JP2002228862A - 平面光導波路型マッハツェンダー回路および該平面光導波路型マッハツェンダー回路を用いた平面光導波回路ならびに光合分波器 - Google Patents
平面光導波路型マッハツェンダー回路および該平面光導波路型マッハツェンダー回路を用いた平面光導波回路ならびに光合分波器Info
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Abstract
失および偏波依存性損失の増加を抑制可能な平面光導波
路型マッハツェンダー回路を提供する。 【解決手段】 第1の光導波路3と第2の光導波路4と
を並設し、第1の光導波路3と第2の光導波路4を近接
させて第1の方向性結合部1と第2の方向性結合部2を
形成し、第1の方向性結合部1と第2の方向性結合部2
は互いに光導波路長手方向に間隔を介す。第1の方向性
結合部1と第2の方向性結合部2に挟まれた第1の光導
波路3と第2の光導波路4の長さを互いに異なる長さに
形成する。少なくとも第1の方向性結合部1と第2の方
向性結合部2に挟まれた第1の光導波路3と第2の光導
波路4の長手方向に沿った側部両側近傍に、第1の光導
波路3および第2の光導波路4と一定間隔を介して、伝
搬光と殆ど光結合を生じない非結合コア部5を設ける。
Description
れる平面光導波路型マッハツェンダー回路および平面光
導波路型マッハツェンダー回路を用いた平面光導波回路
ならびに光合分波器に関するものである。
ッハツェンダー回路が広く用いられている。図10に示
すように、平面光導波路型マッハツェンダー回路10
は、基板上に同図に示す導波路構成を有する導波路形成
領域を形成したものである。なお、説明を分かりやすく
するために、同図においては、導波路構成をハッチング
により示している。
該第1の光導波路3と並設された第2の光導波路4とを
有し、第1の光導波路3と第2の光導波路4を近接させ
て成る第1の方向性結合部1と、該第1の方向性結合部
1と光導波路長手方向に間隔を介した位置において前記
第1の光導波路3と前記第2の光導波路4を近接させて
成る第2の方向性結合部2とを有し、該第2の方向性結
合部2と前記第1の方向性結合部1に挟まれた第1の光
導波路3と第2の光導波路4から成る位相シフタを有し
ている。
ー回路10において、位相シフタは、2つの方向性結合
部1,2に挟まれた第1の光導波路3と第2の光導波路
4の長さを互いに異なる長さとして形成している。
ッハツェンダー回路10は、2つの方向性結合部1,2
の結合効率η1、η2と、2つの方向性結合部1,2に
挟まれた第1の光導波路3と第2の光導波路4の長さの
差ΔLの3つのパラメータを適切に設定することによ
り、波長無依存カプラ、光合分波器(光波長合分波
器)、分散等価器等の機能を実現することができる。
路10は、2つの方向性結合部1,2に挟まれた第1の
光導波路3と第2の光導波路4の光路長差をヒーター等
により変化させることにより、光スイッチ、可変光減衰
器等として適用することもできる。なお、2つの方向性
結合部1,2に挟まれた第1の光導波路3と第2の光導
波路4の光路長差は、2つの方向性結合部1,2に挟ま
れた第1の光導波路3と第2の光導波路4の長さの差Δ
Lと前記第1および第2の光導波路3,4の屈折率nと
の積(n・ΔL)である。
において、第1の光導波路3の入射側から入力されて第
2の光導波路4の出射側から出力される光波長、又は、
前記第2の光導波路4の入射側から入力されて前記第1
の光導波路3の出射側から出力される光波長はクロス伝
搬波長と呼ばれる。また、第1の光導波路3の入射側か
ら入力されて該第1の光導波路3の出射側から出力され
る光波長、又は、第2の光導波路4の入射側から入力さ
れて該第2の光導波路4の出射側から出力される光波長
はスルー伝搬波長と呼ばれる。
を光合分波器として適用する場合、以下の設計条件で平
面光導波路型マッハツェンダー回路を設計することによ
り、図10に示すように、第1の光導波路3の入射側か
ら入射した波長λ1の光と第2の光導波路4の入射側か
ら入射した波長λ2の光を合波して、第2の光導波路4
の出射側から出射することができる。
2に挟まれた第1の光導波路3と第2の光導波路4の光
路長差(ΔL・n)を、クロス伝搬波長に整数N(Nは
1以上)を掛けた値とし、かつ、スルー伝搬波長に(M
+0.5)を掛けた値(Mは0以上の整数)にすること
である。
ッハツェンダー回路10を設計すると、例えば前記長さ
の差ΔLを51.2μmとし、第1と第2の方向性結合
部1,2の結合効率を50%に設定することにより、第
1の光導波路3の入射端から入射する波長λ1(λ1=
1480nm)の光と、第2の光導波路4の入射端から
入射する波長λ2(λ2=1495nm)の光を低損失
で合分波する平面光導波路型マッハツェンダー回路10
を形成できる。
な平面光導波路型マッハツェンダー回路においては、波
長合分波特性が安定していることが望まれている。しか
しながら、平面光導波回路に平面光導波路型マッハツェ
ンダー回路10を形成する場合、その他の回路構成も基
板上に形成されることがあり、平面光導波路型マッハツ
ェンダー回路10に隣接する回路の導波路と平面光導波
路型マッハツェンダー回路10との距離による相互の影
響が懸念される。
べるために、以下の検討を行なった。すなわち、図11
に示すように、互いに間隔を介して5つの平面光導波路
型マッハツェンダー回路10(10a,10b,10
c,10d,10e)を並設し、前記間隔にダミーの直
線導波路9を形成した。なお、同図においても、導波路
構成(第1、第2の光導波路3,4および直線導波路
9)にはハッチングを施している。
型マッハツェンダー回路10の第1の光導波路3のうち
第1と第2の方向性結合部1,2に挟まれた部分とのコ
ア中心間最短距離および、直線導波路9と第2の光導波
路4のうち第1と第2の方向性結合部1,2に挟まれた
部分とのコア中心最短間距離を様々に変えて平面光導波
路型マッハツェンダー回路10(10a,10b,10
c,10d,10e)に対する直線導波路9の影響を検
討した。
マッハツェンダー回路10aの第1の光導波路3および
第2の光導波路4のうち第1と第2の方向性結合部1,
2に挟まれた部分と、平面光導波路型マッハツェンダー
回路10aを長手方向に沿って挟む両側の直線導波路9
との間隔(直線導波路9の幅方向(X方向)中心と第1
の光導波路3の幅方向中心との最短距離(コア中心間距
離)および、直線導波路9の幅方向中心と第2の光導波
路4の幅方向中心との最短距離)は共に60μmとし
た。
路10bの第1の光導波路3および第2の光導波路4の
うち第1と第2の方向性結合部1,2に挟まれた部分
と、平面光導波路型マッハツェンダー回路10bを長手
方向に沿って挟む両側の直線導波路9との間隔は共に8
0μmとし、同様に、それぞれの平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路10c,10d,10eと直線導波路9
との間隔(コア中心間距離)は、125μm、250μ
m、500μmずつとした。
る直径4インチのウェハー上に8個配設した。
して行なった。すなわち、まず、図12の(a)に示す
ように、シリコン基板11上に火炎加水分解堆積法を用
いて石英系ガラスから成る下部クラッド膜12と、石英
系ガラスにTiO2をドープしたコア膜13を成膜し、
焼結透明化した。なお、図中40は、バーナを示してい
る。そして、コア膜13と下部クラッド膜12の材質を
上記のようにすることにより、コア膜13の屈折率を下
部クラッド膜12より屈折率を高め、比屈折率差Δを約
0.4%とした。
ォトマスクを用い、フォトリソグラフィー法とドライエ
ッチング法により、上記回路構成のコア13aを形成
し、断面が例えば図12の(b)に示す状態となるよう
にする。そして、同図の(c)に示すように、コア13
aを覆う石英径ガラスの上部クラッド膜14を火炎堆積
加水分解法により成膜し、コア構成をクラッド中に埋め
込み、焼結、透明化して同図の(d)に示す状態にし
た。
路構成において、第1の光導波路3の入射側から広帯域
光源の光を入射したときの、第2の光導波路4の出射側
から出射された光のスペクトル例を示す。なお、図13
において、特性線aはTEモードの光による測定結果、
特性線bはTMモードの光による測定結果をそれぞれ示
している。同図に示すように、上記スペクトルは、波長
1480nm付近に最小損失ピークを持つスペクトルと
なった。以下、この最小損失ピークの波長をピーク波長
と呼ぶ。
の32チップについて行ない、前記直線導波路9との間
隔に応じて、各平面光導波路型マッハツェンダー回路1
0の1480nm付近におけるTEモードのピーク波長
がどのようにばらつくかを検討した。その結果が図14
に示されている。なお、同図において、×は各チップの
TEモードのピーク波長をそれぞれ示し、○は32チッ
プのTEモードのピーク波長の平均ピーク波長を示して
いる。
マッハツェンダー回路10と隣接導波路(ここでは直線
導波路9)との間隔が小さくなるにつれて、平均ピーク
波長が長波長側にシフトしている。また、平面光導波路
型マッハツェンダー回路10と直線導波路9との間隔が
小さくなるにつれて、ピーク波長のばらつきが大きくな
る傾向が見られる。
路10の第1の光導波路3および第2の光導波路4と直
線導波路9との間隔が60μm〜500μmの範囲内で
変化した場合のピーク波長変化量は約2.1nmとなっ
た。
路10の第1の光導波路3および第2の光導波路と直線
導波路9との間隔が一定の場合でも、ピーク波長は、例
えば上記間隔が60μmのときには±3nm程度ばらつ
くため、両者を合わせると、最大で5nm程度の波長ば
らつきが生じることになる。
13のスペクトルから明らかなように、波長ずれがない
場合と比較して約1.2dBもの挿入損失の増加が生じ
ることになる。
回路10を用いた光合分波器の中心波長付近のスペクト
ルは、同図から明らかなように、ピーク波長から遠ざか
るにしたがって偏波依存性損失(TEモードとTMモー
ドにおける損失差の絶対値)が大きくなるため、波長ず
れが5nm生じた場合、波長ずれがない場合と比較し
て、偏波依存性損失が0.1dB増加してしまうことに
なる。
路を2つ以上接続して光波長合分波器として機能する平
面光導波回路を構成した場合、各平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路における波長ずれの傾向が重なった場合
は更なる損失増加を生じるため、非常に問題であった。
成されたものであり、その目的は、隣接する導波路の影
響によるピーク波長のばらつきや、挿入損失増加、偏波
依存性損失増加等が生じることを抑制できる平面光導波
路型マッハツェンダー回路および該平面光導波路型マッ
ハツェンダー回路を用いた平面光導波回路ならびに光合
分波器を提供することにある。
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、第1の発明の平面光導
波路型マッハツェンダー回路は、第1の光導波路と、該
第1の光導波路と並設された第2の光導波路とを有し、
前記第1の光導波路と前記第2の光導波路を近接させて
成る第1の方向性結合部と、該第1の方向性結合部と光
導波路長手方向に間隔を介した位置において前記第1の
光導波路と前記第2の光導波路を近接させて成る第2の
方向性結合部とを有し、該第2の方向性結合部と前記第
1の方向性結合部に挟まれた第1の光導波路と第2の光
導波路から成る位相シフタを有し、少なくとも前記第1
の方向性結合部と前記第2の方向性結合部に挟まれた第
1の光導波路と第2の光導波路の長手方向に沿った側部
近傍の少なくとも一部には、第1の光導波路および第2
の光導波路と間隔を介して、伝搬光と殆ど光結合を生じ
ない非結合コア部が設けられている構成をもって課題を
解決する手段としている。
ツェンダー回路は、上記第1の発明の構成に加え、前記
非結合コア部は第1の光導波路および第2の光導波路と
一定間隔を介して形成されている構成をもって課題を解
決する手段としている。
ハツェンダー回路は、上記第1又は第2の発明の構成に
加え、前記非結合コア部と第1および第2の光導波路と
の間隔を5μm以上40μm以下とした構成をもって課
題を解決する手段としている。
ハツェンダー回路は、上記第1又は第2又は第3の発明
の構成に加え、前記第1の光導波路の入射側から入力さ
れて第2の光導波路の出射側から出力される光波長又は
前記第2の光導波路の入射側から入力されて前記第1の
光導波路の出射側から出力される光波長をクロス伝搬波
長とし、前記第1の光導波路の入射側から入力されて該
第1の光導波路の出射側から出力される光波長又は前記
第2の光導波路の入射側から入力されて該第2の光導波
路の出射側から出力される光波長をスルー伝搬波長とし
たときに、第1の方向性結合部と第2の方向性結合部に
挟まれた第1の光導波路と第2の光導波路の長さの差Δ
Lと前記第1および第2の光導波路の屈折率nとの積
(n・ΔL)を、クロス伝搬波長に整数N(Nは1以
上)を掛けた値とし、かつ、スルー伝搬波長に(M+
0.5)を掛けた値(Mは0以上の整数)とした構成を
もって課題を解決する手段としている。
平面光導波路型マッハツェンダー回路を複数有し、これ
ら複数の平面光導波路型マッハツェンダー回路のうち少
なくとも1つを上記第1乃至第4のいずれか一つの発明
の平面光導波路型マッハツェンダー回路とした構成をも
って課題を解決する手段としている。
第1乃至第4のいずれか一つの発明の平面光導波路型マ
ッハツェンダー回路または上記第5の発明の平面光導波
回路を少なくとも1つ有している構成をもって課題を解
決する手段としている。
ダー回路のピーク波長は、2つの方向性結合部に挟まれ
た第1の光導波路と第2の光導波路の光路長差(n・Δ
L)により決定されるので、本発明者は、この値のばら
つきを抑制することによりピーク波長のばらつきを抑制
できると考えた。
光導波路の回路構成を形成するエッチング時のローディ
ング効果(被エッチング面積の変化によりエッチング量
が変化する現象)等による光導波路幅のばらつき、上部
クラッド形成時の上部クラッドガラス堆積ばらつき及び
コアにかかる応力ばらつき等の製造時ばらつきにより引
き起こされていると考えられる。
路においては、例えば図10に示したように、その長手
方向中央部において、第1の光導波路3と第2の光導波
路4とが離れており、この間隔全域に上部クラッド膜1
4が形成される。
波路型マッハツェンダー回路10の長手方向に沿って平
面光導波路型マッハツェンダー回路10の両側部側に隣
接させて直線導波路9を形成すると、平面光導波路型マ
ッハツェンダー回路10の中央部における断面構成は、
例えば図12の(d)に示したようになり、第1の光導
波路3と第2の光導波路4との距離よりもむしろ、第1
の光導波路3と直線導波路9との距離および第2の光導
波路4と直線導波路9との距離が短くなる。
光導波路4とが離れ、第1の光導波路3と直線導波路9
とが近接し、第2の光導波路4と直線導波路9とが近接
すると、例えば上部クラッド膜14のガラス微粒子堆積
時やその後の焼結時に、第1、第2の光導波路3,4の
コア13a加わる応力のバランスが崩れて、第1の方向
性結合部1と第2の方向性結合部2に挟まれた第1の光
導波路3と第2の光導波路4の光路長差が上記製造時ば
らつきの影響を受け易い。
ツェンダー回路は、前記の如く、ピーク波長がばらつ
き、それに伴い、挿入損失や偏波依存性損失の増加が生
じていたと考えられる。
前記第1の方向性結合部と前記第2の方向性結合部に挟
まれた第1の光導波路と第2の光導波路の長手方向に沿
った側部近傍の少なくとも一部には、第1の光導波路お
よび第2の光導波路と間隔を介して、伝搬光と殆ど光結
合を生じない非結合コア部が設けられており、例えば平
面光導波路型マッハツェンダー回路の中央部の断面が図
3に示すようになる。なお、図中、非結合コア部には符
号5を付してある。
ダー回路10の長手方向に沿って平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路10の両側部側に隣接させて直線導波路
9を形成すると、この回路の中央部の断面は、図5に示
すようになる。
ツェンダー回路を適用すると、上記図3、図5のいずれ
においても、第1の光導波路3および第2の光導波路4
と例えば一定間隔を介して、非結合コア部5が形成され
ているので、従来例と異なり、第1の方向性結合部と第
2の方向性結合部に挟まれた第1の光導波路と第2の光
導波路の光路長差が上記製造時ばらつきの影響を受け難
くなり、上記光路長差がほぼ設計通りの一定の値とな
る。
ハツェンダー回路は、ピーク波長のばらつきや、それに
伴う挿入損失および偏波依存性損失の増加を抑制するこ
とが可能となり、また、本発明の平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路を用いた平面光導波回路ならびに光合分
波器は、挿入損失や偏波依存性損失が小さく、設計通り
の波長合分波機能を発揮することができる。
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1には、本発明に係る平面光導波
路型マッハツェンダー回路の第1および第2実施形態例
が平面図により模式的に示されている。
型マッハツェンダー回路10は従来例とほぼ同様に構成
されており、本実施形態例が従来例と異なる特徴的なこ
とは、少なくとも第1の方向性結合部1と第2の方向性
結合部2に挟まれた第1の光導波路3と第2の光導波路
4の長手方向に沿った側部両側近傍に、第1の光導波路
3および第2の光導波路4と間隔を介して、伝搬光と殆
ど光結合を生じない非結合コア部5が設けられているこ
とである。
4、図8、図9において、非結合コア部5は第1、第2
の光導波路3,4と逆向きのハッチングにより示してい
る。
は、E1=E2=300μmであり、非結合コア部5
は、第1の方向性結合部1の出射端よりも300μm光
入射側寄りの位置から第2の方向性結合部2の入射端よ
りも300μm光出射側寄りの位置までの範囲におい
て、第1の光導波路3と第2の光導波路4の長手方向に
沿った側部両側近傍に設けられている。なお、ここで
は、第1、第2の方向性結合部1,2の入射端、出射端
とは、第1、第2の光導波路3,4の間の光結合が生じ
ている範囲の両端を示している。
および第2の光導波路4と一定間隔d(図2参照)を介
して形成されており、非結合コア部5と第1および第2
の光導波路3,4との間隔dを、第1実施形態例におい
ては20μmとし、第2実施形態例においては40μm
とした。
ンダー回路10は、第1と第2の2つの方向性結合部
1,2に挟まれた第1の光導波路3と第2の光導波路4
の長さの差ΔLを51.2μmとし、第1と第2の方向
性結合部1,2の結合効率を50%に設定している。そ
して、本実施形態例の平面光導波路型マッハツェンダー
回路10は、第1の光導波路3の入射端から入射する波
長λ1=1480nmの光と、第2の光導波路4の入射
端から入射する光の波長λ2=1495nmの光を合分
波する光合分波器として機能する回路とした。
ッハツェンダー回路10は、図3に示すように、石英系
ガラスから成るクラッド(下部クラッド膜12と上部ク
ラッド膜14)に、第1の光導波路3と第2の光導波路
4を形成するコア13aと非結合コア部5を埋め込み形
成したものであり、コア13aと非結合コア部5は共
に、TiO2をドープした石英系ガラスにより形成され
ている。
を形成するために、フォトマスクを従来用いたフォトマ
スクと異なるものとし、図1の回路構成を有するフォト
マスクとした以外は、従来と同様の製造方法で製造され
ており、比屈折率差Δも従来と同様の約0.4%であ
る。
り、第1の方向性結合部1の出射端よりも300μm光
入射側寄りの位置から第2の方向性結合部2の入射端よ
りも300μm光出射側寄りの位置までの範囲におい
て、第1の光導波路3と第2の光導波路4の長手方向に
沿った側部両側近傍に、伝搬光と殆ど光結合を生じない
非結合コア部5を設けているので、例えば第1の方向性
結合部1と第2の方向性結合部2との間の領域における
断面図が図3に示すようになる。
路型マッハツェンダー回路10において、第1の光導波
路3と第2の光導波路4および直線導波路9を除く全域
に上部クラッドが形成される従来例と異なり、第1の方
向性結合部1と第2の方向性結合部2に挟まれた第1の
光導波路3と第2の光導波路4の光路長差が製造時ばら
つきの影響を受け難く、その値をほぼ設計通りの値に形
成することができる。
型マッハツェンダー回路10は、ピーク波長のばらつき
や、それに伴う挿入損失および偏波依存性損失の増加を
抑制することができる。
導波路型マッハツェンダー回路10において、この回路
10に隣接する導波路上記相互の影響を調べるために、
以下の検討を行なった。
光導波路型マッハツェンダー回路10における検討と同
様に、互いに間隔を介して5つの平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路10(10a,10b,10c,10
d,10e)を並設し、前記間隔にダミーの直線導波路
9を形成した。そして、この直線導波路9とそれぞれの
平面光導波路型マッハツェンダー回路10の第1の光導
波路3のうち第1と第2の方向性結合部1,2に挟まれ
た部分とのコア中心間距離および、直線導波路9と第2
の光導波路4のうち第1と第2の方向性結合部1,2に
挟まれた部分とのコア中心間距離を様々に変えて平面光
導波路型マッハツェンダー回路10に対する直線導波路
9の影響を検討した。
ハツェンダー回路10(10a,10b,10c,10
d,10e)の第1の光導波路3とのコア中心間距離お
よび、直線導波路9と第2の光導波路4とのコア中心間
距離も、従来例と同様に、それぞれ、同図に示すよう
に、60μm、80μm、125μm、250μm、5
00μmずつとし、図4に示す回路構成を基板となる直
径4インチのウェハー上に8個配設した。
構成において、第1の光導波路3の入射側から広帯域光
源の光を入射したときの、第2の光導波路4の出射側か
ら出射された光のスペクトル例を示す。なお、図6にお
いて、特性線aはTEモードの光による測定結果、特性
線bはTMモードの光による測定結果をそれぞれ示して
いる。同図から明らかなように、本実施形態例において
も従来例と同様に、ピーク波長は1480nm付近とな
った。
の32チップについて行ない、前記直線導波路9との間
隔に応じて、各平面光導波路型マッハツェンダー回路1
0の1480nm付近におけるTEモードのピーク波長
がどのようにばらつくかを検討した。第1実施形態例に
ついての検討結果が図7の(a)に、第2実施形態例に
ついての検討結果が同図の(b)にそれぞれ示されてい
る。なお、同図において、×は各チップのTEモードの
ピーク波長をそれぞれ示し、○は32チップのTEモー
ドのピーク波長の平均ピーク波長を示している。
マッハツェンダー回路10と直線導波路9との間隔の変
化に伴う平均ピーク波長変化は、第1実施形態例におい
て約1.1nm、第2実施形態例において約1.7nm
となり、いずれも従来例の約2.1nmに比較して良好
な結果が得れられた。また、ピーク波長ばらつきは、直
線導波路9と平面光導波路型マッハツェンダー回路10
との間隔によらず、約±2.0nm程度のばらつきとな
っており、本実施形態例は、従来例に比べてピーク波長
ばらつきを抑制できることが確認できた。
型マッハツェンダー回路10を適用して形成した平面光
導波回路の構成例が示されている。同図に示す平面光導
波回路は、第1段目に平面光導波路型マッハツェンダー
回路10A,10Bを複数(ここでは2つ)並設し、第
2段目に平面光導波路型マッハツェンダー回路10Cを
1つ以上(ここでは1つ)並設するといったように、平
面光導波路型マッハツェンダー回路10を多段に接続し
て形成されている。
の平面光導波路型マッハツェンダー回路10Aの出力と
平面光導波路型マッハツェンダー回路10Bの光出力を
第2段目の平面光導波路型マッハツェンダー回路10C
により合波するという如く、平面光導波路型マッハツェ
ンダー回路10A,10B,10Cを複数段(ここでは
2段)に接続し、前段の対の平面光導波路型マッハツェ
ンダー回路10の光出力を後段の平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路10で合波する構成としている。
ように、平面光導波路型マッハツェンダー回路10Aの
第1の光導波路3の入射側から入射される波長λ1の光
と第2の光導波路4の入射側から入射される波長λ2の
光を合波して第2の光導波路4の出射側から出射する。
また、同様に、平面光導波路型マッハツェンダー回路1
0Bの第1の光導波路3の入射側から入射される波長λ
3の光と第2の光導波路4の入射側から入射される波長
λ4の光を合波して第1の光導波路3の出射側から出射
する。
回路10Aの第2の光導波路4から出射された波長λ1
と波長λ2の光と、平面光導波路型マッハツェンダー回
路10Bの第2の光導波路4から出射された波長λ3と
波長λ4の光が、平面光導波路型マッハツェンダー回路
10Cで合波されて、その第2の光導波路4の出射側か
ら出射される。
路型マッハツェンダー回路を複数有する平面光導波回路
において、少なくとも1つ(ここでは3つ)の平面光導
波路型マッハツェンダー回路10A,10B,10Cを
上記実施形態例の平面光導波路型マッハツェンダー回路
10により形成したものであるから、平面光導波回路全
体の挿入損失や偏波依存性損失を抑制することができる
し、合分波する波長特性を良好にすることができる。
とも1つ有する光合分波器は、従来の平面光導波路型マ
ッハツェンダー回路のみから成る光合分波器に比べ、合
分波器する波長特性が良好で、挿入損失や偏波依存性損
失が小さい優れた光合分波器とすることができる。
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上
記各実施形態例の平面光導波路型マッハツェンダー回路
10では、図1のE1、E2で示した距離を、E1=E
2=300μmとしたが、E1、E2の大きさは特に限
定されるものではなく、0以上の適宜の値に設定される
ものである。
ツェンダー回路は、少なくとも前記第1の方向性結合部
1と第2の方向性結合部2に挟まれた第1の光導波路3
と第2の光導波路4の長手方向に沿った側部近傍の少な
くとも一部に、第1の光導波路3および第2の光導波路
4と間隔を介して、伝搬光と殆ど光結合を生じない非結
合コア部5を設けて構成すればよい。
部5は第1の光導波路3および第2の光導波路4と一定
間隔を介して形成され、非結合コア部5と第1および第
2の光導波路3,4との間隔が、第1実施形態例におい
ては20μm、第2実施形態例においては40μmに形
成されていたが、この間隔dは特に限定されるものでな
く、例えば3μm〜300μm(好ましくは5μm以上
40μm以下)の範囲内で適宜設定されるものである。
の光導波路3,4との間隔は一定であることが好ましい
が、必ずしも一定でなくてもよい。
1の方向性結合部1と第2の方向性結合部2に挟まれた
第1の光導波路3と第2の光導波路4の長手方向に沿っ
た側部近傍に設けられていればよいので、非結合コア部
5の形態は、例えば図9に示すような形態としてもよ
い。
示したようなモノリシックな形態である必要はなく、ス
トライプ状、島状のように分割された形態としてもよい
し、メッシュ状のような内部に隙間を有する形態として
もよい。
性結合部1と第2の方向性結合部2に挟まれた第1の光
導波路3と第2の光導波路4を異なる長さにすることで
位相シフタを構成したが、第1の光導波路3と第2の光
導波路4を異なる幅や異なる屈折率に形成することによ
り位相シフタとすることも可能である。
3と第2の光導波路4の間の位相差をゼロとしておき、
ヒータ等の温度変化手段や揚力付与手段により導波路膜
の屈折率を変化させることによって第1の光導波路3と
第2の光導波路4の間に位相差を付与して位相シフタと
することも可能である。
3およびクラッド膜12,14を火炎加水分解堆積法を
適用して形成したが、例えば真空蒸着法、プラズマCV
D(プラズマ化学蒸着)法、ゾルゲル法、スパッタ法等
の様々な方法を適用して形成し、平面光導波路型マッハ
ツェンダー回路10を形成することができる。
波路型マッハツェンダー回路10を光合分波器に適用す
る例を述べたが、平面光導波路型マッハツェンダー回路
10の適用例は特に限定されるものではなく適宜設定さ
れるものである。すなわち、上記各実施形態例で示した
ような本発明の平面光導波路型マッハツェンダー回路を
適用して、波長無依存カプラ、光波長合分波器、分散等
価器、光スイッチ、可変光減衰器等の様々な平面光導波
回路や、それらを少なくとも1つ有する光導波回路を複
数個集結した光導波回路を構成し、本発明の平面光導波
回路とすることができる。
ー回路によれば、非結合コア部を設けることによって、
第1の方向性結合部と第2の方向性結合部に挟まれた第
1の光導波路と第2の光導波路の光路長差が製造時ばら
つきの影響を受けることを抑制できるので、上記光路長
をほぼ設計通りの一定の値とすることができ、ピーク波
長のばらつきや、それに伴う挿入損失および偏波依存性
損失の増加を抑制することができる。
ンダー回路において、非結合コア部は第1の光導波路お
よび第2の光導波路と一定間隔を介して形成されている
構成によれば、上記光路長差の製造時ばらつきの影響を
より一層確実に抑制し、上記効果をより一層確実に発揮
することができる。
ェンダー回路において、非結合コア部と第1および第2
の光導波路との間隔を5μm以上40μm以下とした本
発明によれば、上記光路長差の製造時ばらつきの影響を
さらにより一層確実に抑制し、効果をさらにより一層確
実に発揮することができる。
ェンダー回路において、第1の方向性結合部と第2の方
向性結合部に挟まれた第1の光導波路と第2の光導波路
の長さの差ΔLと前記第1および第2の光導波路の屈折
率nとの積(n・ΔL)を、クロス伝搬波長に整数N
(Nは1以上)を掛けた値とし、かつ、スルー伝搬波長
に(M+0.5)を掛けた値(Mは0以上の整数)とし
た構成によれば、クロス伝搬波長とスルー伝搬波長の合
波及び分波を適切に行なえ、かつ、挿入損失の小さい優
れた平面光導波路型マッハツェンダー回路とすることが
できる。
ェンダー回路を用いた平面光導波回路ならびに光合分波
器は、本発明の平面光導波路型マッハツェンダー回路を
適用することにより、挿入損失や偏波依存性損失が小さ
く、例えば波長合分波機能等の機能を設計通り発揮する
ことができる優れた平面光導波回路ならびに光合分波器
とすることができる。
回路の実施形態例を模式的に示す要部構成図である。
実施形態例の回路に与える影響の検討に用いた回路の回
路図である。
ンダー回路10bと、その両側部側の直線導波路9を中
央部で切断したときの断面を示す模式図である。
である。
ダー回路とそれに隣接する直線導波路との間隔によりピ
ーク波長ばらつきに与える影響を示すグラフである。
平面説明図である。
回路の他の実施形態例を模式的に示す平面説明図であ
る。
の構成を示す説明図である。
に隣接する導波路が平面光導波路型マッハツェンダー回
路に与える影響の検討に用いた回路の回路図である。
路の製造方法例を断面図により模式的に示す説明図であ
る。
ラフである。
ダー回路とそれに隣接する直線導波路との間隔によりピ
ーク波長ばらつきに与える影響を示すグラフである。
型マッハツェンダー回路
Claims (6)
- 【請求項1】 第1の光導波路と、該第1の光導波路と
並設された第2の光導波路とを有し、前記第1の光導波
路と前記第2の光導波路を近接させて成る第1の方向性
結合部と、該第1の方向性結合部と光導波路長手方向に
間隔を介した位置において前記第1の光導波路と前記第
2の光導波路を近接させて成る第2の方向性結合部とを
有し、該第2の方向性結合部と前記第1の方向性結合部
に挟まれた第1の光導波路と第2の光導波路から成る位
相シフタを有し、少なくとも前記第1の方向性結合部と
前記第2の方向性結合部に挟まれた第1の光導波路と第
2の光導波路の長手方向に沿った側部近傍の少なくとも
一部には、第1の光導波路および第2の光導波路と間隔
を介して、伝搬光と殆ど光結合を生じない非結合コア部
が設けられていることを特徴とする平面光導波路型マッ
ハツェンダー回路。 - 【請求項2】 非結合コア部は第1の光導波路および第
2の光導波路と一定間隔を介して形成されていることを
特徴とする請求項1記載の平面光導波路型マッハツェン
ダー回路。 - 【請求項3】 非結合コア部と第1および第2の光導波
路との間隔を5μm以上40μm以下としたことを特徴
とする請求項1又は請求項2記載の平面光導波路型マッ
ハツェンダー回路。 - 【請求項4】 第1の光導波路の入射側から入力されて
第2の光導波路の出射側から出力される光波長又は前記
第2の光導波路の入射側から入力されて前記第1の光導
波路の出射側から出力される光波長をクロス伝搬波長と
し、前記第1の光導波路の入射側から入力されて該第1
の光導波路の出射側から出力される光波長又は前記第2
の光導波路の入射側から入力されて該第2の光導波路の
出射側から出力される光波長をスルー伝搬波長としたと
きに、第1の方向性結合部と第2の方向性結合部に挟ま
れた第1の光導波路と第2の光導波路の長さの差ΔLと
前記第1および第2の光導波路の屈折率nとの積(n・
ΔL)を、クロス伝搬波長に整数N(Nは1以上)を掛
けた値とし、かつ、スルー伝搬波長に(M+0.5)を
掛けた値(Mは0以上の整数)としたことを特徴とする
請求項1又は請求項2又は請求項3記載の平面光導波路
型マッハツェンダー回路。 - 【請求項5】 平面光導波路型マッハツェンダー回路を
複数有し、これら複数の平面光導波路型マッハツェンダ
ー回路のうち少なくとも1つを請求項1乃至請求項4の
いずれか一つに記載の平面光導波路型マッハツェンダー
回路としたことを特徴とする平面光導波回路。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか一つの
平面光導波路型マッハツェンダー回路または請求項5記
載の平面光導波回路を少なくとも1つ有していることを
特徴とする光合分波器。
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