JP2022063523A - 固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法 - Google Patents

固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022063523000001
【課題】性状の異なる固体燃料を混合して粉砕する場合において、適切に固体燃料粉砕装置を運転することを目的とする。
【解決手段】固体燃料粉砕装置100は、バイオマスペレットと、バイオマスペレットと粉砕性及び含水率が異なる第2固体燃料とが混合された固体燃料が上面に供給される粉砕テーブル12と、粉砕テーブル12上の固体燃料を粉砕する粉砕ローラ13と、バイオマスペレットを粉砕テーブル12上へ供給する給炭機20と、バイオマスチップを粉砕テーブル12上へ供給するバイオマスチップ供給装置52と、運転状態に基づいて、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整する制御部と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本開示は、固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法に関するものである。
従来、石炭やバイオマス燃料等の固体燃料(炭素含有固体燃料)は、粉砕機(ミル)で所定粒径範囲内の微粉状に粉砕して、燃焼装置へ供給される。ミルは、粉砕テーブルへ投入された石炭やバイオマス燃料等の固体燃料を、粉砕テーブルと粉砕ローラの間に挟み込んで粉砕し、粉砕されて微粉状となった固体燃料のうち、所定粒径範囲内の微粉燃料を分級機で選別し、粉砕テーブルの外周から供給される搬送用ガス(一次空気)によって、ボイラへ搬送して燃焼装置で燃焼させている。火力発電プラントでは、ボイラで微粉燃料を燃焼して生成された燃焼ガスとの熱交換により蒸気を発生させ、該蒸気により蒸気タービンを回転駆動して、蒸気タービンに接続した発電機を回転駆動することで発電が行なわれる。
炭素含有固体燃料のうち、木質系などのバイオマス燃料は、微粉砕し難い性質を有する一方で、燃焼性が高く比較的大きな粒径であっても好適に燃焼させることができる性質を有している。従って、バイオマス燃料を固体燃料として使用する場合、石炭と比較して約5~10倍程度大きい粒径の状態で、ミルからボイラに設けられた燃焼装置に供給されるのが通常である。
このように、石炭とバイオマス燃料とでは、燃焼装置に供給する粒径が異なるため、固体燃料の粉砕及び分級を行うミルは、バイオマス燃料粉砕用途と石炭粉砕用途とで異なる設計(例えばハウジング形状、粉砕テーブルの回転速度や分級機の回転速度など)とし、個別設計することが本来好ましい。しかしながら、設備コストや設置スペース等の観点から、同一のミルでバイオマス燃料と石炭の両方の固体燃料に対して対応することができ、その石炭とバイオマス燃料とを共用することができるミルを使用して、バイオマス燃料を使用できることが望まれている。
しかしながら、バイオマス燃料は繊維質のため、石炭と比較してミルの圧砕作用による粉砕性が低い。したがって、バイオマス燃料を使用する場合には、バイオマス(バイオマス燃料の原料)の繊維を予め細かく切断する下処理を行ったバイオマスペレットを使用するか、バイオマスを小さく切断したバイオマスチップを石炭に僅かに混入し、石炭の摩砕作用でバイオマスチップの繊維を切断するなどして粉砕を行う必要があった。このようなバイオマス燃料を粉砕する装置としては、例えば特許文献1の装置が知られている。
特許第4318259号公報
バイオマスチップとバイオマスペレットとは、粉砕性及び含水率が異なっている。このような性状の異なるバイオマスペレットとバイオマスチップとを混合してミルで粉砕することが考えられている。しかしながら、性状の異なる固体燃料同士を混合した場合におけるミルの適切な運転については考えられていなかった。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、性状の異なる固体燃料を混合して粉砕する場合において、適切に運転することができる固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置は、第1固体燃料と前記第1固体燃料と粉砕性及び/又は含水率が異なる第2固体燃料とが混合された固体燃料が上面に供給される粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上の前記固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、前記第1固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第1固体燃料供給部と、前記第2固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第2固体燃料供給部と、運転状態に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する制御部と、を備えている。
本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置の運転方法は、上第1固体燃料と前記第1固体燃料と粉砕性及び/又は含水率が異なる第2固体燃料とが混合された固体燃料が上面に供給される粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上の前記固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、を備えた固体燃料粉砕装置の運転方法であって、前記第1固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第1固体燃料供給工程と、前記第2固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第2固体燃料供給工程と、運転状態に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する調整工程と、を備えている。
本開示によれば、性状の異なる固体燃料を混合して粉砕する場合において、適切に固体燃料粉砕装置を運転することができる。
本開示の実施形態に係る発電プラントを示す構成図である。 図1の固体燃料粉砕装置を示す模式的な縦断面図である。 図2の要部拡大図である。 図2の固体燃料粉砕装置の制御部を示すブロック構成図である。 図4の制御部が行う処理を示すフローチャートである。 図4の制御部が行う処理を示すフローチャートである。 粉砕ローラのリフト量とバイオマスチップの投入量との関係を示すグラフである。 ミルの振動量とバイオマスチップの投入量との関係を示すグラフである。 入口温度とバイオマスチップの投入量との関係を示すグラフである。 出口温度とバイオマスチップの投入量との関係を示すグラフである。 テーブル差圧とバイオマスチップの投入量との関係を示すグラフである。 ミルの動力とバイオマスチップの投入量との関係を示すグラフである。 固体燃料粉砕装置の起動時におけるバイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量及び、粉砕ローラのリフト量の時間に応じた変化を示すグラフである。 固体燃料粉砕装置を停止させる際におけるバイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量及び、粉砕ローラのリフト量の時間に応じた変化を示すグラフである。
以下に、本開示に係る固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る発電プラント1は、固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを備えている。
以降の説明では、上方とは鉛直上側の方向を、上部や上面などの“上”とは鉛直上側の部分を示している。また同様に“下”とは鉛直下側の部分を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、一例として石炭やバイオマス燃料等の固体燃料(炭素含有固体燃料)を粉砕し、微粉燃料を生成してボイラ200のバーナ(燃焼装置)220へ供給する装置である。
図1に示す固体燃料粉砕装置100とボイラ200とを含む発電プラント1は、1台の固体燃料粉砕装置100を備えるものであるが、1台のボイラ200の複数のバーナ220のそれぞれに対応する複数台の固体燃料粉砕装置100を備えるシステムとしてもよい。
本実施形態の固体燃料粉砕装置100は、ミル(粉砕部)10と、給炭機(第1固体燃料供給部)20と、送風部(搬送用ガス供給部)30と、状態検出部40と、制御部(判定部)50とを備えている。
ボイラ200に供給する石炭やバイオマス燃料等の固体燃料を、微粉状の固体燃料である微粉燃料へと粉砕するミル10は、石炭のみを粉砕する形式であっても良いし、バイオマス燃料のみを粉砕する形式であっても良いし、石炭とともにバイオマス燃料を粉砕する形式であってもよい。
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃木材、流木、草類、廃棄物、汚泥、タイヤ及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
ミル10は、ハウジング(筐体)11と、粉砕テーブル(回転テーブル)12と、粉砕ローラ13と、駆動部14と、駆動部14に接続され粉砕テーブル12を回転駆動させるミルモータ15と、回転式分級機16と、燃料供給部17と、回転式分級機16を回転駆動させる分級機モータ18とを備えている。
ハウジング11は、鉛直方向に延びる筒状に形成されるとともに、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13と回転式分級機16と、燃料供給部17とを収容する筐体である。
ハウジング11の天井部42の中央部には、燃料供給部17が取り付けられている。この燃料供給部17は、バンカ21から導かれた固体燃料をハウジング11内に供給するものであり、ハウジング11の中心位置に上下方向に沿って配置され、下端部がハウジング11内部まで延設されている。
ハウジング11の底面部41付近には駆動部14が設置され、この駆動部14に接続されたミルモータ15から伝達される駆動力により回転する粉砕テーブル12が回転自在に配置されている。
粉砕テーブル12は、平面視円形の部材であり、燃料供給部17の下端部が対向するように配置されている。粉砕テーブル12の上面は、例えば、中心部が低く、外側に向けて高くなるような傾斜形状をなし、外周部が上方に曲折した形状をなしていてもよい。燃料供給部17は、固体燃料(本実施形態では例えば石炭やバイオマス燃料)を上方から下方の粉砕テーブル12に向けて供給し、粉砕テーブル12は供給された固体燃料を粉砕ローラ13との間で粉砕する。
固体燃料が燃料供給部17から粉砕テーブル12の略中央領域へ向けて投入されると、粉砕テーブル12の回転による遠心力によって、固体燃料は粉砕テーブル12の外周側へと導かれ、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間に挟み込まれて粉砕される。粉砕された固体燃料は、搬送用ガス流路(以降は、一次空気流路と記載する)100aから導かれた搬送用ガス(以降は、一次空気と記載する)によって上方へと吹き上げられ、回転式分級機16へと導かれる。
粉砕テーブル12の外周には、一次空気流路100aから流入する一次空気を、ハウジング11内の粉砕テーブル12の上方の空間に流出させる吹出口(図示省略)が設けられている。吹出口には旋回羽根(図示省略)が設置されており、吹出口から吹き出した一次空気に旋回力を与える。旋回羽根により旋回力が与えられた一次空気は、旋回する速度成分を有する気流となって、粉砕テーブル12上で粉砕された固体燃料を、ハウジング11内の上方にある回転式分級機16へと搬送する。なお、粉砕された固体燃料のうち、所定粒径より大きいものは回転式分級機16により分級されて、または、回転式分級機16まで到達することなく落下して、粉砕テーブル12上に戻されて、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間で再度粉砕される。
粉砕ローラ13は、燃料供給部17から粉砕テーブル12上に供給された固体燃料を粉砕する回転体である。粉砕ローラ13は、粉砕テーブル12の上面に押圧されて粉砕テーブル12と協働して固体燃料を粉砕する。
図1では、粉砕ローラ13が代表して1つのみ示されているが、粉砕テーブル12の上面を押圧するように、周方向に一定の間隔を空けて、複数の粉砕ローラ13が配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つの粉砕ローラ13が周方向に均等な間隔で配置される。この場合、3つの粉砕ローラ13が粉砕テーブル12の上面と接する部分(押圧する部分)は、粉砕テーブル12の回転中心軸からの距離が等距離となる。
粉砕ローラ13は、ジャーナルヘッド45によって、上下に揺動可能となっており、粉砕テーブル12の上面に対して接近離間自在に支持されている。粉砕ローラ13は、外周面が粉砕テーブル12の上面の固体燃料に接触した状態で、粉砕テーブル12が回転すると、粉砕テーブル12から回転力を受けて連れ回りするようになっている。燃料供給部17から固体燃料が供給されると、粉砕ローラ13と粉砕テーブル12との間で固体燃料が押圧されて粉砕される。
ジャーナルヘッド45の支持アーム47は、中間部が水平方向に沿った支持軸48によって、ハウジング11の側面部に支持軸48を中心として粉砕ローラ13を上下方向に揺動可能に支持されている。また、支持アーム47の鉛直上側にある上端部には、押圧装置49が設けられている。押圧装置49は、ハウジング11に固定されており、粉砕ローラ13を粉砕テーブル12に押し付けるように、支持アーム47等を介して粉砕ローラ13に荷重を付与する。
駆動部14は、粉砕テーブル12に駆動力を伝達し、粉砕テーブル12を中心軸回りに回転させる装置である。駆動部14は、ミルモータ15に接続されており、ミルモータ15の駆動力を粉砕テーブル12に伝達する。
回転式分級機16は、ハウジング11の上部に設けられ中空状の略逆円錐形状の外形を有している。回転式分級機16は、その外周位置に上下方向に延在する複数のブレード16aを備えている。各ブレード16aは、回転式分級機16の中心軸線周りに所定の間隔(均等間隔)で設けられている。
回転式分級機16は、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13により粉砕された固体燃料(以降、粉砕された固体燃料を「粉砕燃料」という。)を、所定粒径(例えば、石炭では70~100μm)より大きいもの(以降、所定粒径を超える粉砕燃料を「粗粉燃料」という。)と、所定粒径以下のもの(以降、所定粒径以下の粉砕燃料を「微粉燃料」という。)に分級する装置である。回転により分級する回転式分級機16は、ロータリセパレータとも呼ばれ、制御部50によって制御される分級機モータ18により回転駆動力を与えられ、ハウジング11の上下方向に延在する円筒軸(図示省略)を中心に燃料供給部17の周りを回転する。
なお、分級機としては、固定された中空状の逆円錐形状のケーシングと、そのケーシングの外周位置にブレード16aに替わって複数の固定旋回羽根とを備えた固定式分級機を用いてもよい。
回転式分級機16に到達した粉砕燃料は、ブレード16aの回転により生じる遠心力と、一次空気の気流による向心力との相対的なバランスにより、大きな径の粗粉燃料は、ブレード16aによって叩き落とされ、粉砕テーブル12へと戻されて再び粉砕され、微粉燃料はハウジング11の天井部42にある出口ポート(出口部)19に導かれる。回転式分級機16によって分級された微粉燃料は、一次空気とともに出口ポート19から微粉燃料供給流路100bへ排出され、ボイラ200のバーナ220へ供給される。微粉燃料供給流路100bは、固体燃料が石炭の場合には、微粉炭管とも呼ばれる。
燃料供給部17は、ハウジング11の天井部42を貫通するように上下方向に沿って下端部がハウジング11内部まで延設されて取り付けられ、燃料供給部17の上部から投入される固体燃料を粉砕テーブル12の略中央領域に供給する。燃料供給部17は、給炭機20から固体燃料(本実施形態では、バイオマスペレット)が供給される(図2の矢印A3参照)。また、燃料供給部17は、後述のバイオマスチップ供給装置52からバイオマスチップが供給される(図2の矢印A4参照)。
給炭機20は、搬送部22と、給炭機モータ23とを備える。搬送部22は、例えばベルトコンベアであり、給炭機モータ23から与えられる駆動力によって、バンカ21の直下にあるダウンスパウト24の下端部から排出される固体燃料を、ミル10の燃料供給部17の上部まで搬送し、燃料供給部17の内部へ投入する。
通常、ミル10の内部には、微粉燃料をバーナ220へ搬送するための一次空気が供給されており、給炭機20やバンカ21よりも圧力が高くなっている。バンカ21の直下にある上下方向に延在する管であるダウンスパウト24には、内部に燃料が積層状態で保持されていて、ダウンスパウト24内に積層された固体燃料層により、ミル10側の一次空気と微粉燃料がバンカ21側へ逆流しないようなシール性を確保している。
ミル10へ供給される固体燃料の供給量は、例えば、搬送部22のベルトコンベアの移動速度によって調整される。
一方、粉砕前のバイオマス燃料のチップやペレットは、石炭燃料(すなわち粉砕前の石炭の粒径は、例えば、粒径が2~50mm程度)に比べて、粒径が一定であり(ペレットのサイズは、例えば、直径6~8mm程度、長さは40mm以下程度)、かつ、軽量である。このため、バイオマス燃料がダウンスパウト24内に貯留されている場合は、石炭燃料の場合に比べて、ダウンスパウト24内の固体燃料層において各バイオマス燃料間に形成される隙間が大きくなる。また、ダウンスパウト24内の固体燃料層において、各バイオマス燃料間に形成される隙間の状態は一定とは限らず、変動する場合がある。
したがって、石炭燃料の場合と比べて、ダウンスパウト24内のバイオマス燃料のチップやペレットの間には比較的大きな隙間が形成されることから、ミル10内部から一次空気と粉砕燃料が、固体燃料層に形成される隙間を通過して、ミル10内部から給炭機20を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流が発生して、ミル10内部の圧力が低下する場合があり、その可能性は石炭燃料の場合と比べて高い。
また、一次空気と粉砕燃料がバンカ21側へ逆流し、ミル10内部の圧力が低下すると、ミル10内部での粉砕燃料の搬送性の悪化、給炭機20内部及びバンカ21上部での粉塵の発生、給炭機21内部、バンカ21及びダウンスパウト24内の固体燃料への着火、及びバーナ220への微粉燃料の搬送量が低下するなど、固体燃料粉砕装置100及びボイラ200の安定した運転に種々の問題が生じる可能性がある。
このため、本実施形態では、給炭機20からミル10内部へ向かう燃料供給部17の途中にロータリバルブ51を設けて、ミル10内部から給炭機20を経てバンカ21へ向かう一次空気と粉砕燃料の逆流の発生を抑制している。なお、本実施形態では、バンカ21には、バイオマスペレットが貯留されている。また、ロータリバルブ51を設けなくてもよい。
送風部30は、粉砕燃料を乾燥させるとともに、回転式分級機16へ搬送するための一次空気を、ハウジング11の内部へ送風する装置である。送風部30からハウジング11の内部へ供給された一次空気(図2矢印A1参照)は、粉砕テーブル12上の微粉燃料(図2矢印A2参照)を、出口ポート19を介して火炉210まで搬送する。
送風部30は、ハウジング11の内部へ送風される一次空気の流量と温度を適切に調整するために、本実施形態では、一次空気通風機(PAF:Primary Air Fan)31と、熱ガス流路30aと、冷ガス流路30bと、熱ガスダンパ30cと、冷ガスダンパ30dとを備えている。
本実施形態では、熱ガス流路30aは、一次空気通風機31から送出された空気(外気)の一部を、例えば空気予熱器などの熱交換器34を通過して加熱された熱ガスとして供給する。熱ガス流路30aの下流側には、熱ガスダンパ30cが設けられている。熱ガスダンパ30cの開度は、制御部50によって制御される。熱ガスダンパ30cの開度によって、熱ガス流路30aから供給する熱ガスの流量が決定される。
冷ガス流路30bは、一次空気通風機31から送出された空気の一部を常温の冷ガスとして供給する。冷ガス流路30bの下流側には、冷ガスダンパ30dが設けられている。冷ガスダンパ30dの開度は、制御部50によって制御される。冷ガスダンパ30dの開度によって、冷ガス流路30bから供給する冷ガスの流量が決定される。
一次空気の流量は、本実施形態では、熱ガス流路30aから供給する熱ガスの流量と冷ガス流路30bから供給する冷ガスの流量の合計の流量となり、一次空気の温度は、熱ガス流路30aから供給する熱ガスと冷ガス流路30bから供給する冷ガスの混合比率で決まり、制御部50によって制御される。
また、熱ガス流路30aから供給する熱ガスに、図示しないガス再循環通風機を介してボイラ200から排出された燃焼ガスの一部を導き、混合することで、一次空気流路100aからハウジング11の内部へ送風する一次空気の酸素濃度を調整してもよい。
本実施形態では、ミル10の状態検出部40により、計測または検出したデータを制御部50に送信する。本実施形態の状態検出部40は、例えば、差圧計測手段であり、一次空気流路100aからハウジング11の内部へ一次空気が流入する部分における圧力と、ハウジング11の内部から微粉燃料供給流路100bへ一次空気と微粉燃料が排出される出口ポート19における圧力との差圧を、ミル10の差圧として計測する。このミル10の差圧の増減は、回転式分級機16の分級効果によってハウジング11内部の回転式分級機16付近と粉砕テーブル12付近の間を循環している粉砕燃料の循環量の増減に対応する。すなわち、このミル10の差圧に応じて回転式分級機16の回転数を調整することで、ミル10に供給する固体燃料の供給量に対して、出口ポート19から排出される微粉燃料の量を調整することができるので、微粉燃料の粒度がバーナ220の燃焼性に影響しない範囲で、ミル10への固体燃料の供給量に対応した量の微粉燃料を、ボイラ200に設けられたバーナ220に安定して供給することができる。
また、本実施形態の状態検出部40は、例えば、温度計測手段であり、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の温度(ミル入口における一次空気温度)や、ハウジング11の内部の粉砕テーブル12上部の空間から出口ポート19までの一次空気の温度を検出して、上限温度を超えないように送風部30を制御する。上限温度は、固体燃料への着火の可能性等を考慮して決定される。なお、一次空気は、ハウジング11の内部において、粉砕燃料を乾燥しながら搬送することによって冷却され、出口ポート19での一次空気の温度は、例えば約60~90度程度となる。
制御部50は、固体燃料粉砕装置100の各部を制御する装置である。
制御部50は、例えば、ミルモータ15に駆動指示を伝達して粉砕テーブル12の回転速度を制御してもよい。
制御部50は、例えば、分級機モータ18へ駆動指示を伝達して回転式分級機16の回転速度を制御して分級性能を調整し、ミル10の差圧、すなわちミル10内部の粉砕燃料の循環量を所定の範囲に適正化することにより、微粉燃料をバーナ220へ安定して供給することができる。
また、制御部50は、例えば給炭機20の給炭機モータ23へ駆動指示を伝達することにより、搬送部22が固体燃料を搬送して燃料供給部17へ供給する固体燃料の供給量(給炭量)を調整することができる。
また、制御部50は、開度指示を送風部30に伝達することにより、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御して一次空気の流量と温度を調整することができる。具体的には、制御部50は、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の流量と、出口ポート19における一次空気の温度が、固体燃料の種別毎に、給炭量に対応して設定された所定値となるように、熱ガスダンパ30cおよび冷ガスダンパ30dの開度を制御する。
制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。また、HDD140はソリッドステートディスク(SSD)等で置き換えられてもよい。
次に、固体燃料粉砕装置100から供給される微粉燃料を用いて燃焼を行って蒸気を発生させるボイラ200について説明する。ボイラ200は、火炉210とバーナ220とを備えている。
バーナ220は、微粉燃料供給流路100bから供給される微粉燃料を含む一次空気と、押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)32から送出される空気(外気)を熱交換器34で加熱して供給される二次空気とを用いて、微粉燃料を燃焼させて火炎を形成する装置である。微粉燃料の燃焼は火炉210内で行われ、高温の燃焼ガスは、蒸発器、過熱器、節炭器などの熱交換器(図示省略)を通過した後にボイラ200の外部に排出される。
ボイラ200から排出された燃焼ガスは、環境装置(脱硝装置、電気集塵機などで図示省略)で所定の処理を行うとともに、例えば空気予熱器などの熱交換器34で一次空気通風機31から送出される空気と押込通風機32から送出される空気との熱交換が行われ、誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)33を介して煙突(図示省略)へと導かれて外気へと放出される。熱交換器34において燃焼ガスにより加熱された一次空気通風機31から送出される空気は、前述した熱ガス流路30aに供給される。
ボイラ200の各熱交換器への給水は、節炭器(図示省略)において加熱された後に、蒸発器(図示省略)および過熱器(図示省略)によって更に加熱されて高温高圧の蒸気が生成され、発電部である蒸気タービン(図示省略)へと送られて蒸気タービンを回転駆動し、蒸気タービンに接続した発電機(図示省略)を回転駆動して発電が行われ、発電プラント1を構成する。
本実施形態では、ミル10でバイオマスペレット(第1固体燃料)とバイオマスチップ(第2固体燃料)とを混合したものを粉砕する。以下では、バイオマスペレット及びバイオマスチップについて説明する。
バイオマスペレットは、例えば、鋸屑等の木粉をペレタイザーで整形造粒したものである。具体的には、バイオマスペレットは、0.6mm~1mm程度に粉砕したバイオマス粒子を圧縮成形したもので、10mm×40mm程度の大きさに固めたものである。このように、バイオマスペレットは、圧縮成形等の加工が必要なため、バイオマスチップと比較して高価である。
また、バイオマスペレットは、バイオマスチップよりも含水率が低い。バイオマスペレットの含水率は、例えば、0wt%以上であって、10wt%以下である。バイオマスペレットは、含水率が高くなると、発酵する可能性や膨張して形状が崩壊する可能性がある。
バイオマスペレットは、繊維が短く、バイオマスチップよりも粉砕性が高い。すなわち、バイオマスペレットは、粉砕し易い。したがって、バイオマスペレットを粉砕する場合には、粉砕ローラ13のリフト量が低下する傾向にある。これに伴って、ミル10内を循環する微粉燃料の量が低減するので、ミル10の差圧も低下する傾向にある。
バイオマスチップは、例えば、生木又は、廃材等の木材を切断したものである。具体的には、長辺が50mm以下程度となるように切断したものである。このように、バイオマスチップは、複雑な加工が必要ないので、バイオマスペレットと比較して安価である。
また、バイオマスチップは、バイオマスペレットよりも含水率が高い。バイオマスチップの含水率は、例えば、8wt%以上であって、75wt%以下である。好ましくは、バイオマスチップの含水率は、12wt%以下である。
また、バイオマスチップは、繊維が長く残っているので、粉砕性が低い。すなわち、バイオマスチップは、粉砕し難い。したがって、バイオマスチップを粉砕する場合には、粉砕ローラ13のリフト量が増加する傾向にある。これに伴って、ミル10内を循環する微粉燃料の量も増加するので、ミル10の差圧も増加する傾向にある。
次に、ミル10に設けられたバイオマスチップ供給装置52等について詳細に説明する。
図2に示すように、給炭機(第1固体燃料供給部)20の下流部には、バイオマスチップ供給装置(第2固体燃料供給部)52が設けられている。
バイオマスチップ供給装置52は、バンカ21よりも下流側であって、ロータリバルブ51よりも上流側に配置されている。詳細には、バイオマスチップ供給装置52は、燃料供給部17の鉛直方向の上方に設けられている。バイオマスチップ供給装置52は、バイオマスチップを落下させることで、直接バイオマスチップを燃料供給部17に供給する。バイオマスチップ供給装置52は、燃料供給部17へバイオマスチップを供給する状態と、供給しない状態とを切り替え可能に構成されている。また、バイオマスチップ供給装置52は、燃料供給部17へ供給するバイオマス燃料の量を調整する調整機能が設けられている。
上述のように、本実施形態では、バンカ21にバイオマスペレットが貯留されている。したがって、給炭機20では、バイオマスペレットのみが搬送される。給炭機20の搬送部22によって搬送されたバイオマスペレットは、矢印A3に示すように、搬送部22の下流端から落下し、燃料供給部17に設けられたロータリバルブ51を介して、粉砕テーブル12上に供給される。
また、バイオマスチップ供給装置52から落下したバイオマスチップは、矢印A4に示すように、燃料供給部17に設けられたロータリバルブ51を介して、粉砕テーブル12上に供給される。
すなわち、ロータリバルブ51でバイオマスペレットとバイオマスチップとが混合される。これにより、粉砕テーブル12上には、図2及び図3に示すように、バイオマスペレット(符号P参照)とバイオマスチップ(符号C参照)とが混合した固体燃料の層が形成される。粉砕ローラ13は、粉砕テーブル12上に形成された固体燃料の層を上方から押圧することで、バイオマスペレットとバイオマスチップとが混合した固体燃料を粉砕する。粉砕された固体燃料は、上述のように、一次空気によって出口ポート19へ導かれる(図2矢印A1及びA2参照)。
なお、ロータリバルブ51が設けられていない場合には、粉砕テーブル12上でバイオマスペレットとバイオマスチップとが混合される。
バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率は、固体燃料粉砕装置100の運転状態等によって適宜設定される。例えば、固体燃料粉砕装置100が通常運転(固体燃料を粉砕し、粉砕した固体燃料を火炉210へ搬送している運転)を行っている場合には、バイオマスペレットに対して、少量のバイオマスチップを混合する。具体的には、例えば、バイオマスペレットの熱量に対して、バイオマスチップの熱量が2%から3%以下となるように、バイオマスペレットとバイオマスチップとを混合する。なお、固体燃料粉砕装置100の起動時や停止運転時等には、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を異なる混合率としてもよい。固体燃料粉砕装置100の起動時及び停止運転時については、後述する。
また、本実施形態のミル10は、図4に示すように、粉砕ローラ13のリフト量を検出するリフト量検出部61と、ミル10の振動を検出する振動検出部62と、ミル10から排出される微粉燃料の温度を検出する出口温度検出部63と、ミル10内へ供給される一次空気の温度を検出する入口温度検出部64と、ミル10の動力を検出する動力検出部65と、ミル10のテーブル差圧を検出するテーブル差圧検出部66と、を備えている。
リフト量検出部61は、連続的又は断続的に粉砕ローラ13のリフト量を検出する。リフト量検出部61は、検出したリフト量を制御部50へ送信する。リフト量検出部61は、例えば、無負荷状態(粉砕テーブル12上に固体燃料が存在しない時)を基準とし、そこからの支持軸48の回転角を検出することで、粉砕ローラ13のリフト量を検出する。
なお、粉砕ローラ13のリフト量とは、粉砕される粉体層(粉砕テーブル12上の固体燃料の層)の厚さtから、無負荷状態(粉砕テーブル12上に固体燃料が存在しない時)の粉砕ローラ13の外周面と粉砕テーブル12の表面(上面)との間の距離(ギャップ量、ゼロとしてもよい)を差し引いた量である。すなわち、粉体層により粉砕ローラ13が持ち上げられる量を表すものであり、ミル10の粉砕負荷を表す指標として用いられる。
振動検出部62は、連続的又は断続的にミル10の振動量を検出する。振動検出部62は、検出した振動量を制御部50へ送信する。振動検出部62は、例えば、ハウジング11に設けられ、ハウジング11の縦方向の振幅を検出する。
出口温度検出部63は、例えば、微粉燃料供給流路100bの出口ポート19の近傍に設けられている。出口温度検出部63は、出口ポート19における一次空気及び/又は一次空気に搬送される微粉燃料の温度(以下、「出口温度」という。)を検出する。出口温度検出部63は、検出した温度を制御部50へ送信する。
入口温度検出部64は、例えば、一次空気流路100aのハウジング11の近傍に設けられている。入口温度検出部64は、ハウジング11の内部へ供給される一次空気の温度(以下、「入口温度」という。)を検出する。入口温度検出部64は、検出した温度を制御部50へ送信する。
動力検出部65は、例えば、粉砕テーブル12を回転駆動するミルモータ15の動力を検出することで、ミル10の動力を検出する。動力検出部65は、検出した動力を制御部50へ送信する。
テーブル差圧検出部66は、粉砕テーブル12の上方の圧力と、粉砕テーブル12の下方の圧力との差を検出する。テーブル差圧検出部66は、検出した差圧を制御部50へ送信する。テーブル差圧は、ミル10内を循環する粉砕燃料の量と相関があり、ミル10の粉砕負荷を表す指標として用いられる。
制御部50は、固体燃料粉砕装置100の運転状態に基づいて、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整する調整部53を備えている。詳細には、調整部53は、粉砕ローラ13のリフト量、ミル10の振動、出口温度、入口温度、ミル10の動力及びテーブル差圧に基づいて、混合率を調整する。調整部53は、バイオマスチップ供給装置52を制御することで、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整する。
具体的には、調整部53は、固体燃料粉砕装置100の通常運転時において、所定の混合率となるように、所定量のバイオマスチップをバイオマスペレットに混合している。所定の混合率とは、例えば、上述のように、バイオマスペレットの熱量に対して、バイオマスチップの熱量が2%から3%程度となる混合率である。調整部53は、所定量のバイオマスチップを供給した状態で、固体燃料粉砕装置100の運転状態に変化が生じた場合に、バイオマスチップの供給を停止する。
次に、制御部50が行う処理について、図5及び図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する処理は、一例であり、制御部50が行う処理はこれに限定されない。
まず、制御部50は、ステップS1で、動力検出部65が検出したミル10の動力が過大か否かを判断する。過大か否かについては、所定の閾値を超えているか否かによって判断してもよい。ミル10の動力が過大であると判断した場合には、ステップS2に進み異常信号を記録する。異常信号を記録すると、ステップS11へ進む。ミル10の動力が過大ではないと判断した場合には、ステップS3に進む。
ステップS3では、制御部50は、テーブル差圧検出部66が検出したテーブル差圧が過大か否かを判断する。テーブル差圧が過大であると判断した場合には、ステップS4に進み異常信号を記録する。異常信号を記録すると、ステップS11へ進む。テーブル差圧が過大ではないと判断した場合には、ステップS5に進む。
ステップS5では、制御部50は、リフト量検出部61が検出した粉砕ローラ13のリフト量が過大か否かを判断する。リフト量が過大であると判断した場合には、ステップS6に進み異常信号を記録する。異常信号を記録すると、ステップS11へ進む。リフト量が過大ではないと判断した場合には、ステップS7に進む。
ステップS7では、制御部50は、入口温度検出部64が検出した入口温度が過大か否かを判断する。入口温度が過大であると判断した場合には、ステップS8に進み異常信号を記録する。異常信号を記録すると、ステップS11へ進む。入口温度が過大ではないと判断した場合には、ステップS9に進む。
ステップS9では、制御部50は、出口温度検出部63が検出した出口温度が過大か否かを判断する。出口温度が過大であると判断した場合には、ステップS10に進み異常信号を記録する。異常信号を記録すると、ステップS11へ進む。出口温度が過大ではないと判断した場合には、ステップS1に戻る。
ステップS11では、制御部50は、バイオマスチップの投入を停止する。すなわち、バイオマスチップ供給装置52を制御して、バイオマスチップ供給装置52がバイオマスチップを供給しない状態とする。ステップS11を終了すると、ステップS12へ進む。
ステップS12では、制御部50は、異常信号が回復したか否かを判断する。異常信号が回復したと判断した場合には、異常信号をリセットしたうえで、通常運転に復帰する。すなわち、ステップS1に戻る。異常信号が回復していないと判断した場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、回転式分級機16の回転数を低減する。ステップS13を終えると、ステップS14へ進む。
ステップS14では、制御部50は、異常信号が回復したか否かを判断する。異常信号が回復したと判断した場合には、異常信号をリセットしたうえで、通常運転に復帰する。すなわち、ステップS1に戻る。異常信号が回復していないと判断した場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、押圧装置49の油圧を低減する。すなわち、粉砕ローラ13が固体燃料を押圧する押圧力を低減する。ステップS15を終えると、ステップS16へ進む。
ステップS16では、制御部50は、異常信号が回復したか否かを判断する。異常信号が回復したと判断した場合には、異常信号をリセットしたうえで、通常運転に復帰する。すなわち、ステップS1に戻る。異常信号が回復していないと判断した場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、粉砕テーブル12の回転数を低減する。ステップS17を終えると、ステップS18へ進む。
ステップS18では、制御部50は、異常信号が回復したか否かを判断する。異常信号が回復したと判断した場合には、異常信号をリセットしたうえで、通常運転に復帰する。すなわち、ステップS1に戻る。異常信号が回復していないと判断した場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、一次空気の流量を増加する。ステップS19を終えると、ステップS20へ進む。
ステップS20では、制御部50は、異常信号が回復したか否かを判断する。異常信号が回復したと判断した場合には、異常信号をリセットしたうえで、通常運転に復帰する。すなわち、ステップS1に戻る。異常信号が回復していないと判断した場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、バイオマスペレットの供給量を低減する。ステップS21を終えると、ステップS22へ進む。
ステップS22では、制御部50は、異常信号が回復したか否かを判断する。異常信号が回復したと判断した場合には、異常信号をリセットしたうえで、通常運転に復帰する。すなわち、ステップS1に戻る。異常信号が回復していないと判断した場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、固体燃料粉砕装置100を停止する。固体燃料粉砕装置100を停止すると本処理を終了する。
なお、ステップS1、ステップS3、ステップS5、ステップS7及びステップS9の判定(以下、「異常状態判定」という。)は、同時に行ってもよい。
また、ステップS11、ステップS13、ステップS15、ステップS17、ステップS19及びステップS21の対策動作は同時に行ってもよい。
また、ステップS12、ステップS14、ステップS16、ステップS18、ステップS20及びステップS22の判定(以下、「回復判定」という。)は、回復までにかかる時間のタイマーを設けて、指定時間中もしくは指定時間後判定してもよい。
また、異常状態判定に対し、各対策動作、回復判定を各々設けても良い。
なお、制御部50は、粉砕ローラ13のリフト量、ミル10の振動、出口温度、入口温度、ミル10の動力及びテーブル差圧のうちの、いずれか1つまたは複数に基づいて、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整してもよい。具体的には、例えば、制御部50が取得した各パラメータに基づいて、バイオマスチップの投入量を調整することで、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整してもよい。以下では、各パラメータに基づく制御について説明する。
例えば、粉砕ローラ13のリフト量に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整してもよい。リフト量が大きい場合には、バイオマスチップの投入量を低減し、リフト量が小さい場合には、バイオマスチップの投入量を増加する。具体的には、例えば、図7に示すように調整してもよい。図7は、横軸が粉砕ローラ13のリフト量を示し、縦軸が単位時間当たりのバイオマスチップの投入量を示している。図7の例では、リフト量検出部61が検出した粉砕ローラ13のリフト量が、所定値1(例えば30mm)以下の場合には、所定量のバイオマスチップを投入する。また、リフト量が所定値1(例えば30mm)よりも大きい場合には、リフト量が大きくなるほどバイオマスチップの投入量が少なくなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。換言すれば、リフト量が大きくなるほど、バイオマスペレットに対するバイオマスチップの混合率が小さくなるように、調整する。また、リフト量が所定値2(例えば50mm)以上となった場合には、バイオマスチップの投入量をゼロにする。すなわち、バイオマスチップの投入を停止する。なお、通常所定値2は所定値1より大きい値として設定される。
粉砕テーブル12上の固体燃料の層が薄くなると、粉砕ローラ13のリフト量が小さくなる。また、粉砕テーブル12上の固体燃料の層が厚くなると、粉砕ローラ13のリフト量が大きくなる。したがって、粉砕ローラ13のリフト量に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整することで、粉砕テーブル12上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることができる。
また、例えば、ミル10の振動量に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整してもよい。振動量が大きい場合には、バイオマスチップの投入量を増加し、振動量が小さい場合には、バイオマスチップの投入量を低減する。具体的には、例えば、図8に示すように調整してもよい。図8は、横軸がミル10の振動量を示し、縦軸が単位時間当たりのバイオマスチップの投入量を示している。図8の例では、振動検出部62が検出する振動量が所定の値(P1)となるまでは、所定量のバイオマスチップを投入する。振動量が所定の値よりも大きい場合には、振動量が大きくなるほど、バイオマスチップの投入量が多くなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。
粉砕テーブル12上の固体燃料の層が薄くなると、固体燃料の層による振動吸収効果が低減するためミル10の振動量が大きくなる。また、粉砕テーブル12上の固体燃料の層が厚くなると、固体燃料の層による振動吸収効果が増加するためミル10の振動量が小さくなる。したがって、ミル10の振動量に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整することで、ミル10の振動量を所定の範囲内とすることができる。
なお、ミル10の振動に起因して騒音が発生するため、ミル10から発せられる騒音の大きさを検出し、ミル10の振動量の代わりに、騒音の大きさに基づいてバイオマスチップの投入量を調整してもよい。この場合も同様に、騒音の大きさが所定の値となるまでは、所定量のバイオマスチップを投入する。騒音の大きさが所定の値よりも大きい場合には、騒音が大きくなるほど、バイオマスチップの投入量が多くなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。
また、例えば、ミル10の入口温度に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整してもよい。入口温度が高い場合には、バイオマスチップの投入量を低減し、入口温度が低い場合には、バイオマスチップの投入量を増加する。具体的には、例えば、図9に示すように調整してもよい。図9は、横軸がミル10の入口温度を示し、縦軸が単位時間当たりのバイオマスチップの投入量を示している。図9の例では、入口温度検出部64が検出する入口温度が所定の値(P2)となるまでは、所定量のバイオマスチップを投入する。入口温度が所定の値よりも大きい場合には、入口温度が大きくなるほど、バイオマスチップの投入量が少なくなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。また、入口温度が所定の温度となった場合には、バイオマスチップの投入量をゼロにする。すなわち、バイオマスチップの投入を停止する。ミル10に投入される燃料に含まれる水分が多くなると、ミル10内で乾燥に用いられる要求熱量が増加する為、ミルの入口温度が上昇すると共に、熱ガスダンパ(30c)の開度は増加し、冷ガスダンパ(30d)の開度は低下する。また、逆にミル10に投入される燃料に含まれる水分が少なくなると、ミル10内で乾燥に用いられる要求熱量が減少する為、ミルの入口温度が低下すると共に、熱ガスダンパ(30c)の開度は低下し、冷ガスダンパ(30d)の開度は増加する。
したがって、ミル10の入口温度に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整することで、ミル10の入口温度を所定の範囲内とすることができると共に、熱ガスダンパ(30c)、冷ガスダンパ(30d)の開度を制御範囲内とすることができる。
また、ミル10の入口温度が所定の温度を超えた場合にバイオマスチップの投入量を0とすることで、ミルの入口温度が上限を超えて上昇することを抑制し、ミル火災に対する安全性を向上することができる。
また、例えば、出口温度に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整してもよい。出口温度が高い場合には、バイオマスチップの投入量を増加し、出口温度が低い場合には、バイオマスチップの投入量を低減する。具体的には、例えば、図10に示すように調整してもよい。図10は、横軸がミル10の出口温度を示し、縦軸が単位時間当たりのバイオマスチップの投入量を示している。図10の例では、出口温度検出部63が検出する出口温度が所定の温度となるまでは、出口温度が高くなるほど、バイオマスチップの投入量が多くなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。但し、出口温度が所定の温度よりも大きい場合には、それ以上バイオマスチップの投入量を増加させずに、バイオマスチップの投入量を維持する。
通常、ミル出口温度はミル入口温度にフィードバックされており、ミル出口温度が一定になる様に制御されている。ここでミル10に投入される燃料に含まれる水分が多くなると、ミル10内で乾燥に用いられる要求熱量が増加する為、ミル入口温度を上昇させるフィードバックがかかるが、ミル入口温度の応答は遅い為、一時的にミルの出口温度が低下する。従って、ミル10の出口温度が低下した際には、バイオマスチップの投入量を減少させることで、ミル10に投入される燃料に含まれる水分量を低下させ、ミル10の出口温度の低下を抑制し、ミルの出口温度を安定化させることができる。
また、逆にミル10に投入される燃料に含まれる水分が少なくなると、ミル10内で乾燥に用いられる要求熱量が減少する為、ミルの出口温度が上昇する。従ってミル10の出口温度が上昇した際には、バイオマスチップの投入量を上昇させることで、ミル10に投入される燃料に含まれる水分量を増加させ、ミル10の出口温度の上昇を抑制し、ミルの出口温度を安定化させることができる。
一方で、ミル10の出口温度が所定の温度よりも大きい場合には、バイオマスチップの投入量を維持することで、ミル10に投入される燃料に含まれる水分を安定させ、ミル10内で乾燥に用いられる要求熱量を安定させることで、ミル入口温度へのフィードバックによるミル出口温度の低下への外乱を抑制し、確実なミル出口温度の低下を図り、ミル火災等の防止を図ることができる。
また、例えば、テーブル差圧に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整してもよい。テーブル差圧が高い場合には、バイオマスチップの投入量を低減し、テーブル差圧が低い場合には、バイオマスチップの投入量を増加する。具体的には、例えば、図11に示すように調整してもよい。図11は、横軸がテーブル差圧を示し、縦軸が単位時間当たりのバイオマスチップの投入量を示している。図11の例では、テーブル差圧が大きくなるほど、バイオマスチップの投入量が少なくなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。
粉砕テーブル12上の固体燃料の層が薄くなると、ミル10内を循環する微粉燃料の量が低減するので、テーブル差圧も小さくなる傾向にある。また、粉砕テーブル12上の固体燃料の層が厚くなると、ミル10内を循環する微粉燃料の量が増加するので、テーブル差圧も大きくなる傾向にある。したがって、テーブル差圧に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整することで、テーブル差圧を所定の範囲内とすることができる。
また、例えば、ミル10の動力に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整してもよい。動力が大きい場合には、バイオマスチップの投入量を低減し、動力が小さい場合には、バイオマスチップの投入量を増加する。具体的には、例えば、図12に示すように調整してもよい。図12は、横軸がミル10の動力を示し、縦軸が単位時間当たりのバイオマスチップの投入量を示している。図12の例では、動力が大きくなるほど、バイオマスチップの投入量が少なくなるように、バイオマスチップの投入量を調整する。
粉砕テーブル12上の固体燃料の層が薄くなると、固体燃料の粉砕量が低下するためミル10の動力が小さくなる。また、粉砕テーブル12上の固体燃料の層が厚くなると、固体燃料の粉砕量が増加するためミル10の動力が大きくなる。したがって、ミル10の動力に基づいて、バイオマスチップの投入量を調整することで、ミル10の動力を所定の範囲内とすることができる。
また、制御部50は、固体燃料粉砕装置100の起動時及び停止する際に、通常運転時とは異なる制御を行ってもよい。
固体燃料粉砕装置100の起動時の制御について、図13を用いて説明する。図13は、縦軸がバイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量(供給量)及び、粉砕ローラ13のリフト量を示し、横軸が時間を示している。すなわち、図13は、バイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量(供給量)及び、粉砕ローラ13のリフト量の時間に応じた変化を示している。
図13に示すように、固体燃料粉砕装置100が停止した状態(t0)では、バイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量(供給量)及び、粉砕ローラ13のリフト量は、いずれもゼロである。すなわち、粉砕テーブル12上には固体燃料が載っていない。
固体燃料粉砕装置100が起動すると、まずバイオマスチップを粉砕テーブル12上へ投入する。バイオマスチップの投入量を増加させていき、バイオマスチップをt1のタイミングでバイオマスチップの投入量の増加を停止する。すなわち、バイオマスチップの投入量を一定量とする。このときのバイオマスチップの投入量は、通常運転時におけるバイオマスチップの投入量よりも多い量とする。また、このとき、バイオマスペレットは粉砕テーブル12上へ投入しない。
次に、t2のタイミングで、バイオマスペレットの投入を開始する。これに応じて、バイオマスチップの投入量を低減させる。その後、制御部50は、通常運転時の制御に移行する。
なお、t2のタイミングは、バイオマスチップによって、粉砕テーブル12上に所定の厚さtの固体燃料の層が形成されるタイミングである。
このように制御することで、起動時に粉砕性が低いバイオマスチップが多く粉砕テーブル12上に供給されるので、粉砕テーブル12上に固体燃料の層が形成され易い。したがって、固体燃料粉砕装置100の起動後に、迅速に粉砕テーブル12上に固体燃料の層を形成することができるので、固体燃料粉砕装置100の起動直後に発生し易い振動を迅速に抑制することができる。また、固体燃料粉砕装置100の起動直後に発生し易い異物による粉砕ローラ13及び粉砕テーブル12の損傷や摩耗を迅速に抑制することができる。
固体燃料粉砕装置100を停止させる際の制御について、図14を用いて説明する。図14は、縦軸がバイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量(供給量)及び、粉砕ローラ13のリフト量を示し、横軸が時間を示している。すなわち、図14は、バイオマスペレット又はバイオマスチップの投入量(供給量)及び、粉砕ローラ13のリフト量の時間に応じた変化を示している。
図14に示すように、固体燃料粉砕装置100を停止させる際には、バイオマスペレットの投入量を減らす期間(t4~t5の間)もバイオマスチップを一定の量、投入し続ける。また、バイオマスペレットの投入量をゼロにした後(t6以降)にも、バイオマスチップを断続的に投入する。このように制御することで、粉砕テーブル12上の固体燃料の層(粉砕ローラ13のリフト量)が完全にゼロとなることを防止する。したがって、停止する際のミル10の振動や振動に起因する騒音を抑制、低減、または発生を遅延させることができる。
また、ミルを停止させる際は、粉砕テーブル12上に少量の固体燃料が残る可能性があるが、上記停止制御を実施した場合は、粉砕テーブル12上に残留した少量の固体燃料は、概ねバイオマスチップに置き換えられる。バイオマスチップは、バイオマスペレットと比較して、体積あたりの表面積が少ない。このため、バイオマスペレットと比較して自然酸化昇温し難い。また、バイオマスチップは、バイオマスペレットよりも含水率が高い。したがって、バイオマスチップは、少量がミル10内に残留しても火災の原因となり難い。よって、ミル10の停止時の安全性を向上させることができる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、運転状態に基づいてバイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整する制御部50を備えている。したがって、性状の異なるバイオマスペレットとバイオマスチップとを混合して粉砕する場合において、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を、固体燃料粉砕装置100の運転状態に応じた混合率とすることができる。
粉砕ローラ13のリフト量は、粉砕する固体燃料の粉砕性に応じて異なる。具体的には、粉砕ローラ13のリフト量は、粉砕性が高い固体燃料(粉砕し易い固体燃料)を粉砕する際に小さくなり、粉砕性が低い固体燃料(粉砕し難い固体燃料)を粉砕する際には大きくなる傾向がある。これは、粉砕性が高い固体燃料は、短時間で所定の粒径以下まで粉砕され、固体燃料粉砕装置100から排出され易いことから、固体燃料粉砕装置100内に残留する固体燃料の量が少なく、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間に形成される固体燃料の層が薄くなるからである。また、粉砕性が低い固体燃料は、粉砕性が高い固体燃料とは逆に、固体燃料粉砕装置100から排出され難いことから、粉砕テーブル12と粉砕ローラ13との間に形成される固体燃料の層が厚くなるからである。
本実施形態では、制御部50が、リフト量検出部61が検出した粉砕ローラ13のリフト量に基づいて、粉砕性の異なるバイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整する。したがって、粉砕ローラ13のリフト量が所定の範囲内となるようにバイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整することで、粉砕テーブル12上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることできる。
固体燃料の層が薄くなると、固体燃料の層による振動吸収効果が低減するため固体燃料粉砕装置100の振動量が増大する。したがって、粉砕テーブル12上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることで、固体燃料粉砕装置100の振動を抑制することができる。よって、固体燃料粉砕装置100の損傷を抑制し、固体燃料粉砕装置100の寿命を延ばすことができる。また、固体燃料粉砕装置100の振動を抑制することができるので、固体燃料粉砕装置100から発生する騒音を低減することができる。
また、粉砕テーブル12上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることで、固体燃料に金属等の異物e(図3参照)が混入した場合であっても、異物eが固体燃料の層に覆われ易い。よって、異物eを粉砕テーブル12及び/又は粉砕ローラ13と接触し難くすることができる。したがって、異物eによる粉砕ローラ13及び粉砕テーブル12の損傷や摩耗を抑制することができるので、粉砕ローラ13及び粉砕テーブル12の寿命を延ばすことができる。
このように、粉砕し難いバイオマスチップを混合することで固体燃料の層を所定の厚さに維持することができるので、バイオマスペレットのみを粉砕する場合と比較して、粉砕荷重の増加が可能となる。このため、より多くのバイオマスペレットをミル10で粉砕することができるので、ミル10の容量を増大することができる。
また、粉砕された固体燃料の温度は、粉砕する固体燃料の含水率に応じて変化する。具体的には、粉砕する固体燃料の含水率が高い場合には、粉砕された固体燃料の温度が低くなる。これは、含水率が高い固体燃料ほど、乾燥に費やされる熱量が多くなるため、昇温が抑制されるためである。粉砕された固体燃料の温度が低くなると、好適に固体燃料を燃焼させることができない可能性がある。一方、含水率が低い固体燃料は、それとは逆に、乾燥に費やされる熱量が少ないため、温度が高くなる。粉砕された固体燃料の温度が高くなると、ミル10内部で粉砕燃料の異常燃焼が発生する可能性がある。
本実施形態では、出口温度検出部63が検出した固体燃料の温度に基づいて、含水率の異なるバイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整する。したがって、出口ポート19から排出される固体燃料の温度が所定の範囲内となるようにバイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率を調整することで、出口ポート19から排出される固体燃料の温度を所定の範囲内とすることができる。したがって、出口ポート19から排出された粉砕された固体燃料を、火炉210で好適に燃焼させることができる。また、ミル10内での粉砕燃料の異常燃焼の発生を抑制することができる。
また、バイオマスペレットは、水分を多く吸収すると、ペレットの腐敗、発酵熱の蓄積による火災や、形状崩壊、それによる可燃性粉塵の発生、ハンドリング性の悪化を招く原因となる。
本実施形態では、バイオマスペレットとバイオマスチップとを、粉砕テーブル12で粉砕される直前で混合している。これにより、バイオマスチップに含まれる水分が、バイオマスペレットに吸収される前に、バイオマスペレットを粉砕することができる。したがって、バイオマスペレットが水分を多く吸収する事態を抑制することができる。よって、ペレットの腐敗等を抑制することができる。
また、バイオマスチップは、バイオマスペレットと比較して、安価である。このため、安価なバイオマスチップを混合することで、バイオマス混焼率を維持しながら、バイオマスペレットのみを燃料とする場合と比較して、燃料費を低減することができる。
固体燃料粉砕装置100では、ミル10で要求される温度となるように、一次空気の温度を、熱ガスダンパ30cの開度と冷ガスダンパ30dの開度とを調整している。このため、夏場等の気温が高い状況下で、ミル10で要求される一次空気の熱量が低いような場合には、熱ガスダンパ30cの開度が最小の状態(これ以上開度を小さくできない状態)となることがある。このような状態となると、一次空気の温度を好適に調整することができない可能性がある。特に、バイオマスペレットは、含水率が低いので、乾燥に要する熱量が少ない。したがって、バイオマスペレットのみを粉砕する場合には、特に、熱ガスダンパ30cの開度が最小の状態となり易い。
本実施形態では、含水率の高いバイオマスチップが投入される。このため、ミル10の乾燥に要求される熱量が上昇する。このため、夏場等の気温が高い状況下であっても、熱ガスダンパ30cの開度が最小の状態となり難い。このため、一次空気の温度を好適に調整することができる。また、一次空気中の熱空気の割合が増加するので、熱交換器34における排熱回収が促進され、発電プラント1全体のエネルギー効率の改善にも寄与することができる。
バイオマスチップはミル10による粉砕が難しく、摩砕作用での繊維切断が必要となるが、バイオマスペレットには石炭ほどの摩砕作用が期待できない。このため、ミル10内でのバイオマスチップの粉砕には石炭よりも時間がかかる。従ってバイオマスペレットに混合されるバイオマスチップの量を増加しすぎると、ミル10内にバイオマスチップが過度に滞留し、結果としてミル10が過負荷となる可能性が有る。
本実施形態では、バイオマスペレットの熱量に対して、バイオマスチップの熱量が2%から3%以下となるように、バイオマスペレットとバイオマスチップとを混合している。このため、バイオマスチップが過度に滞留する事態を抑制することができる。また、調整部53がバイオマスチップの混合量を調整しているので、バイオマスチップが過度に滞留する事態を抑制することができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、固体燃料としてバイオマス燃料を利用する例について説明したが本開示はこれに限定されない。例えば、固体燃料は、石炭や石油精製時に発生するPC(石油コークス:Petroleum Coke)燃料であってもよく、それらの燃料を組み合わせて使用してもよい。
また、上記実施形態では、バンカ21にバイオマスペレットのみを貯留する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、バンカ21は、バイオマスペレットとバイオマスチップとを混合したバイオマス燃料を貯留してもよい。この場合には、バイオマスチップは、含水率がバイオマスペレットと同程度となるように乾燥させる必要がある。バイオマスチップとバイオマスペレットとの混合率は、上述の説明と同様とされる。また、この場合には、密度や発熱量に偏りのないように、バイオマスペレットとバイオマスチップとを、十分混合しておくことが望ましい。また、この場合には、バイオマスチップ供給装置52は設けられず、バイオマスペレットとバイオマスチップとが混合された固体燃料が、給炭機20によってミル10に供給される。
また、上記実施形態では、バイオマスチップ供給装置52が、ロータリバルブ51の上流側で、バイオマスペレットに対してバイオマスチップを供給する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、バイオマスチップ供給装置52は、ロータリバルブ51の下流側で、バイオマスペレットに対してバイオマスチップを供給してもよい。特に、負圧ミルに適用される場合には、好適である。
バイオマスチップ供給装置52は、給炭機20の計量部に触れることのない位置から投入されることが望ましい。
また、バイオマスチップとバイオマスペレットとの接触時間を減らし、水分の移動を少なくする為、バイオマスチップ供給装置52から粉砕テーブル12上までバイオマスチップが流通する経路と、バイオマスペレットが流通する経路との間に仕切を設けてもよい。具体的には、燃料供給部17の内部に仕切板を設けてもよい。
また、バイオマスチップとバイオマスペレットとを別々のルートで供給してもよい。具体的には、燃料供給部を2つ設け、一方の燃料供給部をバイオマスチップ専用として、もう一方の燃料供給部をバイオマスペレット専用としてもよい。
また、バイオマスチップ供給装置52は、投入量を変えながら連続的にバイオマスチップを供給しても良い。また、ミル10のリフト量等を監視しながら、例えばリフト量が下がってきたことを検知したタイミングで一定量を投入するなど、断続的に供給しても良い。
また、投入されるバイオマスチップは計量され、その発熱量がボイラの入熱に算入するようにしてもよい。バイオマスチップを計量する計量器は、例えば、チップ投入口直前に設けられ、投入物の質量流量を計測することが望ましい。ただし、体積流量や、搬送コンベア速度、チップ受け入れ量等からバイオマスチップの量を推定しても良い。
また、投入されるバイオマスチップの大きさは、ミル10において投入可能な石炭の最大粒径以下とすることが望ましい。また、バイオマスチップの形状は、板状、紐状であるとミル10内の凹凸に引っ掛かる可能性がある為、可能であれば体積に対する表面積が最も小さくなる形状(すなわち球体)に近い形状で投入することが好ましい。
また、バイオマスペレットとバイオマスチップとの混合率は、バイオマスペレットやバイオマスチップの性状から設計段階で計画されると共に、試運転時に徐々に混合率を増加しながら、実機検証を行って決定されることが望ましい。
また、上記実施形態では、粉砕ローラ13のリフト量、出口温度、入口温度、ミル10の動力及びテーブル差圧の変動を制御部50が検出し、制御部50によって自動的に対策動作を行う例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、粉砕ローラ13のリフト量、出口温度、入口温度、ミル10の動力及びテーブル差圧の変動の検出を手動で行ってもよく、また、バイオマスチップの投入の停止や、回転式分級機16の回転数の低減等の対策動作を、手動で行われてもよい。
また、バイオマスチップ供給装置52に、水分調整装置を設けてもよい。また、バイオマスチップ供給装置52に予粉砕装置を設けてチップの粒径を調整して投入してもよい。さらにバイオマスチップ供給装置52に、ふるい等のチップ粒径選別装置や異物除去装置を設けてもよい。
以上説明した実施形態に記載の固体燃料粉砕装置及び発電プラント並びに固体燃料粉砕装置の運転方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置(100)は、第1固体燃料と前記第1固体燃料と粉砕性及び/又は含水率が異なる第2固体燃料とが混合された固体燃料が上面に供給される粉砕テーブル(12)と、前記粉砕テーブル(12)上の前記固体燃料を粉砕する粉砕ローラ(13)と、前記第1固体燃料を前記粉砕テーブル(12)上へ供給する第1固体燃料供給部(20)と、前記第2固体燃料を前記粉砕テーブル(12)上へ供給する第2固体燃料供給部(52)と、運転状態に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する制御部(50)と、を備えている。
上記構成では、運転状態に基づいて第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を調整する制御部を備えている。したがって、性状の異なる第1固体燃料と第2固体燃料とを混合して粉砕する場合において、第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を、固体燃料粉砕装置の運転状態に応じた混合率とすることができる。
粉砕ローラのリフト量は、粉砕する固体燃料の粉砕性に応じて異なる。具体的には、粉砕ローラのリフト量は、粉砕性が高い固体燃料(粉砕し易い固体燃料)を粉砕する際に小さくなり、粉砕性が低い固体燃料(粉砕し難い固体燃料)を粉砕する際には大きくなる傾向がある。これは、粉砕性が高い固体燃料は、短時間で所定の粒径以下まで粉砕され、固体燃料粉砕装置から排出され易いことから、固体燃料粉砕装置内に残留する固体燃料の量が少なく、粉砕テーブルと粉砕ローラとの間に形成される固体燃料の層が薄くなるからである。また、粉砕性が低い固体燃料は、粉砕性が高い固体燃料とは逆に、固体燃料粉砕装置から排出され難いことから、粉砕テーブルと粉砕ローラとの間に形成される固体燃料の層が厚くなるからである。
したがって、上記構成では、例えば、第1固体燃料と第2固体燃料とで粉砕性が異なる場合に、粉砕ローラのリフト量が所定の範囲内となるように第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を調整することで、粉砕テーブル上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることできる。
固体燃料の層が薄くなると、固体燃料の層による振動吸収効果が低減するため固体燃料粉砕装置の振動量が増大する。したがって、粉砕テーブル上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることで、固体燃料粉砕装置の振動を抑制することができる。よって、固体燃料粉砕装置の損傷を抑制し、固体燃料粉砕装置の寿命を延ばすことができる。また、固体燃料粉砕装置の振動を抑制することができるので、固体燃料粉砕装置から発生する騒音を低減することができる。
また、粉砕テーブル上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることで、固体燃料に金属等の異物が混入した場合であっても、異物が粉砕テーブル及び/又は粉砕ローラと接触し難くすることができる。したがって、異物による粉砕ローラ及び粉砕テーブルの損傷や摩耗を抑制することができるので、粉砕ローラ及び粉砕テーブルの寿命を延ばすことができる。
また、粉砕された固体燃料の温度は、粉砕する固体燃料の含水率に応じて変化する。具体的には、粉砕する固体燃料の含水率が高い場合には、粉砕された固体燃料の温度が低くなる。これは、含水率が高い固体燃料ほど、乾燥に費やされる熱量が多くなるため、昇温が抑制されるためである。粉砕された固体燃料の温度が低くなると、好適に固体燃料を燃焼させることができない可能性がある。一方、含水率が低い固体燃料は、それとは逆に、乾燥に費やされる熱量が少ないため、温度が高くなる。粉砕された固体燃料の温度が高くなると、ミル10内部で粉砕燃料の異常燃焼が発生する可能性がある。
上記構成では、例えば、第1固体燃料と第2固体燃料とで含水率が異なる場合に、粉砕された固体燃料の温度が所定の範囲内となるように第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を調整することができる。したがって、好適に固体燃料を燃焼させることができる。また、ミル10内での粉砕燃料の異常燃焼の発生を抑制することができる。
なお、第1固体燃料としては、例えば、バイオマスペレットが挙げられる。また、第2固体燃料としては、例えば、バイオマスチップが挙げられる。
また、本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記粉砕ローラ(13)のリフト量を検出するリフト量検出部(61)を備え、前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも粉砕性が低く、前記制御部(50)は、前記リフト量検出部(61)が検出したリフト量に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する。
上記構成では、制御部が、リフト量検出部が検出した粉砕ローラのリフト量に基づいて、第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を調整する。これにより、粉砕ローラのリフト量が所定の範囲内となるように第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を調整することで、粉砕テーブル上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることできる。したがって、固体燃料粉砕装置の振動を抑制することができる。よって、固体燃料粉砕装置の損傷を抑制し、固体燃料粉砕装置の寿命を延ばすことができる。また、固体燃料粉砕装置の振動を抑制することができるので、固体燃料粉砕装置から発生する騒音を低減することができる。
また、粉砕テーブル上の固体燃料の層の厚さを所定の範囲内の厚さとすることで、異物による粉砕ローラ及び粉砕テーブルの損傷や摩耗を抑制することができるので、粉砕ローラ及び粉砕テーブルの寿命を延ばすことができる。
また、本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記粉砕テーブル(12)及び前記粉砕ローラ(13)を内部に収容する筐体と、前記粉砕テーブル(12)上で粉砕された前記固体燃料を前記筐体(11)に設けられた出口部(19)まで搬送する搬送用ガスを前記筐体の内部に供給する搬送用ガス供給部(30)と、前記出口部(19)から排出される前記固体燃料の温度を検出する温度検出部(63)と、を備え、
前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも含水率が高く、前記制御部(50)は、前記温度検出部(63)が検出した前記固体燃料の温度に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する。
上記構成では、温度検出部が検出した固体燃料の温度に基づいて、第1固体燃料と第2固体燃料との混合率を調整する。これにより、固体燃料粉砕装置の出口部から排出される固体燃料の温度を所定の範囲内とすることができる。したがって、固体燃料粉砕装置の出口部から排出された粉砕された固体燃料を好適に燃焼させることができる。また、ミル内での粉砕燃料の異常燃焼の発生を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも粉砕性が低く、前記制御部(50)は、前記固体燃料粉砕装置(100)を起動させる際に、前記第2固体燃料が前記第1固体燃料よりも多くなるように混合率を調整する。
上記構成では、制御部が、固体燃料粉砕装置を起動させる際に、第2固体燃料が第1固体燃料よりも多くなるように混合率を調整する。これにより、起動時に粉砕性が低い第2固体燃料が多く粉砕テーブル上に供給されるので、粉砕テーブル上に固体燃料の層が形成され易い。したがって、固体燃料粉砕装置の起動後に、迅速に粉砕テーブル上に固体燃料の層を形成することができるので、迅速に固体燃料粉砕装置の振動を抑制することができる。また、迅速に、異物による粉砕ローラ及び粉砕テーブルの損傷や摩耗を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置(100)は、前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも粉砕性が低く、前記制御部(50)は、前記固体燃料粉砕装置(100)を停止させる際に、前記第2固体燃料が前記第1固体燃料よりも多くなるように混合率を調整する。
上記構成では、制御部は、固体燃料粉砕装置を停止させる際に、第2固体燃料が第1固体燃料よりも多くなるように混合率を調整する。これにより、固体燃料粉砕装置を停止させる際に、粉砕テーブル上に固体燃料の層が形成され易い。したがって、固体燃料粉砕装置を停止させる際に、粉砕テーブル上に固体燃料の層を形成することができるので、固体燃料粉砕装置の振動を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る発電プラント(1)は、上記いずれかに記載の固体燃料粉砕装置(100)と、前記固体燃料粉砕装置(100)で粉砕された固体燃料を燃焼して蒸気を生成するボイラ(210)と、前記ボイラ(210)によって生成された前記蒸気を用いて発電する発電部と、を備えている。
また、本開示の一態様に係る固体燃料粉砕装置(100)の運転方法は、上面に固体燃料が供給される粉砕テーブルと、前記粉砕テーブル上の前記固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、を備えた固体燃料粉砕装置の運転方法であって、第1固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第1固体燃料供給工程と、前記第1固体燃料と粉砕性及び/又は含有率が異なる第2固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第2固体燃料供給工程と、運転状態に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する調整工程と、を備えている。
1 :発電プラント
10 :ミル
11 :ハウジング
12 :粉砕テーブル
13 :粉砕ローラ
14 :駆動部
15 :ミルモータ
16 :回転式分級機
16a :ブレード
17 :燃料供給部
18 :分級機モータ
19 :出口ポート
20 :給炭機
21 :バンカ
22 :搬送部
23 :給炭機モータ
24 :ダウンスパウト
30 :送風部
30a :熱ガス流路
30b :冷ガス流路
30c :熱ガスダンパ
30d :冷ガスダンパ
31 :一次空気通風機
32 :押込通風機
34 :熱交換器
40 :状態検出部
41 :底面部
42 :天井部
45 :ジャーナルヘッド
47 :支持アーム
48 :支持軸
49 :押圧装置
50 :制御部
51 :ロータリバルブ
52 :バイオマスチップ供給装置
53 :調整部
61 :リフト量検出部
62 :振動検出部
63 :出口温度検出部
64 :入口温度検出部
65 :動力検出部
66 :テーブル差圧検出部
100 :固体燃料粉砕装置
100a :一次空気流路
100b :微粉燃料供給流路
140 :HDD
200 :ボイラ
210 :火炉
220 :バーナ

Claims (7)

  1. 第1固体燃料と前記第1固体燃料と粉砕性及び/又は含水率が異なる第2固体燃料とが混合された固体燃料が上面に供給される粉砕テーブルと、
    前記粉砕テーブル上の前記固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、
    前記第1固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第1固体燃料供給部と、
    前記第2固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第2固体燃料供給部と、
    運転状態に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する制御部と、を備えた固体燃料粉砕装置。
  2. 前記粉砕ローラのリフト量を検出するリフト量検出部を備え、
    前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも粉砕性が低く、
    前記制御部は、前記リフト量検出部が検出したリフト量に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する請求項1に記載の固体燃料粉砕装置。
  3. 前記粉砕テーブル及び前記粉砕ローラを内部に収容する筐体と、
    前記粉砕テーブル上で粉砕された前記固体燃料を前記筐体に設けられた出口部まで搬送する搬送用ガスを前記筐体の内部に供給する搬送用ガス供給部と、
    前記出口部から排出される前記固体燃料の温度を検出する温度検出部と、を備え、
    前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも含水率が高く、
    前記制御部は、前記温度検出部が検出した前記固体燃料の温度に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する請求項1または請求項2に記載の固体燃料粉砕装置。
  4. 前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも粉砕性が低く、
    前記制御部は、前記固体燃料粉砕装置を起動させる際に、前記第2固体燃料が前記第1固体燃料よりも多くなるように混合率を調整する請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
  5. 前記第2固体燃料は、前記第1固体燃料よりも粉砕性が低く、
    前記制御部は、前記固体燃料粉砕装置を停止させる際に、前記第2固体燃料が前記第1固体燃料よりも多くなるように混合率を調整する請求項1から請求項4のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の固体燃料粉砕装置と、
    前記固体燃料粉砕装置で粉砕された固体燃料を燃焼して蒸気を生成するボイラと、
    前記ボイラによって生成された前記蒸気を用いて発電する発電部と、を備えた発電プラント。
  7. 第1固体燃料と前記第1固体燃料と粉砕性及び/又は含水率が異なる第2固体燃料とが混合された固体燃料が上面に供給される粉砕テーブルと、
    前記粉砕テーブル上の前記固体燃料を粉砕する粉砕ローラと、を備えた固体燃料粉砕装置の運転方法であって、
    前記第1固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第1固体燃料供給工程と、
    前記第2固体燃料を前記粉砕テーブル上へ供給する第2固体燃料供給工程と、
    運転状態に基づいて、前記第1固体燃料と前記第2固体燃料との混合率を調整する調整工程と、を備えた固体燃料粉砕装置の運転方法。
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