JP2009091478A - 水性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各種基材への密着性、接着性に優れた水性ポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分からなるウレタンプレポリマーがスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物で鎖延長されている水性ポリウレタン組成物であって、該ポリオール成分が、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成されることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分からなるウレタンプレポリマーがスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物で鎖延長されている水性ポリウレタン組成物であって、該ポリオール成分が、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成されることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は水性ポリウレタン樹脂組成物に関する。
ウレタンプレポリマーをアセトン等の水と親和性を有する溶液中において、スルホン酸塩を含有する親水化剤、更に必要に応じてジエタノールアミン等の鎖延長剤と反応させ、撹拌下得られたポリマー溶液に水を添加し分散体を形成させた後、溶媒を除去して水性ポリウレタンとする方法は自己乳化型の水性ポリウレタンを得る手法の1つとして広く知られている。このようにして得られる水性ポリウレタンは塗料、接着剤、繊維処理用途等に用いられている。スルホン酸塩を含有する水性ポリウレタンは、一般的にカルボン酸塩を有する水性ポリウレタンに比べ親水基量が少なくても安定なポリウレタン分散液を得ることができ、親水基を低減させることで耐加水分解性や耐熱性の劣化を抑制できるとされる。また、カルボン酸塩含有ポリウレタン分散体に比べ高濃度化が容易で、塗布後の乾燥に係わるエネルギーコストの面でも優位である。塗料、接着剤用分野において、イソシアネート成分としては、着色し難い、耐候性に優れる、といった点から脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートが広く用いられ、ポリオール成分としては、比較的安価で機械的強度に優れるといった理由で主にポリエステルポリオールが用いられている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、ポリエステルポリオールをポリオール成分とした水性ポリウレタンは、極性基であるエステル基を有することで、各種基材への密着性、接着性に優れるものの、それでもなお接着面での界面剥離が起こりやすいという問題がある。
また、分散粒子の安定性、あるいは接着基材との親和性を高める目的でポリオキシエチレン構造をポリウレタン鎖内に導入する方法が示されている(例えば、特許文献4)。
しかしながら、多量にポリオキシエチレン構造を導入すると耐水性、機械強度の低下を招き、スルホン酸塩基を含むポリウレタンにおいては必ずしも分散安定性に寄与するものとはならない。更に分散性、接着性を高める目的で界面活性剤を添加する方法が知られているが、多量に用いると耐水性の低下、界面活性剤のブリードといった問題が発生する。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各種基材への密着性、接着性に優れた水性ポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示す水性ポリウレタン樹脂組成物が、各種基材への密着性、接着性に優れ、特に接着剤用途分野において有用な水性ポリウレタン樹脂組成物であることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分からなるウレタンプレポリマーがスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物で鎖延長されている水性ポリウレタン樹脂組成物であって、該ポリオール成分が、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成されることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分からなるウレタンプレポリマーがスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物で鎖延長されているものであって、該ポリオール成分が、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成されるものである。
本発明における脂肪族ジイソシアネートは、特に限定はないが、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート等が挙げられ、また、脂環族ジイソシアネートは、特に限定はないが、例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン)、ビス−(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン、2−又は4−イソシアナトシクロへキシル−2’−イソシアナトシクロへキシルメタン等が挙げられ、これらの化合物を2種以上用いても良い。
本発明におけるポリオール成分は、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成される。該ポリプロピレングリコールが3重量%未満である(該ポリエステルポリオールが97重量%を超える)と、ポリエステルポリオールに対する改質効果は十分でなく、各種基材への密着性、接着性は本発明の目的に達しない場合がある。一方、該ポリプロピレングリコールが15重量%を超える(該ポリエステルポリオールが85重量%未満である)と、生成ポリウレタンの分子量が低くなる、接着強度が低下する傾向がある。また、ポリプロピレングリコールの分子量は200〜3000であり、より好ましくは300〜2500である。分子量200未満のポリプロピレングリコール、又は分子量3000を超えるポリプロピレングリコールでは、各種基材への密着性、接着性が十分でない。
OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオールについては、特に限定はなく、例えば、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンイソフタレート等が挙げられ、これらが2種以上であってもよい。これらのうち、密着性、接着性を向上させる観点から、より好適なポリエステルポリオールとして、OH価40〜70mgKOH/gの、ポリブチレンアジペート、及び/又は、ポリヘキサメチレンアジペートが挙げられる。OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオールは、公知のポリカルボン酸化合物と分子量300以下のポリオール化合物を反応させて得られるものである。ポリカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。一方、分子量300以下のポリオール化合物の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。ポリカルボン酸化合物及び分子量300以下のポリオール化合物は各々単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分を反応させてウレタンプレポリマーを得た後、得られた脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分からなるウレタンプレポリマーに、スルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物からなる親水化剤を反応させることで製造できるものであり、該ポリオール成分が、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成されるものである。ここに、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネート,ポリオール成分については、先に説明したものと同じである。
ウレタンプレポリマー調製における脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分の仕込み比については、特に限定されるものではないが、イソシアネート基と水酸基の組成比はNCO/OH=1.1〜1.6であることが望ましい。
ウレタンプレポリマーの調製条件については、特に限定はされるものではないが、脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分50〜120℃の温度範囲において、無溶媒、もしくは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶媒存在下、0.1〜20時間で調製される。
ウレタンプレポリマーとスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物からなる親水化剤の反応は、特に限定されるものではないが、反応を均一に進行させるため、プレポリマーをジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等のイソシアネート基に不活性で水と親和性のある、比較的低沸点の溶剤に溶解した後に、親水化剤、次いで鎖延長剤を加えて30℃〜120℃の温度範囲で0.1〜10時間で反応させることができる。
使用される親水化剤はスルホン酸塩を含有するジアミノ化合物である。特に限定されるものではないが、2−(2−アミノエチル)アミノエタンスルホン酸ナトリウム、2−[β−(β−アミノメチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム、2−(2−アミノエチル)アミノエタンベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンジアミノ−N,N’−ビス(β−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)が好適なものとして例示される。
添加する親水化剤の量については特に限定はないが、安定な水性ポリウレタン分散液を得るためには、ウレタンプレポリマー1g当たり0.02〜0.2モルの範囲であることが好ましい。
また、ウレタンプレポリマーとスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物からなる親水化剤の反応時、又は水性ポリウレタン分散液とした後に鎖延長剤を使用することができる。鎖延長剤は、通常のポリウレタン製造に用いられるものを用いることができ、その例としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N、N’−ジメチルエチレンジアミン、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、ヒドラジンなどのポリアミン類、又はエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミノアルコール類を挙げることができる。
ウレタンプレポリマーとスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物からなる親水化剤との反応後、反応液に対し撹拌下水を徐々に加えることにより、次第に白濁化が進み乳化分散する。次いで、加熱、減圧条件で有機溶媒を除去することによって、水性ポリウレタン樹脂組成物が得られる。最終的な固形分濃度に関しては、特に限定されるものではないが、接着剤としての操作性、加工性等の性能を考慮すると40〜60重量%であることが好ましい。
上記の方法によって製造された水性ポリウレタン樹脂組成物は、製造直後には鎖延長反応が十分に進んでおらず分子量が低い場合がある。そうした場合には水性ポリウレタン樹脂組成物を40〜100℃の温度範囲で、30分〜30時間加熱処理することで反応を完結させることができる。
本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物に対しては本発明の効果を損なわない範囲で乳化剤を併用することもできる。特に限定はないが、ポリオキシエチレンデシレート、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンセチレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンノニルフェニレート等のノニオン系乳化剤が好適である。乳化剤の添加量はウレタン樹脂固形分に対し好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。これら乳化剤を使用する場合、乳化分散前のポリウレタン溶液に添加しても、乳化分散、脱溶媒後に添加しても良い。
本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物に対して、耐水性、耐熱性等を向上させる目的で硬化剤を添加することができる。硬化剤としては、アミノ樹脂、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物等の多官能化合物が挙げられ、中でもポリイソシアネート化合物が好ましい。硬化剤の添加量はポリウレタン樹脂固形分に対し0〜20重量%の範囲で使用できる。
また、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は単独でも構わないが、SBR、CRラテックスやアクリルエマルジョン、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)エマルジョン等のウレタン以外の水性分散体を併用しても良い。
さらに、接着剤用途分野において、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物は、特に影響のない範囲で通常の接着剤に使用される増粘剤、可塑剤、粘着付与剤、顔料、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、紫外線吸収剤、難燃剤等を使用することも可能である。
本発明によれば、各種基材への密着性、接着性に優れ、特に接着剤用途分野において有用な水性ポリウレタン樹脂組成物が得られるので、工業上極めて有用である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<粒子径の測定>
水性ポリウレタン樹脂分散液の粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装(株)製)を使用して、分散媒の屈折率を1.33に設定し粒径分布を測定、メジアン径を求めた。
水性ポリウレタン樹脂分散液の粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装(株)製)を使用して、分散媒の屈折率を1.33に設定し粒径分布を測定、メジアン径を求めた。
<コンタクト性の評価>
40×40×5mmの2枚の可塑剤を含有する軟質塩ビシート上に1cm各で約0.1mm厚の接着層を形成するように水性ポリウレタン樹脂組成物を塗布、所定温度で約30分間乾燥した後に2枚の塗布層を中心に指で軽く張り合わせ、接着の可否を判断した。
40×40×5mmの2枚の可塑剤を含有する軟質塩ビシート上に1cm各で約0.1mm厚の接着層を形成するように水性ポリウレタン樹脂組成物を塗布、所定温度で約30分間乾燥した後に2枚の塗布層を中心に指で軽く張り合わせ、接着の可否を判断した。
<常温接着強度の測定>
基材として9号帆布(150mm×25mm)を用い、帆布2枚の双方の片面に約300g/m2を刷毛にて塗布し、80℃で5分間乾燥を行った後、2枚のハンドローラーを用いて圧着させ試験片とした。テンシロン型引張り試験機にて180°剥離試験を100mm/minの条件で行うことで常温(23℃)接着強度を測定した。圧着後すぐに測定したものを初期強度、1日後に測定したものを1日後強度とした。また、1日後の剥離強度を測定した際の接着面の剥離状態を観察し、基材と接着剤層の界面で剥離している(好ましくない剥離)ものを「界面剥離」、基材と接着剤層が接着したまま接着剤層が破壊、剥離しているもの(好ましい剥離)を「凝集破壊」とした。
基材として9号帆布(150mm×25mm)を用い、帆布2枚の双方の片面に約300g/m2を刷毛にて塗布し、80℃で5分間乾燥を行った後、2枚のハンドローラーを用いて圧着させ試験片とした。テンシロン型引張り試験機にて180°剥離試験を100mm/minの条件で行うことで常温(23℃)接着強度を測定した。圧着後すぐに測定したものを初期強度、1日後に測定したものを1日後強度とした。また、1日後の剥離強度を測定した際の接着面の剥離状態を観察し、基材と接着剤層の界面で剥離している(好ましくない剥離)ものを「界面剥離」、基材と接着剤層が接着したまま接着剤層が破壊、剥離しているもの(好ましい剥離)を「凝集破壊」とした。
<加熱時における接着強度の測定>
常温接着強度と同様の手順で試験片を作成し、ハンドローラーで圧着した直後、50℃において上記常温接着試験と同様の方法で接着強度を測定した。
常温接着強度と同様の手順で試験片を作成し、ハンドローラーで圧着した直後、50℃において上記常温接着試験と同様の方法で接着強度を測定した。
実施例1
攪拌翼を備えた500ml3つ口フラスコに、OH価56mgKOH/gのポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン製ニッポラン4010、分子量2000)78.3gを入れ、120℃で30分間真空下に脱水を行なった。その後、80℃に降温し撹拌下、分子量700のポリプロピレングリコール(和光純薬製)4.12gを投入し、次に、ヘキサメチレンジイソシアネート9.58gを添加し、窒素気流下に反応を4時間行い、プレポリマーを合成した。反応後、温度を50℃に下げて、アセトン200gを加えてプレポリマー溶液とした。該溶液中に、2−[β−(β−アミノメチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウムの50重量%水溶液を3.47g加え、50℃で20分間反応を行った。その後、水130gを攪拌しながら徐々に添加し、生成したポリウレタンを乳化分散させた。乳化分散液より、残留するアセトンをエバポレーターにて留去した。得られた水性ポリウレタン樹脂組成物は、固形分濃度49.4重量%、メジアン粒径0.23μmの安定な分散液であった。これらについて表1に示す。
攪拌翼を備えた500ml3つ口フラスコに、OH価56mgKOH/gのポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン製ニッポラン4010、分子量2000)78.3gを入れ、120℃で30分間真空下に脱水を行なった。その後、80℃に降温し撹拌下、分子量700のポリプロピレングリコール(和光純薬製)4.12gを投入し、次に、ヘキサメチレンジイソシアネート9.58gを添加し、窒素気流下に反応を4時間行い、プレポリマーを合成した。反応後、温度を50℃に下げて、アセトン200gを加えてプレポリマー溶液とした。該溶液中に、2−[β−(β−アミノメチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウムの50重量%水溶液を3.47g加え、50℃で20分間反応を行った。その後、水130gを攪拌しながら徐々に添加し、生成したポリウレタンを乳化分散させた。乳化分散液より、残留するアセトンをエバポレーターにて留去した。得られた水性ポリウレタン樹脂組成物は、固形分濃度49.4重量%、メジアン粒径0.23μmの安定な分散液であった。これらについて表1に示す。
製造されたポリウレタン樹脂組成物について、コンタクト性、常温接着強度、加熱時における接着強度を測定した。その結果を表2に示す。
比較例1〜8
表3に示したポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコールの代わりに、比較例3ではジプロピレングリコール、比較例8では分子量600のポリエチレングリコールを使用)、ジイソシアネート化合物、親水化剤、鎖延長剤を用い、実施例1と同様の方法で水性ポリウレタン樹脂組成物を製造した。なお、比較例8では調製直後にはメジアン径0.35μmの分散液となったものの、室温で1日放置後には凝集固化が起こった。その結果を表3に示す。
表3に示したポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコールの代わりに、比較例3ではジプロピレングリコール、比較例8では分子量600のポリエチレングリコールを使用)、ジイソシアネート化合物、親水化剤、鎖延長剤を用い、実施例1と同様の方法で水性ポリウレタン樹脂組成物を製造した。なお、比較例8では調製直後にはメジアン径0.35μmの分散液となったものの、室温で1日放置後には凝集固化が起こった。その結果を表3に示す。
Claims (5)
- 脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートとポリオール成分からなるウレタンプレポリマーがスルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物で鎖延長されている水性ポリウレタン樹脂組成物であって、該ポリオール成分が、OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオール85〜97重量%、及び、分子量200〜3000のポリプロピレングリコール3〜15重量%で構成されることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物。
- OH価40〜70mgKOH/gのポリエステルポリオールが、ポリブチレンアジペート、及び/又は、ポリヘキサメチレンアジペートであることを特徴とする請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
- 脂肪族及び/又は脂環族ジイソシアネートが、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
- スルホン酸塩基を含有するジアミノ化合物が、2−(2−アミノエチル)アミノエタンスルホン酸ナトリウム、2−[β−(β−アミノメチル)アミノ−プロピオンアミド]−2・2−ジメチルエタンスルホン酸ナトリウム、2−(2−アミノエチル)アミノエタンベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチレンジアミノ−N,N’−ビス(β−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム)であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤。
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CN104327785A (zh) * | 2014-11-06 | 2015-02-04 | 苏州佰格斯电子科技有限公司 | 一种阻燃聚氨酯密封胶 |
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