JP2022074950A - 素材食品由来の水中油型乳化油脂食品及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】野菜、果実、藻類又は菌類を原料として、濃厚クリーム、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような、水中油型乳化油脂食品を製造する。【解決手段】野菜、果実、藻類又は菌類から成る素材食品を粉砕する工程S1、粉砕した前記素材食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程S2、前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程S3,S4、前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程S5、並びに、前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程S7、を含んでなることを特徴とする、素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、野菜、果実、藻類又は菌類から成る素材食品を原料とした水中油型乳化油脂食品に関する。
豆乳のような植物ミルクを原料とするバター様食品については、下記特許文献1に開示されている。
特開2020-120648号公報
本願の実施態様は、野菜、果実、藻類又は菌類を原料として、濃厚ソース、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような外観の、水中油型乳化油脂食品を製造することを課題とする。
本願の実施態様の素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法は、野菜、果実、藻類又は菌類から成る素材食品を粉砕する工程、粉砕した前記素材食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程、前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程、前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程、並びに、前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程、を含んでなることを特徴とする。
本願でいう「水中油型乳化油脂食品」とは、常温(25℃)でクリーム状ないし固体状を呈する、O/W型のエマルジョンであって、具体的にはホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような外観及び物理的性状を呈するものをいう。
本願でいう「素材食品」とは、下記で説明する野菜、果実、藻類又は菌類のうちの1つ又は2以上の組み合わせから成るものである。
本願でいう「野菜」とは、農林水産省の生産・出荷の統計、総務相の家計調査、農林水産省の食糧需給表、又は「健康日本21」の野菜の定義のいずれかにおいて「野菜」と分類される植物であればいずれをも含む。「野菜」の例としては、ほうれん草、小松菜、レタス、キャベツ等の葉物野菜、人参、カボチャ、ゴボウ等の根菜類、ジャガイモ、サツマイモ、里芋等の芋類、ブロッコリー、カリフラワー、トマト等が挙げられる。なお、「野菜」は生であっても、乾燥したものであっても、いずれでもよい。
本願でいう「果実」とは、農林水産省において「果樹」として取り扱われる草本植物及び木本植物の果実をいう。ただし、堅果類は含まない。「果実」の例としては、リンゴ、ミカン、バナナ、オリーブ、梅、マンゴー、レモン等が挙げられる。ただし、イチゴ、スイカ、メロンのように、一般的には「果実」と認識されているものであって区分によっては「野菜」に分類されるものについては、本願では「野菜」又は「果実」のどちらとしても差し支えない。なお、「果実」は生であっても、乾燥したものであっても、いずれでもよい。
本願でいう「藻類」とは、生物分類学的に「藻類」とされるもので食用になるものをいう。「藻類」の例としては、昆布、わかめ、もずく、ひじきなどが挙げられる。
本願でいう「菌類」とは、いわゆる「きのこ」のうち、食用になるものをいう。「菌類」の例としては、椎茸、マッシュルーム、シメジ、ナメコ、マイタケ、松茸、キクラゲなどが挙げられる。
本願でいう「水和媒体」とは、水を主成分とした液体であって、素材食品を浮遊させ乳化物とするのを容易にするために使用されるものであって、具体的には、水、甘酒若しくは植物ミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。また、「植物ミルク」とは、堅果、穀物又は豆類由来の乳様液体をいい、具体的には、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク若しくはカシューナッツミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。
本願でいう「豆類由来非焙煎粉」とは、豆類由来の粉であって、焙煎処理が行われていないものをいう。たとえば、乾燥した大豆、大福豆、緑豆、ひよこ豆、そら豆又は落花生などの豆を粉に引いた大豆粉、大福豆粉、緑豆粉、ひよこ豆粉、そら豆粉又は落花生粉などがその例として挙げられる。なお、大豆粉を焙煎して得られる「きな粉」は豆類由来非焙煎粉には該当しない。豆類由来非焙煎粉は、含有する蛋白成分によって野菜、果実、藻類又は菌類を植物性加工油脂と乳化させるために用いられる。なお、前記豆類由来非焙煎粉は、大豆粉であることが望ましい。
本願でいう「植物性加工油脂」とは、常温で液体である植物由来の食用油、たとえば、大豆油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、綿実油、米糠油、サフラワー油、ピーナッツ油、ごま油、亜麻仁油、オリーブ油、コーン油等を適宜の手段(たとえば、水素添加、エステル交換等)によって融点を調整し常温で固体となるように調整したものをいう。植物性加工油脂としては、融点を32℃前後に調整した、大豆油、パーム油又は菜種油が最も適している。
さらに、前記水中油型乳化物を冷却して固化(クリーム状も含む)させる前に、加熱して殺菌する工程をさらに設けることが望ましい。
本願の実施態様の素材食品由来の水中油型乳化油脂食品は、野菜、果実、藻類又は菌類由来から成る素材食品の成分を含む水相と、全体の10~80質量%を占める植物性加工油脂からなる油相とが、水中油型乳化物を形成していることを特徴とする。ここでいう「水中油型乳化油脂食品」、「素材食品」、「野菜、果実、藻類又は菌類」及び「植物性加工油脂」の意義については上述のとおりである。
本願の実施態様によると、野菜、果実、藻類又は菌類を原料として濃厚クリーム、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような、水中油型乳化油脂食品を製造することが可能となる。なお、通常のファットスプレッド、又はマーガリンは油中水型乳化油脂食品であるが、本願の実施態様は乳化型が逆の水中油型乳化油脂食品である。
本願の実施形態における野菜、果実、藻類又は菌類由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法の概要を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本願の実施形態を説明する。
図1は、本願の実施形態における素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法の概要を示すフローチャートである。
本実施形態に係る素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法は、野菜、果実、藻類又は菌類から成る素材食品を粉砕する工程、粉砕した前記素材食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程、前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程、前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程、並びに、前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程、を含んでなる。
「素材食品」並びに「野菜」、「果実」、「藻類」及び「菌類」については先述のとおりである。
本実施形態の製造方法では、まず、S1に示す原料粉砕工程において、素材食品を粉砕してペースト状又は液状にする。この原料粉砕工程は、たとえばフードミキサー等によって行うことが可能であり、粉砕後にそのままそのフードミキサー等に水和媒体及び豆類由来非焙煎粉を投入して混和することで、S2に示す原料混和工程を実施して食品水和物とすることができる。S2に示す原料混和工程においては、素材食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする。
ここで、水和媒体は、水を主成分とした液体であって、植物発酵食品を浮遊させ乳化物とするのを容易にするために使用されるものであって、具体的には、水、甘酒若しくは植物ミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。また、「植物ミルク」とは、堅果、穀物又は豆類由来の乳様液体をいい、具体的には、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク若しくはカシューナッツミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物である。
また、豆類由来非焙煎粉は、素材食品と水和媒体との混合物を、後にS5の乳化工程において植物性加工油脂との乳化状態を安定させるための乳化剤として添加されるものである。豆類由来非焙煎粉としては、大豆粉、大福豆粉、緑豆粉、ひよこ豆粉、そら豆粉又は落花生粉が使用可能であるが、乳化を促進するレシチンを含有することから大豆粉が最も好ましい。
S2の原料混和工程で得られた食品水和物は、S3の水和物加熱工程において、後に加えられる油相としての植物性加工油脂がO/W型に乳化されやすくするために、植物性加工油脂の融点以上の温度、たとえば60℃に加熱しておく。
植物性加工油脂は、常温で液体である植物由来の食用油、たとえば、大豆油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、綿実油、米糠油、サフラワー油、ピーナツ油、ごま油、亜麻仁油、オリーブ油、コーン油等を適宜の手段(たとえば、水素添加、エステル交換等)によって融点を調整し常温で固体となるように調整したものをいう。植物性加工油脂としては、融点を30~40℃に調整した、大豆油、パーム油又は菜種油が最も適している。
このような、たとえば融点32℃程度の植物性加工油脂は、S4の油脂加熱工程において、油脂の融点以上の品温、たとえば60℃に加熱され、液化される。
なお、S3の水和物加熱工程とS4の油脂加熱工程とは別途独立の工程として実施される。
S3の水和物加熱工程で加熱された食品水和物と、S4の油脂加熱工程で加熱された植物性加工油脂とは、S5の乳化工程において、乳化処理に供される。たとえば、乳化タンクにまず加熱された食品水和物を入れ、撹拌しながら加熱された植物性加工油脂を、空気を混入させないように少しずつ投入していく。このとき、食品水和物は全体量のたとえば20質量%以上90質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下とし、投入される植物性加工油脂(たとえば、パーム油、大豆油又は菜種油)は全体量のたとえば10質量%以上80質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下とするのが望ましい。この乳化工程によって、水中油型乳化物が形成される。この水中油型乳化物の乳化状態を安定化させるために、フードプロセッサー、フードミキサー、コロイドミル、ホモミキサー又はホモゲナイザーなどの加圧式乳化機で乳化の均質化を図ってもよい。
S5の乳化工程で得られた水中油型乳化物は、S7に示す冷却工程で固化される前に、必要に応じてS6に示す殺菌工程に供される。この殺菌工程は、たとえば、水中油型乳化物を90~95℃で60秒程度加熱することで行うことができる。なお、最終的に得られる水中油型乳化油脂食品を製造後すぐに食したり使用したりするような場合であって、特に殺菌が必要ない場合には、この殺菌工程は省いても差し支えない。また、殺菌工程は水和物加熱工程の後、乳化工程の前に設定することもできる。なお、油脂にはほとんど菌が生息していないので、植物性加工油脂に特別な添加物がない場合、食品水和物のみを殺菌すれば、水中油型乳化食品の殺菌は事実上達成できる。
そして、S7の冷却工程において、水中油型乳化物は適当な容器に充填された状態で、たとえば冷蔵庫などで10℃程度で数時間、望ましくは一晩冷却されることで、油脂成分が固化して、固体状又はクリーム状の水中油型乳化油脂食品が得られる。
上記した各工程を経て得られた素材食品由来の水中油型乳化油脂食品では、素材食品由来の成分を含む水相と、全体の10~80質量%を占める植物性加工油脂からなる油相とが、水中油型乳化物を形成している。ここで、水相と油相とが水中油型乳化物を形成していることは、たとえば、水中油型乳化油脂食品を、水又は30℃程度の微温湯に投入すると、油滴として浮遊することなく、水に溶解して分散することで判定できる。また、水相が素材食品由来の成分を含んでいることは、原料となる野菜、果実、藻類又は菌類の性状によって様々な方法で確認することができる。たとえば、野菜、果実、藻類又は菌類に特有な塩基配列が保持されていれば、水中油型乳化油脂食品のDNA分析によって原料となった野菜、果実、藻類又は菌類を特定することができる。その他にも、野菜、果実、藻類又は菌類に特有な成分が保持されていれば、水中油型乳化油脂食品からその成分を検出することで、原料となった野菜、果実、藻類又は菌類を特定することができる。
(1)実施例1(キノコ風味のファットスプレッド)
実施例1では、菌類として生しいたけ、水和媒体として煮干しを一晩水出しした出し汁豆類由来非焙煎粉として大豆粉(そのまま使える大豆粉、みたけ食品工業)、及び植物性加工油脂として大豆油加工油脂(融点32℃、ADEKA)を使用した。
生しいたけ100gを油で軽く炒めた後、フードプロセッサー(バイタプレップ3、バイタミックス社、米国)で粉砕し、この粉砕物90gに、出し汁180ml及び大豆粉6gを混合して食品水和物とした。この食品水和物を、湯煎しながら品温を60℃まで加熱した。一方、大豆油加工油脂を別途60℃まで加熱した。
上記の加熱した食品水和物をT.K.ホモミキサー(特殊機化工業)で2,700rpmで撹拌しつつ、上記の加熱した大豆油加工油脂414gをなるべく泡立たせないようにゆっくり注入し、注入後10分間攪拌を継続して油脂のエマルジョン粒子を微細化させ、水中油型乳化物を得た。
次に、この水中油型乳化物を、ミキサーの回転数を1,000rpmに下げてゆっくり撹拌しながら、90℃で60秒加熱して殺菌した後、容器に充填し、冷蔵庫内(約10℃)で一晩冷却して、生しいたけ由来の水中油型乳化油脂食品を得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の60.0質量%を占めた。
この水中油型乳化油脂食品は、JAS規格(JAS 0932:2018)でいうファットスプレッドに該当するものであり、これをトーストした食パンに塗って食したところ、しいたけの風味が強く立ち、キノコ風味の良好なトーストとなったことが確認された。
(2)実施例2(青のり風味のマーガリン)
実施例2では、藻類として乾燥青海苔、水和媒体として鰹出し汁、豆類由来非焙煎粉として枝豆粉、並びに植物性加工油脂としてパーム油80質量%及びパーム核油20質量%の配合油(融点30.6℃)を使用した。
前記乾燥青海苔50gと鰹出し汁150gをフードプロセッサー(実施例1と同じ)でペースト状に粉砕し、さらに枝豆粉を添加して撹拌を続けて90℃で1分間殺菌をし、60℃まで冷却し食品水和物とした。別途、60℃に過熱した前記配合油をT.K.ホモミキサー(実施例1と同じ)3,000rpmで、撹拌しながら食品水和物に添加した。撹拌を15分間継続したのち、10℃まで冷却して、冷蔵庫内(約10℃)で一晩冷却して、水中油型乳化油脂食品としての青のり風味のマーガリンを得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の79.2質量%を占めた。
この青のりマーガリンを約10gご飯で包み込んでおにぎりとした。これは、そのままでも美味であったが、表面を焼くと一層美味であった。
(3)実施例3(トマト風味の濃厚ソース)
実施例3では、野菜としてトマト及びニンニク、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、並びに植物性加工油脂として菜種油の微水添硬化油(融点25℃)を使用した。
トマトをフードミキサーで粉砕した液70gと、ニンニクをフードミキサーで粉砕したペースト4gと、醤油5gと、砂糖5gと、大豆粉1gとをフードプロセッサー(実施例1と同じ)でペースト状に粉砕し、食品水和物を得た。なお、トマトを粉砕した液に含まれる水分を水和媒体とした。粉砕したペーストを撹拌しつつ、あらかじめ60℃に加温した前記植物性加工油脂15gを泡立たせないようにゆっくり投入して乳化を行い、水中油型乳化物とした。さらにこの水中油型乳化物を90~95℃で1分間殺菌した後、10℃まで冷却し、さらに冷蔵庫(10℃)で一晩エージングして、水中油型乳化油脂食品としての濃厚ソースを完成させた。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の15.0質量%を占めた。この濃厚ソースは、菜種油のとろみを備えつつ、油脂成分に富む濃厚ソースとなった。
(4)実施例4(ブロッコリー風味のホイップクリーム)
実施例4では、野菜としてブロッコリー、水和媒体として豆乳(マルサンアイ)、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、並びに植物性加工油脂としてパーム油80質量%及びヤシ油20質量%の配合油(融点30.6℃)を使用した。
ブロッコリーをフードプロセッサー(実施例1と同じ)でペースト状に粉砕した。このブロッコリーのペースト100gに、砂糖50g、大豆粉10g及び豆乳440gを添加して撹拌しつつ90~95℃で1分間殺菌した後、60℃まで冷却し食品水和物とした。そして、別途60℃に過熱した前記配合油400gを添加して、予備乳化した。次にホモゲナイザー(三和機械)で、100kg重加圧で乳化を均質化したのち冷却し、10℃で一夜エージングして、水中油型乳化油脂食品としてのブロッコリー風味のホイップクリームを得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の40.0質量%を占めた。このブロッコリー風味のホイップクリームを起泡させて、ホットケーキのトッピングとしたところ、ブロッコリーと豆乳の風味が際立って美味であった。
(5)実施例5(コーン風味のホイップクリーム)
実施例4では、野菜として粒コーン、水和媒体としてアーモンドミルク(キッコーマン飲料)、豆類由来非焙煎粉として大豆粉(実施例1と同じ)、並びに植物性加工油脂としてパーム油80質量%及びヤシ油20質量%の配合油(融点30.6℃)を使用した。
粒コーンをフードプロセッサー(実施例1と同じ)でペースト状に粉砕した。このコーンのペースト100gに、砂糖50g、大豆粉10g及びアーモンドミルク440gを添加して撹拌しつつ90~95℃で1分間殺菌した後、60℃まで冷却し食品水和物とした。そして、別途60℃に過熱した前記配合油400gを添加して、予備乳化した。次にホモゲナイザー(三和機械)で、100kg重加圧で乳化を均質化したのち冷却し、10℃で一夜エージングして、水中油型乳化油脂食品としてのコーン風味のホイップクリームを得た。この水中油型乳化物における、植物性加工油脂からなる油相は、全体の40.0質量%を占めた。このコーン風味のホイップクリームを起泡させて、ホットケーキのトッピングとしたところ、コーンと豆乳の風味が際立って美味であった。
本発明は、野菜、果実、藻類又は菌類を原料とした濃厚クリーム、タレ、ホイップクリーム、ファットスプレッド又はマーガリンのような、水中油型乳化油脂食品の製造に利用可能である。
S1 原料粉砕工程
S2 原料混和工程
S3 水和物加熱工程
S4 油脂加熱工程
S5 乳化工程
S6 殺菌工程
S7 冷却工程

Claims (6)

  1. 野菜、果実、藻類又は菌類から成る素材食品を粉砕する工程、
    粉砕した前記素材食品を水和媒体及び豆類由来非焙煎粉と混和して食品水和物とする工程、
    前記食品水和物及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱する工程、
    前記加熱された食品水和物に前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化することで水中油型乳化物を得る工程、並びに、
    前記水中油型乳化物を冷却して固化させる工程、
    を含んでなることを特徴とする、素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  2. 前記水和媒体は、水、甘酒若しくは植物ミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  3. 前記植物ミルクは、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク若しくはカシューナッツミルクのうちのいずれか又は2以上の混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  4. 前記豆類由来非焙煎粉は大豆粉であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  5. 前記水中油型乳化物を冷却して固化させる前に、加熱して殺菌する工程をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の素材食品由来の水中油型乳化油脂食品の製造方法。
  6. 野菜、果実、藻類又は菌類から成る素材食品由来の成分を含む水相と、全体の10~80質量%を占める植物性加工油脂からなる油相とが、水中油型乳化物を形成していることを特徴とする、素材食品由来の水中油型乳化油脂食品。
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