JP2022055118A - フィルタ用不織布及びフィルタ用濾材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、高圧化でも圧縮しにくいフィルタ用不織布を実現し、ライフ時間の長いフィルタ用濾材を提供することにある。【解決手段】非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維を含有してなる湿式不織布であり、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であるフィルタ用不織布、及び該フィルタ用不織布を含有してなるフィルタ用濾材。【選択図】なし
Description
本発明は、フィルタ用不織布及び液体中に含有される粒子を効率良く除去し、清浄な液体を得るための液体フィルタ用濾材、空気中の粉塵を捕集するエアフィルタ用濾材等のフィルタ用濾材に関するものである。
液体フィルタ用濾材の構造には大きく分けて2つある。一つは「内部濾過タイプ」であり、これは濾材の内部で固体粒子を捕捉する構造の濾材である。もう一つは「表面濾過タイプ」であり、これは濾材の表面で固体粒子を捕捉する構造の濾材である(例えば、特許文献1参照)。また、これら濾材にプリーツ加工を施して濾材の表面積を増大させてから所定の形状に成形して液体フィルタを作製し、他の部品と組み合わせて濾過機にセットして使用するものである。
従来、放電加工機やIC生産工程で使用されている液体フィルタ用濾材や自動車用エンジンオイル、燃料等各種液体用の液体フィルタ用濾材には、天然パルプと有機繊維の混抄シートにフェノール樹脂等を含浸処理したシート、ポリエステル不織布(スパンボンド)等が使用されているが、濾過効率が低く、寿命が短い等の欠点があった。また、高性能の濾材としてフッ素樹脂等の多孔質シートがあるが、高価なため特殊用途に限定され、多量の液体を処理する濾材としては不適当であった。
これらの問題を解決する濾材の一つとして、1μm以下にフィブリル化された有機繊維5~40質量%と、繊維径1~5μmの極細有機繊維5~60質量%及び繊維径5μm以上の有機繊維20~70質量%からなり、且つ該繊維径5μm以上の有機繊維の一部または全部が繊維状有機バインダーであり、濾過密度が0.25~0.8g/m3の表面濾過タイプの液体濾過用の濾材を提案し、上記問題を解決した(特許文献2参照)。この濾材は、フィブリル化された有機繊維が固体粒子の捕集効率を発現し、その他の有機繊維の含有量を限定することで、圧力損失を抑え、多量の液体を効率良く短時間に処理することができるようにしている。
上記濾材は、厚みが非常に薄く、堅くないために、ひだ折り加工ができない問題があったことから、強度や腰(堅さ)を向上させるために、薄くて表面濾過性能に優れた上記濾材層と、液体の透過性が良く、高強度で、ひだ折り加工性のよい支持体層を抄き合わせ、一体化した液体濾過用フィルタ濾材を考案するに至り、現在でも有用に産業界で活用されている(特許文献3参照)。
近年、放電加工機の加工速度の高速化、加工屑の微細化、更には濾材の使用限度差圧の上昇に伴い、濾材に掛かる圧力は益々高まり、ライフ時間が短くなる傾向にある。ライフ時間の向上のため、フィルタユニットに多くの濾材を折り込むことができる低坪量でも高い強度を示す濾材を実現させるため、非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の繊維長が7~12mmであり、熱溶融性のバインダー繊維の繊維長が1~12mmであるフィルタ用不織布及び、このフィルタ用不織布を粗層とし、密層と積層して一体化されてなるフィルタ用が開示されている(特許文献4参照)。
上記に加え、ライフ時間が短くなる原因の一つとして、運転圧力により濾材が潰れ、濾過水の通り道の一つである濾材内の空隙が失われ、濾過に要する圧力が増大し、使用限度差圧を超えてしまうことがある。更なるライフ時間の向上を目的として、運転圧力による濾材の圧縮が小さい濾材が求められている。
本発明の課題は、高圧化でも圧縮しにくいフィルタ用不織布を実現し、ライフ時間の長いフィルタ用濾材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維を含有してなる湿式不織布であり、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、
繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、
繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、
繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、
繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であることを特徴とするフィルタ用不織布、
(2)上記(1)に記載のフィルタ用不織布を含有してなるフィルタ用濾材、
(3)上記(1)に記載のフィルタ用不織布を粗層とし、密層と積層して一体化されてなるフィルタ用濾材、
を見出した。
(1)非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維を含有してなる湿式不織布であり、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、
繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、
繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、
繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、
繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であることを特徴とするフィルタ用不織布、
(2)上記(1)に記載のフィルタ用不織布を含有してなるフィルタ用濾材、
(3)上記(1)に記載のフィルタ用不織布を粗層とし、密層と積層して一体化されてなるフィルタ用濾材、
を見出した。
非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維からなる湿式不織布の強度を向上させる手段として、それぞれの繊維長を長くし、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維とバインダー繊維の接着点を増やす方法が挙げられる。しかしながら、繊維長が長すぎると、水分散性が低下するため、抄造条件によっては地合が不均一となり、かえって強度を落とすこととなる。本発明のフィルタ用不織布では、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であることによって、各繊維長の繊維がバランスよく含まれるため、バインダー繊維同士間の空隙や延伸ポリエチレンテレフタレート繊維とバインダー繊維の接着点が増加し、かつ、繊維長0.20mm以下の繊維(以下、「繊維長0.20mm以下の繊維」を「短繊維」と略記する場合がある)が空隙を細分化することによって、地合が均一となり、圧縮しにくいフィルタ用不織布が得られる。
圧縮しにくい本発明のフィルタ用不織布を含有してなる、本発明のフィルタ用濾材は、高圧下でも圧縮し難く好ましい。また、本発明のフィルタ用濾材を粗層とし、密層と積層して一体化されてなる、本発明のフィルタ用濾材(3)においては、高圧化でも圧縮し難く、更に、濾過性能が向上し好ましい。
以下、本発明のフィルタ用不織布及びフィルタ用濾材について詳説する。本発明のフィルタ用不織布は、非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維を含有してなる湿式不織布であり、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であることを特徴とする。以下、「ポリエチレンテレフタレート繊維」を「PET繊維」と略記する場合がある。
本発明において、「非溶融性」とは、フィルタ用不織布の製造工程において加えられる熱(乾燥工程、熱カレンダー処理等)によってほとんど溶融せずに、形状を維持するという性質を意味し、「熱溶融性」とは、不織布製造時の乾燥工程の加熱により融解し、元の繊維の形態を失うという性質を意味する。
図1は、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及び熱溶融性のバインダー繊維のスラリーの繊維長をOpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)で測定した繊維長分布図である。延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及び熱溶融性のバインダー繊維中において、長さ加重比率は以下のとおりであった。
繊維長0.20mm以下の繊維:5.1質量%
繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維:3.3質量%
繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維:5.4質量%
繊維長4.0mm以上の繊維:86.2質量%
繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維:3.3質量%
繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維:5.4質量%
繊維長4.0mm以上の繊維:86.2質量%
図2は、繊維長0.20mm以下の繊維を含む熱溶融性のバインダー繊維をマイクロスコープにて倍率200倍で撮影した写真である。
延伸PET繊維の繊度は0.3dtex~4.0dtexであることが好ましく、0.6~3.0dtexがより好ましい。繊度が0.3dtex未満の場合、十分な剛直性が得られず、プリーツ加工適性を損なうおそれがある。一方、繊度が4.0dtexより大きい場合、剛直性が高すぎてプリーツ加工適性を損なうおそれや、地合不良となるおそれがある。
延伸PET繊維の含有率は、フィルタ用不織布に対して10~80質量%であることが好ましく、15~70質量%であることがより好ましく、20~60質量%であることが更に好ましい。延伸PET繊維の含有率が10質量%未満では、濾過抵抗が高くなり、実用上問題が発生するおそれがあり、一方、80質量%を超えると、バインダー繊維の含有率が相対的に低くなり、強度が不十分となるおそれがある。
本発明のフィルタ用不織布におけるバインダー繊維とは、フィルタ用不織布製造時の加熱処理(例えば、乾燥処理、熱カレンダー処理等)によって、熱溶融する性質を持つ繊維である。バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維などの複合繊維が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、フィルタ用不織布の空間を保持したまま、強度を向上させることができる。例えば、ポリプロピレン繊維、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)と酢酸ビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ等が挙げられるが、不織布の強度を高めるという点から、特に、芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維を使用することが好ましい。また、ポリエチレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、熱水可溶性ポリビニルアルコール系繊維のような熱水可溶性バインダー繊維は、加熱工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。
バインダー繊維の繊維長は1~12mmが好ましく、3~10mmがより好ましい。繊維長が1mm未満のバインダー繊維は、抄造工程でウェブより脱落しやすくなり、延伸PET繊維との接着点が減少し、強度が低下する。また、繊維長が12mmを超えると、水分散性が損なわれ、地合が不均一となり、フィルタ用不織布の強度が低下する。
バインダー繊維の繊維径は3~20μmであることが好ましく、5~18μmであることがより好ましい。繊維径が3μm未満では、繊維間の接着が不十分となりやすく、強度が低下するおそれがある。一方、繊維径が20μmを超えると、地合を損ねるおそれがある。
バインダー繊維の含有率は、フィルタ用不織布に対して20~90質量%であることが好ましく、30~85質量%であることがより好ましく、40~80質量%であることが更に好ましい。バインダー繊維が20質量%未満では、繊維間の接着が不十分となりやすく、強度が不十分となるおそれがある。90質量%を超えると濾過抵抗が高くなり、実用上問題が発生するおそれがある。
本発明のフィルタ用不織布は、必要に応じて、延伸PET繊維以外の非バインダー繊維を加えても良い。具体的には、合成繊維としては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系などの繊維が挙げられる。天然繊維としては、皮膜の少ない麻パルプ、コットンリンター、リント;再生繊維としては、リヨセル繊維、レーヨン、キュプラ;半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス;無機繊維としては、アルミナ繊維、アルミナ・シリカ繊維、ロックウール、ガラス繊維、マイクロガラス繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナウィスカ、ホウ酸アルミウィスカなどの繊維が挙げられる。上記の繊維の他に、植物繊維として、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を使用することもできる。また、上記の繊維は、通液性、通気性を阻害しない範囲であれば、フィブリル化されていてもなんら差し支えない。更に古紙、損紙などから得られるパルプ繊維等も使用することができる。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有できる。
本発明のフィルタ用不織布の坪量は特に限定しないが、30~70g/m2であることが好ましく、40~60g/m2がより好ましい。30g/m2未満では十分な剛直性が得られず、プリーツ加工適性を損なうおそれがある。一方、70g/m2を超えると、剛直になりすぎてプリーツ加工適性を損なうおそれがある。
本発明のフィルタ用濾材は、本発明のフィルタ用不織布を含有してなる。本発明のフィルタ用不織布をそのままフィルタ用濾材として使用することもできるが、本発明のフィルタ用不織布を粗層とし、粗層よりも密度の大きい密層と積層して一体化されてなるフィルタ用濾材を優位に用いることができる。密層としては、繊維径20μm以下のポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ビニロン系、再生繊維系の非バインダー繊維の少なくとも1種類を含むことが好ましい。また、5~50g/m2の坪量からなることが好ましい。更に、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ビニロン系等のバインダー繊維の少なくとも1種類を5~60質量%含有することが好ましく、表面強度が高い密層が得られる。また、この密層は、湿式抄紙機で製造することができるが、用途に応じて、ポリエステル、ポリアミド系、ポリオレフィン系、セルロース系等の素材からなる静電紡糸法、スパンボンド、メルトブロー、ニードルパンチ、スパンレース等の方法で製造されたシートを用いることができる。
なお、本発明で言う「繊維径」とは、繊維の断面が楕円形や多角形等の場合は、断面積が等しい真円の径に換算した値の繊維径を示すものとする。
粗層と密層を積層して一体化して得られた本発明のフィルタ用濾材は、圧力によって濾材が破れるのを防止し、濾過性能に優れ、放電加工機用、エンジンオイル用、燃料用、油水分離用、油圧機器用等の液体フィルタ用濾材として好適に使用できる。この場合、密層を上流側として使用することにより、表層濾過機構を発現させることができる。また、使用する条件または狙いとする効果によっては、粗層を上流として、内部濾過機構を発現させることもできる。
本発明のフィルタ用濾材は、液晶、バイオ、医薬、食品工業のクリーンルームやクリーンベンチ等用のエアフィルタ、空調用エアフィルタ、空気清浄機用エアフィルタ、ガスタービンや蒸気タービンの吸気側に使用される空気または気体中の粒子捕集に適した産業用エアフィルタ等にも好適に用いることができる。
短繊維の繊維長は、0.20mm以下であり、好ましくは0.05~0.20mmであり、より好ましくは0.10~0.20mmである。短繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する短繊維も、裏抜け防止、表面平滑性のために含有できる。短繊維は、不織布内部で延伸PET繊維やバインダー繊維に接した状態で存在し、支持体の空隙をコントロールする。バインダー繊維同士間の空隙や延伸PET繊維とバインダー繊維の接点に存在することで、空隙を細分化することで、フィルタ用不織布の均一性が良好となる。
短繊維は、湿式抄造法において、例えば、パルパー等の水に分散する装置で回転する撹拌羽と容器のクリアランスによって切れた非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維である。また、繊維製造工程において短く切れた非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維である。
本発明のフィルタ用不織布において、短繊維の長さ加重比率は、0.5~10質量%であり、0.5~8質量%がより好ましい。0.5質量%未満の場合、フィルタ用不織布の均一性が損なわれ、圧縮強さが向上する効果が得られない場合がある。一方、10質量%を超えた場合、フィルタ用不織布から短繊維が脱離して、フィルタ用不織布の均一性が低下する場合がある。本発明における短繊維の長さ加重比率は、繊維分散スラリーの繊維長を、測定範囲0.07~20mm、カットオフ値0.20mmの条件で、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)によって測定して得られた「ファイン比(長さ加重平均値)」であり、スラリーに含まれる繊維に対する短繊維の比率である。
本発明のフィルタ用不織布において、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率は2~10質量%であり、3~9質量%がより好ましい。2質量%未満の場合、フィルタ用不織布の均一性が損なわれ、圧縮強さが向上する効果が得られない場合がある。一方、10質量%を超えた場合、繊維間の接点が減少し、強度が低下する場合がある。本発明における繊維長0.20mm超、2.0mm未満の合成繊維の長さ加重比率は、繊維分散スラリーの繊維長を、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)によって測定して得られた各繊維長の検出頻度より算出しており、スラリーに含まれる繊維に対する繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の比率(長さ加重平均値)である。
本発明のフィルタ用不織布において、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の合成繊維の長さ加重比率は3~20質量%であり、4~18質量%がより好ましい。3質量%未満の場合、フィルタ用不織布の均一性が損なわれ、圧縮強さが向上する効果が得られない場合がある。一方、20質量%を超えた場合、各繊維長のバランスが崩れ、強度が低下する場合がある。本発明における繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率は、繊維分散スラリーの繊維長を、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)によって測定して得られた各繊維長の検出頻度より算出しており、スラリーに含まれる繊維に対す繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の比率(長さ加重平均値)である。
本発明のフィルタ用不織布において、繊維長4.0mm以上の合成繊維の長さ加重比率は75~94.5質量%であり、80~94.5質量%がより好ましい。75質量%未満の場合、繊維間の接点が減少し、引張強度の低下や、圧縮強さが向上する効果が得られない場合がある。一方、94.5質量%を超えた場合、短繊維による空隙の細分化が不十分で地合が不均一となり、圧縮強さが低下する場合がある。本発明における繊維長4.0mm以上の合成繊維の長さ加重比率は、繊維分散スラリーの繊維長を、OpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)によって測定して得られた各繊維長の検出頻度より算出しており、スラリーに含まれる繊維に対する繊維長4.0mm以上の繊維の比率(長さ加重平均値)である。
本発明のフィルタ用濾材において、密層の密度は0.1~0.8g/cm3であることが好ましい。密度が0.1g/cm3未満の場合、密層中に粒子が詰まりやすくなり、ライフ時間が短くなる場合がある。逆に、0.8g/cm3を超えると、濾過抵抗が高くなりすぎる場合がある。粗層の密度は、0.05~0.6g/cm3であることが好ましい。粗層の密度が0.05g/cm3未満であると、フィルタ用濾材の強度が不十分になる場合や、プリーツ加工適性が損なわれる場合がある。逆に、0.6g/cm3を超えると、濾過抵抗が高くなりすぎる場合がある。また、フィルタ用濾材全体の密度は0.1~0.6g/cm3であることが好ましい。フィルタ用濾材全体の密度が0.1g/cm3未満では、ピンホール等により信頼性の点で問題がある。
また、本発明のフィルタ用濾材は、熱可塑性樹脂を含有させると、剛直性が向上し好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、合成ゴム系、ウレタン系、ポリエステル系、塩化ビニリデン系、ポリビニルアルコール系、澱粉、フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独または2種類以上で使用できる。
熱可塑性樹脂は、フィルタ用濾材に対して、0.01~10質量%であることが好ましい。10質量%を超えると、フィルタ用濾材の圧力損失が大きくなりすぎる場合がある。また、0.01質量%未満では、熱可塑性樹脂を含有しないフィルタ用濾材と比較して、剛直性が変わらない場合がある。
熱可塑性樹脂をフィルタ用濾材へ含有させる状態は、密層のみ、密層及び粗層の両方、粗層のみのいずれの状態であっても良い。しかし、密層に熱可塑性樹脂を含有させると、密層の空間をふさいでしまい、固体粒子の捕捉能が小さくなり、圧力損失が大きくなることから、粗層のみに含有させることが好ましい。
熱可塑性樹脂をフィルタ用濾材に含有させる方法としては、特に限定はしないが、サイズプレス方式、タブサイズプレス方式、スプレー方式、内添方式、グラビア塗工方式などの方法が挙げられる。粗層のみに含有させるためには、スプレー方式、グラビア塗工方式を用いることが好ましい。
本発明のフィルタ用濾材には、必要に応じて濾材の特性を阻害しない範囲で、架橋剤、撥水剤、分散剤、歩留り向上剤、紙力剤、染料などの添加剤を適宜配合させることができる。
本発明のフィルタ用不織布及びフィルタ用濾材は、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網が単独で設置されている抄紙機、またはこれらの抄紙網の同種または異種の2機以上がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機などにより製造することができる。抄紙網で製造された湿紙(ウェブ)は、エアドライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等のドライヤーで乾燥させる。乾燥させた後、場合によって、熱可塑性樹脂を含有させ、エアドライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等のドライヤーで乾燥させる。また、乾式法で製造した密層を用いる場合は、抄紙機で製造した粗層と密層とを抄紙機で積層しても良いし、別途カレンダー装置、熱カレンダー装置、貼り合わせ装置等の加工機を用いて積層しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
(実施例1)
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を50:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーの繊維長をOpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)で測定した繊維長分布図を図1に示す。スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が5.1質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3.3質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が5.4質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が86.2質量%であった。スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を50:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーの繊維長をOpTest Equipment Inc.社製ファイバークオリティーアナライザー(FQA-360)で測定した繊維長分布図を図1に示す。スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が5.1質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3.3質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が5.4質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が86.2質量%であった。スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
(実施例2)
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を50:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーを18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m3加えて繊維を解して再分散スラリーを調成した。再分散スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が0.5質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が4.4質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が9.8質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が85.3質量%であった。再分散スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を50:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーを18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m3加えて繊維を解して再分散スラリーを調成した。再分散スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が0.5質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が4.4質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が9.8質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が85.3質量%であった。再分散スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
(比較例1)
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長3mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を30:20:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が4.3質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が7.5質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が18.2質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が70.0質量%であった。スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長3mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を30:20:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が4.3質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が7.5質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が18.2質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が70.0質量%であった。スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
(比較例2)
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を50:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーを18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m3加えて繊維を解して再分散スラリーを調成した後に、再分散スラリーを18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m3加えて繊維を解して再々分散スラリーを調成した。再々分散スラリーに対して、18メッシュの網で漉して繊維を残して分散水を除去し、新たな水を加える操作を更に2回行って、最終スラリーを調成した。最終スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が0.0質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2.0質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が4.1質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さが93.9質量%であった。最終スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
延伸PET繊維(繊維径9μm、繊維長6mm)、バインダー繊維(芯鞘型ポリエステル系バインダー繊維、繊維径14μm、繊維長5mm、芯部融点225℃、鞘部融点110℃)を50:50の配合比率で固形分5kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーを18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m3加えて繊維を解して再分散スラリーを調成した後に、再分散スラリーを18メッシュの網で漉して繊維のみを残して分散水を除去し、新たに水を1m3加えて繊維を解して再々分散スラリーを調成した。再々分散スラリーに対して、18メッシュの網で漉して繊維を残して分散水を除去し、新たな水を加える操作を更に2回行って、最終スラリーを調成した。最終スラリーの繊維長を測定したところ、短繊維の長さ加重比率が0.0質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2.0質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が4.1質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さが93.9質量%であった。最終スラリーから傾斜抄紙機で湿紙を形成した後、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、目標坪量50g/m2のフィルタ用不織布を得た。
実施例及び比較例で得られたフィルタ用不織布に対して、坪量、Δ厚み、圧縮強さ、ライフ時間の評価を行い、結果を表1に示した。
(坪量)
JIS P8124:2011に準拠して、坪量を測定した。
JIS P8124:2011に準拠して、坪量を測定した。
(Δ厚み)
濾材の厚みは、測定時の荷重の異なる2種類の定圧測定器(≪1≫TECLOCK社製、PG-14特注品、測定圧力0.25N/cm2、≪2≫High Bridge社製 Automatic Micrometer K.Takahashi System Patent No.208660 No.208661、測定圧力1.27N/cm2)にて、フィルタ用不織布の同位置を計測し、各測定厚みの差(Δ厚み)を算出した。
濾材の厚みは、測定時の荷重の異なる2種類の定圧測定器(≪1≫TECLOCK社製、PG-14特注品、測定圧力0.25N/cm2、≪2≫High Bridge社製 Automatic Micrometer K.Takahashi System Patent No.208660 No.208661、測定圧力1.27N/cm2)にて、フィルタ用不織布の同位置を計測し、各測定厚みの差(Δ厚み)を算出した。
(圧縮強さ)
上記より算出したΔ厚みが小さいほど、圧縮に強い濾材として、以下の基準で圧縮強さを評価した。
上記より算出したΔ厚みが小さいほど、圧縮に強い濾材として、以下の基準で圧縮強さを評価した。
◎:Δ厚みが35μm未満。圧縮強さが非常に良好。
○:Δ厚みが35μm以上、40μm未満。圧縮強さが良好。
△:Δ厚みが40μm以上、45μm未満。圧縮強さが使用下限レベル。
×:Δ厚みが45μm以上。圧縮強さが使用不可レベル。
○:Δ厚みが35μm以上、40μm未満。圧縮強さが良好。
△:Δ厚みが40μm以上、45μm未満。圧縮強さが使用下限レベル。
×:Δ厚みが45μm以上。圧縮強さが使用不可レベル。
フィブリル化していないリヨセル単繊維(1.7dtex×4mm、コートルズ社製)を、ダブルディスクリファイナーを用いて60回繰り返し処理して得た、フィブリル化リヨセル繊維、繊度0.1dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート繊維、繊維径10μm、繊維長5mmの芯部がポリエチレンテレフタレート(融点253℃)、鞘部がポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体(軟化点75℃)のポリエステル系芯鞘型熱融着繊維を20:50:30の配合比率で固形分2kgの繊維を2m3のパルパー(分散容器)に1m3の分散水と共に投入し、5分間分散してスラリーを調成した。スラリーから円網抄紙機で目標坪量20g/m2の密層の湿紙を形成し、実施例1及び2並びに比較例1及び2で得たフィルタ用不織布を粗層として、それぞれ湿紙にヤンキードライヤー入口にて重ねあわせ、表面温度140℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、トータル坪量70g/m2の実施例1及び2並びに比較例1及び2のフィルタ用濾材を得た。
(ライフ試験)
実施例1及び2並びに比較例1及び2のフィルタ用濾材の密層側を上流側として、プリーツ加工してフィルタを作製した。上記で作製したフィルタの密層側からセメント分散液をポンプで圧入し、100時間運転した時点で、運転圧力を測定し、圧力が低いほど、ライフ時間の長いフィルタ用濾材であるとして、以下の基準でライフ時間の評価を行った。
実施例1及び2並びに比較例1及び2のフィルタ用濾材の密層側を上流側として、プリーツ加工してフィルタを作製した。上記で作製したフィルタの密層側からセメント分散液をポンプで圧入し、100時間運転した時点で、運転圧力を測定し、圧力が低いほど、ライフ時間の長いフィルタ用濾材であるとして、以下の基準でライフ時間の評価を行った。
◎:100時間運転した時点で、運転圧力が0.05MPa未満。ライフ時間が非常に良好。
○:100時間運転した時点で、運転圧力が0.05MPa以上、0.08MPa未満。ライフ時間が良好。
△:100時間運転した時点で、運転圧力が0.08MPa以上、0.10MPa未満。ライフ時間が使用下限レベル。
×:100時間運転した時点で、運転圧力が0.10MPa以上。ライフ時間が使用不可レベル。
○:100時間運転した時点で、運転圧力が0.05MPa以上、0.08MPa未満。ライフ時間が良好。
△:100時間運転した時点で、運転圧力が0.08MPa以上、0.10MPa未満。ライフ時間が使用下限レベル。
×:100時間運転した時点で、運転圧力が0.10MPa以上。ライフ時間が使用不可レベル。
表1に示すとおり、実施例1及び2のフィルタ用不織布は、非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維を含有してなる湿式不織布であり、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であることから、高圧化でも圧縮し難く、実施例1及び2のフィルタ用不織布を含有するフィルタ用濾材は、ライフ試験の評価において良好な結果を得た。
繊維長4.0mm以上の繊維の長さが75質量%未満である比較例1のフィルタ用不織布及び短繊維の長さ加重比率が0.5質量%未満である比較例2のフィルタ用不織布は、圧縮強さが不十分であり、比較例1及び比較例2のフィルタ用不織布を含有するフィルタ用濾材は、ライフ試験で良好な結果が得られなかった。
本発明のフィルタ用不織布は、金属の型彫、切断加工などに使用されている放電加工機の加工液中に含まれる加工屑や、IC生産における基板のウエハの切断、研磨、エッチングなどの工程で使用される超純水中に含まれる加工屑を効率良く除去し清浄な液体を得るための液体フィルタ用濾材、自動車用エンジンオイル、燃料等各種液体フィルタ用濾材等に好適に用いることができる。また、空気中の粉塵を捕集するエアフィルタ用濾材としても好適に使用することができる。
Claims (3)
- 非溶融性の延伸ポリエチレンテレフタレート繊維と熱溶融性のバインダー繊維を含有してなる湿式不織布であり、延伸ポリエチレンテレフタレート繊維及びバインダー繊維中における、
繊維長0.20mm以下の繊維の長さ加重比率が0.5~10質量%であり、
繊維長0.20mm超、2.0mm未満の繊維の長さ加重比率が2~10質量%であり、
繊維長2.0mm以上、4.0mm未満の繊維の長さ加重比率が3~20質量%であり、
繊維長4.0mm以上の繊維の長さ加重比率が75~94.5質量%であることを特徴とするフィルタ用不織布。 - 請求項1に記載のフィルタ用不織布を含有してなるフィルタ用濾材。
- 請求項1に記載のフィルタ用不織布を粗層とし、密層と積層して一体化されてなるフィルタ用濾材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020162525A JP2022055118A (ja) | 2020-09-28 | 2020-09-28 | フィルタ用不織布及びフィルタ用濾材 |
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Publications (1)
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ID=80997974
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JP2020162525A Pending JP2022055118A (ja) | 2020-09-28 | 2020-09-28 | フィルタ用不織布及びフィルタ用濾材 |
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2020
- 2020-09-28 JP JP2020162525A patent/JP2022055118A/ja active Pending
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