JP2022053976A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
図1、図2に示すように、本実施形態に係るスクロール圧縮機1は、ケーシング10と、吸入配管13と、排出配管14と、駆動部20と、第一軸受50と、第二軸受60と、旋回スクロール40と、固定スクロール30と、吐出孔32cと、吐出弁34と、ブッシュアセンブリ70と、第三軸受80と、オルダムリング90と、第一シール部100と、第二シール部110と、センサ120と、ケーブル130と、を備える。
ケーシング10は、両端が閉塞された筒状をなす密閉構造の筐体である。ケーシング10は、吸入配管13と、排出配管14と、ケーシング本体11と、を有している。ケーシング10は、後述する駆動部20の軸線О1が延びる軸線О1方向に延在している。ケーシング本体11は内側に内周面11aを有しており、ケーシング本体11の内部には、冷媒となる流体を圧縮するための各種部品が収容される収容空間12が形成されている。ケーシング本体11は、少なくとも、駆動部20と、第一軸受50と、第二軸受60と、固定スクロール30と、旋回スクロール40と、ブッシュアセンブリ70と、第三軸受80と、オルダムリング90と、センサ120と、を内部に収容している。
吸入配管13は、流体をケーシング本体11外部からケーシング本体11内部の第一空間12aへ導入している。
排出配管14は、流体をケーシング本体11内部の第二空間12bからケーシング本体11外部へ排出している。排出配管14より排出された流体は、不図示の還流配管を経由して減圧膨張した後、再び吸入配管13へと還流している。
第一ケーシング部15は、圧縮室31を構成する後述の固定スクロール30と第一空間12aを形成し、内側に第一内周面15aを有している。第一ケーシング部15は、軸線O1を中心とした円筒状をなす部材であり上流側と下流側の両方に開口部を有している。
第二ケーシング部16は、圧縮室31を構成する固定スクロール30と第二空間12bを形成し、内側に第二内周面16aを有している。第二ケーシング部16は、第一ケーシング部15の下流側の開口部を塞ぐように、第一ケーシング部15と組み合わされている。第一ケーシング部15及び第二ケーシング部16は、詳しくは図2に示すように、第一ケーシング部15から径方向外側に突出する第一フランジ15bと第二ケーシング部16から径方向外側に突出する第二フランジ16bがボルト180で軸線O1方向に締結されることによって、一体に固定されている。
第三ケーシング部17は、第一ケーシング部15の上流側の開口部をふさぐように、第一ケーシング部15と組み合わされており、ケーシング10全体の蓋としての機能を果たしている。
駆動部20は、ケーシング本体11内部に収容されている。駆動部20は、回転軸21と、ロータ22と、偏心軸23と、を有している。回転軸21は、軸線О1を中心とする円柱形状をなす部材である。回転軸21は、第一空間12a内で軸線О1方向に延びている。回転軸21は、ロータ22の回転により、軸線О1回りに一体となって回転可能に支持されている。ロータ22は、回転軸21の一部を軸線О1に沿って覆うように一体となって形成される。ロータ22は、ロータ22自身が、コイルにより生じる電磁力の影響を受けて回転することで、回転軸21を回転させる機能を果たしている。
このような構成とされた偏心軸23は、軸線О1回りに回転軸21が回転すると、軸線О1回りに公転する。
第一軸受50は、ケーシング本体11内部に収容される。第一軸受50は、第一ケーシング部15の第一内周面15aに固定される。第一軸受50は、吸入配管13と第一ケーシング部15との接続位置と、圧縮室31との間に配置されている。
第一軸受50は、軸線О1方向に延び、かつ回転軸21を構成する回転軸21の第一端部21b(圧縮室31側に配置される端部)を回転可能に支持している。
第二軸受60は、ケーシング本体11内部に収容されている。第二軸受60は、第三ケーシング部17の近傍に位置する第一ケーシング部15の第一内周面15aに固定されている。第二軸受60は、回転軸21の第二端部21c(第三ケーシング部17側に配置される端部)を回転可能に支持している。
給油ポンプ140は、第一軸受50及び第二軸受60に潤滑油を供給している。給油ポンプ140は、第二軸受60の第三ケーシング部側に設けられている。
旋回スクロール40は、ケーシング本体11内部に収容され、後述する固定スクロール30と第一ケーシング部15との間に配置されている。旋回スクロール40は、旋回端板41と、旋回ラップ42と、ボス部43と、を有している。
第一面41a及び第二面41bは、軸線О1に対して直交する。第一面41aは軸線О1方向において、固定スクロール30と対向しており、圧縮室31の一部を構成する。第二面41bは、第一面41aの反対側に配置された面である。第二面41bは、第一空間12aを介して第三ケーシング部17と対向している。
ブッシュアセンブリ70は、ケーシング本体11内部に収容される。ブッシュアセンブリ70は、旋回スクロール40と回転軸21とを連結しており、偏心軸23とボス部43との間に設けられたブッシュ71を有する。ブッシュアセンブリ70は、旋回スクロール40と回転軸21との間に設けられている。
第三軸受80は、ケーシング本体11内部に収容され、ブッシュ71の外周面とボス部43の内周面11aとの間に配置される。第三軸受80には、給油ポンプ140から潤滑油が供給されている。
オルダムリング90は、ケーシング本体11内部に収容され、旋回端板41と第一軸受50との間に設けられている。オルダムリング90は、旋回端板41に形成された溝に嵌合する突起を有する。オルダムリング90は、旋回スクロール40が自転(偏心軸線О2回りの回転)することを抑制し、駆動軸の回転運動を旋回スクロール40の公転旋回運動へ変換する部材である。
固定スクロール30は、ケーシング本体11内部に収容され、第二ケーシング部16と旋回スクロール40との間に配置されている。固定スクロール30は、固定端板32と、固定ラップ33と、を有している。
第一面32a及び第二面32bは、軸線О1に対して直交する面である。第一面32aは軸線О1方向において、第二空間12bを介して第二ケーシング部16と対向する面である。第二面32bは、第一面32aの反対側に配置された面である。第二面32bは、軸線О1方向において旋回スクロール40と対向し、圧縮室31の一部を構成する。
第一ケーブル挿通穴150は、固定端板32の内部に設けられており、固定端板32の外周面32dから径方向内側に向かって吐出孔32c付近まで延びている穴である。
固定ラップ33は、センサ120及びケーブル130が挿通可能な第二ケーブル挿通穴160の軸方向穴160Bの一部分を除く他の部分を有している。
吐出弁34は、固定端板32の第一面32aに設けられている。吐出弁34は、第二空間12bから吐出孔32c内へ流体が逆流することを防止する目的で、吐出孔32cの出口を開閉させる弁としての機能を果たしている。
第一シール部100は、ケーシング本体11内部に収容され、第一溝部101と、シール部材102と、を有している。第一シール部100は、第一空間12aと他の空間との差圧を維持するために設けられる部材が挿入された溝である。
第一溝部101は、固定スクロール30の外周面32dに周方向にわたって形成される溝である。第一溝部101にシール部材102が隙間なく埋められ、第一溝部101とケーシング10の内周面11aとがシール部材102を隙間なく挟み合っている。これにより、ケーシング10内部の第一空間12aから流体が漏出して第一空間12aの内圧が低下することを防止する。
これにより、本実施形態においては、流体が圧縮室31で圧縮される前に存在する第一空間12aとケーシング10外部の大気圧との差圧を維持する。シール部材102には、例えばОリングが採用される。
第二シール部110は、ケーシング本体11内部に収容され、第二溝部111と、シール部材102と、を有している。第二シール部110は、第二空間12bと他の空間との差圧を維持するために設けられる部材が挿入された溝である。
第二溝部111は、第一溝部101と同様に、固定スクロール30の外周面32dに周方向にわたって形成される溝であり、軸線О1方向に離間して配置される。第二溝部111にシール部材102が隙間なく埋められ、第二溝部111とケーシング10の内周面11aとがシール部材102を隙間なく挟み合っている。これにより、ケーシング10内部の第二空間12bから流体が漏出して第二空間12bの内圧が低下することを防止する。
これにより、本実施形態においては、流体が圧縮室31で圧縮される前に存在する第二空間12bとケーシング10外部の大気圧との差圧を維持する。
センサ120は、ケーシング本体11内部に設けられている。本実施形態ではセンサ120として、第一センサ120A及び第二センサ120Bを有している。
第一センサ120Aは、第一ケーブル挿通穴150内の終わりの位置である固定端板32内部の吐出孔32c付近に設けられている。第一センサ120Aは、スクロール圧縮機1運転中に固定スクロール30が有する特性値を測定することで、圧縮室31で圧縮された後の流体や固定スクロール30に生じる異常を早期に検知する機能を果たしている。第一センサ120Aには、例えば温度センサやひずみゲージが採用される。
ケーブル130は、一方がセンサ120本体に電気的に接続され、他方がケーシング本体11外部に別途存在する不図示の制御回路に電気的に接続されている。本実施形態ではケーブル130として、第一ケーブル130A及び第二ケーブル130Bを有している。
第一ケーブル130Aは、固定スクロール30の内部に設けられた第一ケーブル挿通穴150内に挿通されている。
第二ケーブル130Bは、固定スクロール30の内部に設けられた第二ケーブル挿通穴160内に挿通されている。
本開示の実施形態に係るスクロール圧縮機1は、第一シール部100と第二シール部110との間を経由してケーブル130を外部へと取り出す構成とされている。これにより、当該ケーブル130を取り出す際に必要となる専用のシールを設ける必要がなくなる。つまり、当初から必要な固定スクロール30とケーシング10との間のシールを利用することでケーブル130をケーシング10外部に取り出す際に必要となる専用のシールを省略することができる。さらに、第一シール部100及び第二シール部110は周方向にわたって延びている。これにより、第一シール部100と第二シール部110との間及び凹溝170内を経由するケーブル130を周方向の任意の箇所から外部へ取り出すことができる。したがって、製造におけるコストや工数を削減させつつ、設計の自由度及び信頼性を向上させることができる。
また、本開示の実施形態に係るスクロール圧縮機1は、直線状であるため、設計上ケーブル130の長さを短く抑えることができ、センサ120から受け取る電気信号の減衰を抑制できる。したがって、センサ120より得られる電気信号の品質を向上させることができる。
以上、本開示の実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
また、本実施形態においては、第一シール部100及び第二シール部110の間を経由してケーシング10の外部に延びるケーブル130を示しているが、必ずしも2つのシール部に限定はされない。したがって、2つ以上の適宜の数でシール部を構成し、シール部の間を経由する構成であればよい。
また、本実施形態においては、第一シール部100の第一溝部101、第二シール部110の第二溝部111は、固定スクロール30の外周面32dに周方向にわたって形成される溝であることを示しているが、必ずしも固定スクロール30の外周面32dに周方向にわたって形成されるという限定はされず、ケーシング10の内周面11aに周方向にわたって形成されていてもよく、固定スクロール30の外周面32dもしくはケーシング10の内周面11aの少なくとも一方に溝が形成されていればよい。
また、本実施形態の説明においては、パッケージエアコンなどで使用されるいわゆる定置用のスクロール圧縮機の図を用いているが、車載用カーエアコンのスクロール圧縮機として本実施形態の構成を用いてもよい。
実施形態に記載のスクロール圧縮機1は、例えば以下のように把握される。
Claims (5)
- 軸線に沿って延びる内周面を有するケーシングと、
前記ケーシング内に設けられた駆動部と、
前記ケーシング内に設けられて、該駆動部によって前記軸線に対して偏心回転する旋回スクロールと、
該旋回スクロールとともに冷媒を圧縮する圧縮室を形成し、外周面が前記内周面に周方向にわたって嵌合することで前記ケーシング内を、外部から冷媒が供給される第一空間と前記冷媒をケーシングの外部に排出する第二空間とに区画し、前記圧縮室から前記第二空間に冷媒を吐出する吐出孔が形成された固定スクロールと、
前記内周面と前記外周面との間で周方向にわたって延び、前記軸線方向に離間して配置された第一シール部及び第二シール部と、
前記固定スクロールの内部に設けられたセンサと、
該センサから前記外周面に向かって前記固定スクロール内を延びるとともに、前記第一シール部及び前記第二シール部の間を経由して前記ケーシングの外部に延びるケーブルと、
を備えるスクロール圧縮機。 - 前記ケーシングは、
前記第一空間を内側に形成し、前記内周面として第一内周面を有する第一ケーシング部と、
前記第二空間を内側に形成し、前記内周面として第二内周面を有する第二ケーシング部と、
を有し、
前記外周面は、前記第一内周面と前記第二内周面との双方に嵌合しており、
前記第一シール部は、前記外周面と前記第一内周面との間に配置されており、
前記第二シール部は、前記外周面と前記第二内周面との間に配置されている請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記ケーブルは、前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部の間を通過して、前記ケーシングの外部に延びている請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記第一ケーシング部と前記第二ケーシング部との互いに前記軸線方向に対向する端部の少なくとも一方に、前記軸線の径方向に延びる凹溝が形成されており、
前記ケーブルは、前記凹溝内を経由して前記ケーシングの外部に延びている請求項3に記載のスクロール圧縮機。 - 前記ケーブルは、前記軸線方向から見て前記センサから前記外周面まで径方向に直線状に延びている請求項1から4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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