリコン(SiO)を材料として形成されている。
光導波路コア30は、支持基板10の上面10aに平行に、クラッド20中に埋設されている。ここで、光導波路コア30を伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、光導波路コア30は、支持基板10から少なくとも1μm以上離間して形成されているのが好ましい。
光導波路コア30は、SiOのクラッド20の屈折率(1.45)よりも高い屈折率(3.5)を有する、例えばシリコン(Si)を材料として形成されている。その結果、光導波路コア30は、光の伝送路として機能し、光導波路コア30に入力された光は、光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
また、光導波路コア30の厚みは、厚さ方向でシングルモード条件を達成できる、厚みで形成されていることが望ましい。光導波路コア30を、Siを材料として形成し、クラッド20を、SiOを材料として形成しているSi導波路では、光導波路コア30は、200~500nmの範囲内の厚みで形成される。例えば、1550nm前後の波長帯域で、第1素子を用いる場合、光導波路コア30の厚みを220nmとすることができる。
この光導波路素子は、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。以下、図1に示す構成例の第1素子の製造方法の一例を説明する。
先ず、支持基板層、SiO層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。
次に、例えばドライエッチングを行い、Si層をパターニングすることによって、光導波路コア30を形成する。
次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、SiO層上に、光導波路コア30を被覆して上部SiO層を形成する。その結果、光導波路コア30が、SiO層と上部SiO層とで構成されるクラッド20によって包含され、第1素子が得られる。
図1(B)を参照して、第1素子の第1構成例を説明する。
第1素子は、カップリング部100及び伝搬部200を備えて構成される。カップリング部100は、空間光導入部50と、移行部80とを備える。
空間光導入部50として、例えば、交差したグレーティングで構成される二次元グレーティングカプラを用いることができる(例えば、特許文献15参照)。二次元グレーティングカプラでは、それぞれの格子に平行な偏光成分の空間光が、光導波路のTE(Transverse Electric)偏波に変換される。
空間光導入部50には、それぞれ、第1及び第2テーパ部61及び62を経て、第1及び第2接続導波路71及び72が接続されている。基本(0次)モードのTE偏波(TE0)は、空間光導入部50に導入された、空間光の偏光成分の方向に従って、一方が第1
テーパ部61を経て第1接続導波路71を伝搬し、他方が第2テーパ部62を経て第2接続導波路72を伝搬する。
第1接続導波路71及び第2接続導波路72には、移行部80が接続されている。移行部80は、互いに離間しかつ並んで配置された、幅縮小テーパ導波路81と多モード導波路82とを備えて構成される。
第1接続導波路71は、移行部80の幅縮小テーパ導波路81に接続されている。また、第2接続導波路72は、幅拡大テーパ導波路83を介して、移行部80の多モード導波路82に接続されている。多モード導波路82は、基本モード及び1次モードのTE偏波(TE0及びTE1)が励起可能な幅で構成される。多モード導波路82は、例えば、幅590nm、厚み200nmとすることができる。幅縮小テーパ導波路81の、基本モードのTE偏波(TE0)の等価屈折率が、多モード導波路82の、1次モードのTE偏波(TE1)の等価屈折率と等しくなる幅を有するように設けられる。幅縮小テーパ導波路81は、例えば、幅が400nmから200nmまで長さ20μmで縮小させ、多モード導波路82からの平均距離が200nmとなるように配置することができる。
このように、構成すると、第1接続導波路71を伝搬する、基本モードのTE偏波(TE0)は、多モード導波路82に、1次モードのTE偏波(TE1)として移行する。
この結果、カップリング部100に導入された、直交する2つの偏光成分の光は、基本モードのTE偏波(TE0)及び1次モードのTE偏波(TE1)に変換される。
カップリング部100の後段には、伝搬部200が接続されている。伝搬部200は、基本モードのTE偏波(TE0)及び1次モードのTE偏波(TE1)が伝搬するように設計され、これらに対して動作する素子が設けられる(例えば、特許文献16参照)。
空間光の直交した二偏光に対して動作する光回路を実現するには、基本モードのTE偏波(TE0)と基本モードのTM(Transverse Magnetic)偏波(TM0)を利用する方法が知られている。しかし、基本モードのTM偏波(TM0)は、深さ方向の広がりが大きいことから、基板のSiに漏れ出す傾向があり、その結果、損失が大きくなりがちである。
これに対し、この第1素子によれば、TE偏波のみを伝搬させ、利用するので、この損失が増大する問題は緩和される。
図1(C)を参照して、第1素子の第2構成例を説明する。第2構成例は、カップリング部101が備える移行部84の構成が第1構成例と異なっている。第2構成例は、移行部84を多モード導波路85で構成している。それ以外の構成は、第1構成例と同様なので、重複する説明を省略する。
この移行部84を構成する多モード導波路85は、基本モード及び1次モードのTE偏波(TE0及びTE1)を励起する。このため、第1接続導波路71及び第2接続導波路72を伝搬する基本モードのTE偏波(TE0)は、多モード導波路85において、基本モードと1次モードのTE偏波(TE0及びTE1)となる。
図1(B)を参照して説明した第1素子の第1構成例では、空間光導入部50に導入された空間光は、空間光導入部50の交差グレーティングの一方に平行な偏光成分が第2テーパ62及び第2接続導波路72を経て移行部80における基本モードのTE偏波(TE0)となり、他方に平行な光成分が第1テーパ61及び第1接続導波路71を経て移行部
80における1次モードのTE偏波(TE1)となる。よって、空間光導入部50に導入される空間光の偏光方向が空間光導入部50の交差グレーティングとそれぞれ平行となる場合に、移行部80において基本モードのTE偏波(TE0)と1次モードのTE偏波(TE1)とが1対1となる。
これに対し、図1(C)を参照して説明した第1素子の第2構成例では、移行部84において励起される基本モード及び1次モードのTE偏波(TE0及びTE1)の比率は、第1テーパ61及び第1接続導波路71を経て移行部84に導入される基本モードのTE偏波(TE0)と第2テーパ62及び第2接続導波路72を経て移行部84に導入される基本モードのTE偏波(TE0)との位相差に依存する。よって、空間光導入部50に導入される空間光の偏光方向と空間光導入部50の交差グレーティングとが45°傾いた場合に、移行部84において基本モードのTE偏波(TE0)と1次モードのTE偏波(TE1)とが1対1となる。第1素子の第2構成例は、第1構成例に比べて移行部84の構成が単純であり設計がしやすい。また、動作波長範囲も広い。
(第2素子)
図2を参照して、この発明の第2実施形態に係る光導波路素子(以下、第2素子)を説明する。図2は、第2素子を説明するための模式図である。図2(A)は、第2素子の概略平面図である。また、図2(B)は、図2(A)に示す第2素子をI-I線で切り取った概略的端面図である。ここで、図2(A)では、光導波路コアの平面形状を示し、他の構成要素を省略して示してある。また、第1光導波路コアの上部に位置する第2光導波路コアの部分を省略して示している。なお、図2(A)は、平面図であるが、各構成要素の視認を容易にするために、ハッチングを付している。
第2素子は、支持基板10、クラッド20、第1光導波路コア31及び第2光導波路コア35を備えて構成されている。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に、支持基板10の上面10aを被覆して形成されている。クラッド20は、例えば酸化シリコン(SiO)を材料として形成されている。
第1光導波路コア31は、支持基板10の上面10aに平行に、クラッド20中に埋設されている。ここで、第1光導波路コア31を伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、第1光導波路コア31は、支持基板10から少なくとも1μm以上離間して形成されているのが好ましい。
第1光導波路コア31は、SiOのクラッド20の屈折率(1.45)よりも高い屈折率(3.5)を有する、例えばシリコン(Si)を材料として形成されている。その結果、第1光導波路コア31は、光の伝送路として機能し、第1光導波路コア31に入力された光は、第1光導波路コア31の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
第2光導波路コア35は、第1光導波路コア31の周囲に、クラッド20中に埋設されて設けられている。第2光導波路コア35は、第1光導波路コア31の屈折率よりも低い屈折率を有し、クラッド20の屈折率よりも高い屈折率を有する材料で形成されている。第2光導波路コア35の材料として、例えば、SiO(xは0より大きく2より小さい実数)又はSiONなどを用いることができる。
第2素子は、カップリング部102及び伝搬部200を備えて構成される。
カップリング部102において、第1光導波路コア31は、第1テーパ部51、第2テーパ部52を備えて構成される。また、カップリング部102において、第1光導波路コア31は、厚みの小さい第1コア32と、厚みの大きい第2コア33とを有している。
第1テーパ部51は、第1コア32で構成され、第2素子の1つの端面(入力面)5aから離れるにつれて幅が大きくなる。また、第2テーパ部52は、第1コア32及び第2コア33で構成され、第2コア33は入力面5aから離れるにつれて幅が大きくなる。第2テーパ部52の第1コア32は、第2コア33の両側に設けられていて、第1テーパ部51の第1コア32と連続して設けられる。
第2素子の入力面5aに入力された空間光は、第2光導波路コア35のTE偏波及びTM偏波の伝搬光としてカップリングされる。このうち、基本モードのTM偏波(TM0)は、第1テーパ部51の第1コア32にカップリングされる。第1コア32の導波路厚の薄さにより、TM偏波の等価屈折率と容易に整合する。TM偏波の等価屈折率は、導波路幅を縮小しても低下しにくいが、厚みを薄くすることで容易に低下させることができる。
第2光導波路コア35を伝搬する基本モードのTE偏波(TE0)は、第2テーパ部52の第2コア33にカップリングされる。第2光導波路コア35中のTE偏波は、第2コア33の幅が狭い部分で、このTE偏波の等価屈折率と一致して、第2コア33に基本モードのTE偏波(TE0)が移行していく。
第2テーパ部52において、第1コア32及び第2コア33の幅が拡大していくと、特定の幅で第1コア32を伝搬する基本モードのTM偏波(TM0)と、第2コア33を伝搬する1次モードのTE偏波(TE1)の等価屈折率が一致する。また、第2コア33の両側に、第2コア33よりも薄い第1コア32が突出して設けられる形状により、すなわち導波路の厚さ方向が非対称になっていることにより、基本モードのTM偏波(TM0)と1次モードのTE偏波(TE1)の連成波が発生するので、第2テーパ部52において、基本モードのTM偏波(TM0)が、1次モードのTE偏波(TE1)に伝搬方向で移行していく。
第2コア33の後段側は、幅が一定の部分33bとして構成される。この幅が一定の部分33bの両側にも、第1コア32が設けられているが、第1コア32は、素子の入力面5aから離れるにつれて幅が小さくなり、やがて存在しなくなる。
第2テーパ部52において、基本モードのTM偏波と1次モードのTE偏波が変換される寸法として、波長が100nm近辺では、第2コア33の導波路厚を200nm、第1コア32の導波路厚を130nm、第2コア33から突出している第1コア32の幅を100nmとしたとき、第2コア33の幅を500~540nmにすることができる。
なお、第1テーパ部51の第1コア32、第2テーパ部52の第2コア33の入力面5a側の幅(先端幅)は狭いほど良いが、作製限界では100nm程度である。テーパの長さは、伝搬時に断熱的に徐々にモード形状が変わっていく条件が必要で、100μm以上であれば良い。
カップリング部102の後段には、伝搬部200が接続されている。伝搬部200は、第1素子と同様に、基本モードのTE偏波(TE0)及び1次モードのTE偏波(TE1)が伝搬する、多モード導波路となるように設計され、これらに対して動作する素子が設けられる。
伝搬部200は、第2コア33と同じ厚みで構成される、多モード導波路である。この
伝搬部200を構成する多モード導波路は、基本モード及び1次モードのTE偏波を励起する。
第2テーパ部52の第2コア33の、伝搬部200と接続される面における幅と、伝搬部200の、第2テーパ部52と接続される面における幅とは等しく設けられている。
10 支持基板
20 クラッド
30 光導波路コア
31 第1光導波路コア
32 第1コア
33 第2コア
35 第2光導波路コア
50 空間光導入部
51、61 第1テーパ部
52、62 第2テーパ部
71 第1接続導波路
72 第2接続導波路
80、84 移行部
81 幅縮小テーパ導波路
82、85 多モード導波路
83 幅拡大テーパ導波路
100、101、102 カップリング部
200 伝搬部

Claims (1)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に形成されるクラッドと、
    前記クラッド中に埋設され、前記支持基板の上面に平行に設けられる、光導波路コアとを備え、
    前記光導波路コアは、
    空間光の直交する2つの偏光成分の一方を、0次モードのTE偏波として、他方を、0次モードのTE偏波として、当該光導波路コアに導入する、二次元グレーティングカプラ、及び、
    0次モードのTE偏波の一部を、1次モードのTE偏波に変換する移行部
    を有するカップリング部と、
    0次モード及び1次モードのTE偏波が伝搬する伝搬部と
    を備え、
    前記伝搬部には、0次モード及び1次モードのTE偏波に対して動作する素子が設けられる
    ことを特徴とする光導波路素子。
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