JP2022052115A - 圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーターおよびロボット - Google Patents

圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーターおよびロボット Download PDF

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Abstract

【課題】電気的特性が安定すると共に、設計された特性からのずれを抑制することができる圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーターおよびロボットを提供する。【解決手段】圧電アクチュエーターの製造方法は、基板と、前記基板上に配置されている第1電極層と、前記第1電極層上に配置されている圧電体層と、前記圧電体層上に配置されている第2電極層と、を有する積層体を準備する工程と、前記圧電体層の輪郭形状を形成する工程と、を含み、前記輪郭形状を形成する工程は、前記圧電体層を前記第2電極層側からドライエッチングし、厚さ方向の途中まで掘り進める工程と、前記ドライエッチングによって前記圧電体層の側面に形成されたドライエッチング面をレジスト膜で覆う工程と、前記圧電体層を前記第2電極層側からウェットエッチングし、前記第1電極層に到達するまで掘り進める工程と、を含む。【選択図】図10

Description

本発明は、圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーターおよびロボットに関する。
例えば、特許文献1にはインクジェットヘッドの製造方法が記載されている。この製造方法は、基板41上に個別電極を形成し、個別電極上に圧電体薄膜を形成し、圧電体薄膜上に共通電極を形成した積層体を得る工程と、個別電極および圧電体薄膜をイオンミリング法や反応性イオンエッチング法等のドライエッチング法にて1つの圧力室3毎に分割すると共に、共通電極の不要部分を除去する工程と、を含む。
特開2002-173770号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている製造方法では、ドライエッチングによって共通電極までエッチングされてしまうため、共通電極の一部が意図せずに除去され、抵抗値の上昇や断線等が生じるおそれがある。そのため、特許文献1に記載されている製造方法を用いて圧電アクチュエーターを製造すると、製造物の電気的特性が、設計された特性からずれ易いという課題がある。
本適用例の圧電アクチュエーターの製造方法は、基板と、前記基板上に配置されている第1電極層と、前記第1電極層上に配置されている圧電体層と、前記圧電体層上に配置されている第2電極層と、を有する積層体を準備する工程と、
前記圧電体層の輪郭形状を形成する工程と、を含み、
前記輪郭形状を形成する工程は、
前記圧電体層を前記第2電極層側からドライエッチングし、厚さ方向の途中まで掘り進める工程と、
前記ドライエッチングによって前記圧電体層の側面に形成されたドライエッチング面をレジスト膜で覆う工程と、
前記圧電体層を前記第2電極層側からウェットエッチングし、前記第1電極層に到達するまで掘り進める工程と、を含む。
本適用例の圧電アクチュエーターは、基板と、
前記基板上に配置されている第1電極と、
前記第1電極上に配置されている圧電体と、
前記圧電体上に配置されている第2電極と、を有し、
前記圧電体は、
側面がドライエッチング面であるドライエッチング部と、
前記ドライエッチング部よりも前記第1電極側に位置し、側面がウェットエッチング面であるウェットエッチング部と、を有する。
本適用例のロボットは、上記の圧電アクチュエーターを有する。
本発明の第1実施形態に係る圧電モーターを示す平面図である。 圧電モーターが有する圧電アクチュエーターを示す平面図である。 図2中のA-A線断面図である。 図2中のB-B線断面図である。 図2中のC-C線断面図である。 圧電アクチュエーターが有する圧電素子を示す断面図である。 圧電アクチュエーターに印加する信号を示す図である。 圧電アクチュエーターの駆動状態を示す平面図である。 圧電アクチュエーターの駆動状態を示す平面図である。 圧電アクチュエーターの製造工程を示すフローチャートである。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るロボットを示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘッドを示す断面図である。
以下、本発明の圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーターおよびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電モーターを示す平面図である。図2は、圧電モーターが有する圧電アクチュエーターを示す平面図である。図3は、図2中のA-A線断面図である。図4は、図2中のB-B線断面図である。図5は、図2中のC-C線断面図である。図6は、圧電アクチュエーターが有する圧電素子を示す断面図である。図7は、圧電アクチュエーターに印加する信号を示す図である。図8および図9は、圧電アクチュエーターの駆動状態を示す平面図である。図10は、圧電アクチュエーターの製造工程を示すフローチャートである。図11ないし図21は、圧電アクチュエーターの製造方法を示す断面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、X軸に沿う方向をX軸方向、Y軸に沿う方向をY軸方向、Z軸に沿う方向をZ軸方向とも言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」とも言い、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。また、X軸方向プラス側を「上」または「上側」とも言い、X軸方向マイナス側を「下」または「下側」とも言う。
図1に示す圧電モーター1は、円盤状をなしその中心軸Oまわりに回転可能な被駆動部材としてのローター2と、ローター2の外周面21に当接する圧電駆動装置3と、を有する。このような圧電モーター1では、圧電駆動装置3を屈曲振動させるとローター2がX軸と平行な中心軸Oまわりに回転する。なお、圧電モーター1の構成としては、図1の構成に限定されない。例えば、ローター2の周方向に沿って複数の圧電駆動装置3を配置し、複数の圧電駆動装置3の駆動によってローター2を回転させてもよい。また、圧電駆動装置3は、ローター2の外周面21ではなく、ローター2の主面22に当接していてもよい。また、被駆動部材は、ローター2のような回転体に限定されず、例えば、直線移動するスライダーであってもよい。
また、圧電駆動装置3は、圧電アクチュエーター4と、圧電アクチュエーター4をローター2に向けて付勢する付勢部材8と、圧電アクチュエーター4の駆動を制御する制御装置9と、を有する。
図2に示すように、圧電アクチュエーター4は、振動体41と、振動体41を支持する支持部42と、振動体41と支持部42とを接続する接続部43と、振動体41に接続され、振動体41の振動をローター2に伝達する凸部44と、を有する。
振動体41は、X軸方向を厚さ方向とし、Y軸およびZ軸を含むY-Z平面に広がる板状をなし、Y軸方向に伸縮しながらZ軸方向に屈曲することによりS字状に屈曲振動する。また、振動体41は、X軸方向からの平面視で、伸縮方向であるY軸方向を長手とする長手形状となっている。ただし、振動体41の形状としては、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。
また、振動体41は、振動体41を屈曲振動させるための駆動用の圧電素子6A~6Fと、振動体41の振動を検出するための検出用の圧電素子6Gと、を有する。
圧電素子6C、6Dは、それぞれ、振動体41のZ軸方向の中央部において、振動体41の長手方向(Y軸方向)に沿って配置されている。また、圧電素子6C、6Dに対して振動体41のZ軸方向プラス側には圧電素子6A、6Bが振動体41の長手方向に並んで配置され、Z軸方向マイナス側には圧電素子6E、6Fが振動体41の長手方向に並んで配置されている。これら6つの駆動用の圧電素子6A~6Fのうち、圧電素子6C、6Dが電気的に接続され、圧電素子6A、6Fが電気的に接続され、圧電素子6B、6Eが電気的に接続されている。後述するように、圧電素子6C、6Dと、圧電素子6A、6Fと、圧電素子6B、6Eと、にそれぞれ位相の異なる同周波数の交番電圧を印加し、これらの伸縮タイミングをずらすことにより、振動体41をその面内においてS字状に屈曲振動させることができる。
また、検出用の圧電素子6Gは、振動体41の中央部であって、圧電素子6C、6Dの間に配置されている。圧電素子6Gは、圧電素子6A~6Fの駆動に伴う振動体41の振動に応じた外力を受け、受けた外力に応じた信号を出力する。そのため、圧電素子6Gから出力される信号に基づいて、振動体41の振動状態を検知することができる。
なお、駆動用の圧電素子の数および配置は、特に限定されず、同様に、検出用の圧電素子の数および配置も特に限定されない。
また、支持部42は、振動体41を支持している。支持部42は、X軸方向からの平面視で、振動体41の基端側を囲むU字形状となっている。ただし、支持部42の形状や配置としては、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。また、接続部43は、振動体41の屈曲振動の節となる部分、具体的には振動体41のY軸方向の中央部と支持部42とを接続している。接続部43は、振動体41に対してZ軸方向マイナス側に位置する第1接続部431と、Z軸方向プラス側に位置する第2接続部432と、を有する。ただし、接続部43の構成は、その機能を発揮することができる限り、特に限定されない。
圧電アクチュエーター4は、図3ないし図5に示すように、2つの圧電素子ユニット5を互いに向かい合わせて貼り合わせた構成である。各圧電素子ユニット5は、基板51と、基板51上に配置された駆動用の圧電素子5A、5B、5C、5D、5E、5Fおよび検出用の圧電素子5Gと、各圧電素子5A~5Gを覆う絶縁性の保護層52と、を有する。基板51としては、特に限定されないが、例えば、シリコン基板を用いることができる。以下の説明では、図3から図5に示す2つの圧電素子ユニット5のうち、各図の下方に位置する圧電素子ユニット5を代表にして説明する。
圧電素子5A~5Gは、それぞれ、基板51上に配置された第1電極53と、第1電極53上に配置された圧電体54と、圧電体54上に配置された第2電極55と、を有する。第1電極53は、圧電素子5A~5Gに共通に設けられている。一方、圧電体54および第2電極55は、それぞれ、圧電素子5A~5Gに個別に設けられている。第1電極53は、振動体41から接続部43を通過して支持部42に引き出された配線57と電気的に接続されている。また、第2電極55は、振動体41から接続部43を通過して支持部42に引き出された配線58と貫通電極56を介して電気的に接続されている。これにより、第1電極53および第2電極55がそれぞれ支持部42まで引き出され、支持部42において制御装置9との電気的な接続を図ることができる。なお、後述するように、配線57、58は、第1電極53と共に第1電極層530から形成されている。
2つの圧電素子ユニット5は、圧電素子5A~5Gが配置されている側の面を対向させた状態で接着剤59を介して接合されている。なお、圧電素子ユニット5は、それ単独で用いられてもよい。また、貼り合わせる数も、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
また、各圧電素子5Aの第1電極53同士は、圧電アクチュエーター4内または圧電アクチュエーター4外において電気的に接続されている。また、圧電素子5Aの第2電極55同士が図示しない配線を介して電気的に接続されている。そして、これら2つの圧電素子5Aから圧電素子6Aが構成されている。他の圧電素子5B~5Gについても同様であり、2つの圧電素子5Bから圧電素子6Bが構成され、2つの圧電素子5Cから圧電素子6Cが構成され、2つの圧電素子5Dから圧電素子6Dが構成され、2つの圧電素子5Eから圧電素子6Eが構成され、2つの圧電素子5Fから圧電素子6Fが構成され、2つの圧電素子5Gから圧電素子6Gが構成されている。
圧電体54の構成材料としては、特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、タンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)、メタニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の圧電セラミックスを用いることができる。また、圧電体54としては、上述した圧電セラミックスの他にも、ポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いてもよい。本実施形態では、圧電体54の構成材料として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いている。これにより、優れた圧電効果を有する圧電体54となる。
また、圧電体54の形成方法としては、特に限定されず、バルク材料から形成してもよいし、ゾル・ゲル法やスパッタリング法を用いて形成してもよい。本実施形態では、圧電体54をゾル・ゲル法を用いて形成している。これにより、薄い圧電体54を低コストで形成することができる。そのため、圧電駆動装置3の薄型化および低コスト化を図ることができる。なお、ゾル・ゲル法とは、有機金属化合物のゾル液をスピンコート等によって基板に塗布し、これを乾燥してゲル膜を得、その後焼成することにより基板上に金属酸化物の膜を得る成膜方法である。
ここで、圧電体54について詳細に説明する。なお、圧電体54は、圧電素子5A~5Gで同様であるため、以下では、圧電素子5Aについて代表して説明し、その他の圧電素子5B~5Gについてはその説明を省略する。
図6に示すように、圧電体54は、第2電極55側に位置するドライエッチング部541と、ドライエッチング部541よりも第1電極53側に位置するウェットエッチング部542と、を有する。後述する製造方法でも説明する通り、ドライエッチング部541は、ドライエッチングにより形成されており、その側面5410がドライエッチング面で構成されている。一方、ウェットエッチング部542は、ウェットエッチングにより形成されており、その側面5420がウェットエッチング面で構成されている。このように、圧電体54を第2電極55側に位置するドライエッチング部541と、第1電極53側に位置するウェットエッチング部542と、で構成することにより、圧電体54の輪郭形成精度を向上させつつ、第1電極53や配線57、58の意図しないエッチングを抑制することができる。そのため、圧電アクチュエーター4の電気的特性が安定すると共に、設計された特性からのずれを抑制することができる。
なお、仮に、圧電体54をドライエッチングだけで形成した場合、すなわち、圧電体54がドライエッチング部541だけで構成されている場合、優れた精度で圧電体54の輪郭を形成することができるという利点がある反面、エッチングレートが低く形成速度が遅いという問題と、前述したように、第1電極53や配線57、58の意図しないエッチングが生じるおそれがあるという問題と、がある。反対に、圧電体54をウェットエッチングだけで形成した場合、すなわち、圧電体54がウェットエッチング部542だけで構成されている場合、エッチングレートが高く形成速度が速い、第1電極53や配線57、58の意図しないエッチングを抑制することができるという利点がある反面で、圧電体54の輪郭形状が設計からずれ易いという問題がある。つまり、ドライエッチングとウェットエッチングとはトレードオフの関係にある。そのため、本実施形態のように、ドライエッチング部541とウェットエッチング部542とを組み合わせることにより、これらの効果を組み合わせることができる。
また、ドライエッチング部541は、第2電極55側から第1電極53側に向けて幅が漸増するテーパー状に形成されている。このように、ドライエッチング部541をテーパー状に形成することにより、当該部分を形成するドライエッチング工程において、圧電体54のキャパシター領域Scが意図せずに除去されてしまうことを抑制することができる。また、ウェットエッチング部542を形成するウェットエッチング工程の際に生じるサイドエッチングにより、ウェットエッチング部542がキャパシター領域Scに侵入してしまうことを抑制することもできる。なお、キャパシター領域Scとは、第1電極53と第2電極55とに挟まれた部分であり、電界が作用する部分を言う。これにより、圧電体54の圧電効果の低下を抑制することができる。
ドライエッチング部541の範囲としては、特に限定されないが、第1電極53に到達しない限り、なるべく広い範囲とすることが好ましい。具体的には、例えば、圧電体54の厚さをTとし、ドライエッチング部541の厚さをT1としたとき、80%≦T1/T≦95%であることが好ましく、90%≦T1/T≦95%であることがより好ましい。これにより、より優れた精度で、圧電体54の輪郭を形成することができる。また、ドライエッチング面である側面5410は、良好な面内均一性を有する。そのため、当該部分からクラック等が入り難い。このような部分をより広く形成することができるため、圧電体54の機械的強度を高めることもできる。
図1に戻って、凸部44は、振動体41の先端部に設けられ、振動体41からY軸方向プラス側へ突出している。そして、凸部44の先端部は、ローター2の外周面21と接触している。そのため、振動体41の振動は、凸部44を介してローター2に伝達される。凸部44の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ジルコニア、アルミナ、チタニア等の各種セラミックスが挙げられる。これにより、耐久性に優れた凸部44となる。なお、凸部44は、必要に応じて設けられればよく、その他の部材で代替されてもよい。
このような圧電アクチュエーター4において、図7に示す交番電圧V1を圧電素子6A、6Fに印加し、交番電圧V2を圧電素子6C、6Dに印加し、交番電圧V3を圧電素子6B、6Eに印加すると、図8に示すように、振動体41がY軸方向に伸縮振動しつつZ軸方向に反S字状に屈曲振動し、これらの振動が合成されて、凸部44の先端が矢印A1で示すように反時計回りに楕円軌道を描く楕円運動する。このような凸部44の楕円運動によってローター2が送り出され、ローター2が矢印B1で示すように時計回りに回転する。また、このような振動体41の振動に対応して、圧電素子6Gから検出信号Ssが出力される。
また、交番電圧V1、V3を切り換えると、すなわち交番電圧V1を圧電素子6B、6Eに印加し、交番電圧V2を圧電素子6C、6Dに印加し、交番電圧V3を圧電素子6A、6Fに印加すると、図9に示すように、振動体41がY軸方向に伸縮振動しつつZ軸方向にS字状に屈曲振動し、これらの振動が合成されて、凸部44が矢印A2で示すように時計回りに楕円運動する。このような凸部44の楕円運動によってローター2が送り出され、ローター2が矢印B2で示すように反時計回りに回転する。また、このような振動体41の振動に対応して、圧電素子6Gから検出信号Ssが出力される。
交番電圧V1、V2、V3の圧電素子6A~6Fへの印加は、制御装置9により行われる。
以上、圧電モーター1について説明した。次に、圧電アクチュエーター4の製造方法について図10から図21に基づいて説明する。圧電アクチュエーター4の製造工程は、図10に示すように、圧電素子ユニット5を製造する圧電素子ユニット製造工程S1と、2枚の圧電素子ユニット5を貼り合わせて圧電アクチュエーター4を得る貼合せ工程S2と、を含む。
さらに、圧電素子ユニット製造工程S1は、基板51と、基板51上に配置された第1電極層530と、第1電極層530上に配置された圧電体層540と、圧電体層540上に配置された第2電極層550と、を有する積層体50を準備する積層体形成工程S11と、圧電体層540をエッチングして圧電素子5A~5Gを形成する圧電素子形成工程S12と、を含む。
さらに、圧電素子形成工程S12は、第2電極層550および圧電体層540をドライエッチングするドライエッチング工程S121と、ドライエッチングにより形成された圧電体層540の側面にレジスト膜R2を成膜するレジスト膜成膜工程S122と、圧電体層540をウェットエッチングするウェットエッチング工程S123と、第1電極層530をドライエッチングするドライエッチング工程S124と、保護層52を形成する保護層形成工程S125と、シリコンウエハ510をエッチングし、基板51を形成する基板形成工程S126と、を有する。
以下、図3に示す断面図に基づいて、圧電アクチュエーター4の製造方法について具体的に説明する。したがって、駆動用の圧電素子6B、6D、6Fおよび検出用の圧電素子6Gについては図示されないが、これらは図示される圧電素子6A、6C、6Eと同様にして形成される。
[圧電素子ユニット製造工程S1]
(積層体形成工程S11)
まず、図11に示すように、基板51の母材となるシリコンウエハ510を準備し、基板51の上面に第1電極層530、圧電体層540および第2電極層550を順に成膜し、積層体50を形成する。なお、図示しないが、1枚のシリコンウエハ510からは、複数の積層体50が一括形成される。
具体的には、まず、基板51上全体にPt、Cr等の金属材料をスパッタ法により成膜し、第1電極53および配線57、58の母材となる第1電極層530を形成する。
次に、第1電極層530上に圧電材料をゾル・ゲル法によって成膜し、圧電体54の母材となる圧電体層540を形成する。ゾル・ゲル法を用いることにより、薄い圧電体層540を形成することができる。そのため、圧電アクチュエーター4の薄型化を図ることができる。また、非真空雰囲気で成膜が可能となるため、圧電体層540を低コストで形成することができる。なお、圧電材料としては、特に限定されないが、本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いている。これにより、優れた圧電効果を有する圧電体54となる。
次に、図12に示すように、圧電体層540の厚み分布を測定する。厚み分布の計測方法としては、特に限定されず、例えば、光学的な膜厚計測により計測することができる。
次に、図13に示すように、圧電体層540上にPt、Cr等の金属材料をスパッタ法により成膜し、第2電極55の母材となる第2電極層550を形成する。以上により、積層体50が得られる。
(圧電素子形成工程S12)
<ドライエッチング工程S121>
次に、図14に示すように、第2電極層550上に、第2電極55のパターンに応じたレジスト膜R1を成膜する。レジスト膜R1は、ドライエッチング用のマスクである。そのため、レジスト膜R1の材料としては、ドライエッチング耐性を有していれば、特に限定されない。レジスト膜R1は、上方に向けて幅が漸減するテーパー状となっている。レジスト膜R1をテーパー状とすることにより、ドライエッチング時に生じる削りカスがエッチング部分から排除され易くなり、ドライエッチングの精度および速度が向上すると共に、ドライエッチングにより形成される面すなわち側面5410がより滑らかとなる。ただし、レジスト膜R1の形状は、これに限定されず、側面が垂直に立っていてもよい。
次に、図15に示すように、レジスト膜R1を介して第2電極層550および圧電体層540をドライエッチングする。ドライエッチングとしては、特に限定されないが、本実施形態では、イオンビームの照射によってエッチングを行うイオンミリング法を用いている。ただし、これに限定されず、例えば、反応性イオンエッチング法(RIE)を用いてもよい。
本工程では、圧電体層540をその厚さ方向の途中まで掘り進める。つまり、本工程は、圧電体層540を厚さ方向の途中まで掘り進めた段階、言い換えると、ドライエッチングにより形成された溝Qが第1電極層530に到達する前に終了する。金属材料で構成された第1電極層530は、本工程のドライエッチングに対する耐性が低い。そのため、溝Qが第1電極層530に到達する前にドライエッチングを終了することにより、本工程によって、第1電極層530が意図せずにエッチング除去されるのを抑制することができる。
仮に、溝Qが第1電極層530に到達するまでドライエッチングを続けてしまうと、第1電極層530が意図せずにオーバーエッチングされ、第1電極53や配線57、58の厚さが減少して電気抵抗が高まったり、ひどい場合には断線してしまったりする。そのため、電気的な特性が設計された特性から大きくずれ、所望の特性を発揮することができなかったり、駆動が不安定だったりする圧電アクチュエーター4となってしまう。また、オーバーエッチングによる配線57、58の電気抵抗の増加を抑制することにより、微弱な検出信号Ssを精度よく受信することができる。
なお、本実施形態では、積層体形成工程S11において圧電体層540の厚さ分布を計測している。そのため、例えば、圧電体層540の溝Qが形成される領域のうち最も薄い部分、図12では点Pにおいて、当該部分に形成される溝Qが第1電極層530に到達する前にドライエッチングが終了するようにエッチング時間を設定すればよい。なお、ドライエッチング装置、本実施形態ではイオンミリング装置によっては、例えば、ウエハ中央部よりも外周部の方がエッチングレートが遅くなる等、シリコンウエハ510内においてエッチングレートのばらつきが生じるおそれがある。そのため、このような特性を有する装置を用いる場合には、前述した圧電体層540の厚み分布のみならず装置特性を加味してエッチング時間を設定することが好ましい。
また、特に限定されないが、本工程では、圧電体層540の厚さの80%以上95%以下の厚さまで圧電体層540を掘り進めることが好ましく、90%以上95%以下の厚さまで圧電体層540を掘り進めることがより好ましい。これにより、溝Qの第1電極層530への到達を抑制しつつ、より多くの範囲をドライエッチングにより掘り進めることができる。これにより、優れた精度で、各圧電体54の輪郭を形成することができる。また、ドライエッチング面である側面5410は、良好な面内均一性を有する。そのため、当該部分からクラック等が入り難い。このような部分をより広く形成することができるため、圧電体54の機械的強度を高めることもできる。
なお、積層体形成工程S11において圧電体層540の厚さ分布を計測しない場合には、点Pを基準とすることができないため、圧電体層540の設計膜厚を基準として、その80%以上95%以下の厚さまで圧電体層540が掘り進められるようにエッチング時間を設定すればよい。下記の表1は、圧電体層540のエッチング深さのばらつきを検証した実験データである。当該表から分かるように、最大エッチング深さは、概ね、平均エッチング深さの105%程度である。したがって、エッチング深さを圧電体層540の80%以上95%以下とすることにより、エッチング深さが最大となる箇所においても溝Qが第1電極層530に到達することを抑制することができる。
Figure 2022052115000002
以上のような工程によって、第2電極55が形成されると共に、圧電体54のうちドライエッチング部541が形成される。ドライエッチング部541は、第2電極55側よりも第1電極53側の方が幅広のテーパー状である。特に、本実施形態では、第2電極55側から第1電極53側に向けて幅が漸増するテーパー状である。ドライエッチング部541をテーパー形状とすることにより、本工程において圧電体層540のキャパシター領域Scが意図せずに除去されてしまうことを抑制することができる。また、テーパー状とすることにより、圧電体54の機械的強度を高めることもできる。また、後のウェットエッチング工程において、溝Qがキャパシター領域Scに侵入することを抑制することもできる。
<レジスト膜成膜工程S122>
次に、図16に示すように、第2電極55およびドライエッチング部541を覆うレジスト膜R2を成膜する。レジスト膜R2は、ウェットエッチング用のマスクである。そのため、レジスト膜R2の材料としては、ウェットエッチング耐性を有していれば、特に限定されない。
<ウェットエッチング工程S123>
次に、図17に示すように、レジスト膜R2を介して圧電体層540をウェットエッチングする。本工程では、溝Qが第1電極層530に到達するまで圧電体層540を掘り進める。これにより、圧電体層540が7つに分割され、各圧電素子5A~5Gの圧電体54が形成される。ここで、金属材料で構成された第1電極層530は、ウェットエッチング耐性を十分に有する。そのため、ウェットエッチング液が第1電極層530に触れても、第1電極層530は、実質的に除去されない。したがって、前述のドライエッチングで生じる問題、すなわち、第1電極層530が意図せずにオーバーエッチングされ、第1電極53や配線57、58の厚さが減少して電気抵抗が高まったり、配線57、58が断線してしまったりするおそれが低くなる。
以上のような工程によって、圧電体54のうちウェットエッチング部542が形成される。ウェットエッチング部542は、第2電極層550側よりも第1電極層530側の方が幅広のテーパー状である。これは、ウェットエッチングが等方性のエッチングであることに起因する。ここで、ウェットエッチング部542の側面5420であるウェットエッチング面は、キャパシター領域Scの外側に位置する。言い換えると、ウェットエッチング部542では、キャパシター領域Scが除去されてない。これにより、圧電体54の圧電効果の低下を抑制することができる。また、圧電体54の機械的強度を高めることもできる。
なお、ウェットエッチング時に生じるサイドエッチングによってキャパシター領域Scが除去されないように、レジスト膜R2を十分に厚く形成している。また、ドライエッチング部541をテーパー状とすることも、サイドエッチングによってキャパシター領域Scが除去されなくするのに役立っている。
<ドライエッチング工程S124>
次に、図18に示すように、第2電極55および圧電体54を覆うレジスト膜R3を成膜する。そして、レジスト膜R3を介して第1電極層530をドライエッチングし、第1電極層530から第1電極53および配線57、58が形成される。これにより、圧電素子5A~5Gが形成される。
<保護層形成工程S125>
次に、図19に示すように、例えば、樹脂材料で構成された保護層52を形成する。その後、貫通電極56、この貫通電極56と第2電極55とを接続する配線等を形成する。
<基板形成工程S126>
次に、図20に示すように、シリコンウエハ510をエッチングし、基板51を形成する。これにより、圧電素子ユニット5が得られる。
[貼合せ工程S2]
次に、図21に示すように、2つの圧電素子ユニット5を準備し、これらを接着剤59を介して接合する。次に、振動体41に凸部44を接合する。以上により、圧電アクチュエーター4が製造される。
以上、圧電アクチュエーター4およびその製造方法について説明した。このような圧電アクチュエーター4は、基板51と、基板51上に配置されている第1電極53と、第1電極53上に配置されている圧電体54と、圧電体54上に配置されている第2電極55と、を有する。また、圧電体54は、側面5410がドライエッチング面であるドライエッチング部541と、ドライエッチング部541よりも第1電極53側に位置し、側面5420がウェットエッチング面であるウェットエッチング部542と、を有する。このように、圧電体54を第2電極55側に位置するドライエッチング部541と、第1電極53側に位置するウェットエッチング部542と、で構成することにより、圧電体54の輪郭形成精度を向上させつつ、第1電極53や配線57、58の意図しないエッチングを抑制することができる。そのため、圧電アクチュエーター4の電気的特性が安定すると共に、設計された特性からのずれを抑制することができる。
また、前述したように、圧電アクチュエーター4の製造方法は、基板51と、基板51上に配置されている第1電極層530と、第1電極層530上に配置されている圧電体層540と、圧電体層540上に配置されている第2電極層550と、を有する積層体50を準備する工程である積層体形成工程S11と、圧電体層540の輪郭形状を形成する工程である圧電素子形成工程S12と、を含む。また、圧電素子形成工程S12は、圧電体層540を第2電極層550側からドライエッチングし、厚さ方向の途中まで掘り進める工程であるドライエッチング工程S121と、ドライエッチングによって圧電体層540の側面に形成されたドライエッチング面をレジスト膜R2で覆う工程であるレジスト膜成膜工程S122と、圧電体層540を第2電極層550側からウェットエッチングし、第1電極層530に到達するまで掘り進める工程であるウェットエッチング工程S123と、を含む。このような製造方法によれば、圧電体54の輪郭形成精度を向上させつつ、第1電極53や配線57、58の意図しないエッチングを抑制することができる。そのため、圧電アクチュエーター4の電気的特性が安定すると共に、設計された特性からのずれを抑制することができる。
また、前述したように、圧電体層540は、チタン酸ジルコン酸鉛をゾル・ゲル法で成膜したものである。これにより、優れた圧電効果を有する圧電体層540が得られる。また、圧電体層540を薄く形成することができる。
また、前述したように、ドライエッチング工程S121では、圧電体層540の厚さの80%以上95%以下の厚さまで圧電体層540を掘り進める。これにより、圧電体54の輪郭形成精度を高めることができる。
また、前述したように、圧電アクチュエーター4の製造方法は、ドライエッチング工程S121に先立って、圧電体層540の厚み分布を計測する工程を含む。これにより、ドライエッチング工程S121において、ドライエッチングが第1電極層530に到達してしまうことを抑制することができる。
また、前述したように、ウェットエッチングによって圧電体層540の側面に形成されたウェットエッチング面は、第1電極層530から形成される第1電極53と第2電極層550から形成される第2電極55とが重なる領域であるキャパシター領域Scの外側に位置している。これにより、圧電体層540から形成される圧電体54は、優れた圧電効果を発揮することができる。
また、前述したように、ドライエッチング工程S121により圧電体層540に形成されたドライエッチング部541は、第2電極層550側よりも第1電極層530側の方が幅が広い。これにより、ドライエッチング部541のキャパシター領域Scが除去されるのを抑制することができる。
また、前述したように、圧電素子形成工程S12によって圧電体層540が複数に分割され、分割された複数の圧電体層540には、基板51を変形させる駆動用の圧電体54と、基板51の変形を検出する検出用の圧電体54と、が含まれる。なお、駆動用の圧電体54とは、圧電素子5A~5Eの圧電体54を言い、検出用の圧電体54とは、圧電素子5Gの圧電体54を言う。圧電素子5Gから出力される検出信号Ssは、非常に微弱である。そのため、オーバーエッチングによる配線57、58の電気抵抗の増加を抑制することにより、検出信号Ssを精度よく受信することができる。
<第2実施形態>
図22は、本発明の第2実施形態に係るロボットを示す斜視図である。
図22に示すロボット1000は、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。ロボット1000は、6軸ロボットであり、床や天井に固定されるベース1010と、ベース1010に回動自在に連結されたアーム1020と、アーム1020に回動自在に連結されたアーム1030と、アーム1030に回動自在に連結されたアーム1040と、アーム1040に回動自在に連結されたアーム1050と、アーム1050に回動自在に連結されたアーム1060と、アーム1060に回動自在に連結されたアーム1070と、これらアーム1020、1030、1040、1050、1060、1070の駆動を制御する制御装置1080と、を有する。
また、アーム1070にはハンド接続部が設けられており、ハンド接続部にはロボット1000に実行させる作業に応じたエンドエフェクター1090が装着される。また、各関節部のうちの全部または一部には圧電アクチュエーター4を備えた圧電モーター1が搭載されており、この圧電モーター1の駆動によって各アーム1020、1030、1040、1050、1060、1070が回動する。なお、圧電モーター1は、エンドエフェクター1090に搭載され、エンドエフェクター1090の駆動に用いられてもよい。
また、制御装置1080は、コンピューターで構成され、例えば、プロセッサー(CPU)、メモリー、I/F(インターフェース)等を有する。そして、プロセッサーが、メモリーに格納されている所定のプログラム(コード列)を実行することで、ロボット1000の各部の駆動を制御する。なお、前記プログラムは、I/Fを介して外部のサーバーからダウンロードしてもよい。また、制御装置1080の構成の全部または一部は、ロボット1000の外部に設けられ、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信網を介して接続された構成となっていてもよい。
以上ロボット1000について説明した。このようなロボット1000は、前述したように、圧電アクチュエーター4を有する。これにより、前述した圧電アクチュエーター4の効果を享受でき、高い信頼性を有するロボット1000となる。
<第3実施形態>
図23は、本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘッドを示す断面図である。
図23に示すインクジェットヘッド3000は、液滴吐出方式によってインクをノズルから吐出するものである。インクジェットヘッド3000は、ヘッド本体3100と、振動板3200と、圧電素子3300と、を有する。ヘッド本体3100は、基体3110と、ノズルプレート3120と、を有する。そして、基体3110をノズルプレート3120と振動板3200とで挟み込むことにより、リザーバー3400およびリザーバー3400から分岐した複数のインク室3500が形成されている。なお、図23では、1つのインク室3500しか図示されてないが、実際は、複数のインク室3500が紙面奥行き方向に沿って複数形成されている。
また、ノズルプレート3120には、インク室3500内のインクを吐出するノズル3121が形成されている。振動板3200は、ヘッド本体3100の上端面に装着されており、各インク室3500の壁面を構成している。振動板3200は、圧電素子3300の振動に応じて振動可能となっている。圧電素子3300は、振動板3200上に配置された第1電極3310と、第1電極3310上に配置された圧電体3320と、圧電体3320上に配置された第2電極3330と、を有する。この圧電素子3300は、前述した第1実施形態の圧電素子5A~5Gと同様の構成であり、同様の方法により形成されている。
圧電素子3300に駆動信号を印加し、圧電素子3300を伸縮させると、インク室3500の圧力が上下し、それに合わせて、リザーバー3400からインク室3500にインクが流入し、ノズル3121からインクが吐出される。
以上のような本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の圧電アクチュエーターの製造方法、圧電アクチュエーターおよびロボットを図示の実施形態に基づいて説明した。ただし、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧電モーター、2…ローター、21…外周面、22…主面、3…圧電駆動装置、4…圧電アクチュエーター、41…振動体、42…支持部、43…接続部、431…第1接続部、432…第2接続部、44…凸部、5…圧電素子ユニット、5A~5G…圧電素子、50…積層体、51…基板、510…シリコンウエハ、52…保護層、53…第1電極、530…第1電極層、54…圧電体、540…圧電体層、541…ドライエッチング部、5410…側面、542…ウェットエッチング部、5420…側面、55…第2電極、550…第2電極層、56…貫通電極、57、58…配線、59…接着剤、6A~6G…圧電素子、8…付勢部材、9…制御装置、1000…ロボット、1010…ベース、1020~1070…アーム、1080…制御装置、1090…エンドエフェクター、3000…インクジェットヘッド、3100…ヘッド本体、3110…基体、3120…ノズルプレート、3121…ノズル、3200…振動板、3300…圧電素子、3310…第1電極、3320…圧電体、3330…第2電極、3400…リザーバー、3500…インク室、A1、A2、B1、B2…矢印、O…中心軸、Q…溝、R1、R2、R3…レジスト膜、S1…圧電素子ユニット製造工程、S11…積層体形成工程、S12…圧電素子形成工程、S121…ドライエッチング工程、S122…レジスト膜成膜工程、S123…ウェットエッチング工程、S124…ドライエッチング工程、S125…保護層形成工程、S126…基板形成工程、S2…貼合せ工程、Sc…キャパシター領域、Ss…検出信号、T、T1…厚さ、V1、V2、V3…交番電圧

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板上に配置されている第1電極層と、前記第1電極層上に配置されている圧電体層と、前記圧電体層上に配置されている第2電極層と、を有する積層体を準備する工程と、
    前記圧電体層の輪郭形状を形成する工程と、を含み、
    前記輪郭形状を形成する工程は、
    前記圧電体層を前記第2電極層側からドライエッチングし、厚さ方向の途中まで掘り進める工程と、
    前記ドライエッチングによって前記圧電体層の側面に形成されたドライエッチング面をレジスト膜で覆う工程と、
    前記圧電体層を前記第2電極層側からウェットエッチングし、前記第1電極層に到達するまで掘り進める工程と、を含むことを特徴とする圧電アクチュエーターの製造方法。
  2. 前記圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛をゾル・ゲル法で成膜したものである請求項1に記載の圧電アクチュエーターの製造方法。
  3. 前記ドライエッチングの工程では、前記圧電体層の厚さの80%以上95%以下の厚さまで前記圧電体層を掘り進める請求項1または2に記載の圧電アクチュエーターの製造方法。
  4. 前記ドライエッチングの工程に先立って、前記圧電体層の厚み分布を計測する工程を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターの製造方法。
  5. 前記ウェットエッチングによって前記圧電体層の側面に形成されたウェットエッチング面は、前記第1電極層から形成される第1電極と前記第2電極層から形成される第2電極とが重なる領域の外側に位置している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターの製造方法。
  6. 前記ドライエッチングの工程により前記圧電体層に形成されたドライエッチング部は、前記第2電極層側よりも前記第1電極層側の方が幅が広い請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターの製造方法。
  7. 前記輪郭形状を形成する工程によって前記圧電体層が複数に分割され、
    前記分割された複数の前記圧電体層には、前記基板を変形させる駆動用の圧電体と、前記基板の変形を検出する検出用の圧電体と、が含まれる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧電アクチュエーターの製造方法。
  8. 基板と、
    前記基板上に配置されている第1電極と、
    前記第1電極上に配置されている圧電体と、
    前記圧電体上に配置されている第2電極と、を有し、
    前記圧電体は、
    側面がドライエッチング面であるドライエッチング部と、
    前記ドライエッチング部よりも前記第1電極側に位置し、側面がウェットエッチング面であるウェットエッチング部と、を有することを特徴とする圧電アクチュエーター。
  9. 請求項8に記載の圧電アクチュエーターを有することを特徴とするロボット。
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