JP6821629B2 - ストローに対するスポイト機能付与具 - Google Patents
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Description
日常生活において、特に食卓においては、食品に少量の調味料を滴下する際やサラダ野菜にドレッシングをかける際などに、簡易なスポイトが必要な場面があるが、適当な器具が見当たらない。従来のガラス製スポイトは、破損の恐れがあり、食品での使用は好ましくない。また、使用の都度、洗浄する手間も煩雑である。
これらのストローは、古くは麦わらなどが使用されたが、現在は殆どがプラスチック材料により、使い捨て用途として製造されている。
プラスチックストローは扁平に圧縮しても元に戻る復元性を有するので、先端を液中に浸し、ストローの上端部を指で押さえ(封止し)、その下段部分を他の指で圧縮することで、ストロー内の空気を排出し、その後、指の圧縮を緩め、ストロー内に液体を吸引できることが知られている。上端の指を放せば、液体を注ぐことができる。ストローのスポイトとしての一種の使用方法であるが、扱いが難しく一般的ではない。
ドレッシング容器が大形化した場合も、容器を傾けて直接サラダに注ぐのは体裁が良くないと考えられる。
しかし、この方法は本来、不自然であり、具だけが醤油中に落下してしまうことも少なくない。特に、粒状の具を載せた軍艦巻きなどを逆さまにするのは、本来的に不可能であり、いずれも上向きの自然な状態で、醤油を滴下するのが好ましい。
このような場合も、微量の醤油を滴下できる適当なスポイト器具があることが好ましい。本発明はこのような問題を解決しようとするものである。
特許文献1は、「スポイトストロー」に関し、細管部とヒートシール部からなるスポイトが記載されている。細管部の一端がヒートシールされているので、本来、ストローの機能はなくスポイト自体である。ヒートシール部を除去することで、ストローの機能を得るようにされているが、ストロー自体を利用するものではない。
本願は、汎用ストローにスポイト機能を付与する器具が目的であり、先行特許文献1とは相違している。
特許文献2は、スポイト付きキャップに関する考案である。キャップにスポイト機能が付いているので、ドレッシング容器等には好適に使用できるが、複雑な構造となる問題がある。考案の目的も本願と相違している。
市販ストローのスポイトとしての使用は、ガラススポイトのように、破損することがなく、食品に用いて安全衛生的であり、ある程度反復使用ができ、使用後は、廃棄できるので、洗浄の手間がかからない。
図1は、第1形態の付与具を説明する図であって、図1(A)は、第1形態の付与具101の斜視図、図1(B)は、付与具にストローSを装着した場合の側面図、図1(C)は、ストローSを付与具で圧縮した場合の側面図である。
弾性板材11a,11bのストローSを挟む面には、圧縮したストローSの肉厚を吸収する(納める)溝11mが形成されているのが好ましい。ストローSを圧縮した際、ストローSが曲がって板材から外れることがないようにするためである。
溝11mの合計深さは、ストローSを圧縮した際の合計肉厚(0.1〜1.0mm程度)とする。合計肉厚より深ければ圧縮効果が減少する。溝11mは何れか一方側の板材に設けるものであっても良い。
図1(A)の場合、固定部材ではなく、封止部材12のみが図示されている。固定部材については、図2を用いて説明する。
図1(A)の場合、封止部材12は、ストローSの内径に、隙間なく嵌まるゴム栓、木栓、コルク栓またはプラスチック栓等を想定しているが、簡易な部材であれば、特に材質を限定しない。封止部材12は、封止栓に限らず、ストローの開口端s1を封止できる強力なクリップや板ばねであっても良い。
弾性板材11と封止部材12の間には、他の補助部材が介在しても構わない。封止部材12がストローSを動かないように固定することも行うので、固定機能も有していることは明らかである。
ゴム栓、木栓、コルク栓またはプラスチック栓は、接着剤または、ねじ等で弾性板材11または補助部材に装着する。
その後、図1(C)のように、弾性板材11a,11bの平行に対面する部分を手指で上下から圧縮すれば、中の空気が排出される。さらに、ストローSの開口端s2を調味料等の液中に浸して手指の圧縮を開放すれば、ストローS中に液が吸い込まれる。
その後、吸い込んだ液を食品に適用する場合は、再び、弾性板材11a,11bを圧縮すれば良い。
図2(A)のように、第2形態の付与具102は、2枚の弾性板材11a,11bの一端側を重ねて結合するとともに、開放端側の一定長部分が略同一の圧縮部長さLになるようにされ、ほぼ平行に対面するように構成されている。
弾性板材11a,11bは、平面な板材であることには限定されず、重ねて結合する部分が厚肉になっていても、曲げられていても良い。竹材や木材を使用する場合は、重ねる部分を厚肉にした材料を好ましく使用できる。板材を使用する場合は、板材間に、他の部材を挿入しても構わない。図2(A)は、弾性板材11a,11bとは異なる材質の固定部材13を挿入した例を図示している。
結合した部分の内側にストローSの開口端s1を封止する封止部材、または一方側開口部が封止されたストローSを固定する固定部材13を有する構造にされている。
図2(A)の場合、固定部材13のみが図示されている。封止部材については、図1で説明したとおりである。
前述のように、固定部材13は、第1形態においても使用できるものであり、同様に、封止部材12は、第2形態においても使用できるものである。
図2(A)の場合、固定部材13は出口側が狭いスリット13sを有する構造にされている。スリット13sは、ストローSの表裏合計肉厚に近い程度の間隙を有することが好ましい。一般的には、0.1〜1.0mm程度にできる。
スリット13sの内側は、一方側開口端s1が封止されたストローSを納める空間13kにされている。図2(A)では、ストローSを納める空間13kが、左右の双方にストローSの差し込み口を有するように図示されているが、何れか一方側からのみ差し込みできる構造であって良い。
第2形態の付与具102の使用方法は、その他の点においては、第1形態の付与具101と同様である。
これらの封止栓の場合は、先端はストローSの内径φより、細い0.9φ程度として、ストローを差し込み易くし、中段より下方に、1.1φ程度の部分を有するようにして、内径に密着し易くするのが好ましい。封止栓は、座板12sを有していて、付与具の曲げ部分の中心C付近の差し込み部に差し込んで使用するようにもできる。
封止部材12として板ばね12bを使用する例である。図4(A)のように、ストローSの開口端s1を板ばね12bと補助部材15の間に挟み、次いで、図4(B)のように、板ばね12bで圧接する。圧接した後、板ばね12bの自由端側を固定すれば、ストローSの開口端s1は、密封される。圧接部からストローSを直角に折り曲げして弾性板材11a、11b間に挟むようにする。
板ばね12bは、補助部材15または弾性板材11に固定するものである。
図3のゴム栓等の封止栓では、ストローの内径φが限定されるが、板ばね12bの場合は内径や外径に限定されない利点がある。
ストローSの一方側開口端s1を封止するためには、ヒートシーラーが有る場合は、開口端s1付近を熱シールすれば良いが、ヒートシーラーが無い場合は、ストローの先端を二つまたは三つ折りして、折った部分をホッチキス(登録商標)針で留めるか、ガチャ玉(登録商標)で留めれば良い。封止部を納める空間13kとは、このように封止されたストローSの開口端部分が納まる程度の空間のことである。
ストローSの一方側開口端s1を二つ折りまたは三つ折りして、折った部分をガチャ玉13gで固定する。これにより、ストローSの一方側開口端s1が気密になる。開口端s1にガチャ玉13gが付いた状態で封止部を納める空間13kに入れる。
図5(B)では、開口端s1が折られているように見えないが、図示の都合であり、実際は二つ折りまたは三つ折りしてガチャ玉等で固定している。
図6は、ドレッシング容器での使用状態を示している。香辛材料の多い容器底部からドレッシングDを吸い取ることができる。ストローSを圧縮後、指を放せば液が吸い込まれ、再び圧縮すれば滴下できる。
図7は、醤油を寿司上に滴下している状態を示している。細径のストローを使用すれば、少量の醤油を寿司Gに滴下することができる。先端が傾斜していないストローであれば、小皿面の醤油を吸い上げることができ、便利である。
(1)ストロー
ストローは、ポリプロピレンやポリエチレン製のものが多く市販されている。外径6.0mm、長さ250mm、外径5.0mm、長さ190mm、外径4.0mm、長さ160mm、のものなどの各種がある。ストローの肉厚は、20〜100μm程度である。
ストローは、その特性から、扁平に圧縮されても元の円形断面に戻る復元性を有している。圧縮を繰り返すと復元性が低下するが、10回程度は使用可能である。
環境上の問題からプラスチックストローを廃止する動きがある。しかし、紙材質にした場合も液体を吸引する用途から弾性を失うことは考えられない。
弾性板材には、竹や木材、プラスチック材、ステンレス材や他の金属材を使用できる。弾性といっても、一度圧を加えても再び元の状態に戻る程度の弾性があれば足りるから、強い弾性を有することは求められない。竹や木材、プラスチック材であっても良い。
板幅は、外径6mmのストローの場合で、8〜15mm程度、外径4mmなら、6〜12mm程度で良い。
表1は、圧縮部長さLを50mmとした場合の液体(室温の水)の採取量(g)を示している。ストローの外径が6.0mmのものと4.0mmのものの同一ストローについて、1〜5回までを試験している。
外径6.0mmのものは、4.0mmのものの約4倍の液量が採取できる。1〜2回目に比較して3回目以降では採取量が低減傾向にある。ストローの元の断面円形への復元力が多少低下するものと考えられる。
外径4.0mmのポリプロピレン製ストローのスポイト機能付与具を製作した。
扁平な竹材料を使用し、中央で湾曲させて二つ折りして、図1(A)図示のような第1形態のスポイト機能付与具101とした。
弾性板材(竹材)11a,11bの板幅を8.0mm、厚みを2.0mmとし、圧縮部長さLを50mmとした。なお、片側の板材11bに、溝11mを深さ0.5mmで設けた。
同じく竹材料を使用し、図3図示のような竹栓の封止部材12を作成し、竹材の湾曲部である折り曲げ中心C近くに,外側からねじで固定した。
この封止部材に、上記外径4.0mmのストローSの開口端s1を差し込みして封止するようにした。
外径6.0mmのポリプロピレン製ストローのスポイト機能付与具を製作した。
弾性板材として、図2(A)図示形状の弾性板材11a,11bをポリプロピレン樹脂により成型し、第2形態のスポイト機能付与具102とした。
板幅を10.0mm、厚みを1.8mmとし、圧縮部長さLを80mmとした。なお、片側の板材11bに、溝11mを深さ0.5mmで設けた。
この板材11a,11bの間に、補助部材15として木材を使用し、接着剤で結合した。
この補助部材15に、図4図示の板ばね12bを固定して封止部材12とした。
この封止部材12に、上記外径6.0mmのストローSの開口端s1を二つ折りして封止かつ固定するようにした。
実施例2と同様にして、外径6.0mmのポリプロピレン製ストローのスポイト機能付与具を製作した。
図2(A)図示の形状の弾性板材11a,11bをポリプロピレン樹脂により成型して使用した。板幅を10.0mm、厚みを1.8mmとし、圧縮部長さLを80mmとした。なお、片側の板材11bに、溝11mを深さ0.5mmで設けた。
ストローSの固定部材13として、図2(A)図示のスリット13sと封止部を納める空間13kを有する木材加工品を使用した。なお、スリット13sの幅は0.5mmとした。
これに、外径6.0mmのポリプロピレン製ストローの開口端s1を三つ折りにし、ガチャ玉で当該三つ折り部分を封止したスポイトを、封止部を納める空間13k挿入するようにした。
11m 溝
12 封止部材
12b 板ばね
12s 座板
13 固定部材
13g ガチャ玉
13s スリット
13k 封止部を納める空間
15 補助部材
101 第1形態の付与具
102 第2形態の付与具
C 曲げ部分の中心
D ドレッシング
G 寿司
R 曲げ部分の側面外形
S ストロー
s1,s2 ストローの開口端
L 圧縮部長さ
φ ストローの内径
Claims (3)
- ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
1枚の弾性板材を中央部で曲げて二つ折りにするとともに、開放端側の一定長部分の弾性板材が平行に対面するように構成し、かつ二つ折りした部分の内側にストローの開口部を封止する封止部材、または一方側開口部が封止されたストローを固定する固定部材を有するようにしたことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
2枚の弾性板材の一端側を重ねて結合するとともに、開放端側の一定長部分の弾性板材が平行に対面するように構成し、かつ結合した部分の内側にストローの開口部を封止する封止部材、または一方側開口部が封止されたストローを固定する固定部材を有するようにしたことを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - 弾性板材が竹、木材、金属、またはプラスチック材料であることを特徴とする請求項1または2記載のストローに対するスポイト機能付与具。
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