JP7483638B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
以下、本開示の実施形態に係るスクロール圧縮機1について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係るスクロール圧縮機1は、ケーシング10と、吸入配管13と、排出配管14と、インジェクション管130と、駆動部20と、第1軸受50と、第2軸受60と、給油ポンプ140と、旋回スクロール40と、ブッシュアセンブリ70と、第3軸受80と、オルダムリング90と、固定スクロール30と、ディスチャージカバー100と、を備える。
ケーシング10は、両端が閉塞された筒状をなす軸線О1に沿って延びる筐体である。ケーシング10は、ケーシング本体11を有している。
ケーシング本体11は、駆動部20の軸線О1が延びる軸線О1方向に延在している。ケーシング本体11は内側にケーシング内周面11aを有しており、ケーシング本体11内部には、冷媒を圧縮するための各種部品が収容される収容空間12が区画されている。
ケーシング本体11は、駆動部20と、第1軸受50と、第2軸受60と、給油ポンプ140と、旋回スクロール40と、ブッシュアセンブリ70と、第3軸受80と、オルダムリング90と、固定スクロール30と、ディスチャージカバー100と、を収容している。
高圧側空間12bは、収容空間12内でディスチャージカバー100よりも軸線О1方向一方側(下流側、上側)に位置しており、冷媒が圧縮室31で圧縮され、ディスチャージカバー100から該冷媒が吐出される空間である。
低圧側空間12aは、収容空間12内でディスチャージカバー100よりも軸線О1方向他方側(上流側、下側)に位置しており、冷媒が圧縮室31で圧縮される前に存在する高圧側空間12bよりも雰囲気の気圧が低い空間である。
排出配管14は、冷媒をケーシング本体11内部の高圧側空間12bからケーシング本体11外部へ排出している。排出配管14より排出された冷媒は、冷媒回路(不図示)を流通して減圧膨張された後、再び吸入配管13へと戻る。排出配管14内部を流通する冷媒の大部分は気体である。
第1ケーシング部15及び第3ケーシング部17は、ディスチャージカバー100とともに低圧側空間12aを画成している。第1ケーシング部15は内側に第1内周面15aを、第3ケーシング部17は内側に第3内周面を有している。
第1ケーシング部15は、軸線О1を中心とした円筒状をなす部材であり、上流側と下流側の両方に開口端部を有している。
第3ケーシング部17は、蓋状の部材であり、第1ケーシング部15の軸線О1方向他方側の開口端部を塞ぐように、第1ケーシング部15と組み合わされている。
第2ケーシング部16は、蓋状の部材であり、第2ケーシング部16の軸線О1方向他方側を向く開口端部は、ディスチャージカバー100が有しているフランジ部100bを間に介して第1ケーシング部15の軸線О1方向一方側の開口端部と組み合わされている。したがって、第2ケーシング部16の開口端部、フランジ部100b、第1ケーシング部15の開口端部によって、高圧側空間12bの気密性が保たれている。
駆動部20は、回転軸21と、ロータ22と、コイル160と、偏心軸23と、を有している。
回転軸21は、軸線О1を中心とする円柱形状をなす部材である。回転軸21は、低圧側空間12a内の略中央で軸線О1方向に延びている。回転軸21は、ロータ22の回転により、軸線О1回りにロータ22と一体に回転する。
ロータ22は、回転軸21の一部を軸線О1に沿って覆うように一体となって形成されている。ロータ22は、該ロータ22を軸線О1の径方向外側から覆うコイル160によって生じる電磁力の影響を受けて回転する。
第1軸受50は、ケーシング本体11内部に収容される。第1軸受50は、第1内周面15aに固定されている。第1軸受50は、第1ケーシング部15と吸入配管13との接続位置と、圧縮室31との間に配置されている。
第1軸受50は、軸線О1方向に延び、回転軸21の圧縮室31側の第1端部21bを回転可能に支持している。
第2軸受60は、第3ケーシング部17近傍の第1ケーシング部15の第1内周面15aに固定されている。第2軸受60は、回転軸21の第3ケーシング部17側の第2端部21cを回転可能に支持している。
給油ポンプ140は、第1軸受50、第2軸受60、及び第3軸受80の摺動部に給油路(不図示)を介してそれぞれ潤滑油を供給している。給油ポンプ140は、第2軸受60の第3ケーシング部17側に設けられている。
旋回スクロール40は、第1軸受50と第2ケーシング部16との間に配置されている。旋回スクロール40は、旋回端板41と、旋回ラップ42と、ボス部43と、を有している。
第1面41a及び第2面41bは、軸線О1に対して直交している。第1面41aは軸線О1方向で固定スクロール30と対向しており、圧縮室31の一部を構成する。第2面41bは、第1面41aの反対側に配置された面である。第2面41bは、第1軸受50と対向している。
ブッシュアセンブリ70は、旋回スクロール40と回転軸21とを連結しており、偏心軸23とボス部43との間に設けられたブッシュ71を有している。ブッシュアセンブリ70は、旋回スクロール40と回転軸21との間に設けられている。
第3軸受80は、ブッシュ71の外周面とボス部43の内周面との間に配置されている。第3軸受80は、軸線О1方向に延び、ブッシュ71を介して偏心軸23を支持している。
オルダムリング90は、旋回端板41と第1軸受50との間に設けられている。オルダムリング90は、旋回端板41に形成されたキー溝に嵌合するキーを有している。オルダムリング90は、旋回スクロール40が回転軸21の回転に伴って偏心軸線О2回りに自転することを抑制しつつ、回転軸21の自転運動を旋回スクロール40の公転旋回運動へ変換する継手部材である。
固定スクロール30は、低圧側空間内12aにおいてディスチャージカバー100と旋回スクロール40との間に設けられている。固定スクロール30は、締結部37と、固定端板32と、固定ラップ33と、環状凸部35と、を有している。
周方向に隣接する締結部37同士の間の締結部37外周面と第1内周面15aとの間には隙間が形成されている。
背面32b及び前面32aは、軸線О1に対して直交する面である。背面32bは軸線О1方向において、ディスチャージカバー100と対向する面である。該背面32bは、低圧側空間12aに露出している。前面32aは、背面32bの反対側に配置された面である。前面32aは、軸線О1方向において旋回スクロール40と対向し、圧縮室31の一部を構成する。
吐出空間36bは、固定スクロール30とディスチャージカバー100との間に画成される空間であり、固定スクロール側吐出孔36aを通過した冷媒が通過する空間である。吐出空間36bを通過した冷媒は、後続のディスチャージカバー100が有しているディスチャージカバー側吐出孔36cに入り、高圧側空間12bへと抜ける。
ディスチャージカバー100は、固定スクロール30と第2ケーシング部16との間に設けられており、ケーシング10内の空間である収容空間12を軸線О1方向一方側の高圧側空間12bと軸線О1方向他方側の低圧側空間12aとに区画している。ディスチャージカバー100は、フランジ部100bと、ディスチャージカバー側吐出孔36cと、内周面100aと、環状凹部101と、シール部120と、を有している。
固定スクロール30の環状凸部35の先端面35aと、ディスチャージカバー100の環状凹部101の底面101aとの間には、ディスチャージカバー側吐出孔36cを囲う環状をなす空間であるインジェクション空間Sが画成されている。
環状凸部35の先端面35aには、インジェクション空間Sと圧縮室31とを連通する孔等の貫通部は形成されておらず、液冷媒がインジェクション空間Sから圧縮室31内に貫通部を介して直接導入されることはない。
シール部120は凹溝と、シール部材と、を有している。凹溝は、環状凹部101の内側壁面にディスチャージカバー側吐出孔36cに向かう方向に凹んで形成された凹部であり、シール部材が凹溝に埋め込まれている。シール部材には、例えばОリングが用いられる。
インジェクション空間S内の液冷媒は、該インジェクション空間Sから連通路110を通過し、連通路110を通過した後は固定スクロール30の外面となる固定端板32の背面32bを軸線О1の径方向外側に向かって放射状に流れていく。
本開示の実施形態に係るスクロール圧縮機1は、固定スクロール30とディスチャージカバー100との間に、吐出ポート36を囲う環状をなすインジェクション空間S、及び、該インジェクション空間Sを前記低圧側空間12aに連通させる連通路110が画成されている。さらに、インジェクション空間Sに外部から液冷媒を導入するインジェクション管130がケーシング10に設けられている。
これにより、インジェクション空間Sに導入された液冷媒が固定スクロール30の内側の外面を冷却する。さらに、液冷媒がインジェクション空間Sから連通路110を通過し、低圧側空間12aへと流れ出るため、インジェクション管130から新たな液冷媒をインジェクション空間Sに供給し続けることができる。したがって、運転中に温度が比較的高いスクロールの内側及び吐出ポート36内の冷媒を効果的に冷却することができる。
これにより、液冷媒が固定スクロール30の外面全域を流れるため、固定スクロール30の外面を満遍なく冷却することができる。したがって、スクロールの熱分布を適正化することができる。
これにより、連通路110が先端面35a及び背面32bとの間を段差部としてつなぐことで液冷媒によって冷却される表面積が増加し、固定スクロール30の内側及び吐出ポート36内の冷媒をより効果的に冷却することが出来る。したがって、上記効果をより高めることができる。
これにより、冷媒圧縮の際にデッドボリューム(連通による圧縮に寄与しない空間の増加)が生じない。したがって、圧縮に際して余分なエネルギーを投入することがないため、スクロール圧縮機1を効率的に運転することができる。
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
実施形態に記載のスクロール圧縮機1は、例えば以下のように把握される。
Claims (4)
- 軸線に沿って延びるケーシングと、
前記ケーシング内に設けられて、前記ケーシング内の空間を前記軸線方向一方側の高圧側空間と前記軸線方向他方側の低圧側空間とに区画するディスチャージカバーと、
前記低圧側空間に設けられて、前記軸線に対して偏心回転する旋回スクロールと、
前記低圧側空間における前記ディスチャージカバーと前記旋回スクロールとの間に設けられて、前記低圧側空間から冷媒が導入される圧縮室を前記旋回スクロールとともに画成する固定スクロールと、
を備え、
前記固定スクロール及び前記ディスチャージカバーに、前記圧縮室で圧縮された前記冷媒を前記高圧側空間に吐出する吐出ポートが形成されており、
前記固定スクロールと前記ディスチャージカバーとの間に、前記吐出ポートを囲う環状をなすインジェクション空間、及び、該インジェクション空間を前記低圧側空間に連通させる連通路が画成されており、
前記インジェクション空間に外部から液冷媒を導入するインジェクション管をさらに備えるスクロール圧縮機。 - 前記連通路は、前記軸線の周方向全域にわたって形成されている請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記ディスチャージカバーは、前記吐出ポートの外周側で前記軸線方向一方側に環状に凹む環状凹部を有し、
前記固定スクロールは、前記前記吐出ポートの外周側で前記軸線方向一方側に環状に突出するとともに前記環状凹部にはまり込む環状凸部を有し、
前記インジェクション空間は、前記環状凹部の底面と前記環状凸部の先端面との間に画成されており、
前記連通路は、前記環状凸部の外周面と前記環状凹部の外側壁面との間に画成されており、
前記環状凸部の内周面と前記環状凹部の内側壁面との間に設けられて、前記インジェクション空間と前記吐出ポートとを隔てるシール部をさらに備える請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記固定スクロールには、前記インジェクション空間と前記圧縮室とを連通させる貫通部が形成されていない請求項1から3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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