JP2022075915A - シール部材用組成物およびシール部材 - Google Patents

シール部材用組成物およびシール部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、高い耐エタノール性を有するシール部材に用いられるシール部材用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の第一の態様は、シール部材用組成物である。当該シール部材用組成物は、 末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、前記ウレタンプレポリマーが、ポリカーボネートジオール(PCD)とポリプロピレングリコール(PPG)を併用して得られたものであり、PCD/PPGのモル比が0.5以上である。【選択図】 なし

Description

本発明は、弾性変形可能な基体と、その基体の表面の少なくとも一部に作製された皮膜とを備えたシール部材およびシール部材用組成物に関する。
建築、土木、エレクトロニクス、自動車等において、各部材間の隙間にシール部材を圧縮した状態で充填することにより、止水、断熱、吸音等の処理が行われている。このようなシール部材としては、合成樹脂発泡体、ゴム発泡体等が一般的に用いられている。発泡体は、適度な弾性力を有することから、被シール部材の表面の凹凸に追従密着することができ、優れたシール性を発揮する。また、更なるシール性を担保するべく、下記特許文献に記載されているように、合成樹脂発泡体、ゴム発泡体等の弾性変形可能な基体の表面の少なくとも一部に皮膜が形成されたシール部材の開発が進められている。
特許4602280号公報 特許5746622号公報 特開2006-83236号公報 特開2017-197678号公報
ここで、特に、自動車のランプ回りのガスケットは、ランプ内のゴミや水の侵入を防ぐ目的に使用されている。この際、自動車用途で使われるウォッシャー液や解氷スプレーの中には溶媒としてアルコール類(エタノール等)が使われている。しかしながら、従来のガスケットには耐エタノール性が不十分である、という課題があることが判明した。具体的には、ウォッシャー液や解氷スプレー等を使用した際にランプの隙間よりシール部材に触れると被膜が膨潤して剥離が起き、そこから漏水が発生する可能性が考えられる。
そこで、本発明は、高い耐エタノール性を有するシール部材およびシール部材用組成物を提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、シール部材用組成物である。当該シール部材用組成物は、末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、
前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、
前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、
前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、
前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、
前記ウレタンプレポリマーが、ポリカーボネートジオール(PCD)とポリプロピレングリコール(PPG)を併用して得られたものであり、
PCD/PPGのモル比が0.5以上であることを特徴とする。
本発明の第二の態様は、シール部材用組成物である。当該シール部材用組成物は、
末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、
前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、
前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、
前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、
前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、
前記ウレタンプレポリマーが、ポリオールとしてポリエステル結合を有するポリオールのみを用いて得られたものであることを特徴とする。
本発明の第三の態様は、シール部材用組成物である。当該シール部材用組成物は、
末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって
前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、
前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、
前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、
前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、
下記止水性評価により得られる、水漏れが生じる圧力が10kPa以上であることを特徴とする。
(止水性評価)
常温・常圧の環境下でエタノールに30分浸漬させた被膜形成用組成物を基体の両面に皮膜を形成したシール部材を外径60mm、内径40mm、厚み5mmの環状に加工し、試験サンプルを用意する。当該試験サンプルを、塗装鋼板(厚みが1mmの高張力鋼の表面に、ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂塗料(関西ペイント社製ネオアミラック6000)で塗装・乾燥したもの)に接触させて設置する。試験サンプルの周辺に、厚み2.5mmのスペーサを設置し、試験サンプルの上からアクリル板を用いて、圧縮率が50%となるように圧縮してアクリル板を固定する。試験サンプル設置後、24時間静置し、評価を開始する。環状の試験サンプルの内円部に蒸留水を満たしたのち、空気を供給し、5kPaの静圧をかける。この状態を5分間保持し、水漏れがなければ、さらに空気を供給して、5kPaを加え、10kPaとし5分間保持する。この作業を水漏れが生じるまで繰り返し、水漏れの生じる圧力を測定する。
本発明の第四の態様は、シール部材である。当該シール部材は、
弾性変形可能な基体と;
末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含む組成物を用いて、前記基体の表面の少なくとも一部に作製された光硬化皮膜と;
を備えたシール部材であって、
前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500以上であり、
下記皮膜の膨潤率評価により得られる、膨潤率が133%以下であることを特徴とする。
(膨潤率評価)
上記組成物を、離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工し、組成物側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させる。得られた皮膜を2cm×4cmサイズに加工し、試験サンプルとする。前記試験サンプルを20±15℃、65±20RH%の環境下でエタノールに浸漬させ、30分放置し皮膜の寸法変化を確認し、試験サンプルの面積変化を膨潤率とする。当該面積変化は、各辺の長さを測定し、四角形の面積として計算したのち、試験前の面積(2cm×4cm)で除し、100倍して得られる。
本発明の第五の態様は、シール部材用組成物である。当該シール部材用組成物は、
末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、
前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500以上であり、
下記皮膜の膨潤率評価により得られる、膨潤率が133%以下であることを特徴とする。
(膨潤率評価)
上記組成物を、離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工し、組成物側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させる。得られた皮膜を2cm×4cmサイズに加工し、試験サンプルとする。前記試験サンプルを20±15℃、65±20RH%の環境下でエタノールに浸漬させ、30分放置し皮膜の寸法変化を確認し、試験サンプルの面積変化を膨潤率とする。当該面積変化は、各辺の長さを測定し、四角形の面積として計算したのち、試験前の面積(2cm×4cm)で除し、100倍して得られる。
本発明によれば、高密着性を担保しつつ、高い耐エタノール性を有するシール部材を提供することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るシール部材の製造例の概要を示した図である。 図2は、本実施例での耐エタノール性試験後の試験サンプルを示した写真である。 図3は、本実施例での止水性評価の評価方法を示した図である。
≪シール部材≫
本発明に係るシール部材は、弾性変形可能な独立気泡からなる基体と;光反応性基を有するウレタンプレポリマーと、チオール基を有するポリチオールと、を含む組成物を用いて、前記基体の表面の少なくとも一部に作製された皮膜と;を備えている。以下、まず、各構成要素を説明する。
(基体)
弾性変形可能な基体として、例えば、発泡体、具体的には、ゴム発泡体、合成樹脂発泡体等が挙げられる。例えば、ゴムスポンジ、ポリウレタン発泡体、ポリオレフィン発泡体等が挙げられる。発泡体の気泡膜が破損もしくは貫通し、連通状態となっている発泡体(連続気泡発泡体)を基体とした場合でも、部材間で圧縮されて使用されることで止水効果を奏するが、用途によっては止水性が十分でない場合がある。従って、基体は独立気泡からなる発泡体(独立気泡発泡体)であることが好ましい(独立気泡発泡体としては、一部の気泡が連通状態となっていてもよい)。なお、基体としては、特に独立気泡発泡体からなるゴムスポンジ、ポリオレフィン発泡体が好ましい。ここで、「弾性変形可能」な基体とは、一般的な弾性的性質を有する基体を指し、詳細には、外力が加えられた際に変形可能であり、かつ、外部応力が除荷された際に元の寸法に戻ろうとする弾性が働く基体を指す。なお、弾性の度合い(さらには、密度や硬度等)は用途等に応じて変更すればよい。また、基体の表面には、プライマー処理等の表面処理が施されていてもよい。
なお、基体の形状は、寸法等も含めて特に限定されない。例えば、シート状とすることが挙げられるが、立体状(曲面状や柱状、筒状等)としてもよく、用途や適用対象に応じて所望の形状とすればよい。
(皮膜)
・構造
皮膜は、前記基体の表面の少なくとも一部に形成されている。また、前記基体の片面及び両面のいずれに形成されていてもよい。
より詳細には、当該皮膜は、前記基体の、少なくとも一方の表面の一部及びその反対の面の一部に直接(密着して)形成されている。本シール部材は、シール部材の使用時において、被シール部材の間で挟まれ加圧される際に、シール部材と被シール部材との接触箇所の一部又は全部に皮膜が位置されることを想定している。本シール部材によれば、このような使用方法(例えば、ガスケット等)を想定した際、前述の皮膜を採用することで、皮膜と被シール部材との追従密着性をより高め、止水性を向上させることを可能としている。なお、このような観点からは、基体の全面に皮膜を設ける態様等も考えられる。
基体上の皮膜の形成箇所として、「基体の一方の表面の少なくとも一部及びその反対の面の少なくとも一部」とは、前述のように、本シール部材と被シール部材との接触箇所となる基体上の一部(又は全部)が想定されている。従って、例えば、皮膜の形成箇所としては、基体がシート状の場合には、基体の表面の一部及び裏面の一部を示すが、基体が柱状の場合には、基体のある面の一部とその裏側の面の一部(円柱状等の場合、ある母線上の一部を含む箇所と、その反対側に位置する母線上の一部を含む箇所等)であってもよいし、基体が筒状等の場合(かつ、筒の内側面及び外側面から被シート部で挟む用途とする場合)には、基体の内側面の一部及び外側面の一部であってもよい。
なお、皮膜の厚みとしては、用途等に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、10~500μm等とすればよい。
≪シール部材の製造方法≫
<原料成分>
まず、シール部材を製造する際に使用される皮膜形成用組成物における各原料成分を詳述する。
(原料成分/ウレタンプレポリマー)
ウレタンプレポリマーは、末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーである。ここで、光反応性基とは、X線、電子線、紫外線、可視光線等の照射により架橋し得る官能基である。より詳細には、当該ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの反応物に光反応性基含有化合物(前記反応物の末端と反応可能な、前記光反応性基を有する化合物)を反応させて得られたものである。以下、まず、当該ウレタンプレポリマーを製造する際に使用する各種原料を説明する。
・ポリイソシアネート
ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリイソシアネート」は、1つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよい。例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート等が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)等が挙げられる。それら種々のポリイソシアネートのうちの1種又は2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
・ポリオール
ウレタンプレポリマーの合成に用いられる「ポリオール」は、典型的には、1つの分子に2個以上の水酸基を有し、且つ、骨格内にポリエステル骨格を有する化合物である(即ち、ポリエステルポリオール)。ここで、「ポリエステル」には、炭酸エステル結合(-O-CO-O-)からなる骨格、即ち、ポリカーボネート骨格も含む。そして、ポリエステル骨格の中では、このポリカーボネート骨格のものが、耐エタノール性により有効である。
ここで、本発明での「ポリエステル骨格」は、ポリカーボネートが好適である。この際、ポリカーボネートジオールをポリオールとして使用するのが一般的である。ここで、ポリカーボネートジオールは、例えば、ジオール成分とカルボニル化剤とを反応させることによって得ることができる。ポリカーボネートジオールを構成するカルボニル化剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ホスゲン等を挙げることができる。ポリカーボネートジオールのジオール成分としては、脂肪族ジオール、脂環族ジオール等が挙げられ、具体例としては、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジオール等の脂環族ジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール類やビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオールが挙げられる。また、ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により得られるものもある。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上併用して用いることが可能である。多価カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、これらを1種又は2種以上併用して用いることが可能である。さらに、カプロラクトン、メチルバレロラクトン等を開環縮合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。それら種々のポリオールのうちの1種又は2種以上を併用したものを、ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
ここで、ウレタンプレポリマーの原料として、前記のように複数の原料を用いてもよく、特に、ポリカーボネートジオール(PCD)とポリプロピレングリコール(PPG)を併用することが、より優れた耐エタノール性を発揮させるために好適である。この際、PCD/PPGのモル比が0.5以上(上限値は特に限定されないが、例えば10.0)であることが、さらに優れた耐エタノール性と、良好な止水性を発揮させるために最も好適である。
・触媒
ウレタンプレポリマーの合成において、触媒を用いることが好ましい。触媒は、ウレタンプレポリマーの原料として通常に採用されるものであればよく、例えば、アミン系触媒、有機金属系触媒等が挙げられる。アミン系触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン等が挙げられる。有機金属系触媒としては、例えば、スターナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、オクテン酸鉛、オクチル酸カリウム等が挙げられる。それら種々の触媒のうちの1種又は2種以上を併用したものを、上記ウレタンプレポリマーの原料として用いることが可能である。
・光反応性基含有化合物
光反応性基含有化合物は、ポリイソシアネートとポリオールとの反応物の末端と反応可能な、光反応性基を有する化合物である。ここで、「光反応性基」は、エチレン性不飽和結合(-C=C-)である。このような「光反応性基」としては、ビニルエーテル基(CH=CH-O-)やメタアクリレート基(CHCH=CH-COO-)アクリレート基(CH=CH-COO-)やアリルエーテル基(CH=CH-O-CH-)が好適である。また、当該光反応性基を有する第一化合物は、ウレタンプレポリマーの末端(例えば、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基)に付加させることが可能なものであればよく、例えば、2-ヒドロエチルメタクリレート、アリルエーテルグリコール、ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレートなど、が挙げられる。反応活性を高めるために、1官能の活性水素化合物が好ましい。また、光反応性基含有化合物を1種又は2種以上用いてもよい。
さらに、当該ウレタンプレポリマーの重量平均分子量(Mw)は、2,500~70,000であり、好適には3,000~40,000であり、より好適には3,000~20,000である。当該分子量をこの範囲とすることにより、より高い止水性を得ることが可能となる。
当該ウレタンプレポリマーは、(1)ポリイソシアネートとポリオールとの反応物の両端に、「光反応性基」を有するもの、(2)ポリイソシアネートとポリオールとの反応物の両端に、一端に、「光反応性基」を有するもの、が主成分と理解される。
(原料成分/ポリチオール)
ポリチオールは、平均官能基が3官能以上である限り、どのようなポリチオールであってもよい。例えば、ポリチオールとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコールのエステル、脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールを挙げることができる。メルカプトカルボン酸と多価アルコールのエステルにおけるメルカプトカルボン酸としては、チオグリコール酸、メルトカプトプロピオン酸等があり、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。メルカプトカルボン酸と多価アルコールのエステルとして、例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-メルカプトプロピオネート)等を挙げることができる。 脂肪族ポリチオール、芳香族ポリチオールとして、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン-2,4-ジチオール、キシレンジチオール等を挙げることができる。なお、3官能以上のポリチオールを用いる場合には1種でもよいが、2官能のポリチオールを用いる場合には系に存在するポリチオールの平均官能基が3官能以上となるよう4官能以上のポリチオールを併用する。
前記ウレタンプレポリマーと、平均官能基が3官能以上のポリチオールとを混合し、光を照射することで、エンチオール反応によって、基体の表面の少なくとも一部に皮膜を形成することが可能となっている。このようなチオールを使用することで、止水性の高い皮膜を形成することが可能となる。
(原料成分/光重合開始剤)
光反応性基を有するウレタンプレポリマーとチオール基との光重合反応を効果的に行うべく、配合原料に、光重合開始剤を含むことが可能である。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の化合物が挙げられる。アセトフェノン系としては、例えば、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、4-(1-t-ブチルジオキシ-1-メチルエチル)アセトフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オンや2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等が挙げられる。ベンゾフェノン系としては、例えば、4-(1-t-ブチルジオキシ-1-メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラキス(t-ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4′-メチル-ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′-テトラ(t-ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4-ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。また、チオキサントン系としては、例えば、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-(3-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシ)-3,4-ジメチル-9H-チオキサントン-9-オンメソクロリド等が挙げられる。
(原料成分/備考)
以上の原料成分の夫々は、1種使用しても、2種以上使用してもよい。
<配合>
次に、シール部材を製造する際に使用される皮膜形成用組成物における原料成分の配合比等を詳述する。
(配合/チオール-エン比)
皮膜形成用組成物における、ポリチオールとウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、好適には0.65~1.5であり、より好適には0.8~1.2である。チオール-エン比をこの範囲とすることにより、より高い止水性を得ることが可能となる。なお、チオール-エン(二重結合)比は、チオールインデックスとして指標することも可能である。チオールインデックスは、チオール化合物中のチオール基のモル数の二重結合基のモル数に対する比に100を乗じた値であり、50~200である。
(配合/光重合開始剤)
光重合開始剤の含有量は、上記ウレタンプレポリマーの100重量部当たり0.01~5重量部であることが好ましく、さらに言えば、0.1~3重量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量がこのような範囲内であると、光重合開始能力が十分となり、原料の重合が速やかに行われると共に、重合が過度に促進されることもなく、架橋密度が高くなり過ぎたり、架橋構造が不均一に形成されたりすることを防止可能である。
(配合/その他)
皮膜形成用組成物は、上記以外にも、適宜公知の添加剤や希釈剤を含んでいてもよいが、上記ウレタンプレポリマー及び上記チオール基を有するポリチオールが原料(組成物)における主成分であり、より具体的には、これらの合計の配合量が、原料(組成物)に対して90重量%であることが好ましく、95重量%であることがより好ましい。
<プロセス>
次に、前記皮膜形成用組成物の製造方法と、前記基体及び前記皮膜形成用組成物を用いてのシール部材の製造方法と、を詳述する。
(プロセス/皮膜形成用組成物の製造方法)
本皮膜形成用組成物は、上述した原料を上述した配合比にて撹拌混合することにより得られる。
(プロセス/シール部材の製造方法)
図1は、本実施形態に係るシール部材の製造例の概要を示した図である。本シール部材の製造工程としては、基体に皮膜形成用の原料を付着させる付着工程と、付着工程において付着された原料に光を照射し、光重合反応により原料を硬化させる照射工程とを含む限りにおいて何ら限定されない{例えば、洗浄工程、乾燥工程及び加工工程(成形工程)等を含んでいてもよい}。以下、本シール部材の製造方法の一例について説明する。なお、基体については、公知の製造方法(発泡方法や硬化方法)に従って製造可能であるため、説明を省略する。
上述した皮膜形成用組成物(混合原料)を、透過性の良いフィルム等の上に所定の膜厚で塗布する。次に、塗布された混合原料の上に、弾性変形可能な基体の表面が圧着される(付着工程)。この際、液状の混合原料が、基体の表面と適度になじむ。そして、空気の存在下において、塗布された混合原料に、フィルムの下方から光(例えば、紫外線)が照射されることで、混合原料が硬化し、皮膜が形成される(照射工程)。これにより、液状の原料と、基体の表面とが適度になじんだ状態で、原料が硬化することで、基体と皮膜との密着性が向上する。さらに、片面に皮膜が形成された基体の反対の面(皮膜が形成されていない表面)に混合原料を付着させる付着工程を同様に行い、次いで当該混合原料を硬化させる照射工程を同様に行い、基体の両面(表面及び裏面)に皮膜を有するシール部材が形成される。なお、基体の両面に皮膜を形成する方法としてはこれには限定されず、基体の表面の少なくとも一部及び裏面の少なくとも一部に混合原料を付着させ、その混合原料を一度に硬化させる、等としてもよい。
なお、弾性変形可能な基体として、所定の素材の基体、具体的には、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製の基体を採用する場合等には、混合原料への基体の密着面にプライマー処理を行うことで、基体と皮膜との密着性を担保することが可能となる。プライマー処理としては、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理等が挙げられる。
また、混合原料を硬化させる際の光(例えば、紫外線)の照射量は、混合原料を硬化可能な程度であれば限定されないが、例えば、200~1800mJ/cm(365nm積算光量)であることが好ましい。なお、照射時間に関しても、特に限定されず、使用する混合原料や光照射量に応じて適宜変更可能である。
また、フィルムに混合原料を塗布する際には、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の塗布装置等を用いることが好ましい。特に、塗布時の粘性流体の温度調整により、粘性流体の粘度を調整することが可能であることから、ダイコーターを用いることが好ましい。
≪用途≫
本発明に係るシール部材は、建築、土木、エレクトロニクス、自動車等において使用される、各部材間の隙間に充填・圧縮されるシール部材として有用である。特に、高い止水性が求められる、自動車、原動機付自転車及び鉄道車両等の車両ランプ用のシール材(車両用ランプを構成するモジュール部品用であって、ランプと筐体を封止するシール材)として好適である。
≪ウレタンプレポリマーの調製≫
表1に従い、1リットル容量のセパラブルフラスコにポリイソシアネートを入れて、窒素を流しながらポリオールを攪拌しながら滴下した。滴下終了後、温度上昇に注意しながら触媒(DBTDL:ジブチルチンジラウレート 0.3g)を添加した。2時間反応させサンプルリングし、イソシアネート基含有率が、プレポリマーA~E、G、H:3~4%、F:1~2%、I: 6~7%、J:0.8~0.9%、K:0.5~0.6%、L:0.35~0.45%、M:0.25~0.35%、N:12.5~13.5%であることを確認した。なお、イソシアネート含有率は、JIS Z1603-1:2007に基づく方法(ポリウレタン原料芳香族イソシアネート試験方法)に準拠して測定した。次に、ビニルエーテル又はメタクリレートを滴下し2時間反応させた。反応後サンプルリングし、イソシアネート基含有率が0.1%以下になっていることを確認した。イソシアネート基含有率が0.1%以下の場合、反応完了とし生成物をウレタンプレポリマーとする。下記にプレポリマーの調製に用いられた原料を示す。
ポリオールa:ポリエステルポリオール、商品名:CA4020(Mw:2000)、CHANDA CHEMICAL
ポリオールb:ポリカーボネートジオール(PCD)、商品名:UP200(Mw:2000)、宇部興産(株)
ポリオールc:ポリカーボネートジオール(PCD)、商品名:UP100(Mw:1000)、宇部興産(株)
ポリオールd:ポリカーボネートジオール(PCD)、商品名:UP50(Mw:500)、宇部興産(株)
ポリオールe:ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:アクトコールD1000(Mw:1000)、三井化学(株)
ポリオールf:ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:プレミノールS4012(Mw:12000)、旭硝子(株)
ポリオールg:ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:プレミノールS4318(Mw:18000)、旭硝子(株)
ポリオールh:ポリプロピレングリコール(PPG)、商品名:サンニックスPP-200(Mw:200)、三洋化成(株)
ポリイソシアネート:TDI、商品名:ルプラネートT-80(Mw: 174.2) BASF
ビニルエーテル:ヒドロキシブチルビニルエーテル(Mw:116.2)、日本カーバイド(株)
メタクリレート:2-ヒドロキシエチルメタクリレート(Mw:130.1)、(株)日本触媒
Figure 2022075915000001
≪皮膜形成用組成物の調製≫
表2及び表3に従い、ウレタンプレポリマー及びポリチオールを、80℃で5分間混合し、皮膜形成用組成物を得た。下記に皮膜形成用組成物の原料を示した。
チオールA:トリメチロールプロパントリス 商品名:TMMP(Mw:398.5)、 SC有機化学(株)
チオールB:ペンタエリスリトールテトラキス、商品名:PEMP(Mw:488.6)、 SC有機化学(株)
チオールC:ジペンタエリスリトールヘキサキス、商品名:DPMP(Mw:783.0)、SC有機化学(株)
チオールD:ブタンジオールビスチオプロピオネート、商品名:BDTP(Mw:266.4)、淀化学(株)
≪シール材の作製≫
前記調製された皮膜形成用組成物を、離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工した。次に、塗工された皮膜形成用組成物と、厚みが4.8mmの天然ゴム/スチレンブタジエンゴムブレンド系の発泡ゴムであるN-148(イノアックコーポレーション社製)とを貼り合わせ、塗工された皮膜形成用組成物をPETフィルム側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させ、片面皮膜の発泡ゴムシートを得た。
続いて、前記調製された皮膜形成用組成物を、別に準備された離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工した。塗工した皮膜形成用組成物と前記片側皮膜の発泡ゴムシートの発泡ゴム表面とを、貼り合わせ、さらに貼り合わせた皮膜形成用組成物にPETフィルム側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させ、厚み(PETフィルムを除く)が5mmの両面皮膜の発泡ゴムシートのシール材を得た。
≪測定方法≫
<耐エタノール性>
各実施例及び比較例のシール材を2cm×4cmサイズに加工し、試験サンプルとした。前記試験サンプルを、常温・常圧の環境下でエタノールに浸漬させ、30分放置し皮膜の浮き剥がれを確認した。ここで常温・常圧とは、JIS Z8703-1983の規定に従った。具体的には、20±15℃、65±20RH%とした。
図2に示したように、皮膜が基体である発泡ゴムから完全に剥離したものは×、剥離はないがシワが発生したものは△、変化がないものは〇とした。
<膨潤率の評価>
各実施例及び比較例の皮膜形成用組成物を、離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工し、皮膜形成用組成物側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させた。得られた皮膜を2cm×4cmサイズに加工し、試験サンプルとした。前記試験サンプルを常温・常圧の環境下でエタノールに浸漬させ、30分放置し皮膜の寸法変化を確認した。試験サンプルの面積変化を膨潤率とした。ここで常温・常圧とは、JIS Z8703-1983の規定に従った。具体的には、20±15℃、65±20RH%とした。面積変化は、各辺の長さを測定し、四角形の面積として計算したのち、試験前の面積(2cm×4cm)で除し、100倍した。従って、100%は、試験前後での変化がない結果となり、数値が大きいほど膨潤していることになる。
<止水性評価>
止水性評価は、各実施例及び比較例のシール材について、膨潤性評価と同じ条件で、エタノールに浸漬した試験サンプルを準備し、エタノールへの浸漬の有無の各試験サンプルについて評価した。
各試験サンプルは、外径60mm、内径40mm、厚み5mmの環状に加工した。試験サンプルを、塗装鋼板に接触させて図3のように設置した。
塗装鋼板は、厚みが1mmの高張力鋼の表面に、ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂塗料(関西ペイント社製ネオアミラック6000)で塗装・乾燥したものを準備した。
続いて、試験サンプルの周辺に、厚み2.5mmのスペーサを設置し、試験サンプルの上からアクリル板を用いて、圧縮率が50%となるように圧縮してアクリル板を固定した。
試験サンプル設置後、24時間静置し、評価を開始した。環状の試験サンプルの内円部に蒸留水を満たしたのち、空気を供給し、5kPaの静圧をかけた。この状態を5分間保持し、水漏れがなければ、さらに空気を供給して、5kPaを加え、10kPaとし5分間保持した。この作業を水漏れが生じるまで繰り返し、水漏れの生じる圧力を測定した。
止水性評価は、下記評価基準とした。
○:水漏れが生じる圧力が30kPa以上
△:水漏れが生じる圧力が10kPa以上30kPa未満
×:水漏れが生じる圧力が10kPa未満
Figure 2022075915000002
Figure 2022075915000003
≪評価結果≫
実施例及び比較例の性能(耐エタノール性、膨潤率、止水性評価、総合評価)を評価した。表2及び表3にその結果を示す。
10 : 止水性評価器
11 : 試験サンプル
12 : アクリル板
13 : 塗装鋼板
14 : 水・エアー吹入口継手
15 : スペーサ

Claims (5)

  1. 末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、
    前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、
    前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、
    前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、
    前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、
    前記ウレタンプレポリマーが、ポリカーボネートジオール(PCD)とポリプロピレングリコール(PPG)を併用して得られたものであり、
    PCD/PPGのモル比が0.5以上であることを特徴とするシール部材用組成物。
  2. 末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、
    前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、
    前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、
    前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、
    前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、
    前記ウレタンプレポリマーが、ポリオールとしてポリエステル結合を有するポリオールのみを用いて得られたものであることを特徴とするシール部材用組成物。
  3. 末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって
    前記光反応性基が、エチレン性不飽和結合を有する基であり、
    前記ポリチオールと前記ウレタンプレポリマーにおけるチオール-エン比は、0.5~2.0であり、
    前記ポリチオールの平均官能基は、3官能以上であり、
    前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500~70,000であり、
    下記止水性評価により得られる、水漏れが生じる圧力が10kPa以上であることを特徴とするシール部材用組成物。
    (止水性評価)
    常温・常圧の環境下でエタノールに30分浸漬させた被膜形成用組成物を基体の両面に皮膜を形成したシール部材を外径60mm、内径40mm、厚み5mmの環状に加工し、試験サンプルを用意する。当該試験サンプルを、塗装鋼板(厚みが1mmの高張力鋼の表面に、ポリエステル樹脂及びメラミン樹脂塗料(関西ペイント社製ネオアミラック6000)で塗装・乾燥したもの)に接触させて設置する。試験サンプルの周辺に、厚み2.5mmのスペーサを設置し、試験サンプルの上からアクリル板を用いて、圧縮率が50%となるように圧縮してアクリル板を固定する。試験サンプル設置後、24時間静置し、評価を開始する。環状の試験サンプルの内円部に蒸留水を満たしたのち、空気を供給し、5kPaの静圧をかける。この状態を5分間保持し、水漏れがなければ、さらに空気を供給して、5kPaを加え、10kPaとし5分間保持する。この作業を水漏れが生じるまで繰り返し、水漏れの生じる圧力を測定する。
  4. 弾性変形可能な基体と;
    末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含む組成物を用いて、前記基体の表面の少なくとも一部に作製された光硬化皮膜と;
    を備えたシール部材であって、
    前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500以上であり、
    下記皮膜の膨潤率評価により得られる、膨潤率が133%以下であることを特徴とするシール部材。
    (膨潤率評価)
    上記組成物を、離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工し、組成物側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させる。得られた皮膜を2cm×4cmサイズに加工し、試験サンプルとする。前記試験サンプルを20±15℃、65±20RH%の環境下でエタノールに浸漬させ、30分放置し皮膜の寸法変化を確認し、試験サンプルの面積変化を膨潤率とする。当該面積変化は、各辺の長さを測定し、四角形の面積として計算したのち、試験前の面積(2cm×4cm)で除し、100倍して得られる。
  5. 末端に光反応性基を有し且つポリマー骨格内にポリエステル結合を含むウレタンプレポリマーと、ポリチオールと、を含むシール部材用組成物であって、
    前記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、2,500以上であり、
    下記皮膜の膨潤率評価により得られる、膨潤率が133%以下であることを特徴とするシール部材用組成物。
    (膨潤率評価)
    上記組成物を、離型処理されたPETフィルム(厚み38μm)の表面に、厚みが100μmになるように塗工し、組成物側から光照射(波長:365nm,照射量600mJ/cm)して硬化させる。得られた皮膜を2cm×4cmサイズに加工し、試験サンプルとする。前記試験サンプルを20±15℃、65±20RH%の環境下でエタノールに浸漬させ、30分放置し皮膜の寸法変化を確認し、試験サンプルの面積変化を膨潤率とする。当該面積変化は、各辺の長さを測定し、四角形の面積として計算したのち、試験前の面積(2cm×4cm)で除し、100倍して得られる。

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