JP2008037990A - シーリング材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐汚染性、耐寒性、耐候性、耐熱性などの物性バランスに優れたポリウレタン系シーリング材を提供することを目的とする。
【解決手段】高分子ポリオール、有機ポリイソシアネートからなるポリウレタンを含有するシーリング材において、両末端基が水酸基であり、数平均分子量が300〜10000のポリカーボネートジオールであることを特徴とするシーリング材。
【選択図】なし

Description

ポリカーボネートジオールを原料とするポリウレタンからなるシーリング材であり、建築用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、建築用塗膜防水材として用いることができる。
建物の外壁材の接合部、開口部などの隙間に施工するシーリング材は、主としてシリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系に分けられる。このうちポリウレタン系シーリング材は耐汚染性、耐寒性に優れていることから広く使用されている。
シーリング材として用いられるポリウレタンにおいては原料の選択肢が広く、高分子ポリオール、有機ポリイソシアネート、および鎖延長剤からなる多種多様な組み合わせが用いられている。
これらの構成要素のうち高分子ポリオールとしては、ポリマー末端がヒドロキシル基であるポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、ポリエステル系ポリウレタンは耐加水分解性が劣り、ポリエーテル系ポリウレタンは耐候性、耐熱性が劣り、用途が限定されてしまうという問題点があった。
一方ポリカーボネート系ポリウレタン、具体的には、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートジオールを用いたポリウレタンは、ポリマー鎖中のカーボネート結合が極めて安定であるという理由により、耐加水分解性、耐候性、耐熱性に優れるが、柔軟性の要求される用途ではその結晶性のために問題があった。さらに1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートジオールは常温で固体であるために、ポリウレタンシーリング材製造の際の取り扱いが困難であるという問題があった。また、1,6−ヘキサンジオールと1,12−ドデカンジオールのごとき長鎖のジオールとを用いて共重合したポリカーボネートジオールを原料とするシーリング材が公開されているが(特許文献3)、このような長鎖ジオールは入手が困難であるという問題があった。
米国特許第4362825号明細書 米国特許第4129715号明細書 特開平5−239202号明細書
本発明は、耐汚染性、耐寒性、耐候性、耐熱性などの物性バランスに優れたポリウレタン系シーリング材を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定のジオールを原料とするポリカーボネートジオール、有機ポリイソシアネート、および鎖延長剤からなるポリウレタンをシーリング材として用いた場合、上記の課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
1.高分子ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)からなるポリウレタンを含有するシーリング材において、(A)が下記式(a)と下記式(b)の繰り返し単位を含み、両末端基が水酸基であり、下記式(a)と下記式(b)の割合がモル比率で99:1〜1:99で、数平均分子量が300〜10000のポリカーボネートジオールであることを特徴とするシーリング材、
Figure 2008037990
Figure 2008037990

(式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基を除く、炭素数2〜20のアルキレン基を表す)
2.上記式(a)と上記式(b)の繰り返し単位の割合がモル比率で80:20〜20:80であることを特徴とする上記1のシーリング材、
3.上記式(a)と上記式(b)の繰り返し単位の割合がモル比率で70:30〜30:70であることを特徴とする上記1のシーリング材、
4.上記式(b)の繰り返し単位が、下記式(c)で表される繰り返し単位である、上記1〜3のいずれかに記載のシーリング材、
Figure 2008037990

(式中、mは、2〜10の整数を表す)
である。
本発明によれば、耐油性、柔軟性、耐加水分解性、耐候性などの物性バランスに優れたポリウレタンシーリング材を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。本発明のシーリング材は、高分子ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)からなるポリウレタンを含有し、高分子ポリオール(A)が下記式(C)と下記式(D)で表されるジオールから合成されるポリカーボネートジオールであることを特徴とするシーリング材である。
Figure 2008037990
Figure 2008037990

(式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基を除く、炭素数2〜20のアルキレン基を表す)
本発明で用いる上記式(D)で表されるジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどを挙げることができる。式(D)で表されるジオールは、1種類のみを用いても2種以上を併用しても良い。
本発明のポリカーボネートジオールは、上記式(C)と上記式(D)との割合が99:1〜1:99である。好ましくは、80:20〜20:80である。より好ましくは70:30〜30:70である。
また、本発明には、上記式(C)と上記式(D)の他に、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを少量用いることにより、多官能化したポリカーボネートポリオールも含まれる。
この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、製造の際に架橋してゲル化が起きてしまう。また少な過ぎると、多官能化の効果が十分でない。したがって1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物は、上記式(C)、(D)のジオールの合計モル数に対して、0.1〜5モル%にするのが好ましい。より好ましくは、0.1〜2モル%である。
本発明のポリカーボネートジオールの平均分子量の範囲は、通常数平均分子量にて、300〜10000である。数平均分子量が300未満では得られるポリウレタンの柔軟性や低温特性が不良となることが多く、10000を超えるとポリカーボネートジオールおよび得られるポリウレタンの粘度が高くなったり溶媒への溶解度が低くなったりして取り扱いが困難になることが多いので好ましくない。好ましくは、数平均分子量にて400〜8000の範囲である。より好ましくは、500〜5000である。
また、本発明の高分子ポリオールは、ポリカーボネートジオールに加えて、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールを併用することも可能である。またポリカーボネートジオール骨格中にエーテル結合またはエステル結合を有するユニットを有していても良い。
本発明の末端にヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールは、新規な重合体であり、式(C)、(D)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換に付することで得ることができる。
本発明で用いる炭酸エステルとしては、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートなどがある。アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネートなどがある。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートなどが、ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネートなどがある。そのなかでも、反応性、入手し易さからエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートを用いるのが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールを得るための反応には特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。本発明のポリカーボネートジオールの製造法としては、例えば、上記式(C)、(D)で表されるジオールと炭酸エステルとのエステル交換反応を行いポリカーボネートプレポリマーを得る第一工程、および得られたポリカーボネートプレポリマーを自己縮合させ本発明のポリカーボネートジオールを得る第二工程を含む製造方法が挙げられる。
本発明では、上記のエステル交換反応の際、反応を速めたい場合に触媒を用いることできる。触媒の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウムなどの金属およびその化合物を挙げることができる。金属化合物としては、酸化物、水酸化物、塩、アルコキシド、有機化合物等を挙げることができる。これらの触媒のうち、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンなどのチタン化合物、ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテートなどのスズ化合物、酢酸鉛、ステアリン酸鉛などの鉛化合物を用いるのが好ましい。触媒量が少な過ぎると、触媒添加による効果が得られない。一方、触媒量が多過ぎると、ポリカーボネートジオール中に残存した触媒はポリウレタンを合成する際の触媒としても作用する場合が多いため、予期せぬ反応や反応の制御が困難になることにより、ポリウレタンの物性の低下をもたらす。このような物性低下を避けるためにこれらの触媒は、原料の総仕込み重量に対し1〜10000ppmとなるように用いるのが好ましい。1〜1000ppmとなるように用いるのがより好ましい。
以上のようにして得られる本発明のポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと反応させることにより、ポリウレタンを得ることができる。本発明のポリウレタンの製造に使用されるポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、およびその混合物(TDI)、粗製TDI、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳香族ジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)等の公知の脂肪族ジイソシアネート、およびこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビウレット化変性品等である。これらのポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても構わない。
本発明のポリウレタンシーリング材を製造する方法としては、ポリウレタン業界で公知の製造方法が用いられる。例えば、ポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネートからイソシアネート基を含有するプレポリマーを合成し、これを湿気で硬化する一液型シーリング材とすることができる。また、イソシアネート基を含有するプレポリマーに対して、イソシアネート基と反応する活性水素基を持つ硬化剤を含む液を混合して二液型シーリング材として使用することができる。
これらのポリウレタン製造方法において、触媒、充填剤、可塑剤、その他必要に応じて発泡抑制剤、たれ止め剤などを用いる事もできる。
触媒としては、三級アミンやスズ、チタンなどの有機金属塩などに代表される公知の重合触媒を用いる事ができる。
以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部数は特に断らない限り質量部である。
また、以下の実施例および比較例において、ポリカーボネートジオールおよびポリウレタンの諸物性は、下記の試験方法に従って試験を実施した。
<試験方法>
1.OH価
本発明のポリカーボネートジオールのOH価、以下のように測定した。
無水酢酸12.5gをピリジン50mlでメスアップしアセチル化試薬を調製した。100mlナスフラスコに、サンプルを2.5〜5.0g精秤する。アセチル化試薬5mlとトルエン10mlをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間撹拌加熱する。蒸留水2.5mlをホールピペットで添加、さらに10分間加熱撹拌する。2〜3分間冷却後、エタノールを12.5ml添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5mol/lエタノール性水酸化カリウムで滴定する。アセチル化試薬5ml、トルエン10ml、蒸留水2.5mlを100mlナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行う(空試験)。この結果をもとに、下記数式(1)でOH価を計算した。
OH価(mg−KOH/g)={(b−a)×28.05×f}/e (1)
a:サンプルの滴定量(ml)
b:空試験の滴定量(ml)
e:サンプル重量(g)
f:滴定液のファクター
2.分子量
本発明のポリカーボネートジオールの分子量は、以下のように測定した。
実施例、比較例中のポリマーの末端は、13C−NMR(270MHz)の測定により、実質的に全てがヒドロキシル基であった。さらに、ポリマー中の酸価をKOHによる滴定により測定したが、実施例、比較例のポリマー全てが0.01以下であった。従って、得られたポリマーの数平均分子量は下式(2)により求められる。
数平均分子量=2/(OH価×10―3/56.11) (2)
3.共重合組成
本発明のポリカーボネートジオールの共重合組成は、以下のように測定した。
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応する。室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和する。冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った。分析は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。得られた結果をもとに、下式(3)を用いて、組成比を求めた。
組成比(mol%)= (D/E)×100 (3)
D:2−メチル−1.3−プロパンジオールのモル数
E:全てのジオールのモル数
なお、ポリカーボネートジオールの分子内にエーテル結合を有する場合、その含有量は、上記の方法で得られた、全てのジオールのモル数に対する、エーテル結合を有するジオールのモル%として現される。

4.機械的物性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを試験体とした。
試験体を23℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間50mm、引張速度100mm/minで100%引っ張り応力(MPa)(塗膜が50mm伸びた時の応力)、塗膜の伸び(%)を測定した。
5.耐加水分解性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを100℃の熱水中に2週間浸漬後、4.に示した方法で機械的物性(塗膜の伸び)を測定した。測定後、この値が前記4.で求められた値に比べ、80%以上である場合を○、60%以上80%未満である場合を△、60%未満である場合を×として、耐加水分解性を評価した。
6.耐候性
厚さ0.07〜0.10mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムをサンシャイン型ウエザオメーター(スガ試験機製、WEL−SUN−DC)中で、1サイクル60分、内12分の降水の繰り返しで所定時間(200時間)経過した後、4.に示した方法で機械的物性(塗膜の伸び)を測定した。測定後、この値が前記4.項で求められた値に比べ、80%以上である場合を○、60%以上80%未満である場合を△、60%未満である場合を×として、耐候性を評価した。
〔実施例1〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール355g、1,4−ブタンジオール305g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.8、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=53/47であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、以下の方法でイソシアネートと反応させた。すなわち、ポリカーボネートジオール0.1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.2モルを混合して100℃で6時間反応させた。
このようにして得たNCO末端ポリマーに対し、ジ−n−ブチルスズジラウレート100ppmを添加し、得られたシーリング材配合物を用いて塗膜を形成し、一定の温度、湿度の条件下(22℃、相対湿度50%)で、1週間かけて硬化させた。
〔実施例2〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール350g、1,6−ヘキサンジオール450g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.2、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=51/49であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例3〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール420g、1,3−プロパンジオール260g、エチレンカーボネート720gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.5、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,3−プロパンジオール=58/42であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例4〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール570g、1,4−ブタンジオール110g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.0、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=84/16であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例5〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール500g、1,4−ブタンジオール150g、エチレンカーボネート655gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.1、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=77/23であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例6〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール173g、1,4−ブタンジオール522g、エチレンカーボネート684gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.4、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=25/75であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例7〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール244g、1,4−ブタンジオール416g、エチレンカーボネート650gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は54.0、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,4−ブタンジオール=35/65であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例8〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール442g、1,5−ペンタンジオール263g、エチレンカーボネート655gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.2、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール=64/36であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例9〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール335g、1,5−ペンタンジオール387g、エチレンカーボネート655gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.0、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール=48/52であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例10〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール471g、1,6−ヘキサンジオール291g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は55.1、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=66/34であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔実施例11〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、2−メチル−1,3−プロパンジオール256g、1,6−ヘキサンジオール572g、エチレンカーボネート660gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを1時間かけて留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で粘ちょうな液体が得られた。得られた反応物のOH価は56.8、共重合組成は2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,6−ヘキサンジオール=36/64であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔比較例1〕
攪拌機、温度計、塔頂に還流ヘッドを有する真空ジャッケト付きオルダーショウ型蒸留塔を備えた2lセパラブルフラスコに、1,6−ヘキサンジオール1020g、エチレンカーボネート760gを仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒として酢酸鉛三水和物を0.015g入れた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、圧力1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12時間反応した。その後、オルダーショウ型蒸留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、圧力を0.5kPaまで落として、セパラブルフラスコ内に残った、1,6−ヘキサンジオールおよびエチレンカーボネートを留去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、留去しながら、さらに4時間反応した。この反応により、常温で白色の固体が得られた。得られた反応物のOH価は55.5であった。
得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
〔比較例2〕
1,4−ブタンジオールとアジピン酸の混合物よりなるポリエステルポリオール(大日本インキ製、ポリライトODX−668)を用い、ポリカーボネートジオールをポリエステルポリオールに変更した以外は実施例1と同様にして、イソシアネートと反応させた後、塗膜を形成した。
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られたシートについて、耐加水分解性、耐候性の各物性を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2008037990

実施例1〜11で示したシーリング材は、本発明の必須要件を満たしているので、柔軟性に優れ、十分な耐加水分解性、耐候性を有している。
一方、比較例1、2は、本発明の必須要件を満足しておらず、比較例1では柔軟性が不足し、比較例2では耐加水分解性が不足している。
ポリカーボネートジオールを原料とするポリウレタンからなるシーリング材であり、建築用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、建築用塗膜防水材として用いることができる。

Claims (4)

  1. 高分子ポリオール(A)、有機ポリイソシアネート(B)からなるポリウレタンを含有するシーリング材において、(A)が下記式(a)と下記式(b)の繰り返し単位を含み、両末端基が水酸基であり、下記式(a)と下記式(b)の割合がモル比率で99:1〜1:99で、数平均分子量が300〜10000のポリカーボネートジオールであることを特徴とするシーリング材。
    Figure 2008037990

    Figure 2008037990

    (式中、Rは、2−メチル−1,3−プロパンジオールに由来するアルキレン基を除く、炭素数2〜20のアルキレン基を表す)
  2. 上記式(a)と上記式(b)の繰り返し単位の割合がモル比率で80:20〜20:80であることを特徴とする請求項1記載のシーリング材。
  3. 上記式(a)と上記式(b)の繰り返し単位の割合がモル比率で70:30〜30:70であることを特徴とする請求項1記載のシーリング材。
  4. 上記式(b)の繰り返し単位が、下記式(c)で表される繰り返し単位である、請求項1〜3のいずれか1項記載のシーリング材。
    Figure 2008037990

    (式中、mは、2〜10の整数を表す)
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