JP2022059687A - 加熱調理器システム、及び脱臭方法 - Google Patents

Abstract

【課題】食材を加熱調理する際に発生する蒸気や煙を排気可能で且つコンパクトな加熱調理器システムを提供する。【解決手段】加熱調理器システム１Ａは、テーブル１０と、加熱調理器２０と、を備える。加熱調理器２０は、排気口２１ａを有するケーシング２１と、調理具Ｘを加熱する熱源２２と、排気口２１ａと連通する複数の吸引孔２３ａを有するトッププレート２３と、排気口２１ａと連通する排気流路２７と、排気流路２７内に配置されたフィルタ２４と、フィルタ２４の下流に配置された排気ファン２５と、排気ファン２５の下流に配置された脱臭装置２６と、を備える。【選択図】図２

Description

本発明は、食材を加熱調理するための加熱調理器システムに関する。また、本発明は、当該加熱調理器システムを使用した脱臭方法に関する。

従来、加熱調理器の使用時には、食材を加熱した際に発生する煙や蒸気を排気装置によって排気している。特許文献１には、ダクト２５を備えた加熱調理器が開示されている。ダクト２５は、床下を通って、店外まで延びている。ダクト２５の途中には吸引ファンが設置されており、吸引ファンを駆動することにより、加熱調理時に発生した煙はダクト２５を通って店外に排出される。

特開２００２－０８５２６２号公報

特許文献１のように床下に排気ダクトを設置する必要がある場合、排気ダクトを設置するための大規模な工事が必要である。また、排気ダクトの位置に合わせて加熱調理器を配置しなければならないため、加熱調理器の設置位置が制限される。

本発明は、蒸気や煙を排気可能で且つコンパクトな加熱調理器システムを提供することを目的とする。また、本発明は、当該加熱調理器システムを使用した脱臭方法を提供することを目的とする。

本発明は、以下の特徴を有する。

（項目１）
天板及び前記天板の下方に配置された筐体を有するテーブルと、前記テーブル内に配置された加熱調理器と、を備える加熱調理器システムであって、
前記加熱調理器は、
底板及び側板を備え、前記底板は排気口を有し、前記側板及び前記底板によって囲まれる空間内に調理具が配置可能な、ケーシングと、
前記調理具を加熱する熱源と、
前記ケーシングの上方に配置され、前記排気口と連通する複数の吸引孔を有するトッププレートと、
前記排気口と連通する排気流路と、
前記排気流路内に配置されたフィルタと、
前記フィルタの下流に配置された排気ファンと、
前記排気ファンの下流に配置された脱臭装置と、
を備える加熱調理器システム。

（項目２）
前記調理具は、鍋である、
項目１に記載の加熱調理器システム。

（項目３）
天板及び前記天板の下方に配置された筐体を有するテーブルと、前記テーブル内に配置された加熱調理器と、を備える加熱調理器システムであって、
前記加熱調理器は、
排気口を有する底板及び側板を備えるアウターケーシングと、
前記アウターケーシング内に配置され、調理具が配置可能なインナーケーシングと、
前記調理具を加熱する熱源と、
前記アウターケーシング及び前記インナーケーシングの上方に配置され、前記排気口と連通する複数の吸引孔を有するトッププレートと、
前記排気口と連通する排気流路と、
前記排気流路内に配置されたフィルタと、
前記フィルタの下流に配置された排気ファンと、
前記排気ファンの下流に配置された脱臭装置と、
を備える加熱調理器システム。

（項目４）
前記調理具は、網又はロストルである、
項目３に記載の加熱調理器システム。

（項目５）
前記トッププレートは、上板と、側板と、を備え、
前記吸引孔は前記側板に設けられている、
項目１から４のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目６）
前記加熱調理器は、複数の前記フィルタを備え、
前記複数のフィルタは、少なくとも油脂を除去する第一フィルタと、前記第一フィルタの下流に配置され、少なくとも前記第一フィルタによる除去対象の油脂よりも小さな油脂を除去する第二フィルタと、含む、
項目１から５のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目７）
前記排気ファンは、吸気口と、吐出口と、を備え、
前記排気ファンは、前記吐出口が下向きになるように配置されている、
項目１から６のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目８）
前記排気ファンは、前記吐出口が前記脱臭装置の上方に位置するように配置されている、
項目７に記載の加熱調理器システム。

（項目９）
前記排気ファンは、モータを備え、
前記排気ファンは、前記モータのモータ軸が水平になるように配置されている、
項目１から８のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目１０）
前記加熱調理器は、複数の前記脱臭装置を備え、
前記複数の脱臭装置は、同一平面上に配置されている、
項目１から９のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目１１）
前記排気口は、前記底板の中心から偏位した位置に１つのみ設けられており、
前記加熱調理器は、前記排気口の直前に、前記排気口の一部を覆うように配置された邪魔板をさらに備える、
項目１から１０のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目１２）
前記加熱調理器は、過昇温検知部と、前記脱臭装置よりも上流に配置され、前記排気流路を開閉する防火ダンパと、をさらに備え、
前記加熱調理器内の温度が所定の温度を超えたときに、前記過昇温検知部は前記防火ダンパを閉鎖させる、
項目１から１１のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。

（項目１３）
前記過昇温検知部は、温度ヒューズである、
項目１２に記載の加熱調理器システム。

（項目１４）
項目１から１３のいずれか１項に記載の加熱調理器システムを空運転させることにより、前記加熱調理器システムが配置されている空間を脱臭する方法。

本発明の加熱調理器システムでは、排気機構を備えた加熱調理器がテーブル内に配置されている。そのため、コンパクトな加熱調理器システムを提供できる。また、床下に設置されている排気ダクトが不要となるため、加熱調理器システムを任意の場所に移動できる。

本発明の加熱調理器システムを使用することにより、当該加熱調理器システムが設置された空間内の空気を効果的に脱臭することができる。

第一実施形態の加熱調理器システムの斜視図である。 図１のＩＩ－ＩＩ線断面図である。 （ａ）トッププレートの斜視図、（ｂ）（ａ）のＩＩＩｂ－ＩＩＩｂ線断面図である。 第一実施形態の加熱調理器システムにおける排気の流れを模式的に示す断面図である。 第二実施形態の加熱調理器システムの断面図である。 第三実施形態の加熱調理器システムの斜視図である。 図６のＶＩＩ－ＶＩＩ線断面図である。 第四実施形態の加熱調理器システムの断面図である。

図面を参照して、本発明の加熱調理器システム１Ａ～１Ｄについて説明する。本発明の加熱調理器システム１Ａ～１Ｄは、食材を加熱して調理するための装置である。加熱調理器システム１Ａ～１Ｄの構造及び特徴について説明した後、加熱調理器システム１Ａ～１Ｄを使用した脱臭方法について説明する。

＜Ａ 第一実施形態＞
［Ａ－１ 加熱調理器システムの構造］
まず、図１から図４を参照しつつ、第一実施形態の加熱調理器システム１Ａについて説明する。図１は、加熱調理器システム１Ａの斜視図である。図２は、図１のＩＩ－ＩＩ線断面図である。

第一実施形態の加熱調理器システム１Ａは、鍋料理用の加熱調理器システムである。「鍋料理」とは、鍋内に液体（例えば、出し汁）及び食材を入れて加熱調理した料理のことである。

一実施形態において、加熱調理器システム１Ａは、しゃぶしゃぶ用の加熱調理器システムである。「しゃぶしゃぶ」とは、薄くスライスした肉を鍋内の加熱された出し汁に入れて調理し、タレを付けて食べる日本の鍋料理のことである。

一実施形態において、加熱調理器システム１Ａは、寄せ鍋用の加熱調理器システムである。「寄せ鍋」とは、肉類、魚介類、野菜及び豆腐などの食材を出し汁と共に煮込んだ日本の鍋料理のことである。

一実施形態において、加熱調理器システム１Ａは、水炊き鍋用の加熱調理器システムである。「水炊き鍋」とは、水を張った鍋内に鶏肉や野菜などの食材を入れて煮込み、タレを付けて食べる日本の鍋料理のことである。

一実施形態において、加熱調理器システム１Ａは、火鍋用の加熱調理器システムである。「火鍋」とは、出し汁として唐辛子など複数の香辛料が入った辛い出し汁を使用し、この出し汁に、肉類、魚介類及び野菜などの食材を入れて煮込んだ中国の鍋料理のことである。

加熱調理器システム１Ａは、上記で挙げた鍋料理以外の鍋料理にも使用可能である。

加熱調理器システム１Ａは、テーブル１０と、加熱調理器２０と、を備える。テーブル１０は、天板１１と、天板１１の下に配置された筐体１２と、を備える。天板１１の中央には、矩形状の開口部が設けられている。加熱調理器２０は、テーブル１０内に配置されている。加熱調理器２０は、ケーシング２１と、熱源２２と、トッププレート２３と、フィルタ２４と、排気ファン２５と、脱臭装置２６と、を備える。加熱調理器システム１Ａでは調理具Ｘとして鍋Ｘが使用され、熱源２２は鍋Ｘを加熱する。

鍋Ｘはケーシング２１内で且つ熱源２２の上方に配置される。トッププレート２３は、複数の吸引孔２３ａを有しており、鍋Ｘの上方に配置される。ケーシング２１には一つのみの排気口２１ａが設けられている。排気口２１ａは、排気流路２７を介して排気ファン２５と繋がっている。排気流路２７は、排気口２１ａから下方に延びる縦流路２７ａと、縦流路２７ａから横方向に延びる横流路２７ｂと、から成る。フィルタ２４は、横流路２７ｂ内に配置されている。脱臭装置２６は、排気ファン２５の下流に配置されている。筐体１２の底部には、脱臭装置２６と連通する開口部が設けられている。

排気ファン２５を駆動すると、鍋Ｘ内の液体が蒸発した蒸気が、トッププレート２３の吸引孔２３ａから吸引される。吸引孔２３ａから吸引された蒸気は、排気口２１ａを通って排気流路２７に流れる。排気流路２７を流れる蒸気は、フィルタ２４によってろ過された後、脱臭装置２６によって脱臭され、筐体１２の底部から排気される。

以下、各構成要素の詳細について説明する。なお、以下で「蒸気」のことを「排気」と表記することがある。

図２に示すように、ケーシング２１は、矩形状の底板２１１と、底板２１１から立ち上がる四つの側板２１２と、を備える。排気口２１ａは、底板２１１の周辺部（すなわち、底板２１１の中心から偏心した位置）に設けられている。前記の通り、排気口２１ａは、底板２１１の周辺部の一カ所に、一つのみ設けられている。底板２１１及び側板２１２によって囲まれる空間には、鍋Ｘが配置される。鍋Ｘは、その側壁がケーシングの側板２１２と離隔するように配置される。したがって、ケーシング２１内に鍋Ｘが配置されたとき、鍋Ｘの側壁と側板２１１との間には、隙間Ｓ１が存在する。

図２に示すように、熱源２２は、ケーシング２１の底板２１１に配置されている。熱源２２は、例えばＩＨヒータ、電気ヒータ又はガスバーナである。熱源２２は、熱源２２と接触して又は熱源２２と離隔して配置された鍋Ｘを加熱する。

図３（ａ）はトッププレート２３の斜視図であり、図３（ｂ）は図３（ａ）のＩＩＩｂ－ＩＩＩｂ線断面図である。トッププレート２３は、矩形の環状であり、上板２３１と、複数の吸引孔２３ａを有する側板２３２と、を備える。上板２３１は、テーブルＴの天板１１上に載置される。側板２３２は、上板２３１から下方に延びている。トッププレート２３を天板１１に配置したとき、側板２３２は、天板１１の開口部を形成する側面と離隔している。すなわち、トッププレート２３を天板１１に配置したとき、側板２３２と天板１１の開口部を形成する側面との間には隙間Ｓ２（図２参照）が存在する。この隙間Ｓ２は、隙間Ｓ１と連通している。排気ファン２５の作動時、鍋Ｘから出た蒸気は、吸引孔２３ａから吸引され、隙間Ｓ２及び隙間Ｓ１を通って、排気口２１ａへと流れる。

図２に示すように、フィルタ２４は、横流路２７ｂ内で、且つ、排気口２１ａと排気ファン２５との間に配置されている。フィルタ２４は、少なくとも蒸気に含まれる油脂を除去するグリスフィルタである。フィルタ２４は、油脂以外に、匂いの成分や、食材の微粒子を除去可能であってもよい。一実施形態において、加熱調理器２０は、複数のフィルタ２４を備える。一実施形態では、加熱調理器２０は、第一フィルタ２４１と、第一フィルタ２４１よりも下流に配置された第二フィルタ２４２と、を備える。排気流路２７を流れる蒸気は、第一フィルタ２４１によってろ過された後、第二フィルタ２４２によってさらにろ過される。第一フィルタ２４１は、蒸気中の比較的大きな油脂を除去することを目的とし、第二フィルタ２４２は、第一フィルタ２４１による除去対象の油脂よりも小さな油脂を除去することを目的とする。一実施形態において、第一フィルタ２４１は、例えば多孔質Ｎｉ－Ａｌ合金製であり、加熱調理器２０に着脱可能で、且つ洗浄することにより再利用可能である。

図２に示すように、排気ファン２５は、鍋Ｘ内の液体から発生した蒸気を吸引して、テーブル１０外に排出するための装置である。排気ファン２５は、フィルタ２４の下流で、且つ脱臭装置２６の上流に配置されている。排気ファン２５は、吸気口２５１と、吐出口２５２と、モータ２５３と、を備える。排気ファン２５は、吐出口２５２が下向きになり、且つ、モータ２５３のモータ軸が水平になるように配置されている。また、排気ファン２５は、その全体が脱臭装置２６よりも上方に配置されており、吐出口２５２は脱臭装置２６の直上に配置されている。したがって、排気ファン２５からの排気は、脱臭装置２６の上方から脱臭装置２６に向けて吐出される。

図２に示すように、脱臭装置２６は、排気ファン２５の下流に配置されている。脱臭装置２６は、少なくとも脱臭材を含み、排気ファン２５を通過した蒸気を脱臭する。脱臭材は、例えば活性炭である。一実施形態において、脱臭装置２６は、脱臭材とグリスフィルタとを含み、排気ファン２５を通過した蒸気の脱臭と油脂除去の両方を行う。一実施形態において、加熱調理器２０は、複数の脱臭装置２６を備える。複数の脱臭装置２６は、同一平面上に並置されている。

図４を参照して、加熱調理器システム１Ａの使用時における蒸気の流れについて説明する。図４では、蒸気の流れを矢印にて模式的に示している。

加熱調理器システム１Ａの使用時に、鍋Ｘ内の液体から発生した蒸気は、排気ファン２５の排気作用（吸引作用）によって、トッププレート２３の吸引孔２３ａから吸引される。吸引孔２３ａから吸引された蒸気は、隙間Ｓ２及び隙間Ｓ１を通って排気口２１ａに流れ、排気口２１ａから排気流路２７に進入する。排気流路２７に進入した蒸気は、フィルタ２４によってろ過された後、排気ファン２５に吸い込まれる。そして、蒸気は、脱臭装置２６の上方から脱臭装置２６に向けて吐出され、脱臭装置２６によって脱臭された後、筐体１２（テーブル１０）の下から排気される。

［Ａ－２ 加熱調理器システムの特徴］
加熱調理器システム１Ａでは、排気機構を備えた加熱調理器２０がテーブル１０の筐体１２内に収容されている。そのため、本発明の加熱調理器システム１Ａはコンパクトである。

排気流路２７が縦流路２７ａだけでなく、縦流路２７ａと連通する横流路２７ｂも備えることにより、排気流路２７の距離を長くすることができる。これにより、排気流路２７の内壁に付着する油脂量を増やすことができ、フィルタ２４を通過する蒸気内の油脂量を減らすことができる。その結果、フィルタ２４の寿命を延ばすことができる。

加熱調理器２０が複数のフィルタ２４を備え、第一フィルタ２４１によって比較的大きな油脂を除去することにより、第二フィルタ２４２を長寿命化することができる。

排気ファン２５をフィルタ２４の下流に配置することにより、排気ファン２５への油脂の付着を低減することができる。これにより、排気ファン２５の排気効率の低下を防止できる。

排気ファン２５を脱臭装置２６の下流に配置する実施形態では、脱臭装置２６による圧力損失が生じるため、その圧力損失による吸引力の低下を避けるために排気ファン２５の出力を上げなければならず、騒音が大きくなる傾向にある。しかしながら、本発明のように、排気ファン２５を脱臭装置２６の上流に配置することにより、脱臭装置２６による圧力損失を低下させることができるため、排気ファン２５の出力を低下させることができ、その結果、排気ファン２５による騒音を低下させることができる。また、排気ファン２５の出力を低下させることで排気の速度を遅くすることができる結果、排気を脱臭装置２６内により長時間滞留させることができるため、効果的に排気を脱臭できる。また、排気ファン２５を脱臭装置２６の上流に配置することにより、脱臭材が活性炭などの吸音材料である場合、脱臭装置２６によって騒音を低下させることができる。また、排気ファン２５を脱臭装置２６の上流に配置することにより、脱臭装置２６が抵抗となって排気ファン２５からの排気の速度を低下させることができるため、テーブル１０の下方からの排気の速度を低下させることができる。

排気ファン２５の吐出口２５２が下向きであることにより、排気ファン２５内部の汚れが落下しやすくなるため、排気ファン２５の排気効率の低下を防止できる。

モータ２５３のモータ軸が水平になるように排気ファン２５を配置することにより、排気ファン２５の振動を低下させることができる。また、モータ２５３のモータ軸が水平になるように排気ファン２５を配置することにより、排気ファン２５の下方のスペースを広くすることができる。これにより、排気ファン２５の下方に、より多くの又はより大きな脱臭装置２６を配置することができる。その結果、脱臭装置を２６通過する排気の速度を低下させることができると共に、脱臭装置２６による脱臭能力を向上させることができる。

排気ファン２５の吐出口２５２を脱臭装置２６の上方に配置し、脱臭装置２６の上方から排気を脱臭装置２６に向けて吐出することにより、脱臭装置２６全体にできる限り均等に排気を送ることができる。その結果、脱臭装置２６による脱臭能力を向上させることができる。

複数の脱臭装置２６が同一平面上に並置されていることにより、各脱臭装置２６における脱臭負荷を平均化することができる。その結果、脱臭装置２６を長寿命化することができる。

＜Ｂ 第二実施形態＞
［Ｂ－１ 加熱調理器システムの構造］
図５を参照しつつ、第二実施形態の加熱調理器システム１Ｂについて説明する。図５は、加熱調理器システム１Ｂの断面図である。加熱調理器システム１Ｂは、食材を焼いて調理するための装置である。なお、以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同一の構造を有する構成要素又は同一の機能を有する構成要素については、上記実施形態と同一の符号を使用し、その説明を省略する。

加熱調理器システム１Ｂは、アウターケーシング２８と、インナーケーシング２９と、ドレンパン３０と、熱源２２と、トッププレート２３と、フィルタ２４と、排気ファン２５と、脱臭装置２６と、を備える。加熱調理器システム１Ｂにおける調理具Ｘは、例えば網又はロストルである。なお、第二実施形態の加熱調理器システム１Ｂは、上記の通り食材を焼いて調理するための装置であるため、排気ファン２５による排気対象は主には煙である。

アウターケーシング２８は、矩形状の底板２８１と、底板２８１から立ち上がる四つの側板２８２と、を備える。底板２８１の周辺部（すなわち、底板２８１の中心から偏心した位置）には、排気口２８ａが設けられている。排気口２８ａは、底板２８１の周辺部の一カ所に、一つのみ設けられている。排気口２８ａは、排気流路２７を介して排気ファン２５と繋がっている。

インナーケーシング２９は、矩形状の底板２９１と、底板２９１から立ち上がる四つの側板２９２と、を備える。側板２９２の上部には、調理具Ｘを載置するための段差部２９３が設けられている。インナーケーシング２９は、アウターケーシング２８の底板２８１及び側板２８２によって囲まれる空間に配置される。インナーケーシング２９は、その側板２９２がアウターケーシング２８の側板２８２と離隔するように配置される。したがって、アウターケーシング２８内にインナーケーシング２９が配置されたとき、アウターケーシング２８の側板２８２とインナーケーシング２９の側板２９２との間には、隙間Ｓ３が存在する。

ドレンパン３０は、インナーケーシング２９内に配置されている。ドレンパン３０の中央には、熱源２２用の開口部が設けられている。加熱調理器システム１Ｂの使用時に、ドレンパン３０内には水が入れられる。

調理具Ｘは、インナーケーシング２９の段差部２９３上に載置される。調理具Ｘ上には食材が載置される。

熱源２２は、調理具Ｘの下方に配置される。熱源２２は、例えば電気ヒータ又はガスバーナであり、調理具Ｘの下方から、調理具Ｘ及び調理具Ｘ上に載置された食材を加熱する。

排気ファン２５を駆動すると、食材を焼いた際に発生した煙がトッププレート２３の吸引孔２３ａから吸引される。吸引された煙は、隙間Ｓ１及び隙間Ｓ３を通って排気口２８ａに流れ、排気口２８ａから排気流路２７に流れる。排気流路２７を流れる煙は、フィルタ２４によってろ過された後、脱臭装置２６によって脱臭され、筐体１２の下から排気される。

［Ｂ－２ 加熱調理器システムの特徴］
第二実施形態の加熱調理器システム１Ｂは、第一実施形態の加熱調理器システム１Ａと同じ特徴を有する。

＜Ｃ 第三実施形態＞
［Ｃ－１ 加熱調理器システムの構造］
図６及び図７を参照しつつ、第三実施形態の加熱調理器システム１Ｃについて説明する。図６は、加熱調理器システム１Ｃの斜視図である。図６では、加熱調理器システム１Ｃの内部を見やすくするために、一部の構成要素を省略している。図７は、加熱調理器システム１Ｃの断面図である。なお、以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同一の構造を有する構成要素又は同一の機能を有する構成要素については、上記実施形態と同一の符号を使用し、その説明を省略する。

加熱調理器システム１Ｃは、第一実施形態の加熱調理器システム１Ａの構成要素又は第二実施形態の加熱調理器システム１Ｂの構成要素に加え、邪魔板３１をさらに備える。なお、図６及び図７は、第一実施形態の加熱調理器システム１Ａに、邪魔板３１を追加した図である。

加熱調理器システム１Ａ又は加熱調理器システム１Ｂでは、排気ファン２５を作動させたときに、トッププレート２３の複数の吸引孔２３ａのうち、排気口２１ａ、２８ａ（排気ファン２５）に近い吸引孔２３ａから排気を吸い込む力は強く、逆に、排気口２１ａ、２８ａ（排気ファン２５）から遠い吸引孔２３ａから排気を吸い込む力は弱いという傾向がある。そのため、加熱調理器システム１Ａ、１Ｂにおいて、排気ファン２５を作動させたときに、排気口２１ａ、２８ａに近い吸引孔２３ａに働く吸引力は必要以上に強くなり、一方、排気口２１ａ、２８ａから遠い吸引孔２３ａに働く吸引力は不十分になる可能性がある。これにより、排気口２１ａ、２８ａから遠い吸引孔２３ａからは十分に蒸気又は煙が吸い込まれず、排気口２１ａ、２８ａから遠い側では蒸気又は煙が立ち上り、喫食者の喫食の妨げになるおそれがある。そこで、加熱調理器システム１Ｃでは、邪魔板３１を設けることにより、このような課題を解決することを目的としている。

図６及び図７に示すように、邪魔板３１は、排気口２１ａの直前に、排気口２１ａの一部を覆うように配置されている。邪魔板３１は、ボルト等の固定手段によってケーシング２１に固定される。一実施形態では、邪魔板３１は、排気口２１ａの中央を覆うように配置されている。

なお、加熱調理器システム１Ｂに邪魔板３１を追加する場合には、邪魔板３１は、排気口２８ａの直前に、排気口２８ａの一部を覆うように配置されている。邪魔板３１は、ボルト等の固定手段によってケーシング２８に固定される。一実施形態では、邪魔板３１は、排気口２８ａの中央を覆うように配置されている。

［Ｃ－２ 加熱調理器システムの特徴］
排気口２１ａ、２８ａの直前に邪魔板３１が配置されていることにより、邪魔板３１によって排気口２１ａ、２８ａに近い吸引孔２３ａに働く吸引力は抑制される。その結果、排気口２１ａ、２８ａから遠い吸引孔２３に働く吸引力が相対的に大きくなる。すなわち、吸引孔２３全体にわたって吸引力が均一に近づき、排気口２１ａ、２８ａに近い吸引孔２３からも排気口２１ａ、２８ａから遠い吸引孔２３からも均等に蒸気又は煙が吸い込まれる。これにより、排気口２１ａ、２８ａから遠い側で、蒸気又は煙が立ち上ることを防止できる。

＜Ｄ 第四実施形態＞
［Ｄ－１ 加熱調理器システムの構造］
図８を参照しつつ、第四実施形態の加熱調理器システム１Ｄについて説明する。図８は、加熱調理器システム１Ｄの断面図である。なお、以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同一の構造を有する構成要素又は同一の機能を有する構成要素については、上記実施形態と同一の符号を使用し、その説明を省略する。

加熱調理器システム１Ｄは、第一実施形態の加熱調理器システム１Ａの構成要素、第二実施形態の加熱調理器システム１Ｂの構成要素、又は第三実施形態の加熱調理器１Ｃの構成要素に加え、過昇温検知部３２と、防火ダンパ３３とをさらに備える。図８は、第三実施形態の加熱調理器システム１Ｃの構成要素に、過昇温検知部３２及び防火ダンパ３３を追加した図である。加熱調理器システム１Ｄの脱臭装置２６は、活性炭などの可燃性の脱臭材を含む。

加熱調理器システム１Ｄは、例えば熱源２２の故障によって熱源２２が異常高温になった場合に、高温の排気によって可燃性の脱臭材が燃焼することを防止することを目的とする。

防火ダンパ３３は、脱臭装置２６よりも上流に配置され、排気流路２７を開閉する。一実施形態では、防火ダンパ３３は、排気口２１ａの直前に配置され、熱源２２の異常時に排気口２１ａを閉鎖する。過昇温検知部３２は、加熱調理器２０内の温度が予め設定された温度以上になったときに、防火ダンパ３３を閉じるように防火ダンパ３３を作動させる。

一実施形態において、過昇温検知部３２は温度ヒューズである。加熱調理器２０内の温度が所定の温度以上になると過昇温検知部（温度ヒューズ）３２は溶断し、これにより防火ダンパ３３の駆動機構が作動して、防火ダンパ３３が排気口２１ａを閉鎖する。

［Ｄ－２ 加熱調理器システムの特徴］
加熱調理器２０内の温度が所定の温度以上になったときに、防火ダンパ３３が排気流路２７を閉鎖することにより、高温の排気が排気流路２７内に流れないようにすることができる。これにより、高温の排気が脱臭装置２６まで到達することを防止でき、可燃性の脱臭材の燃焼を防止できる。

＜Ｅ 脱臭方法＞
以下では、加熱調理器システム１Ａ～１Ｄを使用して、加熱調理器システム１Ａ～１Ｄが設置されている空間内の空気を脱臭する方法について説明する。

加熱調理器システム１Ａ～１Ｄは、排気ファン２５及び脱臭装置２６を備えているため、調理具Ｘ内又は調理具Ｘ上に食材が配置されていない状態で、排気ファン２５を作動させることにより、加熱調理器システム１Ａ～１Ｄが設置されている室内の空気を脱臭することができる。このような加熱調理器システム１Ａ～１Ｄの使用方法は、飲食店において、営業終了後に、店舗内を脱臭する方法として有用である。

脱臭を行う際には、熱源２２を作動させないことが好ましい。また、調理具Ｘを加熱調理器２０から取り外した状態で、脱臭を行うことが好ましい。

＜Ｆ 変形例＞
上記実施形態は、本発明の好ましい一実施形態を説明するものである。本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。本発明は、例えば、以下に示す変形例を採用することができる。

テーブル１０の天板１１の開口部は円形であってもよい。この場合、ケーシング２１の底板２１１及び側板２１２、アウターケーシング２８の底板２８１及び側板２８２、並びに、インナーケーシング２９の底板２９１及び側板２９２は円形であり、トッププレート２３は円環状であってもよい。

１Ａ～１Ｄ 加熱調理器システム
１０ テーブル
１１ 天板
１２ 筐体
２０ 加熱調理器
２１ ケーシング
２１ａ 排気口
２１１ 底板
２１２ 側板
２２ 熱源
２３ トッププレート
２３ａ 吸引孔
２３１ 上板
２３２ 側板
２４ フィルタ
２４１ 第一フィルタ
２４２ 第二フィルタ
２５ 排気ファン
２５１ 吸気口
２５２ 吐出口
２５３ モータ
２６ 脱臭装置
２７ 排気流路
２８ アウターケーシング
２８ａ 排気口
２８１ 底板
２８２ 側板
２９ インナーケーシング
３１ 邪魔板
３２ 過昇温検知部
３３ 防火ダンパ
Ｘ 調理具（鍋、網、ロストル）

Claims (14)

1. 天板及び前記天板の下方に配置された筐体を有するテーブルと、前記テーブル内に配置された加熱調理器と、を備える加熱調理器システムであって、
   前記加熱調理器は、
   底板及び側板を備え、前記底板は排気口を有し、前記側板及び前記底板によって囲まれる空間内に調理具が配置可能な、ケーシングと、
   前記調理具を加熱する熱源と、
   前記ケーシングの上方に配置され、前記排気口と連通する複数の吸引孔を有するトッププレートと、
   前記排気口と連通する排気流路と、
   前記排気流路内に配置されたフィルタと、
   前記フィルタの下流に配置された排気ファンと、
   前記排気ファンの下流に配置された脱臭装置と、
   を備える加熱調理器システム。
2. 前記調理具は、鍋である、
   請求項１に記載の加熱調理器システム。
3. 天板及び前記天板の下方に配置された筐体を有するテーブルと、前記テーブル内に配置された加熱調理器と、を備える加熱調理器システムであって、
   前記加熱調理器は、
   排気口を有する底板及び側板を備えるアウターケーシングと、
   前記アウターケーシング内に配置され、調理具が配置可能なインナーケーシングと、
   前記調理具を加熱する熱源と、
   前記アウターケーシング及び前記インナーケーシングの上方に配置され、前記排気口と連通する複数の吸引孔を有するトッププレートと、
   前記排気口と連通する排気流路と、
   前記排気流路内に配置されたフィルタと、
   前記フィルタの下流に配置された排気ファンと、
   前記排気ファンの下流に配置された脱臭装置と、
   を備える加熱調理器システム。
4. 前記調理具は、網又はロストルである、
   請求項３に記載の加熱調理器システム。
5. 前記トッププレートは、上板と、側板と、を備え、
   前記吸引孔は前記側板に設けられている、
   請求項１から４のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
6. 前記加熱調理器は、複数の前記フィルタを備え、
   前記複数のフィルタは、少なくとも油脂を除去する第一フィルタと、前記第一フィルタの下流に配置され、少なくとも前記第一フィルタによる除去対象の油脂よりも小さな油脂を除去する第二フィルタと、含む、
   請求項１から５のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
7. 前記排気ファンは、吸気口と、吐出口と、を備え、
   前記排気ファンは、前記吐出口が下向きになるように配置されている、
   請求項１から６のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
8. 前記排気ファンは、前記吐出口が前記脱臭装置の上方に位置するように配置されている、
   請求項７に記載の加熱調理器システム。
9. 前記排気ファンは、モータを備え、
   前記排気ファンは、前記モータのモータ軸が水平になるように配置されている、
   請求項１から８のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
10. 前記加熱調理器は、複数の前記脱臭装置を備え、
    前記複数の脱臭装置は、同一平面上に配置されている、
    請求項１から９のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
11. 前記排気口は、前記底板の中心から偏位した位置に１つのみ設けられており、
    前記加熱調理器は、前記排気口の直前に、前記排気口の一部を覆うように配置された邪魔板をさらに備える、
    請求項１から１０のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
12. 前記加熱調理器は、過昇温検知部と、前記脱臭装置よりも上流に配置され、前記排気流路を開閉する防火ダンパと、をさらに備え、
    前記加熱調理器内の温度が所定の温度を超えたときに、前記過昇温検知部は前記防火ダンパを閉鎖させる、
    請求項１から１１のいずれか１項に記載の加熱調理器システム。
13. 前記過昇温検知部は、温度ヒューズである、
    請求項１２に記載の加熱調理器システム。
14. 請求項１から１３のいずれか１項に記載の加熱調理器システムを空運転させることにより、前記加熱調理器システムが配置されている空間を脱臭する方法。

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