JP2022065623A - パネル - Google Patents

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攻一郎 吉田
Koichiro Yoshida
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Abstract

【課題】基材と面材の剥離が抑制される、パネルを提供する。【解決手段】本発明によれば、基材と、面材を備えるパネルであって、前記面材は、前記基材に設けられた凹部内に固定される、パネルが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の荷室に設置されるラゲッジボード等として利用可能なパネルに関する。
特許文献1には、中空板に薄板状の鋼板を取り付けて構成されるパネル材が開示されている。
特開2016-7900号公報
特許文献1の構成では、鋼板と中空板の界面は、外力が加わりやすい位置に配置されており、界面に外力が加わると鋼板と中空板が剥離されてしまう虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、基材と面材の剥離が抑制される、パネルを提供するものである。
本発明によれば、基材と、面材を備えるパネルであって、前記面材は、前記基材に設けられた凹部内に固定される、パネルが提供される。
本発明のパネルでは、基材に設けられた凹部内に面材が固定される。このため、基材と面材の界面が凹部内に配置されるので、界面に外力が加わりにくく、基材と面材が剥離することが抑制される。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載のパネルであって、前記基材及び前記面材は、表皮材で被覆される、パネルである。
好ましくは、前記記載のパネルであって、前記凹部の縁と前記基材の側端の間の周縁部の幅は、1~20mmである、パネルである。
好ましくは、前記記載のパネルであって、前記凹部の縁と前記面材の縁の間の段差をSとし、前記面材の厚さをT1とすると、S/T1は、0.8以下である、パネルである。
図1Aは、本発明の一実施形態のパネル1の断面図であり、図1Bは、図1A中の領域Bの拡大図であり、図1Cは、図1Bから表皮材4及び接着層7を除いたものである。 図1Bの分解図である(接着層6,7は不図示)。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.パネル1の構造
図1~図2に示すように、本発明の一実施形態に係るパネル1は、基材2と、面材3と、表皮材4を備える。パネル1は、略直方体形状であることが好ましい。パネル1は、車両の荷室に設置されるラゲッジボード等として利用可能である。
基材2は、好ましくは板状の部材である。基材2は、発泡体であっても非発泡体であってもよい。また、基材2は、中空体であっても中実体であってもよい。基材2は、金型を用いた成形によって形成することが好ましい。この場合、基材2をパネル1の製造前に予め所望の形状にすることができるので、取り扱い性に優れている。また、基材2を所望のパネル形状に合わせた形状にすることができるので、形状最適化された製品を得ることができる。
基材2の例としては、ビーズ発泡成形によって得られるビーズ発泡成形体、1枚の発泡又は非発泡の樹脂シートに凹凸形状を付与して得られる発泡又は非発泡シート成形体、発泡又は非発泡の、筒状パリソン又は2枚の樹脂シートを成形して得られる発泡又は非発泡中空成形体などが挙げられる。
ビーズ発泡成形体は、例えば、発泡ポリスチレン、発泡アクリロニトリルスチレン、発泡ポリプロピレンなどで構成することができ、その発泡倍率は、例えば20~50倍であり、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
発泡パリソン又は発泡樹脂シートは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンで構成することができ、これを用いた成形体の発泡倍率は、例えば1.1~8倍であり、具体的には例えば、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
基材2の厚さは、例えば、5~25mmであり、8~20mmが好ましい。この厚さは、具体的には例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。基材2の厚さは、基材2のおもて面2fと裏面2rの距離が最も大きくなる部位での距離を意味する。
基材2には、凹部5が設けられている。凹部5は、基材2のおもて面2fと裏面2rに1つずつ設けられている。各凹部5内には、面材3が固定される。凹部5の平面形状(図1Aの上方向から基材2を見たときの形状)は、略矩形状であることが好ましい。
面材3は、板状の部材であり、凹部5内に面材3を固定することによって、パネル1の剛性を高めることができる。このため、基材2を薄厚化することができ、これによってパネル1の軽量化が可能になる。面材3は、単位厚さ当たりの剛性が基材2よりも高い材料で構成することができ、例えば、金属(アルミ、鉄など)や繊維強化樹脂などで構成可能である。面材3の厚さは、例えば、0.1~3mmであり、0.3~1.5mmが好ましい。この厚さは、例えば、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、本明細書において、厚さ、深さ等の値は、別途明記しない限り、平均値を意味する。
面材3を凹部5内に固定する方法は、特に限定されず、基材2に溶着してもよく、接着層6を介して基材2に接着してもよい。接着層6を構成する接着剤としては、ウレタン系の接着剤やオレフィン系の接着剤が挙げられる。接着層6の厚さは、例えば、0.01~0.5mmであり、具体的には例えば、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
凹部5の底面5cの面積をS1とし、面材3の、凹部5の底面5cに対向する面の面積をS2とすると、S2/S1は、例えば、0.8~1であり、0.9~1が好ましい。この場合、凹部5のほぼ全体が面材3で充填されることとなり、パネル1の剛性が高くなる。S2/S1は、具体的には例えば、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.00であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
凹部5の深さは、凹部5の縁5aと面材3の縁3aの間の段差が小さくなるように設定することが好ましく、段差が無いように設定することが好ましい。段差がある場合、縁5aの方が高くても、縁3aの方が高くてもよい。段差をSとし、面材3の厚さをT1とすると、S/T1は、0.8以下が好ましい。この場合、凹部5を設けずに面材3を基材2上に配置した場合よりも段差が小さくなる。この値は、例えば0~0.8であり、具体的には例えば、0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。凹部5の深さは、面材3と接着層6の合計厚さに一致させることが好ましい。この場合、凹部5の縁5aと面材3の縁3aの間の段差を無くすことができる。
凹部5の深さは、例えば、0.1~3mmであり、0.3~1.5mmが好ましい。この深さは、例えば、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
基材2の厚さをTとし、凹部5の深さをDとすると、D/Tは、例えば、0.01~0.3であり、0.02~0.2が好ましい。この値は、具体的には例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.2、0.3であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
凹部5の縁5aと基材2の側端2aの間の周縁部2bの幅Wは、1~20mmであることが好ましい。幅Wが小さすぎると周縁部2bの強度が弱すぎて外力によって周縁部2bが破壊される虞があり、幅Wが大きすぎると、面材3が存在してない領域が広くなりすぎて、パネル1の剛性が不十分になる場合がある。幅Wは、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。周縁部2bの幅Wは、基材2の全周に渡って一定であることが好ましい。幅Wが全周に渡って一定でない場合、その平均値が上記範囲内であることが好ましく、その最小値と最大値の両方が上記範囲内であることがさらに好ましい。
表皮材4は、基材2及び面材3を被覆するように配置される。表皮材4は、基材2のおもて面2fの凹部5内に配置された面材3と、基材2のおもて面2fの周縁部2bと、基材2の側面2sを被覆することが好ましい。これによって、パネル1のおもて面1fと側面1sがユーザーに視認されやすい用途(例:ラゲッジボード)での美観が向上する。また、基材2と面材3の界面が表皮材4で被覆されるので、面材3が基材2から剥離することが抑制される。また、表皮材4は、基材2の裏面2rの凹部5内に配置された面材3の一部又は全部と、基材2の裏面2rの周縁部2bを被覆することが好ましい。これによって、基材2と、裏面2r側の面材3の界面が表皮材4で被覆されるので、裏面2r側の面材3が基材2から剥離することが抑制される。
表皮材4は、一例では、不織布であり、接着層7を介して、面材3及び基材2に接着することができる。
2.パネル1の製造方法
パネル1は、以下の方法で製造することができる。
(1)基材準備工程
基材準備工程では、凹部5を有する基材2を準備する。
(2)面材固定工程
面材固定工程では、基材2の凹部5内に面材3を固定する。面材3は、例えば溶着又は接着によって固定することができる。接着の場合、基材2と面材3の間に接着層を配置し、その後、面材3を凹部5の底面5cに押し付けることによって、面材3を凹部5の底面5cに固定することができる。接着層は、凹部5の底面5c又は面材3に接着剤を塗布(例:スプレー塗布、ビード塗布)することによって配置することができる。
(3)表皮材固定工程
表皮材固定工程では、表皮材4を固定する部位(面材3及び基材2)に接着剤を塗布し、その後、接着剤を塗布した部位に表皮材4を押し付けることによって、表皮材4を面材3及び基材2に固定することができる。
3.パネル1の別の製造方法
「2.パネル1の製造方法」では、凹部5を有する基材2を準備した上で、凹部5内に面材3を固定したが、凹部5を有しない基材2を準備し、基材2上に面材3を載置した状態で面材3を基材2に押し付けることによって、面材3を基材2にめり込ませて、基材2に凹部5を形成してもよい。このような方法によっても、凹部5内に面材3を固定することができる。この場合、基材2は、押圧によって凹みやすい材質(例えば発泡体、特にビーズ発泡成形体)で構成することが好ましい。
面材3を基材2に押し付ける工程は、基材2と面材3の間に接着層を配置した状態で行ってもよく、接着層を配置していない状態で行ってもよい。後者の場合は、面材3を基材2に押し付けることによって凹部5を形成し、その後に、基材2と面材3の間に接着層を配置した状態で面材3を基材2に押し付けることによって、面材3を基材2に固定することができる。前者の方が、工程数が少なくなるので好ましい。この押し付けは、例えば、押圧ローラやプレス機などを用いて行うことができる。
本製造方法においては、表皮材固定工程は、「2.パネル1の製造方法」と同様に行うことができる。
4.その他実施形態
・表皮材4は、不要な場合には省略可能である。
・凹部5は、基材2のおもて面2fと裏面2rの一方のみに設けてもよい。この場合、面材3は、凹部5がある面のみに配置される。
1 :パネル
1f :おもて面
1s :側面
2 :基材
2a :側端
2b :周縁部
2f :おもて面
2r :裏面
2s :側面
3 :面材
3a :縁
4 :表皮材
5 :凹部
5a :縁
5c :底面
6 :接着層
7 :接着層

Claims (4)

  1. 基材と、面材を備えるパネルであって、
    前記面材は、前記基材に設けられた凹部内に固定される、パネル。
  2. 請求項1に記載のパネルであって、
    前記基材及び前記面材は、表皮材で被覆される、パネル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のパネルであって、
    前記凹部の縁と前記基材の側端の間の周縁部の幅は、1~20mmである、パネル。
  4. 請求項1~請求項3の何れか1つに記載のパネルであって、
    前記凹部の縁と前記面材の縁の間の段差をSとし、前記面材の厚さをT1とすると、
    S/T1は、0.8以下である、パネル。
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