JP2015165116A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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竹内 真実
Masamitsu Takeuchi
真実 竹内
源太 慶川
Genta Yoshikawa
源太 慶川
明紀 吉岡
Akinori Yoshioka
明紀 吉岡
智久 毛路
Tomohisa Moro
智久 毛路
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Abstract

【課題】 油分離器を設けたとしても省スペース化できるスクロール型圧縮機を提供する。
【解決手段】 本発明のスクロール型圧縮機1は、ハウジング11と、ハウジング11の内部に設けられ、旋回スクロール30と、旋回スクロール30と対向することで冷媒を圧縮する圧縮室PRを形成する固定スクロール20と、を有するスクロール圧縮機構12と、圧縮室PRから吐出された冷媒に混入した潤滑油Lを例えば遠心分離作用により分離する油分離器17と、油分離器17で分離された潤滑油Lが貯留される貯油室18と、を備える。そして、貯油室18は、スクロール圧縮機構12をその周囲から覆うハウジング11の胴体部分の周方向の一部又は全域に沿って形成されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクロール型圧縮機に関し、特に車両用空気調和機に適用されるのに好適なスクロール圧縮機に関する。
車両用空気調和機等に用いられるスクロール型の圧縮機は、固定スクロールと旋回スクロールとを備える。固定スクロールおよび旋回スクロールは、それぞれ円板状の端板の一面側に、渦巻状のラップが一体に形成されたものである。この固定スクロールと旋回スクロールを、ラップ同士を噛み合わせた状態で対向させて固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させ、双方のラップの間に形成される圧縮空間を外周側から内周側に移動させつつその容積を減少させることで、冷媒の圧縮を行なう。なお、固定スクロールと旋回スクロールを含む、冷媒の圧縮に係る機構をスクロール圧縮機構ということがある。
圧縮機は、圧縮空間の密閉性を維持したり、摺動部分の潤滑を確保したりするために、冷凍機油と称される潤滑油を冷媒に混入させて必要な箇所に供給している。潤滑油は、冷媒とともに圧縮された後、オイルセパレータにより冷媒から分離される。
冷媒回路を含むシステム側への潤滑油の流出を防止することによる空気調和機の性能向上及び圧縮機における潤滑性向上の観点から、スクロール圧縮機に油分離器(オイルセパレータ)を設ける例が増えている。この場合、冷媒から分離された潤滑油は、例えば特許文献1に開示されるように、ハウジング内の高圧室側に設けられた貯油室に貯留される。この潤滑油は、絞りを介して圧力を低下させてから低圧室側に戻され、潤滑に供される。
特開2006−342722号公報
車両用空気調和機に適用される圧縮機は、他の部品のスペース確保の観点から、投影体積を少しでも減らすことによる省スペース化の要求が厳しい。ところが、高圧室側に貯油室を設けると、その分だけ圧縮機の投影体積が大きくなる。なお、投影体積とは、圧縮機の外殻が占める体積をいう。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、油分離器を設けたとしても省スペース化できるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明のスクロール型圧縮機は、ハウジングと、ハウジングの内部に設けられ、旋回スクロールと、旋回スクロールと対向することで冷媒を圧縮する圧縮室を形成する固定スクロールと、を有するスクロール圧縮機構と、圧縮室から吐出された冷媒に混入した潤滑油を分離する油分離器と、油分離器で分離された潤滑油が貯留される貯油室と、を備える。そして、貯油室は、スクロール圧縮機構をその周囲から覆う前記ハウジングの胴体部分の周方向の一部又は全域に沿って形成されることを特徴とする。
本発明の圧縮機は、スクロール圧縮機構を収容するハウジングの胴体内部に貯油室を設けることにより、貯油室を油分離器側に油分離器とともに設けた圧縮機と比べて、投影体積を小さくして小型化できるため、省スペース化を図ることができる。
本発明の圧縮機では、ハウジングの胴体内部の周方向に貯油室が設けられており、この貯油室には高温の潤滑油が貯留される。貯油室をハウジングの胴体部分の周方向の一部に形成した場合、ハウジングは高温の潤滑油により加熱されるので、スクロール圧縮機中心部との温度差が低減されることになる。そのため、過渡運転時に、旋回スクロールおよび固定スクロールが熱膨張したとしても、ハウジングも同じ方向に相当程度熱膨張するので、旋回スクロールおよび固定スクロールの損傷や変形による圧縮機の性能低下を防止できる。
また、貯油室をハウジングの胴体部分の周方向の全域に形成した場合は、潤滑油によってハウジングの周方向の全域に亘って加温できる。そのため、ハウジングを加温する能力が高くなり、過渡運転時の旋回スクロールおよび固定スクロールの破損や変形をより確実に防止できる。
また、本発明のスクロール型圧縮機は、油分離器と貯油室を繋ぐ流路を備え、油分離器で分離された潤滑油を、分離されたときの圧力状態を保って流路を流れて貯油室に流入させることができる。
潤滑油を、分離されたときの圧力状態を保ったまま、つまり、潤滑油を高温の状態を保って貯油室に流入させることができる。そのため、潤滑油はハウジングを加熱する能力を低下せずに、貯油室に流入させることができる。
さらに、本発明のスクロール型圧縮機は、油分離器と貯油室を繋ぐ流路を備え、油分離器で分離された潤滑油を、分離されたときの圧力が流路を流れる過程で減圧されて貯油室に流入させることもできる。
潤滑油が流路を流れる過程で減圧され貯油室に流れ込むことで、貯油室を油分離器よりも減圧状態とすることができる。そのため、潤滑油の自重によっては油分離器から潤滑油が流入できない位置に貯油室が設けられていたとしても、油分離器で分離された潤滑油を貯油室に流入させることができるため、貯油室を設ける高さの自由度を向上させることができる。
本発明のスクロール型圧縮機は、貯油室をハウジングの胴体内部に設けるため、貯油室を油分離器側に油分離器とともに設けた圧縮機と比べて、投影体積を減らして、省スペース化を図ることができる。
第1実施形態にかかるスクロール型圧縮機の縦断面図である。 第2実施形態にかかるスクロール型圧縮機の縦断面図である。 第3実施形態にかかるスクロール型圧縮機の縦断面図である。 スクロール型圧縮機の効果を説明するために簡略化した横断面図である。(a)は図1のIVa−IVa線断面図、(b)は図2のIVb−IVb線断面図、(c)は図3のIVc−IVc線断面図である。
[第1実施形態]
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態における横置き型のスクロール型圧縮機(以下、圧縮機)1は、図1に示すように、ハウジング11と、周囲をハウジング11の周囲に覆われ、ハウジング11内に取り込まれた冷媒ガスを圧縮するスクロール圧縮機構(以下、圧縮機)12と、スクロール圧縮機構12を駆動する主軸13とを主として備えている。この圧縮機1は、冷媒を圧縮して例えば車両用空気調和機などの冷媒回路に供給する。以下、圧縮機1の構成を説明する。
ハウジング11は、フロントハウジング14とリアハウジング15を備える。フロントハウジング14とリアハウジング15は複数箇所で締結部材により互いに固定されることで、密閉空間Sが形成される。フロントハウジング14とリアハウジング15の間には、Oリング16が設けられ、密閉空間Sの密閉状態を維持している。
ハウジング11の内部は、後述する固定端板21によって低圧室10Aと高圧室10Bとに仕切られている。
リアハウジング15の側部には、冷媒ガスを吸入する図示しない吸入ポートが密閉空間Sに連通するように設けられている。
リアハウジング15の後方上部には、吐出ポート15aが形成されている。圧縮機構12で圧縮され、油分離室(油分離器)17で潤滑油Lが分離された後の高温高圧の冷媒ガスは、吐出ポート15aから吐出される。
なお、圧縮機1において、フロントハウジング14が設けられている側を前、その逆側を後と定義する。
リアハウジング15の後方には、油分離室17が設けられている。油分離室17は、円筒状の空間からなり、高温高圧の冷媒ガス中にミスト状となって含まれている潤滑油Lを分離する。
油分離室17の一端部には、高圧室10Bと連通する導入孔17bが形成されている。導入孔17bは、圧縮機構12により圧縮された高温高圧の冷媒ガスを内壁面17aの接線方向に誘導するとともに、高温冷媒ガスに吐出ポート15aと反対方向の速度成分を与えるように形成されている。そのため、油分離室17に導入された冷媒ガスは、油分離室17の内部で周方向に旋回し、旋回による遠心力により比重の大きい潤滑油Lが内壁面17aに沿って下方に移動する。また、潤滑油Lは、高温冷媒ガスから分離されるため、高温状態で下方に移動する。なお、潤滑油Lの分離は、遠心力によるものに限らず、潤滑油Lを含む冷媒ガスを、邪魔板に衝突させる、凹凸面に供給する、金属製のメッシュを通過させるなど、他の方法を適用することもできる。
ハウジング11の内部には貯油室18が設けられている。貯油室18は、リアハウジング15の圧縮機構12より前方の下側、つまり低圧室10Aに設けられている。貯油室18は、配管(流路)19によって油分離室17の下端部と接続されている。
また、貯油室18は、図4(a)に示すように、リアハウジング15の胴体部分の周方向の一部に沿って設けられている。
ここで、油分離室17と配管19が接続されている箇所を入口19a、貯油室18と配管が接続されている箇所を出口19bとすると、出口19bの高さは、入口19aの高さ以下となるように設定されている。
油分離室17で分離された高温の潤滑油Lは、配管19を介して流れ込み、貯油室18に貯留される。このとき、油分離室17の出口19bが設けられる位置が貯油室18の入口19aよりも高いので、分離された潤滑油Lは、油分離室17と貯油室18の差圧に加え、専ら自重により貯油室18に流れ込む。
また、貯油室18には、密閉空間Sの吸入口と連通する連通路25が接続されている。貯油室18に流入した潤滑油Lは連通路25を介して密閉空間Sに吸入される。吸入された潤滑油Lは、旋回スクロール30により撹拌されることで、圧縮される前の冷媒ガス中にミスト状に混入され、圧縮の進行に伴って、圧縮機構12の潤滑および密閉空間Sのシールを行なう。
なお、連通路25には、図示しない絞りが設けられており、貯油室18の潤滑油Lは絞りを通過することで、減圧および温度が低くなった状態で、密閉空間Sに流入する。
圧縮機構12は、固定スクロール20と、固定スクロール20に対して公転旋回運動する旋回スクロール30とを備えている。
固定スクロール20は、その中心軸が主軸13の中心軸と一致するように設けられ、旋回スクロール30と圧縮室PRを形成する。
固定スクロール20は、リアハウジング15に支持されている固定端板21と、固定端板21の一方の面から立設する渦巻状のラップ22とを備えている。
固定端板21の中心部には、軸方向に貫通する吐出ポート23が形成されている。圧縮室PRで圧縮された高温冷媒ガスは、吐出ポート23を通過して高圧室10Bに流入する。
ラップ22の先端面には、先端面と対向する旋回スクロール30の旋回端板31の間のシール性を確保するためにチップシール28が設けられている。
チップシール28は、潤滑油Lを介して旋回スクロール30の旋回端板31と接触して摺動されることで、先端面と旋回端板31との間に形成される隙間をシールしている。先端面と端板31の間には、潤滑油Lの油膜を形成するため、若干の隙間が形成されている。
また、固定スクロール20は、その中心軸が主軸13の中心軸と、一致するように設けられ、旋回スクロール30と圧縮室PRを形成する。なお、固定端板21の外周には、密閉空間Sの密閉状態を保つために、Oリング34が設けられている。
旋回スクロール30は、円板状の旋回端板31と、旋回端板31の一方の面から立設する渦巻状のラップ32とを備えている。
旋回スクロール30の旋回端板31の背面には、ボス27が設けられているとともに、そのボス27に軸受を介してドライブブッシュ35が組み付けられている。ドライブブッシュ35の内側には偏心ピン13aが嵌められている。これにより、旋回スクロール30が主軸13の軸心に偏心して結合されるので、主軸13が回転すると、旋回スクロール30は、主軸13の軸心からの偏心距離を旋回半径として回転(公転)する。
なお、旋回スクロール30が、公転しつつも自転はしないよう、旋回スクロール30と主軸13との間には、自転を拘束するオルダムリング36が設けられている。
ラップ32の先端面には、ラップ22の先端面と同様に、チップシール38が設けられ、チップシール38と固定端板21の間には、潤滑油Lの油膜が形成されている。
互いに所定量だけ偏心し、180度位相をずらして噛み合わせられるラップ22,32は、旋回スクロール30の回転角に応じて複数箇所で互いに接触する。すると、ラップ22,32の渦巻きの中心部(最内周部)に対して点対称に圧縮室PRが形成されるとともに、旋回スクロール30の旋回に伴って、圧縮室PRはその容積を減少させながら次第に内周側に移動される。そして、渦巻きの中心部で冷媒が最大に圧縮される。
主軸13は、エンジンや電動モータ等の図示しない駆動源により、その軸線回りに回転するロータシャフトであり、その先端には、偏心した軸線を有する偏心ピン13aが形成されている。また、主軸13はフロントハウジング14側に設けられた第1軸受33aおよび第2軸受33bにより、その軸線回りに回転可能に支持されている。
次に、以上の構成を備える圧縮機1の動作を説明する。
駆動源を駆動して圧縮機1を起動すると、主軸13が回転し、それに伴って旋回スクロール30が固定スクロール20に対して公転旋回運動する。そうすると、旋回スクロール30と固定スクロール20の間の圧縮室PRで冷媒ガスが圧縮されるとともに、吸入管からハウジング11内の低圧室10Aに導入された冷媒ガスが旋回スクロール30と固定スクロール20との間に吸い込まれる。そして、圧縮室PRの内部で圧縮されて高温高圧状態の冷媒ガスは、固定端板21の吐出ポート23を通過して高圧室10Bに吐出される。
そして、吐出された高温冷媒ガスは、油分離室17を通過し、吐出ポート15aから外部へと吐出される。こうして、冷媒の吸入、圧縮および吐出が連続して行なわれる。
吐出ポート23から高圧室10Bに吐出された高温高圧の冷媒ガスは、導入孔17b通過して、油分離室17へ導入される。油分離室17において潤滑油Lが分離された高温冷媒ガスは、油分離室17の上方から吐出ポート15aを介して外部の冷媒回路に供給される。一方で、分離された潤滑油Lは、高温状態を維持したままで、連通路25を通って貯油室18に達する。
[作用・効果]
次に、上記のように構成された圧縮機1の作用・効果について説明する。
圧縮機1は、圧縮機構12を収容するリアハウジング15の内部に貯油室18を設けることにより、投影体積を小さくして省スペース化に寄与することができる。つまり、油分離室を備える従来のスクロール圧縮機(例えば、特許文献1)は、貯油室は油分離室とともに高圧室側に設けられているために、貯油室の分だけスペースを占有することになる(図1点線部)。これに対して、本実施形態の圧縮機1によれば、高圧室側に設けられていた貯油室をリアハウジング15の内部に設けたので、当該貯油室の分だけ投影体積を減らして、省スペース化を図ることができる。
なお、ここで投影体積とは、圧縮機の外殻が占める体積をいう。
ここで、本実施形態における貯油室18は、リアハウジング15の内部に設けており、この領域はそもそも圧縮機1の投影体積の範囲に含まれている。しかも、貯油室18を、リアハウジング15の周方向に沿って形成しているので、必要な貯油量を確保することができる。したがって、貯油室の位置を変更したとしても、圧縮機1の投影体積が増えることがない。
次に、圧縮機1は、圧縮機構12を収容するリアハウジング15の内部に貯油室18を、設けることにより、過渡運転時にラップ22,32が相手側の端板31,21に接触することを避けることができる。以下、この効果について説明する。
圧縮機構12によって冷媒ガスがその中心に向けて圧縮の程度が高くなる。そのために、潤滑油Lを含む冷媒ガスは、圧縮機構12の径方向における中心部の方が外周部に比べて温度が高くなる温度分布を有する。そのために、圧縮機構12は、冷媒ガスの温度分布に応じて、中心部の方が外周部に比べて温度が高くなる。もっとも、圧縮機1を連続的に運転していると、中心部から外周部に向けた熱伝導により、両者の温度差は小さくなる。ところが、圧縮機1を起動した当初は、この熱伝達が不十分であるから、中心部と外周部の温度差が大きくなる。したがって、外周部に位置するリアハウジング15の前後方向の熱膨張に比べて、圧縮機構12の中心部に位置するラップ22,32は歯丈方向への熱膨張が大きくなり、温度差が大きくなりすぎると、ラップ22,32が相手側の端板31,21に接触するおそれがある。この接触が過度に行われると、ラップ22,32が損傷したり、変形したりして、冷媒ガスの漏れを防止が生じるおそれがある。
ところが、圧縮機1は、リアハウジング15の内部に、その周方向に沿って貯油室18が設けられており、この貯油室18には高温の潤滑油Lが貯留される。したがって、リアハウジング15は、この高温の潤滑油Lにより加熱されるので、中心部との温度差が低減されることになる。そのために、ラップ22,32が歯丈方向へ熱膨張したとしても、リアハウジング15も同じ方向に相当程度熱膨張するので、ラップ22,32が相手側の端板31,21に接触するのを避けることができる。したがって、ラップ22,32の損傷、変形による圧縮機1の性能低下を防止できる
なお、過渡運転は、起動当初に限らず、圧縮機1の回転速度が急激に増速される場合も該当する。
[第2実施形態]
第1実施形態では、潤滑油Lを主として自重により貯油室18に流入させるため、貯油室18が設けられる高さ方向の位置は、油分離室17の位置によって制約される。そこで、本実施形態では、貯油室42を設ける位置の自由度を向上させたスクロール型圧縮機2(以下、圧縮機2)について述べる。
以下、圧縮機2を、図2および図4を参照して、圧縮機1との相違点を中心に説明する。なお、圧縮機1と同様の構成部分には、図1と同じ符号を図2に付し、説明を省略する。
貯油室42は、図2および図4(c)に示すように、リアハウジング15の胴体内部において、旋回スクロール30よりも前方の上側に設けられる。
油分離室17と貯油室18を繋ぐ配管19の配管19の途中には、絞り29が設けられている。油分離室17から流入し配管19を流れる潤滑油Lは、絞り29を通過することにより圧力が低下する。
油分離室17の出口19bは、貯油室18の入口19aよりも高い位置に設けられる。
なお、図2では、便宜上、配管19を点線でハウジング11の外側に表しているが、配管19はハウジング11の内部の適切な領域に設けられる。
[作用・効果]
本実施形態に係る圧縮機2は、圧縮機1で得られる二つの効果に加えて、以下の効果を有する。
圧縮機2によれば、まず、潤滑油Lは絞り29を通過することで圧力が低下する。そうすると、貯油室42が油分離室17よりも圧力が低くなり両者に圧力差が生じる。この圧力差を利用することにより、自重によっては油分離室17から潤滑油Lが流入できない位置に貯油室42が設けられていたとしても、油分離室17で分離された潤滑油Lを貯油室42に流入させることができる。より具体的には、貯油室42の入口19aを出口19bよりも高い位置に設けることができる。このように、第2実施形態によると、貯油室42を設ける高さの自由度を向上させることができる。
なお、絞り29を通過すると潤滑油Lの温度が低下するので、絞りの程度はこの温度低下をも考慮して定めるのがよい。
[第3実施形態]
第1,2実施形態では、貯油室18,42をリアハウジング15の周方向の一部に限って設けている。第3実施形態では、リアハウジング15の周方向の全域に亘って貯油室43を設けることで、第1,2実施形態よりもリアハウジング15の周方向の広い範囲に亘って、潤滑油Lによる加温ができるスクロール型圧縮機(以下、圧縮機)3について述べる。
以下、本実施形態に係る圧縮機3を、図3および図4(c)を参照して、圧縮機1,2との相違点を中心に説明する。なお、圧縮機1,2と同様な構成部分には、図1及び図2と同じ符号を付し、説明を省略する。
貯油室43は、図3に示すように、リアハウジング15の胴体内部であって、旋回スクロールよりも前方の周方向の全域に環状に形成されている。貯油室43の上端部と油分離室17は配管19で接続され、配管19の途中には、絞り29が設けられている。
なお、図3では、便宜上、配管19を点線でハウジング11の外側に表しているが、配管19はハウジング11の内部の適切な領域に設けられる。
[作用・効果]
本実施形態に係る圧縮機3は、圧縮機1,2で得られる効果に加えて、以下の効果を有する。
油分離室17からの潤滑油Lは、油分離室17と貯油室43の圧力差によって、配管19を上昇し、貯油室43の上端部に流入される。流入された潤滑油Lは、自重により、貯油室43を区画する円弧状の内壁面を伝って下方に移動するので、内壁面は周方向の全域に亘って潤滑油Lによって直接的に加温される。そのために、第3実施形態は、リアハウジング15の周方向の一部のみにしか貯油室18,42が設けられていない第1,2実施形態に比べて、リアハウジング15を加温する能力が高い。したがって、圧縮機3は、ラップ22,32の先端が相手側の端板31,21と接触するのをより確実に防止できる。
また、貯油室43は、図4(c)に示すように、周方向の全域に設けられているため、第1実施形態および第2実施形態の貯油室18,42と比べて、潤滑油Lを貯留するために広い容積を確保できる。貯油室42の容積を広く確保できると、潤滑油Lの使用する量を増大させることができる。
以上、本実施の形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1,2,3スクロール型圧縮機(圧縮機)
10A 低圧室
10B 高圧室
11 ハウジング
12 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
13 主軸
13a 偏心ピン
14 フロントハウジング
15 リアハウジング
15a 吐出ポート
16 Oリング
17 油分離室(油分離器)
17a 内壁面
17b 導入孔
18 貯油室
19 配管(流路)
19a 入口
19b 出口
20 固定スクロール
21 固定端板(端板)
22 ラップ
23 吐出ポート
25 連通路
27 ボス
28 チップシール
29 絞り
30 旋回スクロール
31 旋回端板(端板)
32 ラップ
33a 第1軸受
33b 第2軸受
34 Oリング
35 ドライブブッシュ
36 オルダムリング
38 チップシール
42,43 貯油室
L 潤滑油
PR 圧縮室
S 密閉空間

Claims (3)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングの内部に設けられ、旋回スクロールと、前記旋回スクロールと対向することで冷媒を圧縮する圧縮室を形成する固定スクロールと、を有するスクロール圧縮機構と、
    前記圧縮室から吐出された前記冷媒に混入した潤滑油を分離する油分離器と、
    前記油分離器で分離された前記潤滑油が貯留される貯油室と、を備え、
    前記貯油室は、
    前記スクロール圧縮機構をその周囲から覆う前記ハウジングの胴体部分の周方向の一部又は全域に沿って形成される、
    ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 前記油分離器と前記貯油室を繋ぐ流路を備え、
    前記油分離器で分離された前記潤滑油は、分離されたときの圧力状態を保って前記流路を流れて前記貯油室に流入する、
    請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記油分離器と前記貯油室を繋ぐ流路を備え、
    前記油分離器で分離された前記潤滑油は、分離されたときの圧力が前記流路を流れる過程で減圧されて前記貯油室に流入する、
    請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018514705A (ja) * 2015-07-14 2018-06-07 ハノン システムズ 両頭斜板式圧縮機
KR101910384B1 (ko) * 2016-12-26 2018-10-22 엘지전자 주식회사 전동식 압축기

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JP2018514705A (ja) * 2015-07-14 2018-06-07 ハノン システムズ 両頭斜板式圧縮機
KR101910384B1 (ko) * 2016-12-26 2018-10-22 엘지전자 주식회사 전동식 압축기

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