JP2022075569A - 改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
LixNiyMnzCotMpO1+x (1)
(式中、Mは、Mg、Al、Ti、Zr、Cu、Fe、Sr、Ca、V、Mo、Bi、Nb、Si、Zn、Ga、Ge、Sn、Ba、W、Na及びKから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。xは0.98≦x≦1.20、yは0.30≦y<1.00、zは0<z≦0.50、tは0<t≦0.50、pは0≦p≦0.05を示し、y+z+t+p=1.00である。)
で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子を、チタンキレート化合物を含む表面処理液に接触させて、該リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面にチタンキレート化合物が付着した被覆粒子を得、次いで、該被覆粒子を加熱処理することにより、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子を得る改質工程を有し、
前記チタンキレート化合物が、下記一般式(2):
Ti(R1)mLn (2)
(式中、R1は、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基又はホスフィン類を示し、複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。Lはヒドロキシカルボン酸に由来する基を表し、複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0以上3以下の数を示し、nは1以上3以下の数を示し、m+nは3~6である。)
で表されるチタンキレート又はそのアンモニウム塩であること、
を特徴とする改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法を提供するものである。
前記一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子1m2当たりのTi含有量が、Ti原子換算で0.1~150mgとなる添加量で、前記表面改質液を、前記一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子に添加して混合し、全量乾燥させること、
を特徴とする(1)~(8)いずれかの改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法は、一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子を、一般式(2)で表されるチタンキレート又は一般式(2)で表されるチタンキレートのアンモニウム塩を含む表面処理液に接触させて、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面に、これらのチタンキレート化合物が付着した被覆粒子を得、次いで、得られた被覆粒子を加熱処理することにより、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子を得る改質工程を有する。以下、一般式(2)で表されるチタンキレート及び一般式(2)で表されるチタンキレートのアンモニウム塩を総称して、「チタンキレート化合物」ということがある。
(A)工程:一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子、すなわち、改質対象のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を、本発明に係るチタンキレート化合物を含む表面処理液に接触させ、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の表面にチタンキレート化合物が付着した被覆粒子を得る工程。
(B)工程:(A)工程を行い得られた被覆粒子を加熱処理して、後述する改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)、又は改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)を得る工程。
なお、以下では、「改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)」及び「改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)」を総称して、「改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子」と記載することがある。
改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)は、Tiを含む酸化物がリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面に付着して存在するものである。該Tiを含む酸化物がリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面に付着して存在することは、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面を、10,000~30,000倍の拡大倍率でSEM-EDXによるTiの元素マッピング分析で分析したときに、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面にTiが偏在等の不均一に分布した状態で観察されることにより確認される。
一方、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)では、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面を、10,000~30,000倍の拡大倍率でSEM-EDXによるTiの元素マッピング分析で分析したときに、TiがCo、Ni、Mn等と同様に均一に分布した状態で観察される。本発明者らは、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)はTiの固溶反応が優先的に進行して、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子にTiが固溶して含有されるため、Tiがリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面でCo、Ni、Mn等と同様に均一に分布するものと推測している。
LixNiyMnzCotMpO1+x (1)
(式中、Mは、Mg、Al、Ti、Zr、Cu、Fe、Sr、Ca、V、Mo、Bi、Nb、Si、Zn、Ga、Ge、Sn、Ba、W、Na及びKから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。xは0.98≦x≦1.20、yは0.30≦y<1.00、zは0<z≦0.50、tは0<t≦0.50、pは0≦p≦0.05を示し、y+z+t+p=1.00である。)
で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子である。
Ti(R1)mLn (2)
(式中、R1は、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基又はホスフィン類を示し、複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。Lはヒドロキシカルボン酸に由来する基を表し、複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0以上3以下の数を示し、nは1以上3以下の数を示し、m+nは3~6である。)
で表されるチタンキレートである。
k=x×(1/t)
k:リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子1m2当たりのTi原子換算のTi含有量(mg)
x:リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物1gに対するTi原子換算のTi含有量(mg)
t:リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子のBET比表面積(m2/g)
k’=x×(1/t)
k’:Tiを含む酸化物のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子1m2当たりのTi原子換算の付着量(mg)
x:リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物1gに対するTi原子換算のTi含有量(mg)
t:リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子のBET比表面積(m2/g)
言い換えると、本発明の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法においては、(A)工程でチタンキレート化合物を付着させるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の平均粒子径が大きい方が、付着したチタンキレート化合物やその加熱分解生成物であるTiを含む酸化物がリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面に不均一に嵩張って分散し易く、嵩張って付着したチタンキレート化合物の加熱分解生成物であるTiを含む酸化物は、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子との反応性がリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子表面上で低くなるので、(B)工程での加熱処理温度が同じであっても、(A)工程でチタンキレート化合物を付着させるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の平均粒子径が大きい方が、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)が生成し易くなる。また、(B)工程での加熱処理温度が低いほど、付着したチタンキレート化合物とリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子との反応性がリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子表面上で低くなるので、(B)工程での加熱処理温度が低いほど、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)が生成し易くなる。
そのため、本発明の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法では、(A)工程で用いる一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の平均粒子径と(B)工程での加熱処理温度の組み合わせを、適宜選択することにより、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)と改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)を造り分けることができる。
また、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)は、(A)工程において一般式(1)であるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子として、平均粒子径が0.5~7.5μm、好ましくは1.0~7.0μmの粒子を用い、(B)工程の加熱処理温度を750℃以上1000℃以下、好ましくは750℃以上900℃以下として上記(A)工程及び(B)工程を行うことにより製造することができる。
<リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(LNMC)試料の調製>
<LNMC試料1>
炭酸リチウム(平均粒子径5.7μm)及びニッケルマンガンコバルト複合水酸化物(Ni:Mn:Co=6:2:2(モル比)、平均粒子径9.8μm)を秤量し、家庭用ミキサーで十分混合処理し、Li/(Ni+Mn+Co)のモル比が1.01の原料混合物を得た。なお、ニッケルマンガンコバルト複合水酸化物は市販のものを用いた。
次いで、得られた原料混合物を、アルミナ製の鉢で700℃で2時間、つづいて850℃で10時間、大気雰囲気中で焼成した。焼成終了後、該焼成品を粉砕、分級した。得られた焼成品をXRDで測定した結果、単相のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物であることを確認した。また、得られたものは、平均粒子径が10.2μmで、BET比表面積が0.21m2/gで、二次凝集した球状のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2)であった。
炭酸リチウム(平均粒子径5.7μm)及びニッケルマンガンコバルト複合水酸化物(Ni:Mn:Co=6:2:2(モル比)、平均粒子径3.7μm)を秤量し、家庭用ミキサーで十分混合処理し、Li/(Ni+Mn+Co)のモル比が1.01の原料混合物を得た。なお、ニッケルマンガンコバルト複合水酸化物は市販のものを用いた。
次いで、得られた原料混合物を、アルミナ製の鉢で700℃で2時間、つづいて850℃で10時間、大気雰囲気中で焼成した。焼成終了後、該焼成品を粉砕、分級した。得られた焼成品をXRDで測定した結果、単相のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物であることを確認した。また、得られたものは、平均粒子径が5.4μmで、BET比表面積が0.69m2/gで、二次凝集した球状のリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2)であった。
なお、LNMC試料の平均粒子径、残存アルカリ量及び加圧密度は下記のようにして測定した。
<平均粒子径>
平均粒子径はレーザ回折・散乱法により求めた。
<残存アルカリ量の測定>
LNMC試料の残存アルカリ量については、試料5g、超純水100gをビーカーに計り採りマグネチックスターラーを用いて25℃で5分間分散させた。次いで、この分散液をろ過し、そのろ液70mlを自動滴定装置(型式COMTITE-2500)にて0.1N-HClで滴定し、試料中に存在している残存アルカリ量(リチウム量を測定して炭酸リチウムに換算した値)を算出した。
<加圧密度>
試料2.25gを秤取り直径1.5cmの両軸成形器内に投入し、プレス機を用いて0.65tonf/cm2の圧力を1分間加えた状態で、圧縮物の高さを測定し、その高さから計算される圧縮物の見掛け体積と計り採った試料の質量とから、試料の加圧密度を算出した。
<乳酸チタンキレート含有表面処理液の調製>
マツモトファインケミカル社製チタンラクテートアンモニウム塩(Ti(OH)2〔(OCH(CH3)COO-)〕2(NH4 +)2)水溶液(製品名 TC-335、pH 4.4)にアンモニア水を加えてpHを8.5になるように調整して、下記の表2に示す濃度の乳酸チタンキレート含有表面処理液を作成した。
LNMC試料及び表面処理液を用い、表3に示す割合となるように秤量し、固形分濃度が25質量%のスラリーとなるように調製した。
次いで、出口の温度を120℃に設定したスプレードライヤーにスラリーの供給速度が65g/分で供給し、乳酸チタンキレートがLNMC試料の粒子表面に付着した被覆粒子を得た。
次いで、被覆粒子を800℃で5時間、加熱処理を行いLNMC試料の粒子表面にTiの酸化物が付着した改質LNMC試料(A)及びLNMC試料にTiを固溶させて含有させた改質LNMC試料(B)を得た。
なお、Tiの酸化物が付着した改質LNMC試料及びLNMC試料にTiを固溶させて含有させた改質LNMC試料であるかは、20,000倍の拡大倍率でサンプル粒子の粒子表面をSEM-EDX(日立ハイテクノロジーズ社製電界放出形走査電子顕微鏡SU-8220およびBRUKER社製エネルギー分散型X線分析装置XFlash5060FlatQUAD)でTiの元素マッピング分析を行って確認した。LNMC試料としてLNMC試料1を用いたものはSEM-EDXにより、サンプル粒子の粒子表面をTiの元素マッピング分析した結果、Tiが偏在して不均一に分布しているものであることから改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(A)であることが確認できた。一方、LNMC試料としてLNMC試料2を用いたものはSEM-EDXにより、サンプル粒子の粒子表面をTiの元素マッピング分析した結果、Co、Ni及びMnと同様にTiが均一に分布しているものであることから改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子(B)であることが確認できた。
なお、SEM-EDXの測定条件は下記のとおりである。
加速電圧:15kV、拡大倍率:20,000倍、ワーキングディスタンス:9.5~11.5mm、測定時間:6分間
また、改質LNMC試料についても、LNMC試料と同様な方法で、残存アルカリ量を測定した。
なお、表3中の表面処理液の添加量は、該表面処理液を添加したときに、LNMC試料1m2当たりのTi原子換算のTi含有量になる計算値で、下記計算式により求めた。
k=x×(1/t)
k:LNMC試料1m2当たりのTi原子換算のTi含有量(mg)
x:LNMC試料1gに対するTi原子換算のTi含有量(mg)
t:LNMC試料のBET比表面積(m2/g)
市販のコバルト酸リチウム(LiCoO2:平均粒子径9.5μm、BET比表面積0.37m2/g)を用い、実施例1~3と同様にして、コバルト酸リチウム(LCO)試料の粒子表面にTiの酸化物が付着した改質LCO試料を得た。
また、改質LCOについても、LNMC試料と同様な方法で、残存アルカリ量を測定した。
なお、表3中の表面処理液の添加量は、該表面処理液を添加したときに、LCO試料1m2当たりのTi原子換算のTi含有量になる計算値で、下記計算式により求めた。
k’’=x’’×(1/t’’)
k’’:LCO試料1m2当たりのTi原子換算のTi含有量(mg)
x’’:LCO試料1gに対するTi原子換算のTi含有量(mg)
t’’:LCO試料のBET比表面積(m2/g)
<リチウム二次電池の作製1>
実施例で得られた改質LNMC試料95質量%、黒鉛粉末2.5質量%、ポリフッ化ビニリデン2.5質量%を混合して正極剤とし、これをN-メチル-2-ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布したのち乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。
次いで、得られたリチウム二次電池の性能評価を行った。その結果を、表4に示す。なお、参考例1で調製した改質LCO試料、改質を行わないLNMC試料1(比較例1)及びLNMC試料2(比較例2)についても同様な方法でリチウム二次電池を作成し、同様な評価を行った。その結果を、表4に併記した。
作製したコイン型リチウム二次電池を室温で下記試験条件で作動させ、下記の電池性能を評価した。
(1)サイクル特性評価の試験条件
先ず、0.5Cにて4.3Vまで2時間かけて充電を行い、更に4.3Vで3時間電圧を保持させる定電流・定電圧充電(CCCV充電)を行った。その後、0.2Cにて2.7Vまで定電流放電(CC放電)させる充放電を行い、これらの操作を1サイクルとして20サイクル繰り返した。
(2)初回充電容量、初回放電容量(活物質重量当たり)
サイクル特性評価における1サイクル目の充電容量及び放電容量を初回充電容量、初回放電容量とした。
(3)20サイクル目放電容量(活物質重量当たり)
サイクル特性評価における20サイクル目の放電容量を20サイクル目放電容量とした。
(4)容量維持率
サイクル特性評価における1サイクル目と20サイクル目のそれぞれの放電容量(活物質重量当たり)から、下記式により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(20サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
(5)エネルギー密度維持率
サイクル特性評価における1サイクル目と20サイクル目のそれぞれの放電時のWh容量(活物質重量当たり)から、下記式によりエネルギー密度維持率を算出した。
エネルギー密度維持率(%)=(20サイクル目の放電Wh容量/1サイクル目の放電Wh容量)×100
実施例1~6で得られた改質LNMC試料及び改質前のLNMC試料を用いて、家庭用ミキサーで十分に混合して表5に示す組成の混合物を調製し、正極活物質試料とした。また、上記LNMC試料と同様にして正極活物質試料の加圧密度を測定し、その結果を表5に併記した。
次いで、得られたリチウム二次電池の性能評価を行った。その結果を、表6に併記した。
作製したコイン型リチウム二次電池を室温で下記試験条件で作動させ、サイクル特性評価、 初回充電容量、初回放電容量(活物質重量当たり)、初回充電容量、初回放電容量(活物質重量当たり)、容量維持率、エネルギー密度維持率を前記電池の性能評価1と同様な方法で評価した。また、更に体積当たりの放電容量も評価し、その結果を表6に示す。なお、実施例2、実施例5の改質LNMC試料を正極活物質試料とし、同様な方法で評価を行った。その結果を、表6に併記した。
(6)体積当たりの放電容量
体積当たりの放電容量は、初期放電容量と、電極密度により下記計算式から求めた。
体積当たりの放電容量(mAh/cm3)=1サイクル目の放電容量(mAh/g)×電極密度(g/cm3)×0.95(正極材中の活物質量の割合)
なお、電極密度は、測定対象試料から作製した電極の質量と厚みを測定し、ここから、集電体の厚みと質量を差し引いて、正極材の密度として算出した。また、正極材は、正極活物質試料95質量%、黒鉛粉末2.5質量%、ポリフッ化ビニリデン2.5質量%の混合物であり、電極作製時のプレス圧は線圧で0.38ton/cmとした。
Claims (10)
- 下記一般式(1):
LixNiyMnzCotMpO1+x (1)
(式中、Mは、Mg、Al、Ti、Zr、Cu、Fe、Sr、Ca、V、Mo、Bi、Nb、Si、Zn、Ga、Ge、Sn、Ba、W、Na及びKから選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。xは0.98≦x≦1.20、yは0.30≦y<1.00、zは0<z≦0.50、tは0<t≦0.50、pは0≦p≦0.05を示し、y+z+t+p=1.00である。)
で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子を、チタンキレート化合物を含む表面処理液に接触させて、該リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の粒子表面にチタンキレート化合物が付着した被覆粒子を得、次いで、該被覆粒子を加熱処理することにより、改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子を得る改質工程を有し、
前記チタンキレート化合物が、下記一般式(2):
Ti(R1)mLn (2)
(式中、R1は、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基又はホスフィン類を示し、複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。Lはヒドロキシカルボン酸に由来する基を表し、複数存在する場合、同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0以上3以下の数を示し、nは1以上3以下の数を示し、m+nは3~6である。)
で表されるチタンキレート又はそのアンモニウム塩であること、
を特徴とする改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。 - 前記加熱処理の温度が、400~1000℃であることを特徴とする請求項1記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記一般式(2)中のLが、1価のカルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記一般式(2)中のLが、乳酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記表面処理液のpHが7以上であることを特徴とする請求項1~4いずれか1項記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記被覆粒子における前記チタンキレート化合物の付着量が、前記一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子1m2当たり、Ti原子換算で0.1~150mgであることを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子中の残存アルカリ量が、1.2質量%以下であることを特徴とする請求項1~6いずれか1項記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子中の残存アルカリ量が、1.2質量%以下であることを特徴とする請求項1~7いずれか1項記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記改質工程において、
前記一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子1m2当たりのTi含有量が、Ti原子換算で0.1~150mgとなる添加量で、前記表面改質液を、前記一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子に添加して混合し、全量乾燥させること、
を特徴とする請求項1~8いずれか1項記載の改質リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物粒子の製造方法。 - 請求項1~9のいずれか1項記載の製造方法により得られる平均粒子径が7.5~30.0μmの大きい粒子と、請求項1~9のいずれか1項記載の製造方法により得られる平均粒子径が0.5~7.5μmの小さい粒子とを混合する工程を含むことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
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