JPH09221595A - 金属表面処理組成物及びこの組成物による処理被膜を形成した亜鉛系メッキ鋼板 - Google Patents

金属表面処理組成物及びこの組成物による処理被膜を形成した亜鉛系メッキ鋼板

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JPH09221595A
JPH09221595A JP2751696A JP2751696A JPH09221595A JP H09221595 A JPH09221595 A JP H09221595A JP 2751696 A JP2751696 A JP 2751696A JP 2751696 A JP2751696 A JP 2751696A JP H09221595 A JPH09221595 A JP H09221595A
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water
compound
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JP2751696A
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Kazuo Yoshii
和雄 吉井
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性、耐食性に優れた、クロム化合物を使
用しない無公害表面処理組成物を得る。 【解決手段】 (A)分子内にカルボジイミド結合(−
N=C=N−)を有する化合物100重量部に対して、
(B)シリカ粒子を固形分量で10〜100重量部及び
(C)被膜形成性樹脂エマルションを固形分量で10〜
100重量部〔(B)、(C)成分のかわりにシリカ粒
子(B)と被膜形成性樹脂エマルション(C)とを水中
にてアルコキシシラン化合物の存在下で反応させてなる
有機複合シリケート(D)を、(D)中のシリカ粒子
(B)成分と(B)との和及び被膜形成性樹脂エマルシ
ョン(C)成分と(C)との和が上記の範囲となる条件
で少なくとも一部用いてもよい〕を含有することを特徴
とする水分散型金属表面処理組成物、及びこの組成物の
被膜を形成した表面処理亜鉛系メッキ鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明はノンクロム系で耐食
性、上塗塗装性の優れた皮膜形成組成物及びこの組成物
を塗布した、特に家電、建材、自動車部品等の分野で利
用される表面処理金属板に関する。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術及び解決すべき課題】従来、金属表面の耐
食性を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理
が一般に行われている。しかしながら近年クロムの毒性
が社会問題になっている。クロム酸塩を使用する表面処
理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの飛散の問
題、排水処理設備に多大な費用を要すること、さらには
化成処理皮膜からクロム酸の溶出による問題などがあ
る。また6価クロム化合物は、IARC(Internationa
l Agency for Research on Cancer Review)を初めとし
て多くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指定して
おり、極めて有害な物質である。
【0005】
【0003】またリン酸塩処理では、リン酸亜鉛系、リ
ン酸鉄系の表面処理が通常、行われているが、耐食性を
付与する目的でリン酸塩処理後、通常クロム酸によるリ
ンス処理を行うためクロム処理の問題とともにリン酸塩
処理剤中の反応促進剤、金属イオンなどの排水処理、被
処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理の
問題がある。
【0006】
【0004】クロム酸塩及びリン酸塩処理以外の表面処
理として、例えば冷延板鋼板や亜鉛メッキ鋼板に、亜硝
酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、イミダゾール、芳香族
カルボン酸、界面活性剤等を単独もしくはこれらを組合
わせて使用して処理することが行われているが。いずれ
も冷水中や大気中での防錆効果はあるものの高温多湿度
の雰囲気に暴露された場合の防錆力が劣り、特に亜鉛メ
ッキ鋼板に処理した場合にはその効果が劣っている。
【0007】
【0005】従来、防錆剤としてピラゾール化合物が知
られている(特公昭43−11531号、特公昭44−
25446号公報参照)。さらにこれに気化性防錆剤、
例えばシクロヘキシルアンモニウムナイトライトやジイ
ソプロピルアンモニウムナイトライトなどの有機亜硝酸
塩を添加した水溶性防錆剤が知られている(特公昭44
−33132号公報参照)。さらにピラゾール化合物と
スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバチン酸、
ブラシリン酸等の1種又は2種以上の脂肪族ジカルボン
酸との混合物の水溶液をアンモニア水、アミンでpH7〜
8に調整後、これに水溶性樹脂及び界面活性剤を加えて
使用することも知られている(特公昭61−44592
号公報参照)。
【0008】これらの公知の防錆剤は高温多湿度の雰囲
気に暴露された場合の防錆力は優れているが、塩水中又
はJIS Z−2371に規定の塩水噴霧等の腐食環境
で暴露された場合の防錆力が劣る。
【0009】
【0006】本発明者は、従来の技術の欠点を解消し
た、クロム化合物を使用しない無公害表面処理組成物を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、分子内にカルボジイ
ミド結合(−N=C=N−)を有する水分散型樹脂又は
オリゴマーとシリカ粒子と被膜形成性樹脂エマルション
を含有する塗液を金属板に塗布して乾燥した皮膜が、従
来の無水クロム酸と硫酸又は硝酸とフッ化物とからなる
表面処理剤をスプレー処理又はデッピング処理して得ら
れるクロメート皮膜(クロミッククロメート)と同等の
耐食性と上塗塗装性を示すことを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】
【0007】
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、1.
(A)分子内にカルボジイミド結合(−N=C=N−)
を有する化合物100重量部に対して、(B)シリカ粒
子を固形分量で10〜100重量部及び(C)被膜形成
性樹脂エマルションを固形分量で10〜100重量部を
含有することを特徴とする水分散型金属表面処理組成物
を提供するものである。
【0012】
【0008】また本発明は、2.(A)分子内にカルボ
ジイミド結合(−N=C=N−)を有する化合物100
重量部に対して、シリカ粒子(B)と被膜形成性樹脂エ
マルション(C)とを水中にアルコキシシラン化合物の
存在下で反応させてなる有機複合シリケート(D)20
〜200重量部(有機複合シリケート(D)中のシリカ
粒子成分が固形分量で10〜100重量部、被膜形成性
樹脂エマルション成分が固形分量で10〜100重量部
となる量)を含有することを特徴とする水分散型金属表
面処理組成物を提供するものである。
【0013】
【0009】さらに本発明は、3.(A)分子内にカル
ボジイミド結合(−N=C=N−)を有する化合物10
0重量部に対して、シリカ粒子(B)及び/又は被膜形
成性樹脂エマルション(C)、ならびにシリカ粒子
(B)と被膜形成性樹脂エマルション(C)とを水中に
てアルコキシシラン化合物の存在下で反応させてなる有
機複合シリケート(D)を、シリカ粒子(B)と有機複
合シリケート(D)中のシリカ粒子成分との合計量が固
形分量で10〜100重量部となり、被膜形成性樹脂エ
マルション(C)と該有機複合シリケート(D)中の被
膜形成性樹脂エマルション成分との合計量が固形分量で
10〜100重量部となる量にて含有することを特徴と
する水分散型金属表面処理組成物を提供するものであ
る。
【0014】
【0010】また本発明は、4.上記項1〜3のいずれ
か一項に記載の組成物を乾燥皮膜重量で0.5〜5.0
g/m2となるように亜鉛系メッキ鋼板上に塗布して被膜を
形成してなる耐食性の優れた表面処理亜鉛系メッキ鋼板
を提供するものである。
【0015】
【0011】さらに本発明は、5.上記項4記載の金属
表面処理皮膜を形成してなる金属板の処理被膜上に、さ
らに上層被膜を形成してなる複層表面処理亜鉛系メッキ
鋼板を提供するものである。
【0016】
【0012】
【0017】
【発明の実施の形態】本発明組成物における、分子内に
カルボジイミド結合を有する化合物(A)は、分子内に
カルボジイミド結合を有する化合物であればよく、低分
子量のものから高分子量のものまで特に制限なく使用す
ることができる。
【0018】
【0013】カルボジイミド結合は、例えば下記の3種
の方法などによって導入することができる。
【0019】(1)酸化水銀(II)を触媒としてチオ尿
素の脱硫反応 (2)尿素の脱水反応 (3)イソシアネートの脱炭酸縮合反応
【0020】
【0014】工業的にはオリゴマー化など高分子量化し
たカルボジイミド化合物は、一般的にジイソシアネート
化合物の脱炭酸縮合反応によって得られる。上記ジイソ
シアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの脂
肪族ジイソシアネート化合物;2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−
メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−
ジメトキシ−4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジ
イソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフ
ェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシ
アネートが使用される。
【0021】
【0015】上記ジイソシアネート化合物の脱炭酸縮合
反応は、通常、テトラクロロエチレン、トリクロロエチ
レン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等に代表
される沸点が80℃以上のハロゲン系溶剤又はテトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン等の沸点
が80℃以上の脂環式エーテル溶剤中にて、必要に応じ
て触媒の存在下にて100〜150℃の温度で3〜10
0時間反応させて得ることができる。ジイソシアネート
化合物の濃度は、得られるカルボジイミド化合物溶液の
貯蔵安定性及び未反応のジイソシアネート化合物量の減
少の点から15重量%以下とすることが好ましい。
【0022】
【0016】上記脱炭酸縮合反応の触媒として、例えば
3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキ
シド、3−メチル−2−フェニル−2−ホスホレン−1
−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン
−1−オキシド等が使用される。
【0023】
【0017】上記のようにして得られるオリゴマー化な
ど高分子量化して得られるカルボジイミド化合物はカル
ボジイミド結合を有するとともに直鎖状の分子の両末端
にイソシアネート基を有する。このイソシアネート基は
活性水素を有する化合物との反応性が高いため、イソシ
アネート基をブロック剤でブロックしたり、活性水素を
有する化合物と反応させたものを使用することが得られ
る水分散型金属表面処理組成物の安定性の点から好まし
い。本発明組成物は水分散型であるので、カルボジイミ
ド化合物の水分散性を良くするため、ポリエチレングリ
コール、片末端をモノアルキル(例えばモノメチル)エ
ーテル化ポリエチレングリコールなどの親水性セグメン
トを有する活性水素含有化合物;エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの低分
子量ポリオール化合物;コハク酸、グルタル酸、フマル
酸、マレイン酸などの低分子量ポリカルボン酸化合物な
どの少なくとも1種の化合物をカルボジイミド化合物の
両末端のイソシアネート基と反応させて、両末端に親水
性セグメント、水酸基、カルボキシル基などの親水性基
を導入することが好ましい。
【0024】
【0018】本発明組成物における化合物(A)として
は、特に下記式〔1〕で表される化合物であることが好
適である。
【0025】
【0019】
【0026】
【化2】
【0027】
【0020】(式中、R′は炭素原子数2〜4のヒドロ
キシアルキル基、Rは炭素原子数4〜15の2価の有機
基を表し、nは2〜8の整数を表す。) 上記式〔1〕で表される化合物は、例えば前記イソシア
ネート化合物を脱炭酸縮合反応によってオリゴマー化
し、ついでこのオリゴマーの両末端のイソシアネート基
に低分子量ポリオールを反応させることによって得るこ
とができる。
【0028】
【0021】上記式〔1〕中のR′としては、ヒドロキ
シエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル
基を挙げることができ、Rで表される炭素原子数4〜1
5の2価の有機基としては、上記オリゴマー化するジイ
ソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基を
表し、2価の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香−脂肪族、
脂環−脂肪族などの、酸素原子又は硫黄原子などの異種
原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。
【0029】
【0022】本発明組成物における化合物(A)は、分
子中にカルボジイミド基を有しているため、カルボン酸
類、アミン類、アルコール類、チオール類、アミノ樹脂
などの活性水素を有する化合物(「G−H」と表す)と
下記式に示すように反応する。
【0030】
【0023】
【0031】
【化3】
【0032】
【0024】活性水素を2価以上有する化合物を使用す
ることによって化合物(A)を架橋させることができ
る。
【0033】
【0025】本発明組成物におけるシリカ粒子(B)は
本発明組成物から得られる被膜の密着性、耐食性及び被
膜表面の非粘着性の向上に寄与するものである。シリカ
粒子(B)の粒径は5〜100nm、好ましくは10〜5
0nmの範囲が適している。シリカ粒子(B)としては水
分散性のコロイダルシリカが好適であるが、これ以外に
気相法シリカ、粉砕シリカも使用することができる。水
分散型のコロイダルシリカの市販品としては、例えば、
スノーテックスN、スノーテックスC、スノーテックス
O(いずれも日産化学(株)製)等が挙げられ、その他
のシリカ粒子の市販品としては、例えば、 AEROSIL(ア
エロジル)200V、同R−811(日本アエロジル社
製)等が挙げられる。
【0034】
【0026】本発明組成物における(C)成分に用いら
れる被膜形成性樹脂エマルションとしては、被膜形成能
を有するエマルションであれば使用することができる
が、代表的にはアクリル樹脂エマルション、ポリウレタ
ン樹脂エマルションを挙げることができる。
【0035】
【0027】上記アクリル樹脂エマルションとしては、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの少なくと
も1種を含有するビニル系モノマー混合物を、乳化重
合、懸濁重合又は溶液重合し、必要に応じて、中和、水
性化した樹脂または該樹脂を変性した樹脂であり、代表
例として下記のものを挙げることができる。
【0036】(1)乳化剤又は高分子量樹脂分散安定剤
の存在下で、水中にてビニル系モノマー混合物を乳化重
合したエマルション。
【0037】(2)有機溶剤中にて、カルボキシル基含
有モノマー又はアミノ基含有モノマーを含有するビニル
系モノマー混合物を溶液重合し、塩基又は酸である中和
剤にて中和し、水性化したもの。
【0038】
【0028】上記アクリル系樹脂エマルションは、常温
架橋性を有していてもよく、例えばアクリル系樹脂エマ
ルション中にカルボニル基を持たせ、ポリヒドラジド化
合物を加えて架橋させる方法(USP3,345,33
6号公報、特開昭63−179910号公報参照)など
を利用することができる。
【0039】
【0029】上記アクリル系樹脂エマルション作成のた
めに使用されるビニルモノマー混合物のモノマー成分と
しては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸ブチル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18(1〜24)の
アルキルエステル又はシクロアルキルエステル:アクリ
ル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、ア
クリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチ
ル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシ
ブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜1
8のアルコキシアルキルエステル:アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー:2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−又は3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−又は3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2 〜C
8 ヒドロキシアルキルエステル:N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メ
タ)アクリレート:アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド
等の重合性アミド類:グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽
和モノマー:酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、アクリロニ
トリル等を挙げることができる。
【0040】
【0030】前記(C)成分として使用することができ
るポリウレタン樹脂エマルションとしては、ポリエステ
ルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオール
とジイソシアネートからなるポリウレタンを、必要に応
じてジオール、ジアミン等のような2個以上の活性水素
をもつ低分子量化合物である鎖伸長剤の存在下で鎖伸長
し、水中に安定に分散もしくは溶解させたものであり、
公知のものを広く使用できる(例えば特公昭42−24
192号公報、特公昭42−24194号公報、特公昭
42−5118号公報、特公昭49−986号公報、特
公昭49−33104号公報、特公昭50−15027
号公報、特公昭53−29175号公報参照)。ポリウ
レタン樹脂を水中に安定に分散もしくは溶解させる方法
としては、例えば下記の方法が利用できる。
【0041】
【0031】(1)ポリウレタンポリマーの側鎖又は末
端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のイオン性基
を導入することにより親水性を付与し自己乳化により水
中に分散又は溶解する方法。
【0042】(2)反応の完結したポリウレタンポリマ
ー又は末端イソシアネート基をオキシム、アルコール、
フェノール、メルカブタン、アミン、重亜硫酸ソーダ等
のブロック剤でブロックしたポリウレタンポリマーを乳
化剤と機械的せん断力を用いて強制的に水中に分散する
方法。さらに末端イソシアネート基を持つウレタンポリ
マーを水/乳化剤/鎖伸長剤と混合し機械的せん断力を
用いて分散化と高分子量化を同時に行う方法。
【0043】(3)ポリウレタン主原料のポリオールと
してポリエチレングリコールのごとき水溶性ポリオール
を使用し水に可溶なポリウレタンとし水中に分散又は溶
解する方法。
【0044】
【0032】上記ポリウレタン樹脂エマルションは、前
述の分散又は溶解方法については単一方法に限定される
ものでなく各々の方法によって得られた混合物も使用で
きる。
【0045】
【0033】上記ポリウレタン樹脂エマルションの合成
に使用できるジイソシアネートとしては、芳香族、脂環
族及び脂肪族のジイソシアネートが挙げられ、具体的に
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレン
ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−
ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソ
シアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3
−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、1,4
−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、4,
4′−ジイソシアナトシクロヘキサノン、4,4′−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホ
ロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフ
タレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,
4′−ビフェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのう
ち2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
【0046】
【0034】本発明組成物における(D)成分は、上記
シリカ粒子(B)及び被膜形成性樹脂エマルション
(C)のかわりに使用することができるものであり、上
記シリカ粒子(B)とエマルション(C)とを水中にて
アルコキシシラン化合物の存在下で反応させてなる有機
複合シリケートである。
【0047】
【0035】上記アルコキシシラン化合物としては、ジ
ビニルジメトキシシラン、ジビニルジ−β−メトキシエ
トキシシラン、ジ(γ−グリシドキシプロピル)ジメト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−プロピルメチ
ルジメトキシシラン、などのジアルコキシシラン;ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシランな
どを挙げることができる。これらのうち特にトリアルコ
キシシランを好適に使用することができる。
【0048】
【0036】アルコキシシラン化合物は、シリカ粒子
(B)とエマルション(C)との複合化反応における触
媒として機能するとともに、両者の架橋剤として重要な
役割を果たすものである。アルコキシシラン化合物は、
シリカ粒子(B)とエマルション(C)との固形分の合
計100重量部に対して、通常、0.5〜10重量部の
配合割合で使用される。
【0049】
【0037】有機複合シリケートを製造するには、例え
ば、シリカ粒子(B)とエマルション(C)との水性分
散液にアルコキシシラン化合物を撹拌、混合する。この
混合液を常温下で熟成することによって得ることができ
るが、この混合液を50℃以上、沸点以下の温度、好ま
しくは50〜90℃の温度で、0.5〜5時間程度加熱
することによって好適に行うことができる。
【0050】
【0038】本発明組成物としては、下記のものを挙げ
ることができる。
【0051】(1)……(A)、(B)、(C)成分及
び水を必須とするもの (2)……(A)、(D)成分及び水を必須とするもの (3)……(A)、(B)、(D)成分及び水を必須と
するもの (4)……(A)、(C)、(D)成分及び水を必須と
するもの (5)……(A)、(B)、(C)、(D)成分及び水
を必須とするもの
【0052】
【0039】本発明組成物は、上記(1)の場合におい
て、(A)成分100重量部に対して(B)及び(C)
成分の配合割合は、下記の範囲にあることが必要であ
る。
【0053】(B)成分……10〜100重量部、好ま
しくは14〜70重量部、 (C)成分……10〜100重量部、好ましくは14〜
70重量部。
【0054】
【0040】(B)成分であるシリカ粒子の上記配合割
合が10重量部未満となると、得られる被膜の粘着性の
低下効果、耐食性が十分でなくなり、一方、100重量
部を超えると得られる被膜の破断伸び率が低下し素地に
対する密着性、耐食性が十分でなくなる。また成分
(C)である樹脂エマルションの配合割合が10重量部
未満となると、得られる被膜の粘着性の低下効果が十分
でなくなり、一方、100重量部を超えると得られる被
膜の耐食性が十分でなくなる。
【0055】
【0041】本発明組成物は、上記(2)の場合におい
て、(A)成分100重量部に対して、(D)成分の配
合割合は、20〜200重量部、好ましくは28〜14
0重量部であり、かつ(A)成分100重量部に対し
て、(D)成分中の(B)成分配合量が10〜100重
量部、好ましくは14〜70重量部の範囲にあること、
及び(D)成分中の(C)成分配合量が10〜100重
量部、好ましくは14〜70重量部の範囲にあることが
必要である。(D)成分中の(B)成分及び(C)成分
配合量が上記範囲外となると上記(1)の場合におい
て、それぞれの成分が範囲外となった場合と同様の問題
を生じる。
【0056】
【0042】本発明組成物は、前記(3)、(4)、
(5)の場合においては、(A)成分100重量部に対
して、(D)成分中の(B)成分配合量と(B)成分と
の合計量が10〜100重量部、好ましくは14〜70
重量部の範囲にあることが必要である。この合計量が上
記範囲から外れる場合には、上記(1)の場合の(B)
成分の量が範囲外となった場合と同様の問題を生じる。
また(A)成分100重量部に対して、(D)成分中の
(C)成分配合量と(C)成分との合計量が10〜10
0重量部、好ましくは14〜70重量部の範囲にあるこ
とが必要である。この合計量が上記範囲から外れる場合
には、上記(1)の場合の(C)成分の量が範囲外とな
った場合と同様の問題を生じる。
【0057】
【0043】本発明組成物は、上記(1)〜(5)のそ
れぞれの場合において、必要に応じて、チタンキレート
などのキレート化剤;モリブデン酸アンモニウム、メタ
バナジン酸アンモニウムなどの酸素酸塩;リン酸塩、フ
ィチン酸塩などの防錆剤;メラミン樹脂、尿素樹脂など
のアミノ樹脂、ブロック化したポリイソシアネート化合
物などの架橋剤;アミン化合物などの中和剤;反応促進
剤、増粘剤、消泡剤、有機溶剤などを適宜含有すること
ができる。
【0058】本発明組成物は、金属板に塗布することが
でき、特に亜鉛系メッキ鋼板に塗布して被膜形成するこ
とによって耐食性及び上塗塗装性の優れた表面処理亜鉛
系メッキ鋼板を得ることができる。
【0059】
【0044】上記亜鉛系メッキ鋼板としては、溶融亜鉛
メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ
鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウム−
亜鉛合金メッキ鋼板(例えば「ガルバリウム」、「ガル
ファン」という商品名のメッキ鋼板)など、及びこれら
の亜鉛系メッキ鋼板にリン酸亜鉛処理、クロメート処理
などの化成処理を施してなる化成処理亜鉛系メッキ鋼板
などを挙げることができる。
【0060】
【0045】亜鉛系メッキ鋼板上への本発明組成物の塗
布量は、乾燥被膜重量で0.5〜5g/m2、好ましくは
0.7〜1.5g/m2の範囲内であることが適当である。
乾燥被膜重量が0.5g/m2未満では耐食性が十分でな
く、一方、5g/m2を超えて塗装しても、それに見合った
性能のさらなる向上が見られなくなる。
【0061】
【0046】本発明組成物を亜鉛メッキ系鋼板に塗布し
皮膜形成する場合、本組成物を水などの希釈例で粘度を
塗布量に応じて、例えば5〜20センチポイズ(CPS)の
範囲に適宜調整後、ロールコータ塗装、スプレー塗装、
ディッピング塗装、ハケ塗り塗装等の公知の方法により
所定の皮膜重量となるように塗装した後、通常、雰囲気
温度100〜330℃で10〜100秒間乾燥させれば
よい。このときの鋼板の最高到達温度(PMT、Peak M
etal Temperature)は80〜150℃の範囲であること
が望ましい。
【0062】
【0047】上記のようにして被膜形成した亜鉛系メッ
キ鋼板の被膜上へ、さらに上層被膜を形成することがで
きる。この上層被膜形成性組成物は、目的に応じて適宜
選定すればよく種々の被膜形成性組成物を使用すること
ができる。この被膜形成性組成物としては、例えば、従
来公知の防錆鋼板用途、耐指紋鋼板用途、潤滑鋼板用
途、着色塗膜形成用途などに用いられる被膜形成性組成
物を挙げることができる。
【0063】
【0048】
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、以下の記載において、「部」及び
「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」及び
「重量%」を示す。
【0065】
【0049】被膜形成性樹脂エマルション(C−1)の
製造 合成例1 1,2−ポリブタジエン(分子量3,000、日本曹達
社製)をマレイン化してなる酸価約100のマレイン化
ポリブタジエンにブチルセロソルブを添加して固形分7
5%に調整した樹脂溶液13部に対して、アンモニア水
を加え中和(1.0当量)後さらに60部の脱イオン水
を加えて均一に溶解させた。この溶液にスチレン11
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3部、2−エ
チルヘキシルアクリレート9部、2−エチルヘキシルメ
タクリレート2部を加え撹拌し、反応開始剤として5%
過硫酸アンモニウム水溶液1部を加えた後80〜85℃
で2時間反応させて固形分35%のアクリル系エマルシ
ョン(C−1)を得た。
【0066】
【0050】有機複合シリケートの製造 合成例2 上記合成例1で得たアクリル系エマルション(C−1)
228.6部に水126部、さらにスノーテックスC
(日産化学社製、商品名、粒子径10〜20nm、固形分
20%のコロイダルシリカ水分散液)100部を加え、
ついで撹拌しながらγ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシランを2.4部滴下混合後%であった。
【0067】
【0051】塗布用組成物の製造 実施例1 固形分量 カルボジイミド化合物溶液a(注1) 150部 60部 スノーテックスC 100部 20部 合成例1で得たアクリルエマルション 57部 20部 脱イオン水 693部 − 合計 1,000部 100部 上記組成配合にて均一に混合して固形分約10%の塗布
用組成物を得た。
【0068】
【0052】(注1)カルボジイミド化合物溶液a:日
清紡社製、商品名「カルボジライトV−06」、前記式
〔1〕において、R′が2−ヒドロキシエチル基、Rが
トリレン基、nが3〜5の、分子内にカルボジイミド結
合を有する化合物の混合物(カルボジイミド当量約25
7)の溶液、固形分40%。
【0069】
【0053】実施例2〜18及び比較例1〜10 実施例1において、組成配合を後記表1に示すとおりと
する以外、実施例1と同様に行い、脱イオン水の量を調
整して固形分10%の各塗布用組成物を得た。表1にお
ける組成配合量は固形分量による表示とした。
【0070】
【0054】表1中における(注)はそれぞれ下記の意
味を有する。
【0071】(注2)カルボジイミド化合物溶液b:日
清紡社製、商品名「カルボジライトV−02、前記式
〔1〕においてR′が2−ヒドロキシエチル基、Rがメ
タンビス(シクロヘキシル)基、nが3〜5の、分子内
にカルボジイミド結合を有する化合物の混合物(カルボ
ジイミド当量約597)の溶液、固形分40%。
【0072】
【0055】(注3)カルボジイミド化合物溶液c:日
清紡社製、商品名「カルボジライトV−04」、前記式
〔1〕においてR′が2−ヒドロキシエチル基、Rがメ
タンビス(フェニル)基、nが3〜5の、分子内にカル
ボジイミド結合を有する化合物の混合物(カルボジイミ
ド当量約338)の溶液、固形分40%。
【0073】
【0056】(注4)尿素樹脂d:メチル−エーテル化
尿素−ホルムアルデヒド縮合物、商品名「ベッカミン
N」、固形分70%、大日本インキ化学工業社(株)製
造。
【0074】
【0057】(注5)メラミン樹脂e:メチルエーテル
化メラミン樹脂、商品名「スミマールM−30W」、固
形分75%、住友化学工業(株)製造。
【0075】
【0058】(注6)ポリウレタンエマルション
(f):ポリエーテルポリエステル系無黄変型ポリウレ
タンエマルション、商品名「スーパーフレックス#15
0」、Tg点55℃、固形分30%、第一工業製薬
(株)製造。
【0076】
【0059】塗装工程 上記実施例及び比較例で得た塗布用組成物を用いて、亜
鉛メッキ鋼板上に処理皮膜の形成を行い、必要に応じて
処理被膜上に上層皮膜の形成を行った。
【0077】
【0060】亜鉛メッキ鋼板の種類 ・電気亜鉛メッキ鋼板(以下、「EG」と略記する) 板厚 0.6mm メッキ付着量 20g/m2 ・溶融亜鉛メッキ鋼板(以下、「HDG」と略記する) 板厚 0.6mm メッキ付着量 120g/m2 ・電気亜鉛−ニッケルメッキ鋼板(以下、「Ni−Z
n」と略記する) 板厚 0.6mm メッキ付着量 20g/m2 ニッケル含有量 12%
【0078】
【0061】脱脂 日本シービーケミカル社製造のアルカリ脱脂剤CC−5
61B(珪酸ソーダ−3号相当品)を濃度2%の水分散
液とし、液温65℃で60秒間スプレーして亜鉛メッキ
鋼板表面を脱脂後、スプレーにて湯洗を20秒間行っ
た。
【0079】
【0062】塗布用組成物の塗装 脱脂した亜鉛メッキ鋼板表面に上記実施例及び比較例で
得た塗布用組成物を後記表1に示す条件で塗装し、雰囲
気温度290℃で10秒間(鋼板の最高到達温度95
℃)乾燥して処理皮膜を形成した。
【0080】
【0063】上層皮膜の形成 上記処理皮膜を形成した亜鉛メッキ鋼板上に、必要に応
じて下記A〜Eのいずれかの方法にて上層皮膜の形成を
行った。
【0081】A.上記処理皮膜を形成した亜鉛メッキ鋼
板上に合成例2で得た有機複合シリケート水分散液を塗
布し、雰囲気温度290℃で15秒間(鋼板の最高到達
温度110℃)乾燥して上層皮膜を形成する。
【0082】B.上記処理皮膜を形成した亜鉛メッキ鋼
板上にアミラック#1000ホワイト(関西ペイント
(株)製、熱硬化型アルキド樹脂塗料、白色)を乾燥膜
厚が30μm となるように塗装し130℃で20分間焼
付けた。
【0083】C.上記処理皮膜を形成した亜鉛メッキ鋼
板上にマジクロン#1000ホワイト(関西ペイント
(株)製、熱硬化型アクリル樹脂塗料、白色)を乾燥膜
厚が30μm となるように塗装し150℃で20分間焼
付けた。
【0084】D.上記処理皮膜を形成した亜鉛メッキ鋼
板上に合成例2で得た有機複合シリケート水分散液を塗
布し、雰囲気温度290℃で15秒間(鋼板の最高到達
温度110℃)乾燥して第1の上層皮膜を形成し、さら
にこの上にアミラック#1000ホワイトを乾燥膜厚が
30μm となるように塗装し130℃で20分間焼付け
て第2の上層皮膜を形成した。
【0085】E.上記処理皮膜を形成した亜鉛メッキ鋼
板上に合成例2で得た有機複合シリケート水分散液を塗
布し、雰囲気温度290℃で15秒間(鋼板の最高到達
温度110℃)乾燥して第1の上層皮膜を形成し、さら
にこの上にマジクロン#1000ホワイトを乾燥膜厚が
30μm となるように塗装し150℃で20分間焼付け
て第2の上層皮膜を形成した。
【0086】
【0064】比較例11〜14においては、処理皮膜の
形成を行わず、亜鉛メッキ鋼板としてEGを使用し、E
Gを脱脂後、クロミッククロメート(反応型クロメー
ト)処理を行い、Cr元素量が30mg/m2 となるように
クロメート皮膜を形成し、ついで、必要に応じて上層被
膜を前記上層被膜の形成方法A、B、Cの方法に準じて
形成した。
【0087】
【0065】実施例1〜18及び比較例1〜14で得た
塗装板について、下記の試験方法に準じて性能試験を行
った。
【0088】
【0066】試験方法 耐食性 :端面部及び裏面部をシールした試験板に素地に
達するクロスカットを入れ、塩水噴霧試験(JIS Z
−2371)を360時間まで行い、一般部及びクロス
カット部を評価した。
【0089】一般部の評価基準 ◎:白錆の発生なし ○:白錆の発生5%。
【0090】△:白錆の発生5〜10% ×:白錆の発生10%以上 ××:全面白錆の発生 クロスカット部の評価基準 ◎:錆又はフクレの最大幅がカット部より1mm未満(片
側)。
【0091】○:錆又はフクレの最大幅がカット部より
1mm以上2mm未満(片側)。 △:錆又はフクレの最大幅がカット部より2mm以上5mm
未満(片側)でかつ平面部にブリスターがかなり目立
つ。
【0092】×:錆又はフクレの最大幅がカット部より
5mm以上かつ塗面全面にブリスターの発生が見られる。
【0093】
【0067】上層被膜の付着性:得られた塗装板に、ナ
イフにて素地に達するキズを入れて1mm角の碁盤目を1
00個作成し、この碁盤目部分にセロハン粘着テープを
密着させ瞬時にテープを剥がした際の上層被膜の剥離程
度を評価した。
【0094】評価基準 ◎:碁盤目セロテープ試験で上層被膜の剥離が認められ
ない。
【0095】○:碁盤目セロテープ試験で上層被膜の剥
離が1〜2個認められる。
【0096】△:碁盤目セロテープ試験で上層被膜の剥
離が3〜10個認められる。
【0097】×:碁盤目セロテープ試験で上層被膜の剥
離が10個以上認められる。
【0098】
【0068】
【0099】
【表1】
【0100】
【0069】
【0101】
【表2】
【0102】
【0070】
【0103】
【表3】
【0104】
【0071】
【0105】
【発明の効果】本発明組成物から得られる被膜は、亜鉛
系メッキ鋼板への密着性に優れており、6価クロム化合
物を含有しなくても耐食性に優れている。したがって、
労働環境、衛生上、有害な6価クロム化合物を含有しな
いノンクロム表面処理剤として十分対応できるものであ
る。
【0106】本発明組成物から得られる被膜を形成した
亜鉛系メッキ鋼板の被膜上へ、種々の目的に応じて被膜
形成性組成物を塗装し被膜形成することにより耐食性、
密着性に優れ、上記目的に応じた複層表面処理亜鉛系メ
ッキ鋼板を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内にカルボジイミド結合(−
    N=C=N−)を有する化合物100重量部に対して、
    (B)シリカ粒子を固形分量で10〜100重量部及び
    (C)被膜形成性樹脂エマルションを固形分量で10〜
    100重量部を含有することを特徴とする水分散型金属
    表面処理組成物。
  2. 【請求項2】 (A)分子内にカルボジイミド結合(−
    N=C=N−)を有する化合物100重量部に対して、
    シリカ粒子(B)と被膜形成性樹脂エマルション(C)
    とを水中にアルコキシシラン化合物の存在下で反応させ
    てなる有機複合シリケート(D)20〜200重量部
    (有機複合シリケート(D)中のシリカ粒子成分が固形
    分量で10〜100重量部、被膜形成性樹脂エマルショ
    ン成分が固形分量で10〜100重量部となる量)を含
    有することを特徴とする水分散型金属表面処理組成物。
  3. 【請求項3】 (A)分子内にカルボジイミド結合(−
    N=C=N−)を有する化合物100重量部に対して、
    シリカ粒子(B)及び/又は被膜形成性樹脂エマルショ
    ン(C)、ならびにシリカ粒子(B)と被膜形成性樹脂
    エマルション(C)とを水中にてアルコキシシラン化合
    物の存在下で反応させてなる有機複合シリケート(D)
    を、シリカ粒子(B)と有機複合シリケート(D)中の
    シリカ粒子成分との合計量が固形分量で10〜100重
    量部となり、被膜形成性樹脂エマルション(C)と該有
    機複合シリケート(D)中の被膜形成性樹脂エマルショ
    ン成分との合計量が固形分量で10〜100重量部とな
    る量にて含有することを特徴とする水分散型金属表面処
    理組成物。
  4. 【請求項4】 化合物(A)が、下記式〔1〕で表され
    る化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の組
    成物。 【化1】 (式中、R′は炭素原子数2〜4のヒドロキシアルキル
    基、Rは炭素原子数4〜15の2価の有機基を表し、n
    は2〜8の整数を表す。)
  5. 【請求項5】 水分散型金属表面処理組成物が、さらに
    (E)架橋用樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか一
    項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組
    成物を乾燥皮膜重量で0.5〜5.0g/m2となるように
    亜鉛系メッキ鋼板上に塗布して被膜を形成してなる耐食
    性の優れた表面処理亜鉛系メッキ鋼板。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の金属表面処理皮膜を形成
    してなる金属板の処理被膜上に、さらに上層皮膜を形成
    してなる複層表面処理亜鉛系メッキ鋼板。
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