JP2022059252A - 電磁波シールド - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で、意匠性及びシールド性に優れる電磁波シールドを提供する。【解決手段】電磁波シールドにおいて、金属又は合金、ガラス、樹脂などからなる基材上の表面にベースコート剤を塗布又は基材表面をベースコート剤に浸漬することによって形成されるベースコート層と、塩化パラジウム、塩化スズ、塩酸及び水を混合して得られる処理液を塗布することによって得られた前処理層と、硝酸銀アンモニア溶液と還元性有機化合物を含む溶液とを前処理層の表面上で混合されるように塗布して銀を析出させて形成する銀鏡反応層と、アクリルシリコン系塗料等を用いて形成されるトップコートとを含む。【選択図】なし
Description
本発明は電磁波シールドに関する。
電子機器から放射される電磁波による、電子機器の誤動作や人体への悪影響が懸念されている。そこで、電子機器から放射される電磁波の影響を軽減するために、電磁波シールドが用いられている。電磁波シールドとしては、軽量で、意匠性及びシールド性に優れるものが求められている。
特開2006-016530号公報には、電磁的相互干渉(EMI)の問題を解決するための、銅粉を含む導電性塗料が記載されている。しかしながら、このような導電性塗料では、意匠性及びシールド性に優れる電磁波シールドを提供することはできない。
特開2006-016530号公報には、電磁的相互干渉(EMI)の問題を解決するための、銅粉を含む導電性塗料が記載されている。しかしながら、このような導電性塗料では、意匠性及びシールド性に優れる電磁波シールドを提供することはできない。
本発明は、軽量で、意匠性及びシールド性に優れる電磁波シールドを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、銀鏡反応層を含む層構成とすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]基材上に、
ベースコート層と、
前処理層と、
銀鏡反応層と、
トップコート層と、
を含む電磁波シールド。
[2]前処理層が、Sn2+を含む前処理層である、[1]に記載の電磁波シールド。
[1]基材上に、
ベースコート層と、
前処理層と、
銀鏡反応層と、
トップコート層と、
を含む電磁波シールド。
[2]前処理層が、Sn2+を含む前処理層である、[1]に記載の電磁波シールド。
本発明により、軽量で、意匠性及びシールド性に優れる電磁波シールドを提供することができる。本発明により、電磁波シールド効果とともに金属光沢意匠を付与することが可能となり、自動車内外装部品や電子機器等に広く用いることが可能である。
本発明の電磁波シールドは、基材上に、ベースコート層と、前処理層と、銀鏡反応層と、トップコート層とを含む。
本発明で用いられる基材としては、金属又は合金、ガラス、樹脂などが用いられる。金属又は合金としては、鉄、アルミ、ステンレススチール、銅、真鍮などが挙げられるがこれらに限定されない。樹脂としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂などのアクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、及びこれらの混合樹脂などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明で用いられる基材としては、金属又は合金、ガラス、樹脂などが用いられる。金属又は合金としては、鉄、アルミ、ステンレススチール、銅、真鍮などが挙げられるがこれらに限定されない。樹脂としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂などのアクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、PP(ポリプロピレン)樹脂、及びこれらの混合樹脂などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明で用いられるベースコート層は、基材表面にベースコート剤を塗布し、又は基材表面をベースコート剤に浸漬することによって形成される。必要に応じて、基材表面を脱脂して基材表面の付着物を除去してもよい。
ベースコート剤としては、アクリルシリコン系樹脂とシランカップリング剤の混合物を主成分とする、2液硬化型アクリルシリコン系塗料(例えば、株式会社オリジン製オリジツーク#100)、あるいは主剤をエポキシ樹脂、硬化剤をアミン化合物とするエポキシ系塗料(例えば、株式会社オリジン製の「オリジンプライマーE-03」)などが好適に使用される。
ベースコート剤としては、アクリルシリコン系樹脂とシランカップリング剤の混合物を主成分とする、2液硬化型アクリルシリコン系塗料(例えば、株式会社オリジン製オリジツーク#100)、あるいは主剤をエポキシ樹脂、硬化剤をアミン化合物とするエポキシ系塗料(例えば、株式会社オリジン製の「オリジンプライマーE-03」)などが好適に使用される。
本発明で用いられる前処理層は、例えば塩化スズ(II)及び塩酸を含む処理液(水溶液)を塗布することによって形成される。これにより、表面にSn2+を付与することができ、さらに表面を親水化することができる。前記処理液には、例えばブドウ糖(D-グルコース)、グリセリンなどの多価アルコールを、Sn2+の酸化を抑制するために添加してもよい。多価アルコールは、好ましくは、少なくとも溶液中の塩酸と等モル量添加する。多価アルコールとしては、ブドウ糖(D-グルコース)及びグリセリン以外に、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、エチレングリコール、エリトリトール、D-エリトルロース、D-エリトロース、D-トレオース、D-アラビノース、β-D-アラビノース、β-L-アラビノース、D-キシルロース、L-キシルロース、D-キシロース、α-D-キシロース、2-デオキシ-D-リボース、2-デオキシ-β-D-リボース、D-リキソース、α-D-リキソース、α-L-リキソース、D-リブロース、D-リボース、D-アラビロール、リビトール、D-アルトロース、β-D-アルトロース、D-アロース、β-D-アロース、D-イドース、D-ガラクトース、α-D-ガラクトース、β-D-ガラクトース、α-L-ガラクトース、D-キノボース、α-D-キノボース、α-D-グルコース、β-D-グルコース、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンなどが挙げられる。表面にSn2+を付与した後に、塩化パラジウム(II)溶液(水溶液)を塗布することで、表面に、銀鏡反応層の銀の初期核形成を促す触媒としてのPd2+を付与することができ、これはさらにSn2+により還元されてPdを付与する。塩化パラジウム(II)溶液(水溶液)としては、塩化パラジウム(II)及び塩酸を含む水溶液が挙げられる。
また、前処理層は、例えば塩化パラジウム(II)、塩化スズ(II)、塩酸及び水を混合して得られる処理液を塗布することによって得られる。得られた前処理層は、さらに希硫酸や塩酸を用いて過剰のスズが溶出される。
また、前処理層は、例えば塩化パラジウム(II)溶液(水溶液)を塗布することによって形成される。塩化パラジウム(II)溶液(水溶液)としては、塩化パラジウム(II)及び塩酸を含む水溶液が挙げられる。表面に付与されたPd2+は、さらにリン酸水素ナトリウム水溶液で処理することによって還元されてPdを付与する。
また、前処理層は、例えば塩化パラジウム(II)、塩化スズ(II)、塩酸及び水を混合して得られる処理液を塗布することによって得られる。得られた前処理層は、さらに希硫酸や塩酸を用いて過剰のスズが溶出される。
また、前処理層は、例えば塩化パラジウム(II)溶液(水溶液)を塗布することによって形成される。塩化パラジウム(II)溶液(水溶液)としては、塩化パラジウム(II)及び塩酸を含む水溶液が挙げられる。表面に付与されたPd2+は、さらにリン酸水素ナトリウム水溶液で処理することによって還元されてPdを付与する。
本発明で用いられる銀鏡反応層は、硝酸銀アンモニア溶液と還元性有機化合物を含む溶液とを前処理層の表面上で混合されるように塗布して銀を析出させて形成することができる。還元剤溶液としては、グリオキサールなどのアルデヒド基を有する有機化合物、ヒドラジンヒドラート、亜硫酸ナトリウム又はチオ硫酸ナトリウムなどの水溶液などが挙げられる。
本発明で用いられるトップコート層としては、アクリル系樹脂を主成分としたアクリル樹脂塗料、アクリルポリオールとポリイソシアネートの混合物を主成分とするアクリルウレタン系塗料やアクリルシリコン系樹脂とシランカップリング剤の混合物を主成分とするアクリルシリコン系塗料等を用いて形成されるトップコート層などが挙げられるが、その中でもアクリルシリコン系塗料がより好適に用いられる。例えば、トップコート層として、アクリルシリコン系2液型塗料(例えば、株式会社オリジン製オリジツーク#100)を使用することができる。
アクリル系樹脂とは、重合開始剤を用いてアクリル系単量体を重合して得られる重合体である。アクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルコキシアルキルエステル;アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルケニルエステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシエチルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルケニルオキシアルキルエステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのアクリル系単量体とともに、他のビニル系単量体を併用してもよい。他のビニル系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-クロルスチレンなどのビニル芳香族化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのオレフィン系化合物;酢酸ビニル、アリルアルコール、マレイン酸などが挙げられる。
重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。
重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。
アクリルポリオールは、1分子中に2個以上の水酸基を有するアクリル樹脂であり、例えば、水酸基含有アクリル単量体の重合体である。水酸基含有アクリル単量体は、例えば、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、4‐ヒドロキシブチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、4‐ヒドロキシブチルメタクリレートなどの水酸基を有する単量体、2‐ヒドロキシエチルメタクリレートへのγ‐ブチロラクトンの開環付加物、2‐ヒドロキシエチルアクリレートへのε‐カプロラクトンの開環付加物である。水酸基含有アクリル単量体は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アクリルポリオールは、水酸基含有アクリル単量体と前述のアクリル系単量体との共重合体を用いることもできる。
また、アクリルポリオールは、水酸基含有アクリル単量体と前述のアクリル系単量体との共重合体を用いることもできる。
ポリイソシアネートは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、2,4‐トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン‐4,4’‐ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、n‐ペンタン‐1,4‐ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートである。ポリイソシアネートは、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アクリルシリコン系樹脂は、塩基性窒素を有するアクリル樹脂と一分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を合わせ有する化合物との反応物である。塩基性窒素を有するアクリル樹脂は、例えば、アミノ基含有ビニル単量体と、この単量体と共重合可能な単量体とを共重合して得られる。
アミノ基含有ビニル単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;N‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N‐ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N‐ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N‐ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN‐ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;t‐ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t‐ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートである。
アミノ基含有ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体は、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類、酸無水基含有ビニル単量体、カルボン酸アミド基含有ビニル単量体、スルホンアミド基含有ビニル単量体、(パー)フルオロアルキル基含有ビニル単量体、芳香族ビニルモノマーである。(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチルである。カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸である。不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類としては、例えば、ジメチルマレート、ジメチルフマレートである。酸無水基含有ビニル単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸である。カルボン酸アミド基含有ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N‐アルコキシ(メタ)アクリルアミドである。スルホンアミド基含有ビニル単量体としては、例えば、p‐スチレンスルホンアミドである。(パー)フルオロアルキル基含有ビニル単量体としては、例えば、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α‐メチルスチレンである。
アミノ基含有ビニル単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;N‐ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N‐ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N‐ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N‐ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN‐ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類;t‐ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t‐ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートである。
アミノ基含有ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体は、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、カルボキシル基含有ビニル単量体、不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類、酸無水基含有ビニル単量体、カルボン酸アミド基含有ビニル単量体、スルホンアミド基含有ビニル単量体、(パー)フルオロアルキル基含有ビニル単量体、芳香族ビニルモノマーである。(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチルである。カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸である。不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類としては、例えば、ジメチルマレート、ジメチルフマレートである。酸無水基含有ビニル単量体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸である。カルボン酸アミド基含有ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N‐アルコキシ(メタ)アクリルアミドである。スルホンアミド基含有ビニル単量体としては、例えば、p‐スチレンスルホンアミドである。(パー)フルオロアルキル基含有ビニル単量体としては、例えば、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α‐メチルスチレンである。
一分子中にエポキシ基及び加水分解性シリル基を合わせ有する化合物としては、例えば、エポキシ基及び加水分解性シリル基を有するビニル共重合体、エポキシ基を有するシランカップリング剤が代表的である。エポキシ基及び加水分解性シリル基を有するビニル共重合体は、例えば、エポキシ基を有するビニル単量体と、加水分解性シリル基を有するビニル単量体と、更に必要に応じてアミノ基含有ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体に記載したような各種単量体とを共重合して得られる。エポキシ基を有するビニル単量体としては、例えば、(β‐メチル)グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルである。加水分解性シリル基を有するビニル単量体としては、例えば、γ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランである。エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランである。これらは、任意の1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
アクリルシリコン系樹脂の質量平均分子量は、好ましくは25,000~70,000である。アクリル系樹脂の質量平均分子量が12,000未満では、得られる塗膜の強度、耐水性が低下するおそれがある。アクリル系樹脂の質量平均分子量が85,000を超えると、塗料の粘度が高くなり、塗装作業性が低下するおそれがある。ここで、質量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるスチレン換算の値である。
アクリルシリコン系樹脂とともにアクリルシリコン系塗料の主成分となるシランカップリング剤としては、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン塩酸塩、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。中でも、銀鏡膜への塗膜の付着性を向上させる効果が高いことから、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。シランカップリング剤は、アクリル系樹脂との架橋反応を可能とするとともに、銀鏡反応層及び後述の上塗り塗膜との付着性を向上させる。
トップコート層を形成するために用いられる塗料等で用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、トルエン、キシレン、ナフサなどの炭化水素系溶剤などが挙げられ、一般的に用いられている溶剤であれば使用できる。
(実施例1)
ポリカーボネート樹脂製の基材上に、シリコンアクリル系2液型クリヤ塗料(株式会社オリジン製の「オリジツーク#100」)をシランカップリング剤(株式会社オリジン製「ポリハードG」)、希釈溶剤(株式会社オリジン製(プラネットシンナー#D722NO.4))を重量比40:10:20で混合の上スプレー塗布して80℃で60分間乾燥してベースコート層を形成した。形成されたベースコート層の膜厚は20μmであった。
次いで、ベースコート層の表面に、5重量%の塩化スズ(II)及び3重量%の塩酸を含有する塩化スズ(II)水溶液をスプレー塗布して前処理層を形成し、3μS/m以下のイオン交換水を用いてスプレー洗浄した。
次いで、硝酸銀アンモニア溶液(A液:1~3重量%の硝酸銀を含む0.2重量%アンモニア水)と還元性有機化合物溶液(B液:1.0重量%のグリオキザール、0.5重量%のグルコース及び0.1重量%のスクロースを含む水溶液)とを双頭スプレーガンを用いて前処理層の表面に同時にスプレー塗布して、1μm以下の均一な厚さの銀鏡反応層を形成した。その後、イオン交換水を用いて銀鏡反応層の表面をスプレー洗浄し、エアブローで水切りし、70℃で10分間乾燥した。
銀鏡反応層上に、アクリルシリコン系2液型塗料(株式会社オリジン製の「オリジツーク#100」)をシランカップリング剤(株式会社オリジン製「ポリハードG」)、希釈溶剤(株式会社オリジン製(プラネットシンナー#D722NO.4))を重量比40:10:20で混合の上スプレー塗布して80℃で30分間乾燥してトップコート層を形成して電磁波シールドを得た。なお、形成されたトップコート層の膜厚は20μmであった。
ポリカーボネート樹脂製の基材上に、シリコンアクリル系2液型クリヤ塗料(株式会社オリジン製の「オリジツーク#100」)をシランカップリング剤(株式会社オリジン製「ポリハードG」)、希釈溶剤(株式会社オリジン製(プラネットシンナー#D722NO.4))を重量比40:10:20で混合の上スプレー塗布して80℃で60分間乾燥してベースコート層を形成した。形成されたベースコート層の膜厚は20μmであった。
次いで、ベースコート層の表面に、5重量%の塩化スズ(II)及び3重量%の塩酸を含有する塩化スズ(II)水溶液をスプレー塗布して前処理層を形成し、3μS/m以下のイオン交換水を用いてスプレー洗浄した。
次いで、硝酸銀アンモニア溶液(A液:1~3重量%の硝酸銀を含む0.2重量%アンモニア水)と還元性有機化合物溶液(B液:1.0重量%のグリオキザール、0.5重量%のグルコース及び0.1重量%のスクロースを含む水溶液)とを双頭スプレーガンを用いて前処理層の表面に同時にスプレー塗布して、1μm以下の均一な厚さの銀鏡反応層を形成した。その後、イオン交換水を用いて銀鏡反応層の表面をスプレー洗浄し、エアブローで水切りし、70℃で10分間乾燥した。
銀鏡反応層上に、アクリルシリコン系2液型塗料(株式会社オリジン製の「オリジツーク#100」)をシランカップリング剤(株式会社オリジン製「ポリハードG」)、希釈溶剤(株式会社オリジン製(プラネットシンナー#D722NO.4))を重量比40:10:20で混合の上スプレー塗布して80℃で30分間乾燥してトップコート層を形成して電磁波シールドを得た。なお、形成されたトップコート層の膜厚は20μmであった。
(比較例1)
ポリカーボネート樹脂製の基材上に、プラネットシンナー#174No.2を用いて希釈比100:40で希釈した1液型導電塗料(株式会社オリジン製の「オリジキャストD201」)をスプレー塗布して60℃で30分間乾燥して導電層を形成して、銅を含む電磁波シールドを得た。
ポリカーボネート樹脂製の基材上に、プラネットシンナー#174No.2を用いて希釈比100:40で希釈した1液型導電塗料(株式会社オリジン製の「オリジキャストD201」)をスプレー塗布して60℃で30分間乾燥して導電層を形成して、銅を含む電磁波シールドを得た。
(電磁波シールドのシールド特性評価)
電磁波シールドのシールド特性評価は、KEC法を用いて評価した。具体的には、信号発生器から出力した信号を、アッテネーターを通して送信側の治具に入力した。受信側では、治具に到達した信号をプリアンプで増幅させてからスペクトラムアナライザにより信号レベルを測定した。実施例1及び比較例1で得られた電磁波シールドについての結果を図1及び図2に示す。
電磁波シールドのシールド特性評価は、KEC法を用いて評価した。具体的には、信号発生器から出力した信号を、アッテネーターを通して送信側の治具に入力した。受信側では、治具に到達した信号をプリアンプで増幅させてからスペクトラムアナライザにより信号レベルを測定した。実施例1及び比較例1で得られた電磁波シールドについての結果を図1及び図2に示す。
Claims (2)
- 基材上に、
ベースコート層と、
前処理層と、
銀鏡反応層と、
トップコート層と、
を含む電磁波シールド。 - 前処理層が、Sn2+を含む前処理層である、請求項1に記載の電磁波シールド。
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JP2003293146A (ja) * | 2002-04-02 | 2003-10-15 | Toyoda Gosei Co Ltd | めっき製品の製造方法 |
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JP2021038414A (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-11 | 三菱製紙株式会社 | 銀めっき塗装体の製造方法 |
-
2020
- 2020-10-01 JP JP2020166871A patent/JP2022059252A/ja active Pending
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