JP2022063229A - ストローに対するスポイト機能付与具 - Google Patents
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Abstract
Description
日常生活において、特に食卓においては、食品に少量の調味料を滴下する際やサラダ野菜にドレッシングをかける際などに、簡易なスポイトが必要な場面があるが、適当な器具が見当たらない。従来のガラス製スポイトは、破損の恐れがあり、食品に対する使用は好ましくない。また、プラスチック製のものもあるが、使用の都度、洗浄する手間がかかり煩雑である。
これらのストローは、古くは麦わらなどが使用されたが、現在は殆どがプラスチック材料や紙材料により、使い捨て用途として製造されている。
プラスチックや紙ストローは径方向を扁平に圧縮しても元の円形断面に戻る復元性能を有するので、ストローの上端を指で押さえ(封止し)、その下段部分を他の指で圧縮して空気を排出させ、その後、下端を液体中に入れ、指の圧縮を緩めれば、ストロー内に液体を吸引できることが知られている。上端の指を放せば、吸引した液体を注ぐことができる。
ストローのスポイトとしての一種の使用方法である。しかし、扱いが難しく一般的ではない。
もとより、容器を良く振って、撹拌混合させてから適用することが常識であるが、こうしても、材料の沈殿が早く思うようにはならないのが実際である。この場合、ドレッシング容器に挿して底に届く長いスポイトがあれば、容器の底近くから吸い上げできて便利である。ドレッシング容器が大容量化した場合も、容器を傾けて直接サラダに注ぐのは体裁が良くないと考えられる。
しかし、この方法は本来、不自然であり、具だけが醤油中に落下してしまうことも少なくない。特に、粒状の具を載せた軍艦巻きなどを逆さまにするのは、本来的に不可能であり、いずれも上向きの自然な状態で、醤油を滴下するのが好ましい。
このような場合も、微量の醤油を滴下できる適当なスポイト器具があることが好ましい。本発明は、汎用ストローをスポイトとして使用することで、このような問題を解決しようとするものである。
特許文献1は、「スポイトストロー」に関し、細管部とヒートシール部からなるスポイトが記載されている。細管部の一端がヒートシールされているので、本来、ストローの機能は無くスポイト自体である。ヒートシール部を除去することで、ストローの機能を得るようにされているが、ストロー自体を利用するものではない。本願は、汎用ストローにスポイト機能を付与することが目的であり、先行特許文献1とは相違している。
特許文献2は、スポイト付きキャップに関する考案である。キャップにスポイト機能が付いているので、ドレッシング容器等には好適に使用できるが、複雑な構造であり、コスト高となる問題がある。考案の目的も本願と相違している。
特許文献3は、出願人の先行出願であるが、本願は、この先行出願の付与具よりも軽量かつ簡易化を図ったものである。
特許文献4も、出願人の先行出願であるが、本願は、この先行出願よりも一層の使用容易化を図ったものである。
市販ストローの本器具での使用は、食品に用いて安全かつ衛生的であり、ある程度の回数を反復使用でき、使用後は廃棄できるので洗浄の手間がかからない。
扁平な筒体はシート(紙とプラスチックシートを含む。以下及び特許請求の範囲において、双方を含めて「シート」と記載する。)で形成されている。外見は縦長封筒の中間部を切断して採取した矩形状の切片に似ているが、矩形状には限定されない。筒体の上下の辺は開き、左右の辺は閉じている。
扁平な筒体は、表裏が同一の1枚のシートから構成される場合と表裏各1枚(計2枚)のシートから構成される場合がある。前者の場合は、左右の辺でシートを折り曲げて、中心付近でシートを重ね合わせて背貼りする構造になる。
2枚のシートからなる場合は、左右の辺で2枚のシートを対面接着(合掌貼り)する。2枚のシートは同一素材であっても異なる素材であっても構わない。2枚のシートが左右の辺で面接着されるので、1枚のシートからなる筒体に比較して、同幅で同質の素材であれば、表裏のシート間が少し開き難くなる。ただし、接着部の内縁に沿って折り目線を形成すれば改善する。
なお、筒体と板材は、一般的には、異なる材質が使用されるが、同質のプラスチック材料を使用することもできる。例えば、同質のプラスチック材料を用いて、筒体と板材を一体に成型した材料を使用することができる。
多くの場合、シート材料に板材料を接着剤等で貼着して一体化することが多いので、以下その例で説明するが、同質プラスチック材料により一体化した場合を除外するものではない。従って、一体化するとは貼着することに限られない。
すなわち、第1実施形態は、第1の板材と第2の板材の双方の板材が筒体の内側に対面して一体化される場合、第2実施形態では、双方の板材が筒体の外側に表シートと裏シートを介して一体化される場合、第3実施形態では、表シートの外面に第1の板材が一体化され、裏シートの内面に第2の板材が一体化される場合、第4実施形態では、表シートの内面に第1の板材が一体化され、裏シートの外面に第2の板材が一体化される場合を、それぞれ意味している。
第1の板材と第2の板材が同等長である態様(B)の場合は、上側開口端が封止されたストローを使用することを前提としている。例えば、ストローの上側開口端がヒートシールや接着剤で封止されている場合、上側開口端に封止栓が詰め込まれている場合等である。
第2の板材が筒体の高さを超える長さを有する態様(A)では、第2の板材の上端に、封止部材を備えその部分でストローを封止できるものである。ただし、この場合も、封止されたストローであれば、封止部材を使用しないで用いることができる。
第1~第4のいずれの実施形態でも、器具としての機能をほぼ同様に発揮できるが、板材が外面に現れる場合と現れない場合とでは、外観が相違する違いがある。
第2の板材の長さは、上記の態様(B)のように第1の板材と同等長さでも良いが、上端部にストロー開口端封止部材または固定部材を取り付ける場合は、態様(A)のように、第1の板材より長くする。
また、第1の板材または第2の板材面にストロー固定部材(ストローを固定する部材)である両面粘着テープを貼着することが好ましい。
板材の双方が筒体の外面になる場合は、特に、第2の板材が短いBの形態では、板材に対面するシート内面に両面粘着テープを貼着することになる。
また、第2実施形態以降の使用方法は、第1実施形態と同様であるので、図示する説明は省略する。
図1の場合、筒体10は、表裏同一の紙またはプラスチックシートで形成され、シートは、筒体10の上下の辺の中心付近で、重ね合わせて接着(背貼り)されているが、その状態は図示されていない。
第1の板材11aの幅Hは装着するストローの外径の1~2倍程度であって良い。幅Hを、外径の大きいストローに合わせれば、小径のストローにも使用可能である。
また、裏シート10bの内面であって、前記第1の板材11aに対面する位置に、第2の板材11bが貼着されている。
図1の場合、第1の板材11aは、筒体10の高さUと同等長にしている。同等長とは厳密に同一長さでなくてもよい意味である。ただし、筒体10の高さUを超えない長さであることが好ましい。
裏シート10bの内面であって、前記第1の板材に対面する位置に、第1の板材11aと同幅程度であって筒体10の中心部の高さUを超える長さの第2の板材11bが貼着されて一体化されている。図2の場合、第2の板材11bは、筒体10の上側と下側に突出する長さ部分を有するようにされている。上側は封止部材12を取り付けられる程度、下側は固定部材15を貼着できる程度の長さがあればよい。
上端側は、クリップ状の封止部材12によりストローの位置が安定するから、必須ではないが封止部材12の近くに固定部材15を設けても良いものである。
なお、封止部材12とは、ストローの開口端部を封止する部材であるが、平板クリップのように、ストローを固定する機能を併せ持つ部材もある。固定部材15とは、封止はしないがストローの位置を固定する部材をいう。ストローの上端開口部が栓やキャップで封止されているのみの場合は、ストローの上段から中段以下を固定する必要がある。
図2の場合も筒体10は、表裏同一の紙またはプラスチックシートで形成され、シートは、筒体10の上下の辺の中心付近で、重ね合わせて接着(背貼り)されているが、その状態は図示されていない。
図2では、固定部材15である両面粘着テープが板材11bに貼着されているが、板材11aの双方の板材に貼着することもできる。双方にテープを貼着すれば、片方のテープが劣化した後、他方のテープを使用することで付与具を長期間使用できる。ただし、両面粘着テープの双方の剥離紙を剥離すると相互間で粘着して使用し難くなる。
図3(A)のように、ストローSは、封止部材12によりその開口端s1が封止されて装着される。ストローSは、板材11a,11b間の間隙spを通って、他方の開口端s2が下辺10d側から突出する。筒体10から抜けた部分で、ストローSの中間部分smは、第2の板材11bの両面粘着テープである固定部材15の粘着面に固定されている。
図3(B)のように、ストローSは、板材11a,11bに挟まれた状態にある。この状態ではストローSは、押圧されていないことが好ましい。
図3(C)のように、付与具101の板材11a,11bの両側を手指で圧縮した場合は、ストローSが押圧されて扁平になり内部の空気が排出される。この状態で、ストローSの開口端s2を液(調味料等)中に入れ、圧縮を緩めれば、ストローS内に液が導入されるものである。その後、ストローSを圧縮すれば、導入した液を滴下できることになる。
図4(A)のように、ストローSは、封止部材12によりその開口端s1が封止されて装着される。開口端s1は筒体10の上側に突出させるのが好ましい。ストローSは、板材11a,11b間の間隙spを通って、他方の開口端s2が下辺10d側から突出する。
図4(B)のように、ストローSは、第2の板材11bの両面粘着テープである固定部材15の粘着面に固定されている。
図4(C)のように、付与具101の板材11a,11bの両側を手指で圧縮した場合は、ストローSが押圧されて扁平になり内部の空気が排出される。この状態で、ストローSの開口端s2を液(調味料等)中に入れ、圧縮を緩めれば、ストローS内に液が導入されるものである。その後、ストローSを圧縮すれば、導入した液を滴下できることになる。
図5(A)のように、第2実施形態の付与具102も、上辺10uと下辺10dが開き、左辺10hと右辺10mが閉じた扁平な筒体10を有している。
図5の場合、筒体10は、表裏同一の紙またはプラスチックシートで形成されている。
第2実施形態においても、第1の板材11aの中心線が筒体10の上辺10uの中心と下辺10dの中心間を結ぶ筒体10のシートの中心線に合致するように位置合わせして貼着され一体化されている。
ただし、第2実施形態の付与具102では、筒体10の表シート10fの外面に、第1の板材11aが貼着一体化され、第2の板材11bが裏シート10bの外面に貼着一体化されている。第2の板材11bの位置は、第1の板材11aに表シートと裏シートを介して対面する位置である。この形態での対面は直接対面ではないが、表シートと裏シートを間に介して対面する意味である。
図5では、第2の板材11bは第1の板材11aと同幅であって前記筒体10の上側と下側に突出する長さ部分を有するようにされている。
第2の板材11bの上端には封止部材12が、下端には固定部材15が備えられている。
第2実施形態以降の付与具へのストローSの装着と使用方法は、第1実施形態と同様であるため、図示と説明を省略する。
付与具(A)の場合と同様に、第2実施形態の付与具(B)102でも、筒体10の表シート10fの外面に、第1の板材11aが貼着され、第2の板材11bが裏シート10bの外面に貼着され一体化されている。
ただし、第1の板材11aと第2の板材11bは、筒体10の高さUと同等長にされている。
固定部材15としての剥離紙付き両面粘着テープは、裏シート10bの内面に貼着する。ただし、前記のように表シート10fの内面と双方面に貼着することもできる。
図7(A)のように、第3実施形態の付与具103も上辺10uと下辺10dが開き、左辺10hと右辺10mが閉じた扁平な筒体10を有している。
第3実施形態の付与具(A)103では、筒体10の表シート10fの外面に、第1の板材11aの中心線が上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして貼着され一体化され、裏シート10bの内面であって、前記第1の板材11aに表シート10fを介して対面する位置に、前記第1の板材11aと同幅(多少幅広でも良い。)である第2の板材11bが貼着されている。
第2の板材11bは、前記筒体10の上側と下側に突出する長さを有するものである。
この例の場合は、ストロー自体の上側開口端が封止されている場合である。例えば、開口端s1が熱シールされているとか、ゴム栓等が詰め込まれているような場合である。これらの場合は、開口端をさらに封止する必要はないが、位置ずれしないように、ストローの上端部位置を固定する必要がある。ストロー固定部材15としては、両面粘着テープを推奨できる。図7では、両面粘着テープは、第2の板材11bの上端と下端に貼着されているが、上端から下端まで連続して貼着しても良いものである。
すなわち、第3実施形態の付与具(B)は、上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの外面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの内面であって第1の板材と表シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって第1の板材と同等長の第2の板材を前記筒体に一体化し、第2の板材面にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具、であり、
第4実施形態の付与具(B)は、上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの内面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの外面であって第1の板材と裏シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって第1の板材と同等長の第2の板材を前記筒体に一体化し、第1の板材面にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具、である。
図8(A)のように、第4実施形態の付与具104も、上辺10uと下辺10dが開き、左辺10hと右辺10mが閉じた扁平な筒体10を有している。
ただし、この図の例では、表シート10fと裏シート10bとを、筒体の左右の辺部分で面接着させた例を図示している。そのため、平らな右シール部10msと左シール部10hsを有している。この場合、筒体10は、表シートと裏シートに異なる紙またはプラスチックシートを使用することができる。例えば、表面側を透明なプラスチックシートとし、裏面側を不透明な紙材料とすることもできる。左右の辺が接着されているので、シートに硬い材質(例えば、厚みのあるプラスチックシート)を使用する場合は、板材11a,11b間の間隔spが狭くなり易い傾向がある。両板材が接近し過ぎて間隙spが狭過ぎると、圧を加えない前からストローを押圧してしまうことになる。ただし、シール部10hs,10msの内側に沿って、折り目線を形成すれば、硬さを緩和できる。
図8で例示の第4実施形態では、第2の板材11bの上端近くに封止部材12が備えられ、下端近くにストロー固定部材15を有するようにされている。固定部材は、前記のように両面粘着テープであって良い。
ここでは、第2実施形態の付与具102を、平面視矩形状とは異なる筒体形状を例として説明している。付与具の構成要素としての筒体10が矩形状には限定されないことを説明する趣旨である。前記した第1、第3、第4実施形態においても同様である。
このように、デザイン的効果を奏するよう、各種形状にすることが可能である。
以下、それぞれ説明する。
板ばねクリップ12bは、平板ばね金属を曲げて作ったばねのスリット12bsに対象物を挟み押圧するようにされている。ストローの開口端s1が、板ばね12b1と地板12b2との間のスリット12bsに挟まれて封止される。正面視の幅は、第2の板材11bの幅に合わせて6~10mm程度で良い。
板ばねクリップ12bの背面は、板材11bに差し込み可能なスリット12bkを設けることができる。同様なクリップとして蝶番クリップや平板クリップがある。これらのクリップは、固定部材の機能も兼ねるものである。
封止部材としての封止栓やキャップは、ゴム、木、コルクまたはプラスチック製のものプであって良い。これらは固定部材の機能は兼ねない。
ストローの固定部材には、剥離紙付き両面粘着テープを好ましく使用できる。剥離紙付き両面粘着テープを板材11bの上端または下端近く、あるいは板材11bの全面、あるいは板材に対面する筒体内面側のシートに接着する。通常、剥離紙と粘着剤を一体にして巻いたテープ状にして市販されている。剥離紙付きで貼着し、付与具使用時に剥離紙を剥がして粘着面にストローを固定して使用するものである。適宜の粘着力であれば、反復して使用可能である。板材11bまたはシート内面と粘着剤の間は熱圧をかけて強接着させるのが好ましい。両面テープが板材から剥離しないようにするためである。なお、剥離紙といっても実際には、プラスチックフィルムが使用されることが多い。
例として、醤油を寿司G上に滴下している状態を示している。細径のストローを使用すれば、少量の醤油を寿司Gに滴下できる。下端s2が傾斜していないストローSであれば、小皿面の醤油を吸い上げることができ便利である。
本発明の付与具の使用では、板材11a,11bを手指で圧縮する関係から、筒体10を手の平の内に納める必要があり、筒体10の横幅(図1のW1,図8のW2)は、10cm程度以内が好ましい。
(1)ストロー
ストローは、ポリプロピレンやポリエチレン製のものが多く市販されている。外径6.0mm、長さ250mm、外径5.0mm、長さ190mm、外径4.0mm、長さ160mm、のものなどの各種がある。ストローの肉厚は、20~100μm程度である。
ストローは、その特性から、扁平に押圧されても元の円形断面に戻る復元性を有している。押圧を繰り返すと復元性が低下するが、10回程度は使用可能である。
環境上の問題からプラスチックストローを廃止する動きがある。しかし、ストローを紙材料にした場合も液体を吸引する用途から硬質でない限り円形断面の復元性を失うことは考えられない。
紙またはプラスチックシートを使用できる。
紙材料としては、上質紙、コート紙、厚紙、和紙、グラシン紙、クラフト紙、板紙、ターポリン紙等の各種を使用できる。厚みは、30~500μm程度のものが好ましい。
プラスチックシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ナイロン等の各種を使用できる。厚みは、10~200μm程度であって、あまり硬質でないものが好ましい。
板材には、木材や竹、厚板紙、ファイバー板、プラスチック材、ステンレス材や他の金属材を使用できる。手指で圧縮した際に変形しないで、均等にストローを押圧できる剛性が必要になる。木材や竹、厚板紙の場合は、1.0~3.0mm程度以上の厚みがあることが好ましい。
プラスチック材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ナイロン等の板材を好適に使用できる。板材の厚みは、0.2~3.0mm程度、幅Hは5~15mm程度で良い。第1の板材11aの圧縮長さLは、25~150mm程度とする。
板材には、ストローに接する面(またはシートを介して接する面)にストローを圧縮した際の厚みよりは浅い溝を板材長手方向中央に形成しても良い。これにより、ストローの位置ずれを防止できる。
前記のように、板材と筒体は、同質のプラスチック材料を一体に成型しても使用できるものである。
外径6.0mmのものは、4.0mmのものの約4倍の液量が採取できる。1~2回目に比較して3回目以降では採取量が低減傾向にある。ストローの元の円形断面への復元力が多少低下するものと考えられる。
付与具は、各種の方法で製作できるが、簡便な2種の製法について説明する。
第1の方法は、筒体10と板材11をそれぞれ準備してから製造する方法である。
筒体10は、1枚のシートを折って背貼りするか、2枚の同幅シートを辺で貼り合わせし、長い筒状体を作る。これを適宜の高さU毎に切断する。これにより、上辺と下辺が開き、左右の辺が閉じた筒体10が得られる。
2枚のシート場合は、異なる材質のものであっても良い。
板材11a,11bには、前記した材質、厚み、幅、長さのものを準備する。
板材11a,11bを筒体10の中心線に合わせて接着する。板材を接着して一体化するには、ポリ酢酸ビニル系、ゴム系、アクリル系、セルロース系等の接着材を使用する。
板材11a,11bの長さを筒体の高さUに合わせる場合は、連続状の筒体に板材11a,11bと両面粘テープを接着してから、筒体の高さUに合わせて切断する。
Bの態様では、筒体と板材が同等寸法なので、製造が容易となる。
筒体10aと板材11aの連続材料と筒体10bと板材11bの連続材料とを向かい合わせしてから筒体の左右辺を接着すると共に、筒体10と板材11の不要部分を打ち抜き除去して目的の付与具を製造する。
この場合は、左右の辺が面接着されることになる。板材11を筒体10の内面にするか外面にするかは、辺の接着前に定める。
シートとして、クラフト紙(58.3g/m2 )を使用し、左右の辺を折り曲げし、中央で背貼りして、高さUが40mm、幅W1が80mmである平面視矩形状の筒体10を得た。
板材11a,11bとして、幅が10mm、厚み2mmの木材を使用した。
板材11aの長さLを40mmとし、筒体10の表シート10fの内面にアクリル系接着剤を用いて貼着一体化した。その際、板材11aの中心線と筒体10の上下の辺の中心間を結ぶ中心線とが合致するように位置合わせした。
板材11bを長さ80mmとし、筒体10の上側に30mm、下側に10mm突出するようにし、筒体10に接する40mm部分を、裏シート10bの内面にアクリル系接着剤を用いて貼着一体化した。その際、板材11aと板材11bが正対面するようにした。
板材11bの上端に、板ばねクリップ12bを接着し、下端10mm部分には、幅10mmの一般用両面粘着テープを熱圧して接着した。なお、一般用両面粘着テープはアクリル系のものであり、株式会社ニトムズ製である。以下の一般用両面粘着テープは全て同一品である。これにより、実施形態1(図1図示の態様(A))の付与具101が完成した。
シートとして、クラフト紙(58.3g/m2 )を使用し、左右の辺を折り曲げし、中央で背貼りして、高さUが40mm、幅W1が80mmである平面視矩形状の筒体10を得た。
板材11a,11bとして、幅が10mm、厚み2mmの木材を使用した。
板材11aと板材11bの双方の長さLを40mmとし、板材11aを筒体10の表シート10fの内面にアクリル系接着剤を用いて貼着一体化した。その際、板材11aの中心線と筒体10の上下の辺の中心間を結ぶ中心線とが合致するように位置合わせした。
板材11bは、裏シート10bの内面に、同様にアクリル系接着剤を用いて貼着一体化した。その際、板材11aと板材11bが正対面するようにした。
板材11bの表面に、幅10mmの一般用両面粘着テープを全長にわたり熱圧して接着した。これにより、実施形態1(図2図示の態様(B))の付与具101が完成した。
シートとして、上質紙(84g/m2 )を使用し、左右の辺を折り曲げし、中央で背貼りして、高さUが50mm、幅W1が80mmである平面視矩形状の筒体10を得た。
板材11a,11bとして、幅が10mm、厚み2mmの木材を使用した。
板材11a,11b双方の長さLを50mmとし、板材11aを筒体10の表シート10fの外面にアクリル系接着剤を用いて貼着一体化した。その際、板材11aの中心線と筒体10の上下の辺の中心間を結ぶ中心線とが合致するように位置合わせした。
板材11bを筒体10の裏シート10bの外面にアクリル系接着剤を用いて貼着一体化した。その際、板材11aと板材11bが表シート10fと裏シート10bを介して対面するように位置合わせした。
板材11bに裏シート10bを介して対面する裏シート10bの内面に、幅10mmの一般用両面粘着テープを全長(板材11bの長さ)にわたり熱圧して接着した。
これにより、実施形態2(図6図示の態様(B))の付与具102が完成した。
表シート10fとして、透明PETシート(厚み0.2mm )を使用し、裏シート10bとして、上質紙(84g/m2 )を使用した。
左右の辺で両シートを幅5mmの一般用両面粘着テープを用いて熱圧して接着した。これにより、高さUが80mm、幅W2が90mmである平面視矩形状の筒体10を得た。
板材11a,11bとして、幅が10mm、厚み2mmの木材を使用した。
板材11aを長さ80mmとし、筒体10の表シート10fの外面に一般用両面粘着テープを用いて貼着一体化した。その際、板材11aの中心線と筒体10の上下の辺の中心線が合致するように位置合わせした。
板材11bを長さ120mmとし、筒体10の裏シート10bの内面に一般用両面粘着テープを用いて貼着一体化した。板材11bと板材11aが表シート10fを介して対面するようにし、筒体10の上側に30mm、下側に10mm突出するようにした。
板材11bの上端と下端表面に、幅10mm×長さ10mmの一般用両面粘着テープを熱圧して接着した。
これにより、実施形態3(図7図示の態様(A))の付与具103が完成した。
筒体10のシート材料として、厚み0.1mm、幅90mm、長さ500mmのポリエチレンシートの幅中心に沿って厚み1.0mm、幅10mm、長さ500mmの板状凸部が連続して形成された成型材料を2枚準備し、これを表シート10fと裏シート10bとして使用した。該凸部は、板材に相当する機能を果たさせるものである。
裏シート10bとなるシートの内面であって、第2の板材11bに対面する部分に、一般用両面粘着テープを長さ500mmに連続して熱圧して接着した。
この表裏シートを板状凸部の双方が外面になるようにして重ねて組み合わせ、両サイド(右と左のシール辺部)を熱溶融シールして一体化した。この際、ストローを装着できる間隙spが得られるようにした。
この長い連続筒状体を高さUが50mmの1単位毎に切断して実施形態2の態様(B)の付与具が10単位完成した。
10m 右辺
10h 左辺
10u 上辺
10d 下辺
10f 表シート
10b 裏シート
10ms 右シール部
10hs 左シール部
11a 第1の板材(単に板材ともいう)
11b 第2の板材(単に板材ともいう)
12 封止部材
12b 板ばねクリップ
212b1 板ばね
12b2 地板ばね
15 固定部材
101 第1実施形態の付与具
102 第2実施形態の付与具
103 第3実施形態の付与具
104 第4実施形態の付与具
S ストロー
s1,s2 ストローの開口端
sm ストローの中間部分
L 第1の板材の長さ(圧縮長さ)
H 第1の板材の幅
U 筒体の高さ
W1,W2 筒体の幅
Claims (10)
- ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの内面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの内面であって第1の板材と対面する位置に、扁平かつ細長であって前記筒体の上側と下側に突出する長さを有する第2の板材を前記筒体に一体化し、少なくとも第2の板材の下側突出部の内面側にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの内面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの内面であって第1の板材と対面する位置に、扁平かつ細長であって第1の板材と同等長の第2の板材を前記筒体に一体化し、少なくとも第1もしくは第2のいずれかの板材面にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの外面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの外面であって第1の板材と表シートと裏シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって前記筒体の上側と下側に突出する長さを有する第2の板材を前記筒体に一体化し、少なくとも第2の板材の下側突出部の内面側にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの外面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの外面であって第1の板材と表シートと裏シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって第1の板材と同等長の第2の板材を前記筒体に一体化し、第1および第2の板材が一体化している部分に対面する表シートと裏シートのいずれかのシート面にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの外面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの内面であって第1の板材と表シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって前記筒体の上側と下側に突出する長さを有する第2の板材を前記板材に一体化し、少なくとも第2の板材の下側突出部の内面側にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの外面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの内面であって第1の板材と表シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって第1の板材と同等長の第2の板材を前記筒体に一体化し、第2の板材面にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの内面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの外面であって前記筒体の上側と下側に突出する長さを有する第2の板材を前記筒体に一体化し、少なくとも第2の板材の下側突出部の内面側にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
上下の辺が開き左右の辺が閉じた扁平な筒体の表シートの内面に、扁平かつ細長であって前記筒体の高さと同等長の第1の板材を、該板材の中心線が、前記上下の辺の中心間を結ぶシートの中心線に合致するように位置合わせして一体化すると共に、前記筒体の裏シートの外面であって第1の板材と裏シートを介して対面する位置に、扁平かつ細長であって第1の板材と同等長の第2の板材を前記筒体に一体化し、第1の板材面にストロー固定部材である両面粘着テープを貼着したことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - 第2の板材の上端近くにストロー開口端部封止部材を設けたことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5、請求項7の何れか1の請求項記載のストローに対するスポイト機能付与具。
- 筒体と板材が同質のプラスチック材料からなり、成型手段により一体化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1の請求項記載のストローに対するスポイト機能付与具。
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