JP2022061289A - 複合布帛および衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えた複合布帛および衣服を提供する。【解決手段】シート状の微粒子捕集体を必要に応じてジグザグ状とし、前記微粒子捕集体の両面を編物によって被覆する。【選択図】図1

Description

本発明は、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えた複合布帛および衣服に関する。
消防士が着用する消防服に代表される耐熱防護衣料は、着用者の安全と着用快適性を確保するため、難燃性、耐熱性、機械的特性、耐薬品性といった複数の特性を兼備する必要がある。また、近年では消防士の消火作業中に浴びる多量の粉塵、ばい煙といった有害微粒子の消防服への透過も懸念されている。
その対策として、防火服では、粉塵等による影響があると考えられる頭部や首回りへの対策がなされてきた。また、両手、両足については、長靴、手袋によって上記防護性は十分考慮されているが、長靴や手袋と防火服とのつなぎ目については、有害微粒子の侵入抑制が十分とは言えなかった。
例えば、特許文献1では、袖口を内袖および外袖による二重構造とすることが提案されているが、微粒子の侵入を抑制する上でまだ改良の余地があった。また、特許文献2では、弾性フィラメント糸とポリエステルフィラメントを用いて編物とし塵埃捕集効率を高めた袖口が提案されているが、微粒子の侵入を抑制する点や耐熱性の点でまだ満足とはいえなかった。
特開2010-077564号公報 特開平06-101103号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、衣服の袖口や裾口に好適に用いられ、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えた複合布帛、および該複合布帛を用いてなる衣服を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、複合布帛の構成などを巧みに工夫することにより、所望の複合布帛および衣服が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「シート状の微粒子捕集体と、難燃繊維を含む編物とを含む複合布帛であって、前記微粒子捕集体の両面が前記編物によって覆われていることを特徴とする複合布帛。」が提供される。
その際、前記微粒子捕集体が、ポリテトラフルオロエチレン膜、不織布、紙、織物、および編物からなる群より選択されるいずれかを含むことが好ましい。また、前記微粒子捕集体がジグザグ状の形状を有することが好ましい。また、前記編物が、前記難燃繊維を編物重量対比80重量%以上含むことが好ましい。また、前記編物が、リブ組織を有することが好ましい。また、複合布帛が筒状であり、二重の前記編物の間に前記微粒子捕集体が配されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の複合布帛を袖口または裾口に含む衣服が提供される。
本発明によれば、衣服の袖口や裾口に好適に用いられ、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えた複合布帛、および該複合布帛を用いてなる衣服が得られる。
本発明において、袖口を製造する工程の一例を示す図である。 本発明の複合布帛を袖口に用いた一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の複合布帛はシート状の微粒子捕集体(微粒子捕集機能をもつ素材)を含む。
かかる微粒子捕集体は特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン膜(PTFEメンブレン)、不織布、紙、織物、編物などを、単独または複合して用いることが好ましい。例えば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、炭素繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、難燃レーヨン、モダアクリル繊維、難燃アクリル繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃ビニロン繊維、メラミン繊維、フッ素繊維、難燃ウール、難燃コットンの群から選ばれた1種類以上の耐熱性繊維を単独もしくは混合して用いて不織布や織編物としてもよい。特に、ポリテトラフルオロエチレン膜の両面に前記耐熱性繊維からなる布帛(好ましくは編物)を接着(熱接着または化学接着)してなるものが好ましい。その際、前記耐熱性繊維の単繊維径としては、0.3μm以下の粒径の微粒子を捕集する上で、重量と捕集効率のバランスから、10μm以下(より好ましくは0.001~10μm)であることが好ましい。
次に、本発明の複合布帛において、前記微粒子捕集体の両面が、難燃繊維を含む編物によって覆われている。その際、編物が難燃繊維を編物重量対比80重量%以上(最も好ましくは100重量%)含むことが好ましい。
ここで、前記難燃繊維としては、JIS L1091 E-2法に規定されるLOIが26以上の繊維が好ましい。例えば、全芳香族ポリアミド繊維(メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維)、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ノボロイド繊維、難燃アクリル繊維、ポリクラール繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃綿繊維、難燃レーヨン繊維、難燃ビニロン繊維、難燃ウール繊維などを単一または混合して使用することができる。
さらに、難燃繊維は、融点が300℃以上であることが好ましい。そのような繊維として、全芳香族ポリアミド繊維(メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維)、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維などが例示される。
また、これらの難燃繊維は、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、酸化チタン、着色剤、不活性微粒子などの添加剤を含有してもよい。
特に、難燃繊維は、LOIが26以上、かつ、融点が400℃以上であることが好ましい。そのような繊維として、全芳香族ポリアミド繊維(メタ型全芳香族ポリアミド繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維)を挙げることができる。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、その繰返し単位の85モル%以上がm-フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。なお、メタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であってもよい。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度は、0.5g/100mlの濃度のN-メチル-2-ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3~1.9dl/gの範囲にあるものが好ましい。
メタ型全芳香族ポリアミドは、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩は、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩などの化合物などが例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、またはドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N-メチル-2-ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0~7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法は、溶媒中にポリ-m-フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解した後、アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩をその溶媒に溶解する方法などが用いられる。このようにして得られたドープは、公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させるなどの目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1~10mol%となるように共重合させてもよい。
-(NH-Ar1-NH-CO-Ar1-CO)- ・・・式(1)
Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
なお、第3成分として下記の式(2)、(3)、(4)、(5)で示される芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸ジクロライドを共重合させることが可能である。式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p-フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼンなどが挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4-ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6-ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’-ビフェニルジカルボン酸クロライド、5-クロルイソフタル酸クロライド、5-メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N-Ar2-NH ・・・式(2)
N-Ar2-Y-Ar2-NH ・・・式(3)
XOC-Ar3-COX ・・・式(4)
XOC-Ar3-Y-Ar3-COX ・・・式(5)
Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子または官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、少量の染料や染色条件が弱いなどの条件でも狙いの色に調整し易いという点で、5~35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15~25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001~0.1重量%)であることが好ましい。
なお、メタ型全芳香族ポリアミド繊維として、優れた耐光堅牢度を得る上で、例えば、国際公開公報第2013/061901号パンフレットに記載されているような公知の原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。
すなわち、本発明に用いられる顔料は、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、あるいは、カーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化チタン、酸化鉄などの無機顔料が例示される。
また、メタ型全芳香族ポリアミドと顔料との混合方法は、アミド系溶媒中に顔料を均一分散したアミド系溶媒スラリーを作製し、当該アミド系溶媒スラリーをメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法、あるいは顔料粉末を直接、メタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法などが例示される。
顔料配合量としては、メタ型全芳香族ポリアミドに対して10.0重量%以下、好ましくは5.0重量%以下である。10.0重量%より多く添加した場合には、得られる繊維の物性が低下するおそれがある。
上述した方法によりメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造することができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、例えば、特公昭35-14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47-10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液は、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いてもよいし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものなどを用いてもよい。
重合に用いられるアミド系溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができる。その中でも特にN,N-ジメチルアセトアミドが好ましい。
得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことで安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩はポリマー溶液の全質量に対して1重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましい。その際、前記のような難燃剤を含ませることが好ましい。
紡糸・凝固工程は、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液または原着メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置は特に限定されるものではなく、公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状などは特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000~30000個、紡糸孔径が0.05~0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
なお、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を紡糸口金から紡出する際の温度は、20~90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴は、実質的に無機塩を含まないアミド系溶媒で行う。特に、NMPの濃度が45~60重量%の水溶液を、浴液の温度10~50℃の範囲で用いることが好ましい。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となり、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができないため、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1~30秒の範囲が適当である。
延伸は、アミド系溶媒で行う。特に、NMPの濃度が45~60重量%の水溶液であり、浴液の温度を10~50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3~4倍の延伸倍率で行うことが好ましい。延伸後、10~30℃のNMPの濃度が20~40重量%の水溶液、続いて50~70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270~290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
上述した方法により、結晶化度や残存溶媒量を上述した好ましい範囲とすることができる。
なお、メタ型全芳香族アラミド繊維、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。他の繊維と混紡する場合、繊維長25~200mmの短繊維が好ましく、単繊維繊度が1~5dtexの範囲であるとより好ましい。
また、メタ型全芳香族アラミド繊維がパラ型全芳香族ポリアミド繊維との混紡糸として布帛に含まれていると、布帛の強度が向上するため好ましい。
その際、パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、パラフェニレンテレフタラミド繊維またはコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維がより好ましい。
混紡糸には、導電性繊維など他の合成繊維が含まれていてもよい。導電性繊維は、導電部の導電体として、例えば、カーボンブラック、金属粒子(銀粒子、銅粒子、アルミ粒子等)や、金属酸化物(酸化チタン、酸化第2錫、酸化亜鉛、酸化インジウム等を主体とする粒子)や、導電性酸化物をコーティングした粒子等を含有した導電性粒子含有ポリマーなどの少なくとも一つを含むことが好ましい。
導電性繊維の形態は、繊維全体が導電部からなる構造でもよいし、非導電部と導電部が芯鞘、サンドイッチ、偏芯などの断面形状を有していてもよい。導電部、非導電部を形成する樹脂は、繊維形成性を有していれば、特段限定されるものではない。具体的には、ナイロン樹脂では、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロンなどが挙げられる。また、ポリエステル樹脂では、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートおよびこれらの共重合体や酸成分(テレフタル酸)の一部をイソフタル酸で置き換えたものなどが挙げられる。
市販されている導電性繊維としては、帝人社製「メタリアン」(商品名)、ユニチカファイバー製「メガーナ」(商品名)、東レ社製「ルアナ」(商品名)、クラレ社製「クラカーボ」(商品名)などが例示される。特に、導電性成分が鞘部に配された芯鞘型複合繊維が好ましい。かかる芯鞘型複合繊維としては、ソルシア社製「NO SHOCK」(登録商標)が好ましい。
布帛に用いられる繊維は、マルチフィラメント(長繊維)や、前述した繊維が混紡された紡績糸を用いることが好ましい。特に、機能性の面から紡績糸であることが好ましい。その場合、一般に衣料用で用いられる番手、たとえば英式綿番手20番~60番の間であることが好ましい。なお、紡績糸は単糸で使用してもよいし撚糸後使用してもよい。
また、前記編物は、熱暴露から人体を保護するという観点から、厚み、目付をある程度以上確保することが好ましく、さらに着用の際、手足にフィットする必要があることから、伸縮性大なることが好ましい。かかる編物としては丸編が好ましく、中でもリブ編、またはダブルニットが好ましく、さらに一般的に袖口、裾口に使用されるリブ編がより好ましい。厚みについては1.0mm以上(より好ましくは1.0~3.0mm)であることが好ましい。また、目付けについては200g/m以上(より好ましくは200~500g/m)以上が好ましい。
さらに、本発明の複合布帛は、伸びのある編物を使用しており、微粒子捕集体はその伸びに追随するため、伸び代を持つことが好ましい。例えば、微粒子捕集体がジグザグに折りたたまれて二枚の編物の間に配されていることが好ましい。
また、複合布帛が筒状であり、二重の前記編物の間に前記微粒子捕集体が配されていることが好ましい。特に、前記微粒子捕集体がジグザグに折りたたまれて筒状体の直径方向への伸び代に相当する分の長さを持って二重の編物の間に挟まっていることが好ましい。かかる構造は、例えば、市販のジャンパーの袖口に見られるリブ編のニットを折り返し、筒状としたものに微粒子捕集体が挿入される形態となる。
また本発明において筒状となすためには、筒となる布帛の両端を接続することが好ましいが、その方法として縫製による接続が好ましく用いられる。縫製糸は耐熱性のためメタアラミド糸が好ましく用いられる。またその際、縫い目にシームテープを付与し、微粒子捕集性を維持することは好ましく用いられる。
本発明の複合布帛は前記の構成を有するので、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備える。
かかる複合布帛は衣服用として好適である。例えば、かかる複合布帛を袖口や裾口に用いて衣服を得ると、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備える衣服となる。もちろん、前記複合布帛は衣服以外の用途(産業用途など)に用いてもよい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)原糸
以下の素材を用いて、公知の方法により表1に示すように英式綿番手40番の単糸を製造した。
「メタ型全芳香族ポリアミド繊維原着短繊維」帝人株式会社社製、「コーネックス」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm(以下メタアラミド)
「パラ型全芳香族ポリアミド短繊維」帝人株式会社製、「テクノーラ」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm(以下パラアラミド)
(2)編物
上記英式綿番手40番の紡績糸を双糸合撚し、20ゲージの丸編機を用い2/2のリブ編を製編した。得られた編物は、JIS L 1096 A法により、厚み1.6mm、目付320g/mであった。
[実施例1]
上記英式綿番手40番の紡績糸を用い、20ゲージの丸編機を用い天竺編を製編した。PTFEメンブレンの両面に天竺編を接着し、130℃の乾熱でプリーツ加工して、ジグザグ状の微粒子捕集体を得た。
次いで、図1に示すように、ジグザグ状の微粒子捕集体を筒状とし、端部を接着した後、前記編物で微粒子捕集体の両面を被覆して複合布帛とし、次いで、縫製することにより図2に示すような袖口を有する衣服を得た。
かかる袖口は、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えていた。
[実施例2]
実施例1において、微粒子捕集体として「メタ型全芳香族ポリアミド繊維原着短繊維」帝人株式会社社製、「コーネックス」(登録商標)からなる不織布を用いること以外は実施例1と同様にした。得られた袖口は、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えていた。
[実施例3]
実施例1において、微粒子捕集体としてポリイミド繊維からなる不織布を用いること以外は実施例1と同様にした。得られた袖口は、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えていた。
本発明によれば、衣服の袖口や裾口に好適に用いられ、有害な微粒子の透過を抑制可能であり、さらには難燃性、遮熱性、伸縮性をも兼ね備えた複合布帛、および該複合布帛を用いてなる衣服が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (7)

  1. シート状の微粒子捕集体と、難燃繊維を含む編物とを含む複合布帛であって、前記微粒子捕集体の両面が前記編物によって覆われていることを特徴とする複合布帛。
  2. 前記微粒子捕集体が、ポリテトラフルオロエチレン膜、不織布、紙、織物、および編物からなる群より選択されるいずれかを含む、請求項1に記載の複合布帛。
  3. 前記微粒子捕集体がジグザグ状の形状を有する、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
  4. 前記編物が、前記難燃繊維を編物重量対比80重量%以上含む、請求項1~3のいずれかに記載の複合布帛。
  5. 前記編物が、リブ組織を有する、請求項1~4のいずれかに記載の複合布帛。
  6. 複合布帛が筒状であり、二重の前記編物の間に前記微粒子捕集体が配されている、請求項1~5のいずれかに記載の複合布帛。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の複合布帛を袖口または裾口に含む衣服。
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