JP2022052294A - 複合シートの製造方法 - Google Patents

複合シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022052294A
JP2022052294A JP2020158592A JP2020158592A JP2022052294A JP 2022052294 A JP2022052294 A JP 2022052294A JP 2020158592 A JP2020158592 A JP 2020158592A JP 2020158592 A JP2020158592 A JP 2020158592A JP 2022052294 A JP2022052294 A JP 2022052294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
composite sheet
receiving roll
manufacturing
laminated body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020158592A
Other languages
English (en)
Inventor
裕史 佐々木
Yuji Sasaki
和俊 大塚
Kazutoshi Otsuka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2020158592A priority Critical patent/JP2022052294A/ja
Publication of JP2022052294A publication Critical patent/JP2022052294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】複合シートを構成するシート間の接合強度を向上させること。【解決手段】受けロール13aと、受けロール13aの周面に対向配置された振動エネルギー付与部との間に、3枚以上のシートからなる積層体10を搬送し、振動エネルギー付与部により付与されるエネルギーにより積層体10を構成するシートを互いに接合する接合部形成工程を含む複合シートの製造方法であって、接合部形成工程において、受けロール13aの周面のうち、振動エネルギー付与部との対向位置よりも下流側において、積層体10を受けロール13aの周面に抱かせながら接合する。接合部形成工程において、振動エネルギー付与部よりも下流側に配置された下流側ガイドロールに積層体10を抱かせながら接合することが好適である。【選択図】図5

Description

本発明は、複合シートの製造方法に関する。
上記技術分野において、特許文献1には、シート状マスクの製造装置において、二つ折りマスク連続体を折り線よりの折り部位にて融着して、二つ折り状態を維持する折り側接合部を形成する折り側接合部形成部170が、超音波シールと受けロールとで構成されていることが開示されている(同文献段落[0039]~[0042]等)。また、特許文献2には、アンビルロールと超音波ホーンとにより、第1シート層及び第2シート層に超音波溶融エネルギーを与えて接合する技術が開示されている(同文献段落[0038]~[0040]等)。
特開2019-183343号公報 特開2018-27672号公報
上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、いずれも、アンビルロールと超音波付与機との間に複数枚のシートの積層体を搬送しつつ、超音波付与機によって溶着に必要なエネルギーを付与するものであるところ、積層体を構成するシートの枚数が多い場合における接合強度については特段の記載はなかった。
積層体を構成するシートの枚数が多い場合には、積層体を構成するシートどうしの接合位置にずれが生じ、そのことに起因して接合強度を向上させ難いことを本発明者らは見出した。
したがって、本発明の課題は、接合強度を向上させられる複合シートの製造方法に関する。
本発明は、受けロールと、前記受けロールの周面に対向配置された振動エネルギー付与部との間に、3枚以上のシートからなる積層体を搬送し、前記振動エネルギー付与部により付与されるエネルギーにより前記積層体を構成するシートを互い接合する接合部形成工程を含む複合シートの製造方法であって、
前記接合工程において、前記受けロールの周面のうち、前記振動エネルギー付与部との対向位置よりも下流側において、前記積層体を前記受けロールの周面に抱かせながら接合する複合シートの製造方法に関する。
本発明の方法によれば、複合シートの接合強度を向上させられる。
本発明の複合シートの製造方法により製造されるシート状マスクの一例を示す図であり、(a)は、シート状マスクを立体形状としたときの斜視図であり、(b)は、シート状マスクの平面図であり、(c)は、シート状マスクを展開状態としたときの平面図である。 図1(b)におけるII-II線模式断面図である。 本発明のシート状マスクの製造方法に好ましく用いられる製造装置の概略斜視図である。 複合シートの従来の製造装置の超音波ホーンと受けロールとにおけるずれの発生メカニズムを説明するための(a)超音波接合前、(b)超音波接合時、(c)超音波接合後の状態を示す側面模式図である。 本発明の好ましい一実施形態の複合シートの製造方法に用いられる製造装置の(a)ガイドロールを下流側に配置、(b)ガイドロールを上流側及び下流側に配置した状態、(c)二組のニップロールを配置した状態を説明するための側面模式図である。 本発明の好ましい一実施形態の複合シートの製造方法に用いられる製造装置の超音波ホーンと受けロールとの位置関係及びクリアランスを説明するための(a)中心軸が一致した状態、(b)中心軸がずれた状態の側面模式部分拡大図である。 本発明の好ましい一実施形態の複合シートの製造方法に用いられる製造装置の受けロールの凹凸パターン部について説明するための模式図である。
以下、本発明の複合シートの製造方法について、図1~図7に示す実施形態を参照して説明する。本実施形態の複合シートの製造方法は、第1シート31と第2シート32との間に機能性部材33を有する複合シート3を製造する方法である。ただし、本発明の適用範囲は、3枚以上のシートが積層されていれば、機能性部材を有する複合シートに限られない。また、機能性部材に限らず、複合シートの厚みを部分的に厚くさせるような高坪量部が含まれている場合、特に接合位置にずれが生じやすく、本発明の効果が顕著に得られる。
本実施形態の複合シートの製造方法により製造される複合シート3は、図1(a)及び(b)に示したように、立体形状、好ましくは、カップ形状に変形させることによりマスク本体2を備えるシート状マスク1に適用することも可能である。
例えば、マスク本体2は、図1(c)に示す複合シート3を二つ折り部4に沿って二つ折りすることにより形成される。二つ折り部4は、後述する二つ折り工程において、複合シート3の原反である帯状の複合部材34が、その幅方向の中央部に設定される二つ折り予定部31aに沿って折り曲げられて形成される。また、二つ折りされた複合シート3は、二つ折りにより相対向する部位が、接合部5において互いに接合されている。接合部5は、平面状としたマスク本体2をその面の法線方向から見た平面視(図1(b)参照)において、マスク本体2の外縁部に沿って形成される。接合部5は、マスク本体2における二つ折り部4を挟んで上下に位置するように形成されている一方、二つ折り部4とは反対側の部分に、相対向する複合シート3同士が接合されていない開放外縁部6が形成されている。そして、開放外縁部6を互いに遠ざけ、相対向する複合シート3同士の間に空間が形成されるようにマスク本体2を変形させると、マスク本体2の形状をカップ形状に変形させることができるようになっている。なお、シート状マスク1は、マスク本体2のみからなるものであってもよいし、マスク本体2に耳に掛けて装着するための耳掛け部(不図示)を設けたものであってもよい。耳掛け部は、マスク本体2に、耳を挿入可能なスリットを形成して設けてもよく、マスク本体2に、別体の紐やスリットを形成したシート部材当の耳掛け部材を接合等して設けてもよい。
マスク本体2における複合シート3は、外側に位置する第1シート31及び内側に位置する第2シート32が二つ折りされている。
マスク本体2の形状は特に限定されるものではないが、図1に示した例では、マスク本体2は、二つ折り部4に沿う方向おける中心線CL1を対称軸として線対称な形状を有している。また、図1に示した例では、その中心線CL1は、後述する図3に示すとおり、複合部材34の搬送方向において間欠塗布部41の中央を通る線となっている。
複合シート3は、図2に示すように、第1シート31と第2シート32と両シート31,32の間に配置された機能性部材33とを有している。第1シート31の一面側には接着剤(図示せず)が塗布されており、該接着剤を介して、第1シート31の一面側に、機能性部材33及び第2シート32が接着されている。接着剤としては、各種公知の接着剤を用いることができ、ホットメルト型接着剤を用いることが好ましい。複合シート3の形状は、特に限定されるものではないが、図1に示す例では、展開状態の複合シート3は、二つ折り予定部31aを対称軸として線対称な平面視形状をしている。
第1シート31及び第2シート32としては、任意のシート材料を用いることができ、例えば、不織布、織布、編み布等の繊維材料からなる繊維シート、樹脂フィルム、繊維シートと樹脂フィルムとのラミネート材、これらとネット状部材との複合材等を用いることができるが、不織布又は不織布と樹脂フィルムやネット状部材等の他の部材との複合材であることが好ましい。不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトプローン不織布、スパンレース不織布等が挙げられ、単層でも多層構造でもよい。
第1シート31及び第2シート32は、製品の設計に応じて任意の材料を用いることができ、それぞれ、通気性シートでも非通気性シートでもよく、また、それぞれ伸縮性を有していてもよく、非伸縮性であってもよい。機能性部材33として、蒸気の放散性の高い発熱体を用いる場合、第1シート31及び第2シート32のうち、マスク本体2の内表面側に配される方のシートが通気性であることが、放散される蒸気の作用をシート状マスク1の使用者の身体に効率よく作用させる観点から好ましい。伸縮性を有するシートとしては、構成繊維として弾性繊維を含むシート、弾性フィラメントを含むシート、ゴム編等の構造により伸縮性を発現するシート等が挙げられる。
機能性部材33としては、発熱組成物を含む発熱体、冷感剤や香料等の保持体等が挙げられる。図示する実施形態のシート状マスク1は、機能性部材33として発熱組成物を含む発熱体を有している。発熱体33は、例えば、図2に示すように、通気性シート33aと、非通気性シート33bと、これらのシート33a,33bの間に配された発熱組成物33cとを有するものである。発熱体33は、通気性シート33aが第2シート32側に位置するように配されていることが好ましい。
次に、本発明の複合シートの製造方法の一実施形態として、上述したシート状マスク1を製造する方法について、図3~図8を参照しながら説明する。本実施形態のシート状マスク1の製造方法は、塗布部形成工程と、第1接着工程と、第2接着工程と、二つ折り工程と、接合部形成工程と、切断工程とを備えている。図3には、本実施形態のシート状マスク1の製造方法に用いられる製造装置100の概略図が示されている。
塗布部形成工程においては、連続搬送される帯状の第1シート31の一面に接着剤を塗布して塗布部を形成する。塗布部形成工程は、好ましくは間欠塗布部形成工程と連続塗布部形成工程とを含んでいる。
間欠塗布部形成工程においては、連続的に搬送される帯状の第1シート31の一面における搬送方向Xに直交する幅方向Yの中央域に、接着剤71を搬送方向Xに間欠的に塗布して間欠塗布部41を形成する。間欠塗布部41は、帯状の第1シート31の幅方向Yの中央域に、第1シート31の搬送方向Xに沿って、相互間に間隔を有するように間欠的に形成される。間欠塗布部41は、帯状の第1シート31の幅方向Yにおいて連続的又は間欠的に形成することができる。間欠塗布部41における接着剤71の塗布パターンは、特に制限されず、例えば、間欠塗布部の全域に隙間なく塗布してもよいし、ストライプ状、ドット状、ファイバー状、格子状、網状、市松模様状、環状等で会ってもよい。間欠塗布部41の平面視形状は特に限定されるものではないが、図示例では、間欠塗布部41は、第1シート31における二つ折り予定部を対称軸として線対称な平面視形状を有している。
連続塗布部形成工程においては、帯状の第1シート31の一面における幅方向Yの端部域に、接着剤72を塗布して連続塗布部42を形成する。連続塗布部42は、帯状の第1シート31における幅方向Yにおいて、間欠塗布部41が形成される中央域を挟む両側に位置する二つの端部域のそれぞれに、第1シート31の搬送方向Xに沿って連続的に形成される。
間欠塗布部形成工程及び連続塗布部形成工程は、どちらの工程を先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。また間欠塗布部形成工程及び連続塗布部形成工程で塗布する接着剤71,72は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、製造装置100に備えられた塗布部11によって間欠塗布部形成工程及び連続塗布部形成工程を同時に行い、同じ接着剤71,72を第1シート31の位置に塗布している。塗布部11としては、例えば、コーター式、グラビア式、凸版式、ビード式、スプレー式等の塗布装置を用いることができる。
第1接着工程においては、塗布部形成工程において形成された塗布部に発熱体等の機能性部材33(以下「発熱体33」という)を接着させる。例えば、発熱体33を、間欠塗布部41に接着させることができる。具体的には、発熱体33を第1シート31の一面側に配し、発熱体33における第1シート31と対向する面の一部又は全面を間欠塗布部41に接着させる。本実施形態では、好ましくは発熱体33の中央部を含む部分、より好ましくは発熱体33の片面全面を間欠塗布部41に接着させる。なお、ここでは、発熱体33を塗布部に接着させて、発熱体33を配置する例で説明をしたが、塗布部に接着させる部材は、発熱体33には限定されず、発熱体33以外の他の部材を配置してもよい。
第2接着工程は、第1接着工程後に行う。第2接着工程においては、帯状の第2シート32を、帯状の第1シート31における発熱体33が配されている面側に重ね合わせ、第1シート31及び第2シート32を、連続塗布部42を介して接着させる。第1シート31と第2シート32とは、幅方向Yにおける中央部同士が、第1及び第2シート31,32を平面視して重なるように重ね合わせることが好ましい。また、第1シート31と第2シート32とは、幅方向Yの長さが略同じであることが好ましく、第2接着工程では、第1シート31の幅方向Yの両側縁と、第2シート32の幅方向Yの両側縁とが平面視して重なるように、両シート31,32を重ねることが好ましい。第2接着工程により、帯状の第2シート32と帯状の第1シート31との間に、発熱体33が搬送方向Xに間欠的に保持されている帯状の複合部材34が形成される。複合部材34は、製造されたシート状マスク1における複合シート3に対応する部材である。
二つ折り工程においては、第2接着工程において形成される複合部材34を、幅方向Yに二つ折りする。二つ折り工程において二つ折りした位置は、製造されるシート状マスク1における二つ折り部4の位置と一致する。本実施形態では、製造装置100に備えられた二つ折りガイド12によって二つ折り工程を行っている。二つ折りガイド12は、その側面視において逆台形状を有し、鉛直方向Zの上下に位置する上端縁12a及び下端縁12bを有している。また、二つ折りガイド12は、その主面が鉛直方向Zに沿うように配されている。本実施形態では、二つ折り工程において、複合部材34の幅方向Yの中央域に第2シート32側から二つ折りガイド12の下端縁12bを当接させて二つ折りの基点を形成した後、複合部材34の幅方向Yの両側の端部域34s,34sを鉛直方向Zに沿う状態、好ましくは鉛直方向Zと平行な状態となるまで立ち上げることによって、複合部材34の搬送方向Xに沿って二つ折りしている。
接合部形成工程においては、二つ折り工程において二つ折りした複合部材34に、接合部5(外形シール部)を形成する。接合部5は、二つ折りした複合部材34における、二つ折りにより相対向することになった部位同士を接合して形成される。接合部5は、二つ折りした複合部材34の搬送方向Xにおける個々の間欠塗布部41の前後それぞれに形成され、接合部5は、複合部材34を平面視して間欠塗布部41より前方に位置する前接合部と、間欠塗布部41より後方に位置する後接合部とを有する。接合部5を形成するための接合手段としては、超音波溶着、高周波溶着等の振動エネルギー付与によるものが挙げられる。本実施形態では、製造装置100が有する接合部形成部13により、接合部形成工程を行っている。また、本実施形態では4枚のシートが積層され、間に高坪量部である発熱体を有し、厚みが不均一になった状態で、接合部形成工程に供されている。
ここで、図4~図7を参照して、接合部形成部13の構成について説明する。接合部形成部13は、受けロール13aの周面に対向配置されており、先端部から振動エネルギーを付与する。本実施形態における製造装置100においては、振動エネルギー付与部として、超音波ホーンを用いた超音波接合が用いられている。
接合部形成部13における超音波ホーンは、金属製の部材からなる。受けロール13aは、金属製のロールであり、周面に複数の凸部による凹凸パターンを有する凹凸パターン部13bを有している。凹凸パターン部13bは、受けロール13aの回転方向に沿って等間隔で複数設けられている。凹凸パターン部13bについては、例えば、特許文献1の図7に示されたパターン等が利用できる。
図4には、複合シートの従来の製造方法において、該複合シートを構成するシートどうしの接合部5にずれが生じるメカニズムが記載されている。図4の上側((a1)、(b1)、(c1))には、接合部形成部13(超音波ホーン)と受けロール13aとの側面図が示され、下側((a2)、(b2)、(c2))には、複合シートを構成するシートのうち最外面に位置する第1シート31及び第2シート32の平面図が模式的に示されている。
図4(a)に示したように、接合前の状態では、第1シート31上の任意の点31mと、それに対応する第2シート32の点32nとは同じ位置にある。しかし、超音波ホーンを含めた接合部形成部13が固定式(すなわちクリアランスが一定)であるため、各シートの積層体が接合部形成部13と凹凸パターン部13bとの間を通過するときに、接合部形成部13側に位置する第1シート31が超音波ホーンに当接して搬送時の摩擦抵抗が発生し、そのことに起因して図4(b)に示したように、接合時においては、第1シート31が、第2シート32に対して、遅れて搬送される。そして、第1シート31が遅れて第2シート32に対して搬送されたままの状態で、接合部形成部13により同時刻にすべてのシートが接合されて接合部5が形成される。つまり、第1シート31と第2シートとがずれたまま接合されることになる。そして、図4(c)に示したように、接合された後、第1シート31は、接合部形成部13と凹凸パターン部13bとの間を通過することで搬送時の摩擦抵抗が解除されて、接合前の状態に復元する。つまり、第1シート31上の点31mと、それに対応する第2シート32の点32nとは同じ位置となる。しかしながら、接合部5の位置は第1シート31と第2シート32とで同じとはならない。
位置ずれを克服し、接合部5において第1シート31の接合を強化している。なお、以上の位置ずれは、接合部形成部13がロータリー式である場合であっても、接合時には超音波ホーンとシートとの間で摩擦抵抗が発生するため生じるが、固定式の場合の方が、摩擦抵抗が発生しやすいため、本発明の効果が顕著に奏される。
図5に示すとおり、接合部形成部13は、受けロール13aの周面に対向配置されている。接合前の状態の積層体10は、接合部形成部13と受けロール13aとの間に搬送される。本実施形態においては、積層体10は4枚のシートが積層されている。このとき、接合部形成部13と受けロール13aとの間に搬送された積層体10を受けロール13aの周面の一部に巻きかける。具体的には、受けロール13aの周面のうち、少なくとも、接合部形成部13との対向位置よりも下流側において、複合シート3を受けロール13aの周面に抱かせる。こうすることによって、積層体10が張力によって引き延ばされ、該積層体10が接合部形成部13において接合される直前での該積層体10の厚みを低減させる。この状態下に、接合前の積層体10を、接合部形成部13と受けロール13aとの間に供給することで、接合部形成部13における超音波ホーンと積層体10との摩擦抵抗が低減される。そのことによって積層体10を構成するシートのうち、超音波ホーンと接するシートの搬送に遅れが生じることが抑制される。その結果、積層体10を構成するすべてのシートに搬送遅れが生じることなく、各シートの接合予定位置において接合が首尾よく行われる。
積層体10を受けロール13aの周面の一部に巻きかけるための手段としては種々のものを採用できる。例えば、少なくとも接合部形成部13の下流側において、受けロール13aの周面に対向する位置にガイドロール13cを配置することができる。受けロール13aの周面における最高点が、ガイドロール13cの最低点より、相対的に低くなるようにする。こうすることで、ガイドロール13cにより積層体を受けロール13aの周面に抱かせながら接合することができる。
具体的には、図5(a)に示したように、基準搬送経路13eの位置と凡そ一致している受けロール13aの周面における最高点より、ガイドロール13cの最低点を垂直方向において低い位置に配置することにより、このような構成にすることができる。逆に、受けロール13aの周面における最高点を、基準搬送経路13eの位置と凡そ一致しているガイドロール13cの最低点より、垂直方向において高い位置に配置してもよい。
図5(b)に示したように、接合部形成部13の上流側及び下流側のそれぞれにおいて、受けロール13aの周面に対向する位置にガイドロール13c,13cを配置することもできる。ガイドロール13cを下流側だけでなく、上流側にも設けることにより、接合部形成部13による接合の直前において、積層体10の厚みをさらに低減することが可能となる。
受けロール13aの周面の一部に積層体10を巻きかける手段として、ガイドロール13cに代えてニップロール13fを採用することもできる。図5(c)に示す手段では、二組のニップロール13f,13fのそれぞれを、受けロール13aの上流側及び下流側において、該受けロール13aから所定距離離間した位置に配置し、各組のニップロール間に積層体10を通過させている。図5(b)に示したように、ニップロール13fを採用しない場合、すなわち、ガイドロール13cのみの場合、ガイドロール13cは、フリーロールとなるので、積層体10(複合シート3)の搬送速度は、接合部形成部13の上流側及び下流側において、同じ速度となる。一方で、図5(c)に示したように、上流側及び下流側にニップロール13fを設けると、上流側のニップロール13fと下流側のニップロール13fとで、周速差をつけられるので、搬送される積層体10(複合シート3)にテンションをかけることができ、接合部形成部13による接合の前に、積層体10の厚みを、図5(b)の場合と比較して、より低減させることができる。このように、積層体の厚みが大きい場合には、積層体10を構成するシートどうしの接合位置にずれが生じることを抑制できるので、接合強度を向上させることができる。
本発明においては、搬送される積層体10の厚みが接合部形成工程に供される前の状態で、1.5mm以上である場合に本発明の効果が顕著に発現する。特に複合シート3の厚みが2mm以上、とりわけ3mm以上であると、本発明の効果が一層顕著に発現する。定圧厚み測定器PG-11(株式会社テクロック)にて測定(測定子10cm、測定力3.7gf/cm)にて測定。
次に、接合部形成部13と、受けロール13aとの位置関係について説明する。図6(a)に示したように、受けロール13aは、側面から見ると円柱形状の部材であり、円柱の軸(円の中心を通り、幅方向に沿って延びる軸)に垂直な中心軸と、接合部形成部13における超音波ホーンの中心軸とが重なるように配置されている。このときの接合部形成部13における超音波ホーンの先端と、受けロール13aの周面との間のクリアランスdは、両者の中心軸を結ぶ最短距離となる。
また、図6(b)に示したように、両者の中心軸をずらして配置することが好ましい。すなわち、接合部形成部13における超音波ホーンの中心軸が、受けロール13aの中心軸に対して、距離gだけ上流側に位置するように配置することが好ましい。
このように、距離gだけ中心軸をずらした場合、接合部形成部13における超音波ホーンの先端と、受けロール13aの周面との間のクリアランスd’は、両者の中心軸を結ぶ最短距離よりも長くなる。つまりd→d’となる。これにより、超音波ホーンの先端の位置に積層体が侵入する際、急激に積層体の厚みが減少することを防ぐことができる。これにより、複合シート3を構成するシートのうち、超音波ホーンに接するシートと該超音波ホーンとの間に生じる搬送の摩擦抵抗が一層低減し、延いては該シートの搬送に遅れが生じることが一層抑制される。結果として、積層体の位置ずれを防ぎ、シート間の接合強度を向上させられる。
図7(a)及び(b)には、受けロール13aが有する凹凸パターン部13bの詳細が示されている。図7(a)に示す実施形態おいては、凹凸パターン部13bは、複数の凸部が軸方向に沿って配列した凹凸列を有している。図7(b)においては、凹凸パターン部13bは、その回転方向の上流側に、複数の凸部が軸方向に沿って配列した凹凸列と、回転方向の下流側に、凹凸を有さない、平坦な圧縮部13dとを有する。圧縮部13dは、受けロール13aの軸方向に沿って延びている。圧縮部13dと凹凸列とは、受けロール13aの回転方向の前後に並列配置されている。
図7(a)に示す実施形態においては、凹凸列の複数の凸部は、凹凸パターン部13bの土台部から突出する直方体形状の部材であり、土台部の搬送方向Xの幅と同じ幅を有している。一方、図7(b)に示すように、搬送方向Xに対して、凸部の幅と土台部の幅とが異なっていてもよい。すなわち、凸部の幅が、土台部の幅よりも小さいか、あるいは、土台部の幅が、凸部の幅よりも大きくてもよい。
積層体に接合部を付与するのは凸部であるが、該凸部の周囲に圧縮部13dがあると、接合時に接合部の近傍も複合シート3の厚みを抑制できるので、接合強度を向上させられる。このため、図7(b)に示す実施形態の方が、図7(a)に示す実施形態よりも好ましい。この効果を一層顕著なものとする観点から、圧縮部13dと凹凸列との段差は0.5mm以上1mm以下であることが好ましい。同様の観点から、圧縮部13d(平坦部分)の搬送方向(受けロール13aの回転方向)に沿う幅は0.5mm以上1mm以下であることが好ましい。
次に、表1を参照して、本実施形態の製造方法によりシート状マスクを製造した場合と、従来の製造方法によりシート状マスクを製造した場合とにおける、複合シートを構成する4枚のシートのうち、第1シート31(接合部形成部13に最も近い側のシート)と第2シート32(受けロール13aに最も近い側のシート)との位置ずれを比較した。
表1に示したように、位置ずれの量の平均値は、本実施形態の製造方法では、820μmとなり、従来の製造方法では、1712μmとなった。このように、本実施形態の製造方法によれば、第1シート31と第2シート32とにおける、接合部の位置ずれが大幅に減少したことが分かる。また、位置ずれの量の標準偏差は、本実施形態の製造方法では、355μmとなり、従来の製造方法では、379μmとなった。本実施形態の製造方法によれば、従来の製造方法と比べて、位置ずれの量のばらつきも減少し、大きな位置ずれも発生し難くなったことが分かる。
Figure 2022052294000002
本実施形態のシート状マスクの製造方法において、以上の接合部形成工程が完了したら、切断工程を行う。切断工程においては、複合部材34を切断して、個々のマスク本体2を切り出す。具体的には、接合部5の外方(すなわち、二つ折り部34a側)であって且つ接合部5に隣接する位置において、複合部材34を接合部5に沿って切断する。本実施形態では、図3に示すとおり切断装置14により切断工程を行っている。切断装置14としては、例えば、互いに対向するカッターロール14aとアンビルロール14bとを備えたロータリーカッター等を用いることができる。
切断工程によって切り出したマスク本体2は、そのままシート状マスク1としてもよいし、マスク本体2に、耳掛け用のスリットや耳掛け部材を後加工により付加してシート状マスク1としてもよい。また、後加工に代えて、第2接着工程と二つ折り工程との間に、左右に分離可能な耳掛け部材や左右一対の耳掛け部材を、マスク本体2として切り出される部位に接合する耳掛け部材の接合工程を設けることもできる。
本実施形態の複合シート3の製造方法においては、二つ折り工程と接合部形成工程との間に、複合部材34の幅方向Yの両端部34sどうしを連続的に接合する仮留め工程を備えていることが好ましい。仮留め工程は、図3に示すとおり製造装置100に備えられた仮留め装置15により行うことができる。具体的には、仮留め装置15により、二つ折りした複合部材34の両端部34sどうしを搬送方向Xに連続的に接合して仮留めシール部34cを形成する。仮留めシール部34cは、連続塗布部42の側縁と複合部材34の側縁との間に形成することが好ましい。仮留め工程を行うことにより、複合部材34を二つ折りした状態で仮留めすることができるため、二つ折り工程の後続の工程において、複合部材34が二つ折りされた状態を安定して維持することができるようになり、製造されるシート状マスク1を構成する各部材がずれたり、シート状マスク1によれが生じたりすることを一層防止することができる。
仮留めシール部34cは、二つ折り工程により二つ折りされた複合部材34の幅方向Yにおける二つ折り部34a側とは反対側の、後にマスク本体2として切り出されない部分に形成することが、製品部分の内側への異物混入を防止できる点やマスク本体を切り出した後に廃棄物として処理する際に部材がばらけることなく効率よく回収できる点から好ましい。
仮留め工程において、複合部材34の両端部34sどうしを接合する手段は、特に制限されず、超音波溶着、熱溶着、高周波溶着等が挙げられるが、これらの中でも、熱によるシート材の変形を抑制できる観点から、超音波溶着が好ましい。
本実施形態の製造方法は、図3に示すとおり、二つ折り工程と接合部形成工程との間に、二つ折りにされた複合部材34を搬送しながらその搬送方向Xに沿う方向を軸方向として軸周りに捻る捻り工程を備えていることが好ましい。捻り工程は、上述した仮留め工程の完了後に行われることが好ましい。捻り工程においては、二つ折りされた複合部材34を、その両側面35が、水平方向の両側を向いた状態から、鉛直方向Zの上下を向いた状態となるように、搬送方向Xに90度回転させることが好ましい。
具体的には、図3に示すとおり、複合部材34を、一対の鉛直ガイドロール16a,16aの間に導入し、一対の無端ベルト16c,16cの間で複合部材34を挟持しながら、一対の水平ガイドロール16b,16b間まで搬送することによって、複合部材34を、搬送方向Xに沿う方向を捻りの軸方向として、その軸周りに90度回転させる。
以上の本実施形態の製造方法によって、シート状マスク1が得られる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば前記実施形態における複合シート3は4枚のシートの積層体であったが、これに代えて3枚のシートの積層体、又は5枚以上の積層体の複合シートを製造対象としてもよい。積層体が3枚以上のシートからなっていれば、接合位置のずれが生じる可能性があり、本発明を適用することにより、位置ずれを防ぎ、接合強度を向上する効果が得られる。
また前記実施形態では、複合シートとしてシート状マスクの製造を例に挙げて説明したが、シート状マスク以外の複合シートに本発明を適用できることは言うまでもない。
1 シート状マスク
2 マスク本体
3 複合シート
4 二つ折り部
5 接合部
10 積層体
13 接合部形成部
13a 受けロール
13b 凹凸パターン部
13c ガイドロール
13d 圧縮部
13e 基準搬送経路
13f ニップロール
31 第1シート
32 第2シート
33 機能性部材(発熱体)
34 複合部材
41 間欠塗布部
42 連続塗布部
51 第1挟圧部
52 第2挟圧部
71,72 接着剤
X 搬送方向
Y 第1シートの幅方向
Z 鉛直方向

Claims (9)

  1. 受けロールと、前記受けロールの周面に対向配置された振動エネルギー付与部との間に、3枚以上のシートからなる積層体を搬送し、前記振動エネルギー付与部により付与されるエネルギーにより前記積層体を構成するシートを互いに接合する接合部形成工程を含む複合シートの製造方法であって、
    前記接合部形成工程において、前記受けロールの周面のうち、前記振動エネルギー付与部との対向位置よりも下流側において、前記積層体を前記受けロールの周面に抱かせながら接合する複合シートの製造方法。
  2. 前記接合部形成工程において、前記振動エネルギー付与部よりも下流側に配置された下流側ガイドロールにより前記積層体を前記受けロールの周面に抱かせながら接合する請求項1に記載の複合シートの製造方法。
  3. 前記振動エネルギー付与部が固定式の超音波ホーンである請求項1又は2に記載の複合シートの製造方法。
  4. 前記接合部形成工程に供される前の状態で、前記積層体の厚さが1.5mm以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
  5. 前記受けロールは、複数の凹凸が前記受けロールの軸方向に沿って配列された凹凸部と、前記受けロールの軸方向に沿って延びる圧縮部とを有する凹凸パターン部を備え、前記凹凸部と前記圧縮部とが前記受けロールの回転方向の前後に並列配置されている請求項1~4のいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
  6. 前記振動エネルギー付与部の中心軸は、前記受けロールの中心軸に対して、上流側に位置している請求項1~5のいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
  7. 2枚以上の帯状シート部材を、前記帯状シート部材の搬送方向と直交する軸方向にて二つ折りして前記積層体を形成する二つ折り工程をさらに含む請求項1~6のいずれか1項に記載の複合シートの製造方法。
  8. 前記二つ折り工程と前記接合部形成工程との間に、前記二つ折り工程において二つ折りされた前記帯状シート部材の幅方向における二つ折り部とは反対側に、前記積層体の相対向する部分に、前記積層体の搬送方向に沿って連続的に接合された仮留め部を形成する仮留め工程をさらに含む請求項7に記載の複合シートの製造方法。
  9. 前記二つ折り工程の前に、仮留め予定位置を避けるように、前記積層体の内部に他の部材を配置する他部材配置工程をさらに含む請求項8に記載の複合シートの製造方法。
JP2020158592A 2020-09-23 2020-09-23 複合シートの製造方法 Pending JP2022052294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020158592A JP2022052294A (ja) 2020-09-23 2020-09-23 複合シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020158592A JP2022052294A (ja) 2020-09-23 2020-09-23 複合シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022052294A true JP2022052294A (ja) 2022-04-04

Family

ID=80948633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020158592A Pending JP2022052294A (ja) 2020-09-23 2020-09-23 複合シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022052294A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107921772B (zh) 复合伸缩部件的制造装置以及制造方法
JP5498474B2 (ja) 積層不織布の製造方法
WO2020235495A1 (ja) 複合伸縮部材およびそれを用いた着用物品
JP4573748B2 (ja) 帯状シートの製造方法
JP7077318B2 (ja) 着用物品の伸縮積層体の製造装置および製造方法
JP7036733B2 (ja) 伸縮シート、それを用いた着用物品および伸縮シートの製造装置
CN111050716B (zh) 穿着物品的制造装置及制造方法
TW201404963A (zh) 複合薄片及複合薄片之製造方法
JP6791625B2 (ja) パンツ型吸収性物品
JP2020054741A (ja) 伸縮性シートの製造方法、及び、伸縮性シートの製造装置
JP5986855B2 (ja) シートの接合装置及び接合装置を用いた使い捨ておむつの製造方法
JP2015085652A (ja) シート融着体の製造装置及び製造方法
JP5849016B2 (ja) マスク製造方法およびマスク製造装置
JP2016112340A (ja) 開孔部を有する複合シートの製造方法及びその製造装置
KR20110098787A (ko) 흡수성 물품의 제조 방법
WO2017033919A1 (ja) 凹凸シートの製造方法
JP2022052294A (ja) 複合シートの製造方法
JP7092738B2 (ja) 伸縮性複合シートの製造方法
WO2014208642A1 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP2015085654A (ja) シート融着体の製造装置
JP2007105925A (ja) シート折り畳み体の製造方法
JP2021094059A (ja) 開孔多層シートの製造方法
JP6538410B2 (ja) 不織布及びその製造方法
JP6546435B2 (ja) 不織布の製造方法
JP6402022B2 (ja) パンツ型使い捨ておむつの製造装置及び製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240305