JP7148862B2 - 媒体給送装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、媒体を給送する媒体給送装置及びこれを備えた画像読取装置に関する。
スキャナーやプリンターなどにおいては媒体を給送する媒体給送装置が設けられている。この媒体給送装置は、例えばスキャナーにおいてはAuto Document Feederの略称であるADFと呼ばれることもある。
ADFでは、媒体の一例である原稿は原稿載置部にセットされ、原稿に対し進退する送り出しローラーによって送り出される。送り出しローラーは、揺動するアーム状部材に設けられ、アーム状部材の揺動によって送り出しローラーが原稿に対し進退する。この様な構成の一例が、特許文献1に開示されている。以下では、揺動するアーム状部材を揺動アームと称する。
特開平11-119596号公報
ADFにおいてスループットを向上させるためには、揺動アームの揺動動作に要する時間を極力短くすることが好ましい。特許文献1には、揺動アームのポジションとしてホームポジションの他に連続給紙時の退避ポジションを設定し、連続給紙時には揺動アームがホームポジションまで戻ることなく送り出しローラーがシート束から最低量離間した位置となる退避ポジションをとることで、後続の給紙開始までの時間を短縮する点が記載されている。
しかしながら退避ポジションは一定のポジションであるため、更なる高速化の余地が残されていた。
上記課題を解決する為の、本発明の媒体給送装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部に載置された媒体に対し上方から接して媒体を下流へ送り出す送り出しローラーと、前記送り出しローラーを支持するとともに揺動軸を中心に揺動することにより、前記送り出しローラーを媒体に接触させる給送姿勢と、前記送り出しローラーを媒体から離間させる離間姿勢とを切り換える支持部材と、前記支持部材の姿勢を制御する制御手段と、を備え、前記支持部材は、前記制御手段により制御される支持部材駆動モーターから動力を得て前記給送姿勢から前記離間姿勢に切り換わる構成であり、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと前記媒体載置部との間隔を、前記媒体載置部における媒体の積載高さが低くなるに従って狭くするとともに、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、給送条件に応じて調整することを特徴とする。
媒体給送装置及び画像読取装置の斜視図。 媒体給送装置及び画像読取装置の側断面図。 媒体給送装置及び画像読取装置の制御系統のブロック図。 媒体給送装置の媒体給送経路の一部分を拡大した側断面図。 媒体給送装置の媒体給送経路の一部分を拡大した側断面図。 支持部材及びピックローラーの駆動機構の斜視図。 支持部材及びピックローラーの駆動機構の斜視図。 給送制御における動作タイミングを示すタイミングチャート。 給送制御における支持部材の動きを示すフローチャート。 媒体に対するピックローラーの位置を模式的に示す図。
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る媒体給送装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部に載置された媒体に対し上方から接して媒体を下流へ送り出す送り出しローラーと、前記送り出しローラーを支持するとともに揺動軸を中心に揺動することにより、前記送り出しローラーを媒体に接触させる給送姿勢と、前記送り出しローラーを媒体から離間させる離間姿勢とを切り換える支持部材と、前記支持部材の姿勢を制御する制御手段と、を備え、前記支持部材は、前記制御手段により制御される支持部材駆動モーターから動力を得て前記給送姿勢から前記離間姿勢に切り換わる構成であり、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと前記媒体載置部との間隔を、前記媒体載置部における媒体の積載高さが低くなるに従って狭くするとともに、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、給送条件に応じて調整することを特徴とする。
本態様によれば、装置の制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、給送条件に応じて調整するので、スループットのより一層の向上を図ることができる。
尚、「前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと前記媒体載置部との間隔を、前記媒体載置部における媒体の積載高さが低くなるに従って狭くする」とは、前記積載高さが低くなると必ず前記離間姿勢における前記送り出しローラーと前記媒体載置部との間隔を狭くするということに限らず、前記積載高さが低くなっても前記積載高さの減少量が所定量に達するまでは前記間隔を維持する形態をも含む意味である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記支持部材は、前記送り出しローラーと媒体との間隔を最も広くする基準姿勢を取り得ることを特徴とする。
本態様によれば、前記支持部材は、前記送り出しローラーと媒体との間隔を最も広くする基準姿勢を取り得るので、ユーザーが媒体をセットする際には前記送り出しローラーが最も上方に退避でき、ユーザーが媒体をセットする際に前記送り出しローラーが邪魔になり難い。
第3の態様は、第2の態様において、前記送り出しローラーの下流に設けられ、媒体を分離する分離ローラーと、前記分離ローラーと接するとともにローラー駆動モーターから動力を受けて回転することにより媒体を下流に送る給送ローラーと、前記給送ローラーの下流に設けられ、媒体の先端及び後端の通過を検出する為の第1センサーと、を備え、前記制御手段は、前記第1センサーから得られる情報をもとに媒体の先端が前記第1センサーの位置を通過したことを検出すると、前記支持部材を前記給送姿勢から前記離間姿勢に切り換えることを特徴とする。
本態様によれば、前記制御手段は、前記給送ローラーの下流に設けられた第1センサーから得られる情報をもとに媒体の先端が前記第1センサーの位置を通過したことを検出すると、前記支持部材を前記給送姿勢から前記離間姿勢に切り換えるので、媒体が前記給送ローラーと前記送り出しローラーの双方から送り力を受ける期間を最小限にでき、前記給送ローラーと前記送り出しローラーとの間における媒体の撓みを抑制でき、媒体のジャムを抑制できる。加えて、給送される媒体に連れられて下流に送り出される媒体即ち重送媒体の進行を抑制することができる。
第4の態様は、第3の態様において、前記送り出しローラーと前記給送ローラーとの間に位置し、前記媒体載置部から送り出される媒体の先端が接する斜面を備え、前記送り出しローラーにより前記媒体載置部から送り出された最上位の媒体と前記斜面との間に空間が形成されることを特徴とする。
本態様によれば、前記送り出しローラーと前記給送ローラーとの間に位置し、前記媒体載置部から送り出される媒体の先端が接する斜面を備え、前記送り出しローラーにより前記媒体載置部から送り出された最上位の媒体と前記斜面との間に空間が形成される構成であるので、前記媒体載置部から送り出された最上位の媒体に連れられて送り出される次位の媒体即ち重送媒体が前記空間でジャムになり易いが、上記第2の態様の作用効果により、前記ジャムを抑制できる。
第5の態様は、第2から第4の態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記媒体載置部からの媒体の送り出しを全て終えると、前記支持部材を前記基準姿勢に切り換えることを特徴とする。
本態様によれば、前記制御手段は、前記媒体載置部からの送り出す媒体の送り出しを全て終えると、前記支持部材を前記基準姿勢に切り換えるので、前記媒体載置部に媒体を載置する際に前記送り出しローラーが邪魔になり難く、ユーザーの取り扱い性が向上する。
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記給送条件は、前記媒体載置部における媒体の積載高さを含み、前記制御手段は、前記積載高さが低くなるに従って、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を広くすることを特徴とする。
給送される媒体は、剛性が高く撓まない媒体を基準にすれば、前記送り出しローラーより下流の経路部材と、前記媒体載置部に積載された媒体束の上流端角部とを結ぶ直線に沿った姿勢となり、前記離間姿勢において前記送り出しローラーが少なくとも前記直線の位置まで退避することが、前記送り出しローラーと媒体との接触を回避する観点で好ましい。そして前記直線と媒体とのなす角度が、前記媒体載置部に積載された媒体の積載高さが低くなるほど大きくなるため、前記直線と媒体との間隔も拡がる性質がある。
そこで本態様において前記給送条件は、前記媒体載置部における媒体の積載高さを含み、前記制御手段は、前記積載高さが低くなるに従って、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を広くするので、前記媒体載置部に積載された媒体の積載高さに応じた適切な位置に前記送り出しローラーを位置決めすることができる。
尚、「前記制御手段は、前記積載高さが低くなるに従って、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を広くする」とは、前記積載高さが低くなると必ず前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体部との間隔を広くするということに限らず、前記積載高さが低くなっても前記積載高さの減少量が所定量に達するまでは前記間隔を維持する形態をも含む意味である。
第7の態様は、第6の態様において、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔として、前記媒体載置部に載置可能なサイズの媒体のうち長さが最も長い媒体を基準に得られる間隔を採用することを特徴とする。
媒体の長さが長くなると、給送中の媒体は、相対的に長さの短い媒体に比べて高い位置に位置するため、前記間隔をそれに合わせることが好ましい。従って前記媒体載置部に載置可能なサイズの媒体のうち長さが最も長い媒体を基準にして前記間隔を設定すれば、どの様なサイズの媒体であっても前記送り出しローラーと給送中の媒体との接触を回避することができる。
第8の態様は、第1から第7の態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、媒体の剛性が低いほど狭くすることを特徴とする。
媒体の剛性が低くなると、給送中の媒体は、相対的に剛性の高い媒体に比べて低い位置に位置するため、前記間隔を狭めることができる。本態様によれば、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、媒体の剛性が低いほど狭くするので、スループットをより一層向上させることができる。
第9の態様に係る画像読取装置は、媒体を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段による媒体の読み取り位置に向けて媒体を給送する、第1から第8の態様のいずれかに係る前記媒体給送装置とを備えたことを特徴とする。
本態様によれば、画像読取装置において、上述した第1から第8の態様のいずれかと同様な作用効果が得られる。
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では媒体給送装置、及びこれを備える画像読取装置の一実施形態について、図を参照しつつ説明する。画像読取装置の一例として、スキャナー10を例に挙げる。
各図において示すX-Y-Z座標系は、X方向が装置内を搬送される媒体の幅方向である。また、Z方向が装置高さ方向及び鉛直方向である。Y方向はX方向及びZ方向と直交する方向である。また、-X方向を装置前面方向とし、+X方向を装置背面方向とする。
スキャナー10は、図1に示すように、記録ユニット2の上部に設けられ、記録機能と画像読取機能の双方を備える複合機1として構成されている。
スキャナー10は、図2に示すように、原稿台14にセットされる原稿を読み取り可能な読取部16を備えるスキャナー本体11と、給送トレイ20に載置される原稿を読取部16に向けて送る媒体給送装置12と、を備えている。尚、本実施形態では媒体給送装置12が給送する媒体を原稿Pと称する。
媒体給送装置12は、図1において実線で示すように、スキャナー本体11に対して閉じた姿勢と、点線で示すように開いた姿勢とを切換え可能に構成されている。媒体給送装置12は、スキャナー本体11の+X側を回動支点としてスキャナー本体11に対して回動することで開閉可能に連結されている。
また、複合機1の前面側には、操作部6が設けられている。操作部6には、液晶パネル等の表示手段が設けられている。また、操作部6を操作することにより、複合機1に対して記録ユニット2における記録動作、及びスキャナー10における画像読取動作の指示を入力できる。
尚、複合機1において記録ユニット2は、記録用紙を収容する複数の用紙収容カセット3を下部に備えている。記録ユニット2の内部には、搬送される原稿Pに記録を行う記録部4が設けられ、用紙収容カセット3から搬送される用紙に対して記録が実行される。記録後の用紙は排出部7から排出される。複合機1において排出部7は、装置高さ方向であるZ軸方向において、スキャナー10と用紙収容カセット3の間に設けられている。排出部7から排出された記録後の用紙は排出トレイ5によって支持される。
図2において、スキャナー本体11に設けられる読取部16には、例えばCIS方式やCCD方式等の光学式読取部が用いられる。読取部16は原稿台14の下方に設けられ、Y軸方向に移動可能に構成されており、原稿台14に載置された媒体を読み取ることができる。原稿台14は、一例として無色透明のガラスで形成されている。
媒体給送装置12の下面には、原稿台14に載置された原稿Pを押さえる押さえ板15が設けられている。媒体給送装置12を開くと原稿台14が露呈する。原稿台14に原稿Pを載置し、媒体給送装置12を閉じて押さえ板15によって原稿Pを押えた状態で、読取部16をY軸方向に移動させることにより原稿Pの画像を読み取ることができる。
また、スキャナー10は、原稿台14に載置された原稿Pの読み取りだけでなく、媒体給送装置12によって搬送される原稿Pの読み取りが可能である。
図2において符号Tで示す一点鎖線は、媒体給送装置12における媒体給送経路を示している。媒体給送経路Tは、後述する送り出しローラーとしてのピックローラー21による原稿Pのピックアップ位置から排出トレイ39までの経路である。
媒体給送装置12で給送される原稿Pは、図2に示すように給送トレイ20に載置される。つまり、給送トレイ20は、給送前の原稿Pを載置する媒体載置部である。
原稿Pは、給送トレイ20から、送り出しローラーとしてのピックローラー21により送り出される。
ピックローラー21は、給送トレイ20に載置された原稿Pの+Y側、すなわち、原稿Pの給送方向の先端側に対向する位置に設けられている。ピックローラー21の給送方向の下流である+Y側には、給送ローラー22が設けられている。言い換えると、ピックローラー21は、給送ローラー22に対して給送方向の上流に位置している。
ピックローラー21は、原稿Pに対して進退する方向に変位可能に構成され、給送トレイ20に載置された原稿Pのうち最上位のものに対して上から接触して回転することにより原稿Pを給送ローラー22に向けて送り出す。ピックローラー21は、ローラー駆動モーターとしての第1モーター63(図3)から動力を受けて回転する。
ピックローラー21は、給送ローラー22と同軸で揺動する支持部材27に取り付けられている。支持部材27は、ピックローラー21を支持するとともに揺動軸である軸28を中心に揺動することにより、ピックローラー21を原稿Pに接触させる給送姿勢と、ピックローラー21を原稿Pから離間させる離間姿勢及び基準姿勢とを切り換える。
より具体的には、本実施形態において支持部材27は、ピックローラー21が原稿Pから最も離間する基準姿勢と、基準姿勢よりもピックローラー21と原稿Pとの間隔が狭い離間姿勢と、を取り得る。また支持部材27は、支持部材駆動モーターとしての第4モーター64(図3)から駆動力を受けることで、給送姿勢から離間姿勢或いは基準姿勢へ切り換える。
支持部材27の姿勢や駆動機構については後に詳説する。
ピックローラー21の下流に設けられた給送ローラー22は、ピックローラー21によってピックアップされた原稿Pを更に下流に給送する。給送ローラー22は、第1モーター63(図3)から動力を受けて回転する。
給送ローラー22と対向する下方には、分離ローラー23が配置されている。分離ローラー23には、第2モーター64(図3)の回転トルクが伝達されるとともに、不図示のトルクリミッターにより所定の回転抵抗が付与されている。
原稿給送時、分離ローラー23には原稿Pを上流に戻す逆回転方向(図2において時計回り方向)の回転トルクが第2モーター64(図3)から伝達されているが、分離ローラー23と給送ローラー22との間に原稿Pが介在しない場合、或いは原稿Pが一枚のみ介在する場合には、トルクリミッターの作用により、上記回転トルクに抗して原稿Pを下流に送る正回転方向(図2において反時計回り方向)に従動回転する。
これに対し、分離ローラー23と給送ローラー22との間に、給送原稿に加え重送原稿が突入すると、分離ローラー23は上記回転トルクによって原稿Pを上流に戻す逆回転方向に回転する。これにより、重送原稿の進行が抑制される。
次いで、給送ローラー22及び分離ローラー23に対して給送方向の下流には、第2モーター64(図3)の動力によって回転する加速駆動ローラー24と、この加速駆動ローラー24に対して従動回転する加速従動ローラー25と、を備えて構成された、第1送りローラー対としての加速ローラー対26が設けられている。加速駆動ローラー24は、台2モーター64(図3)から動力を受けて回転する。
原稿Pは、この加速ローラー対26により、更に下流に送られる。
図2に示す媒体給送経路Tは、加速ローラー対26の下流において下向きに湾曲している。加速ローラー対26によって原稿Pは第2送りローラー対としてのレジストローラー対35に送られる。レジストローラー対35は、駆動ローラー35aと、この駆動ローラー35aに対して従動回転する従動ローラー35bと、を備えて構成される。尚、レジストローラー対35、及びレジストローラー対35から下流に配置された各送りローラーは、第3モーター65(図3)から動力を受けて回転する。
レジストローラー対35の下流には、搬送ローラー対36が設けられている。原稿Pは、レジストローラー対35及び更にその下流の搬送ローラー対36によって媒体給送経路Tを送られる間に湾曲反転されて、媒体給送経路Tにおける読取領域R1に送られる。
媒体給送経路Tの読取領域R1は、スキャナー本体11と対向する側がガラス等の無色透明部材で形成されており、原稿Pが読取領域R1を通過する際に、読取領域R1における原稿Pの下面がスキャナー本体11側の読取部16によって読み取られる。
尚、図2において読取部16は読取領域R1とY軸方向においてずれた位置にあるが、媒体給送装置12によって搬送される原稿Pの読み取り時には、読取部16は読取領域R1に対応する位置に移動される。
媒体給送経路Tにおいて、読取領域R1の下流には、上側読取部18が設けられている。上側読取部18は媒体給送経路Tの上部に設けられている。読取部16による読み取り後の原稿Pは、搬送ローラー対37によって上側読取部18に向けて送られる。
上側読取部18による読取領域R2を原稿Pが通過する際に、読取領域R2における原稿Pの上面が上側読取部18によって読み取られる。読取部16と上側読取部18によって、原稿Pの両面を読み取ることができる。
上側読取部18による読み取り後の原稿Pは、排出ローラー対38によって排出トレイ39に排出される。排出トレイ39は、排出ローラー対38によって排出された原稿Pを傾斜姿勢で受けるように構成されている。
以下、図3を参照しつつスキャナー10における制御系統について説明する。図3は本発明に係るスキャナー10の制御系統を示すブロック図である。
図3において、制御手段としての制御部50は原稿Pの送り制御及び読み取り制御を含め、その他スキャナー10の各種制御を行う。制御部50には操作部6からの信号が入力され、また、操作部6の表示、特にユーザインタフェース(UI)を実現する為の信号が制御部50から操作部6に送信される。
制御部50は、第1モーター63、第2モーター64、第3モーター65、第4モーター66、のこれら駆動源を制御する。本実施形態では、全てのモーターがDCモーターである。上述したように、第1モーター63はピックローラー21及び給送ローラー22の駆動源であり、第2モーター64は分離ローラー23及び加速駆動ローラー24の駆動源であり、第3モーター65はレジストローラー対35及び当該レジストローラー対35から下流の送りローラーの駆動源であり、第4モーター66はピックローラー21を支持する支持部材27を給送姿勢から離間姿勢或いは基準姿勢に切り換える為の駆動源である。尚、支持部材27を離間姿勢或いは基準姿勢から給送姿勢に切り換える駆動源は、第1モーター63となる。
制御部50には、読取部16及び上側読取部18からの読み取りデータが入力され、また、各読取部を制御する為の信号が制御部50から各読取部に送信される。
制御部50には、載置検出部56、サイズ検出部57、第1原稿検出部58、重送検出部59、第2原稿検出部60、基準位置検出部61、エンコーダー62、のこれら検出手段からの検出信号も入力され、これら検出信号に基づき必要な制御を行う。
尚、第1モーター63及び第2モーター64の回転を検出するエンコーダーも設けられており、制御部50はこれらエンコーダーからの出力パルスをもとにして各送りローラーの回転量及び回転速度を検出することができるが、図3においてこれらエンコーダーの図示は省略する。
載置検出部56は、給送トレイ20に設けられ、給送トレイ20上の原稿Pの有無を検出する。サイズ検出部57は、給送トレイ20に設けられ、給送トレイ20に載置された原稿Pのサイズを検出する。尚、サイズ検出部57は不図示の複数のセンサーで構成されており、具体的には媒体給送方向に沿って間隔を空けて配置された複数の光学センサーと、媒体幅方向に沿って間隔を空けて配置された複数の光学センサーとを備えて構成されている。サイズ検出部57を構成する光学センサーは、原稿Pが載置されることで覆われると、検出信号が変化する。制御部50は、各光学センサーの検出信号の組み合わせをもとにして、給送トレイ20に載置された原稿Pのサイズを検出する。
第1原稿検出部58、重送検出部59、第2原稿検出部60、のこれら検出手段の位置は、例えば図4に示されている。図4に示される様に、第1原稿検出部58は給送ローラー22及び分離ローラー23の下流近傍に設けられている。第1原稿検出部58は光学センサーで構成され、制御部50は第1原稿検出部58の検出信号の変化に基づき原稿P先端及び後端の通過を検知する。
重送検出部59は、第1原稿検出部58の下流近傍に設けられている。重送検出部59は、原稿給送経路を挟んで対向配置される不図示の超音波発信部及び超音波受信部を備えて成り、超音波受信部が制御部50に対し検出した超音波の強度を示す電気信号を送信する。原稿Pの重送が生じたり、原稿Pの厚みが変化すると、前記超音波の強度を示す電気信号が変化し、これにより制御部50は、原稿Pの重送の有無や、原稿Pの厚みを検知できる。
第2原稿検出部60はレジストローラー対35の上流近傍に設けられている。第2原稿検出部60は光学センサーで構成され、制御部50は第2原稿検出部60の検出信号の変化に基づき原稿P先端及び後端の通過を検知する。
基準位置検出部61は、支持部材27が最も上の位置(図4の2点鎖線および符号27_1)即ち基準姿勢にあることを検知する為のセンサーであり、制御部50は基準位置検出部61の検出信号の変化に基づき支持部材27が基準姿勢にあるか、或いは基準姿勢以外の姿勢にあるかを検知できる。
支持部材27には図6に示す様に被検出部27aが設けられており、支持部材27が基準状態にあるとき、図6に示す様に被検出部27aが基準位置検出部61の検出光の光軸を遮る状態となり、これにより制御部50は支持部材27が基準姿勢にあることを検知できる。
エンコーダー62は、第4モーター66の回転を検出するセンサーであり、図6に示す様に第4モーター66に直結されている。制御部50は、エンコーダー62から受信するパルス信号をもとに、第4モーター66の回転量及び回転方向を検出でき、即ち支持部材27の揺動量及び姿勢を検出できる。
続いて図3に戻り、制御部50は、CPU51、ROM53、メモリ54を備えている。CPU51はROM53に格納されたプログラム52に従って各種演算処理を行い、スキャナー10全体の動作を制御する。記憶部の一例であるメモリ54は読み出し及び書き込みが可能な不揮発性メモリであり、各種制御に必要なデータ類がメモリ54に記憶されている。また、必要に応じて制御部50が所定のデータをメモリ54に書き込む。
またスキャナー10は外部コンピュータ100と接続可能に構成されており、制御部50には、外部コンピュータ100から情報が入力される。制御部50は、外部コンピュータ100から送信された情報に基づき必要な制御を行う。
続いて、図4以降を参照しつつ、原稿Pの給送制御、特に支持部材27の制御について説明する。
先ず、図6及び図7を参照して、ピックローラー21を駆動させる機構及び支持部材27を揺動させる機構について説明する。
支持部材27の揺動軸である軸28の軸端には歯車67が設けられており、第1モーター63(図3)の駆動力が不図示の歯車群を介して歯車67に伝達され、軸28が回転する。
軸28には歯車68が設けられており、この歯車68から歯車群69を介してピックローラー21と同軸に設けられた歯車70に駆動力が伝達され、ピックローラー21が駆動される。歯車群69及び歯車70は、支持部材27に設けられる。
なお、軸28は、歯車67が設けられた側と反対側の端部が、軸受け部材74により支持される。
軸28にはトルクリミッター73が設けられており、軸28の回転トルクがトルクリミッター73を介して支持部材27に伝達される。従って第1モーター63の回転によって歯車67が矢印CW方向に回転すると、支持部材27も同方向に揺動し、ピックローラー21が下がり、原稿Pに向けて進出する。即ち、支持部材27が離間姿勢或いは基準姿勢から給送姿勢に切り替わる。
ピックローラー21が原稿Pに接すると、トルクリミッター73の作用によって、軸28は支持部材27に対し空転することができる。
本実施形態ではトルクリミッター73が軸28から支持部材27へのトルク伝達経路の最も上流に設けられており、即ち軸28に直接設けられているので、トルクばらつきを抑制でき、ピックローラー21が原稿Pに接する際の荷重が安定する。
軸28には給送ローラー22が設けられており、歯車67及び軸28が矢印CW方向に回転すると、給送ローラー22及びピックローラー21は図4の時計回り方向に回転し、原稿Pを下流に送る。尚、軸28と給送ローラー22との間には不図示のワンウェイクラッチが設けられており、軸28が停止していても、給送ローラー22は図4の時計回り方向に空転できる様に構成されている。
一方、支持部材27には歯車部27bが形成されており、この歯車部27bには歯車83が噛合していて、歯車83が回転することにより支持部材27が給送姿勢から離間姿勢或いは基準姿勢に切り換わる。
歯車83は軸82に設けられており、軸82において歯車83が設けられた側とは反対側の端部に歯車81が設けられていて、第4モーター66の動力が動力伝達機構76を介して歯車81に伝達される。動力伝達機構76は、ベルト78、プーリー77a、歯車77b、複合歯車79、歯車80、のこれらを備えて構成されている。プーリー77aと歯車77bは一体的に構成されている。
以上の構成により、軸82が矢印CW方向に回転する様に第4モーター66が回転すると、支持部材27は給送姿勢から離間姿勢或いは基準姿勢に切り換わる。
歯車81には、不図示のワンウェイクラッチが設けられており、歯車81が停止した状態で軸82が矢印CW方向に空転できる様に構成されている。これによりユーザーは紙ジャム処理を行う際に、支持部材27を第4モーター66側からのトルクを受けずに容易に上昇させることができ、ジャム処理性が容易となる。
以上の構成を踏まえ、主として図8を参照しつつ給送制御について説明する。
原稿Pの読み取りジョブが開始される前は、基準位置検出部61の出力信号はONの状態にあり、即ち支持部材27は基準姿勢をとっており(図4の符号27_1)、ピックローラー21が原稿Pから最も離間した位置にある(図4の符号21_1)。また、各モーターは全てOFFとなっていて、各原稿検出部の検出信号もOFF即ち未検出状態を示している。
尚、以下では複数備えるモーターのうち第1モーター63及び第4モーター66の制御について説明し、第2モーター64及び第3モーターの制御については説明を省略する。
この状態から原稿Pの読み取り開始指示を受けると、制御部50は第4モーター66をCCW方向に回転させる(タイミングT1)。ここで第4モーター66のCCW方向の回転は、軸82を図6の矢印CCW方向に回転させる方向であるが、歯車81には不図示のワンウェイクラッチが組み込まれているため、実際には軸82は第4モーター66の駆動トルクによっては回転しない。しかしながら、この第4モーター66のCCW方向への回転により、歯車81に組み込まれたワンウェイクラッチの動きがスムースになり、ワンウェイクラッチの機能が発揮され易い状態となる。
次いで制御部50は、第1モーター63を駆動して歯車67即ち軸28を図6の矢印CW方向に回転させる(タイミングT2)。これにより、支持部材27は基準姿勢から給送姿勢に切り換わり(図4の符号27_2)、ピックローラー21が原稿Pに接触する(図4の符号21_2)。
ピックローラー21が原稿Pに接触した状態で回転すると、やがて原稿Pの先端が第1原稿検出部58に到達する(タイミングT3)。原稿Pの先端が第1原稿検出部58に到達したということは、原稿Pが給送ローラー22と分離ローラー23とにニップされたことを意味するから、ピックローラー21を原稿Pから離間させるべく第4モーター66をCW方向への回転に切り換え(タイミングT4)、軸82を図6の矢印CW方向に回転させて、ピックローラー21を原稿Pから離間させる。
尚、第1モーター63の駆動開始(タイミングT2)ら所定の回転量、第1モーター63を回転させても第1原稿検出部58が原稿先端を検出しない場合には、制御部50はジャムが発生したと判断して第1モーター63を停止させ、アラートを出す。
ここで第4モーター66のCW方向の回転は、図8の例ではタイミングT4からタイミングT5まで継続される。
このタイミングT4からタイミングT5の間隔は、ピックローラー21の上昇量に相当し、また支持部材27の揺動量を意味する。
ここで、本実施形態においては、給送姿勢にある支持部材27を、ピックローラー21が原稿Pから最も離間する基準姿勢(図5の符号27_1)まで戻すのではなく、途中の離間姿勢で停止させる(図5の符号27_3)。支持部材27が離間姿勢にある際のピックローラー21(図5の符号21_3)と原稿Pとの間隔Dは、支持部材27が基準姿勢にある際のピックローラー21と原稿Pとの間隔より狭くなる。
これにより、次に支持部材27が給送姿勢に切り換わる際の時間を短縮でき、スループットの向上を図ることができる。
ここで、タイミングT4とタイミングT5との間隔は、支持部材27が給送姿勢から離間姿勢に切り換わる際の支持部材27の揺動量に対応する。勿論、タイミングT4とタイミングT5との間における支持部材27の揺動量は第4モーター66の回転速度にも影響される。
支持部材27の揺動量、即ち第4モーター66の回転量は、図6に示したエンコーダー62で管理することができる。
本実施形態では、支持部材27を給送姿勢から離間姿勢に切り替える際の支持部材27の揺動量、つまりピックローラー21の上昇量(図5において間隔D)は、給送条件に応じて調整されるが、これについては後に説明する。
但し、原稿Pの積載量が多い場合には、支持部材27が規定量揺動するまえに、基準姿勢(図5において符号27_1)にまで戻ってしまう場合がある。この様な場合、基準位置検出部61の検出信号は、図8のタイミングT4のあとの早い段階でOFFからONに切り換わる。つまり、支持部材27の離間姿勢におけるピックローラー21と給送トレイ20の底面との間隔は、概ね給送トレイ20における原稿積載高さが低くなるに従って狭くなると言えるが、給送トレイ20における原稿積載高さが低くなると必ず前記間隔が狭くなる訳ではなく、給送トレイ20における積載高さが低くなっても前記積載高さが或る程度低くなるまでは、支持部材27の離間姿勢におけるピックローラー21と給送トレイ20の底面との間隔は一定を維持する。
図8は、支持部材27が規定量揺動できる程度に原稿Pの積載量が少なめであることを前提とするので、基準位置検出部61の検出信号はタイミングT2でONからOFFに切り換わったあとは、OFFのままとなる。
次いで、原稿Pの給送が継続されると、原稿Pの先端が第2原稿検出部60に到達する(タイミングT6)。原稿Pの先端が第2原稿検出部60に到達したということは、原稿Pが加速ローラー対26にニップされ、且つ間もなくレジストローラー対35にもニップされることを意味するから、給送ローラー22の駆動を停止するべく第1モーター63を停止させる(タイミングT7)。
以上の制御を、全ての原稿Pの給送が完了するまで繰り返し、全ての原稿Pの給送が完了したら、第4モーター66をCW方向に回転させて、支持部材27を基準姿勢に戻す。
以下、図9を参照しつつ支持部材27の動作の観点で給送制御を説明する。給送制御が開始されると、支持部材27は給送姿勢に切り換えられる(ステップS101)。第1原稿検出部58によって原稿先端を検出すると(ステップS102においてYes)、支持部材27は離間姿勢に切り換えられる(ステップS102)。
その後、第1原稿検出部58によって原稿後端を検出すると(ステップS104においてYes)、後続の原稿Pがある場合には(ステップS105においてYes)、ステップS101に戻り、後続の原稿Pがない場合には(ステップS105においてNo)、支持部材27は基準姿勢に切り換えられる(ステップS106)。
続いて、図10を参照しつつ、支持部材27の離間姿勢におけるピックローラー21と原稿Pとの間隔D(図5)の設定について説明する。尚、図10は説明の便宜上、給送トレイ20の原稿載置面が水平に沿ったものとして模式的に描いている。
間隔Dは、給送条件に応じて調整することができ、給送条件の一例として給送トレイ20上の原稿積載高さを採用することができる。
ピックローラー21により送り出される原稿Pは、先端が経路部材上の斜面19に接しながら給送ローラー22に向かって進む。ここで剛性が高く撓まない原稿Pを前提にすれば、位置Q1と位置Q2を結ぶ直線J1と、原稿束との間隔M1が、ピックローラー21の必要最低上昇量となる。実際には、原稿Pは或る程度の可撓性を有しており下側に撓むので、支持部材27の離間姿勢における間隔D=M1に設定することで、ピックローラー21が給送中の原稿Pに接触することをほぼ確実に回避できる。
尚、位置Q1は原稿Pの先端が給送ローラー22に向かう経路途中で経路部材が最も突出している部分であり、位置Q2は原稿束上面の最上流位置である。位置Q1は、構成によっては経路部材上の位置ではなく、分離ローラー23の外周面や、給送ローラー22と分離ローラー23とのニップ位置である場合もあり得る。
間隔M1は、以下の式(1)で求めることができる。
M1=(a-b)×L2/(L1+L2)・・・(1)
ここで、aは位置Q1の高さ、bは原稿Pの積載高さ、L1は位置Q1とピックローラー21の回転中心との距離、L2はピックローラー21の回転中心と原稿束後端との距離である。尚、L2は[原稿長さ-L3]で求めることができ、L3はピックローラー21の回転中心と原稿束先端との距離である。原稿束先端位置と後端位置は、給送トレイ22の構成により定まるものである。
ピックローラー21の回転中心は、実際には支持部材27が揺動するので多少の水平方向のずれは生じるが、そのずれは軽微であるので無視しても良いし、都度計算で求めても良い。
また原稿長さは、1枚目の原稿Pを給送した際に第1原稿検出部58等の原稿検出手段を利用して取得した情報を用いても良いし、ドライバ情報で原稿長さが設定されている場合にはその情報を用いても良い。
また、原稿長さが最も長いときに給送中の原稿Pが最も高い位置に位置し、即ち間隔M1が最大値をとるので、給送トレイ20に載置可能なサイズの原稿Pのうち長さが最も長い原稿Pを基準にして図10のM1を求め、これを間隔Dとして設定すれば、どの様なサイズの原稿Pであってもピックローラー21と給送中の原稿Pとの接触を回避することができる。
また、間隔Dは、常に上記最大値を利用しても良いし、原稿給送開始後の1枚目のみ前記最大値を用い、2枚目以降は1枚目の原稿Pを給送した際に第1原稿検出部58等の原稿検出手段を利用して取得した情報を用いても良い。尚、原稿Pの最大長さは、給送トレイ20の構成で定まるものである。
また、原稿Pの積載高さbは、基準位置検出部61(図3)と、エンコーダー62(図3)の検出信号から求めることができる。即ち、基準位置検出部61がONの状態(例えば図7のタイミングT1)を基準にして、エンコーダー62から出力されるパルス数をカウントすれば、支持部材27の姿勢を検出することができ、ひいてはピックローラー21が原稿束に接触したことを検出でき、その結果として原稿Pの積載高さbを求めることができる。
尚、基準位置検出部61を用いずに、第4モーター66の駆動電流値を監視することで、支持部材27の基準姿勢を検知することもできる。即ち、支持部材27の上昇限度位置を規定する当接部材を設け、支持部材27が当接部材に当接した際に基準姿勢をとるように構成し、そして支持部材27が当接部材に当接した際の第4モーター66の駆動電流値上昇を検知することで、支持部材27の基準姿勢を検知することもできる。
尚、直線J1と原稿Pの面とのなす角度θが、原稿積載高さが低くなるほど大きくなるため、直線J1と原稿Pとの間隔M1も拡がる性質がある。従って原稿Pの積載高さが最大のときに、間隔D(=M1)が最も狭くなり、その状態から原稿の積載高さが低くなるに連れて、間隔D(=M1)が広くなっていくことになる。
尚、上記計算式(1)による間隔M1の算出は、原稿Pを1枚給送する毎に行うことが好ましいが、これに限られず複数枚給送する毎に算出しても良い。
従って原稿積載高さが低くなると間隔Dが必ず低くなるという形態に限られず、原稿積載高さが低くなっても原稿積載高さの減少量が所定量に達するまでは間隔Dが一定に維持される形態であっても良い。
以上の通り本実施形態によれば、装置の制御手段である制御部50は、支持部材27の離間姿勢におけるピックローラー21と原稿Pとの間隔を、給送条件に応じて調整するので、スループットのより一層の向上を図ることができる。
尚、離間姿勢におけるピックローラー21と原稿Pとの間隔を狭くできるということは、ピックローラー21が原稿Pに当接する際の衝撃音を抑制でき、また、ピックローラー21のバウンドも抑制できるので、原稿Pに対するピックローラー21の空転を抑制してスループットが安定するというメリットもある。
尚、上記実施形態では、支持部材27は給送姿勢、離間姿勢、基準姿勢、の3つの姿勢を取りうるが、基準姿勢は省略しても良い。
また制御部50は、給送ローラー22の下流に設けられた第1原稿検出部58から得られる情報をもとに原稿Pの先端が第1原稿検出部58の位置を通過したことを検出すると、支持部材27を給送姿勢から離間姿勢に切り換えるので、原稿Pが給送ローラー22とピックローラー21の双方から送り力を受ける期間を最小限にでき、給送ローラー22とピックローラー21との間における原稿Pの撓みを抑制でき、原稿Pのジャムを抑制できる。加えて、給送される原稿Pに連れられて下流側に送り出される原稿P即ち重送原稿の進行を抑制することができる。
また本実施形態では、ピックローラー21と給送ローラー22との間に、原稿載置部20から送り出される原稿Pの先端が接する斜面19を備え、ピックローラー21により原稿載置部20から送り出された最上位の原稿Pと斜面19との間に空間G(図10)が形成される。この構成においては、原稿載置部20から送り出された最上位の原稿Pに連れられて送り出される次位の原稿P即ち重送原稿Pが空間Gでジャムになり易いが、上述の通り原稿Pがピックローラー21から送り力を受ける期間を最小限にできるので、前記ジャムを抑制できる。
また本実施形態では、制御部50は、原稿載置部20からの原稿Pの送り出しを全て終えると、支持部材27を基準姿勢に切り換えるので、原稿載置部20に原稿Pを載置する際にピックローラー21が邪魔になり難く、ユーザーの取り扱い性が向上する。
また、支持部材27の離間姿勢における間隔Dを給送条件に応じて調整するに際し、給送条件は、原稿載置部20における原稿Pの積載高さを含み、制御部50は、積載高さが低くなるに従って、間隔Dを大きくするので、原稿Pの積載高さに応じた適切な位置にピックローラー21を位置決めすることができる。つまり、給送中の原稿Pへのピックローラー21の接触防止と、ピックローラー21の必要最小限の上昇つまりスループット向上と、の両立を図ることができる。
尚、上記の計算式(1)は、以下の式(2)のように変形することもできる。
M1=[(a-b)×L2/(L1+L2)]-β・・・(2)
ここで、βは原稿Pの厚みに応じた変数であり、原稿Pの厚みが薄い、つまり剛性が低いほど小さい値となる。
即ち、上記の計算式(1)は、図10の直線J1をもとに間隔M1を求める式であり、剛性が高く殆ど撓まない原稿Pを基準にしたものであるが、実際には原稿Pは可撓性を有しており、特に薄手の原稿Pの場合は下に大きく撓むので、間隔M1はもっと狭めることができる。つまり原稿Pの剛性が低くなると、給送中の原稿Pは、相対的に剛性の高い原稿Pに比べて低い位置に位置するため、間隔M1を狭めることができる
間隔M1を狭めることができれば、支持部材27が離間姿勢から給送姿勢に切り換わる際の時間をより短縮でき、より一層スループットの向上を図ることができる。
変数βは、原稿Pの厚みに応じた値として予めメモリ等に保持されている。そして原稿Pの厚みは、ドライバ情報で原稿種類が設定されている場合にはその情報を用いて取得しても良いし、エンコーダー62(図3)の出力パルスをもとにして都度求めても良い。原稿Pを所定枚数給送した際の給送支持部材27の揺動量は、原稿厚に応じて変化するからである。
また、給送制御中における支持部材27の揺動動作は、図9のステップS101、S103、S106に示されるが、この支持部材27の揺動動作中にユーザーがピックローラー21等に触れると、ローラー表面の摩擦係数が下がったり、駆動機構に破損を招いたりする虞がある。そこで、支持部材27が揺動動作する際に第1モーター63の駆動電流値を監視し、駆動電流値が上昇した場合に、第1モーター63を停止させるようにすることも好適である。
更に本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…複合機、2…記録ユニット、3…用紙収容カセット、4…記録部、5…排出トレイ、6…操作部、7…排出部、10…スキャナー、11…スキャナー本体、12…媒体給送装置、14…原稿台、16…読取部、17…媒体送り出し機構、18…上側読取部、
19…斜面、20…給送トレイ、21…ピックローラー、22…給送ローラー、23…分離ローラー、24…加速駆動ローラー、25…加速従動ローラー、26…加速ローラー対、27…支持部材、28…軸、35…レジストローラー対、36…搬送ローラー対、37…搬送ローラー対、38…排出ローラー対、39…排出トレイ、40、41…媒体ガイド部材、42…受け入れ部、43、44…押圧部材、45…ばね、50…制御部、51…CPU、52…プログラム、53…ROM、54…メモリ、57…サイズ検出部、58…第1原稿検出部、59…重送検出部、60…第2原稿検出部、61…基準位置検出部、62…エンコーダー、63…第1モーター、64…第2モーター、65…第3モーター、66…第4モーター、67…歯車、68…歯車、69…歯車群、70…歯車、73…トルクリミッター、74…軸受け部材、76…歯車群、77a、77b…歯車、78…ベルト、79…複合歯車、80…歯車、81…歯車、82…軸、83…歯車、100…外部コンピュータ、P…原稿

Claims (8)

  1. 媒体を載置する媒体載置部と、
    前記媒体載置部に載置された媒体に対し上方から接して媒体を下流へ送り出す送り出しローラーと、
    前記送り出しローラーを支持するとともに揺動軸を中心に揺動することにより、前記送り出しローラーを媒体に接触させる給送姿勢と、前記送り出しローラーを媒体から離間させる離間姿勢とを切り換える支持部材と、
    前記支持部材の姿勢を制御する制御手段と、を備え、
    前記支持部材は、前記制御手段により制御される支持部材駆動モーターから動力を得て前記給送姿勢から前記離間姿勢に切り換わる構成であり、
    前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと前記媒体載置部との間隔を、前記媒体載置部における媒体の積載高さが低くなるに従って狭くするとともに、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、給送条件に応じて調整し、
    前記給送条件は、前記媒体載置部における媒体の積載高さを含み、
    前記制御手段は、前記積載高さが低くなるに従って、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を広くする、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  2. 請求項1に記載の媒体給送装置において、前記支持部材は、前記送り出しローラーと媒体との間隔を最も広くする基準姿勢を取り得る、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  3. 請求項2に記載の媒体給送装置において、前記送り出しローラーの下流に設けられ、媒体を分離する分離ローラーと、
    前記分離ローラーと接するとともにローラー駆動モーターから動力を受けて回転することにより媒体を下流に送る給送ローラーと、
    前記給送ローラーの下流に設けられ、媒体の先端及び後端の通過を検出する為の第1センサーと、を備え、
    前記制御手段は、前記第1センサーから得られる情報をもとに媒体の先端が前記第1センサーの位置を通過したことを検出すると、前記支持部材を前記給送姿勢から前記離間姿勢に切り換える、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  4. 請求項3に記載の媒体給送装置において、前記送り出しローラーと前記給送ローラーとの間に位置し、前記媒体載置部から送り出される媒体の先端が接する斜面を備え、
    前記送り出しローラーにより前記媒体載置部から送り出された最上位の媒体と前記斜面との間に空間が形成される、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、前記制御手段は、前記媒体載置部からの媒体の送り出しを全て終えると、前記支持部材を前記基準姿勢に切り換える、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔として、前記媒体載置部に載置可能なサイズの媒体のうち長さが最も長い媒体を基準に得られる間隔を採用する、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  7. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の媒体給送装置において、前記制御手段は、前記離間姿勢における前記送り出しローラーと媒体との間隔を、媒体の剛性が低いほど狭くする、
    ことを特徴とする媒体給送装置。
  8. 媒体を読み取る読み取り手段と、
    前記読み取り手段による媒体の読み取り位置に向けて媒体を給送する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の前記媒体給送装置と、
    を備えた画像読取装置。
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