JP2022076440A - 媒体搬送装置、及び画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】FCOTを改善することが可能な媒体搬送装置、及び画像読取装置を提供する。【解決手段】媒体搬送装置は、媒体Pが載置される媒体載置部31と、媒体載置部31に載置される媒体Pを搬送方向に給送する給送ローラー43を有し、給送ローラー43が媒体Pに接触する接触姿勢と、媒体Pから離間する離間姿勢とに変位可能な給送ユニット40と、搬送方向において給送ローラー43の下流に設けられる部材であって、媒体Pが搬送方向に移動することを規制する規制姿勢と、媒体Pが搬送方向に移動することを許容する退避姿勢とに切り換え可能な第1規制部材61と、給送ローラー43を回転させるための動力を生成可能な第1モーターと、第1規制部材61の姿勢を切り換えるための動力を生成可能な第2モーターと、を備え、給送ローラー43を回転させる動作と、第1規制部材61を規制姿勢から退避姿勢に切り換える動作とを並行して動作させる。【選択図】図4

Description

本発明は、媒体を搬送する媒体搬送装置、同媒体搬送装置によって搬送される媒体の画像を読み取る画像読取装置に関する。
特許文献1には、シート載置部に載置されるシートの位置決め等を行うためシートが突き当てられる突き当て部材と、シートを送り出す送り出し部材と、を備える画像読取装置が記載されている。突き当て部材は、送り出し部材を回転駆動させる駆動源によって動かされている。
特開2010-70367号公報
特許文献1における媒体搬送の構成では、駆動源が正転することで突き当て部材が搬送経路から退避状態となり、次に駆動源が逆転することで送り出し部材が媒体であるシートを給送する。そのため、シートを給送する際には、突き当て部材を退避させる動作と、送り出し部材を回転させる動作と、を行うために駆動源の正転と逆転とを切り換える時間が必要であり、FCOT(First Copy Output Time)が長くなる場合があった。なお、FCOTは、搬送のジョブを装置に投入してから、最初の媒体が排出されるまでの時間である。
媒体搬送装置は、媒体が載置される媒体載置部と、前記媒体載置部に載置される媒体を搬送方向に給送する給送ローラーを有し、前記給送ローラーが前記媒体載置部に載置された媒体に接触する接触姿勢と、前記給送ローラーが媒体から離間する離間姿勢とに変位可能な給送ユニットと、前記搬送方向において前記給送ローラーの下流に設けられる部材であって、媒体が前記搬送方向に移動することを規制する規制姿勢と、媒体が前記搬送方向に移動することを許容する退避姿勢とに切り換え可能な規制部材と、前記給送ローラーを回転させるための動力を生成可能な第1モーターと、前記規制部材の姿勢を切り換えるための動力を生成可能な第2モーターと、を備え、前記給送ローラーを回転させる動作と、前記規制部材を前記規制姿勢から前記退避姿勢に切り換える動作とを並行して動作させる。
画像読取装置は、上記の媒体搬送装置と、搬送される媒体の画像を読み取り可能な読取部と、を備える。
第1実施形態の画像読取装置を備える複合機を示す斜視図。 同画像読取装置を示す断面図。 同画像読取装置の一部を拡大した断面図。 同画像読取装置の一部を拡大した断面図。 同画像読取装置の規制ユニットを示す斜視図。 同規制ユニットの断面図。 同規制ユニットの断面図。 同規制ユニットの一部を拡大した斜視図。 同画像読取装置の一部を示す断面図。 同画像読取装置の制御系統のブロック図。 同画像読取装置の駆動系統の一部を示す斜視図。 同画像読取装置の駆動系統の一部を示す断面図。 同画像読取装置の第2動力伝達手段を示す断面図。 給送制御における動作タイミングを示すタイミングチャート。 排紙制御における動作タイミングを示すタイミングチャート。 第3実施形態の画像読取装置の一部を拡大した断面図。 第4実施形態にかかる規制ユニットを示す斜視図。 第4実施形態にかかる規制ユニットを示す斜視図。 第4実施形態にかかる規制ユニットを示す斜視図。 回転規制部を示す斜視図。 第1規制部材の規制姿勢を示す側面図。 第2規制部材の規制姿勢を示す側面図。 第1規制部材の退避姿勢を示す側面図。 第2規制部材が退避姿勢に移行する様子を示す側面図。 給送制御における動作タイミングを示すタイミングチャート。 給送制御を示すフローチャート。 媒体載置部に媒体が傾斜して載置された状態を示す概略上面図。 媒体載置部の媒体がスキュー矯正された状態を示す概略上面図。 媒体載置部の媒体が搬送される状態を示す概略上面図。 第5実施形態にかかる規制部材の配置を示す概略上面図。
1.第1実施形態
媒体搬送装置30及び画像読取装置20の第1実施形態に係る構成を説明する。
図1には、本実施形態の画像読取装置20を備える複合機1が図示されている。複合機1は、媒体に画像を形成する画像形成装置10と、画像読取装置20と、画像形成装置10を操作する操作部15と、を備える。
なお、図示及び実施形態で記載されるX,Y,Z座標系は次の通りである。
X方向は複合機1の奥行き方向である。+X方向は複合機1の前面から後面に向かう方向であり、-X方向は複合機1の後面から前面に向かう方向である。なお、画像読取装置20において、X方向は、後述するY方向と交差する方向であり、搬送される媒体の搬送方向と交差する方向である。
Y方向は複合機1の幅方向である。+Y方向は、複合機1の正面に向かって、右側から左側に向かう方向であり、-Y方向は、複合機1の正面に向かって、左側から右側に向かう方向である。なお、Y方向は、画像読取装置20において媒体が搬送される搬送方向に沿う方向である。
Z方向は、複合機1の高さ方向、及び鉛直方向である。+Z方向が鉛直上方向であり、-Z方向が鉛直下方向である。
操作部15は、画像読み取り動作、及び画像形成動作に関する設定画面を表示し、ユーザーからの入力を受け付けるタッチパネル16と、複数のボタン17とを備える。複合機1は、操作部15からの入力を受け付け、画像読取装置20における画像読み取り動作、及び画像形成装置10における画像形成動作を実行する。
画像形成装置10は、画像形成用の媒体が収容される媒体収容部13と、媒体に画像を形成する不図示の画像形成部を有する本体部11と、画像が形成された媒体が載置される媒体排出部14とを備える。
媒体収容部13は、画像形成装置10の下部に複数設けられている。本体部11は、媒体収容部13の上方に設けられている。不図示の画像形成部は、媒体収容部13から搬送される媒体に画像を形成する。画像を形成された媒体は、本体部11の側面に設けられている媒体排出部14に排出される。
次に、画像読取装置20について説明する。
図1に示すように、画像読取装置20は、画像形成装置10の上方に設けられる。画像読取装置20は、図2の破線で一部を示す搬送経路300に沿って、画像読取用の媒体Pを搬送する媒体搬送装置30と、搬送される媒体Pの画像を読み取って画像データを生成する読取装置21とを備える。なお、搬送経路300は、後述する媒体載置部31から排出部36までの経路である。また、以下の説明において、媒体Pの搬送方向において、一部材から見て媒体載置部31側の位置を上流、排出部36側の位置を下流と呼称する。
読取装置21は、搬送経路300に沿って搬送される媒体Pの第1面を読み取る第1読取部22と、媒体Pの第2面を読み取る第2読取部23とを備える。本実施形態の第1読取部22及び第2読取部23は、例えば、CIS(Contact Image Sensor)方式やCCD(Charge Coupled Device)方式等の光学式読取部が用いられる。
第1読取部22は、図2に示すように、媒体Pを載置して媒体Pの第1面を読み取るための原稿台24の下方に設けられ、Y方向に移動可能に構成されている。原稿台24は、一例として、無色透明なガラスで形成されている。
第2読取部23は、搬送経路300において第1読取部22の下流に設けられ、媒体Pの第2面を読み取る。
媒体搬送装置30は、原稿台24に対して開閉可能であり、媒体搬送装置30を開くと原稿台24が露出する。媒体搬送装置30の下面には、原稿台24に載置される媒体Pを上部から押さえる押さえ板25が設けられている。原稿台24に媒体Pを載置し、媒体搬送装置30を閉じて押さえ板25によって媒体Pを押さえた状態で、第1読取部22をY方向に移動させることにより媒体Pの画像を読み取ることができる。
媒体搬送装置30は、搬送前の媒体Pが載置される媒体載置部31を備える。媒体載置部31の載置面31aは、+Y方向に向かって下方に傾斜している。なお、載置面31aには複数の媒体Pを積層状態で載置することができる。
媒体搬送装置30は、載置面31aに載置される複数の媒体Pのうち最上位に位置する媒体Pを搬送経路300に送り出す給送ユニット40と、搬送経路300を挟んで給送ユニット40の反対側に位置する搬送ガイド32とを備えている。
搬送ガイド32は、図2に示すように、+Y方向に向かって上方に傾斜している傾斜面を有しており、給送される媒体Pを搬送方向にガイドする。
媒体搬送装置30は、給送ユニット40よりも搬送方向の下流に配置される複数の搬送ローラー対81、82、83、84を備える。搬送ローラー対81、82、83、84は、搬送ローラーに相当するものであり、駆動ローラー81a、82a、83a、84aと従動ローラー81b、82b、83b、84bとをそれぞれ備える。そして、複数の搬送ローラー対81、82、83、84によって、媒体Pが搬送経路300に沿って搬送方向の下流に搬送される。
媒体搬送装置30は、媒体載置部31の下方に、読取装置21によって画像の読み取りが終わった媒体Pが排出される排出部36を備える。つまり、搬送される媒体Pは、載置面31aから+Y方向に沿う方向に搬送され、湾曲経路320を経由して、-Y方向に排出される。
媒体搬送装置30は、上部ユニット26を備える。上部ユニット26は、媒体搬送装置30の本体に対して開閉可能であり、これを開けることにより搬送経路300の一部を露出させることができる。
給送ユニット40は、上部ユニット26に取り付けられている。給送ユニット40は、搬送経路300における媒体幅方向であるX方向の中央に設けられる給送ユニット本体41を備える。給送ユニット本体41は、X方向に延びるユニット回転軸42を介して回動可能な状態で上部ユニット26に取り付けられる。ユニット回転軸42は、搬送方向における媒体載置部31よりも下流に配置される。給送ユニット本体41は、ユニット回転軸42から-Y方向に伸びている。図3と図4に示すように、給送ユニット本体41は、後述する給送ローラー43が載置面31aに載置される媒体Pに接触可能な接触姿勢と、給送ローラー43が接触姿勢から+Z方向に退避し、媒体Pから離間する離間姿勢との間で変位可能である。
給送ユニット40は、X方向に延びる回転軸43aを中心に回転可能な状態で支持される給送ローラー43を備える。給送ローラー43は、ユニット回転軸42よりも-Y方向に設けられる。給送ローラー43は、給送ユニット本体41が接触姿勢に位置するとき、載置面31aに載置される媒体Pに接触し、回転することで媒体Pを搬送方向に給送する。
給送ユニット40は、搬送方向において給送ローラー43の下流に配置される分離ローラー44を備えることが好ましい。この場合、分離ローラー44は、X方向に延びる回転軸線を中心に回転するとともに、搬送経路300に沿って搬送される媒体Pに接触可能である。すなわち、分離ローラー44は、画像読取装置20に支持されているリタードローラー37とともに媒体Pを挟持可能である。
なお、リタードローラー37は、所定値以上のトルクが入力されると回転するものの、入力されるトルクが所定値未満であるときには回転しない。そのため、複数の媒体Pが重送される場合、分離ローラー44とリタードローラー37とによって、重送を解消させることができる。
本実施形態では、分離ローラー44は、ユニット回転軸42に回転可能な状態で支持される。ただし、分離ローラー44は、搬送方向において給送ローラー43の下流に位置していればよく、ユニット回転軸42に支持されていなくてもよい。
給送ユニット本体41の下面には、搬送経路300に面するように、当接部に相当するユニット区画面41aが設けられる。給送ユニット40に分離ローラー44が設けられる場合、ユニット区画面41aは、搬送方向における給送ローラー43と分離ローラー44との間に配置される。
なお、搬送経路300のうち、給送ユニット40と対向する部分を、上流搬送経路310と呼称する。すなわち、上流搬送経路310は、搬送経路300のうち、給送ユニット40における搬送方向の下流端と媒体載置部31における搬送方向の下流端との間の部分である。
図2乃至図5に示すように、媒体搬送装置30は、媒体載置部31に載置されている媒体Pの搬送方向への給送を規制する規制ユニット50を備える。規制ユニット50は、規制ユニット本体51と、規制用回転軸52と、回転用スプリング53とを有する。規制ユニット本体51は、搬送ガイド32を挟んで上流搬送経路310の反対側に配置されている。規制用回転軸52は、X方向に延びる回転軸であって、規制ユニット本体51に回転可能な状態で支持されている。回転用スプリング53は、端部が規制ユニット本体51と規制用回転軸52とにそれぞれ取り付けられている。
図5に示すように、規制ユニット本体51は、規制用回転軸52と同じX方向に延びる態様で、画像読取装置20に固定される。なお、規制ユニット本体51の延伸方向は、規制用回転軸52の延伸方向と多少ずれていてもよい。規制ユニット本体51は、規制用回転軸52の延伸方向と同じX方向に延びる規制用駆動軸を回転可能な状態で支持する。
図5乃至図7に示すように、規制用駆動軸54は、X方向に延びており、所定の回転方向R1に回転する。規制用駆動軸54の+X方向の第1端は、規制ユニット本体51の外側に位置する。一方で、規制用駆動軸54の-X方向の第2端は、規制ユニット本体51の内側に位置する。そして、規制用駆動軸54の第1端には、駆動ギア54aが取り付けられる。一方、規制用駆動軸54の第2端側の端部には、回転規制部55が取り付けられる。
回転規制部55は、規制用駆動軸54に一体回転可能な状態で接続されている。回転規制部55は、規制用駆動軸54が挿通する筒状の被挿通部56と、被挿通部56の径方向外側の面に取り付けられる突出部57とを備える。
回転用スプリング53は、規制用回転軸52を図6に示す回転方向R2に回転させる方向に付勢する。しかし、回転規制部55の突出部57が図6に示す位置に位置するときには、後述する規制用回転軸52に設けられる被押圧部60に突出部57が接触することにより、規制用回転軸52の回転が規制される。一方、図7に示すように、突出部57が被押圧部60に接触していないときには、回転用スプリング53からの力に起因する規制用回転軸52の回転方向R2への回転が許容される。
被押圧部60は、規制用回転軸52に一体回転可能な状態で接続される板状の部材である。図5に示すように、被押圧部60には、回転用スプリング53を支持する支持部位60aが設けられる。そのため、回転用スプリング53からの力が支持部位60aを介して被押圧部60に入力される。
図6に示すように、突出部57が被押圧部60に接触している場合、被押圧部60及び規制用回転軸52の回転方向R2への回転が規制される。一方、図7に示すように、突出部57が被押圧部60に接触していない場合、回転用スプリング53が被押圧部60を付勢しているため、被押圧部60及び規制用回転軸52は回転方向R2に回転する。
図5に示すように、規制用回転軸52には、規制部材に相当する第1規制部材61が一体回転可能な状態で接続されている。図5に示すように、第1規制部材61は、規制用回転軸52から一方向に延びる板状の部材である。第1規制部材61の長手方向において、規制用回転軸52に接続されている端部が基端61aであり、その反対側の端部が先端61bである。なお、本実施形態では、第1規制部材61は、媒体Pの幅方向の中心を対称としてX方向に2つ設けられているが2つ以上であっても良い。
図3及び図4に示すように、第1規制部材61は、媒体Pの搬送方向において、給送ローラー43の下流側に設けられている。また、図9に示すように、第1規制部材61は、X方向において、給送ユニット本体41のユニット区画面41aに当接可能な位置に配置されている。また、第1規制部材61は、図6に示すように、媒体Pが搬送方向に移動することを規制する規制姿勢となる位置と、図7に示すように、媒体Pが搬送方向に移動することを許容する退避姿勢となる位置との間で回転する。第1規制部材61が規制姿勢である場合、図6に示すように、被押圧部60は、突出部57と接触している。そして、規制用駆動軸54が回転方向R1に回転し、被押圧部60と突出部57との接触が解消されると、規制用回転軸52が回転方向R2に回転する。その結果、第1規制部材61は、規制姿勢となる位置から退避姿勢となる位置に向けて回転する。
図8に示すように、規制ユニット50は、規制用駆動軸54の回転を検知する回転検知手段70を備える。回転検知手段70は、規制ユニット本体51に取り付けられる検知部72と、規制用駆動軸54と一体回転可能に取り付けられる遮光部材71とを備える。検知部72は、発光部72aと、発光部72aから照射された光を受光する受光部72bとを備える。遮光部材71は、規制用駆動軸54と一体回転し、発光部72aと受光部72bとの間を進退する。遮光部材71が発光部72aと受光部72bとの間に位置する場合、遮光部材71は発光部72aから受光部72bに向かう光を遮光する。回転検知手段70は、検知部72の受光状態を検知することにより、遮光部材71の位置を検知でき、また、規制用駆動軸54の回転を検知することができる。
回転検知手段70は、第1規制部材61の姿勢を判定することができる。図6に示すように突出部57が被押圧部60に接触し、第1規制部材61が規制姿勢であるときは、遮光部材71は発光部72aと受光部72bとの間に位置する。一方で、図7及び図8に示すように突出部57が被押圧部60と接触しておらず、第1規制部材61が退避姿勢であるときは、遮光部材71は、発光部72aと受光部72bの間とは異なる位置に位置する。すなわち、回転検知手段70は、遮光部材71の位置を検知することで第1規制部材61の姿勢を判定することができる。
図4に示すように、第1規制部材61が規制姿勢である場合、媒体載置部31に載置される媒体Pの先端が第1規制部材61に接触する。そのため、載置面31aに載置される媒体Pの搬送方向への移動が規制されている。
一方、図3に示すように第1規制部材61が退避姿勢である場合、第1規制部材61は、搬送ガイド32に沿うように倒れている。この場合、載置面31aに載置される媒体Pは、搬送方向への移動が許容されている。
次に第1規制部材61の姿勢と給送ユニット40の姿勢とについて記載する。
図4に示すように、第1規制部材61が規制姿勢である場合、給送ユニット40は離間姿勢となる位置で保持される。第1規制部材61が規制姿勢である場合、ユニット区画面41aに第1規制部材61の先端61bが当接している。そのため、給送ユニット40は離間姿勢となる位置で保持されている。
また、図3に示すように、第1規制部材61が退避姿勢である場合、給送ユニット40は接触姿勢となる。第1規制部材61が退避姿勢である場合、第1規制部材61の先端61bは、ユニット区画面41aに接触していない。そのため、給送ユニット40は、自重により接触姿勢となる位置に移動する。
つまり、第1規制部材61が規制姿勢から退避姿勢に切り換わることで、給送ユニット40は離間姿勢から接触姿勢に変位する。また、第1規制部材61が退避姿勢から規制姿勢に切り換わることで、第1規制部材61がユニット区画面41aに当接し、給送ユニット40を接触姿勢から離間姿勢となる位置に持ち上げる。すなわち、第1規制部材61の姿勢が切り換わることにより給送ユニット40の姿勢が変位する。
なお、本実施形態では、図3に示すように第1規制部材61が退避姿勢である場合であっても、第1規制部材61の先端61bは上流搬送経路310内に位置する。この際、Z方向において、第1規制部材61の先端61bは、給送ユニット40のユニット区画面41aよりも搬送ガイド32の近くに位置するようにすることが好ましい。これにより、第1規制部材61の先端61bとユニット区画面41aとの間に、媒体Pが通過するスペースを確保できる。
なお、第1規制部材61が退避姿勢である場合、第1規制部材61の先端61bは上流搬送経路310内に位置していなくてもよい。すなわち、第1規制部材61の先端61bが搬送ガイド32の下方に位置してもよい。
上述したように、規制用回転軸52は、搬送ガイド32の下方に位置するものの、第1規制部材61の先端61bは上流搬送経路310内に位置する。そのため、搬送ガイド32には、第1規制部材61が挿通する挿通孔としての不図示の第1挿通孔が設けられている。
なお、図5及び図9に示すように、規制ユニット50は、規制部材として、第2規制部材62を有することが好ましい。本実施形態では、第1規制部材61のX方向の両側に第2規制部材62がそれぞれ配置される。第2規制部材62は、第1規制部材61と同様に、規制用回転軸52に一体回転可能な状態で支持される。第1規制部材61が規制姿勢である場合、第2規制部材62は規制姿勢となり、第1規制部材61が退避姿勢である場合、第2規制部材62は退避姿勢となる。
なお、搬送ガイド32には、第2規制部材62が挿通される不図示の第2挿通孔が設けられている。
次に、図10を参照し、画像読取装置20に備わる制御部100の構成について説明する。
図10に示すように、制御部100は、CPU101、フラッシュROM102及びRAM103を備えている。CPU101は、フラッシュROM102に格納されたプログラムに従って各種演算処理を行い、画像読取装置20の動作を制御する。記憶手段の一例であるフラッシュROM102は、読み出し及び書き込みが可能な不揮発性メモリーである。操作部15を介してユーザーが入力した各種設定情報はフラッシュROM102に記憶される。記憶手段の一例であるRAM103には、一時的に各種情報が格納される。また、制御部100は、外部インターフェイス104を介して外部機器との有線通信または無線通信が可能となっている。
制御部100は、読取装置21に含まれる第1読取部22及び第2読取部23を制御する。制御部100は、第1読取部22及び第2読取部23が読み取った画像に基づいて画像データを生成する。
制御部100には、上述した回転検知手段70に加えて、載置検知部110、サイズ検知部111、重送検知部112、第1媒体検知部113、第2媒体検知部114、第1エンコーダー115、及び第2エンコーダー116に接続されており、これら検知手段からの信号が入力される。制御部100は、信号に基づき必要な制御を行う。
図2に示すように、載置検知部110は、媒体載置部31に設けられ、媒体載置部31上の媒体Pの有無を検知する。なお、載置検知部110は、例えば接触式のセンサーであり、媒体載置部31に載置される媒体Pと接触することにより、媒体Pを検知する。
サイズ検知部111は、媒体載置部31に設けられ、媒体載置部31に載置された媒体Pのサイズを検知する。なお、サイズ検知部111は複数のセンサーで構成されており、具体的には搬送方向に沿って間隔を空けて配置された複数の光学センサーと、媒体Pの幅方向に沿って間隔を空けて配置された複数の光学センサーとを備えて構成される。制御部100は、サイズ検知部111の複数の光学センサーの信号の組み合わせを基にして、媒体載置部31に載置された媒体Pのサイズを判定する。
図2に示すように、重送検知部112、第1媒体検知部113及び第2媒体検知部114は搬送経路300に設けられている。
第1媒体検知部113は、搬送経路300において給送ユニット40の下流に設けられる。第2媒体検知部114は、搬送経路300において搬送ローラー対84の上流に設けられる。第1媒体検知部113及び第2媒体検知部114は、例えば接触式のセンサーで構成される。制御部100は、第1媒体検知部113及び第2媒体検知部114により、媒体Pの先端及び後端の通過を検知する。
重送検知部112は、第1媒体検知部113の下流に設けられている。重送検知部112は、例えば、超音波方式のセンサーである。制御部100は、重送検知部112により、媒体Pの重送の有無を検知できる。
第1エンコーダー115は、後述する第1モーター120の回転を検知するセンサーであり、図11に示すように第1モーター120に直結される。制御部100は、第1エンコーダー115から受信するパルス信号をもとに、第1モーター120の回転量及び回転方向を検知できる。
第2エンコーダー116は、後述する第2モーター130の回転を検知するセンサーであり、図11に示すように第2モーター130に直結される。制御部100は、第2エンコーダー116から受信するパルス信号をもとに、第2モーター130の回転量及び回転方向を検知できる。
次に、図11及び図12を参照し、媒体搬送装置30の動力伝達系について説明する。
媒体搬送装置30は、第1モーター120と、第2モーター130とを備えている。第1モーター120と第2モーター130とは、制御部100により、回転量及び回転方向が制御される。第1モーター120の出力軸120aと、第2モーター130の出力軸130aとは、正逆両方向に回転可能に構成されている。第1モーター120は、給送ローラー43を回転させる動力を生成する。また、第2モーター130は、規制用回転軸52を回転させて各規制部材61、62の姿勢を切り換える動力を生成する。
なお、図11に示すように、第1モーター120と第2モーター130とは、媒体搬送装置30の+X方向の側部に設けられる。
媒体搬送装置30は、図11及び図12に示すように、第1モーター120の動力をユニット回転軸42に伝達する第1動力伝達手段131を備える。第1動力伝達手段131は、複数のギア134と、動力伝達軸133と、動力を伝達するベルト132とを備える。動力伝達軸133は、搬送方向において給送ユニット40の下流に設けられ、X方向に延びる回転軸である。また、図13に示すように、給送ユニット本体41の側部には、ユニット回転軸42の回転を給送ローラー43に伝達する第2動力伝達手段140を備える。第2動力伝達手段140は、複数のギア141を備える。この構成により、第1モーター120の出力軸120aの正逆両方向の回転が、第1動力伝達手段131及び第2動力伝達手段140を介して給送ローラー43に伝達する。なお、本実施形態では、ユニット回転軸42に設けられる分離ローラー44も第1モーター120の動力により回転する。
第2モーター130は、各規制部材61、62の姿勢を切り換える動力に加えて、搬送経路300において分離ローラー44よりも下流に配置されている搬送ローラー対81、82、83、84の各駆動ローラー81a、82a、83a、84aの動力を生成する。具体的には、湾曲経路320近くにある駆動ローラー81aと、搬送方向において第1読取部22よりも上流にある駆動ローラー82aと、搬送方向において第1読取部22と第2読取部23との間にある駆動ローラー83aと、排出部36近くにある駆動ローラー84aとは、第2モーター130により動かされる。
媒体搬送装置30は、図12に示すように、規制用駆動軸54と、各駆動ローラー81a、82a、83a、84aとに第2モーター130の動力を伝達する第3動力伝達手段150とを備える。第3動力伝達手段150は、各駆動ローラー82a、83a、84aの回転軸82c、83c、84cと接続する、複数のギア151と該ギア151と当接する複数のベルト152とを備える。なお、不図示の駆動ローラー81aの回転軸81cは、媒体搬送装置30の+X方向の端部において、駆動ローラー82aの回転軸82cと不図示のギアとベルトで接続されている。
また、本実施形態の各動力伝達手段は一例であって、ギアの輪列のみで動力を伝達してもよい。
第3動力伝達手段150は、図11及び図12に示すように、規制用駆動軸54の駆動ギア54aと接続する伝達経路において、ワンウェイクラッチ153を備える。ワンウェイクラッチ153は、第2モーター130の出力軸130aが逆回転するときには、第2モーター130の動力を駆動ギア54aに伝達する一方で、第2モーター130の出力軸130aが正回転するときには、第2モーター130の動力を駆動ギア54aに伝達しない。すなわち、第2モーター130の出力軸130aが逆回転する場合には、規制用駆動軸54に第2モーター130の回転が伝わり、第1規制部材61及び第2規制部材62の姿勢が切り換わる。一方で、第2モーター130の出力軸130aが正回転する場合には、ワンウェイクラッチ153により動力の伝達が遮断されるため、第1規制部材61及び第2規制部材62の姿勢は変化しない。
なお、第2モーター130の出力軸130aが正回転する場合、回転軸81c、82c、83c、84cを介して動力が伝達された、各駆動ローラー81a、82a、83a、84aは媒体Pを搬送方向に送るように回転する。このとき、ワンウェイクラッチ153により、第2モーター130の動力は駆動ギア54aに伝達されないため、第2モーター130の負荷を減らすことができる。
続いて、上述した図に加え図14のタイミングチャートを参照しつつ、媒体Pの給送制御について説明する。
制御部100は、操作部15または外部インターフェイス104からの入力により、媒体Pの搬送と読取動作を開始する。
初めに、制御部100は、載置検知部110により、媒体載置部31に載置される媒体Pの有無を検知する。制御部100は、媒体載置部31に媒体Pが載置されたことを検知すると、給送動作を開始する。すなわち、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換えるために、制御部100は第2モーター130の出力軸130aを逆回転(逆転)させる(タイミングT1)。
これにより、第2モーター130の動力が第3動力伝達手段150を介して規制用駆動軸54に伝達される。その結果、規制用駆動軸54が回転し、それに伴って突出部57と遮光部材71とが回転する。すると、突出部57が被押圧部60から離間する。そして、回転用スプリング53の付勢力により規制用回転軸52が回転する。その結果、各規制部材61、62が規制姿勢となる位置から退避姿勢となる位置に向けて回転する。つまり、各規制部材61、62は、搬送方向に向かって傾倒し、搬送ガイド32に沿うような姿勢となる。なお、各規制部材61、62が退避姿勢となる位置に移動するとき、遮光部材71が発光部72aと受光部72bの間とは異なる位置に移動し、回転検知手段70の信号がOFFになる(タイミングT2)。
これにより、制御部100は、回転検知手段70の検知結果に基づいて、各規制部材61、62が退避姿勢になったと判定する。
制御部100は、各規制部材61、62が退避姿勢になったと判定すると、第2モーター130を減速させる。このとき、制御部100は、給送ローラー43を回転させる動作と、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換える動作とを並行して行う。つまり、制御部100は、第2モーター130を減速させている間に、第1モーター120の出力軸120aを正回転(正転)させて給送ローラー43を回転させ始める(タイミングT3)。すなわち、給送ローラー43は、各規制部材61、62が退避姿勢になる前に回転し始める。なお、各規制部材61、62が退避姿勢になる前とは、第2モーター130の逆回転が停止する時点(タイミングT4)までを指す。
なお、給送ローラー43が回転し始めるタイミングは、媒体載置部31に載置される媒体Pを検知した後から第2モーター130の出力軸130aの逆回転が停止する前まであればよい。例えば、制御部100は、第2モーター130の出力軸130aを逆回転させる前であり、各規制部材61、62が規制位置から退避位置に移動する前に、給送ローラー43を回転し始めるように制御してもよい。
各規制部材61、62が規制姿勢から退避姿勢に移動すると、第1規制部材61の先端61bは、給送ユニット40から離間する。すなわち、給送ユニット40は、第1規制部材61との当接が解除され、離間姿勢から接触姿勢に向かって移動する。給送ユニット40が接触姿勢になると、給送ローラー43が媒体Pと接触する。これにより、媒体Pが給送ローラー43により搬送方向に給送される。
第2モーター130の出力軸130aの逆回転が停止すると、制御部100は第2モーター130の出力軸130aを正回転させる(タイミングT5)。これにより、給送された媒体Pは、搬送ローラー対81により搬送方向に搬送される。搬送された媒体Pは、読取装置21により、媒体Pの画像を読み取られる。画像が読み取られた媒体Pは、排出部36に排出される。
なお、制御部100は、載置検知部110及び第1媒体検知部113により、媒体載置部31に媒体Pがないと判定すると、第1モーター120の出力軸120aの正回転を停止させる。
続いて、上述した図と、図15のタイミングチャートを参照しつつ、媒体排紙後の動作について説明する。
制御部100は、第2媒体検知部114により、搬送経路300にある媒体Pが排出されたかを判定する。制御部100は、媒体Pが排出されたと判定すると、正転していた第2モーター130を停止させる(タイミングT6)。第2モーター130が停止した後、制御部100は第2モーター130の出力軸130aを逆回転させる(タイミングT7)。これにより、第2モーター130の動力が第3動力伝達手段150を介して規制用駆動軸54に伝達される。その結果、規制用駆動軸54が回転し、それに伴って突出部57と遮光部材71とが回転する。すると、突出部57が被押圧部60に接触するようになり、回転用スプリング53からの力に抗して規制用回転軸52が回転する。その結果、各規制部材61、62が退避姿勢から規制姿勢に移動する。各規制部材61、62が規制姿勢となる位置に移動すると、遮光部材71が発光部72aと受光部72bの間に移動し、回転検知手段70の信号がONになる(タイミングT8)。これにより、制御部100は、回転検知手段70の検知結果に基づいて、各規制部材61、62が規制姿勢になったと判定する。そして、制御部100は、第2モーター130の出力軸130aの逆回転を減速させ、停止させる(タイミングT9)。
2.第2実施形態
第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態では、制御部100は、媒体Pの厚さに応じて、給送ローラー43の回転するタイミングを変える。
載置検知部110により媒体載置部31に媒体Pが載置されたことを検知すると、制御部100は、載置される媒体Pの厚さをユーザーに選択させる設定画面をタッチパネル16に表示させる。設定画面には、媒体Pの厚さを示す「厚紙」、「普通紙」、「薄紙」の3種類の設定ボタンを表示させ、ユーザーに媒体Pの厚さを選択するように促す。そして、制御部100は、選択された設定ボタンの情報により、載置される媒体Pの厚さを決定する。なお、選択可能な媒体Pの厚さは、3種類に限定されず、2種類であっても4種類以上であってもよい。
制御部100は、決定された媒体Pの厚さに応じて、第1実施形態のタイミングT3に相当する、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを変える。給送される媒体Pが薄紙である場合、薄紙は剛性が低いため、給送される薄紙の先端と各規制部材61、62とが過度に接触することにより薄紙の先端が折れる虞がある。したがって、薄紙の場合、各規制部材61、62が薄紙の先端と当接しない位置に移ってから媒体Pを給送することが好ましい。
一方で、給送される媒体Pが厚紙である場合、厚紙は剛性が高いため、給送される厚紙と各規制部材61、62とが接触しても折れが生じる虞がない。また、厚紙の場合、給送時において、厚紙の先端を各規制部材61、62に接触させることにより厚紙のスキューを補正することができる。つまり、厚紙の場合、給送時において、各規制部材61、62が退避姿勢に移動し終わるまでに、厚紙の先端と各規制部材61、62とが接触しても構わない。したがって、厚紙の場合は、薄紙の場合と比較して、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを早くすることが好ましい。
また、厚紙の場合は、普通紙の場合と比較して、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを早くしてもよい。さらに、薄紙の場合は、普通紙の場合と比較して、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを遅くしてもよい。これらにより、媒体Pを適切に給送することができる。また、薄紙の場合に、普通紙の場合と比較して、紙の先端が折れる虞をより低減できる。
媒体Pの厚さを設定させる設定画面において、紙種を選択させ、選択された紙種により媒体Pの厚さを設定することも可能である。例えば、紙種として、「はがき」、「光沢紙」、「帳票」を設定可能とし、「はがき」や「光沢紙」が選択されたときには厚紙と設定し、「帳票」が選択されたときには薄紙と設定してもよい。このように紙種を選択させることで、ユーザーが媒体Pの厚さを把握していない場合においても適切に媒体Pの厚さを設定できる。
媒体Pの厚さを設定する方法として、坪量を設定することも可能である。この場合、設定画面から予め設定されている媒体Pの坪量を選択するか、または媒体Pの坪量を入力するようにしても良い。このように処理することで、坪量から媒体Pの厚さを判別することができる。
また、媒体Pの厚さと、紙種と、秤量とを組み合わせて媒体Pを特定するようにしてもよい。これにより、給送される媒体Pをより詳しく特定することができるため、適切に給送することができる。
なお、厚紙の場合にのみ、制御部100は、給送ローラー43を回転させる動作と、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換える動作とを並行して行ってもよい。また、薄紙の場合にのみ、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換えた後、給送ローラー43を回転させる動作を行ってもよい。これらの場合、媒体Pの厚さに応じて、適切に媒体Pを給送することができる。
3.第3実施形態
第3実施形態ついて説明する。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態では、制御部100は、媒体載置部31に載置された媒体Pの総厚に応じて、第1実施形態のタイミングT3に相当する、給送ローラー43の回転するタイミングを変える。なお、媒体Pの総厚とは、媒体載置部31に載置された媒体Pが1枚であれば、媒体P自体の厚さを意味し、媒体載置部31に載置された媒体Pが複数であれば、複数の媒体Pの全体の厚さ、つまり原稿束の厚さを意味する。
図16で示すように、本実施形態の媒体搬送装置30は、総厚を検知するための総厚検知部としての測距センサー200を備える。測距センサー200は、上部ユニット26において媒体載置部31に載置された媒体Pに対して対向する位置に設けられる超音波式のセンサーである。測距センサー200は、不図示の発信部と受信部とを備え、超音波を最上位の媒体Pに向けて発信し、最上位の媒体Pから反射する反射波を受信部が受信することで、測距センサー200と最上位の媒体Pのとの距離を検知する。なお、測距センサー200は、その他の方式であってもよく、光学式のセンサーであってもよい。
制御部100は、測距センサー200の検知結果により、媒体載置部31に載置される媒体Pの総厚を決定する。そして、媒体Pの総厚に応じて、制御部100は、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを調整する。つまり、媒体Pの総厚が第1閾値以上である場合、第1閾値未満の場合と比較して、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを早くする。また、媒体Pの総厚が第1閾値よりも小さい第2閾値未満である場合、総厚が第2閾値以上である場合と比較して、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを遅くする。
第1閾値は、例えば、規制姿勢における、搬送ガイド32から突出する第1規制部材61の+Z方向の長さの4分の3に相当する長さである。媒体Pの総厚が第1閾値以上である場合、媒体載置部31に載置される最上位の媒体Pの先端は、第1規制部材61の先端61bに近い位置に位置する。この場合、給送時において、第1閾値未満である場合と比較して、各規制部材61、62による最上位の媒体Pの先端の規制がより早く解除される。よって、この場合、最上位の媒体Pの先端が各規制部材61、62と過度に接触し、媒体Pの先端が折れる虞がない。したがって、媒体Pの総厚が第1閾値以上である場合、第1閾値未満である場合と比較して、給送ローラー43を回転し始めるタイミングを早くすることが好ましい。これにより、媒体Pの総厚が第1閾値以上である場合、第1閾値未満である場合と比較して、給送に係る時間を短縮できる。
第2閾値は、第1閾値よりも小さい値であり、例えば、規制姿勢における、搬送ガイド32から突出する第1規制部材61の+Z方向の長さの4分の1に相当する長さである。媒体Pの総厚が第2閾値未満である場合、媒体載置部31に載置される最上位の媒体Pの先端は第1規制部材61の基端61aに近い位置に位置する。この場合、給送ローラー43が媒体Pを給送するタイミングが早いと、給送される媒体Pの先端が退避姿勢に移動し終わる前の各規制部材61、62に過度に接触し、媒体Pの先端が折れる虞がある。したがって、媒体Pの総厚が第2閾値未満である場合は、第2閾値以上である場合と比較して、給送ローラー43が回転し始めるタイミングを遅くすることが好ましい。これにより、媒体Pを適切に給送することができる。
なお、第1閾値及び第2閾値は、単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
また、上記で述べた第1閾値及び第2閾値は、一例であって、任意の値に設定してもよい。
なお、第1閾値が設定されている場合にのみ、制御部100は、給送ローラー43を回転させる動作と、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換える動作とを並行して行ってもよい。また、第2閾値が設定されている場合には、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換えた後、給送ローラー43を回転させる動作を行ってもよい。これらの場合、媒体Pの厚さに応じて、適切に媒体Pを給送することができる。
次に、上述した実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)媒体搬送装置30には、給送ローラー43を回転させるための動力を生成可能な第1モーター120と、規制ユニット50の各規制部材61、62の姿勢を切り換えるための動力を生成可能な第2モーター130と、を備える。媒体載置部31に載置される媒体Pを給送する場合において、給送ローラー43を回転させる動作と、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換える動作とを並行して動作させる。
このように、給送ローラー43と各規制部材61、62とを別々のモーターで動かし、給送ローラー43を回転させる動作と、各規制部材61、62を規制姿勢から退避姿勢に切り換える動作とを並行して動作させるので、媒体Pを給送する動作を早く行うことができる。つまり、FCOTを改善することができる。
(2)第2モーター130は、各駆動ローラー81a、82a、83a、84aを回転させるための動力を生成可能である。
これにより、各規制部材61、62を動かす動力源を生成する第2モーター130により、各駆動ローラー81a、82a、83a、84aを動かすので、追加のモーターを設ける必要がない。よって、追加のモーターを設ける構成と比較して、モーターを設置するスペースが不要となり、装置が小型化できる。
(3)各規制部材61、62が退避姿勢から規制姿勢に移動したとき、ユニット区画面41aと第1規制部材61の先端61bとが当接することにより、給送ユニット40は、媒体載置部31に載置される媒体Pに接触する接触姿勢から、媒体Pから離間する離間姿勢に移動する。
これにより、第1規制部材61の動作により、給送ユニット40は接触姿勢と離間姿勢とに切り換えられるので、給送ユニット40の姿勢を切り換える専用の動力源が不要となる。
(4)給送ローラー43は、各規制部材61、62が規制姿勢から退避姿勢に切り換わる前に回転し始める。
給送ローラー43は、各規制部材61、62が規制姿勢から退避姿勢に切り換わる前に回転し始めることにより、媒体Pをより早く給送することができる。
また、給送ユニット40が離間姿勢であるとき、給送ローラー43は媒体Pと接触しない位置に位置する。そのため、給送ローラー43が離間姿勢にあるときに給送ローラー43が回転し始めてもジャムが起きる虞がない。つまり、ジャムを生じる虞がなく、より早く給送することができる。
(5)媒体搬送装置30は、第2モーター130の動力を規制用駆動軸54に伝達する第3動力伝達手段150において、ワンウェイクラッチ153を備える。第2モーター130が正回転するとき、各駆動ローラー81a、82a、83a、84aは媒体Pを下流に搬送する方向に回転する。一方で、ワンウェイクラッチ153により規制用駆動軸54には第2モーター130の動力が伝達されない。そのため、第2モーター130が正回転するときは、各規制部材61、62の姿勢が変化しない。
よって、各搬送ローラー対81、82、83、84が媒体Pを搬送している間は規制用駆動軸54に動力が伝達されないことから、第2モーター130の負荷を減らすことができる。
(6)媒体搬送装置30は、載置される媒体Pの厚さを設定する設定画面を表示可能な操作部15を備える。ユーザーは、媒体Pの厚さに関する情報を設定画面に入力する。そして、制御部100は、入力された情報に基づいて媒体Pの厚さを判定し、媒体Pの厚さに応じて、給送ローラー43が回転し始めるタイミングを調整する。
これにより、各規制部材61、62との接触で折れが生じやすい薄紙であっても適切に給送することができる。また、剛性の高い厚紙の場合、給送時において、厚紙の先端を各規制部材61、62に接触させても折れが生じる虞がない。また、厚紙の先端と各規制部材61、62とが接触した場合にはスキューを補正することができる。
(7)媒体搬送装置30は、媒体載置部31に設けられ、載置される媒体Pの総厚を検知するための測距センサー200を備える。そして、制御部100は、測距センサー200の検知結果に応じて、媒体Pの総厚を判定する。さらに、制御部100は、媒体Pの総厚に応じて、給送ローラー43が回転し始めるタイミングを調整する。
媒体Pの総厚が厚い場合、給送時において、各規制部材61、62による最上位の媒体Pの先端の規制がより早く解除される。よって、媒体Pの総厚が厚い場合、給送ローラー43を早く動かして給送しても媒体Pの先端と各規制部材61、62とが過度に接触し折れが生じる虞がなく、適切に給送できる。
媒体Pの総厚が薄い場合、給送時において、給送される媒体Pの先端が、退避姿勢に移動し終わる前の各規制部材61、62に過度に接触し、媒体Pの先端で折れが生じる虞がある。よって、媒体Pの総厚が薄い場合には給送ローラー43が回転し始めるタイミングを遅くすることにより、媒体Pの先端に折れを生じさせることなく給送することができる。
4.第4実施形態
第4実施形態にかかる媒体搬送装置について説明する。本実施形態の媒体搬送装置は、上述した規制ユニット50に替えて規制ユニット50Aが設けられている。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本形態の規制ユニット50Aについて説明する。図17は、第1規制部材61、及び第2規制部材62が規制姿勢の規制ユニット50Aを示す斜視図であり、図18は、第1規制部材61が退避姿勢、第2規制部材62が規制姿勢の規制ユニット50Aを示す斜視図であり、図19は、第1規制部材61、及び第2規制部材62が退避姿勢の規制ユニット50Aを示す斜視図である。規制ユニット50Aにかかる第1規制部材61と、第2規制部材62と、は規制姿勢から退避姿勢となるタイミングを異ならせている。
規制ユニット50Aは、図17~図19に示すように、規制ユニット本体51Aと、規制用回転軸52Aと、三つの回転用スプリング53と、を有する。
規制ユニット本体51Aは、規制用回転軸52A、及び規制用駆動軸54を回転可能な状態で支持しており、媒体搬送装置には、図4の規制ユニット本体51と同様に搬送ガイド32を挟んだ上流搬送経路310の反対側において、X方向に沿って延在するように固定される。
規制用駆動軸54は、不図示の第2モーター130の動力が第3動力伝達手段150を介して伝達されて、所定の回転方向R1に回転する。規制用駆動軸54の+X方向の一端は、規制ユニット本体51Aの外側に位置し、規制用駆動軸54の-X方向の他端は、規制ユニット本体51Aの内側に位置している。
規制用駆動軸54の一端と他端の間には、規制用駆動軸54の回転を検知する回転検知手段70と、規制用駆動軸54の回転を伝達する三つの回転伝達部58が設けられる。
回転検知手段70は、検知部72の光が遮光部材71によって遮られて受光できない遮光状態か、検知部72の光が受光できる受光状態かを検知することにより規制用駆動軸54の回転状態を検知する。
回転伝達部58は、連動する複数の回転体からなる。本実施形態の回転体は、一例として、一対のギアである。一方のギアは、円盤状の中心軸部分に規制用駆動軸54が挿入され一体回転可能な状態で接続されている。また、一方のギアと連動する他方のギアは、円盤状の中心軸部分にカム軸59が挿入され一体回転可能な状態で接続されている。三つの回転伝達部58は、X方向に沿って任意の間隔を空けて配置されている。規制用駆動軸54の回転方向R1の回転は、三つの回転伝達部58によって伝達されて、三つのカム軸59を回転方向R2に回転させる。
三つのカム軸59は、一つの回転規制部55aと、二つの回転規制部55bとにそれぞれ挿入され、一体回転可能な状態で接続されている。カム軸59は、規制ユニット本体51Aに支持されて、回転方向R2に回転することで、回転規制部55a,55bを回転方向R2に回転させることができる。
回転規制部55a,55bの構成について回転規制部55aを例に説明する。図20に示すように回転規制部55aは、カム56aと、突出部57aと、を備えている。カム56aは円筒状を成しており、円形部の中央に設けられた孔部にカム軸59が挿入されて、カム軸59と接続される。また、筒状をなす側面の一部は、延在方向に延びており、その先端部に鍔状の突出部57aが形成されている。また、回転規制部55bは、回転規制部55aと同様に円筒状のカム56bと、鍔状の突出部57bと、を備えている。
回転規制部55aと回転規制部55bとは、突出部57aと突出部57bの円弧の長さが異なっている。回転方向R2における、突出部57aの先端部と突出部57bの先端部とは、第1規制用回転軸521及び第2規制用回転軸522の軸方向に沿うX方向から見て、同じ位置になるように設けられている。一方、回転方向R2における、突出部57aの後端部と突出部57bの後端部とは、X方向から見て異なる位置になるように設けられている。すなわち、突出部57bの後端部が、突出部57aの後端部よりも、X方向から見て回転方向R2の逆方向に進んだ位置に設けられている。
本実施形態では、一例として、突出部57aは、中心角度αが90°となる範囲に形成され、突出部57bは中心角度αが120°となる範囲に形成されている。つまり、本実施形態では、突出部57bの後端部は、X方向から見て、突出部57aの後端部よりも回転方向R2と逆方向に回転角度30°分進んだ位置に位置している。
本形態における回転規制部55a、55bの回転は同期されているため、上記の突出部57aと突出部57bの位置関係は変化しない。
なお、突出部57a,57bは、円弧の長さや位置を適宜変更することが可能である。変更することにより、第1規制部材61、および第2規制部材62の規制姿勢、退避姿勢を維持する時間、移行するタイミングが調整できる。
規制用回転軸52Aは、図17~図19に示すように、一つの第1規制用回転軸521と、二つの第2規制用回転軸522と、を有している。規制用回転軸52Aは、一つの第1規制用回転軸521が、二つの第2規制用回転軸522の間に位置して、X方向に沿って設けられている。第1規制用回転軸521と第2規制用回転軸522は、X方向に延びる同軸上の回転軸であって、それぞれ独立した状態でX軸周りに回転可能である。
また、規制用回転軸52Aには、規制部材に相当する第1規制部材61、第2規制部材62が設けられている。第1規制用回転軸521には、延在方向の両端部に第1規制部材61が、一体回転可能な状態で接続されている。また、第2規制用回転軸522には、第2規制部材62が一体回転可能な状態で接続されている。第1規制部材61、及び第2規制部材62は、規制用回転軸52Aから一方向に延びる板状の部材である。
二つの第1規制部材61は、Y方向に沿った搬送方向と交差する幅方向の中心線に対して対称となる位置に設けられている。さらに当該中心線に対して二つの第1規制部材61より外側に第2規制部材62が設けられている。言い換えると、幅方向の中心線と第1規制部材61との距離よりも、幅方向の中心線と第2規制部材62との距離が長くなるように設けられている。
また、二つの第1規制部材61は、図示しない給送ユニット40の当接部であるユニット区画面41aと当接可能であり、給送ユニット40は、二つの第1規制部材61が退避姿勢から規制姿勢に移動したとき、ユニット区画面41aと二つの第1規制部材61とが当接することにより離間姿勢となる。
一つの第1規制用回転軸521と、二つの第2規制用回転軸522のそれぞれには、支持部160が設けられる。支持部160は、略三角形状の板状部材であり、+Z方向の頂点部分が、規制用回転軸52Aに一体回転可能な状態で接続される。また、支持部160は、回転規制部55a,55bと対向する面の一辺に沿って壁状の被押圧部161が設けられている。
被押圧部161は、突出部57a、または突出部57bと対向し、回転規制部55a,55bが回転することで突出部57a、または突出部57bと接触、または離間をする。また、支持部160には、回転用スプリング53の一端を支持する支持部位が設けられており、回転用スプリング53からの復元力は、支持部位を介して支持部160に働く。
三つの回転用スプリング53は、その一端部が規制ユニット本体51Aに取り付けられ、他端部が第1規制用回転軸521、または第2規制用回転軸522の支持部160に取り付けられている。これによって回転用スプリング53は、規制用回転軸52Aを回転させる方向に付勢する。この規制用回転軸52Aの回転によって、第1規制部材61、および第2規制部材62は姿勢を移行させる。
規制ユニット50Aの第1規制部材61、および第2規制部材62の規制姿勢について説明する。図21に示すように、回転規制部55aの突出部57aが被押圧部161に当接して押圧することで第1規制用回転軸521の回転が規制され第1規制部材61は規制姿勢となる。また、図22に示すように、回転規制部55bの突出部57bが被押圧部161に当接して押圧することで第2規制用回転軸522の回転が規制され第1規制部材61は規制姿勢となる。
第1規制部材61は、カム軸59が回転方向R2に回転することにより、図23に示すように、回転規制部55aの突出部57aが回転方向R2に回転すると、突出部57aが被押圧部161から離間する。すると、回転用スプリング53の付勢力によって第1規制用回転軸521は回転方向R3の方向に回転し、第1規制部材61は規制姿勢から退避姿勢へと移行する。第2規制部材62の突出部57bは、突出部57aより円弧の周長が長いため、カム軸59が更に回転方向R2に回転することで、突出部57bが被押圧部161から離間し、第2規制部材62は、規制姿勢から退避姿勢へと移行する。本実施形態では、突出部57aが被押圧部161から離間してから更に30°回転させることで、突出部57bが被押圧部161から離間する。
なお、第1規制部材61と第2規制部材62とは、異なる位相で変位する。そのため、第2規制部材62が規制姿勢から退避姿勢へ移行する際には、すでに第1規制部材61が退避姿勢に移行している状態である。よって、図24に示す回転規制部55aを+X方向から見た側面図において、第1規制部材61における媒体Pとの当接面は、第2規制部材62における媒体Pとの当接面と重なることはない。
本実施形態の規制ユニット50Aは、独立した第1規制用回転軸521、第2規制用回転軸522と、回転規制部55a,55bを備えることにより、第1規制部材61、第2規制部材62の退避姿勢へのタイミングを異ならせることができる。
続いて、上述した図に加えて図25~図29を参照しつつ、本形態の媒体Pの給送制御について説明する。図25は、媒体搬送装置の給送制御における動作タイミングを示すタイミングチャートであり、図26は、媒体Pが給送される際の動力制御を示すフローチャートである。また、図27~図29は、媒体載置部に載置された媒体Pがスキュー矯正されて搬送される状態を示す概略上面図である。
初めに、本形態の給送制御は、媒体載置部31に媒体Pが載置されたことを検知すると、待機状態から給送動作を開始する。
ステップS1にて、第1モーター120を正転で駆動開始させて、給送ローラー43の駆動を開始する。並列してステップS2にて、第2モーター130を逆転で駆動開始させる。
次に、ステップS4にて、回転検知手段70が遮光を検知したかを判断する。回転検知手段70が受光を検知した場合(YES)、ステップS6に示すように、第2モーター130の駆動を停止する。同時に、規制用駆動軸54と同期回転している回転規制部55aの突出部57aが被押圧部161から離間されるため、第1規制部材61が退避姿勢に移行されて給送ユニット40が降下する。これにより、媒体Pの搬送が駆動開始される(図25のタイミングT11)。
ステップS6では、図27に示すように媒体載置部31に媒体Pが傾いて載置された場合においても、図28に示すように、媒体Pは、降下した給送ユニット40に設けられた給送ローラー43が駆動することにより、白矢印方向へと進められる。このとき、スキューした媒体Pにおける、搬送が先行している側のエッジが第2規制部材62に突き当てられる。一方、媒体Pにおける、搬送が遅れている側のエッジは第2規制部材62に向かって回転しながら搬送される。これにより、媒体Pのスキューが矯正され、媒体P1のように傾きが矯正される。
ステップS4にて、回転検知手段70が受光を検知していない場合(NO)、ステップS22にて、第2モーター130の駆動量がXstepに達したか否かを判定する。Xstepは、第2モーター130の駆動量であって、第1規制部材61を規制姿勢から退避姿勢に切り換えるために必要な駆動量に、部品公差や組付ばらつきを考慮した駆動量を可算した駆動量に相当する。
第2モーター130の駆動量がXstepに達していない場合(NO)、ステップS2に戻り、第2モーター130の駆動量がXstepに達していた場合(YES)、ステップS24にて、フェータルエラーとして所定のエラー発報を行う。
ステップS6にて第2モーター130の駆動を停止後、ステップS7に進み所定のwait時間が経過したか、否かを判断する。所定のwait時間が経過した場合には、ステップS8へと進む。また、所定のwait時間が経過していない場合には、ステップS6を繰り返して第2モーター130の駆動の停止を維持する。
ステップS8では、第2モーター130の逆転の駆動を開始する(図25のタイミングT12)。ステップS6で駆動を停止させてから、ステップS8で再度駆動させるまでに所定のwait時間を設けることで媒体Pの突き当て量を調整することができる。例えば、ステップS6でのwait時間を長くすることで給送ローラー43の駆動による突き当て量を増やし、媒体Pのスキュー矯正効果が大きくすることができる。反対に、ステップS6でのwait時間を短くすることで給送ローラー43の駆動による突き当て量を減らすこともできる。
なお、ステップS6~ステップS8を経由せず、ステップS4からそのままステップS10の動作に移行させることで突き当て量を減らすこともできる。
次に、ステップS10にて、第2モーター130の駆動量がYstepに達したか、否かを判定する。Ystepとは、ステップS4の後に、第2規制部材62を退避姿勢に切り換えるために必要な第2モーター130の駆動量に相当する。換言すると、Ystepは、回転規制部55a,55bの位相ズレ分の回転量に相当する第2モーター130の駆動量に、部品公差や組付ばらつきを考慮した駆動量を可算した駆動量である。
ステップS10にて、第2モーター130の駆動量がYstepに達していない場合(NO)、ステップS10を繰り返し、第2モーター130の駆動量がYstepに達している場合(YES)、ステップS12で、第2モーター130の駆動を停止する。
ステップS12では、第2モーター130の駆動を停止する。同時に、第2規制部材62は退避姿勢へと移行される(図25のタイミングT13)。
媒体P1は、第1規制部材61、第2規制部材62が退避姿勢となり、搬送方向となる+Y方向へと搬送される。
次に、ステップS14では、第2モーター130が正転の駆動を開始する。第2モーター130の正転により搬送ローラー対81を駆動させ、搬送された媒体P1は、搬送経路300に沿って搬送方向の下流に搬送される。
次に、媒体排紙後の動作について説明する。
制御部100は、第2媒体検知部114により、搬送経路300にある媒体Pが排出されたかを判定する。制御部100は、媒体Pが排出されたと判定すると、正転していた第2モーター130を停止させる。第2モーター130が停止した後、制御部100は第2モーター130を逆回転させる。これにより、各規制部材61、62が退避姿勢から規制姿勢に移動する。
本実施形態では、回転方向R2における、突出部57aの先端部と突出部57bの先端部とは、X方向から見て、同じ位置になるように設けられている。したがって、各規制部材61、62は、同時に退避姿勢から規制姿勢に移動する。
なお、第1モーター120を正転させて給送ローラー43を駆動させるタイミングは、媒体載置部31に載置される媒体Pを検知した後から第2規制部材62が規制姿勢から退避姿勢に切り換わる前まであれば良く、適宜変更可能である。例えば、ステップ8における第2モーター130の逆転の駆動を開始するときに、第1モーター120を正転させるようにしても良い。
なお、媒体Pを第2規制部材62に突き当てる突き当て量を媒体の紙種や厚さに応じて変更しても良い。媒体の紙種や厚さは、第2実施形態及び第3実施形態に記載されている設定方法を使用しても良い。
5.第5実施形態
第5実施形態にかかる媒体搬送装置について説明する。本実施形態の媒体搬送装置は、第1規制部材61の配置が第4実施形態と違っている。
図30は、媒体載置部に媒体Pが傾いて載置された状態を示しており、規制姿勢の第1規制部材61、第2規制部材62の配置を示す概略上面図である。
第4実施形態では、第1規制部材61と、第2規制部材62は、X方向に沿って配置されていたが、本実施形態では、第1規制部材61は、搬送方向において第2規制部材62よりも下流に位置している。
なお、第4実施形態では回転伝達部58は一対のギアで構成されていたが、本実施形態では、回転伝達部は、第1規制用回転軸521及び第2規制用回転軸522の回転が連動するように不図示の複数の回転体で構成されている。回転伝達部に複数の回転体を設けることで、第1規制部61が設けられる位置を第2規制部62よりも下流にすることができる。なお、回転伝達部は、他の動力伝達部材であっても良く、ベルトであっても良い。
次に、上述した第4、第5実施形態の作用及び効果について説明する。
(8)第4実施形態の媒体搬送装置の構成では、第2規制部材62は第1規制部材61よりも遅いタイミングで、規制姿勢から退避姿勢に切り換わるため、給紙された媒体Pの先端が第2規制部材62と当接することでスキューを補正することができる。このため、媒体Pが傾いた状態で給紙された場合でも、搬送経路内でジャムが生じにくい。特に、媒体Pの幅が長いA4やLetterサイズの媒体Pであってもスキューを補正することで搬送トラブルを生じさせにくくすることができる。
(9)第5実施形態の媒体搬送装置の構成では、搬送方向に交差する幅方向の中心線に近い第1規制部材61が、外側に位置する第2規制部材62より媒体搬送方向において下流に位置しているため、媒体Pの先端が第1規制部材61に当接して媒体Pが斜行してしまうことを抑制することができる。
(10)上述した第4、第5実施形態の媒体搬送装置の構成では、第1規制部材61の姿勢変化によって給送ユニット40の姿勢が切り換わるため、、第1規制部材61と第2規制部材62との姿勢変化のタイミングが異なる構成であっても、給送ユニット40の姿勢を適切に切り換えることができる。
(11)上述した実施形態の媒体搬送装置を備えた画像読み取り装置は、上述した媒体搬送装置と同様の作用、及び効果を有する。
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。また、上述した実施形態を適宜組み合わせて使用することも可能である。そして、上記実施形態において、画像読取装置20は複合機1に設けられる構成としたが、その他のスキャナーにも適用することも可能である。
上記実施形態において、第1規制部材61、及び第2規制部材62は板状であったが、これに限定されない。媒体Pを突き当てる面を有していれば形状は問わない。
また、上記実施形態において、第1規制部材61姿勢変化によって給送ユニット40の姿勢が切り換わったが、これに限定されない。給送ユニット40には、姿勢を切り替えるための動力源を備えることも可能である。
また、上記実施形態において、突出部57aと突出部57bの円弧の長さを異ならせることで第1規制部材61、および第2規制部材62を互いに異なる位相で変位させたが、これに限定されない。カム56aとカム56bとの直径を異ならせることによって、第1規制部材61、および第2規制部材62を互いに異なる位相で変位させ、規制姿勢、退避姿勢を維持する時間、移行する時間、タイミングを調整することができる。
1…複合機、10…画像形成装置、11…本体部、13…媒体収容部、14…媒体排出部、15…操作部、16…タッチパネル、17…ボタン、20…画像読取装置、21…読取装置、22…第1読取部、23…第2読取部、24…原稿台、25…押さえ板、26…上部ユニット、30…媒体搬送装置、31…媒体載置部、31a…載置面、32…搬送ガイド、36…排出部、37…リタードローラー、40…給送ユニット、41…給送ユニット本体、41a…ユニット区画面、42…ユニット回転軸、43…給送ローラー、43a…回転軸、44…分離ローラー、50…規制ユニット、50A…規制ユニット、51…規制ユニット本体、51A…規制ユニット本体、52…規制用回転軸、52A…規制用回転軸、53…回転用スプリング、54…規制用駆動軸、54a…駆動ギア、55…回転規制部、55a…回転規制部、55b…回転規制部、56…被挿通部、56a…カム、56b…カム、57…突出部、57a…突出部、57b…突出部、58…回転伝達部、59…カム軸、60…被押圧部、60a…支持部位、61…第1規制部材、61a…基端、61b…先端、62…第2規制部材、70…回転検知手段、71…遮光部材、72…検知部、72a…発光部、72b…aと受光部、81…搬送ローラー対、81a…駆動ローラー、81b…従動ローラー、81c…回転軸、82a…駆動ローラー、82c…回転軸、83a…駆動ローラー、84…搬送ローラー対、84a…駆動ローラー、100…制御部、101…CPU、103…RAM、104…外部インターフェイス、110…載置検知部、111…サイズ検知部、112…重送検知部、113…第1媒体検知部、114…第2媒体検知部、115…第1エンコーダー、116…第2エンコーダー、120…第1モーター、120a…出力軸、130…第2モーター、130a…出力軸、131…第1動力伝達手段、132…伝達するベルト、133…動力伝達軸、134…ギア、140…第2動力伝達手段、141…ギア、150…第3動力伝達手段、151…ギア、152…ベルト、153…ワンウェイクラッチ、160…支持部、161…被押圧部、200…測距センサー、300…搬送経路、310…上流搬送経路、320…湾曲経路、521…第1規制用回転軸、522…第2規制用回転軸、P…媒体、R1…回転方向、R2…回転方向。

Claims (11)

  1. 媒体が載置される媒体載置部と、
    前記媒体載置部に載置される媒体を搬送方向に給送する給送ローラーを有し、前記給送ローラーが前記媒体載置部に載置された媒体に接触する接触姿勢と、前記給送ローラーが媒体から離間する離間姿勢とに変位可能な給送ユニットと、
    前記搬送方向において前記給送ローラーの下流に設けられる部材であって、媒体が前記搬送方向に移動することを規制する規制姿勢と、媒体が前記搬送方向に移動することを許容する退避姿勢とに切り換え可能な規制部材と、
    前記給送ローラーを回転させるための動力を生成可能な第1モーターと、
    前記規制部材の姿勢を切り換えるための動力を生成可能な第2モーターと、を備え、
    前記給送ローラーを回転させる動作と、前記規制部材を前記規制姿勢から前記退避姿勢に切り換える動作とを並行して動作させる
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 請求項1に記載の媒体搬送装置において、
    前記搬送方向において前記給送ユニットの下流に設けられ、媒体を搬送する搬送ローラーを備え、
    前記第2モーターは、前記搬送ローラーを回転させるための動力を生成可能である
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  3. 請求項1または2に記載の媒体搬送装置において、
    前記給送ユニットは、前記規制部材と当接可能な当接部を備え、前記規制部材が前記退避姿勢から前記規制姿勢に移動したとき、前記当接部と前記規制部材とが当接することにより前記離間姿勢となる
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の媒体搬送装置において、
    前記給送ローラーは、前記規制部材が前記規制姿勢から前記退避姿勢に切り換わる前に回転し始める
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の媒体搬送装置において、
    前記搬送方向において前記給送ユニットの下流に設けられ、媒体を搬送する搬送ローラーを備え、
    前記第2モーターの動力を前記規制部材に伝達する伝達経路において、ワンウェイクラッチを備え、
    前記第2モーターが正回転するとき、前記搬送ローラーは媒体を搬送する方向に回転する一方で、前記ワンウェイクラッチにより前記規制部材には前記第2モーターの動力が伝達されない
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の媒体搬送装置において、
    載置される媒体の厚さを設定する設定画面を表示可能な操作部を備え、
    前記設定画面から入力された情報に応じて、前記媒体の厚さを決定し、
    前記媒体の厚さに応じて、前記給送ローラーが回転し始めるタイミングを調整する
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  7. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の媒体搬送装置において、
    前記媒体載置部に設けられ、載置される媒体の総厚を検知するための総厚検知部を備え、
    前記総厚検知部の検知結果に応じて、前記媒体の総厚を決定し、
    前記媒体の総厚に応じて、前記給送ローラーが回転し始めるタイミングを調整する
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の媒体搬送装置において、
    前記規制部材は、
    第1規制部材と、
    前記搬送方向と交差する幅方向の中心線と前記第1規制部材の距離より、前記中心線との距離が長くなる位置に設けられる第2規制部材と、を備え、
    前記第2規制部材は、前記第1規制部材が前記規制姿勢から前記退避姿勢に切り換わるタイミングよりも遅く、前記規制姿勢から前記退避姿勢に切り換わる
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  9. 請求項8に記載の媒体搬送装置において、
    前記規制部材が前記規制姿勢であるとき、前記第1規制部材は、前記搬送方向において前記第2規制部材よりも下流に位置する
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  10. 請求項3を引用する請求項8、または請求項3を引用する請求項9に記載の媒体搬送装置において、
    前記第1規制部材は、前記給送ユニットの前記当接部と当接可能であり、
    前記給送ユニットは、前記第1規制部材が前記退避姿勢から前記規制姿勢に移動したとき、前記当接部と前記第1規制部材とが当接することにより前記離間姿勢となる
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  11. 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の媒体搬送装置と、
    搬送される媒体の画像を読み取り可能な読取部と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
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